四国
北海道・本州・九州とともに主要4島の一つでもあり、この中では最も小さい島で、最高標高1,982m、面積18,301.17km²で、世界の島の中では、バナナル島(ブラジル)に次ぐ第50位の大きさである。
四国とその付随する島(小豆島、大三島、大島、中島、伯方島、豊島など)を合わせて「四国地方」と言う。これら付随する島を含めないことを強調したい場合、「四国本土」あるいは「四国島」と呼ぶこともある。(日本の地理・四国、日本の地域・四国地方も参照)
四国には、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の4つの地方公共団体(県)があり、4県総人口は3,912,670人である。(表右下 四国地方も参照)
四国の古代の呼称は、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」(いよのふたなのしま)である。
概要[編集]
四国地方を構成する4県の中で、徳島県・香川県・愛媛県は島内交流と合わせて、本州四国連絡橋(本四架橋)もあり本州との交流も盛んである。
東部の徳島県は政治・経済・文化において近畿地方の影響を受けており、北東部の香川県は文化・経済の両面で岡山県や兵庫県とのつながりが深く、西部の愛媛県は広島県や九州の大分県との交流が見られる。
一方で高知県は古くは京都、江戸時代以降は東京からの影響が強く、政治・文化的な中央への意識が高い。
歴史書における呼称[編集]
日本は6,852の島で構成される島国であるが、日本最古の歴史書 『古事記』 (712年献上) では、「日本」を「大八島国」(おおやしまのくに)と呼び、「八つの島」の総称としている。(登場順に現代の呼称表記で、淡路(あわじ)、四国、隠岐(おき)、九州、壱岐(いき)、対馬(つしま)、佐渡、本州)
この中で2番目に登場する「四国」の原文での呼称表記は、「伊予之二名島(いよのふたなのしま)」である。
『日本書紀』(720年完成)では、「日本」を「大八洲国」(おおやしまのくに)、「四国」を、「伊予二名洲(いよのふたなのしま)」と表記している。
よって、古代においては、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」、または単に、「伊予島」・「伊予洲」(いよのしま、いよしま)、「二名島」・「二名洲」(ふたなのしま、ふたなしま)」などと呼ばれた(「フタナ」は二並びの意)。
近世以降は、五畿七道の南海道のうち、紀伊国と淡路国を除いた阿波国・讃岐国・伊予国・土佐国の4つの令制国が存在したことから、「四国」と呼ばれた。歴史書ではないが、16世紀の戦国時代を描いた軍記物語として知られる「陰徳太平記」(1717年出版)序に、「山陰山陽四国九州」の記載があり、このような近世の書物において、明確に「四国」という名称を見出すことができる。
地理[編集]
約1900万年前の日本列島の誕生に伴い、四国の前身が誕生した。瀬戸内海を挟んで、近畿地方・山陽地方・九州に三方を囲まれた位置にある。島の中部には、各県を分断するような形で四国山地や讃岐山脈の山々がそびえており、この地形が近年まで各地域間の交流を困難にしていた。
中央構造線が吉野川北岸から佐田岬半島にかけて東西に貫いている。構造線以北の内帯(西南日本内帯)に当たる地方では、中生層・古生層とこれを貫く火成岩が分布している。構造線以南の外帯(西南日本外帯)に当たる地方では、北側から南側にかけて中生層・古生層が形成された順に配列している。
日本の島の中では九州に次ぐ第4位、世界の島の中ではブラジルのバナナル島に次ぐ第50位の面積を持つ。最高標高は、石鎚山の天狗岳(愛媛県)の1,982 m。
広袤(こうぼう)[編集]
四国本土の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは254.04km、南北の長さは186.21kmである。
周囲の海[編集]
主な岬[編集]
- 蒲生田岬(四国最東端):徳島県阿南市
- 佐田岬(四国最西端):愛媛県西宇和郡伊方町
- 室戸岬(東側で最も南に張り出している):高知県室戸市
- 足摺岬(四国最南端):高知県土佐清水市
- 竹居観音岬(四国最北端):香川県高松市
山地・山岳[編集]
河川・湖沼[編集]
- 吉野川水系(四国三郎):高知県→徳島県
- 土器川:香川県
- 那賀川:徳島県
- 勝浦川:徳島県
- 肱川:愛媛県
- 重信川:愛媛県
- 物部川:高知県
- 仁淀川:高知県
- 四万十川:高知県
- 海老ヶ池 - 四国唯一の天然湖沼。
平野・高原[編集]
- 徳島平野:徳島県
- 那賀川平野(阿南平野):徳島県
- 讃岐平野:香川県
- 松山平野:愛媛県
- 新居浜平野:愛媛県
- 高知平野:高知県
- 大川原高原:徳島県
- 塩塚高原:徳島県・愛媛県
- 久万高原:愛媛県
- 五段高原:愛媛県・高知県
- 天狗高原:愛媛県・高知県
気候[編集]
四国の気候条件は、四国山地を境に大きく異なる。
瀬戸内海地方[編集]
徳島県の吉野川流域以北、香川県全域、愛媛県東予地方、中予地方の、瀬戸内海に面した北側は、瀬戸内海式気候に属する温暖寡雨な気候であり、台風等の直撃も比較的少ない。そのため、オリーブやミカンの栽培が盛んである。その反面、大規模な河川は太平洋や紀伊水道に流れ込む形となっているため、水資源に恵まれず、過去幾度かの渇水に見舞われてきた。このため、満濃池を初めとするため池が多数造られている。その中でも特に、香川県は古来から水不足に悩まされ続けており、渇水対策として吉野川の水を送水するための香川用水が建設されたほどである。
冬から春にかけて、中国大陸から流入する黄砂がしばしば観測される。冬は小雨や小雪(みぞれ)の降る日もあるが、基本的に晴天が多い。平野部では冬の積雪は年1~2回程度で大雪になることは少ないが、山間部では気温が低く冬は積雪も多い。
太平洋高気圧に覆われる夏季には瀬戸内海沿岸特有の「凪」や、四国山地越えのフェーン現象に伴う気流の影響で、猛暑日や熱帯夜になる日も少なくない。
太平洋側[編集]
徳島県のほとんどの地域や、愛媛県南予地方・高知県全域の太平洋に面した南側は、太平洋側気候に属している。太平洋沖合を流れる黒潮の影響を受けて冬でも温暖で、一部で無霜地帯が存在する。春の訪れが早く本土で最初の桜の開花宣言が高知市または宇和島市となることも少なくない。そのため、特に高知県では促成栽培が盛んであったり、プロ野球チームのキャンプ地になったりと、温暖な気候を生かした産業や行事が発達している。
年間降水量が多いことから林業も盛んであるが、一方で高知県および徳島県南部では、台風の来襲や集中豪雨も多い。このため、室戸台風などの大型台風が直撃し、洪水などの被害を受けている。また、愛媛県南予地方及び高知県幡多地方では、冬は関門海峡からの季節風の影響で曇りや雨、雪の日が他の太平洋側の地域に比べると多くなっている。
歴史[編集]
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古代[編集]
四国は、畿内から南西側に位置しており、海路で移動するために、五畿七道では南紀や淡路島と一緒に南海道に含まれていた。近畿・九州航路の要所であった四国の西北部に位置する伊予国の道後温泉などは、舒明天皇や斉明天皇の入浴記録(日本書紀)があるほか、山部赤人・額田王の来浴記録(万葉集)もあるなど、古くから栄えていたと思われる。
中世[編集]
平氏が都落ちした際、安徳天皇を擁して屋島を一時的な本拠地としたため、この地で源平両軍が争った。室町時代は細川氏が讃岐・阿波・土佐の三国を、河野氏が伊予をそれぞれ守護した。
戦国時代の四国の大名としては、三好を拠点とし、阿波国から山城国にわたる8国を支配圏に収めた三好長慶、「土佐の小京都」とも呼ばれている中村を拠点とした土佐一条氏、伊予国道後の湯築城を本拠とした水軍を有する河野氏、讃岐の香川氏、土佐国の四国の覇者である長宗我部元親などが高名であるが、長い騒乱の末に収束に向かい、一時は長宗我部氏が四国を統一したものの、やがて豊臣秀吉により平定された。土佐の大名であった長宗我部盛親は関ヶ原の戦いで西軍につき改易された。
近世[編集]
江戸時代になると、それまで四国各地を治めていた戦国大名は四国から駆逐され、幕府徳川氏の信任厚い諸将がこの地に封じられることになった。初め、讃岐に生駒氏、阿波に蜂須賀氏、土佐を山内氏と一国一円支配を許したが、のちに生駒氏が騒動を起こして改易されると讃岐は二分割統治された。伊予は初めから小大名が配置され、一国統治はされなかった。なお、瀬戸内海の小豆島と塩飽諸島は天領として倉敷代官所の支配下に置かれた。
四国の代表的な藩には、阿波国と淡路島を領土とする蜂須賀氏の徳島藩、水戸徳川家の分家の高松藩、山内氏が治める土佐藩、加藤氏や久松松平家(親藩)などが領した伊予松山藩、仙台伊達氏の分家が治める宇和島藩などであった。
近代[編集]
幕末維新において土佐藩が終始政局に関わり続け、土佐藩出身の坂本龍馬らの仲介で薩長同盟がなった。戊辰戦争においても土佐藩は官軍として各地を転戦し功を挙げた。明治期の自由民権運動も元土佐藩士板垣退助らが中心として起こった。それ以前に金陵会議(四国会議)が土佐藩から提唱され、四国をまとめ上げる力となったが、わずか数年で解散を命ぜられた。愛媛県から正岡子規なる大文豪が輩出され、明治文化に貢献した。
経済[編集]
徳島県は近畿地方と、香川県は岡山県と、愛媛県は広島県との経済活動も多い。特に徳島県沿岸部は、日常的に京阪神との経済交流が盛んであり、影響が大きい。太平洋に面し三方を山に囲まれる高知県は特に経済交流が活発な地域はない。
域内総生産[編集]
2007年度の四国の域内総生産は名目で13兆5348億600万円であり。他にも総生産を人口で割った一人当たりの総生産は全域全県で全国平均を下回り、一番多い香川県でも400万円下回っている。また、四国内でも格差が生じており、最高の香川県と最低の高知県では約70万円の開きがある。
都道府県別(人口一人当り)
- 全国:520兆2493億4300万円(403万5150円)
- 四国:13兆5348億600万円(334万0783円)
- 徳島県:2兆6437億4900万円(330万4765円)
- 香川県:3兆6637億4900万円(364万0707円)
- 愛媛県:4兆9421億2300万円(340万3729円)
- 高知県:2兆2851億8500万円(288万1318円)
- 四国:13兆5348億600万円(334万0783円)
工業[編集]
四国瀬戸内海側は太平洋ベルト地帯に位置しており、坂出市・丸亀市・四国中央市・新居浜市・西条市・今治市および松山市などを中心に、瀬戸内工業地域が形成されている。徳島市と西条市は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される新産業都市(工業開発の拠点地域)であった。
製造品出荷額等(2010年工業統計)
- 四国:8兆5503億9955万円
- 愛媛県:3兆7923億8236万円
- 香川県:2兆6143億8049万円
- 徳島県:1兆6755億7412万円
- 1.今治市:8871億1512万円
- 2.西条市:8113億7131万円
- 3.坂出市:7626億6074万円
- 4.新居浜市:6150億4731万円
- 5.四国中央市:6068億9577万円
- 6.徳島市:4902億5006万円
- 高知県:4680億6258万円
- 7.松山市:4237億5149万円
- 8.香川郡直島町:3454億5106万円
- 9.阿南市:3345億1543万円
- 10.高松市:3234億2799万円
- 11.丸亀市:2422億4302万円
- 12.板野郡松茂町:2218億2198万円
- 13.三豊市:1875億0302万円
- 14.鳴門市:1696億5713万円
- 15.観音寺市:1557億3131万円
人口[編集]
各県の人口[編集]
都道府県名 | ISO 3166-2 | 順位 | 人口 | 割合 |
---|---|---|---|---|
徳島県 | JP-36 | 44 | 785,873 | 0.6% |
香川県 | JP-37 | 40 | 995,779 | 0.8% |
愛媛県 | JP-38 | 27 | 1,430,957 | 1.1% |
高知県 | JP-39 | 45 | 764,596 | 0.6% |
合計 | 3,977,205 | 3.1% |
※順位・人口・割合は2010年国勢調査による。
年齢構成[編集]
人口の増減[編集]
2010年国勢調査時の四国における自治体は95市町村であるが、そのうち人口が増加したのは8市町のみでそれ以外の87市町村は全て減少している。そのため四国全体はもとより、県単位でも4県全てで減少となっている。最も減少率が高いのは高知県の△4.00%で、以降に徳島県△3.02%、愛媛県△2.47%、香川県△1.64%が続く。逆に、増加した自治体は香川県の3市町、徳島県の3町、愛媛県及び高知県のそれぞれ1市である。県庁所在地別では増加したのが高松市と松山市のみで北四国と南四国で明暗が分かれる形になったが、徳島県の増加3町はいずれも徳島市に隣接したベッドタウンである。県庁所在地以外では香川県第二の都市である丸亀市とそこに隣接する綾歌郡宇多津町で高い増加率となったが、愛媛県では県庁所在地である松山市以外の市町村は全てで減少し、徳島県でも県庁所在地と隣接しない自治体は全て減少、高知県でも香南市以外は県庁所在地も含めて全自治体で減少となった。
最も減少率が高い高知県土佐郡大川村は唯一の△20%越えとなっているほか、上位6位までが全て高知県の自治体となっている。その他の減少率が高い自治体には、概ね南四国の太平洋沿岸や中央部の四国山地に位置する自治体が多い。
増加自治体
減少自治体(△20%以上)
- 大川村△23.61%
減少自治体(△10%-△19%)
- 大豊町△14.08%、檮原町△13.86%、馬路村△13.42%、室戸市△13.04%、東洋町△12.97%、那賀町△12.88%、神山町△12.80%、三好市△12.17%、久万高原町△11.89%、仁淀川町△11.53%、美波町△11.01%、つるぎ町△10.51%、牟岐町△10.48%、大月町△10.16%、伊方町△10.03%
減少自治体(△5%-△9%)
- 安田町△9.92%、愛南町△9.67%、田野町△9.39%、海陽町△9.22%、中土佐町△8.85%、上勝町△8.80%、四万十町△8.74%、勝浦町△8.54%、越知町△8.31%、内子町△8.03%、黒潮町△7.97%、土庄町△7.85%、日高村△7.60%、佐那河内村△7.57%、北川村△7.51%、いの町△7.41%、宿毛市△7.32%、琴平町△7.26%、土佐清水市△7.24%、大洲市△7.15%、三原村△7.02%、八幡浜市△7.01%、松野町△6.67%、津野町△6.63%、鬼北町△6.43%、東かがわ市△6.41%、小豆島町△6.40%、西予市△6.38%、本山町△6.20%、美馬市△6.02%、直島町△6.02%、土佐町△5.92%、宇和島市△5.85%、上島町△5.56%、四万十市△5.23%、須崎市△5.15%
減少自治体(△4%以下)
- 奈半利町△4.96%、さぬき市△4.94%、香美市△4.93%、善通寺市△4.73%、阿波市△4.45%、土佐市△4.42%、今治市△4.28%、まんのう町△4.07%、高知県△4.00%、安芸市△3.94%、綾川町△3.91%、観音寺市△3.89%、吉野川市△3.85%、芸西村△3.80%、三豊市△3.75%、伊予市△3.74%、東みよし町△3.72%、小松島市△3.56%、佐川町△3.43%、徳島県△3.02%、上板町△3.02%、坂出市△2.87%、四国中央市△2.87%、鳴門市△2.67%、南国市△2.53%、阿南市△2.49%、愛媛県△2.47%、砥部町△1.98%、板野町△1.91%、新居浜市△1.79%、香川県△1.64%、高知市△1.60%、徳島市△1.23%、三木町△1.13%、西条市△1.13%、松前町△0.67%、多度津町△0.49%、石井町△0.44%、東温市△0.07%
- データ出典:平成22年国勢調査
地域[編集]
四国には突出して大きな都市がなく、地形的制約から各県に独立した都市圏が存在する。また、古くから海上交通が盛んであったため、各地ともに対岸との交流も盛んである。
四国地方を便宜的に2つの地域に分ける場合がある。
各地域とのつながり[編集]
どの出発地からも対四国内への流動が最も多く、全体の流動数に占める割合は最低でも50%、最高で95%を占めている。四国内の県庁所在地別では、特に高松市が位置する香川東部が目的地として全てで首位となっているほか、四国外との流動では、徳島が神戸、香川東部が岡山県南、松山及び高知が東京23区が最も多くなっている。全ての出発地別からは5位以内に香川東部・高知中央、6位以内に香川西部、8位以内に新居浜、11位以内に松山、12位以内に東京23区・大阪・岡山県南、14位以内に徳島を四国内全ての出発地が目的地としている。
かつては、「徳島は近畿(阪・神)を向き、高松は岡山を向き、松山は広島を向き、そして高知は太平洋(または東京)を向いている」と言われ、「四国は一つ一つ」などと風刺されることもあった。しかし、20世紀末から高速道路網の整備によって四国内の相互交流が深まり、21世紀初頭にはそれまで盛んだった本州の都市を凌駕するに至った。
1990年時点での状況は徳島、高松、松山とも四国外との交流人口の方が多く、高知は例外的に四国内との交流の方が多かったが、流動数自体が非常に少なかった。四国外との繋がりでは徳島が京阪神、香川東部が岡山県南、松山が広島・大阪、八幡浜が大分といった地域と強く、特に香川東部と岡山県南との流動数は他に突出して多かった。
1990年と2010年の変化では、四国全域で四国内の相互交流が非常に活発になったこと、目的地としての流動が香川東部に集中することにより同地域が交流の中心としての性格を強めたことが挙げられる。また大きな変化として香川東部における徳島と岡山県南の関係性が逆転し、さらにその数も1990年の岡山県南よりも2010年の徳島の方が多く、圧倒的な差がついている。
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この他にも、高速道路の最大志向先(最も多くの車両が目指す目的地)は四国各県とも高松であり、四国地方では高松を中心とした相互交流が根付いている。このように地域ブロックの代表的な都市に人の流れが集中し、中心性を高める傾向は年々顕著になっている(詳細は#高速道路を参照)。
四国島内の交流に関して、高速道路のエックスハイウェイ化以後は四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の発足などによって、より一体感を強める傾向にあり、各県それぞれの歴史や役割を生かした連携を深める段階に入っている。今後、四国4県が一つの地域として一体となった文化・経済活動や観光誘致が進んでいくと予想されている(「青い国四国」キャンペーンなどの実績もある)。
都市圏[編集]
都市雇用圏に拠る「都市圏」は以下のとおり。(2005年国勢調査基準)
- 高松都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 松山都市圏:テンプレート:郡データ換算 - 総務省統計局による四国唯一の都市圏
- 徳島都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 高知都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 今治都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 観音寺都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 新居浜都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 西条都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 宇和島都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 四国中央都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 四万十都市圏:テンプレート:郡データ換算
- 八幡浜都市圏:テンプレート:郡データ換算
その他、東瀬戸経済圏(瀬戸内をはさむ地域を経済的に一体としてみる統計上の呼称)などがある。
2000年調査から2005年調査では各都市圏の枠組みが変化する事例が見られた。具体的には、平成の大合併によって郊外自治体が中心市に編入されたり、丸亀都市圏のようにモータリゼーションの浸透による他都市の郊外化で都市圏自体が消滅したり、逆に西条都市圏のように既存の都市圏から離脱して新たな都市圏を形成する自治体も見られた。
主要都市[編集]
四国には飛びぬけて大きな都市はないが、4つの県庁所在地に人口がある程度集中している。この他にあまり大きな市はなく、人口10万人を超える市でさえ長らく新居浜市と今治市の2つしかなかった。
平成の大合併の結果、松山市が50万人、高松市が40万人の大台に乗り、新たに西条市と丸亀市が10万人を超えた。また、今治市も17万人に増大した。しかし、人口は松山市と高松市と丸亀市が微増傾向にあるものの、この他の都市は横ばいかむしろ減少している。
「四国に政令指定都市を」という声もあるが、人口70万人を突破するためには、松山市は隣接しているとはいえ中心市街地の離れている今治市と、高松市にいたっては周りすべてとの合併が必要であり現実的ではない(高知・徳島はそもそも県の人口が80万人を割っている)。また、特例市も存在しない。
- 松山市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県・県庁所在地・中核市)
- 高松市(テンプレート:自治体人口/香川県人・香川県・県庁所在地・中核市)
- 高知市(テンプレート:自治体人口/高知県人・高知県・県庁所在地・中核市)
- 徳島市(テンプレート:自治体人口/徳島県人・徳島県・県庁所在地)
- 今治市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県)
- 新居浜市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県)
- 西条市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県)
- 丸亀市(テンプレート:自治体人口/香川県人・香川県)
- 四国中央市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県)
- 宇和島市(テンプレート:自治体人口/愛媛県人・愛媛県)
各県の表示順[編集]
各県の表示順は以下のようにさまざまな表示順が存在する。(当事典では地方公共団体コードの表示順を使用)
- 全国地方公共団体コードでの表記。これが主に公式に用いられる。
- 徳島県(36),香川県(37),愛媛県(38),高知県(39) の順。
- 宇高連絡船開設以降、長年に亙って香川県が四国の玄関口であったという理由で、香川始まりの表記
- 香川県、徳島県、高知県、愛媛県の順。- 時計回り(郵便番号上二桁が順に76~79)
- 香川県、愛媛県、高知県、徳島県の順。- 反時計回り(エヌ・ティ・ティ・ドコモ四国など)
- 香川県、徳島県、愛媛県、高知県の順。- 北から
- 香川県、愛媛県、徳島県、高知県の順。- 北からを意図したが、愛媛県と徳島県の位置関係を誤解したのかもしれない。
- 4県庁所在地の人口規模順
- 愛媛県、香川県、高知県、徳島県の順。
- その他
- 愛媛県、香川県、徳島県、高知県の順。- 時計回り(NHK松山放送局の天気予報)
四国の「中心」[編集]
高松市と松山市の間では以前から「四国の中心都市」という座を巡って論争が繰り返されているが、特に近年は道州制に伴う州都(道都。以下では「道都」と表記する)の誘致に関連した論争が激化している。以下の都市がそれぞれ中心とされ、競合している。(→四国の道州制論議、日本の道州制論議)
四国の中央[編集]
- 徳島県三好市
昔から交通の要衝であったことから「四国のへそ」と呼ばれる。三好市池田町を縦断する吉野川には、それにちなんだ名称の橋が架かっている(池田へそっ湖大橋、四国中央橋など)。三好市山城町では、高知県から流れてきた吉野川に、愛媛県から流れて来た銅山川が合流する。昭和初期にはタバコ産業で繁栄しており、四国を代表する都市のひとつであった。
- 愛媛県四国中央市
四国4県庁所在地を結ぶ高速道路網・エックスハイウェイのX字が交差する位置に当たる点、徳島と松山から等距離に位置する点、また合併当時、愛媛県を含む4県と接する唯一の自治体であった点から、合併の際に命名された(三好市も同様に四国4県と接する自治体である)。将来、道州制が施行された際の道都を目指している。また、四国中央市に隣接し、より大きな人口を持つ愛媛県新居浜市も州都を目指している。
四国の玄関[編集]
- 徳島県鳴門市
明石海峡大橋開通後、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の交通量は瀬戸大橋を上回るようになり、新たな四国の玄関としての側面を持ち始めている。3ルートから四国入りする場合、兵庫以西(中国・九州)と兵庫以東(前者以外)の人口を比べると17%:83%であり、圧倒的に神戸鳴門ルートを選択する場面が多くなる。神戸淡路鳴門自動車道の全通直後では、鳴門IC付近にある徳島トラックステーションを利用するトラックの増加が目立った。また京阪神方面への高速バスは一端は年々増加、屈指のドル箱路線までに成長していたが、近年はETC大幅割引の影響で減便・廃止が出始めている。
近年では、四国の高速道路網が充実してきたことから、松山市、高知市や高松市を出発して京阪神や首都圏へ向かう高速バスや農産物を積んだトラックが、鳴門を通過するケースが顕著になってきた。今後、徳島県内の高速道路の整備や4車線化が進めば、鳴門が四国の玄関口としてさらに重要な場所になる可能性もある。なお、宇高連絡船が開設される以前の本四間の移動は、大阪府の深日から船で淡路島の洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった(福良・鳴門間は日本最古のフェリー航路)。そういう意味では「鳴門が新たな四国の玄関口になった」というよりも、「鳴門が再び四国の玄関口になった」といえる。
瀬戸大橋開通で、高松に代わる新たな四国の玄関口として注目された。橋の開通と併せて、新宇多津都市などの大規模開発が当時のバブル景気の中で進められたが、その後の明石海峡大橋の開通で、自動車による流動が神戸鳴門ルートに移動する傾向が見られている。しかし鉄道では現在も四国の玄関として、車窓では高層ビルも姿を見せている。
- 愛媛県今治市
上記2ルートに比べ本四間県境断面での交通量は劣るが、瀬戸内しまなみ海道によって本州と接続している。また、しまなみ海道以外にも安芸灘とびしま海道が広島県との県境断面を有しており、四国で唯一本州に至る道路を複数持つ。古くは瀬戸内海の航路の中心地として栄えたが、本四架橋の建設、航路の再編などにより港の付近が活力を失っている。また、大規模な合併により、周辺部は過疎の進行が激しい。人口は四国内では大きい方で、県庁所在地を除く自治体としては最大、また工業出荷額も四国最大である。海運・造船業は国内有数の規模がある。
四国最大の都市[編集]
- 香川県高松市
本州と最短距離に位置することや、かつて宇高連絡船が運航していたことから、現在でも高等裁判所や高等検察庁など多くの官庁の地方支分部局(四国を管轄する出先機関:一部松山市や高知市に所在するものもある)や、四国全域を営業区域とする四国電力やJR四国の本社、また全国的な大企業の四国本社・支社・支店などが集まっている。しかし、1988年4月10日の瀬戸大橋開通や1998年4月5日の明石海峡大橋の開通による物流網の変化で、四国の玄関口としての機能は変化しつつあり、官庁や企業の管轄エリアが中国・四国地方に拡大した結果、高松における拠点が縮小傾向にある。
近年では、サンポート高松建設や丸亀町商店街の再開発事業での『丸亀町グリーン』の建設、道州制施行後の道都の誘致によって、拠点都市の座を確固たるものにしようとしている。2006年1月には周辺の町を編入し、人口42万を抱える都市となった。高松駅の乗降客数はJRでも、私鉄を含めても四国最多であり、都市圏人口も四国最大84万人である。また、三大公園を超える美しさと言われる栗林公園は『ミシュラン観光ガイド』に「わざわざ訪れる価値のある場所」として最高評価3つ星に選定されている
- 愛媛県松山市
夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台である松山市は、元より四国最大の人口を抱える都市であったが、2005年の合併で人口51万人を突破しており、従来から松山空港の旅客利用者数・貨物取扱数・運航路線数は四国最多であり、松山港の旅客航路数・国際コンテナ航路数・取扱量も四国最多である。 また、松山国際観光温泉文化都市建設法の指定を受けており、ミシュランガイド日本編において2つ星にそれぞれ選定された、日本最古の道後温泉や松山城などでも有名な観光地でもある。
教育[編集]
国立大学[編集]
公立大学[編集]
私立大学[編集]
高等専門学校[編集]
交通[編集]
も参照
四国は、古くから、畿内から地理的には比較的近距離に位置しながら、船での移動を余儀なくされていた。島民が本州と往来する場合も、瀬戸内海に架橋されるまで、船舶や航空路線を用いるのが常であった。
前述の通り、大阪府の深日から船で淡路島の洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで、鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった。これに関連して、淡路島の名の由来の一説に、阿波へ行くみちの意味で「阿波路島」だとする説もある。なお、明治時代に徳島市は全国の十大都市に数えられていた。
鉄道交通は当初本州の山陽本線に連絡する形で、伊予鉄道や讃岐鉄道などが建設され、その後各県ごとに土佐電気鉄道や徳島鉄道などの路線が整備され、各県の県庁所在地がお互いに鉄道で移動できるようになったのは、昭和初期になったころである。
海が本州との往来を不便にしていたが、陸においても、この島の地形は島内の往来を阻んだ。鉄道・道路共に、四国山地に平行して本州から九州に向け東西に伸びる中央構造線に阻まれ、長大トンネルの土木技術が確立するまで整備に困難を極めた。
その後20世紀に入って鉄道が整備されると、四国内・本州双方に対する交通至便性から高松市に企業の四国支店等が置かれた。20世紀末頃からは四国内の高速道路網の急速な進展、3本の本州四国連絡橋が架けられたことにより、モータリゼーションが進行し、長距離移動手段の中心がそれまでの鉄道から自家用車へ変化したことなどから、四国の交通は新たな変革の時期に入った。
21世紀を迎えた今日では本四架橋が完成し、京阪神・淡路島に近い鳴門市が再び交通の要衝として重要な役割を担いつつある。現在高速道路の整備が更に進められており、特に今後の四国横断自動車道(名称未定部)の徳島JCTから鳴門JCT区間の開通は、川之江市と並んでジャンクションが連続する四国横断自動車道と四国縦貫自動車道を連結する重要部分であるので、今後の大きな変革の目玉である。
都市名 | 人力系 | 公共交通機関 | 自家用車系 | その他 | 出典 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
徒歩 | 自転車 | 鉄道 | 乗合バス | 貸切バス | タクシー | 自家用車 | オートバイ | ||||||
徳島市 | 5.51% | 26.13% | 34.64% | 1.54% | 2.58% | 0.40% | 0.24% | 4.76% | 57.31% | 6.21% | 63.52% | 5.06% | |
高松市 | 5.44% | 23.43% | 28.87% | 7.95% | 1.82% | 0.41% | 0.16% | 10.34% | 57.45% | 6.60% | 64.05% | 3.17% | |
松山市 | 6.31% | 27.80% | 34.11% | 5.59% | 2.36% | 0.34% | 0.29% | 8.58% | 45.14% | 15.03% | 60.17% | 3.54% | |
高知市 | 4.98% | 27.24% | 32.22% | 3.42% | 2.81% | 0.37% | 0.38% | 6.98% | 52.30% | 10.83% | 63.13% | 4.28% | |
岡山市 | 5.02% | 24.85% | 29.87% | 7.45% | 4.63% | 0.43% | 0.23% | 12.74% | 56.91% | 4.43% | 61.34% | 3.76% | |
広島市 | 8.60% | 21.20% | 29.80% | 17.16% | 13.54% | 1.06% | 0.44% | 32.20% | 35.61% | 8.86% | 44.47% | 5.53% | |
全国 | 6.88% | 15.98% | 22.86% | 24.82% | 7.40% | 1.14% | 0.22% | 33.58% | 47.51% | 3.87% | 51.38% | 4.38% |
全国平均と比較した四国全体の傾向として、公共交通機関(鉄道・電車、バス、ハイヤー・タクシー)の割合が極端に低く、相対的に人力系(徒歩、自転車)と自家用車系(自家用自動車、オートバイ)の占める割合が高くなっている。徳島市はその傾向が最も顕著で、高知市は四国の平均値に近似している。松山市は人力系の割合が比較的高く、公共交通機関の割合も平均よりは高いほか、自家用車系に関してはオートバイの割合が突出して高い一方で、自家用車割合の低さがそれを相殺しているため、結果自家用車系の割合が4県中最も低くなっている。特徴的なのが高松市で、自家用車系の割合は四国各地と同様に高いばかりか最高値を示している一方、四国全体の傾向とは逆に公共交通機関の割合も高いばかりかこれも最高値を示し、人力系割合の低さを吸収する結果となっている。また、高松市の公共交通機関の割合は鉄道に大きく偏っており、バス及びタクシーの割合は最低となっている。
鉄道[編集]
四国の鉄道 も参照
JR四国は、高松と松山、高知、徳島の都市間を結ぶ各線と岡山を結ぶ瀬戸大橋線をメインルートとする。電化区間は予讃線の高松~松山~伊予市と瀬戸大橋線、土讃線の多度津~琴平。複線区間は予讃線の高松~多度津と瀬戸大橋線の一部のみである。
国鉄時代、比較的早期に無煙化(蒸気機関車からディーゼル車輌へ置換)し、自動信号化が推進されたが、その後は設備や施設の改善が後回しにされ、国鉄末期まで四国島内の国鉄線に電化区間が存在しなかった。2006年現在でも、香川県と愛媛県を結ぶ予讃線などの一部など、積極的に電化・高速化促進した区間を除いて、島内のほとんどのJR線は未だ電化されていない。
また、電化区間の一部のトンネルでは車幅制限のため、本州規格の車両が使えず、本州線との直通運転に不都合が生じていたり、単線区間が多いにもかかわらず、過度の輸送量増加によって生じたダイヤの過密傾向の弊害で、多くの待避線に常に交換や優等待ちの列車を待避させており、これ以上のダイヤの過密化に拍車を掛ける高速化は好ましくないなど、解決しなければならない難問が山積していた。
民営化後、各都市間の路線は順次高速化されたが、山がちな地形による線形の悪さと、単線のために増発ができないことなどから、年々整備の進む高速道路網を利用した高速バスに対抗できなくなりつつある。また、もともと海運が盛んな上に、鉄道の本四連絡が1経路であるのに対し、道路は3経路あり、観光ルートが分散されたこともあり、各交通機関との競争は非常に激しい。
抜本的な高速化として四国新幹線計画があるが、主に財源的な理由で橋などの施設面での整備が具体化できず、実現の見通しがたっていない。なお、2006年以降は新幹線への直通を考慮したフリーゲージトレイン計画が推進されており、2010年代に入ってからは新幹線鉄道規格新線(スーパー特急)に近い考えによる四国内の高速別線構想が提唱されている。
香川・愛媛・高知の各県にある私鉄各線は県都の近郊輸送を担っている(徳島県には第三セクターではない純粋の民営鉄道路線は存在しない)。
- JR四国の路線名において、令制国名が使われていない県は徳島県だけである。予讃線、土讃線や予土線があっても、「阿讃線」や「阿予線」という路線名は存在しない。徳島~高松間鉄道の名称は「高徳線」である。
- 室戸岬方面へ向かう路線として、第三セクターが運営する阿佐海岸鉄道阿佐東線と土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)が敷設されているが、両線は繋がっていない。
- 私鉄・第三セクター線
- 未成線(計画中もしくは過去に計画のあった路線)
バス[編集]
四国地方の乗合バス事業者 も参照
- 高速路線
本四架橋(後述)や島内の高速道路の整備により、各県都間や島内と本州を結ぶ路線が多数開設されている。
特に徳島や高松と京阪神を結ぶ高速バス路線は日本でも屈指のドル箱路線に成長しており、日中毎時3~4本ほどの便が設定されている。
しかし、近年はETC大幅割引の影響で減便や廃止が出始めている。
- 一般路線
好調な高速バスに対して、香川県の多度津以西では全てのバス路線が廃止されるなど、各都市内の一般バス路線は厳しい状況に置かれていると言える。
しかしながら、愛媛県内と徳島近郊に限った場合は、東予やしまなみ海道沿いでは瀬戸内運輸(と子会社の瀬戸内海交通)が、中予では四国で唯一オムニバスタウンに指定されている松山市を中心に伊予鉄道が、南予では宇和島自動車と伊予鉄南予バスが、徳島近郊では徳島バスや徳島市営バス、小松島市営バスなどがそれぞれ高頻度のサービスを展開している。
特に、伊予鉄道では新規路線の開設や増便・ノンステップバスの大量投入などにより、利用客が大幅に増加(5年前の1.5倍)している。
また他県でも自治体の補助によるコミュニティバス路線の開設など、少しずつではあるが四国の一般路線バス事情も改善されてきている。
本四架橋[編集]
本州四国連絡橋として、鳴門市~神戸市、坂出市~倉敷市、今治市~尾道市の三本のルートがある。このうち、瀬戸大橋が鉄道(複線直流電化)と高速道路の併用橋であり、大鳴門橋は将来的に併用できる設計になっている。その他は道路専用橋である。また、瀬戸内しまなみ海道(尾道・今治ルート)には、歩行者・自転車・原動機付自転車(125cc以下)の専用道路も併設されている。
当初は、最初に完成し、宇高連絡船があった事などから瀬戸大橋が本四間の基幹ルートとして位置付けられていたが、その後は全線完成した神戸鳴門ルートに本州・四国間の流動が移動しつつある。これは、日本の主要な大都市圏のほとんどが四国以東の地域に位置しており、大都市圏のひとつである京阪神に神戸淡路鳴門自動車道が最短距離で直結していることが、大きな要因として挙げられる。今後、特に徳島県内の高速道路網が整備されると、更に瀬戸大橋から、神戸鳴門ルートにシフトする車が増える可能性が高まると見られている。
また、愛媛県の今治小松自動車道や広島県の尾道自動車道の整備に伴って、瀬戸大橋からしまなみ海道へシフトする車も増加すると見られている。
- 神戸淡路鳴門自動車道(神戸鳴門ルート)
なお、上記3ルート以外に本四間の県境断面を持つ道路として、広島・愛媛県境を跨ぐ岡村大橋が存在する。これは広島県の離島架橋事業である安芸灘諸島連絡架橋(安芸灘とびしま海道)の一部であり、本州へは接続されているものの、四国本土へは接続されていない。ただし、本州と四国地方を接続していることには違いないため、裏しまなみ海道や第4の本四架橋ルートと冗談交じりに呼ばれることがある。
道路網[編集]
高速道路[編集]
四国は、国内で高速道路の整備が特に遅れた地方であった。四国で最初に高速道路が計画されたのは徳島自動車道であり、最初の開通は1985年、松山自動車道の三島川之江IC~土居IC間である(沿道には四国における高速道路発祥の地と書かれた看板がある)。その1986年度末における高速道路整備率は、全国が34%であったのに対し、四国は2%と非常に低い水準であった。
以後、急速に整備が進んだ結果、2000年には四国4県庁所在地が高速道路で結ばれる「エックスハイウェイ」が完成、2002年度末には整備率が66%に達し、遂に全国水準の63%を上回った。現在は松山自動車道の南予方面への延伸、高知自動車道の高知県西部方面への延伸、四国横断自動車道の徳島県南部方面への延伸(鳴門JCT~阿南IC)、そのほか高速道路空白地帯解消のため阿南安芸自動車道や高知松山自動車道等の建設工事が順次進められており、「四国8の字ネットワーク」を目指している。
高速道路網の整備はモータリゼーションの進行と相まって、それまで沈黙状態であった四国内の相互交流を活発化させる結果となった。1990年時点における高松市と松山市を出発地とする最大流動先はそれぞれ四国外の都市(岡山市、広島市)であったが、1995年以降は四国内の都市(徳島市、高知市)に変わり、同様に徳島市と高知市も全体の流動数そのものが四国内に向けて増加している。
当初は、これら高速道路網充実の副作用としてストロー効果による大阪都市圏への経済流出の可能性が指摘され、実際に大阪圏へ直通する神戸淡路鳴門自動車道が開通した徳島県では、同圏への高速バスの利用が伸び、2008年2月時点で一日300便が運行されるなどしている。しかし、この現象はフェリーと2002年に廃止された徳島飛行場伊丹便利用者が高速バスへ移行した結果であり、大阪圏への流動数全体は横ばいか年々減少し、逆に香川県への流動が年々増加している[1]。これと同じ懸念は高松道板野IC~高松中央IC開通した当時の香川県でも指摘され、実際に高速バスの神戸・大阪便が需要を高めているが、大阪圏への流動自体は横ばいであり、1990年まで圧倒的多数であった岡山県への流動が激減し、徳島県への流動が激増してそれを上回っている。
同時に発生している現象として、四国全体の人の流れが高松市へ集中し始めており、その中心性を年々高める傾向にある。その理由としてはやはり高速道路網の充実とモータリゼーションの進行が挙げられ、例えば1990年の徳島における最大志向先は京阪神であったものが、1999年調査時には高松へと変化した。
2011年3月現在開通している区間
一般国道[編集]
徳島・松山・高松・高知の4県庁所在地を結ぶ国道11号・国道32号・国道33号・国道55号・国道56号などが道路網の中核を成す。また国道28号・国道30号・国道317号が本四架橋を通じて本州と、国道197号が九四フェリーを通じて九州との間を結んでいる。
ただし山地を通る路線には未整備のものも多く、国道193号・国道439号などのように国道とは思えない狭路・悪路を抱えた路線も残存している(しばしば「酷道」などと揶揄される)。山地が多いこと、内陸部に人口が少ないことなどもあり、全般に四国の道路整備率は他の地方に比べ低いと見られる。
四国に一桁国道は存在せず、最も若い数字を持つ路線は国道11号である。二桁国道は11号と29号の他はすべて30番台と50番台、三桁国道はすべて190番台と300番台、400番台になっている。
国道名 | 起点 | 主な 経由地 |
終点 | 指定区間 | 総延長 (km) |
実延長 (km) |
実延長 割合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
国道11号 | 徳島市 | 高松市 | 松山市 | 全線 | 271.0 | 271.0 | 100.0% |
国道28号 | 神戸市 | 洲本市 | 徳島市 | 海上を除く全線 | 194.6 | 157.8 | 81.1% |
国道30号 | 岡山市 | 玉野市 | 高松市 | 海上を除く全線 | 97.4 | 59.9 | 61.5% |
国道32号 | 高松市 | 三好市 | 高知市 | 全線 | 143.5 | 139.7 | 97.4% |
国道33号 | 高知市 | 仁淀川町 | 松山市 | 全線 | 120.6 | 117.6 | 97.5% |
国道55号 | 徳島市 | 室戸市 | 高知市 | 全線 | 231.5 | 222.8 | 96.2% |
国道56号 | 高知市 | 宇和島市 | 松山市 | 全線 | 355.3 | 331.9 | 93.4% |
国道192号 | 西条市 | 三好市 | 徳島市 | 全線 | 139.0 | 95.6 | 68.8% |
国道193号 | 高松市 | 美馬市 | 海陽町 | 重複区間 | 169.3 | 149.5 | 88.3% |
国道194号 | 高知市 | いの町 | 西条市 | 重複区間 | 88.9 | 77.0 | 86.7% |
国道195号 | 高知市 | 那賀町 | 徳島市 | 重複区間 | 204.7 | 149.9 | 73.2% |
国道196号 | 松山市 | 今治市 | 小松町 | 全線 | 81.8 | 81.8 | 100.0% |
国道197号 | 高知市 | 大洲市 | 大分市 | 重複区間 | 274.5 | 201.0 | 73.2% |
国道317号 | 松山市 | 今治市 | 尾道市 | 今治市-尾道市 | 190.3 | 173.3 | 91.1% |
国道318号 | 徳島市 | 吉野川市 | 東かがわ市 | 重複区間 | 64.2 | 24.2 | 37.7% |
国道319号 | 坂出市 | 三好市 | 四国中央市 | 坂出市-三好市 | 131.6 | 61.8 | 47.0% |
国道320号 | 宿毛市 | 宇和島市 | 鬼北町 | 重複区間 | 143.4 | 35.8 | 25.0% |
国道321号 | 四万十市 | 土佐清水市 | 宿毛市 | なし | 84.2 | 84.2 | 100.0% |
国道377号 | 鳴門市 | 琴平町 | 観音寺市 | 重複区間 | 161.3 | 64.4 | 39.9% |
国道378号 | 伊予市 | 八幡浜市 | 宇和島市 | なし | 124.7 | 119.0 | 95.4% |
国道380号 | 八幡浜市 | 大洲市 | 久万高原町 | 重複区間 | 83.1 | 23.1 | 27.8% |
国道381号 | 須崎市 | 四万十町 | 宇和島市 | なし | 100.6 | 70.2 | 69.8% |
国道436号 | 姫路市 | 小豆島町 | 高松市 | 重複区間 | 81.1 | 31.8 | 39.2% |
国道437号 | 松山市 | 周防大島町 | 岩国市 | なし | 87.6 | 62.1 | 70.9% |
国道438号 | 徳島市 | つるぎ町 | 坂出市 | 重複区間 | 178.4 | 173.4 | 97.2% |
国道439号 | 徳島市 | 土佐町 | 四万十市 | 重複区間 | 348.3 | 241.6 | 69.4% |
国道440号 | 松山市 | 久万高原町 | 檮原町 | 重複区間 | 152.3 | 43.7 | 28.7% |
国道441号 | 大洲市 | 鬼北町 | 四万十市 | なし | 113.0 | 95.8 | 84.8% |
国道492号 | 高松市 | 美馬市 | 大豊町 | 重複区間 | 133.5 | 30.7 | 23.0% |
国道493号 | 高知市 | 奈半利町 | 東洋町 | 重複区間 | 102.1 | 48.4 | 47.4% |
国道494号 | 松山市 | 仁淀川町 | 須崎市 | 重複区間 | 143.7 | 78.8 | 54.8% |
※太字は非重複の単独区間において指定区間が存在する路線。※斜線は四国外と結ばれている路線。 ※指定区間項の「重複区間」とは他国道との重複区間のみが指定区間になっている路線で、単独区間に限れば「なし」と同義。 |
V字ルート[編集]
昭和40年代の観光宣伝において、四国の主要観光地を効率よく回遊するルート提案として、松山市-高知市-高松市をつなぐルート(国道32号、国道33号)が考えられ、ちょうどアルファベットの「V」字状であるため、V字ルートと呼ばれるようになった。
航路[編集]
律令時代には南海道の一角であり、船で移動する地方であった。近代以降も同様の状態が続いたが、本州四国連絡橋の供用により定期旅客航路は激減した。
- 主要航路
- 徳島県と大阪府、兵庫県を結ぶ航路。「阿」は阿波国を、「摂」は摂津国を指している。古くから徳島と大阪を直接結ぶ航路として繁栄したが、神戸淡路鳴門自動車道の全通に伴い全ての航路が廃止されたあとは、高速バスなどの陸上交通がこの区間の流動を担っている。
- 神戸~(一部、小豆島)〜高松
松山→大阪南港※休止、東予・新居浜~神戸・大阪南港
- 松山~呉~広島、今治~広島、
空港[編集]
本四架橋ができるまでは、本州との大量輸送手段は船舶しかなく、また、四国内のJRは単線区間が多く運行本数に限界があることや、新幹線へは岡山駅での乗り換えを強いられることもあり、従来から航空需要は高く、4県の県庁所在地近郊には中型機以上の航空機が離発着できる空港が整備されている。地理的に遠距離の東京方面を中心に路線を伸ばしているが、松山や高知では近畿圏から距離があることから大阪便も好調であり、また、九州路線もあるほか、松山からは上海とソウル、高松からはソウルへの国際定期便が就航している。なお、高松空港と徳島飛行場の直線距離は約55km、徳島飛行場と関西国際空港は約65km、高松空港と岡山空港は約62kmと近接している。
空港 | 旅客合計 | 国内線 | 国際線 | ||
旅客数 | 定期便 | 旅客数 | 定期便 | ||
松山 | 275万0402人 | 268万9958人 | 羽田・成田・中部・伊丹・関西・ 福岡・鹿児島・那覇 |
6万0444人 | ソウル・上海 |
高松 | 152万4303人 | 148万3166人 | 羽田・那覇 | 4万1137人 | ソウル・上海 |
高知 | 149万0541人 | 148万6100人 | 羽田・名古屋・伊丹・福岡 | 4441人 | |
徳島 | 87万3290人 | 87万2004人 | 羽田・福岡 | 1286人 |
- チャーター便の旅客数含む
- 三大都市圏への便は太字
- 全国の空港の乗降客数は日本の空港#乗降客数参照
- 二種:松山空港・高知空港(高知龍馬空港)・高松空港
- 自衛隊と共用:徳島飛行場
文化[編集]
方言[編集]
四国方言:愛媛県西南部・高知県西南部は東京式アクセントだが、それ以外は四国の広域において京阪式アクセントや垂井式アクセントが用いられている。瀬戸内に面した地域は語彙・語法面で中国方言との共通点が多い。愛媛中部は京阪式アクセント、香川県を中心に愛媛東部・徳島西部では讃岐式アクセントが用いられている。
- 阿波弁:中世以降上方の文化を積極的に取り入れてきたため、アクセント・言い回しとも四国方言の中でも最も関西方言の影響が強い。徳島では大阪のテレビが広く受信できることも、関西との近接性を促進していると思われる。
- 讃岐弁: アクセントに特徴があり、いわゆる京阪式の主流とは異なる。中世に上方で使用されていたアクセントが変化したものとされている。語彙・語法は中国方言との共通点が多い。
- 伊予弁:讃岐弁同様に語彙・語法は中国方言との共通点が多い。もちろん、特徴的な言い回し等も多々存在する。
- 土佐弁:語彙・語法の面で他の四国方言とは異なり、特徴的な言い回しが多い。
- 幡多弁:東京式アクセントが用いられる。語彙なども土佐弁にはない独特なものが多い。中村市、四万十市など。
祭り[編集]
西条祭り、金刀比羅例大祭などは神事が主体の祭り、阿波踊り、よさこい祭りなどは踊りが主体の祭りである。四国三大祭が有名であるが、踊りが主体の四国四大祭も知られている。
伝統工芸[編集]
徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 |
食文化[編集]
各県には固有の名産品や郷土料理が多数存在する。県域をまたぐ名産品はうどん、和三盆などがある。また、全国で販売している食品としてはポカリスエット、ポンジュースなどが代表的である。各県の名産品・郷土料理等は各県の項を参照。
日本の郷土料理一覧、Category:四国地方の食文化も参照のこと。
スポーツ[編集]
アイスホッケー[編集]
- Jアイス・ウエスト・リーグ(西日本リーグ)
サッカー[編集]
ソフトボール[編集]
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バスケットボール[編集]
- 日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)
- 男子実業団
バドミントン[編集]
- 日本リーグ女子2部
バレーボール[編集]
- チャレンジリーグ(女子)
ハンドボール[編集]
- 女子実業団
ホッケー[編集]
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野球[編集]
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ラグビー[編集]
陸上競技[編集]
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出身者[編集]
四国出身の著名人は以下のリストを参照。
関連項目[編集]
- 長宗我部元親
- 南海道
- 中国・四国地方
- 瀬戸内地方
- 瀬戸内工業地域
- 四国八十八箇所
- 四国村(四国民家博物館)
- 四国地方の地図
- 都道府県の人口一覧
- 四国 - 土星の衛星タイタンにある地名。2005年8月、四国に形が似ている事から命名された。
- 日本の地理、日本の地域
- 日本、日本列島、本土、離島、四島
- 島、島国
その他日本の主な島[編集]
参考文献[編集]
テンプレート:日本関連の項目 北日本
東日本
西日本