愛媛県

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愛媛県(えひめけん)は、日本都道府県の1つで、四国地方の北西部から北中部に位置する。県庁所在地は松山市令制国伊予国に当たる。

目次

地理・地域[編集]

位置[編集]

広袤(こうぼう)[編集]

国土地理院地理情報によると愛媛県の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは155.99km、南北の長さは157.16kmである。また、国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、愛媛県の面積はテンプレート:自治体面積/愛媛県平方キロメートルである。

地形[編集]

などほか多数。

自然公園[編集]

気候[編集]

  • 瀬戸内海側と宇和海に面した地域とでかなり異なる。
  • 瀬戸内海側は、温暖寡雨であり、大きな河川がないため、渇水に見舞われやすい。松山などでは給水制限が設けられることが多い。なお、内陸部の久万高原では冷涼であり、高原野菜等が栽培されている。
  • 宇和海側は、黒潮の影響を受けて、総じて温暖ながら、台風の関係もあり、降水量は多い。
  • 南国ではあるが、冬季には降雪も年に1 - 2回ある。特に、関門海峡上空を通過した北西の湿潤な季節風伊予灘をわたり、陸地に当たる地域であるため、佐田岬半島から宇和島市法華津峠にかけて、降雪を見ることがある。また、久万高原町などでは、標高の関係から冬場は寒くスキー場もある。
  • 台風の直撃は高知県などに比べると、意外に少ない。ただ、台風が、中国地方日本海を抜けたりする場合、つまり台風の東半分に入った場合、強風で被害が生じやすい。過去、何度か、強風による柑橘類塩害、落果などの被害が発生している。また、県の東部四国中央市新居浜市ではやまじ風などの現象も観察される。
  • 太平洋岸気候と違い、北西の季節風の影響で、冬季の降水日数が日本海側ほどではないものの、0.0mmという微量の降水が観測された日を含めると、太平洋岸気候に属する地域に比べると多くなっている。
  • でも暖かい日が続くと言われているテンプレート:誰2が、小雨小雪の降る日もあり、冬からに掛けては快晴日数は少ない。
  • 太平洋高気圧に覆われる夏季には瀬戸内海沿岸特有の「」が発生し、日中の気温は35度を超える猛暑酷暑となり、熱帯夜になることも多い。
愛媛県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
南予地方 中予地方 東予地方
伊方町
瀬戸
大洲市
長浜
大洲 西予市
宇和
鬼北町
近永
宇和島 松山 松山市
松山南吉田
久万高原町
久万
今治市
大三島
今治 西条 新居浜 四国中央
平均
気温
(°C)
最暖月 25.8
(8月)
26.8
(8月)
25.9
(8月)
25.8
(8月)
27.1
(8月)
27.3
(8月)
23.8
(8月)
26.7
(8月)
27.0
(8月)
26.7
(8月)
27.6
(8月)
27.3
(8月)
最寒月 6.2
(1,2月)
4.9
(1月)
4.1
(1月)
4.5
(1月)
6.7
(1月)
5.8
(1月)
1.4
(1,2月)
5.5
(2月)
5.8
(2月)
5.5
(1,2月)
6.1
(1,2月)
5.8
(1,2月)
降水量
(mm)
最多月 245.5
(6月)
279.5
(6月)
323.8
(6月)
328.0
(6月)
281.6
(6月)
240.5
(9月)
291.6
(6月)
199.1
(6月)
188.3
(6月)
211.1
(6月)
212.2
(9月)
215.4
(9月)
最少月 42.3
(12月)
70.0
(12月)
68.6
(12月)
54.1
(12月)
52.9
(12月)
38.8
(12月)
82.4
(12月)
28.3
(12月)
33.0
(12月)
36.4
(12月)
31.8
(12月)
37.1
(12月)

地域区分[編集]

県域を三分し、東予中予南予と呼ぶことが多い。この場合、東予とは、今治市西条市以東の地域を指す。南予とは、大洲市内子町以西を指す。中予はこれ以外の地域である。ちなみに、明治期には喜多郡(現在の大洲市、内子町)も中予に含まれていたとの説もある。県民の間では3区分がなじまれており、市町村で表示することが多くなった現在も、放送局によっては天気予報も3区分で表示される。

なお、行政区分では、愛媛県の地方局(東から西条、今治、松山、八幡浜、宇和島の5箇所)の管轄区分も用いられるが、使用者は行政関係者にほぼ限られる(2008年(平成20年)4月には、東予(西条)、中予(松山)、南予(宇和島)の3局体制に再編され、今治、八幡浜は支局となった)。

都市圏[編集]

県庁によって、以下の6つの圏域が設定されている。人口は2006年(平成18年)6月1日現在の推計人口。

市町村[編集]

県下には以下の11市7郡9町がある(2005年(平成17年)8月1日現在。2005年1月16日朝倉村関前村の合併をもって消滅している)。はすべて「ちょう」と読む。地方区分は、上記の県庁による区分とは異なるが、一般県民にはこちらの方が馴染んでいる。

平成の大合併[編集]

2003年(平成15年)3月の時点で70あった市町村は20市町に再編され、この結果、県内から村が消滅した。以下はその変遷の一覧である。

歴史[編集]

由来[編集]

「えひめ」の地名は、古くは古事記上巻のイザナギイザナミによる国生みの段に、「伊予国は愛比売と謂ひ」と見える。のちに「愛比売」が「愛媛」へと転化した。

先史[編集]

県内では2万2000年以上も前から人々が生活していた。それは、1995年(平成7年)伊予市の旧双海町の東峰遺跡・高見Ⅰ遺跡でAT火山灰(姶良・胆沢火山灰)の下から石器が出土したことで分かった。

古代[編集]

松山市の久米地域は、久米国造の支配地域であり、その中心地でもあった。久米地域の堀越川と小野川にはさまれた来住(きし)台地上とその周辺に7 - 8世紀代の諸官衙遺構が集中して分布しており、発掘調査が進められている。7世紀後半の「久米評衙」遺構が、南南東部に「回廊状遺構」、その南東外部に来住廃寺塔基壇、西には「久米郡衙正倉院」がある。

中世[編集]

江戸時代[編集]

伊予八藩

近代[編集]

戦後・昭和後期[編集]

1955年(昭和30年)を境として、全国的な動きではあったが、市町村合併が急速に進み、1954年(昭和29年)2月1日時点で、6市41町186村、計233市町村であったのが、1958年(昭和33年)4月1日には、10市42町29村となった。
ほとんどの合併は1956年(昭和31年)度中に成就した。その後1963年(昭和38年)頃までは五月雨式に合併が続いた。昭和40年代に入ってからは、壬生川町三芳町の合併(東予町の誕生、翌年東予市に昇格)、久谷村松山市への編入、宇和海村宇和島市への編入があったのみである。

平成[編集]

愛媛FCJ2 に昇格。

人口[編集]

600px
愛媛県と全国の年齢別人口分布(2005年) 愛媛県の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 愛媛県
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

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愛媛県(に相当する地域)の人口の推移
テンプレート:人口統計/38
総務省統計局 国勢調査より

政治・行政[編集]

国政[編集]

衆議院[編集]

長く自由民主党が選挙区を独占していたが、第45回衆議院議員総選挙では愛媛3区で民主党公認の白石洋一が当選した。第46回衆議院議員総選挙では再び小選挙区で自由民主党が選挙区を独占した。比例四国ブロック2区の西岡新、4区の桜内文城(両氏とも日本維新の会公認)が復活当選した。

参議院[編集]

衆議院と同様に自由民主党が独占していたが、第21回参議院議員選挙では現職の自由民主党候補を破り民主党社会民主党等が推薦する無所属の友近聡朗が(その後民主党を経て国民の生活が第一に入党)が当選した。2013年第23回参議院選挙では自由民主党新人で元四国中央市長の井原巧が他の新人候補を破って当選し、再び自民党が議席を独占することとなった。

歴代愛媛県知事(公選)[編集]

行政機関[編集]

県の出先機関として5市(西条・今治・松山・宇和島・八幡浜)に地方局が設置されていたが、近年の財政難や市町村合併により、東予・中予・南予の3県域ごとに再編され東予地方局が西条、中予地方局が松山、南予地方局が宇和島に設置され、今治には東予地方局の支局、八幡浜には南予地方局の支局が設置されている。

県議会[編集]

愛媛県議会について詳しくは愛媛県議会の項を参照

財政[編集]

概要[編集]

バブル景気期による大型観光施設整備やバブル不況期の景気対策による県債の発行残高が増加で県の財政は悪化。さらに三位一体改革による補助金減少で県の財政はさらに悪化している。そのため県は大型公共事業の凍結・見直し・先送り、県職員の給料カット、知事公舎等の売却、行政機関の再編などで財政再建を進めている。

平成18年度[編集]

  • 標準財政規模 3233億1400万円
  • 財政力指数 0.37232(都道府県平均 0.46)
    • 愛媛県は財政力指数0.3 - 0.4のIIIグループ(11自治体)に分類されている。
  • 経常収支比率 89.8%(都道府県平均 92.6)
  • 実質収支比率 0.6
  • 人口一人当たり人件費・物件費 13万0046円(都道府県平均 12万4759円)
  • 人口一人当たりの地方債現在高 65万6826万円(都道府県平均 62万2416円)
    • 注意 上記は普通会計分の地方債のみを計算している。
  • 実質公債費比率 14.6%(都道府県平均 14.7%)
  • 人口100,000人当たり職員数 1,388.25人(都道府県平均 1,173.11人)
    • 定員適正化計画に沿って職員数削減を進めている。
  • ラスパイレス指数 97.1(都道府県平均 99.6)

地方債残高

  • 普通会計の地方債現在高 9719億5500万円
  • 上記以外の特別会計の企業債(地方債)残高 415億8200万円
    • 主な内訳 病院事業会計分 約213億円
  • 第3セクター等の地方債等残高 2億2600万円
  • 地方債等の合計 1兆0137億6300万円(連結会計)
  • 愛媛県民一人当たりの地方債等残高 70万1401円(連結会計)

平成17年度[編集]

  • 財政力指数:0.34(2005年(平成17年度)の財政力指数)

姉妹提携[編集]

司法[編集]

法務局[編集]

裁判所[編集]

自衛隊[編集]

陸上自衛隊松山駐屯地第14特科隊が駐屯する。治安出動および防衛出動が下令された場合、愛媛県内の発電所、変電所、空港、重要港湾、重要橋梁、石油関連施設、重要生産工場等に展開する。敵対勢力から急迫不正の攻撃が予測される場合には、対象目標を迅速に撃破する。特科隊は、有効射程約24kmの155mm自走榴弾砲 × 15門による敵上陸地点の制圧、射程約10kmの対空ミサイルによる対空目標の撃破のほか、自衛隊員による近接戦闘治安維持災害派遣も任務とする。

経済・産業[編集]

経済[編集]

  • 愛媛県は経済規模としては、全国のおよそ1%を占め、1%経済と呼ばれる。

産業[編集]

  • 愛媛県は地理的に東予・中予・南予に三分されるが、産業においてもこれら地域によって大きく様相が異なる。
  • 東予は、四国中央市の紙関係、新居浜市西条市の化学工業、非鉄金属、産業機械、電機関係、今治市の造船とタオルといった製造業が中心である。
  • 中予は、松山市を中心とした地域で、松山市だけで愛媛県の人口の3分の1を占めており、政治・経済、商業活動の中心として第三次産業が主力ながら、臨海部には化学工業も発達している。
  • 南予は、柑橘類や養殖漁業を中心に第一次産業に特化している。その反面、製造業の集積が貧弱であり、経済基盤も脆弱である。そのため県や南予の自治体はコールセンターなどの誘致に補助金を支給するようにして企業の誘致を図っている。

農業[編集]

県下各地で、柑橘類が生産され、みかんいよかんが有名。キウイフルーツなども有名である。そのうちみかんは2003年(平成15年度)まで日本一の座を僅差ではあるが守ってきた。しかし2004年(平成16年度)には34年ぶりに和歌山県に日本一の座を明け渡した。なお2005年(平成17年度)も日本一の座を奪還することはできなかった。

  • 裸麦 - 生産量日本一
  • キウイフルーツ - 生産量日本一、 全国シェア約2割。
  • いよかん - 生産量日本一、 全国シェア約8割。
  • みかん - 生産量全国2位 、全国シェア約2割。
  • ハッサク - 生産量全国3位 、全国シェア約1割。
  • 栗 - 生産量全国3位 、全国シェア約1割。
  • ネーブルオレンジ - 生産量全国4位、 全国シェア約1割。

林業[編集]

林業産出額は57億6千万円(2010年)となっており、木材生産が41億円と全産出額の71.2%を占めている。全国の林業産出額の割合では木材生産の割合は45.1%で全国と比べ愛媛県では木材生産の割合が高くなっている。品目別の木材生産ではが22億3千万円と最も多く、次いでが18億1千万円である。

1980年には林業産出額は254億7千万円であったが、外国材の流入による価格低下や林業従事者の減少などによって大幅に激減している。

漁業[編集]

  • 燧灘、伊予灘、宇和海という性質の異なる3つの海域に面し、それぞれ独自の漁業が営まれている。
  • 燧灘では、小型漁船による漁業が行われている。かつては、鰯等の好漁場であったが、資源が枯渇しつつあり、漁獲高も多くない。沿岸部では、海苔等の養殖が小規模ながら行われている。また、来島海峡などの海峡部ではタイ、デベラ等も獲れる。しかし、養殖は盛んではない。
  • 伊予灘では、漁船漁業が中心である。小魚中心。
  • 宇和海では真珠ハマチブリ)の養殖が盛んで、タイの養殖では日本一となっている。真珠養殖も長らく日本一であったが、大量斃死の影響で、日本一の座から滑り落ちてしまった。

製造業[編集]

製造品出荷額等(2010年)は、3兆7,924億円であり、非鉄金属が6,044億円(全体の15.9%)と最も高く、次いでパルプが5,211億円 (13.7%)、輸送用機械が5,112億円 (13.5%)、化学が4,231億円 (11.2%)、石油・石炭が3,936億円 (10.4%) などとなっている。

事業所数(2010年)は全体では2,434事業所で、産業別に見ると食料が460事業所 (18.9%) と最も高く、次いで繊維が333事業所で (13.7%)、パルプが225事業所 (9.2%) などとなっている[1]。従業員数(2010年)では全体が76,347人で食料が13,574人 (17.8%) と最も高く、次いでパルプが9,769人 (12.8%)、「繊維」が7,647人 (10.0%) などとなっている。

市町村別の製造業出荷額等では、今治市が8,871億円が最も多く、西条市が8,113億円、新居浜市が6,150億円、四国中央市が6,068億円、松山市が4,237億円などとなっている。上位4位は東予地方の市が占めており、上島町を含めると愛媛県全体の製造業出荷額等の7割以上 (78.5%) を東予地方の市町が占めている。

  • 東予地方
  • 繊維関係
  • 紙製品関係
四国中央市など。一般的な製紙業(新聞紙・印刷用紙・包装用紙・衛生用紙など)のほか、祝儀用品書道用紙等の日用品の生産が活発である。
  • 化学・金属
新居浜市西条市など。住友グループ(住友金属鉱山、住友化学、住友重機械工業、SEN)、鉄鋼(日新製鋼)、メカトロニクスなど
  • 石油化学
今治市。太陽石油
  • 電機・機械
新居浜市、西条市、今治市。ルネサス エレクトロニクス住友重機械工業ハリソン東芝ライティングパナソニック ヘルスケアなど
  • 造船
今治市。今治造船および新来島どっくグループ。
  • 食品
今治市、西条市。日本食研ホールディングスアサヒビールなど。
  • 中予地方
  • 繊維関係
東レ松前町)、帝人松山市)などの関連工場がある。
  • 石油化学
松山市。コスモ松山石油三菱化学など。
  • 機械・電気関係
松山市、東温市など。電気・電子部品、農業機械、繊維機械などおよびその部品。井関農機三浦工業、パナソニック ヘルスケアなど。
  • 食料品
松山市。果実飲料削り節伊予市)など えひめ飲料ヤマキマルトモなど。
  • 南予地方

鉱業[編集]

かつては、新居浜市(旧別子山村)の別子銅山などの鉱山があったが次々と閉山し、現在は今治市の大島で大島石を採掘するぐらいになっている。

建設業[編集]

バブル崩壊後は景気対策の一環として次々と公共事業が行われ建設業は栄えたが、後に県財政の悪化や三位一体改革で公共事業が減少し現在、県内の建設会社が倒産したり、会社分割など再建を図る企業も出てきている。建設業の不振で工場や事業所の撤退が相次ぐ南予地方は大きなダメージを受けている。

小売業[編集]

かつてはニチイ(松山、今治、新居浜など)、ダイエー松山、新居浜、西条など)、イズミ松山)なども進出していたが2013年1月現在それらの店舗はない。 また最近では岡山勢で24時間オープンのスーパーである大黒天物産(ラ・ムー、ディオ、2005年以降)やハローズ(2010年以降)による侵攻もあるが、店舗数はそれほど多くない。(2013年5月21日現在大黒天:6、ハローズ:4)

電力・ガス業[編集]

  • 県内の電力は四国電力によって供給されているが、今治市の一部島しょ部、上島町では中国電力、新居浜市の別子山地区では住友共同電力によって供給されている。
    • 主な発電所
    • 県内には四国唯一の原子力発電所である伊方原子力発電所がある。四国電力の原子力本部は本店のある高松市に設置されていたが、2011年(平成23年)6月末に原子力燃料部など一部部門を除き松山市に移転する予定である[2]
  • 都市ガスは四国ガスによって松山市・今治市・宇和島市など一部の地域のみに整備されている。そのためほとんどの地域はプロパンガスによってガスが供給されている。

情報通信業[編集]

愛媛県では、コールセンター誘致に補助金を交付していて、南予地方や松山市へのコールセンター誘致に成功している。また松山市には、コールセンター以外にも大手保険会社の集中事務センターが設置されたり、サイボウズの開発拠点設置が計画されるなど多くの新規雇用が生まれている。

観光業[編集]

愛媛県の観光客数は延べ24,509千人(2011年)で、観光客消費総額は1,049億円(2011年)となっている[3]

地域別では、松山圏域(中予地方)が最も多く延べ10,104千人[4]、今治圏域(今治市上島町)が延べ4,361千人、八幡浜・大洲圏域(八幡浜市大洲市西予市内子町伊方町)が延べ4,023千人(2011年)、東予東部圏域(四国中央市新居浜市西条市)が延べ3,350千人、宇和島圏域(宇和島市松野町鬼北町愛南町)が延べ2,671千人となっている[4]

県外観光客は尾道市今治市を結ぶしまなみ海道が開通し、開通した1999年には県外観光客延べ数は11,000千人を超え「しまなみブーム」と呼ばれる程、観光客が大幅に増加した[5]2000年にはブームの収束で県外観光客は減少したが、その後は8,000千人から10,000千人で推移している[5]。2011年の県外観光客数は延べ9,396千人で観光客消費総額は931億円である[6]

ミシュランガイド日本編で2つ星にそれぞれ選定された、3000年の歴史を有する道後温泉四国最大の平山城である松山城、また、東・中・南予地方特有の自然や文化施設などの観光資源があり、毎年、県内各地で数多くのイベントが行われている。

県内に本社を置く主要企業[編集]

上場企業[編集]

非上場企業[編集]

製造業(機械・電機)
製造業(造船)
製造業(石油・化学)
製造業(製紙・パルプ)
製造業(金属)
製造業(食品)
製造業(繊維)
建設業・エンジニアリング業
電力・ガス業
金融業
卸売・小売業
運輸業
情報通信業
サービス業
放送・新聞・出版業

県内に拠点事業所・工場を置く主要企業[編集]

県内に工場・事業所を置く主要企業(上の項目を除く)[編集]

金融機関[編集]

銀行[編集]

信用金庫[編集]

郵便局[編集]

県人会[編集]

生活・交通[編集]

警察[編集]

愛媛県警察本部の管轄にある。以下16警察署が置かれている。

海上保安庁[編集]

第六管区海上保安本部の管轄にある。

  • 松山海上保安部(松山市)
  • 今治海上保安部(今治市)
    • 新居浜海上保安署(新居浜市)
    • 三島川之江分室(四国中央市)
  • 宇和島海上保安部(宇和島市)
  • 来島海峡海上交通センター(今治市)

交通[編集]

航空[編集]

現在、愛媛県内にある空港は松山空港のみである。国内便では、東京成田大阪中部福岡鹿児島那覇、国際便では上海ソウルへの定期便が就航している。1959年から1965年までは新居浜市の黒島地区に海上空港があり、大阪・大分へ定期便が就航していた。

ファイル:Matsuyama castle(Iyo)8.JPG
松山城を背景に運行される「坊っちゃん列車」(伊予鉄道松山市内線)
ファイル:Uwajimajidosya2020.JPG
宇和島自動車特急バス

鉄道[編集]

バス[編集]

航路[編集]

道路[編集]

医療・福祉[編集]

詳細は を参照
災害拠点病院
保育所

教育[編集]

大学・短期大学

国公立

私立

高等専門学校

独立行政法人国立高等専門学校機構

中等教育学校

県立

私立

専修学校
特別支援学校
高等学校
中学校
小学校
幼稚園
学校教育以外の施設

独立行政法人海技教育機構

県立

マスメディア[編集]

新聞[編集]

地方紙
全国紙

テレビ局[編集]

概況[編集]

愛媛県ではテレビ東京系列を除く4大キー局が視聴できる。ただし、平成新局であるあいテレビと愛媛朝日テレビは先発局と比べて中継局の数が少ないため、一部視聴できない地域が存在する。デジタル送信所・中継局の設置数は2011年(平成23年)設置予定分を含めると NHK が66局、南海放送とテレビ愛媛が各40局、あいテレビが24局、愛媛朝日テレビが22局と老舗民放局でもあまり多くない状況となっている。

変遷[編集]

愛媛県では1957年(昭和32年)5月29日NHK松山放送局が、翌1958年(昭和33年)12月1日南海放送がそれぞれVHF波によるテレビ放送を開始した。4年後の1962年(昭和37年)6月1日にはNHK松山がそれまでの総合テレビに加えて教育テレビの放送を開始し、結果的にはこれが愛媛県における最後のVHF局となる。そして全国的にUHF局が開局していった1969年(昭和44年)12月10日、愛媛県にとって初のUHF局である愛媛放送(現・テレビ愛媛)が開局した。以降、平成に入るまではテレビ事情に変化は無く、23年間は NHK、日テレ系、フジ系の3局4波時代が続いていた。ところが平成に入ると1992年(平成4年)10月1日あいテレビが、1995年(平成7年)4月1日愛媛朝日テレビが開局し、民放の数が一気にそれまでの倍になったことでテレビ環境が著しく変化・向上した。その後2006年(平成18年)10月1日、全局一斉に地上デジタルテレビ放送(通称:地デジ)を開始、5年間のアナ・デジ共存期間を経て2011年(平成23年)7月24日にそれまでのアナログ放送を終了し現在に至る。

ラジオ局[編集]

  • AMラジオ局
    • NHK松山放送局
    • 南海放送(JRNNRN系列)
  • FMラジオ局

コミュニティラジオ局[編集]

ケーブルテレビ局[編集]

アマチュア無線FM中継局(レピータ)設置場所・周波数[編集]

西瀬戸内海に四国側から突き出している高縄半島、標高約1000mの高縄山山頂に設置され、愛媛県第一、第二の人口を持つ松山と今治を中継するとともに、西瀬戸内海沿岸地域など広範囲なサービスエリアを有する計画レピータ
皿ヶ峰連峰県立自然公園内、標高1,200mの陣ヶ森に設置され、県内最高峰に位置している。松山平野と久万高原町を中継するとともに、岡山県西部・広島県・山口県・大分県の瀬戸内海沿岸部もサービスエリアに含めている実質的な広域レピータ[7]
標高約450mの小岩道(旧津島町)にあり南予の中心都市宇和島と南宇和郡とを中継するレピータ。南予は平地が少なく、また、リアス式海岸のため、都市間の電波伝搬状況が悪く、中継局が不可欠である。
標高800mの呉石高原にあり、東予の新居浜・四国中央・香川県の西部地域と山村である旧新宮村別子山村を中継するレピータ。海上伝搬により岡山県西部や広島県東部の沿岸部もサービスエリアに含めている。
  • JR5WR(大洲市神南山)439.88MHz、1292.22MHz、2425.44MHz
パラグライダーの基地などがある標高710mの神南山にあり、大洲市と西予市・肱川町・内子町などその周辺部を中継するレピータ。久万高原町の一部などもサービスエリアに含めている。
  • JR5WS(宇和島市泉ヶ森)439.56MHz、1292.60MHz、2425.38MHz
標高約750mの宇和島地域のテレビ送信塔などがある泉ヶ森にあり、宇和島市と鬼北町・松野町などを中継するレピータ。その標高から対岸の大分県南部の沿岸部もサービスエリアに含めている。
標高約780mの横峰寺の上にあり、西条・今治を中継するレピータ。その標高から燧灘方面もサービスエリアに含めている。
  • JR5WX(伊方町見晴山)439.52MHz、1292.66MHz
佐田岬の中間点、見晴山(標高約400メートル)にあり、佐田岬半島の各町と八幡浜市や伊予灘・宇和海沿岸の市町とを中継するレピータ。そのロケーションから松山や大分県東沿岸地域もサービスエリアに含めている。
標高約200mの旧御荘町中浦にあり、リアス式海岸のため電波状況が悪い愛南地域一帯を中継する局部レピータ
  • JR5VL(伊予市秦皇山)439.20MHz、1291.56MHz
標高約870mの中山地区のテレビ送信塔などがある秦皇山にあり、松山平野と旧中山町・旧広田村・内子町など山村を中継する計画レピータ。そのロケーションから久万高原町の一部や広島県西部・山口県・大分県瀬戸内海沿岸地域もサービスエリアに含めている。
  • JP5YCF(松山市大峰ヶ台)439.62MHz、1292.62MHz
愛媛県の人口の3分の1以上を有する松山平野間の中継を担う局部レピータ。JR松山駅の西側にある標高130メートルの大峰ヶ台に設置されている。
  • JP5YCG(上島町魚島城山)439.90MHz、1292.56MHz
瀬戸内海燧灘のほぼ中央にある孤島で、釣り客が訪れる魚島の城山展望塔(標高150メートル)に設置されており、魚島の集落は広島県側に向いているため、旧魚島村と愛媛県東予全域を中継するレピータ。標高はあまりないものの強力な海上伝搬のため、香川県西部やしまなみ海道もサービスエリアに含めている。
野村地域のテレビ送信塔がある金剛岩(標高約500メートル)にあり、山間部の野村地域と大洲市などを中継するレピータ。その標高から肱川町の一部などもサービスエリアに含めている。
八幡浜市の西部の標高約300メートルの郷(峠)にあり、八幡浜市と大洲市を中継する局部レピータ。

日本アマチュア無線連盟 (JARL) を免許人とするアマチュア無線用中継局が県内各所に設置されており、運営・管理はJARL直轄局である JR5WA を除きJARL愛媛県支部と密接な関係にある愛媛レピータ研究会がボランティアで行っている。愛媛県の地形は西日本最高峰の石鎚山を有するなど急峻な山が多く、かつ、南予のリアス式海岸など都市・集落間の通信を妨げる要因が多彩に存在するため、それらをカバーするように設置されているところに特色がある[8]

文化・スポーツ[編集]

県民気質と文化的背景[編集]

  • 江戸時代に、伊予八藩と呼ばれるように、多くのが分立したため、地域ごとに微妙に異なる文化が息づいている。この点、同じ四国内でも一藩であった高知県(土佐、土佐藩)や徳島県(阿波、徳島藩)、二藩(高松藩丸亀藩)であった香川県(讃岐)と状況を異にしている。
  • 明治時代以降の地理的区分である、東予、中予、南予という三区分も文化的背景を語るには欠かせない要素となっている。
  • 愛媛の人の気質は、端的にいえば保守的である。
  • 古くから山の幸、海の幸が豊富であったため、郷土料理といえるものが少ない。
  • 住民の気質も、今日ではかなり薄まったといわれるが、東予、中予、南予で若干異なる。
  • たとえ話で、100万円あったら、東予の人はそれを元手に商売を始め、2倍3倍に増やそうとする、中予の人はそれを預けて金利で趣味に充て、温泉三昧の生活を夢見る、南予の人は一晩で使い切るような大散財をする(特に酒宴)、と評される(同様の話は、四国四県にもあり、高知県の喩えは南予に似ている)

それぞれの気質は、東予地方中予地方南予地方を参照

方言[編集]

愛媛県内の方言は伊予弁と呼ばれるが、地域によって違いがある。夏目漱石の小説『坊っちゃん』などの影響で「ぞなもし」が有名だが、これは松山市の方言であり、しかも現在の松山市では一部の年配者が使う「ぞな」にかろうじて形跡を感じられる程度で、一般には使われない。伊予弁はアクセントの地域差が大きく、東予・中予では京阪式アクセント、南予では東京式アクセント、大洲では崩壊アクセントである。語彙・表現では東予東部は讃岐弁、東予西部は広島弁、中予は関西弁、南予は幡多弁との関係が窺える。

食文化[編集]

Category:愛媛県の食文化 も参照

郷土料理
詳細は 日本の郷土料理一覧#愛媛県 を参照
  • 麦味噌 - 愛媛県は全国の裸麦の生産の4割を占め、特に松山平野水稲裏作として作付される。こうした麦を用いた麦味噌の工場30か所余が愛媛県内各地に分布している。麦を多量に用いるため、含まれる麹の量もやや多くなり、発酵が進み、独特の甘みを持った味となる。製造所によって独特の味があるが、一般的に県内でも南になるほど、甘みが増すといわれる。伊予さつまなど、味噌を使った郷土料理もある。
  • 醤油 - 味噌同様、南になるほど甘みが増す傾向にあり、他県の人が「砂糖醤油」と評することもあるほどである(実際作る過程で砂糖を入れることがある)
特産品・名産品
ファイル:Taimeshi at Nanyo.JPG
南予の鯛めしの一例

伝統工芸[編集]

経済産業大臣指定伝統的工芸品
伝統工芸品
詳細は 日本の伝統工芸品の一覧#愛媛県 を参照

スポーツ[編集]

Category:愛媛県のスポーツチーム も参照

観光[編集]

詳細は 愛媛県の観光地 を参照

有形文化財建造物[編集]

史跡・旧跡[編集]

ファイル:Matsuyama castle(Iyo)6.JPG
松山城(国の史跡・重要文化財)
ファイル:Uwajima Castle the keep.jpg
宇和島城(国の史跡・重要文化財)
ファイル:Dogo Hot Spring1(Matsuyama City).JPG
道後温泉本館(重要文化財)
豊臣秀吉朝鮮出兵の際に水軍の将であった加藤嘉明が、1602年(慶長7年)に築城を開始した広大な平山城であり、城山公園全体は国の史跡で、建造物21棟は国の重要文化財に指定されている。黒船来航の翌年に当たる1854年(安政元年)に、15万石の親藩松平家により本壇天守群が再建されたため、代表紋章は葵の御紋城山の樹叢(樹林)は、県指定天然記念物。登城客の利便のため、城山索道が設置されている。日本100名城美しい日本の歴史的風土100選道後温泉とともに)、日本さくら名所100選日本の歴史公園100選などの指定も受け、標高150mの松山城天守からの眺望も素晴らしく、松山市ランドマークであるとともに愛媛県を代表する観光名所である。
伊達家10万石の居城。日本100名城大名庭園天赦園も現存。
藤堂高虎が築いた日本三大水城で、日本100名城
日本100名城
道後温泉近くの中世城郭縄張りが残る、日本100名城

名所[編集]

温泉[編集]

道後温泉郷に代表されるように古くから天然温泉が親しまれている。

祭事・催事[編集]

  • 松山春まつり (毎年4月第一週目の金・土・日曜日)桜が満開のこの季節に、松山城周辺で行われる。大名行列や茶会、本家野球拳全国大会、地元学生らによる催し物が見所。
  • 道後温泉まつり (毎年4月19・20・21日)道後温泉おどり、時代絵巻パレードなどが見所
  • 松山まつり (毎年8月11・12・13日)野球拳を基にした野球拳おどり、野球拳サンバが松山市街を練り歩く
  • 新居浜太鼓祭り (毎年10月16・17・18日)
    • 総勢50台の太鼓台が町を練り歩く祭り。明治時代に町の発展と共に大きく豪華になり、市外の太鼓台にも影響を与えている。
    • 市内5つの地区ごとに集まりかきくらべが行われ、毎年数十万人という観光客が訪れるほど人気を誇っていたが、現在は10万人程度に落ちている。
    • 16日早朝の内宮神社宮出しの大階段かき上げはまだ夜が明けない内の行事だが、多くの観客で神社が埋めつくされる。
    • 17日午前の国領川河川敷、17日午後の山根グラウンド、17日夕方の工場前、17日夕方の多喜浜駅前、18日午前の大江浜、18日午後の一宮神社、18日午後の八旛神社等で行われるかきくらべは多くの観客で賑わう。
    • 隔年の18日午前に川西地区の新居浜港で行われる船御幸は一宮神社の神輿船渡御に合わせて、太鼓台を台船に乗せてお供をする行事。近年では川東地区の新居浜東港においても川西地区の翌年に船御幸が行われるようになった。
    • 阿波踊り、よさこいに並ぶ『四国三大祭』の1つである。
  • 土居太鼓祭り (毎年10月13・14・15日)
    • 13日にふるさと広場で行われる、総勢14台の太鼓台による寄せ担きが見所
    • 14日に関川地区で行われる鉢合せと呼ばれる太鼓台同士の喧嘩も見応えがある。
  • 西条祭り
  • うわじま牛鬼まつり (毎年7月22・23・24日)

観光スポット・テーマパーク[編集]

博物館・美術館[編集]

世界最大級のプラネタリウムがある。

スポーツ施設[編集]

愛媛県を舞台とした作品[編集]


文芸[編集]

映画[編集]

ドラマ[編集]

アニメ[編集]

漫画[編集]

愛媛県出身の人物[編集]

詳細は 愛媛県出身の人物一覧 を参照

脚注[編集]

  1. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「kou」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. 【放射能漏れ】四国電力、原子力本部を愛媛に移転へ - MSN産経ニュース 2011年4月13日
  3. 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、2頁
  4. 4.0 4.1 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、3頁
  5. 5.0 5.1 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、5頁
  6. 愛媛県 (2011)『平成23年 観光客数とその消費額』、4頁
  7. 開局当時は計画レピータの制度がなく広域レピータ周波数の割り当てがなかったため
  8. モービルハム 1985年5月・1986年1月号 電波実験社、CQ ham radio 2008年10月号 CQ出版社、JARL愛媛県支部報 1983年 - 1998年号

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

行政
観光
日本都道府県
北海道地方: 北海道
東北地方: 青森県 | 岩手県 | 宮城県 | 秋田県 | 山形県 | 福島県
関東地方: 茨城県 | 栃木県 | 群馬県 | 埼玉県 | 千葉県 | 東京都 | 神奈川県 | 山梨県
中部地方: 新潟県 | 富山県 | 石川県 | 福井県 | 長野県 | 岐阜県 | 静岡県 | 愛知県 | 三重県
近畿地方: 滋賀県 | 京都府 | 大阪府 | 兵庫県 | 奈良県 | 和歌山県
中国地方: 鳥取県 | 島根県 | 岡山県 | 広島県 | 山口県
四国地方: 徳島県 | 香川県 | 高知県 | 愛媛県
九州地方: 福岡県 | 佐賀県 | 長崎県 | 熊本県 | 大分県 | 宮崎県 | 鹿児島県 | 沖縄県


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