幼稚園
この項目では、ここでは、教育施設の幼稚園について説明しています。小学館が発行する学習雑誌は、幼稚園 (雑誌)を参照してくださいについて説明しています。その他の用法については「幼稚園 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
幼稚園(ようちえん、独・英:kindergarten、ドイツ語ではKが大文字)は、満3歳から小学校就学までの幼児を保育し、年齢に相応しい適切な環境を整え、心身の発達を助長するための教育施設。
概要[編集]
日本の場合、幼稚園は文部科学省所管の教育施設で、大学・大学院までの教育体系の中の一環として組み込まれており、運営主体は私立の場合、学校法人及び歴史的経緯による個人立となる。
厚生労働省所管の児童福祉施設である保育所とは異なる(保育所は教育施設ではない)。
日本の幼稚園における教育内容は、幼稚園教育要領の中に示されており、その内訳は「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」の5領域となっている(学校教育法23条各号参照)。施設設備については、幼稚園設置基準で定められている。
日本で初めて作られた幼稚園は、1876年(明治9年)11月16日開園の東京女子師範学校附属幼稚園(現・お茶の水女子大学附属幼稚園)である。
2005年現在、日本には13,949の幼稚園があり、うち国立49園、公立5,546園(うち都道府県立5園、市町村立・組合立5731園)、私立8,354園(うち学校法人立7255園)である。また、小学校や大学等に併設された(小学校に併設されている場合は比較的小さい園で特に公立に多い)併設園と独立園がある(敷地や住所が同じだからといって併設園とは限らない)。日本の最初の幼稚園は寺子屋のなかにある。
また特別支援学校には、幼稚園の課程に相当する幼稚部がおかれている。
さらに日本社会においては、幼稚園とは別に、小学校受験のための幼児教室や幼児教育研究所なども存在する。近年はプリスクールの名で就学前児童・幼児の保育や教育を行っている施設が増加している。
歴史[編集]
19世紀前半に活躍したドイツの幼児教育者、フリードリヒ・フレーベルが1840年に設立した小学校に上がる前の幼児のための学校が最初の幼稚園である。幼稚園という語は、彼の作った学校の名前であるKindergarten(フレーベルの造語)を翻訳して出来た。
ドイツ以外の国々でも、フレーベルに敬意を表してドイツ語からの外来語としてのkindergarten、kindergardenという表現を使う。ただし、最近ではアメリカ合衆国などではプレスクール(preschool)という言い方がよく見られるようになっている。ただしカリフォルニア州などではプレスクールは「幼稚園のさらに前の教育施設」として、preschool - pre-K (pre-kindergarten) - kindergarten - 1st grade -... という順序になっていることが多い(学校によって呼称・年限は異なる。公立教育はkindergartenから開始)。ちなみに保育所は、nursery schoolという。
実際にはフレーベルよりも数年早く、イギリスの産業革命の中で、子供の工場労働による健康障害と死亡率の高さに対し、空想的社会主義者といわれるロバート・オウエンが、幼児、子供のための性格形成学院を開校している。
ただし、現在の幼稚園の実態は、ほとんどがフレーベルの構想の中にあったもので、その意味では彼が幼稚園の生みの親といっても間違いない。ボール遊び、積み木(恩物)、お遊戯、砂場、鳥や小動物の飼育と触れ合い、母親の家事の手伝い、言葉遊び、学級花壇での花や野菜の栽培など、すべて体系的にフレーベルの著作の中にある。彼の『幼稚園教育学』(フレーベル全集。玉川大学出版部刊に収録)を参照のこと。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
前段階の学校 | 現学校 | 次段階の学校 |
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幼稚園 1年以上 3歳から6歳 |
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同段階の学校 | ||
注1: 学校ではないが保育所はある。 |
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