静岡県

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静岡県(しずおかけん)は、太平洋に面する、日本の一つ。

概要[編集]

令制国伊豆国駿河国遠江国の3国に相当する。このため、東西に広大な県となっており、東西で住民の意識が違ってくる。

名目上の行政区分では、東日本中部地方東海地方広域関東圏などに区分されている。又、名古屋圏関東地方からも独立した地域として、「静岡 (県) 地方」とされるケースや、静岡県のみで東海地方とされるケースも存在する。

しかし、糸魚川静岡構造線を挟んで東側と西側に広い面積を占めているため、行政やその他諸々の区分では、これらとは違う区分に属する事もある。とりわけ、関東地方と中部地方の両方に扱われる事がある。

静岡伝説[編集]

  • トーストとベーコンエッグを頼めば大丈夫だろうと思っていたら食前にお茶を出された
  • お茶漬けを食べたあとに食後のお茶を出された
  • 駅から徒歩1分の路上で宙に浮いた急須から延々とお茶が流れていた
  • シンクの流れが悪いので開けてみると茶殻が詰まっていた
  • 乳離れしていない赤子が、哺乳瓶でお茶を飲まされていた
  • お茶を列車で運ぶ、というか、そのためだけに鉄道を敷設する
  • 静岡からやってきた団体客に食事させたら、大人も「子供も」全員お茶だけ残していった
  • 歯を磨いて布団に入るまでの3分の間にお茶を出された
  • クラスの1/3がお茶屋関係者の子供。親戚まで入れればほぼ100%
  • 「おでんを食いに行く」といって出て行った旅行者が5分後薄茶アラレを買って戻ってきた
  • 散歩に出かけた旅行者がお茶工場の匂いで酔って帰ってきた
  • 最近小学校で流行っているのは「お茶うがい」。水筒で持参した高級緑茶でうがいするから
  • 静岡で一日にお茶を出される確率は約800%。朝、昼、晩の食前食後食間に一杯ずつ

地理[編集]

安倍川が、糸魚川静岡構造線の南端に当たる。従って、地質構造は、安倍川を境にして、東側と西側で全く異なっている。

気候は典型的な太平洋側気候で温暖。平野部では降雪も少ない。

北部には富士山赤石山脈といった三千メートル級の山々がそびえ、ここから幾つか河川が流れている。東部は火山が多く、西部には台地が見られる。

地形[編集]

静岡県の分類[編集]

全域を一括する場合[編集]

静岡県は、歴史的経緯や人口・面積の比率を勘案して、東日本に分類される事が多い。しかし、日本の経済の重心が首都圏に偏っている事から、特に経済分野で相対的に弱い西日本を補完するために、西日本に分類される事もある。
静岡県(知事)は、中部圏知事会議関東地方知事会の両方に所属している。中央省庁や民間企業の管轄も、中部地方(東海地方)とする機関と関東地方とする機関が混在している。この場合、中央省庁の出先機関の所在地が、関東は東京に置かれ、中部は名古屋に置かれている場合が多い。

県を分割する場合[編集]

大井川で分割して、大井川以東を東日本や関東地方として、大井川以西(旧浜松県)を西日本や中部地方(東海地方)とする場合がある。
糸魚川静岡構造線に則って、安倍川以東を静岡県東部と見なす場合がある。
富士川で分割して、富士川以東を東日本や関東地方として、富士川以西を西日本や中部地方(東海地方)とする場合がある。

その他のエリア区分例[編集]

(1) 静岡県全域を関東に入れる企業もあれば、(2) 静岡県全域を愛知県西部などと一緒で東海や中部に入れる企業もあり、(3) 更には静岡県全域で東海とする企業もある。(4) 特定の川で静岡県を分割する企業もあるなど、エリア区分は各社ごとに異なる。

企業のエリア区分は、それぞれの監督官庁のエリア区分を模倣している物が多いが、基本的に静岡県が地域分類される場合、大まかに分けて下記の4分類のいずれかが見られる。

  • 中部(東海)
比較的よく見かける分類である。
  • 関東
次に多いのがこの分類である。又、大井川以西(旧浜松県)のみを「中部(東海)」として、大井川以東を「関東」とする例も、最近では見受けられる。
  • 神静(神奈川県と静岡県)
日本ビクターホシザキ電機(大井川以東のみ)、ダイア建設大京五洋建設アサヒビールなど、神奈川県全域と静岡県全域を一緒にするエリア区分も少数ながら存在する。この枠組みでは、横浜を業務拠点として、静岡県はその管轄下となるケースが多い。
なお、コカ・コーラセントラルジャパンは、山梨県神奈川県・静岡県の3県全域(旧称:富士コカ・コーラボトリング営業エリア)を富士地区統括としている。
  • 静岡県
日本金融新聞社のように、首都圏名古屋圏とも別にして、静岡県を単独のエリアとする企業も存在する。この場合、静岡県が「東海」と区分される事がある。
尚、ユニーのように、静岡県全域と山梨県で「静岡ブロック」「山静(甲静)ブロック」とする企業も存在する。

自然公園[編集]

富士箱根伊豆国立公園南アルプス国立公園
天竜奥三河国定公園
日本平県立自然公園、奥大井県立自然公園、御前崎遠州灘県立自然公園、浜名湖県立自然公園

プレート[編集]

伊豆半島は、本土の中で唯一フィリピン海プレート上にある。プレート境界上に富士山が形成されている。

歴史[編集]

※各地域ごとの歴史は「伊豆国」「駿河国」「遠江国」を参照すること。

原始・古代[編集]

旧石器時代[編集]

1960年62年、静岡県西部の浜北市根堅(現浜松市根堅)において、約1万4000年前に生息の浜北人の人骨が発見された。2002年9月、科学的な測定法で確認された。

縄文時代[編集]

1958年60年、静岡県西部の三ヶ日町只木(現浜松市三ヶ日町只木)で、約7500~9500年前に生息の三ヶ日人の住んでいた遺跡が発見されている。

弥生時代[編集]

静岡市駿河区登呂で、弥生時代の水田、住居跡などが発見されている(登呂遺跡)。

古墳時代[編集]

国造から、律令制への移行。

駿河国に統合された国造
  • 珠流河国:富士市に比定。
  • 廬原国:静岡市清水区に比定。
伊豆国
  • 伊豆国:三島市に国府。駿河国に統合されるも、後に分立した。
遠江国に統合された国造
  • 素賀国:掛川市大須賀に比定。
  • 久努国:袋井市久能に比定。
  • 遠淡海国:磐田市に比定。

畿内政権の時代[編集]

ヤマトタケル伝説[編集]

ヤマトタケルが蝦夷征伐に赴いた時、駿河国で騙し討ちに遭う。その時に草薙剣で草を薙ぎ払って難を逃れたという伝承が残されており、その地を「草薙」と呼んだ。又、賊を焼き払った野原を「焼津」と呼んだという。

奈良・平安時代[編集]

律令制で中央集権国家が形成されるに従って、現在の静岡県内に有った国造は、伊豆国、駿河国、遠江国という3つの令制国に合併・再編された。

伊豆国は畿内から遠いために、流刑地の一つとされていた。一方で、駿河国には藤原南家の末裔の多くが住み着き、土着したようである。

幕府の時代[編集]

鎌倉時代から室町時代まで[編集]

伊豆国韮山に流刑された源頼朝が、韮山の武将北条時政と親しくなり、北条政子と結婚した。頼朝は1180年(治承4年)に兵を挙げ、その後の1192年に鎌倉幕府を樹立した。

南北朝時代に入ると、守護大名として、今川氏が駿河国府中(駿府)に入った。14世紀後半に入ると、今川氏は遠江国の守護職も兼ねた。

戦国時代[編集]

今川氏親の代に入ると、北条早雲らの力によって、一族の抗争を終わらせ、戦国大名への道を歩んだ。又、応仁の乱の後に、散逸した貴族達が多く逗留した。一方の北条早雲は、伊豆国の堀越公方を攻め滅ぼし、それを足がかりに関東の支配へ乗り出す。

駿府を本拠地として、駿河国、遠江国、三河国の3国を支配した今川義元が、桶狭間の戦い織田信長に殺されると、今川氏は弱体化し、西三河徳川家康甲斐国武田信玄によって、今川氏の領土は分断された。家康は岡崎から浜松に転入し、そこに居住した。武田信玄が死んで武田勝頼の代になると、一進一退の攻防が続くが、長篠の戦いで敗北を喫すると、武田氏は勢力を弱め、徳川家康は、三河国、遠江国、駿河国の3国を支配する事になる。本能寺の変で織田信長が殺されると、それに乗じて甲斐国と信濃国を攻略し、5国を支配するようになる。

その後、豊臣秀吉が後北条氏を滅ぼすと、1590年には家康は駿府から江戸に移され、代わって駿府には中村一氏が入り、遠江国には山内一豊堀尾吉晴が入り、それぞれ織田家の家臣が入った。

江戸時代[編集]

1603年3月24日に、徳川家康が江戸幕府を開くと、数年で徳川秀忠将軍職を譲り、家康は人質暮らしを強いられた駿府に移住し、大御所政治を敷いた。

江戸時代の伊豆国、駿河国、遠江国の3国には、天領や小大名や旗本の領土が、複雑に入り組んでいた。駿河国において独自の製茶技術が発達したのも、家康が大御所政治を敷いて以後である。

明治維新以後[編集]

江戸幕府が倒されて明治維新が起こると、1868年5月には、駿河国の天領沼津藩田中藩小島藩・諸旗本領、遠江国の相良藩横須賀藩掛川藩浜松藩・諸旗本領が合併されて、駿府藩(70万石)が設置され、徳川将軍家徳川慶喜が入った。同年6月、伊豆国(旧韮山代官領)の地域に韮山県が成立した。同年9月、旧堀江陣屋(5600石、申告1万6石。今の浜松市舘山寺地区)が堀江藩に昇格した。そして、1869年には、駿府は静岡に改名された。

1871年8月29日廃藩置県では、駿府藩は静岡県に置き換わり、堀江藩が堀江県に置き換わった。同年12月31日には、当時の静岡県は分割され、駿河国部分が静岡県となり、遠江国部分は浜松県となった。堀江県は浜松県に編入された。韮山県は、荻野山中県や小田原県と合併して、足柄県となった。

しかし、1876年4月18日には足柄県が分割され、相模国部分は神奈川県に編入され、伊豆国部分は静岡県に編入された。そして、同年8月21日になると、浜松県が廃止されて静岡県に編入された。1878年には、伊豆諸島東京府(現在の東京都)に編入された。

このように、伊豆国、駿河国、遠江国の3国が、1876年に行われた県の合併によって、現在の静岡県となった。

人口[編集]

年齢構成[編集]

テンプレート:静岡県/5歳階級別人口

512px
静岡県と全国の年齢別人口分布図(比較) 静岡県の年齢・男女別人口分布図
紫色は静岡県
緑色は日本全国
青色は男性
赤色は女性
総務省統計局 / 国勢調査2005年

行政[編集]

キャッチコピーは「ふじのくに 静岡県」、スローガンは「富国有徳 創知協働」、マスコットキャラクターは「ふじっぴー」(2003年 NEW!!わかふじ国体マスコットキャラクター)である。

大雪被害への陸自派遣要請、静岡県難色示す(2014年2月)[編集]

大雪による被害が拡大する中、静岡県御殿場市が15日午前に陸上自衛隊の災害派遣を要請するよう県に打診したにもかかわらず、県東部危機管理局が「派遣の要件に該当しない」と難色を示していた。

その結果、御殿場市への派遣要請は見送られ、市内の主要道路については民間の協力も得て、ようやく16日に除雪が終わったが、生活道路の多くはまだ手つかずだ。市民からは「記録的な大雪で、柔軟に対応してほしかった」など疑問の声が上がっている。

御殿場市では15日午前9時の時点で県内最大となる85センチの積雪を記録。主要道路は雪で通行できず「積もった雪でドアが開かず、家から出られない市民もいた」(市危機管理室)という。

自衛隊への災害派遣は市町の依頼を受けて知事が要請するため、市は同日午前中、事前に県東部危機管理局に打診した。

県東部危機管理局によると、御殿場市から相談を受けた同局の当番職員は、県庁本庁の担当部署と相談した結果、市に「除雪が間に合わないだけでは要請できない」と電話で伝えたという。その後、県は最終的に派遣要請を見送った。同局担当者は「生命、財産を守るという差し迫った緊急性がその時点ではなかった」と説明する。

一方、小山町については、70世帯78人が一時孤立していたこともあり、県は16日午前10時過ぎ、陸上自衛隊に派遣を要請した。同町の新井昇危機管理監は「町の対応能力を上回る事態を受け、県に派遣要請をお願いした」と話している。

自衛隊に派遣要請する際、県や市町は「公共性」「緊急性」「非代替性(自衛隊の派遣のほかに取り得る手段がない)」の3要件を満たしているかどうか考慮する。防衛省報道室は「除雪作業についても、人命救助という目的があれば、派遣要請することは可能」としている。実際、今回の大雪では、17日午後11時時点で陸自の派遣を要請した7都県のうち、静岡を含む3都県が「人命救助のための除雪」を要請理由としている。

こうした県の判断に対し、御殿場市民からは不満も聞こえる。同市の農業男性(56)は「自宅前の道路の除雪がようやく17日午後に終わった。自衛隊がいれば、もう少し除雪が早かったと思う」と話した。

若林洋平市長は「市内は救急車も通るのが難しいほど雪が積もっていた。人命に直結すると考え、県に相談した。今後も同じような認識では困る」と述べた。

歴代知事(公選)[編集]

県行政関連施設[編集]

経済[編集]

産業[編集]

※本社を置く企業は「category:静岡県の企業」を参照すること。

第二次産業の割合が高いが、緑茶蜜柑に代表される農業やマグロ・カツオ・桜エビなどで有名な漁業、伊豆半島・赤石山脈・浜名湖などの観光等のサービス業も盛んである。

電気[編集]

富士川を境に県の東部のみ50Hz(ヘルツ=東京電力管轄)。その他は60Hz(中部電力管轄)。新潟県の佐渡島糸魚川市の一部や長野県の一部で電源周波数が県の大半と異にする地域があるものの、同一都道府県内で電源周波数が東西に大きく二分されるのは本県のみである為、電気の分野では富士川がよく知られている。

テレビCMも、東京電力と中部電力、両方が放送されている。

浜松市北部の佐久間ダム近傍に、東西の電力を相互に融通するための電源周波数変換所がある。 また、静岡市清水区中部電力東清水変電所内に同様の目的の東清水周波数変換装置が建設中であり一部稼働している。

ガス[編集]

静岡県内では、静岡ガス系やザ・トーカイ系、中部ガス系を中心として、複数の業者が地域を分けてガス事業を行っている。静岡県内の主な一般ガス事業者は下記の通り。

  • 静岡ガス 本社:静岡市駿河区、供給エリア:静岡市、沼津市、三島市、裾野市、富士宮市、富士市、袋井市、清水町、長泉町、函南町、富士川町
  • 東海ガス 本社:焼津市、供給エリア:焼津市、藤枝市、岡部町、大井川町
  • 中部ガス 本社:愛知県豊橋市、供給エリア:浜松市、磐田市、湖西市
  • 湯河原ガス 本社:神奈川県湯河原町、供給エリア:熱海市
  • 熱海ガス 本社:熱海市、供給エリア:熱海市
  • 伊東ガス 本社:伊東市、供給エリア:伊東市
  • 下田ガス 本社:下田市、供給エリア:下田市
  • 御殿場ガス 本社:御殿場市、供給エリア:御殿場市
  • 島田ガス 本社:島田市、供給エリア:島田市
  • 中遠ガス 本社:掛川市、供給エリア:掛川市
  • 袋井ガス 本社:袋井市、供給エリア:袋井市

地域[編集]

静岡県は、富士川大井川を境として、東部、中部、西部の3地域に区分される。東部は更に狭義の東部伊豆に分ける事もある。但し、県庁による地域区分では、以下のように、必ずしも川が境界線とは限らない場合がある。

静岡県内には以下の23919がある。村は旧龍山村が浜松市と合併したことにより2005年6月30日をもって消滅した。

「町」の読み方は、森町のみ「まち」で、それ以外は「ちょう」。

東部[編集]

旧駿河国のうち富士川以東、および、伊豆諸島を除いた旧伊豆国に相当する。市外局番は0544、0545(除旧富士川町)、055または055Nであり、郵便番号は41から始まる。自動車のナンバープレートは「沼津」である(2006年10月から伊豆地域(上記「伊豆」エリア)でご当地ナンバーの「伊豆」が導入された。また、静岡・山梨両県にまたがるご当地ナンバー「富士山」が導入されたため(富士市、御殿場市など)新規の「沼津」ナンバーは1市2町に限られる)。

狭義の東部
伊豆

中部[編集]

旧駿河国のうち富士川以西と、旧遠江国のうち牧之原台地以東に相当する。市外局番は054または054Nであり、郵便番号は42から始まる。自動車のナンバープレートは「静岡」である。

西部[編集]

榛原郡域を除く旧遠江国に相当する。市外局番は053または053Nであり、郵便番号は43から始まる。自動車のナンバープレートは「浜松」である。

浜松市南部、湖西市浜名郡西遠として、浜松市北部を北遠と区分することもある。

ただし、教育行政上の区分は下記とは異なり、掛川市、菊川市、御前崎市は中部教育事務所に管轄される。

地域的特徴[編集]

静岡県は、歴史的には鎌倉幕府の領土に属し、今川氏徳川氏後北条氏の支配圏に属した地域で、山梨県武田氏の影響力も受けて来たため、県内各地ともに、鎌倉東京甲府との親和性が強い。しかし、東部(富士川以東)、中部(富士川と大井川の間)、西部(大井川以西)の3地域では、風土が大きく異なっている。

大井川以東に当たる東部中部、即ち令制国での伊豆国駿河国は、富士山を基軸にした文化圏を形成しているため、神奈川県東京都との繋がりが深く、逆に大井川以西との繋がりは浅い。

駿河湾に面する富士山南麓は、富士山北麓に当たる山梨県との繋がりも深い。例えば、Jリーグ清水エスパルスvsヴァンフォーレ甲府の対戦カードは、「富士山ダービー」とも呼ばれている。又、山梨県・神奈川県相模川以西・静岡県大井川以東の3地域は、戦国時代には「甲相駿三国同盟」の一角であり、現在でも甲相駿3県の「山静神サミット」が開かれている。交通面でも、内陸側への連絡線は山梨県に通じており、国道16号圏内を迂回せずに北関東に行くには、最短でも大井川以東の静岡県から山梨県へ北上するルートを通らねばならないなど、交通的に首都圏を補完している。

中でも東部は、歴史的に小田原鎌倉東京江戸)の政権に直接統治されたために、神奈川県や東京都との繋がりが深く、富士川以西との繋がりが浅いために、「関東地方の一員」という意識が特に強い。1876年4月17日までは、伊豆半島は「足柄県」の一角であった。箱根峠近辺の沼津から小田原に跨がる地域は、「富士箱根伊豆国立公園」を形成しており、東京への遠距離通勤圏となっている。沼津周辺から東京に通勤する者は、「静岡都民」と呼ばれる事もある。

一方の中部は、江戸時代まで東海道の沿線として多くの武将が割拠した歴史を歩んでいると同時に、由比断崖を越えた東京とは「富士山文化圏」として親和性も強い。このため、字義に則った「東海地方の一員」という意識に加えて、「関東地方の一員」であるという意識も強く持っている。

これらに対して、大井川以西に当たる西部(旧遠江国)は、天竜川を基軸にした文化圏を形成しているため、東三河地方(愛知県東部)や伊那地方長野県南部)との繋がりが深く、大井川以東との繋がりは浅い。天竜川流域の遠江・東三河・伊那の3地域は、「三遠南信」とも呼ばれている。1876年8月20日までは、旧遠江国は「浜松県」という単独の県であった。

ところが、歴史地理学的に見ると、富士川以西に当たる中部西部は、畿内京都大阪奈良)と関東鎌倉東京)に足掛かりを伸ばす「前線」として発展した地域で、戦国時代には今川氏徳川氏の支配圏に属していた。

西部に本拠地を置いた武将は、「大大名への登竜門」となった者も多く、特に天竜川以西には、東三河地方や西三河地方(愛知県中部)に縁を持つ者が多かった。又、鎌倉京都から等距離に位置するために、関東志向の武将と、畿内志向の武将の割合が折半している。これは、(1) 徳川家康岡崎浜松静岡 (駿府)→東京 (江戸)の順に本拠地を遷した事や、(2) 山内一豊掛川から高知に移転して土佐藩を樹立した事や、(3) 堀尾吉晴が浜松から松江に移転して松江藩を樹立した事からも窺える。この歴史から、浜松(天竜川以西)の住民には、「短気で出世志向」の気質を持つ者が多い。そして、掛川(天竜川以東)の住民には、「自衛心が強い堅実志向」の気質を持つ者が多く、畿内よりは関東への志向が強い。

一方で、中部(特に静岡)に本拠地を置いた武将は、今川義元が「海道一の弓取り」と呼ばれ、徳川家康が「東海の霸者」と呼ばれていたが、由比や箱根を越えて関東を志向した者も多く、大物武将の「都落ちの場」となる事も多かった。これは、(1) 今川義元が、武田信玄の姉である定恵院を正妻として娶って、東三河地方までを支配圏に収めた事や、(2) 今川氏真が、甲相駿三国同盟の一角となった事や、(3) 徳川家康が、静岡(駿府)から東京(江戸)に移転して江戸幕府を開き、2~3年で静岡に帰って大御所政治を敷いた事からも窺える。この歴史から、静岡(安倍川以東)の住民には、「気長で公家気分」の気質を持つ者が多い。

これらに対して、富士川以東に当たる東部は、鎌倉時代には鎌倉幕府の要人を出し、戦国時代には小田原に本拠地を置く後北条氏の領土となった。そして、現在でも鎌倉や東京からの観光客が多く訪れており、を初めとする海産物の水揚げも多い。この地勢と歴史を見ると、富士川以東は「関東版若狭地方」となっている。この歴史から、富士川以東の住民には、「自尊心と出世欲が弱く、寄らば大樹」の気質を持つ者が多い。

道州制[編集]

静岡県を巡る道州制の区割り案について、地方制度調査会(所在地:東京都区部)は、9道州案では中部州、11道州案や13道州案では東海州に含まれるとしている。又、国土交通省広域地方計画では、静岡県は中部圏に含まれるとしている。

しかし、道州制を題目とするネット掲示板では、「静岡県の東部と中部を中部州(或いは東海州)に入れるな」という意見や、「名古屋と一緒にされたくない」という意見が多い。

交通[編集]

東海道の沿線として、古くから関東地方近畿地方とを結ぶ大動脈が整備されて来た。特に浜名湖畔は、首都圏東京鎌倉)と畿内大阪京都奈良)から等距離に位置している。

鉄道[編集]

JR線
私鉄

※ 伊東線全線と東海道本線熱海駅JR東日本の管轄。他のJR線はJR東海の管轄。

このように東西に新幹線などの幹線級の鉄道が敷かれており関東と関西を結ぶ大動脈として整備されているが、反面通過点としての意味合いしか持ち合わせておらず大都市圏程の流通はない。現に東海道新幹線ではのぞみが県内の全駅を通過している現状もある。

道路[編集]

高速道路
その外の有料道路
主要国道

※ この外の詳細は「静岡県の県道一覧」「中部地方の道路一覧」を参照すること。

[編集]

これらの外に、地方港湾漁港などがある。

船舶航路[編集]

空港[編集]

マスメディア[編集]

新聞[編集]

地方紙
静岡県内を主な購読地域とする地方紙。静岡県内一円に取材拠点を置いており、特に静岡県内情報や茶業情報については最も詳しい。系列テレビ・ラジオ局を有し、県内に一大メディアグループを築いており県内各界への影響力も大きい。囲碁碁聖戦主催紙の一つでもある。静岡市で印刷している。特定の系列販売店はないので、県内の大半の新聞販売店で購入が可能である。
富士川以西では主に中日新聞、富士川以東では主に東京新聞(中部でも宅配のみ)が販売されている。なお、県内での東京新聞は「統合版」エリアとなっており、発行は朝刊のみ。又、浜松市東海本社があり、静岡県内向け(東京新聞の静岡県版を含む)の編集と発行が行われている。西部の取材拠点が充実しており、静岡新聞とは違った視点で書かれた県内関連記事は参考になることも多い。
全国紙

全国紙は基本的に東京都もしくは神奈川県の工場で印刷して静岡県に輸送しているの物が多い。いずれの新聞も、紙面のうち1~2面程度の広さを静岡県内記事(静岡県版)に割いている。静岡県版は、静岡県東部版、静岡県中部版、遠州版の3つに分けられているが、支局の表示は3つとも同じである。

  • 朝日新聞は、天竜川以西に限り、名古屋市の名古屋本社で編集・発行となっている。
  • 読売新聞は、静岡県向け朝刊が東京本社、同夕刊は中部支社(名古屋市)での編集・発行となっている。
  • 日本経済新聞は、東京本社が編集し、紙面印刷を静岡新聞社に委託している。このため、静岡県内向けには静岡市から各販売所に配送されている)。
スポーツ紙

全国向けスポーツ紙は、東京都で印刷して静岡県内に輸送している。紙面の一部を静岡県版として割いている物が多い。

地域密着紙

ごく狭い地域のみで発行される新聞、タブロイド版のものが多い。

  • 熱海新聞※静岡新聞系(熱海市)
  • 伊豆新聞※静岡新聞系(伊東市、下田市)
  • 伊豆日日新聞※静岡新聞系(伊豆の国市、三島市)
  • 岳麓新聞(御殿場市)
  • 沼津朝日新聞(沼津市)
  • 沼津新聞(沼津市)
  • 富士ニュース(富士市)
  • 岳南朝日新聞(富士宮市、富士市、富士郡芝川町)
  • 岳陽新聞(富士宮市、富士郡芝川町)
  • 島田新聞(島田市)
  • タウン情報はままつ(浜松市)

テレビ局[編集]

静岡県内を放送範囲とするテレビ放送の免許を持っているのは以下5つの放送局。日本平日本平デジタルタワー日本平テレビ・FM放送所)を親局としている。

いずれの局も静岡県内のみを放送範囲とするいわゆる県域放送局しかない。いずれの局も全県で受信可能。SBSとテレビ静岡は、大井川以東と大井川以西で別々の放送免許を持っているため、地域ごとにCMを差し替えるなど別編成の放送が可能である。又、NHKも、大井川以西の地理的・地域的事情を考慮して浜松放送局を開局させたが、浜松局の独自放送はほとんど行われず、結局は機構改革の際に静岡局へ統合された。現在の浜松局は、報道取材拠点や資料センターおよび単なる中継局としての位置づけとなっている。

放送エリア外の近県の放送については、富士川以東では関東広域圏神奈川県域局の放送電波を、大井川以西では中京広域圏愛知県域局の放送電波(岡崎市にある豊橋中継局)をそれぞれ受信可能な場所もあるが、本来の放送エリアではないので受信の可否や受信品質については地形その他の条件により大きく違う。

浜松市以西の地域は本来浜松中継局がカバーするエリアであるが、浜松局は県境に比較的近い位置にある大規模局であるため、免許区域外への電波の漏洩(スピルオーバー)を抑えるため、西方向への電波強度を抑えられている。そのため湖西市など一部地域では愛知県の放送のほうが静岡県の放送より受信しやすい環境にあり、また愛知県との結びつきも比較的強い地域であるため、本宮山にアンテナを向けている世帯も多い。また本宮山の電波は磐田市御前崎市辺りまで受信可能であるとの情報も一部Webサイトで見ることができるが、これら地域では日常的に視聴するには電波強度が弱く、また愛知県との結びつきもそれほど強くない地域のため、テレビ東京系の放送を視聴する目的で一部マニアが受信する程度である。

いっぽう県東部・伊豆東海岸はもともと首都圏との結びつきも強く、東京タワーからの電波を視聴可能な世帯や、ケーブルテレビによって首都圏の放送を受信している世帯が多い。

放送電波をアンテナで受信不可能な地域であってもケーブルテレビに加入することで受信可能になるが、一部のケーブルテレビ局は静岡県の放送局に配慮して、系列のないテレビ東京又はテレビ愛知、また独立局であるテレビ神奈川などを再送信する。ただし、地上デジタル放送では現在ケーブルテレビ局での再配信について、県や地元局ならびにキー局や国が再送信不同意の姿勢をとっている(法的拘束力はない)ため、受信はできない。そのため、一部ケーブルテレビ局ではあるが、地上デジタル放送の区域外再配信が行われているのはNHK東京(首都圏広域放送)くらいしかないのが現状となっている。

ラジオ局[編集]

AMラジオ局
FMラジオ局
  • K-MIX(静岡エフエム放送)(JFN系列)
  • RADIO-i(浜松中継局)
  • NHK静岡放送局
コミュニティFM局

この外に、場所によって首都圏山梨県長野県愛知県の放送も受信可能。また、西部の一部地域ではエフエム豊橋が聴取可能。

ケーブルテレビ[編集]

(→category:静岡県のケーブルテレビ局

インターネット掲示板[編集]

  • しずちゃん(静岡県内に関するインターネット掲示板)

教育[編集]

義務教育[編集]

伝統的に公立小・中学校が義務教育の中心を担っている。特に公立中学校では、公立高校入試の内申点重視主義を背景に、教諭が生徒や父兄に対する強大な支配力を持っており、地元の公立小・中学校に進学するのが当然というような管理教育が行われている。行き過ぎた公立中学校教諭の支配力は、教諭による生徒への連続わいせつ事件の温床ともなるなど最近問題視されている。

一方、自由な校風を特徴とする国立小・中学校や学力指導・生活指導が充実している私立小・中学校も従来から一定の支持を得ていたが、近年、都市部を中心に公立小・中学校に不満を持つ父兄が増え、国立・私立校の人気が更に高まっている。学校側も、特に私立校においては少子化時代の生徒確保を意識して高校に小・中学校を併設する動きが出ている。教育内容についても、例えば小学生の英語教育で全国的に有名な加藤学園暁秀初等学校など、公立とは異なる特色ある教育を行っている。

高等学校[編集]

公立高校普通科については中学区制がとられている。以前は厳格に守られており、他学区の高校への進学を希望する場合は住所を学区内に移すなどの対応が必要だったが最近は一定の枠内であれば隣接学区からの進学が可能となっている。他の科については学区制は特にない。伝統的に、県立の旧制中学校を前身とする下田北高韮山高沼津東高富士高清水東高静岡高静岡市立高藤枝東高榛原高掛川西高磐田南高浜松北高浜松西高の各校が県内各地域一、二番の進学校とされている。前述の普通科の学区の区割りにおいても、一部の例外を除いてこれらの学校はそれぞれ別々の学区になっており、各地域の優秀な生徒を確保できるよう配慮がされている。公立高校入試については、かつては中学校の内申点を重視する選抜方法をとっていたが、上記のとおり中学校教諭の生徒・保護者への支配力が強大となるなどの弊害が目立ったので、学力試験を重視することとしたところ今度は一部の高校に志願者が偏るなどの弊害が発生したため、平成18年度選抜試験から再び内申書を重視することとした。この朝令暮改の入試制度改革は父兄や受験生を戸惑わせるばかりという批判もある。

私立高校についても、私立県下一の進学校浜松日体高等学校日大三島高東海大翔洋高などの大学付属高や、静岡雙葉高不二聖心女子学院高などの中高一貫女子校といった特色のある高校が存在し、優秀な人材を輩出している。

高等教育[編集]

県内にある大学については「Category:静岡県の大学」を参考にされたい。

入学希望者に対し県内の高等教育機関が不足しているため、県内の高校生は県外に進学する者が比較的多い。県内に大手企業の本社が多いこともあって、UターンIターン就職者が比較的多い。

6年制課程又は専門職大学院としては、医学部浜松医科大学薬学部静岡県立大学法科大学院静岡大学にそれぞれ存在する。

作品[編集]

近年では、静岡県内の市町村は、映画やドラマのロケ招致に取り組み、多くの撮影が行われている。

アニメ・漫画[編集]

※この他、サザエさんで、サザエの母親・フネの実家が焼津市にある設定とされている。

ゲーム[編集]

文芸[編集]

一般的に伊豆半島を舞台にした作品が多い。

音楽[編集]

県内でロケが行われた作品[編集]

テレビドラマ[編集]

映画[編集]

その他[編集]

主力スポーツチーム[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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