毎日新聞

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スイス政府「民間防衛」

毎日新聞(まいにちしんぶん)は日本新聞の一つ。発行部数は公称393万部。通称は「変態新聞」。主張は、反日・反米・親韓・親中。支持政党は民主党

毎日新聞社が発行している。かつては朝日新聞と共に2強に数えられていたが、その後の拡販競争と経営危機で遅れをとり、現在では讀賣新聞朝日新聞に大きく水を開けられている。(この2紙と毎日をあわせて三大紙と呼ばれる)。

新聞販売店の愛称は「毎日ニュースポート」であるが、近年は余り呼称される機会が少ない。

目次

略史

  • 1872年東京日日新聞』、東京浅草の日報社から創刊。
  • 1875年 『東京日日新聞』、新聞の個別配達実施。
  • 1876年 日報社、『中外物価新報』の印刷発行を三井物産から請け負う。
  • 1882年 『日本立憲政党新聞』創刊。(1885年、『大阪日報』と改題。さらに1888年、『大阪毎日新聞』と改題)
  • 1906年 大阪毎日新聞社、東京の『電報新聞』を買収、同紙を『毎日電報』に改題して東京進出を果たす。
  • 1911年 大阪毎日新聞社は日報社を合併。(『東京日日新聞』と『大阪毎日新聞』の題号はそれぞれ変更せず。)
          大毎発行の『毎日電報』を『東京日日新聞』に吸収させる。(東京日日は地紋の桜模様や「余録」欄等を継承)
  • 1936年 『東京日日新聞』が『時事新報』を合同。
  • 1943年 東西で異なっていた題号を『毎日新聞』とする。
  • 1951年 名古屋の中部支社を中部本社に昇格。名古屋での新聞の発行を再開。
  • 1959年 札幌に北海道支社を新設。北海道でも新聞の発行を開始。
  • 1965年 西部本社、北九州市門司区から現在の小倉北区の『毎日西部会館』に移転
  • 1966年 東京本社、有楽町から現在の竹橋(パレスサイドビルディング)に移転。
  • 1967年 6月15日、西部本社セット版地区の地方版を2ページにする(地方版ワイド化のはしり)。
  • 1971年 3月12日、西部本社で輪転機八台を損傷する火災が発生する。
  • 1972年 沖縄返還協定密約をめぐる「外務省機密漏洩事件」(いわゆる「西山事件」)発生。
  • 1976年 「記者の目」欄開始。(その後記者の目(テレビ版)5社ニュースなどで放送された)
  • 1977年 負債を整理する旧社(株式会社毎日)と、通常の業務を行う新社(株式会社毎日新聞社)とに分離する「新旧分離」方式で会社を再建。登記上の本店を大阪から東京に移転。
  • 1985年 新旧両社が合併し会社再建計画終結。
  • 1992年 大阪本社、堂島から現在の西梅田に移転。
  • 2002年 創刊130周年を迎える。
  • 2003年 中部本社が名古屋駅前のビル建て替え(トヨタ自動車と共同)のため、名古屋市中区正木の日本経済新聞名古屋支社の旧社屋ビルに仮移転。

全国紙への道

『東京日日新聞』は1872年条野伝平西田伝助落合幾次郎が創刊した東京最初の日刊紙。当初は浅草茅町(現在の浅草橋駅近辺)の条野の居宅から発刊したが、2年後銀座に社屋を建てて進出。雑報入りの「新聞錦絵」が東京土産として話題を呼んだ。
1873年岸田吟香が入社し、平易な口語体の雑報欄が受け大衆紙として定着するも、1874年入社と共に主筆に就任した福地源一郎が社説欄を創設してから、紙面を一新。政府擁護の論陣を張る御用新聞となり、自由民権派の政論新聞と対抗した。桜痴(福地源一郎)の社説、 吟香の雑報、それに成島柳北の雑録が、 この新聞の三大名物と謳われた。

しかし、1880年頃から政府批判の高まりとともに、御用新聞批判も強まる。そして1888年、社長交代をきっかけに論調が中立路線に転換して大幅に部数を伸ばすが、1891年に長州藩閥の機関紙化してしまい、元の木阿弥となる。その後、伊藤博文井上馨三井財閥の支援を受けるが、1904年には一転して三菱財閥が買収。加藤高明が社長に就任するが経営不振は打開されず、1911年『大阪毎日新聞』に買収される。

その『大阪毎日新聞』は明治初期には政治色が強かったため経営上振るわなかったが、1889年から穏和な論調に転換、広告収入の増加もあって『大阪朝日新聞』(現『朝日新聞』)と並ぶ関西の有力紙となっていた。

さて、その後の新体制は第一次世界大戦の勃発を他紙に先駆けて報道、ロシア革命の報道やレーニンの会見でも注目を集める。この頃、シベリア出兵には慎重論をとり、国内問題では米騒動などの社会問題も取り上げ、普通選挙運動にも賛成の立場をとったが、同様の論調をとる東西『朝日新聞』と覇権争いを全国的に繰り広げた。こうした動きは結果的に両社の発展につながったと言える。

業績を回復した『東京日日新聞』は、大正期には東京五大新聞(報知時事國民東京朝日・東京日日)の一角に数えられ、関東大震災も大毎のバックでこれを乗り切った。震災報道では朝日陣営の後手に回ったが、報道そのものは東京日日の方が評価が高かったとされる。この後、東都新聞界は大阪資本の朝日・東京日日の二強体制となり、1929年には『國民新聞』主筆の徳富蘇峰が移籍。1936年には『時事新報』を合同した。1939年東京・有楽町に完成した新社屋には当時東京でも珍しいプラネタリウム「東日天文館」が設置され、壁面には電光ニュースがまたたいた。(なお、この天文館は1951年、ラジオ東京(現在のTBS)のスタジオに転用された。)

1943年紙名を『毎日新聞』に統一。名実共に全国紙となった。
(なお、『東京日日新聞』の名前は1946年、毎日系の新興夕刊紙として一時復活していた。この新『東京日日新聞』は1956年に休刊しており、現存しない。)

新聞内でよく用いられる表現

① 「政府は何もやっていない」       → 自分たち好みの行動を取っていない

② 「議論が尽くされていない」       → 自分たち好みの結論が出ていない

③ 「国民の合意が得られていない」     → 自分たちの意見が採用されていない

④ 「内外に様々な波紋を呼んでいる」    → 自分たちとその仲間が騒いでいる

⑤ 「皆さんにはもっと真剣に考えてほしい」 → アンケートで自分達に不利な結果が出ました

⑥ 「心無い中傷」             → 自分たちが反論できない批判(はやめろ)

⑦ 「異論が噴出している」         → 自分たちが反対している

⑧ 「本当の解決策を求める」        → 現実的な具体策は何もないがとにかく政府等のやり方はダメだ

⑨ 「各方面から批判を招きそうだ」    → 批判を開始してください

⑩ 「~なのは間違いありません」     → 証拠が何も見つかりませんでした

⑪ 「両国の対話を通じて~」        → 中韓に都合の悪い行動はやめて中韓の言うことを聞け

⑫ 「問われているのは~」          → 次に中韓と市民団体に騒いで欲しいのはここだ

⑬ 「表現の自由・報道の自由」        → 捏造(記事)の自由・偏向(報道)の自由

⑭ 「人権尊重」              → (中韓に有利になるように)人権を尊重しろ

⑮ 「右翼」               → 自分達にとって都合の悪いことを言う人

⑯ 「反発は必至」            → 早く抗議してください

紙面・論調

右派から左派的と言われる事があるが、保守的な論調が顔を覗かせる時もある。これは、昔から社内に派閥があり、様々な考えを持った記者を抱えていることが影響していると言われている。また、無理に論調を統一しようという雰囲気に乏しいことは、多様な見解を掲載できるという意味でプラスに働いているともいえよう。
そのマイナスの側面としては、政府の方針、政策に対して、批判するわけでも賛同するわけでもなく、玉虫色に論評するだけの記事も少なくない。社説などは、92年の湾岸戦争時に自衛隊の海外派遣を強く批判し、憲法改正にも反対してきたが、この10年で大きく方針を転換。現在は「論憲」を掲げて自衛隊の海外派遣に賛成することもある。
上記の通り、紙面論調が一致しない故に右派左派問わず情報提供者からの所謂「特ダネ」を紙面に載せることが多く「スクープの毎日」として知られている。
一方、社会面、夕刊特集面など護憲・反戦平和的な記事が散見されるページも健在である。このような二面性はマスメディアにとって「命綱」であるはずの表現の自由に関わる問題でも見受けられ、全国紙の中では「青少年の保護」を大義名分に掲げた表現規制に最も肯定的な論調を取っているが(一例・2006年1月18日付社説)、こうした姿勢は紙面審議会委員から批判されている。
そのうえ、学界ではほぼ否定されている「ゲーム脳」理論を無条件で称賛するなど(但し『サンデー毎日』ではゲーム脳批判記事も掲載している)、漫画アニメゲーム愛好者からは嫌われる傾向が強い。その一方で、全国紙では最もゲーム情報に力を入れているうえ漫画・アニメ・ゲーム情報を掲載したフリーペーパー『まんたんブロード』を発行している。
また、社説では他紙よりも社会関係の社説を載せることも多い。最近の例を挙げれば、強制わいせつ罪現行犯で逮捕された自民党中西一善衆議院議員(当時)への批判、またワールド・ベースボール・クラシックの誤審に対する批判も書かれた。全国紙でこの関連の社説が書かれたのは毎日だけである。
経営危機の後、収入源として聖教新聞の印刷を一部請け負うようになったため、創価学会関連の記事や広告が比較的多く、また創価学会幹部の発言がコラムや対談記事として掲載されることがある。そのため特定の宗教団体を巡る記事を掲載するに際して、編集の独立性に対する萎縮的効果を生じているのではないかという指摘がある(週刊ダイヤモンド2004年8月7日号に詳述)。ただし、創価新聞・公明新聞といった創価学会関連紙の印刷請負は毎日新聞に限らず、朝日・読売・日経の全国紙および中日(東京)・北海道・西日本新聞等のブロック紙・地方紙にあまねく存在する。

紙面では文化および日曜版の書評欄が特筆に価する。特に書評に関しては、委員一名の推薦で自由に新刊本を紹介できる制度を取っている。この点でも、意見の多様性を認めようという社の気風が表れている。また、他社に比べて書評文の分量が多いなど、斬新な紙面づくりを行っており、評価が高い。

一般紙では、テレビラジオ番組表(ラ・テ欄)を最終面に掲載するのが当たり前となっているが、ラ・テ欄を全国紙で初めて最終面に掲載したのは毎日新聞である(西部本社版が最初。その後、全国で最終面掲載となった)。

注目を集めた報道

新聞界の権威である新聞協会賞に全国紙で最多受賞。 2000年度の受賞記事である、考古学会のゴッドハンドと言われた藤村新一による旧石器捏造事件スクープは、教科書にも記載のある日本最古の遺跡、上高森遺跡が存在しなかった可能性を示唆し、日本の考古学に重大な影響を与えた。その後、2001年、2002年度、2003年度の4年連続で受賞した。

疑義が持たれた報道、スキャンダル

  • 新聞報道史上大問題となると同時に毎日新聞社を壊滅的経営危機に追い込む原因となった「西山事件」については別項参照。
  • 近年、保守派の論客が虚報・誤報だと指摘している日中戦争当時の「百人斬り競争」報道は毎日新聞の前身、東京日日新聞によるものであり、戦後開かれた南京軍事法廷において、「百人斬り」を行ない「捕虜および非戦闘員に対する虐殺競争をおこなった」「南京大虐殺の共同正犯」(軍事法廷判決文)と判決を受け二人の元将校が処刑された。(百人斬り競争の項を参照)
  • 2003年にはヨルダンアンマン国際空港で、毎日新聞のカメラマンが“取材活動の記念に”とイラクから持ち出したM77子弾の不発弾が爆発し、警備隊員などが死傷する事故が起きた。カメラマンは過失致死などの罪で実刑判決を受けた。毎日新聞社は政治力を駆使しヨルダン国王の特赦を獲得したが、記者は釈放・帰国の後、懲戒解雇された。
  • 2004年1月31日には、系列ホテル「国際観光ホテルナゴヤキャッスル」のコーヒー豆納入を巡り、当時の毎日新聞社長が自宅付近で拉致される事件が発生した。しかし、毎日新聞社はこの事実を一ヶ月間隠蔽し、警視庁が犯人の起訴を発表する僅か10分前になってから事件を発表した。この一連の隠蔽行動に、日頃、企業に対して厳しく説明責任を追及してきたはずのマスコミ自身が、企業としての説明責任を果たしていないのではないか、との指摘がなされた。
  • 2004年11月、奈良市において毎日新聞販売店店員が小学一年の女子児童を誘拐し殺害。奈良小1女児殺害事件の項を参照。

【報道しない自由】京大教授「朝日と毎日の報道番組は、もはやただの思想誘導だ」

京都大学公共政策大学院特別教授 佐伯英隆

昔から議論のネタではあったが、近年、自公から民主へ、さらに民主から自公への政権交代過程に伴い、マスメディアの公平・中立性の議論が一段と喧しい。

先の衆院選、参院選では、個々の弁士の演説終了後、かなりの頻度で取材中のマスコミ関係者に対し聴衆から「偏向マスコミ帰れ」の大合唱が沸き起こった。これまでに無い出来事である。

「事実」という断片だけを繋ぎ合わせても記事や報道はできない。そもそも、どの「事実」を報道するのかという取捨選択から始まり、記事や番組の構成、強調点、誰のコメントを付すかなどに報道者の選択が入る事は避けられず、報道する側の主観を一切排除した完璧な公正・中立報道などは本来幻想でしかない。もともと報道各社ごとに政治的色彩の違いはあった。

ただ、従来その色彩の違いが「何となく」であったものが、近年急速に鮮明かつ露骨になったのではないか。これまでマスメディアは一応、公平・中立という建前の旗印だけは降ろさずに来たが、最近その仮面もかなぐり捨てて、それぞれ思い思いの方向に突っ走り、タガが外れた印象がある。

報道者側は報道する自由もあるが、「報道しない自由」もある。これを駆使すれば、自らの主張に沿う報道を作り上げることは極めて容易である。

また、「議論を呼びそうだ」「問題となりそうだ」という表現を加えて世論を誘導することも簡単だ。そういった誘惑を報道人としての使命感と矜持で自制してもらいたいのだが、自制より報道各社の政治方針に沿う事の方が(出世のためには?)重要と見える。

テレビの「報道番組」に至っては、視聴者を番組制作者側の政治的信条・主張に沿って誘導するショーと化している。

新聞・雑誌と異なり、電波帯域という公共財を特別に使用する権能を付与されたテレビ・ラジオには、放送法第4条で政治的公平性と、意見対立案件についての多角的論点提示が義務付けられているのだが、それを意識している番組製作者が何人いるのだろうか。

CNNBBCでは、意見対立案件については、双方の論者を画面に登場させて議論させるケースが多々見られるが、我が国では、コンセンサス形成という予定調和を望む傾向が強く、それが反映されるのか、双方が対立意見を戦わせるという番組の構成はほとんど見かけない。視聴者に選択させるという事をせず、「番組製作者が考えるコンセンサス」に誘導していこうという意図が見透かされるものが多い。

新聞も一種の危機である。経団連調べによれば、新聞記事への信頼度は57%で、テレビやネットを大きく上回っているとの事だが、逆に言えば4割強の人が新聞記事を信頼していないという事であり、一昔前、新聞に書かれてあることをほとんどの人がそのまま真実だと受け取っていた「幸せな時代」からすれば劇的な変化だ。

ネット情報に対する信頼度は確かに低いが、それはネットとは、さまざまな人が自己の主張や心情に基づき、さまざまな情報を展開する場であるという事を「皆が知っている」からである。

しかし、その多様性ゆえにマスメディアの報道に対して「本当にそうか」自ら調べる検証装置、セカンドオピニオンの提供機能を果たしている。民衆は新聞記事を自ら検証する手段を史上初めて手に入れた訳である。新聞人はこの数字をもっと深刻に捉えるべきであろう。マスメディアが公正・中立という仮面まで捨ててしまうのは緩慢な自殺行為である。

さえき・ひでたか 大阪府出身。東京大学法学部ハーバード大学J・Fケネディ行政大学院卒。1974年通産省(現経産省)に入省。在ジュネーブ日本政府代表部参事官、島根県警本部長、通商政策局審議官などを経て2004年に退官。現在、イリス経済研究所代表などを務める。

橋下市長「朝日や毎日のような主張を言えば政治的中立害さない、というのはおかしい」

--NHK会長の慰安婦発言で、民主党が追及の構えだが、市長の見解は

「民主党はもうちょっと歴史を勉強したほうがいいんじゃないですか。籾井さんが言っていることはまさに正論ですよ。その通りですよ。あの主張に反論なんかできる人なんていないと思いますよ。僕が言い続けてきたことと全く一緒です。あの意見について、まぁ朝日は毎日、メディアは大誤報やってくれて、主語とかすっとばして、正当化したとギャーギャー言っていたが、籾井さんの言っていることは僕がずっと言い続けてきたことで、あの点についてきちっと反論できる人はいないと思いますよ。もっとね、皆さんも含めてね、歴史を勉強しないといけないし、今この時期、この状況になってね、中国韓国のこの状況をみて、歴史というものが外交戦争に使われているということもある。日本は今までそういうことやってこなかった。日本の外交官もそういうこと言わずに、とにかく相手の気を害さないようにとやってきたが、中国もね、それなりの力を持ってきて、今までのアメリカ一極の世界秩序の中で我慢するような状況でなくなったときには、歴史については主張してきますよ」

安重根の問題だって、韓国の主張だって中国の主張だって、彼らの主張でそういう主張あると思うが、日本であんな主張認められませんよ。歴史は当事者によって主張や認識が違うのはあたりまえ。だから自衛戦争だと言っても相手方から見たら侵略だし、相手が侵略と言ってもこっちからしたら自衛だということもある。でも僕はサンフランシスコ講和条約を結んだ以上は、世界から侵略戦争と評価されること、言われることについては日本の政治家として受け入れざるを得ないが、その他の歴史問題については、今までのように黙っていたらいいなんてそんなことやってたら、外交戦争に敗北しますよ」

「どれだけ中国や韓国が今、世界でプロパガンダやっているんですか。今まで日本人は相手の気持ちを害してはいけないということで「言うな」「言うな」となりましたが、慰安婦問題は最たるもの。きちっと言わないといけない。日本人として。認めるところは認め、反省するところ反省する。世界から不当な評価受けるようなことについてはしっかり言わないと」

アメリカ人ヨーロッパも、完全に勘違いしている。僕が言っているのは、世界の、国際社会においては価値観は多様化している。一定の価値観を押しつけたって理解はしてくれない。でも世界共通の物差しは、フェアかアンフェアか。慰安婦問題はアンフェアです。日本だけを袋だたきするような世界の態度はアンフェだと言えばいい。戦争は悲惨だし、二度とやってはいけないが、そういう状況の中で、似たり寄ったりのことはどの国だってやっていたし、戦争と性の問題は、どの国だって抱えてきた不幸な歴史なんですよ。そういうことは二度と繰り返さない、今の価値観においてはそんなことあってはならない。だけど、日本だけが不当に袋だたきされているのは何故かというと、日本人が主張してこなかったからだ」

「慰安婦問題について、どういう問題なのか。河野談話の問題点とかきちっと言わなかったから。籾井さんの言っていることは至極正当で、民主党はもっと歴史を勉強すべきだし、自民党の方から批判が出るのは非常に残念です。こういう問題になって必ず出てくる政治的中立性ですよ。出ましたよ、またこれ」

「政治的中立性ってね、だいたい何か発言したら政治的な価値観は必ず含まれるものでね。メディアからしたら、毎日、朝日にしたら、籾井さんとは慰安婦問題で反対意見だから、ああいう発言をしたら政治的中立性を害するというが、朝日や毎日のような考えだったらあれも政治的な見解ですよ。ひとつのね。籾井さんの考え方も政治的な考え方。僕の考え方も政治的な考え方。もっと言えば、慰安婦問題について、世界から袋だたきにあっても良いという主張も政治的な考え方」

「だから朝日とか毎日とか、ああいう主張をNHKの会長が仮に言えば、それはまた政治的中立性を害することになる。政治的中立性というのは、権力を使って番組の編集権に介入してくるのが中立性を害するということ。トップが発言すれば、政治的な意味は入ってきます。たまたまそれが、政権側の考え方なのか、朝日新聞や毎日新聞の考え方なのか、どっちかは知りませんが、たまたま今回のような主張を言えば政治的な中立性を害すると言って、朝日や毎日が言っているような主張を言えば政治的な中立性を害さない。そんなのはおかしいです」

「僕は籾井さんが言っていることは極めて正論。日本人が、特に僕らの世代が籾井さんの考え方を勉強して、反論できるなら反論を考えた方が良い。学校現場で。どこが問題なのか。今まではそういうことを考えることなく、発言すること自体がダメという風潮だったが、非常にね、僕が言ったところで世間はわーっと「橋下が言った」ということでこうなったが、NHK会長で、それなりの経歴のある人がああいうことを言われたということで、日本国民はしっかりここで考えなきゃいけないと思う。発言が悪いというなら、どの部分が悪いのか論理的に言わないといけない。論理的に論破できる人はいないと思いますよ」

--政治家や新聞社と違い、NHKは放送法で中立が定められている。受信料で成り立っている。NHK会長が発言したことについては政治的に意味ない発言…なんてのはあり得ないのでは?

「問題ないんじゃないですか。だから、政治的中立性と言うが、政治的に意味のない発言なんてのはあり得ない。何か発言すれば、必ずそこには何か政治的な意味が含まれていて、今まではメディア、特に朝日や毎日がすぐ騒ぐから、彼らが反対するようなことを言わなければ、たまたま何も騒がれなかっただけ。でもそこに政治的な意図は入っていると思いますよ。NHKの番組自体だって、政治的な意図は入っているじゃないですか。慰安婦問題とか、戦争責任を追及した裁判の番組にしたって、番組には必ず政治的な意味っていうのは入っている。でもそれは仕方ない。中立性というものは、現場が何か作るときに政治権力で編集権や番組作るところに介入してくることが問題だが、トップが発言することというのは何ら問題ないと思う。発言したうえで、そのような見解で現場に介入したら問題だと思うが。政治的中立性という言葉も、もうそろそろ、日本人は考えないといけないと思います。何かやろうと思えば、政治的な意味は含まれてくる。政治的中立性というのはどういうことなのかをしっかりしっかり考えないといけない」

--維新としては国会では問題にする必要ないと?

「いやどこが問題なんですか籾井さんの発言の。誰もたぶん、論理的に反論できないと思う。僕が言っていることと同じだから、僕だって論理的に批判受けたら論破する自信はあるが、そういう議論の場が与えられなかったから一方的に悪いと言われたが。籾井さんや僕の発言に問題があるならどこかということ。モラル上は悪い、現在は悪い。当時だって、やっていいことかといったらだめなことでしょう。二度とやってはいけない。でも世界各国、当時、戦争時は似たり寄ったりのことはみんな戦場と性の問題は、現代の紛争においてすらずっとある。古代の戦争からずっとあったわけです。そいうことをどうやって止めるかをこれから考えないといけないが、そういうことはあったのは歴史的な事実。日本も反省するが、日本だけが袋だたきに遭っている状況は『違う』ということを言わないといけない。米国だって、こういうことはやってはいけない、やめていこうと、ヨーロッパや米国の価値観だったらそういう。でも現実問題として、第二次世界大戦とかそれ以降、米国も英国もフランスだって、戦場で女性を性の対象としてみんな利用していた。なぜ日本だけが袋だたきに遭うのか。それは、国家が組織的に女性を拉致した。人身売買した。世界の戦場の性の問題とは特殊なことをやっていたという風に、世界に広まってしまっているから」

「日本だけが特殊だと批判を受けている。日本だけが本当に特殊なんですか。反省はするし、二度とやってはいけないが、日本がやっていたことだけが世界から袋だたきに遭うような特殊性があったなら、どこが特殊なのかしっかり検証しないといけない」

韓国だって、朝鮮戦争の時には慰安婦制度をしっかり設けてやっていた。なぜ設けるかと言ったら、強姦が多発するとか、性病が蔓延するといろんな理由でね、慰安婦制度を朝鮮戦争の時に持っていたというのは、韓国の軍事史の中でもはっきり位置づけられている。そういうことを検証せずに日本だけ言われっぱなしで、朝日や毎日などのメディアがずっと日本が悪い、一切発言できないような雰囲気を作ってきたからこういう状況になったけれど、ちゃんと歴史を勉強して、戦場と性の問題、どういう事実が歴史的にあったのか、二度とやってはいけないが、日本だけが袋だたきに遭うというのはどういうことか、日本人は考えないといけないと思いますよ」

橋下の入れ墨調査に疑問。私の体にもタトゥーが入ってる。後悔したことはない

多様性こそ社会

大阪市で行われた全職員を対象としたタトゥー(入れ墨)調査を、私は疑問に感じている。調査をしなければ分からない程度であれば人目に付くこともなく、職務に支障が出るとは到底思えない。調査の発端は、児童福祉施設の職員が腕の入れ墨を児童にあえて見せたこと。入れ墨の有無ではないはずだ。

私は米国留学中にタトゥーを入れた。もちろん今も体にある。人種差別を批判する米国の音楽を好きになり、タトゥーに興味を持った。米国でファッションとして浸透していることもあった。同時に、社会問題に関心を抱くきっかけにもなった。そのおかげで今の私がある。取材の時は人目に触れない服装を心掛けている。タトゥーを彫ったことを後悔したことはない。

タトゥーを入れている人は日本社会では少数派。嫌悪感を感じる人が多くいるのも分からなくはない。
しかし、なぜレッテルを貼って管理する必要があるのだろうか。自分が嫌いなものを排除すれば、楽だろう。
しかし、そういう社会を望むのならば、ロボットの社会を作ればいい。

日本には四季がある。春夏秋冬、違う表情を見せる。人間も、それぞれが違うからこそ面白い。
私は、そう思う。

大阪通り魔殺人事件…男が更生の機会を得られず、失望した可能性は否定できない」信濃毎日新聞

「人を殺せば死刑になると思った。誰でもよかった」。大阪市で起きた通り魔事件で逮捕された男が、そう供述している。

7人が死亡し、10人がけがをした東京・秋葉原の事件をはじめ、これまでに起きた無差別殺傷事件の犯人たちが口にした「理由」と同じである。

40代の男性と60代の女性の命が奪われた。助けを求める声を無視し、男は何度も刃物を振るっている。残忍な犯行に至った詳しい動機の解明を急いでほしい。男の生活や精神状態などを十分に調べ、事件の背景に迫らなければならない。

男は、覚せい剤取締法違反の罪で服役していた新潟刑務所を、5月下旬に満期出所したばかりだったという。「住む家も仕事もなく、生きていくにはどうしたらいいのか、と自殺を思い立った」と供述している。刑務所の出所者が社会復帰するための環境整備の遅れが、以前から指摘されている。

保護観察が付く仮出所者は、住居や就職などで公的支援を受けることができる。刑期を終えた満期出所者は対象外で、支援策は手薄な状態にある。2011年の犯罪白書によると、出所者が5年以内に再び刑務所に入る割合は、仮出所者が30%なのに比べ、満期出所者は53.4%と半数を超えている。再犯者の7割が無職という分析もあり、働く場の大切さを示している。

法務省は、出所者を雇う意思のある企業に登録してもらう制度「協力雇用主」を設けている。昨年までに9千社余りが登録した。出所者を雇用した企業を、入札などで優遇する自治体もある。経済界もNPO法人をつくり、雇用を後押ししている。

しかし、再犯の不安や経営状況の悪化から採用実績は伸び悩んでいる。更生保護施設でも、住民の反対で出所者が入れない事例も出ているという。

男が更生の機会を得られず、失望した可能性は否定できない。国は社会復帰を促す環境整備にさらに力を入れる必要がある。私たち市民も、出所者の孤立を防ぐ対策に理解を深めたい。

【毎日小学生新聞】 韓流を愛してやまないファンは、日本と韓国の関係が悪くなったときの『冷却剤』の役割を果たしてくれます」

韓流ブームの聖地。ここはソウルから北東に約60キロメートル。朝鮮半島の大河・漢江のダム湖に浮かぶ南怡島です。

木の葉のような形をした周囲6キロメートルの島で、名前は15世紀の朝鮮時代の勇敢な武将、南怡将軍から来ています。17歳で武士の試験に合格。大きな乱を平定し活躍しましたが、王様が変わると逆に嫌らわれ、27歳でこの世を去りました。そしてお墓がここにあるのです。

今は自然豊かな総合リゾート地として知られています。ところで、このメタセコイヤの並木道、どこかで見たことはありませんか?そうです、韓国のドラマ「冬のソナタ」(2002年)の雪景色シーンで有名になりました。

「冬ソナ」は2003年にNHK BSで放送され、日本で「韓流ブーム」が起きるきっかけとなりました。主人公を務めた俳優ペ・ヨンジュンさんは「ヨン様」と呼よばれ、今も高い人気を誇こります。南怡島はそのロケ地なので、ブーム発祥の地とも言えるでしょう。

家族3人で島を訪ねた女性(43)は、夫の仕事で日本からソウルに来て4年目。

「韓国語の勉強のために見始めたが、人の気持ちの描き方がストレートでおもしろく、すっかりはまってしまいました」と、韓流ドラマの魅力を語ります。

映画や音楽くも含む「韓流」はほかの国でも人気です。今年は歌手PSYが韓国語で歌う曲がアメリカやイギリスで大ヒットしました。日本と韓国はときに竹島の問題などで熱くなり、関係が悪くなることがありますが、「韓流を愛してやまないファンは、 そんなときの『冷却剤』の役割を果してくれる」と話専門家もいます。【ソウル・西脇真一】

毎日小学生新聞 2012年11月10日

信濃毎日新聞「有権者は自民に全権を委ねたわけではない。巨大与党の勇ましい決断は危うい。監視し熟議する政治が必要だ」

国会議事堂は昭和から平成の激動の議会史を見つめてきた。1936(昭和11)年の完成後に衆院は戦前2回、戦後は24回の総選挙で選ばれた議員を迎えた。今回、「自民大勝」がその歴史に新たに刻まれる

英国経済学者アダム・スミスは「国富論」で説いた。自分の利益を考え行動すれば「見えざる手」に導かれて社会全体の利益につながる―。選挙に「見えざる手」があるとすれば、導かれた政治のかたちは「自民1強」だった。

この1カ月で円安が進み、平均株価は千円余り上がった。大胆な金融緩和や財政出動など自民党総裁安倍晋三さんの「アベノミクス」を市場の「見えざる手」が期待し、自民支持にもつながったのか。 そうなら反動や副作用が起き、歯止めなき「アベインフレ」の恐れはないのか

国会議事堂の建設は17年の歳月をかけた。完成を信濃毎日新聞は「憲政史を飾る一頁」と伝えた。けれど、この年の2月に「二・二六事件」が起き、しゅん工前の内部が軍靴で汚れた。議会政治は既に政党間の批判合戦で衰退していた。 事件後は軍部批判もしぼみ、暴走を許した。

今回、迷って1票を投じた有権者は自民に全権を委ねたわけではない。巨大与党の勇ましい決断は危うい。監視し熟議する政治が必要だ。それは「見えざる手」ではなく、有権者の手で育てたい。議事堂に刻まれた歴史に触れてそう思う。

「衆院選で圧倒的議席得た自民党。しかし私が取材した限り、有権者の反応過去2回と決定的に違った。熱狂はなかった」

国政の担い手を決める重要な審判の日なのに、どうしてごくりと生唾をのみ込むような緊張感がわかないのだろう。

2012年12月16日夜、党関係者や記者でごった返す自民党本部で開票状況を取材しながら、そんな思いにとらわれた。

自民党296議席の2005年選挙、民主党308議席の2009年選挙に続いて、民意はまた大きく振れた。自民、公明両党で計325議席。参院で否決された法案を衆院の3分の2以上の賛成で再可決できる320議席を超えた。しかし、私が取材した限り、有権者の反応は過去2回とは決定的に違った。

2005年、私は兵庫県尼崎市にある阪神支局に勤務していた。遊説に訪れた小泉純一郎首相(当時)が「郵政民営化の是非を問う選挙だ」と絶叫するや鈴なりの聴衆は喝采を送り「純ちゃーん」の声援が飛んだ。首相官邸を担当していた2009年は、民主党候補が街頭で配る簡易版マニフェストがみるみるはけていくことに「政権交代近し」を実感した。

今回衆院選序盤の6日、安倍氏の関西地方遊説に同行した。声をからし、経済政策や教育再生を訴える姿勢に決意のほどは見えたものの、聴衆にこれまで2回の選挙のような「熱狂」はなかった。印象に残ったのは、拍手をした後、なんとなく周囲の様子をうかがうような人が多かったことだ。報道各社の情勢調査は序盤から自民党の優位を繰り返し伝えたが「こんなにいいはずがない」という同党幹部の受け止めには、私もまったく同感だった。

民主党はだめだが、「第三極」政党にも託せない。今回は消去法で自民党?。有権者にそんな心理が働いた結果だとしたら、次にまた自民党がつまずいた場合、民意はどこに向かうのだろう。今回記録した戦後最低の投票率59.32%は、政治不信が燃え上がる火種のような気がしてならない。

だからこそ、安倍氏の責任は重大だ。2006,2007年の首相在任中、「美しい国」「戦後レジームからの脱却」と大上段に構え、国民投票法教育基本法改正を実現した一方で、党や内閣の要職への側近の重用は「お友達人事」と批判され、指導力不足も露呈した。2007年参院選で大敗し、健康問題もあって間もなく政権を投げ出した残像はなお消えない。しかも、国会は衆参両院で与野党勢力が逆転した「ねじれ」状態になり、安倍氏以後の自民党の首相は政権運営に行き詰まってほぼ1年ごとに交代した。

安倍氏は当時を「肩に力が入っていた」と振り返る。5年間の雌伏の日々を経てどこが変わったのか、注視しているのは私だけではないだろう。

衆院選中に毎日新聞が実施した特別世論調査で「最も重視する争点」を尋ねたところ、「景気対策」が32%でトップだった。「憲法改正」はわずか2%。安倍氏が来夏の参院選までは改憲の悲願を封印し、経済対策に重点的に取り組もうとしているのは理にかなっている。自民党自身が2007年参院選の敗因を「政策の優先順位が民意とずれていなかったか」と総括したことを忘れてはならない。

安倍氏は連立相手の公明党と合わせても過半数に届かない参院対策として、他党と政策ごとの「部分連合」を探る考えだ。その際には、単なる数合わせでなく、中小政党の主張にぜひ幅広く耳を傾けてほしい。

自民党には到底及ばないにせよ、各党にはそれぞれの支持者がいる。政党間の対話は、国民各層との対話だ。少子高齢化が進み、財政も火の車の日本では、どの党が政権を担おうとも、将来の負担増を国民に丁寧に説明する必要がある。だからこそ、安倍氏には奥行きあるリーダーに変身してほしい。

16日夜、安倍氏は党本部でカメラマンから「歯を見せて笑って」と要望されても表情を崩さなかった。「自民党への厳しい目は続いている」。安倍氏のみならず、自民党幹部が口をそろえる自省のフレーズが、本心からのものであることを願ってやまない。

「衆参ねじれ解消…熱なき圧勝におごるな。偏狭なナショナリズムが勢いづいたりする懸念はぬぐえない」(2013年7月)

投票率が伸びない中での「熱狂なき自民圧勝」が衆院選、東京都議選に続き繰り返された。

自民党の獲得議席が60を超すのは「小泉ブーム」に沸いた2001年以来だ。

投票率は3年前の前回参院選より落ち、戦後最低を更新したさきの衆院選と同様、低投票率傾向だった。行き場を失った批判票の多くが棄権に回ったことは否定できまい。だからこそ、有権者から託されたものを首相自民党ははき違えてはならない。

外交も政権基盤が安定してこそ、中韓両国との関係立て直しなど中長期的な戦略が構築できる。首相や自民党にとって「参院選乗り切り」がこれまで政権の目的のようになっていた。圧勝の反動でタガがゆるみ、党の古い体質が頭をもたげたり、偏狭なナショナリズムが勢いづいたりする懸念はぬぐえない。

今参院選で自民、維新、みんななど改憲派の非改選と合わせた合計議席は改憲の発議に必要な参院の3分の2以上に至らなかった。とはいえ、「加憲」を主張する公明党の動向次第では憲法をめぐる議論は今後の政治の行方をなお左右し得る。

首相は選挙戦終盤に憲法9条改正への意欲を示したが、改憲の具体的内容や優先順位まで国民に説明しての審判だったとは到底言えまい。 改憲手続きを定める96条改正も含め、性急な議論は禁物である。

与党の節度と、政策を軸にした野党の連携という車の両輪が回らなければ政治は緊張感を失う。まかり間違ってもかつて政権を独占した「55年体制」時代の復活などと、自民党は勘違いをしないことだ。

倉重篤郎「民主党政権はなぜ失敗したのか…政権運営した3年3カ月という年月は、統治するのに十分な期間ではなかった」

民主党政権はなぜ失敗したのか。中野晃一上智大教授ら若手学者グループの論考に注目したい。政権中枢メンバーへの30回の聴取、同党現職議員へのアンケート(回収率80%)など丁寧な取材を「民主党政権 失敗の検証」(中公新書)にまとめた。

ナルホド、と思う指摘がある。一つはマニフェスト政治の誤用である。その完成度が高いほど、つまり実現すべき政策の財源、工程表を詳細、かつ具体的に明示すればするほど、政権はその後の状況変化に対応する柔軟性を奪われ、一方で、計画通りにすべてを行うのが不可能な現実の中で、約束違反という批判を必然的に招来する。その負の側面にあまりに無頓着だった。

二つ目に、統治能力の欠落である。政府与党間の意思決定システムと政策実現に必要な国会対応がなっていなかった。人事バランスの悪さから、要職に何度もつく日なた組とそうではない日陰組の乖離が顕在化した。そんな中で消費増税など本来は政策対立であるべきものが、反小沢(一郎氏)か否かをめぐる属人的対立と一体化、ある意味、党分裂に陥るのは必然だった。

この本の特徴は、だからといって小沢氏に失敗の原因を押しつけがちな民主党内の議論にはくみしていない点だ。人事や代表選に過度に頼らない意思決定システムを作り、リーダーシップとそれを支えるフォロワーシップを共に強化しない限り、また同じ道を歩むだろうと警告している。

その通りであろう。だが、その統治能力の欠落はどこから来たのか。戦後連綿と続いた自民党一党支配が、他の政党にその能力を付与する機会を与えなかった。さらにいえば、民主党が政権を運営した3年3カ月という年月は、現実に統治しながら同時に統治能力を一から獲得していくには十分な期間ではなかった。

それだけ統治技術は難しいのだ。権限と情報を握る官僚をうまく使いこなし、党内非主流派が反乱を起こさないよう目配りし、日本国の安全保障に決定的な力を持つ米国と上手に付き合い、野党とのパイプを生かして国会をスムーズに動かし、かつ、メディアへの巧みな発信により世論の高い支持率を維持する。

このすべての技術における民主党の未熟さが、失敗の本質である。皮肉な話ではあるが、民主党がその壁を突破するためには再び政権につき3年余では足りなかった権力維持の学習を再開するしかない。問題は、国民がそれを許すかどうか。2大政党制を育てるか、一党支配でよしとするかにある。

(専門編集委員) 毎日新聞 2013年10月23日 東京朝刊

アルジェリアの死亡者を公表しろ

小川一.png

毎日新聞社会部部長 小川一?@pinpinkiri

亡くなった方のお名前は発表すべきた。それが何よりの弔いになる。人が人として生きた証しは、その名前にある。人生の重さとプライバシーを勘違いしてはいけない。

https://twitter.com/pinpinkiri/status/293368492646883328

ネットの反応

  • 変態新聞の鏡だねー
  • 本当の下種の極み!って奴はこういう奴のことなんだろうな。
  • 発表したらおまえらマスコミがたかるからしてないんだろうが
  • 死人ネタでメシが食えます。
  • 情報不足で分からないだけだろ?記者なんだから自分の足使えばいいのに。
  • で、名前公表されたらそれを元に、遺族の元に押しかけるわけですね。わかります。 さすがマスゴミです。
  • 「名前発表してくれないと、遺族への取材が出来ないじゃないか!!」
  • 発表したらマスゴミが遺族を晒し上げて面白がるのが目に見えるじゃん
  • 何が人生の重みだよ。名前がわからないとネタに困るからって素直に言えよ
  •  マスコミや野次馬が遺族の方々に押しかけるからだろ。日揮の対応は当然だと思うが
  • 人の死をネタにして金稼ぐ人達は大変ですね(^^)
  • 世界よ、これが日本のマスゴミだ
  • 意味不明。お前が飯のタネに知りたいだけだろ。で、遺族に蝗のように群がるわけだ。いつものように、尊厳を踏みにじって。
  • 発表することでこいつらのネタ以外に何の意味があるのかわからない
  • さすが毎日、気持ち悪い。朝日と変わらないクオリティだな
  • んで被害者宅に押しかけて不躾な取材働こうってんだろ?死ねマスゴミ
  • ワロタwww遺族の傷口に平気で塩塗ってくるなwwwマスゴミはwwww最低でも遺族の許可を取ってからにしろよwwwエゴにも程があるwww
  • いやいやwww本人や遺族の価値観が違うかもしんねーのに、何でお前が偉そうに常識だとばかりにそんなこと言うんだよ
  • なんでお前らの飯の種にならなきゃならねえんだよ
  • 流石、爆弾持って帰ろうとして空港で爆発させたドアホメディアグループの一員だね。
  • 確実に遺族にしつこく、しつこーくインタビューするよね。『今どんな気持ちwねえ今どんな気持ちww』ってさ
  • 遺族の感情を踏まえ公表を控えたいとした日揮には拍手を送りたい。
  • 弔いは親族や知人が懇ろにやるだろう。赤の他人がやっても故人は報われん
  • こんなアホが部長やれてるんだから、変態新聞らしいな
  • 酷い死に様の被害者の遺族にマイクとカメラで押しかけるのが弔いなの?メキシコにでも行って麻薬カルテルの親玉に突撃インタビューしてろよw

論説室・福本容子「日本人だけ『○人』では世の中を動かす力が弱い。匿名が当たり前の世の中は、危うい」

アラン・ライトさんはスコットランド出身の37歳。4歳と1歳半の女の子のお父さんだ。人質事件が起きたアルジェリアの天然ガス施設で働いていた。

BP社員のライトさんは襲撃を知り、仲間と真っ暗な事務所に身を潜めた。約30人。一昼夜隠れた後、アルジェリア人たちがフェンスを破るのに成功、いっしょに脱出した。砂漠を1キロほど行った所で武装した男たちに捕まり、ひざまずかされた。外国人だけ残され、もう終わりだと覚悟したら、アルジェリア軍の兵士たちだった。助かったことがわかった。イギリスの新聞やテレビに詳しく語っている。

ライトさんのような証言は、海外では早い段階から多数報道されていた。イギリス人で最初に死亡が確認されたポール・モーガンさん(46)の写真は、お母さんのことばとともに政府経由で公表された。

アメリカでは、国務省の報道官が犠牲者3人の名前を挙げ、大統領の哀悼メッセージを読み上げた。

日本では、「7人」「10人」といった数字ばかり。やっと名前や遺族のことばが報道され始めたけれど、政府も、襲撃に遭った人たちが働いていた日揮も、名前などかたくなに伏せ続けた。

人の顔が見え、肉声が聞こえる報道があって、暴力への怒りとか、政府の対応への疑問とか、とてつもない苦痛を味わった人への思いが具体的に湧く。全容解明につながることもある。信頼されるメディアがあってこその話だし、遺族や本人の気持ちを大切にするのは当然だけど、日本では今回に限らず、「心情を配慮」「個人情報の保護」を理由に、事実や背景が閉じこめられている気がしてならない。

「○人」では世の中を動かす力が弱い。匿名が当たり前の世の中は、危うい。

体罰教師を実名で報じず、テロ被害者を実名報道する腐れメディア

アルジェリアで犠牲にあった日本人被害者を、メディアは約束を破って次々と実名、写真入り報道をしている。「事件を多くの国民の記憶に刻み込み、このような悲惨な出来事が再び起きないよう社会に力強く訴えるという観点から名前の報道が必要」という大層な謳い文句だ。しかし何の説得力もない。

事件を国民の記憶に刻み込むのに、実名かどうかは関係ないし、悲惨な出来事が再び起きないようにするなら、悲しみにくれ、過剰報道で迷惑している遺族を追い回すのではなく、アルジェリアの現地にでも行って、なぜこうしたテロが起きたのか取材すべきだろう。

結局マスメディアは大層な使命を振りかざしてはいるが、

  • 危険なアルジェリアには行きたくない
  • 日本で遺族を追い回して、お涙頂戴物語を報道すれば、視聴率が上がる、売上が上がる

というただそれだけの理由だろう。

しかもそんなに実名報道することが使命なら、なぜ高校2年生に30~40発も殴って暴力をふるい、自殺に追い込んだ桜宮高校の顧問の実名を報道しないのか?その方がよっぽど、「事件を多くの国民の記憶に刻み込み、このような悲惨な出来事が再び起きないよう社会に力強く訴えるという観点から名前の報道が必要」ではないのか。

結局、メディアがやっていることは、死人に口なしという態度だろう。

テロで犠牲になった人はもう死んじゃったから、遺族が何と言おうが、本人ではないから、関係ないと開き直り、一方、体罰高校は、生徒は死んでしまっているが、体罰教師は生きているので、生きている教師から何かクレームつけられたら困るという、逃げ腰の姿勢から、実名は報道しない。

でも校長は実名で会見したり報道でも出ているわけだ。顧問が刑罰に処せられるかはともなく、なぜ校長だけがテレビカメラの前に出てきて、新聞報道でも名前を報じられるのに、肝心要の顧問の実名がないのか。顧問がカメラの前で謝罪し、事実関係を明らかにするのが筋だろうが、その点、マスコミは追求せず、顧問の実名も写真も報道せずに、ひたすら亡くなったテロの被害者をさらし、遺族を苦しめるという犯罪行為を堂々と行っている。

例えばアルジェリアに10万人日本人が住んでいて、無差別テロで誰が亡くなったかわからず、安否確認を報道に期待している人が多くいるなら、実名報道に意味はあるだろうが、ある企業の社員だと特定されているわけだから、別に全国ニュースで実名と写真をさらすことに何の使命もない。

マスメディアが思い上がっているんです。おまえら何様かと。被害者を苦しめ、加害者を守ることが報道の使命なのか。しかもその報道は記者名もなく、会社という看板で守られるというふさげた話。

一貫して実名報道を重視し、体罰顧問の名前も明らかにしているならともかく、そういうところでは逃げをうって、死人に対しては冷酷な態度をとるメディアの、とんだ勘違いがマスメディア離れを加速させ、むしろそのせいで、ネットで体罰教師の実名、写真やプロフィールなどが出まわるという、状況になっているのだと思う。

ちなみに体罰のせいで子供を亡くした父親は、「体罰ではなく暴行」であるとし、顧問を刑事告訴している。

「日本のお札に安倍さんのサイン入れたらインフレになることはない」(2013年2月)

2期目に入ったアメリカのオバマ大統領から次の財務長官に指名されたジェイコブ・ルーさん。その冗談みたいなサインで一躍有名になった。輪っかが8個ほど横につながっただけ。ペンのインクの出具合をグルグル試した跡にしか見えない。そんな代物を「財務長官署名」として、大切なドル札に印刷するなどとんでもない!の声があがった。

さて、このお札のサイン。実はアメリカみたいに財務省幹部のものだけという国は異例だ。普通は、紙幣を発行する中央銀行の責任者が署名している。総裁が多いけれど、イギリスは発券局長さんだ。

1853年までは、一枚一枚手でサインしていたらしい。完全印刷になり、紙幣の発行が楽になると、ある文が記された。「持参者の求めに応じ、この金額を支払うことを約束します」。相当額の金貨との交換を約束したものだけど、金との交換がなくなった今でも文の印刷は続いている。なぜだろう。

金の裏付けを失った紙切れを信用してもらうには、値打ちを落とさない、必要以上に刷らないことが大事。その誓いを込めて残したのがこの文で、銀行を代表し発券局長さんが署名している、というわけだ。

日本はハンコの国。1885年に日銀が初のお札を発行して以来、一度もサインが使われたことはないそうだ。こんな国も異例。表に総裁、裏に発券局長の役職の印があるだけで白川さんの名前はない。

ここは日本もサイン入りにしてみたら? 日銀を大胆に変えると言うアベノミクスだから、やっぱり安倍さんのサインだ。そしたら、さすがにお札を刷りまくって、ばらまいてインフレになることもないはず。自分の名前入りのお札が、値打ちを失うのは安倍さんだって嫌だろうから。

倉重篤郎「どうも永田町のバランスが悪い。自民党が実力以上に評価され、民主党が必要以上に落ち込んでいる」(2013年4月)

どうも永田町のバランスが悪い。自民党が実力以上に評価され、民主党が必要以上に落ち込んでいる。その行き過ぎをちょっと是正してみたい。

まずは一連のアベノミクス政策が展開できるのも、民主党政権が党分裂という犠牲を払った消費増税法の成立のおかげである。この財政規律の裏支えがなければ、バラマキ補正も超大型金融緩和もここまではできなかっただろう。

それだけの仕事をしたというのに、今の民主党には元気がない。かつて党の中枢にいた人物までが「民主党は終わった」などともらしている。 果たしてそうか。この党に残された優良資産を挙げてみる。

第一に、路線・人材である。政治路線では、ズバリ「保守リベラル」と「社会民主主義」の発展的継承である。「保守リベラル」は、かつての吉田茂元首相の軽軍備・経済重視路線の系譜で、自民党の池田勇人氏、大平正芳氏、宮沢喜一氏、加藤紘一氏といった人たちに脈々と受け継がれてきたが、今ではその考え方は自民党内では層が薄くなり、民主党内にむしろ信奉者が増えている。

「社会民主主義」は、欧州の大半の国で、その名を冠した政権党か有力野党が存在し、自由主義経済のひずみを直し国際協調を旨とするその路線は、なお日本でも有用だ。にもかかわらず、それを体現する有力政党が他にない。

この二つの空白域を使って新路線を打ち立てる。民主党にしかできないチャレンジである。人材は、3年3カ月の与党経験がじわっと生きてくるはずである。

第二は、足腰・カネである。腐ってもタイ、ではないが、県議会、市町村議会と地方議員の数が多い。地方組織は、自民、公明もしっかりしているが、維新やみんなに比べれば圧倒的な足腰を誇る。カネも潤沢で、繰越金が150億円ある、という。参院選、次の衆院選まで戦うのに十分の軍資金ではないか。

第三に、統治技術の習得という宿題に恵まれた。民主党政権の最大の敗因は、党内と霞が関という二つの統治の失敗であった。党内対応では小沢一郎氏の勢力を制御しきれず、対霞が関ではその敵視政策が結果的に政権の足を引っ張った。どうやって、党のガバナンスを高め、役人にその能力を絞り出させるのか。学習の好機である。

今の選挙制度である限り、政権政党が行き詰まれば、必ず受け皿政党の出番がやってくる。目の前にある資産といずれありうる再登板。その覚悟がないならば即刻解党すべきである。

「難民受け入れ進まぬ日本…韓国では外国人との共生目指して地方参政権を認め差別防止や定住支援も法制化している」

難民の人権保障と問題解決に向けた国際協力のために締結された難民条約に日本が加入したのは1981年。それから30年以上たつのに受け入れは進まず、祖国で迫害を受けた人たちが日本で再び苦しい生活を強いられている。

難民保護は国際社会との重い約束であり、「鎖国」のような現状を続けることは許されない。出入国管理の枠組みから切り離した「難民保護法」を早期に制定し、世界に胸を張れる制度を整えるべきだ。

2012年の申請2545人、認定は18人のみ

法務省によると、日本では2012年、過去最多の2545人が難民申請したが、認定されたのは1次審査で5人、異議申し立てで13人の計18人しかいない。2011年の1次審査の認定率は、オーストラリア41.9%、英国25.1%、ドイツ20.7%、韓国11.7%。日本の0.3%は極端に低い。

最大の理由は「出入国管理」と「難民認定手続き」を一括して取り扱う制度にある。どちらも出入国管理及び難民認定法という一つの法律に従って運用され、法務省入国管理局が担当。難民保護は出入国管理の延長として位置づけられ、公正な審査に必要な独立性や権利保障に欠ける。

申請者は切迫した状況で祖国を逃れ、迫害を受けた証拠を持っていない場合が多い。言葉の壁もあり、精神状態も不安定だ。それなのに日本の審査は基準が厳しく、申請者に重い立証責任を課す。証拠の欠如やささいな食い違いを理由に、主張を全て否定する傾向がある。

こうした現状を踏まえ、国内の主要難民支援団体でつくる「なんみんフォーラム」は6月20日の「世界難民の日」に合わせ、出入国管理と分離した難民保護法の新設を求める政策提言を公表した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の国際基準などに基づき、法的地位の保障や生活支援の充実を盛り込んだ。

政府は、この提言を重く受け止めるべきだ。申請者が公正な審査を受けるには法的支援や透明な審査が欠かせない。UNHCRが示す「疑わしきは申請者の利益に」の原則を徹底する必要がある。母語による証拠提出を認め、弁護士や専門家の助言を受ける権利も保障すべきだろう。

審査手続き数年、生活保障充実を

難民認定を待つ人々の生活保障の充実も大きな課題だ。審査手続きは裁判を含めると数年かかるが、生活費を稼ごうにも、オーバーステイの場合は就労資格は得られない。就労できる人も日本語学習や職業訓練の機会は乏しく、職探しは容易でない。

困窮者に保護費を支給する公的制度はあるが、生活支援が大人日額1500円、住居支援が月額4万円と生活保護より少ない。審査も厳しく2012年度の受給者は552人にとどまる。

「食べるものがない」「夫が収容された」。NPO法人・難民支援協会(東京都)には連日約70件の相談がある。2012年冬はホームレス化した申請者の支援に追われた。行き場のない人たちは一晩中、当てもなく街を歩き、コンビニに立ち寄って寒さをしのいでいた。公園で野宿する人さえいた。「死者が出なくて幸いだった」とスタッフは言う。

韓国では7月1日に「難民法」が施行される。難民条約加入は日本の11年後。日本に倣って出入国管理法の中に難民認定手続きを位置づけていた当初は、やはり受け入れが進まなかった。2000年代に民間団体から法整備を求める声が高まり、昨年末に

▽強制送還の禁止

▽弁護士や通訳を付ける権利

▽申請者に有利な資料収集の義務づけ

を規定した難民法が成立した。近年、外国人との共生を目指して地方参政権を認め、差別防止や定住支援も法制化している。

難民支援協会の田中志穂さん(36)は「いつの間にか韓国に追い越された。受け入れが進まないのは、私たちの社会に難民への理解、定住外国人の受け皿が欠けているからでもある」と指摘する。

難民受け入れは社会に「多様性」をもたらす。「グローバルな人材」がもてはやされるが、真の国際理解は子供の頃から多様な文化、価値観に触れてこそ養われるはずだ。難民を含む定住外国人が肩身の狭い思いをする社会で、そんな人材が育つだろうか。

在日コリアンへのヘイトスピーチ従軍慰安婦を巡る橋下徹・大阪市長の発言と、国際社会から日本の人権感覚を疑われる出来事が相次ぐ。

難民制度見直しを第一歩に、多様なルーツを持つ人が暮らしやすい社会づくりを進めたい。難民申請者の苦境は、日本社会の閉鎖性や欠陥を映す鏡だ。

「毎日新聞の記事の反響は大きかった…安倍人気に乗って一気に進むかと見えた96条改正の流れにブレーキがかかった」

★風知草:最近「96条」攻防録=山田孝男

ニュートンいわく、力を加えれば、それと同じ強さの反作用が生ずる。

安倍晋三首相が憲法96条の先行改正へ深く斬り込んだ結果、反論が強く噴き出した。安倍人気に乗って一気に進むかと見えた96条改正の流れにブレーキがかかった。これが連休明けの憲法情勢である。

96条とは何か。日本国憲法の改正手続きだ。衆参両院で、総議員の3分の2以上の賛成がなければ発議できない。さらに国民投票にかけ、過半数の賛成がなければ改正できない。

こんなにガチガチでは永遠に改正できぬ、両院の過半数へ発議のハードルを下げよ。就任以来、首相は事あるごとにそう訴えてきた。それに対する「反作用」が噴出した一つの節目は4月9日だった。

この日、毎日新聞東京版夕刊「特集ワイド」に憲法学者の小林節・慶大法学部教授が登場、「私は9条改憲論者だが、改正ルール緩和は邪道。立憲主義否定は認められぬ」と批判した。

この記事の反響は大きかった。例年、憲法問題でマスコミの取材に応じてきた小林だが、この記事を境にテレビ・新聞が殺到、「今年は異常な存在感になっちゃった」(小林)。

たちまち反応した読者の一人に自民党の石破茂幹事長がいた。東京・赤坂の議員宿舎で毎日新聞を購読している石破は4月9日午後11時ごろ、帰宅後の習慣で夕刊を広げ、この記事に目を奪われた。

「小林教授に啓発されるところ誠に大」とブログに書き込む一方、国会図書館から96条関連の文献をあるだけ取り寄せた。大学(慶大法)時代に使った清宮四郎の憲法教科書を引っ張り出して読み直した。

清宮四郎は戦後憲法学界の大御所で、憲法改正理論に関する著作が多い。

その清宮の孫弟子にあたる石川健治東大法学部教授が5月3日の朝日新聞朝刊で96条改憲を批判した。

「過半数ではなく、3分の2以上を議決の要件とする憲法の規定は改憲発議だけに限らない。国会議員の資格争い、除名、会議の非公開、再議決もそうだ。ただし、他は『出席議員の3分の2以上』であるのに対し、改憲発議だけは『総議員の3分の2以上』で最もハードルが高い」

「他は放置したまま、最も重みのある改憲発議だけを過半数にしてしまえという提案はチグハグではないか。そもそも改正条項の改正は、憲法に拠って立つ立憲国家への反逆だが、その自覚があるか……」

「新聞への軽減税率適用が、文化の維持と民主政治の健全な機能にとって不可欠だ…議論加速し年内決定を」

2014年4月に消費税を8%に引き上げることが本決まりとなった。だが、忘れてならないのは生活必需品への軽減税率の導入だ。

消費増税法では2015年10月に消費税を10%に引き上げることになっている。自公両党は2013年1月、10%引き上げ時に軽減税率制度の導入を目指し、12月までに対象や品目、軽減する税率などの結論を得ることで合意した。ところが、8%引き上げの最終判断に注目が集まり、軽減税率の議論は深まっていない。

安倍晋三首相は、「消費税を10%に上げるか、どこかの段階で判断する。それまでに軽減税率をどうするかという議論をして、決めていきたい」と述べた。しかし、それでは遅すぎる。経理制度の整備や事務負担が増える事業者の理解にも時間がかかるからだ。自公合意通り年内に軽減税率導入を決めるべきだ。

消費税は税率が高くなるほど、経済的に苦しい人へのしわ寄せは強くなる。8%の段階では、低所得者対策として、住民税の非課税世帯2400万人に1万円、うち年金受給者などには1万5000円を支給する。だが、これはあくまで1回だけの暫定的な措置で、国民が安心する恒久的な措置が必要だ。

消費税を8%や10%に引き上げても増え続ける社会保障費には足りないのが現実だ。欧州では消費税にあたる付加価値税は20%台が多く、大半が軽減税率を適用している。日本も、社会保障費と国民負担の将来を見据え、軽減税率を長期的な枠組みにも耐えうる制度として位置づけることが大切だ。

欧州各国のほとんどが、食料品などに加え、新聞、書籍類の税率をゼロや数%に抑えている。「知識には課税しない」という考えが根底にある。 民主主義を支えるうえで、だれもが情報を入手しやすい環境が必要となるからだ。

学者、弁護士のグループが9月、「新聞への軽減税率適用が、文化の維持と民主政治の健全な機能にとって不可欠だ」とする意見書を公表した。 日本新聞協会が開いたシンポジウムでも、学者や文化人から「新聞は内外のニュースを正確かつ迅速に伝達し、人々の生活に広く浸透し、必需品と言っていい」との声が相次いだ。県や市町村議会で、新聞への軽減税率適用を求める請願の採択も相次いでいる。

8%への消費増税が決まった直後に実施した毎日新聞の世論調査では、軽減税率の導入に67%が賛成し、反対の23%を大きく上回った。国民にも軽減税率導入が必要という認識が高まっている。消費増税には国民の理解が欠かせない。軽減税率の具体案作りを加速させるべきだ。

「特アは特定アジアの略で、中国、韓国、北朝鮮を指す。ネットで見る言葉だ…ともあれ隣人は大切にしたい。悲しい言葉だ」

ちょっと面食らった。「特アとの関係は重要ではない」。意見感想欄にそう書いてある。ご存じだろうか。

特ア(特亜)は特定アジアの略で、具体的には中国韓国北朝鮮を指す。反日感情の強い3国を冷ややかに隔離するように、ネットなどで時々見る言葉だ。

今月初旬、ある大学でアンケートをさせてもらった。偏差値的には超難関の国立大だが、誤解や先入観を避けるため大学名は伏せる。回答者は約90人。調査結果を見ると、「特ア」のような意見感想は例外的とはいえ、学生たちは近隣諸国、特に日中関係の改善に悲観的だ。

「今後50年、中国とうまくやっていけるか」との問いに「非常にうまくやっていける」と答えた人は皆無。6割以上が「関係悪化」「険悪に対立」と答えている。

また、「集団的自衛権を認めるべきだと思うか」との質問に、「思う」と答えた人は55%、「思わない」はわずか13%だった。「行使を認めるべきか」と聞く方が正確だが、出題ミスとも言えまい。ちなみに毎日新聞の8月の世論調査では、「思わない」が53%を占めた。タカかハトかといえば、エリートと呼ばれる学生たちはタカに近い。

なんでかな、と別の大学の男子学生に聞いたら、「学生はネットを見たりして自分の好きな情報をどんどん取り込む。だから考え方が一面的に、急進的になる傾向があるのでは?」とのこと。なるほどと感心したが、知識欲が旺盛でも一面的になるとは限らない。若者を引き付ける「左」の論客が「右」に比べて目立たず、影響力が弱いことこそ根本的な問題ではなかろうか。

ともあれ隣人は大切にしたい。右でも左でもいいが、特アなんて悲しい言葉だ。

元毎日記者を起訴。解雇を逆恨み、無言電話繰り返す

東京地検2013年11月29日解雇を逆恨みし毎日新聞社に無言電話を繰り返したとして、東京都迷惑防止条例違反の罪で元毎日新聞記者の無職、平元英治(42)=東京都杉並区=を起訴した。

起訴状によると、平元は10月16日午前10時から翌17日午後5時ごろまでの間、解雇当時の人事担当の男性社員(49)が所属する毎日新聞社総務部に、無言電話などを計34回かけたとしている。

平元は知人女性を電話で中傷したとして、2012年9月に解雇。この女性への脅迫と名誉毀損の罪で7月に仙台地裁で有罪判決を受け、執行猶予中だった。

毎日新聞が大型おわび「テカテカ自民幹部」問題(2015年2月)

毎日新聞秋田版などに掲載された衆院選の結果をめぐるコラムに対し自民党秋田県連が抗議していた問題で、毎日新聞は19日付の秋田版と福島版に、本橋由紀・東京本社地方部長名の3段見出しの大型のおわびを掲載した。

この問題でのおわび掲載は2度目。「思い込みが強く、悪意とも取れる表現もあり、礼を失する点がありました」としている。

コラムは衆院選直後の2014年12月18日付福島版と19日付秋田版に掲載された藤原章生編集委員の署名記事。同社のニュースサイトにもアップされた。藤原編集委員は開高健ノンフィクション賞を受賞したこともあるベテラン記者で、衆院選取材の応援で秋田に入っていた。平成25年4月から1年間、郡山支局長を務め、その後も福島版のコラムを担当している。

秋田1区の自民党、冨樫博之氏の当選の様子を「テカテカ光った自民党県連の幹部、オヤジたちの顔だ。当選が決まり、『ありがとう』と言ってはバンザイをし、カメラの前に居並び、乾杯までしている。めでたい、うれしいという無邪気さはどこから来るのか」などと記述。秋田版には、冨樫氏が支援者に囲まれて乾杯している写真が掲載されたが、写っているのは秋田市穂積志市長らで、自民党県連幹部はいなかった。

自民党県連はこれを含む計7カ所の事実関係について根拠を文書で回答するよう求めたほか、「テカテカ光った自民党県連の幹部」などの表現について抗議。毎日新聞はニュースサイトの記事を1月9日夜に削除し、10日付秋田版で、自民党県連幹部は写真に写っていなかったとして11行のおわびを掲載していた。

写真以外の表現の是非については、ジャーナリストの池上彰氏らが委員を務める毎日新聞の第三者機関「『開かれた新聞』委員会」で審議された。

19日のおわびによると、同委員会で荻上チキ委員(評論家)は「テカテカ光った」という表現について「身体的特徴や生理現象についての描写に悪意を感じる」と指摘。池上委員は「悪意があると思われても仕方のない部分が散見される」とした上で「何がどう問題だったのかをはっきりさせるべきだ」と注文したという。

関係者によると、おわび掲載に先立つ16日、本橋部長らが自民党県連の鈴木洋一副会長を訪れ、回答と謝罪の文書を手渡した。鈴木氏は「個々の回答には不満もあるが、紙面に大型のおわびを掲載したことは評価する」と話している。

ユネスコが中韓プロパガンダを記憶遺産登録しても、日本は分担金を支払い続けるべきだ(2016年10月)

日本が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対する2016年の分担金約40億円の支払いを保留している。

中国が申請した旧日本軍による「南京大虐殺」の文書が2015年10月、ユネスコの「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたのを受けて、日本が制度改革を求めていることが背景にある。記憶遺産の審査過程に見直すべき点はあるが、分担金をテコにするのは行き過ぎだ。

記憶遺産は、歴史的な事実を認定するのが目的ではなく、あくまでも資料を保護するためにユネスコが独自に行っている事業だ。南京事件の登録資料は、写真、日記などのほか、犠牲者を「30万人以上」と推計した南京軍事法廷の判決書類も含むと言われている。

南京事件については、犠牲者数などを巡り日中で見解の違いがある。日本外務省の見解は、非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できないが「被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難」というものだ。

南京事件の資料が登録された際、日本政府は「完全性や真正性に問題がある」「政治利用されることがないよう制度改革を求めていく」と中国やユネスコを批判する外務報道官談話を出した。

「世界遺産」や「無形文化遺産」の制度は、国際条約に基づいており、申請や登録決定に関係国が関与し、透明性も高い。だが記憶遺産は、個人資格の専門家14人が決め、選考過程も非公開だ。透明性を高め、審査の基準やプロセスをより公正なものにすべきだ。

日本政府が政治利用に懸念を持つのはわかる。だが、南京事件の登録に反発するようにして分担金の支払いを保留すれば、国際社会での振る舞いとして品位を欠く。そうなれば、日本の制度改革の主張も説得力を失うだろう。

ユネスコ分担金は加盟国の義務だ。最大拠出国の米国がパレスチナ加盟に反発して支払いを凍結しているため、日本が最も多い。支払期限は12月末だが、例年は4~5月ごろに支払っている。

日本の保留は、ユネスコの活動に影響を及ぼしかねない。日本の発言力を弱め、日本に次いで多額の分担金を支払っている中国の発言力を強めることになる可能性もある。

2016年、日中韓など9カ国・地域の団体は、慰安婦の資料を記憶遺産に登録申請した。可否は2017年10月までに決まる。審査は、制度改革を反映し、透明で公正に行ってほしい。

日本政府は品位を持って分担金の負担義務を果たし、制度改革にも建設的に関与すべきだ。

発行所

印刷工場

対象地域

  • 東京本社版 東北、関東、甲信越、静岡県
  • 大阪本社版 近畿、三重県伊賀・熊野地方、北陸、中国(山口県、島根県石見地方除く)、四国
  • 西部本社版 九州(沖縄県含む)、山口県、島根県石見地方
  • 中部本社版 東海(静岡県、三重県伊賀・熊野地方除く)
  • 北海道支社 北海道

関連紙

ここまでは毎日新聞社が直接発行している新聞・雑誌である

関連項目

毎日新聞社の事業

毎日新聞関連テレビ番組

その他

関連・兄弟会社

関連放送事業者

  • 東京放送(TBS) - 放送事業が民間に開放される動きを察知した毎日新聞社は、いち早く民放ラジオ局開設に向けて動き出した。結局電通読売新聞社朝日新聞社との合弁となりラジオ東京(JOKR)が設立されたが、同社設立までの間積極的に動いていたのは毎日系だけだった。このため開局当初から関係が深く、出資比率がほぼ同じであったはずの新聞各社よりも実際は結びつきが強かった。
    1961年以降、新聞出身者の同社常勤役員は毎日系だけとなる。1973年12月には出資新聞各社の合意に基づき新聞資本の統一が行われることとなり、1974年5月までに読売新聞社や朝日新聞社から株式を購入し、筆頭株主になったものの、直後に毎日新聞社自体の経営が悪化。
    TBSは毎日新聞社が筆頭株主になる事で経営に介入される事を警戒。しかし毎日新聞社は経営体質改善のため、TBS株の売却益で累積損失の圧縮を図る事を決意。
    こうした両者の思惑が一致して、1977年度中に毎日新聞社はTBSの持株の大部分を毎日放送他に売却して資本関係を薄めたが、一方で歴代社長を同社非常勤役員に派遣。友好関係は維持して現在に至っている。
  • 毎日放送(MBS) - 大阪地区でも、毎日新聞社が阪急電鉄日本電気と提携し、新日本放送(NJB)を設立。名古屋の中部日本放送(CBC)と共に民放第一号の名乗りを上げたが、実際に開局に尽力したのは毎日本社ではなく、毎日新聞を依願退職して同局に移籍した高橋信三(専務・社長・会長を歴任)であったといわれる。このため従来から独自色が強く、現在毎日新聞は同社の大株主上位10位に名を列ねていない(2004年3月31日現在)。元々筆頭株主だったが、TBS株式売却と同時期にやはり外部に大量放出。毎日放送側の意向が強かったと言われる。
    在阪局で同じく新聞と共通の名前を持つ朝日放送讀賣テレビ放送とは新聞社の関係度合いが異なる。
  • アール・ケー・ビー毎日放送(RKB) - 福岡地区も毎日新聞社と新日本製鐵(当時八幡製鉄)、西日本鉄道などが中心となり、ラジオ九州(RKB)を設立。1958年西部毎日テレビジョン放送(当時の八幡市に所在。未開局)を合併し、現在の商号に変更。この局も毎日新聞というよりは毎日出身者である金子秀三(専務・社長・会長を歴任)の影響力が大きかった。毎日新聞・MBS・TBSのいずれとも関係が深く、現在も毎日新聞は同局第2位の大株主(7.74%、2004年3月31日現在)。

上記三社は毎日新聞社が公表する「友好会社」である。グループ会社ではなく、立場は対等であり、代表者同士が相互に社外役員に就任している。

  • ラジオ福島(RFC) - 第4位の大株主(10.00%、2004年3月31日現在)。

上記は毎日新聞の関連会社である。
以下は出資先や報道協力会社等に該当する局である。

紙齢について

日本最古の日刊新聞」と言われることがあるが、1870年(明治3年)横浜で創刊された『横浜毎日新聞』とは全くの無関係である。
それでも「最古の歴史」と呼ばれるのは、前身の『東京日日新聞』(1872年2月創刊)に由来しているからである。同じく「最古の歴史」を標榜する『報知新聞』(1872年6月創刊)や『読売新聞』(1877年創刊)よりも古いとされるが、『東京日日新聞』の名前自体は1943年に一度途絶えており、また1946年傍系紙として復活して『毎日新聞』とは別新聞となっていた時期もあるため、この「最古の歴史」には疑問の声がある。

外部リンク

毎日新聞関連

その他