無敵超人ザンボット3
無敵超人ザンボット3 | |
---|---|
[[Image:|0|]] | |
ジャンル | ロボットアニメ |
テレビアニメ: | |
原作 | |
総監督 | |
監督 | 富野喜幸 |
企画 | |
シリーズ構成 | |
脚本 | |
キャラクターデザイン | |
メカニックデザイン | |
アニメーション制作 | 日本サンライズ |
製作 | 名古屋テレビ 創通エージェンシー 日本サンライズ |
放送局 | 名古屋テレビ |
放送期間 | 1977年10月8日 - 1978年3月25日 |
話数 | 全23話 |
その他 | |
コピーライト表記 | ©創通・サンライズ |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
『無敵超人ザンボット3』(むてきちょうじんザンボットスリー)は、1977年(昭和52年)10月8日から1978年(昭和53年)3月25日まで毎週土曜日17:30 - 18:00に全25回(23話+再放送2回)にわたり名古屋テレビ(現・メ~テレ)をキー局として放映された、サンライズ製作のロボットアニメ。
目次
あらすじ[編集]
謎の宇宙人ガイゾックに母星を滅ぼされ、地球に移住したビアル星人の生き残りの子孫である神(じん)ファミリー。ついに地球へとその魔の手を伸ばしてきたガイゾックに対し、彼らは先祖伝来のキングビアルやザンボット3で立ち向かう。勝平たちの、苦難に満ちた戦いが始まる。
概要[編集]
『機動戦士ガンダム』で有名なサンライズ(製作当時は日本サンライズ)が、その前身である創映社より改組・独立後のオリジナル作品第1作目。
敵メカ登場時にその名前がテロップで紹介されたりする演出はあるが、戦闘シーンでのリアルな心理(特に戦闘に臨むことの恐さ)、いつでも撃てる必殺技、人間爆弾、主人公たちが周囲から非難の的になる、等の現実的な設定と演出があり、『ガンダムシリーズ』をはじめとするリアルロボット物の先祖。
序盤では、主人公が周囲から宇宙人(ガイゾック)を連れてきた厄介者と見られ、非難を受ける展開が多い。こういったアニメ作品が以前にほとんど存在せず、エポックメイキングな作品として専門家やマニア受けはしたが、一般の子供(小・中学生世代)にはあまり受け入れられなかった。
主役メカであるザンボット3も、登場人物からは「正義の味方」というより「兵器」といった見方が強い。
ちなみに、ザンボット3の名の由来は「3+ロボット[1]」であり、濁点を振ると語感が力強くなる、という当時の命名思想をストレートに反映している。企画時のタイトルは「無敵ザンボット」。これ以降『重戦機エルガイム』を除く富野アニメのタイトルに、濁点と「ン」が入っている。
ザンバードからザンボ・エースへ変形、即ち「合体ロボの一機体が小型のロボットに変形する」という体裁は、後のスーパー戦隊シリーズのロボット(一例:主役機だけでなく合体する五台全部が小型ロボに変形するカーレンジャーのVRVロボ)に、またザンボ・エースのギミックは、同じサンライズ製作の「無敵ロボトライダーG7」の主役ロボ・トライダーG7やタツノコプロ製作の「タイムボカンシリーズ ヤットデタマン」に登場した大巨神(巨神号)、のちに同じサンライズ製作の勇者シリーズなどにも影響を与えていると言われる。ダイターン3・ガンダム・イデオンなどにも共通性が多い。
ロボットのデザインとして初めて、戦国時代の武者鎧をモチーフとして取り入れた[2]。頭の三日月は(デザインは異なるが)伊達政宗の兜の意匠から、胴体は陣羽織風、武器も刀や槍と和風である[3]。これに対して、ザンボ・エースの武器は銃であり、いわばチャンバラとガン・アクションの両立が試みられている[4]。
主人公たちは純粋な地球人ではなく、ガイゾックの攻撃から逃れて地球に来たビアル星人の末裔である。この主人公たちが敵・ガイゾックと戦闘し、住宅や避難民などへの被害が出るため、主人公たちは地球にガイゾックを「連れてきた」と言われ、一般の地球人から激しく非難される、という描写が物語前半では繰返し行われている。最終回では、ガイゾックはガイゾック星人[5]により作られたコンピュータで平和を求めるあまり悪意に満ちた生物を滅ぼすことを目的としてしまった、という事実がガイゾックによって語られた。従来の単純な勧善懲悪の公式に疑問を投げかけた衝撃的な結末となっている。最終回の放映後、プロダクション、スポンサー、広告代理店が真っ青になったと富野は語っている。[6]
最後の敵の正体は、SF小説『バーサーカー・シリーズ』にインスパイアされたものである。
本作品にまつわるエピソード[編集]
主演をつとめた大山のぶ代は、元々ロボットアニメ系は、自身がメカ音痴であることを理由に出演を避けてきたが、本作に限ってはストーリー性の高さが気に入り、仕事を引き受けたという(その後「ドラえもん」でブレイクしたのは周知の通り)。最終回のクライマックスでのセリフ「俺達は、つまらない事なんかしなかったよな」が、収録時の勢いで出たアドリブだった、と後に語っていたことからも本作品への思い入れがうかがえる。事実、とあるラジオ番組でゲスト出演した際に「好きだった番組の一つ」としてザンボット3を挙げている。しかしある雑誌のインタビューでは、「『ハリスの旋風』の石田国松役以来、声優はやっていない」と発言しており、単なる記憶違いの可能性もあるが、真意は不明。富野自身は「第1話での、奔放な(ある意味、石田国松に通じるような)勝平の姿を表現したかったから」と、大山を起用した理由を後に語っている。
家族の絆を描くアニメでもあるため、一族の名称に「神ファミリー」という呼び方がされている[7]。
最終話への展開は、富野監督の出世作『海のトリトン』の終盤と良く似ており、「敵=絶対悪」ではないという点も共通である。
また、この物語の終盤にみられる、主要キャラクターが次々と死んでゆく展開は、富野由悠季の異名である「皆殺しの富野」の原点の一つとして語られ、彼のスタイルを印象づけた。
ストーリーそのものはそれほど長いものではなく、作中での経過時間は2~3ヶ月程度である。一見本筋とは関係ない一話完結的な話が幾つか挿入されているが、勝平たちの葛藤や周囲の人々との関わりを描いたエピソードとされ、1年もののテレビアニメではよくある手法だった(次回作のダイターン3では40話中大半が一話完結もので、本筋ものが10話ぐらいだった)。本作第20話は、最終話製作終了後に追加発注を受け、急遽製作されたエピソードである。放送済のエピソードからセル画を流用(バンク)して最小限の作画でつなぎ合わせ、見事に新作として仕上げる手法は「富野マジック」と呼ばれた。富野は、「ザンボット3に2クール(6ヶ月)の放送期間は長すぎた。」と後に語っている。
俗に「富野カットイン」と呼ばれる、コックピットの画面挿入(+キャラクターの台詞)が用いられたのは本作が初めてである。これは作画枚数を節約しつつ、ドラマ性と作品のテンポを維持するために考案された。
キャラクターデザインの安彦良和は、これに先立って『ろぼっ子ビートン』などの製作に参加しており、その影響で最初のキャラクター原案は2~3頭身で起こされ、富野監督にリテイクを食らったという。しかし、初期の作品では4~5頭身で書かれたものもあった。
恵子の戦闘服の色が赤だったり、ビアルI世単機のはずがキングビアルだったなど、セル画の作画・配色ミスが一部であった。また回によって作画のばらつきがみられた。現在、アニメ制作では作画監督を置くのが当たり前だが、本作では諸般の事情で作画監督を置けなかった。サンライズも、これによる作画の水準の低さを懸念したのか、次回作の『無敵鋼人ダイターン3』からは作画監督を置くようにしている。
主要登場人物[編集]
神ファミリー[編集]
ザンボット3搭乗者[編集]
- 神勝平(じん かっぺい) (声:大山のぶ代。ゲーム『スーパーロボット大戦IMPACT』では坂本千夏)
- 神家の次男。12歳。体格は小さめでもスポーツ万能でバイクを乗り回す不良少年。香月組と喧嘩していた。しかし曲がった事が大嫌いで、困った人を放っておけない。3人の中で最年少という事もあり、やや子供っぽい面が強調されていたが、戦いの中で徐々に成長してゆく。第13話では避難民を戦闘の巻き添えにしてしまい、自己嫌悪から戦闘を拒否する場面もあった。愛犬の千代錦と共にザンバード/ザンボ・エースに乗り込む。戦闘服はショートパンツにタイツであった。
- 千代錦(ちよにしき)
- 勝平が飼っている秋田犬。香月真吾の妹かおるを守ったりと、活躍は多かった。
- 神江宇宙太(かみえ うちゅうた) (声:森功至、10~14話は古川登志夫が代役。ゲーム『スーパーロボット大戦IMPACT』では神奈延年)
- 神江家の長男。第2話から登場。15歳。父から古武術を習っている。一見斜に構えた風も見せるが、理知的で温かみもある性格。勝平とはしばしば衝突することもあった。ザンブルを操る。戦闘服は他の隊員と同じスラックス型である。
- 神北恵子(かみきた けいこ) (声:松尾佳子)
- 神北家の長女。第2話から登場。14歳。ポニーテールで瞳は青く、乗馬とアーチェリーが得意。信州の自然の中で育った、大らかだがやや気の強い少女。ザンベースに乗り、ザンボエースの支援、並びに索敵などをこなす。戦闘態勢に入ると生脚にブルマースタイルの戦闘服姿となる。第15話では薄緑のビキニ姿も披露している。恵子は当初黒髪で戦闘服もスカートの設定だったが、髪は金髪となり、より女の子らしさをアピールするため、下半身はスカートのない常時露出型のブルマー型パンツとなった。このためガレージキットなど、今も多くのファンに根強い人気がある。
- 具体的な日付は不明だが[8]、第12話でブッチャーと同じ日に誕生日を祝っている。この時振袖姿を披露している。
神家[編集]
- 神梅江 (声:武知杜代子)
- 勝平の祖母(源五郎と花江、どちらの母かは不明。名前が似ている花江ではないかとの説もある)。68歳。副総理の野崎は初恋の相手。また、かつては兵左ェ門と好きあっていたかの様な描写もある。浪花節よりロックが好き。気が若く、第10話ではガイゾックの罠に陥った野崎を救う為に単身出撃したりもした。勝平らの良き理解者。
- 神一太郎 (声:野島昭生)
- 神家の長男で勝平の兄。17歳。知性派で慎重、努力家と、弟とは全く異なる性格の持ち主。戦闘の際はビアルI世のブリッジで指揮を取る。
- 神源五郎(声:岡部政明)
- 勝平の父。48歳。神水産を経営する網元である。厳格さと包容力とを兼ね備えた海の漢(おとこ)である。普段の源五郎の目は細く小さめに描かれていたが、22話で特攻するシーンでは、目が大きくなり、普段の顔とは違うタッチで描かれている。これと同じ手法が、アニメDr.スランプの則巻千兵衛の表情にも見られた。
- 神花江 (声:川島千代子)
- 勝平の母。35歳。見た目通りに太っ腹な網元の女房。いわゆる肝っ玉母さんである。
神江家[編集]
- 神江大太 (声:滝雅也)
- 宇宙太の父。48歳。東京で開業医を営む。性格的にはやや気弱で、妻の尻に敷かれている。しかし、ラストで地球へ墜落して行くザンボ・エースを救う為に大胆な提案をしたのは、彼である。最終決戦の前には睡眠薬を処方して3家族の母親と子供たち、及び香月らに投与し、地球へ送り返している。
- 神江すみ江 (声:加川三起(現・鳳芳野))
- 宇宙太の母。43歳。戦いに馴染むことができず、家族を連れて(しかもビアルII世ごと)実家に帰ってしまった事もある。宇宙太は「幸せな家族だ」と皮肉った。
- 神江和行 (声:川島千代子)
- 神江家の次男で宇宙太の弟。10歳。海洋少年団にいた為、行動力がある。きいろと公子を連れて小型潜水艇で出撃し、ガイゾックの捕虜にされた事もある(16話)。しかし宇宙での戦闘では、妹と一緒にビアルII世のドッキングをタイミングを合わせて解除し、接合部に命中寸前だったミサイルを見事回避する殊勲を挙げた。
- 神江きいろ (声:松尾佳子)
- 神江家の長女で宇宙太の妹。8歳。
神北家[編集]
- 神北兵左ェ門(かみきた へいざえもん) (声:永井一郎)
- 神ファミリーの長老で、恵子の祖父。75歳。第1話から神家の面々と一緒に登場していることもあり、誤解される事が多いが、勝平の祖父ではなく、梅江とは夫婦ではない[9]。網元として留守がちな源五郎の代わりにビアルI世の発掘を手がけており、後にはキングビアルの総指揮官となる。友人に国連大学(架空の大学)の同窓生で国連第7艦隊の司令官、ジェイムス提督がいる。
- サブタイトルのコール[10]と予告ナレーションは永井一郎が担当した[11]。
- 資料によって「兵左衛門」と併記している資料もある(DVD-BOXブックレットなど)。
- 余談だが、実在の国連大学(本部は東京都渋谷区)は教育機関ではなく研究機関、国連におけるシンクタンク的な存在であり、学生が通う一般の「大学」とは異なる。
- 神北久作 (声:島田彰)
- 恵子の父。50歳。信州で牧場を経営していた。豪放磊落な性格。
- 神北由美子 (声:浦山紀子)
- 恵子の母。45歳。温和そうな見た目とは裏腹に、迷いを見せた娘の自立を促す強い意思も見せる。
- 神北公子 (声:加川三起)
- 神北家の次女で恵子の妹。9歳。神ファミリーで唯一メガネをしている。外見や性格が恵子と異なり、やや内向的で音楽や読書を好む。たまに和行やきいろと共に無茶をやる事もあった。
ビアル星人の末裔である事が明示されているのは勝平たち孫の世代のみで、親の世代のどちらが(あるいは両方が)そうであるのかについては劇中でも、資料でも一切語られていない。3家族以外にビアル星人の末裔が存在するか否かについても同様である。彼らの血縁関係について明記した公式資料は存在しない。
地球の人々[編集]
- 香月真吾(こうづき しんご) (声:古川登志夫)
- 勝平の同級生で、悪友グループのリーダー格。12歳。勝平のライバルだが、険悪な仲ではなく、勝平を自分の副官に据えたい様子である。両親と、かおる(声:松尾佳子)という妹がいるが、ガイゾックの侵攻により家を失って避難民となり、途中で一家は離散[12]。そのことで神ファミリーを憎み、実際に扇動・妨害工作をした事もあったが、ガイゾックの実態を知った後に和解し、神ファミリーの理解者・協力者となる。ガイゾックによって人間爆弾に改造される直前、偶然や周囲の協力が重なりバンドックからの脱走に成功し勝平たちと合流。最終決戦に臨むキングビアルにも同乗するが、3家族の母親と年少の子供たちと共に睡眠薬を投与され、眠っている隙に脱出カプセルで地球に送り返された。家族は健在であり、妹(かおる)が兄(真吾)との再会の願いを託した流れ星こそが、香月を載せた脱出カプセルである。彼は神ファミリーと共に最後まで戦う事を望んでいた。
- 「香月組」の面々 山田(声:竜田直樹)、林(声:井上和彦)、健太(声:戸谷公次)、浜本(声:水島裕)
- 香月の悪友たちで、香月同様勝平を目の仇にするが、やはりガイゾックの侵攻により難民となる。山田は17話でガイゾックに捕らえられた後、18話でアキや他の捕虜達と共にガイゾックの囮作戦に使われており、その後の消息は不明。林は爆弾を埋め込まれ爆死。ガイゾックが誤って改造済みの彼を収容しようとした最中に爆死した事(そしてガイゾック兵たちの、背中の手術跡をいちいち確認するわけにもいかない、との会話)から、「背中の星型のアザ=人間爆弾の印」という事が神ファミリー方に知られることとなった。健太はガイゾックの擬装施設の存在を神ファミリーに伝える殊勲を挙げる(爆弾にはされていない模様)。林の死の時点で浜本も爆弾を埋め込まれており、同様の人たちと共に爆死している(第17話)。人間爆弾にされた者を救う手立てはビアル星の記録にも存在せず、勝平らはなす術もなくその最期を見送り、己の無力さに涙する[13]。
- なお、第17話のエンディングのテロップでは、健太と浜本のキャストが誤って逆に表記されていた。
- アキ (声:川島千代子)
- 「ブスペア」の一人。12歳。白のミニスカート姿で、パンチラやバストアップのサービスカットも時々あった。ミチと共に勝平の親衛隊を自称していたが、ガイゾック侵攻による生活基盤の喪失と、病の床に伏せった母などの憤懣の矛先を勝平に向けてしまう。後に和解するも第18話でガイゾックによって人間爆弾に改造されて儚い最期を遂げる。
- ミチ (声:加川三起)
- 「ブスペア」の一人。12歳。オレンジ色のショートパンツを着用していて、ガイゾックから生還した時に[14]背中を見せるシーンがある。元々勝平の事を憎からず想っていたが、ガイゾックに追い立てられる形で生活基盤を失ったことから、アキ同様に勝平にきつい言葉をぶつけてしまう。後に和解するものの、勝平の関心はアキ中心にあり、彼女の想いは酌まれる事が無かった。最終回では、香月と共に一番先に、生還した勝平に会うこととなる。
- 警察署長 (声:池田勝)
- 初期に登場。彼が勝平の名を覚えていることから、勝平が札付きのワルと見做されている事を視聴者に知らしめたり、ザンボエースを道路交通法上でどう見るかなどという事を語ったりしている。最終話に再登場し、花江らをクライマックスの場へと誘っている。
- 富野監督は彼を「ラストシーンにとても気をつけて置いた」との事。事実、原画では神ファミリーの関係者[15]以外で唯一明確に指定がされており[16]、立ち位置も花江の隣である。「戦いもしないくせにちゃっかり生き延び、全てが終わってからヌケヌケと出てくる嫌な奴」とは富野の評[17]。
- 大滝 (声:渡部猛)
- 第9話に登場。会社を経営しており、欲の塊のような人物。兵左ェ門から資材調達の依頼を受けていたが、ガイゾック襲来による神ファミリーへの反感から断り、神ファミリーはキング・ビアルの修理もままならなくなる。所有する貨物船がメカ・ブーストの襲撃を受けるが、奇跡的に生き残ってキング・ビアルに救助される。勝平らの真摯さに触れて彼らの最初の理解者となるが、戦いの中で重傷を負う。亡くなる直前、船に残された物資全てを神ファミリーに提供する意味合いの言葉を残して息を引き取る。
- やはり従来の作品では無視されがちだった兵站の問題を指摘するエピソードである。
- 野崎 (声:清川元夢(第10話)、石森達幸(第20話))
- 第10話・第20話に登場。日本政府の副総理。東京に出現したバンドックに和平使節団の一人として派遣されるが、ブッチャーの罠にはまり「人間狩りゲーム」の標的とされた政府要人たちは次々と殺されてゆく。最後に残った野崎は、危機一髪で難を逃れ、神ファミリーに救出される。第20話では、防衛軍の部隊を率いてキングビアルとザンボット3の借用の交渉に当たる(しかし拒絶され、配下の部隊長が強引に接収する)が、最終的には実践経験豊富な神ファミリーの戦闘力の高さを認め、全てを彼らに任せる。
- 梅江の初恋の相手でもあり、心情的には神ファミリーの理解者だが、立場上は「現状認識の欠如した政府当局」の代表とならざるを得ず、板ばさみとなる。
- 信一(声:横尾三郎)、吉雄(声:小島裕)、ひろみ(声:間嶋里美)
- 第12話に登場した恵子の友人たち。ガイゾックの襲撃で両親を失っており、再会した恵子を非難するが、負傷しながらも必死で避難民の誘導に当たる彼女の姿を見て考えを改め、声援を送る。
- チーコ (声:松島みのり)
- 第13話に登場。北へ向かって避難する香月らと同行していた少女。勝平たちの戦闘の「巻き添え」で両親を失い、ショックで喋れなくなる。なぜかバッタ(イナゴ)を集めている。争う勝平と香月を仲裁すべく思わず言葉を発し、声を取り戻す。そしてこれが2人の和解のきっかけとなった。
- D・ジェイムス (声:加藤修)
- 第15話に登場。兵左ェ門とは40年前に「国連大学」の同窓生だった[18]。20年前から国連防衛軍第7艦隊の提督を勤めるが、平和が続いたため実戦の経験はゼロで、ガイゾックとの戦闘でも敗北に終わり、間もなく退役の予定。最後の任務として国連防衛軍から神ファミリーへの支援物資を積んだ補給船団を護衛する。頑固で融通の利かない軍人であり、勝平らに対してもメカ・ブーストとの戦闘を禁じるなど的外れとしか思えない命令を出し、あえて違反したザンボットを攻撃さえした。実は海上の船団はダミーであり、補給物資は大型潜水艦隊が輸送していた。勝平らに応戦を禁じたのは彼らの戦力を保全する為であった[19]。ジェイムスの艦隊は囮の役を見事果たして全滅する。
- 第9話同様、兵站・補給に関するエピソードであり、「軍人」というものをメインに据えていた。
ガイゾック[編集]
- キラーザ・ブッチャー(キラー・ザ・ブッチャー) (声:島田彰)
- ガイゾックの司令官。地球人を殺す事を快楽とする滑稽さと冷酷さを併せ持ったキャラクター。全身を機械に置き換えられたサイボーグである事が終盤で明らかになる。「ホーッホッホッホッ・・・」という高笑いがお約束。
- ネーミングの由来は1977年当時人気があった悪役レスラー、キラー・トーア・カマタとアブドーラ・ザ・ブッチャーであり、外見上は前述の通りアブドーラ・ザ・ブッチャーがモデルと思われる。命名は高千穂遥。
- ギッザー (声:永井一郎)
- ガイゾックの作戦士官。前線で作戦の指揮をとる事が多い。大柄で、顔には数多くの傷跡がある。頭はそれ程優れている訳でもなく、その慢心が仇になって失敗する事も多い。
- バレター (声:古川登志夫)
- ガイゾックの武器士官。ブッチャーに攻撃作戦を助言。一応頭脳派だが、そそっかしい性格。前線指揮をとる事もある。痩せ型。話によって声色が極端に変わる事がある。
- ズブター (声:野島昭生)
- ガイゾックの技術士官。メカ・ブーストの製造を担当。ギッザーとは意見が合わない描写が見られた。尚、彼ら三幹部は最終決戦が開始された21話にて、初めて勢揃いする。その後の22話ではガイゾック側の人間はブッチャーしか登場していない為、その去就は不明だが、ブッチャーに処刑されてしまった可能性も高い[20]。
この他、ガイゾックの兵士達が多数登場する。垂れ下がった大きな耳と青白い肌色(幹部のみ。兵士は普通の肌色)が特徴で、合言葉は「ギョイ・ブッチャー」[21]。地球人に変装する際は耳隠しとファンデーションを使用する。なお、ブッチャーは1人だけ耳の形状が異なっており、彼らとは別の種族の出身と思われる。
- ガイゾック(コンピュータードール第8号) (声:渡部猛)
- 物語の黒幕。作戦に失敗したブッチャーに電撃で制裁を加える。最終決戦で神ファミリーの前に立ちはだかる。
登場メカ[編集]
ザンボット3[編集]
ザンバード、ザンブル、ザンベースの3つのメカが「ザンボット・コンビネーション」で一つになった形態。頭頂高60m、重量700t。
多様な武器を搭載(下記参照)。初登場は第3話で、それまでは後述のザンボ・エースが決着をつけていた。3機が合体することで完成するイオンエンジンによって動く。瞬間的なエネルギー総量はビアルI世を上回る[22]。
なお、この機体と分離形態の3機の操縦には「若い反射神経」が必要とされ、主役ロボのパイロットが子供(といっても中学生だが)が乗る理由付けとなっている。また3人には半年間に及ぶ睡眠教育によって各マシンの操縦法がレクチャーされていたと同時に、恐怖心が取り除かれていた事が後に明らかになる[23]。合体時の「ザンボット・コンビネーション!」の発声は勝平で、「ワン!」は勝平の愛犬・千代錦[24]、「ツー!」を宇宙太、「スリー!」を恵子がコールする。
潜水の限界深度は約7000m(第18・19話で判明)。ただし、バンドック攻撃の為、限界を遥かに超える9500mまで潜水している。この時は機体が水圧に耐え切れず、コクピット内に浸水するなどしていた。
バンドックとの最終決戦の際、手足を失うなどの大ダメージを受け、ほぼ無傷のザンバードのみを強制的にコンビネーション・アウトし、宇宙太と恵子はバンドックに特攻、自爆する。なおこの時、3機が合体しないと完成しないはずのイオンエンジンを突入と同時に爆発させているが、これに関してはキングビアルにおけるビアルI世と同様、ザンバードは制御系であり、残る2機でも暴走・爆発させる事は可能だったと考えられる。
- 武装
- ザンボット・グラップ:サイをモチーフとした手持ち武器[25]。本来のサイ同様に2振り一組として振るう。
- ザンボット・カッター:2振りのザンボット・グラップを柄の部分で合わせ、片方の刃を伸長させた刀[26]。日本刀のように刀身に反りがある。これを使用した技に「ザンボット十文字斬り」がある。
- ザンボット・ブロー:2振りのザンボット・グラップを合わせ、柄を伸長させた槍。
- ザンボット・バスター:膝に装備されている十字手裏剣型の投擲武器。突端はミサイル。
- バスターミサイル:膝に装備したまま発射されるザンボット・バスターのミサイル。回転することで連射が可能。
- アームパンチ:射出される手首。いわゆるロケットパンチの派生。
- ザンボット・ムーンアタック:額の三日月型の飾りからエネルギーを放つ必殺技。ザンボットの武器の中で最大の威力がある(イオン砲を除く)。初使用は4話。エネルギーチャージする暇さえあればいつでも撃てる。連続使用も可能。8話ではガルチャックの反射材によってはね返されてしまった。
- イオン砲:キングビアルの武装を流用したもの。第22話で(ビアルI世に積まれていた予備を)使用し、バンドックの頭部を破壊した。回路の接続変更とエネルギーの集中が必要で、発射後の戦闘行動にも影響が出る恐れがあり、あくまで緊急の措置である。伝説巨神イデオンのイデオンガンや重戦機エルガイムのバスターランチャー、機動戦士Zガンダムのメガバズーカランチャーといった富野作品に登場する高出力エネルギー砲の元祖といえる武装である。
- ザンバード/ザンボ・エース
- 勝平が搭乗する高速戦闘機。頭頂高30m(ザンボ・エース時)、重量250t。コクピットは副座式でザンバード時の機首、ザンボ・エース時の左足部に勝平、右足には千代錦が乗る。第2話でブスペアを乗せた事もある。ザンボット3の頭部、胴体中央部となる。単独でロボット「ザンボ・エース」に変形できる。変形のコールは「エース・チェンジ」。第1・2話では単独で、第18話でもザンブルの支援を得てメカ・ブーストを撃破した。ザンボ・エースの状態では内蔵武器は使用できず、ザンボ・マグナムを用いる。
- ザンボ・エースはよく「小型」ロボットと表記されるが、実際には全高30mで、他作品のロボットに比べて決して小型というわけではない[27]。
- 第14話で、ブスペアからザンボ・エース用のマフラー状の「スカーフ」を贈られた[28]。
- 武装
- バードガン:コクピット上部に収納されているバルカン砲。左右2門ある。(ザンバード時)
- トレンブルホーン:音波兵器。尾翼中央から露出し展開する。(ザンバード時)
- ザンボ・マグナム:ザンボエース用のオプションである拳銃。ホルスター自体が単体飛行可能(ホルスタージェットという)で、ビアルI世またはザンベースが射出する。ユニットをガンベルトよろしく腰に装着し、ホルスターから銃を引き抜いて射撃する。ベルトには予備の弾装やオプションパーツがセットされており、追加の銃身やストック、スコープを装着して狙撃用のライフルとして使用したり、連射用のドラムマガジンを弾倉部に追加したり、更には追加装備としてグレネードランチャーも存在する。子供向けのアニメでは異例とも言えるスタイリッシュな武装である。
- 武装
- ザンブル
- 宇宙太が搭乗する重戦車。全長20m、全高25m。飛行も可能[29]。ザンボット3の胴体・腕部となる。分離時の3機の中では一番の重武装だが、ザンボット3への合体を考えると機構上、若干の矛盾が存在している[30]。
- 当初はザンボエース同様に単独でロボットに変形する予定だった。初期のデザインには頭部や脚部のあるものも存在する。
- 武装
- アームパンチ:射出される手首。
- クラッシャードリル:機体前部、ザンベースとの合体面からとびだす巨大ドリル。
- ビッグミサイル:機体前部、ザンベースとの合体面からとびだす巨大ミサイル。
- ビッグキャノン:機体中央からせり出す大砲。
- ブルミサイル:小型のミサイル。手首の指先から発射。
- 武装
- ザンベース
- 恵子が搭乗する偵察支援メカ。全長30m。ザンボット3の下半身・脚部となり、バックパックが付いている[31]。ビアルI世同様にザンボエース用の武器「ザンボ・マグナム」を搭載・射出する。合体時の腰部両脇には小型偵察メカ・レゴンを装備。
- 武装
- ベースミサイル:機首付近から発射するミサイル。
- ベースレーザー:コクピット付近から発射するレーザー砲。
- ベースヒート:機体の上部から発射する熱戦砲
- 武装
キングビアル[編集]
ビアルI世、ビアルII世、ビアルIII世が合体する事で完成する恒星間移動要塞兼移民基地。イオンエンジンを主動力とし、必殺の兵器「イオン砲」の他、複数の武装を装備する[32]。
なお、ビアル星は恒星カペラの惑星であったとされ、神ファミリーの先祖は、ガイゾックによって滅ぼされたビアル星を脱出した生き残りで、軌道上の巨大宇宙ステーションでキングビアルを建造し、約150年前に地球へ飛来した[33]。
デザインに当たって富野監督からは、SFとして耐え得る宇宙船を、との指示があったという。合体のパターンは『ゼロテスター』のテスター1号機を参考にしている。
- ビアルI世
- ザンバードを格納する移動要塞。駿河湾の海底に隠されていたビアル星人の遺産で、神一家が搭乗する。キングビアル時には中枢部であり、コントロールルーム兼補修部品格納庫となる[34]。ザンベースと同様に、ザンボエース用の武器「ザンボマグナム」を搭載・射出する。
- 最終回、機能停止したバンドックもろとも地球に墜落してゆくザンボ・エースを救う為、その船体でバンドックの減速を試みた。バンドックとビアルI世はそのまま大気の摩擦で分解・焼失したが、バンドック内部にいたザンボ・エースは外に放り出され、不時着水して無事生還している。
- ビアルII世
- ザンブルを格納する移動要塞。東京湾の海底に隠されていた。神江一家が搭乗する。胴体下面にキャタピラを装備し、3隻のうちで唯一地上に着地できる。キングビアル時には動力部であり、キングビアルのメインエンジンとして機能する。他の2隻が白を基調としたカラーリングであるのに対し、II世のみは黄色が基調。キングビアルに合体する時には左右に機体が分離し、前後(上下)に合体した二機を左右から挟むように合体する。なお、キングビアル合体時には、機体下部に部品が数点出っ張る為、地上への着陸は不可能となり、専ら浮遊するか着水するかのどちらかとなる。
- 第21話で、メカ・ブーストとバンドック頭部の両面攻撃により窮地に陥ったザンボットを救う為、兵左ェ門と梅江の操縦で敵中に突撃し、破壊された。
- ビアルIII世
- ザンベースを格納する移動要塞。長野県の諏訪湖の湖底に隠されていた。神北一家が搭乗する。キングビアルの機首部。キングビアル時には砲台であるため、イオン砲を搭載しているが、コントロールシステム(ビアルI世)、エネルギー供給(ビアルII世)がないので、キングビアルに合体しないと使用できない。
- 第22話で、源五郎の操縦で青騎士ヘルダインに体当たりを敢行、これを撃破し、次いで赤騎士デスカインに特攻、宇宙に散華した。
メカ・ブースト[編集]
キラー・ザ・ブッチャーが送り込む戦闘メカ。状況に応じて様々なものが存在するが、総じて怪物然とした姿をしている。時としてブッチャーが触れた地球の生物や、文明の利器を応用、或いは誤解した形で攻撃手段として搭載しているものもある。
- ドミラ(第1話)
- 偵察と示威が目的であり、戦闘力は低い。
- ジドビラー(第2話)
- 倒された後、ガイゾックの存在を示す狼煙を上げる。
- ガビタン(第3話)
- 鳥のような形態へ変形する。
- ドヨズラー(第4話)
- 高速回転して竜巻を起こし、勝平たちの町を破壊した。1度は敗退するが、ブッチャーが蛸をヒントに触手に吸盤を付加する改良を加え、より強力になって再出現した。
- ガルンゲ(第5話)
- 飛行形態と防御形態に変形し、防御形態時の装甲はザンボットの武器を受けつけない。変形時に生じる翼の付け根の隙間が弱点。この戦闘の巻き添えとなって香月一家は離散した。なお、日本に襲来する以前に世界各地を攻撃しており、パリとロンドンの映像がブッチャーのモニターに映し出されていた。
- エレギン(第6話)
- 源五郎の漁船を襲撃した。
- クモガニラ(第7話)
- ブスペアの避難先の四日市市を襲撃した。
- ガルチャック(第8話)
- 体表面があらゆるエネルギーを反射する特殊物質で覆われており、ムーンアタックさえも反射してしまう。特殊物質で覆われていない口の中が弱点。
- アモンスガー(第9話)
- 球状のパーツが集まってできている。パーツの一つ一つは時限装置つきの水爆で、強い磁力で目標に付着する。倒されたと見せてキングビアルに付着し、爆発しようとした。
- トラシッド(第10話)
- 数十台の戦車(ベルター・タンク)が合体してメカ・ブーストとなる。東京に降下したバンドックの護衛を務めた。
- バイブロン(第11話)
- ブッチャーの美容器具にヒントを得た、高速振動するベルトが武器。
- モグンダー(第12話)
- 長野県松本市に出現。あっさり倒されるが、実は罠だった。
- ハリンダー(第12話)
- モグンダーの破片が集合して再生した第2形態。
- ダボンガー(第13話)
- 東北地方を北へ向かう香月ら避難民を襲撃した。
- カメヅオン(第14話)
- 溶解液が武器。避難民を乗せ北海道へ向かう連絡船、札幌避難民キャンプを襲撃した。
- デスカメル(第15話)
- 神ファミリー支援の為、日本へ向かう輸送船団を襲撃した。
- ブウボン(第16話)
- 空母に擬装した巨大メカ・ブースト。内部に人間爆弾の工場を持つ。
- 名称不明(第17話)
- 17話冒頭で3体のメカ・ブーストが簡単に倒されている(ザンベースが1体、ザンブルが2体)。神ファミリーが戦い慣れしてきた為、メカ・ブーストでは大きな被害を与えることができなくなった事を暗示し、ガイゾックの戦術の転換を説明する指標としている。
- ヒラヤンガー(第17話)
- 下北の避難民キャンプ(実はガイゾックの擬装施設)防衛の為、派遣された。
- クラーゲン(第18話)
- 避難民を乗せた船を襲撃した。実はそれは巧妙な罠だった。不審に思った兵左ェ門は避難民の救助・収容を禁じるが・・・。
- ゴルガス(第19話)
- コマに似た形状のメカ・ブースト。勝平によって深海のバンドックへの攻撃に利用される。
- ガイダー(第19話)
- 内部で混乱が生じたバンドックが体勢を立て直す時間を稼ぐ為、「出血大サービス」で出撃した。極めて硬い装甲を持つが、逆にバンドック攻撃に利用される。
- 再生メカ・ブースト(第20話)
- ドヨズラー
- ガルチャック
- アモンスガー
- トラシッド
- ブッチャーが「ビリヤード玉突き戦法」の為に再生を命じ、同時出撃させた。
- なお、トラシッドに合体する戦車を現地まで運ぶ輸送機「ベルタータンク・カプセル」が追加登場する。
- ダンガルン(第21話)
- スタジオぬえがデザインを担当。ワイヤー攻撃でザンボットを苦しめた。素粒子レーザーはムーン・アタックを中和する。
- ゾンダア(第21話)
- 4本の腕それぞれに剣を持つ。バンドック退却の時間稼ぎの為に出動。
赤騎士デスカイン・青騎士ヘルダイン[編集]
第22話に登場する。ガイゾックがブッチャーに切り札として与えた強力な戦闘メカ。ブッチャーが床の紋章に斧を突き立てて「封印を解く」事で出現。「ガイゾックの神の守護騎士」と呼ばれ、他のメカ・ブーストとは一線を画する存在である。馬と一体化した騎士の様な姿(脚の部分はキャタピラ状)。それぞれ剣と槍、盾を持つ。色違いで左右が逆だが2体ともほぼ同じデザインである(頭部の飾りのみ形状が異なる)。ザンボットの武器は通用せず、盾から強烈な光線を発して目をくらませ、その中から剣や槌矛などの武器を投げつける。
赤騎士がビアルIII世の特攻で倒される直前、顔が崩れる(鉄仮面状の顔が、目を剥き大口を開けて慌てふためく表情を見せる。)描写がある。
その他[編集]
- スネソーダー
- カタツムリに似た飛行偵察メカ。多数存在し、世界中に派遣されているらしい。メカ・ブーストとザンボットの戦闘の様子などの映像をブッチャーのモニターに送信してくる。近年になって目撃例が急増したUFOの正体で、これによって神ファミリーはガイゾックの到来を察知し、キングビアルのサルベージを行なうと共に勝平らに睡眠学習を施し、準備に務めていた。
- メカ鮫(第16話)
- メカ・ブースト、ブウボンの護衛用に、周囲の海中に放たれていた鮫型のロボット。
バンドック[編集]
ガイゾックの戦闘要塞。遮光器土偶のような頭部が特徴。ケンタウロスのような半人半馬の姿である。内部にメカ・ブースト製造工場を備え、絶大な破壊力を誇るバンドック砲、スペースミサイル、スペース機雷などの武器と、特殊且つ強力なバリア[35]を装備する。頭部のみが独立して行動する事も可能。限界潜行深度は10000m以上でザンボット3よりも上である。この為、日本海溝の底に潜むバンドックをザンボットは直接攻撃できなかった。
スタッフ[編集]
- プロデューサー:栃平吉和(日本サンライズ)、大熊信行(創通エーシェンジー)
- 総監督:富野喜幸(現:由悠季)
- 作画監督:遠藤克己、加藤茂、鈴木康彦、長谷川憲生、坂口尚、佐々門信芳
- 作画:井口忠一、正延宏三、青木悠三、落合正宗、遠藤克己、木下ゆうき、池羽厚生、佐藤勝、加藤茂、青山純子、大野あや子、柏田智子、金田伊功、富沢和雄、鍋島修、飯島正勝、島崎おさむ、太田博光、鈴木康彦、長谷川憲生、鬼原守、柏田涼子、金海由美子、篠崎治子、遠藤薫子、塚本裕美子、笹木寿子、林吉男、中村一夫、西城明、醍醐芳晴、坂野方子、砂川尚志、岡本美登利、佐々門信芳、風間洋
- 美術監督:中村光毅→デザインオフィス・メカマン
- 背景:マスコット、アート・テイク・ワン、スタジオノア
- デザイン:スタジオぬえ
- 仕上:スタジオディーン、シャフト
- 特殊効果:土井通明、田崎正夫、向井稔
- タイトル:多々良正春
- 撮影:金子仁、藤田進、吉原和彦、森本栄一、板東昭雄
- 編集:鶴渕友彰
- 現像:東京現像所
- 音響監督:松浦典良
- 効果:松田昭彦(イシダサウンド)
- 整音:中戸川次男→原田敦
- 録音:整音スタジオ
- 制作進行:由井正俊、豊住政弘、今井広美、真野昇、草刈忠良、池内義幸
- 制作デスク:神田豊
- 制作:名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ
- 主題歌:
- 「行け!ザンボット3」(作詩:日本サンライズ企画室、作曲:渡辺岳夫、編曲:松山祐士、歌:堀 光一路、ブレッスン・フォー、ザ・チャープス)
- 「宇宙の星よ永遠に」(作詩:日本サンライズ企画室、作曲:渡辺岳夫、編曲:松山祐士、歌:堀 光一路、ブレッスン・フォー、ザ・チャープス)
- 本作のファンには、主題歌を作詞したのは富野由悠季だと思っていた者が多かったようだが、DVD-BOXのブックレットに掲載されているインタビューで富野本人が否定している。本作の主題歌の歌詞は女性スタッフによって書かれた、との事である。後番組である『無敵鋼人ダイターン3』では富野が作詞をしており、本作の歌詞とニュアンスが似ている事について、「(必要があると思ったので)言葉を受け継いだ」と答えている。この事と、「日本サンライズ企画室=富野由悠季」というのが当然の様に思われていた事から、誤解されたと思われる。
- なお、最終回のラストシーンには、「もう戦いはない」で始まるEDの二番が非常に印象的に使用されている。
放送時間帯[編集]
放送リスト[編集]
再放送は除く(本放送時に第5話・第6話がそれぞれ1回ずつ再放送されている)。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 絵コンテ |
---|---|---|---|---|
1 | ザンボ・エース登場 | 五武冬史 | 斧谷稔 | |
2 | 燃える死神の花 | 荒木芳久 | ||
3 | ザンボット3出現! | 行田進 | 秦泉寺博 | |
4 | 集結!キング・ビアル | 吉川惣司 | 四辻たかお | 斧谷稔 |
5 | 海が怒りに染まる時 | 五武冬史 | 貞光紳也 | |
6 | 父が帰ってきた日 | 荒木芳久 | 斧谷稔,行田進 | |
7 | さらば! 我が友よ | 四辻たかお | ||
8 | 廃虚に誓う戦士 | 吉川惣司 | 石崎すすむ | 磯浜太郎 |
9 | 危うし! キング・ビアル | 荒木芳久 | 行田進 | 落合正宗 |
10 | バンドック現わる! | 田口章一 | 貞光紳也 | |
11 | 決死の爆破作戦 | 吉川惣司 | 四辻たかお | 八尋旭 |
12 | 誕生日の死闘 | 田口章一 | 広川和之 | |
13 | 果てしなき戦いの道 | 荒木芳久 | 菊池一仁 | 斧谷稔 |
14 | スカーフよ永遠なれ | 星山博之 | 行田進 | 小林三男 |
15 | 海に消えた老将 | 吉川惣司 | 広川和之 | 八尋旭 |
16 | 人間爆弾の恐怖 | 田口章一 | 貞光紳也 | |
17 | 星が輝く時 | 荒木芳久 | 行田進,菊池一仁 | 斧谷稔 |
18 | アキと勝平 | 星山博之 | 山崎和男 | |
19 | 明日への脱出 | 吉川惣司 | 広川和之 | |
20 | 決戦前夜 | 荒木芳久 | 斧谷稔 | |
21 | 決戦! 神ファミリー | 星山博之 | 菊池一仁 | 斧谷稔 |
22 | ブッチャー最後の日 | 五武冬史 | 貞光紳也 | |
23 | 燃える宇宙 | 広川和之 | 斧谷稔 |
脚注[編集]
- ↑ この『3』には三機合体とサンライズと2つの意味が込められているとされる。
- ↑ それまでは『マジンガーZ』など、西洋の甲冑をイメージとしたものが多かった。
- ↑ 本作は当初、戦国時代を舞台としたロボットアニメとして企画されたという。
- ↑ なお、ロボットに本格的なガン・アクションを取り入れたのも本作が最初である。
- ↑ 同様にガイゾックに滅ぼされている。
- ↑ 「アニメ大国の肖像 (53)」東京新聞 2006年12月14日夕刊、中日新聞東京本社、2006年。
- ↑ 台本の仮タイトルでは「神一族」と記されていたものもあった。
- ↑ ちなみに放送日は1977年12月31日。
- ↑ この点は製作スタッフの間でも誤解があったようで、後述のジェイムス提督は勝平を「兵左ェ門の孫」と呼んでいる。
- ↑ 第2話から。第1話では効果音が流れた。
- ↑ 予告は兵左ェ門として語っており、予告の閉めの一句として「さぁて、どう戦い抜くかな?」と言うのがお約束だった。
- ↑ ザンボットとメカ・ブーストの戦闘の余波により、目の前で妹を見失う。
- ↑ これは従来のヒーロー物に多い「ヒーローが敵を倒せば犠牲者は救われ、全てが解決する」という安直な結末への強烈なアンチテーゼでもあった。
- ↑ 人間爆弾にされていない事を確認する為。
- ↑ 勝平・香月・ミチ、花江・すみ江・由美子、和行・きいろ・公子ら。
- ↑ 他の群集については「人々は適当に」とのみ書かれている。
- ↑ 「20年目のザンボット3」より。
- ↑ 神北兵左ェ門の項を参照。
- ↑ ただしこれに関しては、その必要があったかどうかは疑問である。即時攻撃を命じて早期にメカ・ブーストを撃破した方が、結局は被害や消耗が少なくて済んだ可能性が高い。
- ↑ 21話でブッチャーが青竜刀を手に彼らを脅しているシーンがある。
- ↑ 「ギョイ」は『御意』の意味である。
- ↑ ビアルI世のエネルギーではイオン砲を稼動させるには不足、とのセリフがある。
- ↑ この過程は、別の視点から見るとある種の洗脳と取れなくも無い。
- ↑ まれに勝平が言う事もある。
- ↑ よく誤解されるが十手ではない。
- ↑ もう一方は柄に収納される形。
- ↑ ちなみにザンボット3の全高は60m。
- ↑ エースのサイズから見て長さ約50m、幅数mにも及ぶ長大な布である。
- ↑ ただしTVゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズに登場するザンブルはゲーム中飛行不可。
- ↑ 胴体の中には何も無い、あってもドッキング用の部品程度の筈が、ドリルや大砲や弾薬などが搭載されていたり、ザンブルのコクピットが、合体時にはいつのまにか消えている…等。
- ↑ 合体時に外れて移動し、ザンブルのキャタピラを覆う形で背部に装着される
- ↑ イオン砲は臨時に、ザンボット3が使ったこともある。
- ↑ なお、コンピュータードール第8号によれば、ビアル星が滅ぼされ、バンドックが眠りについたのは約200年前である。
- ↑ 第22話で、ザンボット3はビアルI世から予備パーツのイオン砲を取り出し、使用している。
- ↑ 余談ではあるが、TVゲーム「第4次スーパーロボット大戦(「第4次S」を含む)」にはバンドックが登場するが、同作品にはビームコート・Iフィールド・オーラバリアの3種類しかバリアが存在しなかったため、バリアの設定を反映するための苦肉の策として、バンドックがIフィールドを装備している。
- ↑ 安彦自身がムックなどで明言している。
参考文献[編集]
- 「20年目のザンボット3」氷川竜介/著 ISBN 4-87233-333-0
名古屋テレビ 土曜17時台後半 | ||
---|---|---|
前番組 | 無敵超人ザンボット3 | 次番組 |
17:30- 魔法のマコちゃん(再放送) 17:45- 天気予報 17:50- ニュース | 無敵鋼人ダイターン3 | |
テレビ朝日 金曜18時台前半 | ||
恐竜探検隊ボーンフリー(再放送) ※月曜~金曜 → 月曜~木曜 | 無敵超人ザンボット3 | 無敵鋼人ダイターン3 |