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2020年1月10日 (金) 23:44時点における最新版
新語・流行語大賞(しんご・りゅうこうごたいしょう)は、自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから、世相を軽妙に映し、多くの人々の話題に上った新語・流行語を選び、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞である。2004年(平成16年)より、ユーキャン新語・流行語大賞(ユーキャンしんご・りゅうこうごたいしょう)に改称している。
自作自演の流行語大賞「アベ」に込めた意図、悪意(2015年12月)[編集]
その年に最も話題となった言葉を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」が今年も発表され、新聞やテレビが大きく取り上げていた。今年で32回目を数える12月の風物詩だが、そのトップテンの中のあったこの言葉には首をかしげた。
「アベ政治を許さない」
はて、こんな政治スローガンが果たしてそんなに流行したり、人口に膾炙したりしていただろうか。そう書かれたビラが一部で配布されていたらしいことは報道で承知していたが、巷で耳にしたことはない。
「アベ」が安倍晋三首相を指すことぐらいは分かるものの、どうして片仮名なのか、誰が許さないかは理解不能である。つらつら考えているうちに平成19年9月、第1次安倍政権の最末期に朝日新聞が紙面で、仕事も責任もほうり出すことを意味する流行語として「アベする」という表現を紹介していたのを思い出した。あのときも、まるで聞いたことのない言葉が突然出てきたことに驚いたものだった。
ともに片仮名の「アベ」に込められた意図は定かではないが、そこには安倍首相をからかい、おとしめようという「悪意」があることは感じられる。
平成22年9月に起きた尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の中国漁船衝突事件で、衝突映像を隠蔽しようとした菅直人内閣の意向に反し、映像をインターネットに流した元海上保安官、一色正春氏は12月2日、自身のフェイスブックにこう記している。
「いまだに『アベ政治を許さない』などと言っている人たちは、安倍総理の政治がどうというより安倍総理個人が嫌いなだけでしょう。たぶん」
もっとも流行語大賞は以前から、左派・リベラル色が濃すぎると政治的な偏りを指摘されていた。2014年の年間大賞では「集団的自衛権」と「ダメよ~ダメダメ」が同時に受賞し、意図はあからさまだった。
今年も大賞候補50語の中には「自民党、感じ悪いよね」「戦争法案」「国民の理解が深まっていない」など、流行語というより一定の政治的立場の表明のような言葉が並んでいた。
「(選考委員は)ゆがみのない現実を映す鏡をつくったつもりだ」
選考委員長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏は1日の式典でこう胸を張ったが、現実認識が曲がっていれば、ゆがんだ像もきれいに見えるのかもしれない。そもそも、安倍内閣の支持率は安全保障関連法の成立後、上昇傾向にあり、多くの国民は「アベ政治を許さない」といわれてもピンとこないのではないか。
報道各社の直近の世論調査をみると、日経新聞の11月27~29日の調査では内閣支持率は49%、共同通信の28~29日の調査でも48.3%とかなり高い水準にある。有権者のほぼ半数が支持する政権に対し、「許さない」と力んでも独りよがりというものだろう。
朝日新聞が11月、自民党員・党友を対象に実施した意識調査では、歴代総裁で最も評価する総裁は安倍首相がトップだった。現職の強みもあろうが、安倍首相の政治手腕が高く評価されているのが分かる。
鳥越氏は、「アベ政治を許さない」を合言葉にした7月の安保法制に反対する一斉行動デーの呼びかけ人でもある。自ら掲げたスローガンを自ら選考委員長として大賞に選ぶ。こういう自作自演の産物をメディアを利用して広めようとするのは勘弁してほしい。
概要[編集]
1984年(昭和59年)に創始された。毎年12月1日に発表される。なお、同日が土曜日・日曜日の場合は次の平日に発表となる。
候補となる言葉は『現代用語の基礎知識』(自由国民社・刊)の読者アンケートの結果から編集部によって選出された50語が候補としてノミネートされ、その中から新語・流行語大賞選考委員会(選考委員7名)によってトップテンと年間大賞が選定される。
創始当初は、新語部門と流行語部門に分かれて、それぞれ金賞を筆頭として各賞が選ばれていたが、8回目の1991年(平成3年)からは年間大賞が設けられ、11回目の1994年(平成6年)からは両部門を合わせて選定されるようになった。
2003年(平成15年)には株式会社ユーキャンと提携し、翌2004年(平成16年)より現代用語の基礎知識選「ユーキャン新語・流行語大賞」に改称された。受賞式典の司会には元TBSアナウンサーの生島ヒロシが担当する。 2017年は元NHKアナウンサーの宮本隆治が担当した。
日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」、第一生命の「サラリーマン川柳」、住友生命の「創作四字熟語」、東洋大学の「現代学生百人一首」と並んで、現代の世相を反映する一つの指標として取り上げられているが、近年では世論の流行語と選考された流行語の乖離が批判され、受賞者の依頼を辞退されるなど影響力の低下が指摘されている。
歴代の受賞語[編集]
受賞者の役職は当時のもの。
年間大賞選定以前[編集]
1984年(昭和59年)から1990年(平成2年)までの受賞者一覧。
金賞[編集]
回 | 年度 | 部門 | 金賞 | 受賞者 |
---|---|---|---|---|
1 | 1984年 | 新語 | オシンドローム | ジェーン・コンドン(『タイム』フリー記者) |
流行語 | まるきん まるび | 渡辺和博(イラストレーター) | ||
2 | 1985年 | 新語 | 分衆 | 近藤道生(博報堂生活総合研究所社長) |
流行語 | イッキ!イッキ! | 慶應義塾大学体育会 | ||
3 | 1986年 | 新語 | 究極 | 雁屋哲(漫画原作者) |
流行語 | 新人類 | 清原和博、工藤公康、渡辺久信(いずれも西武ライオンズ) | ||
4 | 1987年 | 新語 | マルサ | 伊丹十三、宮本信子 |
流行語 | 懲りない○○ | 安部譲二(小説家) | ||
5 | 1988年 | 新語 | ペレストロイカ | ソロビエフ・ニコラエビッチ(駐日ソビエト連邦特命全権大使) |
流行語 | 今宵はここまでに(いたしとうござりまする) | 若尾文子 | ||
6 | 1989年 | 新語 | セクシャルハラスメント | 河本和子(弁護士) |
流行語 | オバタリアン | 堀田かつひこ、土井たか子 | ||
7 | 1990年 | 新語 | ファジィ | 三上遵太郎(松下電器産業電化研究所所長) |
流行語 | ちびまる子ちゃん(現象) | トーマス・リード(『ワシントン・ポスト』東京支局記者) |
金賞以外の各賞[編集]
回 | 年度 | 部門 | 賞 | 受賞語 | 受賞者 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1984年 | 新語 | 銀賞 | 鈴虫発言 | 中曽根康弘(内閣総理大臣) |
銅賞 | スキゾ・パラノ | 浅田彰(京都大学助手) | |||
特別賞 | 特殊浴場 | イルハン・オウス(トルコ大使館参事官) | |||
流行語 | 銀賞 | くれない族 | TBS金曜ドラマ『くれない族の反乱』スタッフ | ||
銅賞 | 疑惑 | 『週刊文春』編集部 | |||
特別賞 | 千円パック | 森永製菓 | |||
大衆賞 | す・ご・い・で・す・ネッ | 所ジョージ | |||
教官! | 堀ちえみ | ||||
2 | 1985年 | 新語 | 銀賞 | パフォーマンス | 石橋政嗣(日本社会党委員長) |
銅賞 | NTT | 真藤恒(日本電信電話社長) | |||
表現賞 | キャバクラ | 新富宏(レジャラース社長) | |||
言語戦略 | 鈴木孝夫(慶應義塾大学教授) | ||||
ネバカ | 諸井薫(エッセイスト) | ||||
流行語 | 銀賞 | トラキチ | 松林豊(阪神タイガース私設応援団長) | ||
銅賞 | 角抜き | 山岸一平(日本経済新聞政治部部長) | |||
大衆賞 | 私はコレで会社をやめました | 三好重恭(アルマン代表取締役) | |||
投げたらアカン | 鈴木啓示(NHK野球解説者・元近鉄バファローズ投手) | ||||
特別賞 | 100ドルショッピング | 中曽根康弘(内閣総理大臣) | |||
特別語録賞 | 愛しているからチラいのよ | 生島治郎夫妻(作家) | |||
特別功労賞 | テレビ番組『ひょうきん族』から 発する各種流行語 |
横澤彪(フジテレビジョン編成局第2制作部) | |||
3 | 1986年 | 新語 | 銀賞 | 激辛 | 鈴木昭(神田淡平店主) |
銅賞 | ファミコン | 山内溥(任天堂社長) | |||
表現賞 | 川の手 | 山崎榮治郎(墨田区長) | |||
家庭内離婚 | 林郁(作家) | ||||
アークヒルズ | 森泰吉郎(森ビル社長) | ||||
流行語 | 銀賞 | 知的水準 | マイケル・サラモン(ロイター通信社支局長) | ||
銅賞 | 亭主元気で留守がいい | 上山英介(大日本除虫菊社長) | |||
大衆賞 | おニャン子 | おニャン子クラブ | |||
プッツン | 片岡鶴太郎 | ||||
特別賞 | やるしかない | 土井たか子(日本社会党中央執行委員長) | |||
150円台 | 加藤隆一(東海銀行頭取) | ||||
語録賞 | バクハツだ! なんだかわからない |
岡本太郎 | |||
不快語追放応援賞 | 地揚げ・底地買い | 馬渕晴子 | |||
4 | 1987年 | 新語 | 銀賞 | JR | 杉浦喬也(日本国有鉄道清算事業団理事長) |
銅賞 | 第二電電 | 森山信吾(第二電電社長) | |||
表現賞 | サラダ記念日 | 俵万智 | |||
朝シャン (モーニング・シャンプー) |
資生堂商事セールス商品事業部 | ||||
ノリサメ | 高田純次、兵藤ゆき | ||||
流行語 | 銀賞 | なんぎやなぁ | 辛坊治郎、森たけし | ||
銅賞 | ゴクミ | 後藤久美子 | |||
大衆賞 | マンガ日本経済入門 | 石ノ森章太郎 | |||
ワンフィンガー ツーフィンガー | 村松友視 | ||||
サンキューセット | 藤田田(日本マクドナルド社長) | ||||
特別賞 | 特別功労賞 | “国際”国家 | 中曽根康弘 | ||
特別賞 | 鉄人 | 衣笠祥雄(広島東洋カープ選手) | |||
5 | 1988年 | 新語 | 銀賞 | ハナモク | 松屋 |
銅賞 | トマト銀行 | 吉田憲治(山陽相互銀行社長) | |||
表現賞 | 遠赤(効果) | 遠赤外線国際研究会 | |||
カイワレ族 | 村崎芙蓉子 | ||||
流行語 | 銀賞 | ドライ戦争 | 樋口廣太郎(朝日麦酒社長) | ||
銅賞 | シーマ(現象) | 久米豊(日産自動車社長) | |||
大衆賞 | アグネス論争 | アグネス・チャン | |||
5時から(男) | 高田純次 | ||||
しょうゆ顔・ソース顔 | 東山紀之、錦織一清 | ||||
特別賞 | 特別功労賞 | 一村一品/ヒューマン・ブランド | 平松守彦(大分県知事) | ||
人語一体傑作賞 | ユンケルンバ ガンバルンバ | 森田一義 | |||
報道傑作賞 | ふつうは“汚職”と申します | 山本泰夫、藤田実(産経新聞記者) | |||
6 | 1989年 | 新語 | 銀賞 | Hanako | 木滑良久(マガジンハウス社長) |
銅賞 | DODA/デューダ(する) | 井上美悠紀(学生援護会社長) | |||
表現賞 | まじめ×ゆかい | 八木靖浩(川崎製鉄社長) | |||
濡れ落葉 | 樋口恵子 | ||||
流行語 | 銀賞 | ケジメ | 久米宏(テレビ朝日『ニュースステーション』キャスター) | ||
銅賞 | 24時間タタカエマスカ | 時任三郎 | |||
大衆賞 | イカ天 | 三宅裕司(TBS『三宅裕司のいかすバンド天国』司会) | |||
こんなん出ましたけど〜 | 泉アツノ | ||||
特別 | 特別賞 | 『壁』解放 | シュミット・マンフレット(在日ドイツ民主共和国大使館大使) | ||
平成 | 平成元年1月8日午前0時0分10秒生まれの男児 | ||||
「NO」と言える日本 | 石原慎太郎 | ||||
7 | 1990年 | 新語 | 銀賞 | “ブッシュ”ホン | 岡崎守恭(日本経済新聞社政治部) |
銅賞 | オヤジギャル | 中尊寺ゆつこ | |||
表現賞 | アッシーくん | 自称「アッシーくん」たち | |||
流行語 | 銀賞 | バブル経済 | 該当者なし | ||
銅賞 | 一番搾り | 本山英世(麒麟麦酒社長) | |||
パスポートサイズ | 出井伸之(ソニー取締役)、浅野温子 | ||||
大衆賞 | 愛される理由 | 二谷友里恵 | |||
特別 | 人語一体/語録賞 | 昭和生まれの明治男 | 村田兆治(元ロッテオリオンズ)夫妻 | ||
年間多発語句賞 | 気象観測史上(はじめての…) | テレビ各局のお天気キャスター | |||
特別賞 | スペシャルゲスト | ラシード・ムハンマド・サイード・アッ=リファーイー(在日イラク大使) |
年間大賞選定以後[編集]
1991年(平成3年)以降の受賞者一覧。
年間大賞[編集]
年間大賞以外の受賞語[編集]
トップテン選出以前[編集]
回 | 年度 | 部門 | 賞 | 受賞語 | 受賞者 |
---|---|---|---|---|---|
8 | 1991年 | 新語 | 金賞 | 火砕流 | 花田簡輔ほか(気象庁雲仙岳測候所) |
銀賞 | ひとめぼれ | 伊藤亘 | |||
銅賞 | 八月革命 | 該当者なし | |||
表現 | 金賞 | 川崎劇場 | 金田正一(元ロッテオリオンズ監督) | ||
銀賞 | 地球にやさしい | 田代忠之(講談社学芸局局長) | |||
紺ブレ | 自称紺ブレ着こなし自慢代表 | ||||
流行語 | 金賞 | 若貴 | 花田憲子 | ||
銀賞 | 重大な決意 | 石破茂、簗瀬進、今津寛、佐藤謙一郎 | |||
銅賞 | 損失補填 | 武井共夫(全国証券問題研究会) | |||
大衆 | 金賞 | 僕は死にましぇ〜ん | 武田鉄矢 | ||
銀賞 | ダダーン ボヨヨン ボヨヨン | 松浦義二(ピップフジモト代表取締役社長) | |||
銅賞 | ダンス甲子園 | 日本テレビ『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』 | |||
特別 | 特別賞 | チャネリング | 大川隆法(幸福の科学総裁) | ||
連鎖語賞 | 雅美さん、雅子さん、たぬき顔 | 梨元勝 | |||
9 | 1992年 | 新語 | 金賞 | ほめ殺し | 小林泰一郎(『サンデー毎日』編集部員) |
銀賞 | カード破産 | 宇都宮健児(弁護士) | |||
銅賞 | もつ鍋 | 井上修一(もつ鍋「元気」主人) | |||
表現 | 金賞 | 複合不況 | 宮崎義一(『複合不況』著者) | ||
銀賞 | 9K | 江尻尚子 | |||
銅賞 | 謝長悔長 | 浦上由子(主婦) | |||
流行語 | 金賞 | 冬彦さん | 佐野史郎、野際陽子 | ||
銀賞 | ねェ、チューして | 唐沢寿明 | |||
銅賞 | 上申書 | 小林正(建設会社社長) | |||
大衆語 | 金賞 | 宇宙授業 | 毛利衛(宇宙飛行士) | ||
銀賞 | 歌手の小金沢クン | 小金沢昇司 | |||
銅賞 | ツイン・ピークス | ツインピークス・ファンクラブ | |||
特別語 | 特別賞 | Time for Change | アメリカ合衆国大使館 | ||
10 | 1993年 | 新語 | 金賞 | サポーター | 設楽りさ子 |
銀賞 | 新・○○ | 坂本一生 | |||
銅賞 | FA(フリーエージェント) | 落合博満(野球選手) | |||
流行語 | 金賞 | 規制緩和 | 青木定雄(MKタクシー会長) | ||
銀賞 | 清貧 | 中野孝次(作家) | |||
銅賞 | 天の声 | 対象者が拘留中のため保留 | |||
大衆語 | 金賞 | 親分 | 大沢啓二(日本ハムファイターズ監督) | ||
銀賞 | 聞いてないよォ | ダチョウ倶楽部 | |||
銅賞 | お立ち台 | 古宇田敬子、小川敬子(お立ち台ギャルNo.1) | |||
表現 | 金賞 | 2500円スーツ | 洋服の青山東京銀座店 | ||
銀賞 | ウゴウゴルーガ | 田嶋秀任、小出由華 | |||
銅賞 | たま・ひよ(族) | 綿引出、森久美子(たま・ひよママ代表) | |||
特別賞 | 年間傑作語録賞 | 悪妻は夫をのばす | 落合信子(落合博満夫人) |
トップテン選出以後[編集]
回 | 年度 | 賞 | 受賞語 | 受賞者 |
---|---|---|---|---|
11 | 1994年 | トップテン | 価格破壊 | 中内功(ダイエーグループ) |
ヤンママ | 田村恵子(笠倉出版社) | |||
新・新党 | 小沢一郎 | |||
大往生 | 永六輔 | |||
人にやさしい政治 | 保留(村山富市だが内容が不明確のため) | |||
契約スチュワーデス | 表彰者なし(各航空会社辞退のため) | |||
関空(かんくう) | 服部経治(関西国際空港社長) | |||
審査員特選造語賞 | ゴーマニズム | 小林よしのり | ||
就職氷河期 | 長薗安浩(元就職ジャーナル編集長) | |||
12 | 1995年 | トップテン | ライフライン | 栗田裕夫(セブン-イレブン社長) |
安全神話 | 佐々淳行(元内閣安全保障室長) | |||
だ・よ・ね(DA・YO・NE) ま、いっか(MAICCA) |
EAST END×YURI | |||
変わらなきゃ | 辻義文(日産自動車社長) | |||
官官接待 | 井上善雄(全国市民オンブズマン連絡会議代表) | |||
見た目で選んで何が悪いの! | 瀬戸朝香 | |||
インターネット | 村井純(慶応義塾大学教授) | |||
13 | 1996年 | トップテン | 援助交際 | 黒沼克史(ルポライター) |
ルーズソックス | 鴇田章(ブロンドール社長) | |||
チョベリバ チョベリグ | (最初に言い出した人物を調査中) | |||
閉塞感(打開) | 比嘉憲司、中村清子(沖縄県民大会で在日米軍問題に ついて述べた高校生) | |||
アムラー | 正統「アムラー」を自称する皆さん | |||
ガンと闘うな(がんもどき理論) | 近藤誠(慶応義塾大学医学部講師) | |||
不作為責任 | 川田龍平(東京HIV訴訟原告) | |||
14 | 1997年 | トップテン | たまごっち | 真板亜紀(バンダイ玩具第一事業部) |
時のアセス | 堀達也(北海道知事) | |||
ガーデニング | 八木波奈子(『私の部屋ビズ』編集長) | |||
日本版ビッグバン | 松井道夫(松井証券社長) | |||
透明な存在 | 田島一昌(『FOCUS』編集長) | |||
もののけ(姫) | 宮崎駿 | |||
パパラッチ | 省略 | |||
マイブーム | みうらじゅん | |||
郵政3事業 | 小泉純一郎(厚生大臣) | |||
15 | 1998年 | トップテン | 環境ホルモン | 井口泰泉(横浜市立大学理学部教授) |
貸し渋り | 保留(該当者を名乗り出る関係者が皆無のため) | |||
老人力 | 赤瀬川原平 | |||
ショムニ | 安田弘之 | |||
モラル・ハザード | 中坊公平(住宅金融債権管理機構社長) | |||
冷めたピザ | ジョン・ニューファー(三井海上基礎研究所) | |||
日本列島総不況 | 堺屋太一(経済企画庁長官) | |||
特別賞 | スマイリング・コミュニスト | 不破哲三(共産党中央委員長) | ||
ボキャ貧 | 小渕恵三(内閣総理大臣) | |||
16 | 1999年 | トップテン | 学校(級)崩壊 | 河上亮一(プロ教師の会〈埼玉教育塾〉主宰) |
カリスマ | 中根麗子ほか(ファッションショップ「Egoist」店員) | |||
ミッチー・サッチー | 浅香光代 | |||
西暦2000年問題 | 井谷厚(東急ハンズ新宿店) | |||
だんご3兄弟 | 古屋光昭ほか(NHK「おかあさんといっしょ」) | |||
癒し | 西口勇(和歌山県知事) | |||
iモード | 立川敬二(NTT移動通信網代表取締役) | |||
17 | 2000年 | トップテン | Qちゃん | 高橋尚子(マラソン金メダリスト)、小出義雄(積水化学女子マラソン部監督) |
ジコチュー(ジコ虫) | 寺尾睦男(公共広告機構理事長) | |||
一七歳 | 受賞者なし | |||
パラパラ | 紅田昇(神楽坂ツインスター支配人) | |||
めっちゃ悔し〜い | 田島寧子(水泳銀メダリスト) | |||
ワタシ(私)的には… | 飯島愛 | |||
「官」対「民」 | 福田昭夫(栃木県知事) | |||
特別賞 | 最高で金 最低でも金 | 田村亮子(柔道金メダリスト) | ||
18 | 2001年 | トップテン | 明日があるさ | Re:Japan |
e-ポリティックス | 天野外支子(市民団体代表) | |||
狂牛病 | 一瀬邦夫(ペッパーフードサービス代表) | |||
塩爺(しおじい) | 塩川正十郎(財務大臣) | |||
ショー・ザ・フラッグ | 該当者なし | |||
生物兵器(BC兵器) | 常石敬一(神奈川大学教授) | |||
抵抗勢力 | 受賞者なし(候補者が全員辞退のため) | |||
ドメスティック・バイオレンス(DV) | DV調査研究会(代表・吉浜美恵子) | |||
ブロードバンド | 孫正義(ソフトバンク代表) | |||
ヤだねったら、ヤだね | 氷川きよし | |||
語録賞 | 人間て、なかなか死なないもんだ | 武智三繁(長崎県の漁船船長) | ||
ファンの皆さま本当に日本一、 おめでとうございます |
若松勉(ヤクルトスワローズ監督) | |||
19 | 2002年 | トップテン | 貸し剥がし | 保留(当事者が特定不能のため) |
声に出して読みたい日本語 | 齋藤孝(明治大学文学部助教授) | |||
真珠夫人 | 鶴啓二郎(東海テレビ放送プロデューサー) | |||
ダブル受賞 | 小柴昌俊、田中耕一 | |||
内部告発 | 串岡弘昭(『ホイッスルブローアー=内部告発者』の著者) | |||
ベッカム様 | 藤本信一郎(ウェスティンホテル淡路総支配人) | |||
ムネオハウス | 佐々木憲昭(共産党衆院議員) | |||
拉致 | なし | |||
特別賞 | Godzilla | 松井秀喜(読売ジャイアンツ・プロ野球選手) | ||
20 | 2003年 | トップテン | 勝ちたいんや! | 星野仙一(前阪神タイガース監督) |
コメ泥棒 | 該当者なし | |||
SARS | 該当者なし | |||
年収300万円 | 森永卓郎(UFJ総合研究所経済・社会政策部長) | |||
バカの壁 | 養老孟司(東京大学名誉教授・解剖学者) | |||
ビフォーアフター | 加藤みどり(番組ナレーター) | |||
へぇ〜 | 高橋克実、八嶋智人 | |||
21 | 2004年 | トップテン | 気合だー! | アニマル浜口 |
サプライズ | 武部勤(自由民主党幹事長) | |||
自己責任 | 該当者なし | |||
新規参入 | 堀江貴文(ライブドア社長) | |||
セカチュー | 片山恭一 | |||
中二階 | 山本一太(参議院議員) | |||
…って言うじゃない… ○○斬り! …残念!! |
波田陽区 | |||
負け犬 | 酒井順子 | |||
冬ソナ | 萩原聖人、田中美里 | |||
22 | 2005年 | トップテン | クールビズ | 小池百合子(環境大臣) |
刺客 | 該当者なし | |||
ちょいモテオヤジ | 岸田一郎(『LEON』編集長) | |||
フォーー! | レイザーラモンHG | |||
富裕層 | 田中嘉一(すみしんウェルスパートナーズ社長) | |||
ブログ | カズマ(「鬼嫁日記」のブロガー) | |||
ボビーマジック | サブロー、今江敏晃(千葉ロッテマリーンズ) | |||
萌え〜 | 完全メイド宣言(秋葉原のメイドさんグループ) | |||
23 | 2006年 | トップテン | エロカッコイイ(エロカワイイ) | 倖田來未 |
格差社会 | 山田昌弘(東京学芸大学教授) | |||
シンジラレナ〜イ | トレイ・ヒルマン(北海道日本ハムファイターズ監督) | |||
たらこ・たらこ・たらこ | キグルミ(小学生ユニット) | |||
脳トレ | 川島隆太(東北大学教授) | |||
ハンカチ王子 | 斎藤佑樹(早稲田実業学校高等部野球部員) | |||
ミクシィ | 笠原健治(ミクシィ社長) | |||
メタボリックシンドローム(メタボ) | 日本内科学会 | |||
24 | 2007年 | トップテン | (消えた)年金 | 舛添要一(厚生労働大臣) |
そんなの関係ねぇ | 小島よしお | |||
どんだけぇ〜 | IKKO(メイクアップアーティスト) | |||
鈍感力 | 渡辺淳一 | |||
食品偽装 | 受賞者なし | |||
ネットカフェ難民 | 川崎昌平(『ネットカフェ難民』著者) | |||
大食い | ギャル曽根 | |||
猛暑日 | 瀧沢寧和(熊谷市直実商店会会長) | |||
25 | 2008年 | トップテン | 居酒屋タクシー | 長妻昭(衆議院議員) |
名ばかり管理職 | 高野広志(日本マクドナルド店長) | |||
埋蔵金 | 中川秀直(元自由民主党幹事長) | |||
蟹工船 | 長谷川仁美(ブックエキスプレス ディラ上野店店員) | |||
ゲリラ豪雨 | 石橋博良(ウェザーニューズ代表取締役) | |||
後期高齢者 | 山崎英也(マスターズ陸上選手) | |||
あなたとは違うんです | 受賞候補者(福田康夫)辞退のため、受賞者なし | |||
審査員特別賞 | 上野の413球 | 上野由岐子(ソフトボール選手) | ||
26 | 2009年 | トップテン | こども店長 | 加藤清史郎 |
事業仕分け | 行政刷新会議と(蓮舫率いる)事業仕分け作業チーム | |||
新型インフルエンザ | 木村盛世(厚生労働医系技官) | |||
草食男子 | 小池徹平、深澤真紀 | |||
脱官僚 | 渡辺喜美(衆議院議員) | |||
派遣切り | 関根秀一郎(派遣ユニオン書記長) | |||
ファストファッション | 益若つばさ | |||
ぼやき | 野村克也(元東北楽天ゴールデンイーグルス監督) | |||
歴女(レキジョ) | 杏 | |||
27 | 2010年 | トップテン | いい質問ですねぇ | 池上彰 |
イクメン | つるの剛士 | |||
AKB48 | AKB48 | |||
女子会 | 大神輝博(モンテローザ社長) | |||
脱小沢 | 受賞者(菅直人)辞退 | |||
食べるラー油 | 小出孝之(桃屋社長) | |||
ととのいました | Wコロン | |||
〜なう | 梅崎健理(スーパー高校生) | |||
無縁社会 | NHK「無縁社会」制作チーム | |||
特別賞 | 何か持っていると言われ続けてきました。 今日何を持っているのか確信しました… それは仲間です。 |
斎藤佑樹(早稲田大学野球部主将) | ||
28 | 2011年 | トップテン | 絆 | なし (今活動しているボランティアを含め日本国民、 そして海外から日本を応援くださったすべてのみなさま) |
スマホ | AND market 霞が関 西川征一(NECモバイリングマーケティング戦略本部 セールス事業推進本部マネージャー) | |||
どじょう内閣 | 野田佳彦(内閣総理大臣) | |||
どや顔 | 受賞者辞退 | |||
帰宅難民 | 東日本大震災で帰宅難民となった約500万人の皆様、 代表して帰宅難民のお一人・小川さん | |||
こだまでしょうか | ACジャパン 尾形敏朗(ACジャパン事務局次長・クリエイティブディレクター) | |||
3.11 | 枝野幸男(経済産業大臣、当時の内閣官房長官) | |||
風評被害 | 受賞者なし | |||
ラブ注入 | 楽しんご | |||
29 | 2012年 | トップテン | iPS細胞 | 山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長) |
維新 | 橋下徹(日本維新の会代表代行) | |||
LCC | Peach Aviation エアアジア・ジャパン[1] ジェットスター・ジャパン | |||
終活 | 『週刊朝日』編集部 金子哲雄(流通ジャーナリスト) | |||
第3極 | 第3極のみなさま (表彰式出席:福島瑞穂〈社民党〉、渡辺喜美〈みんなの党〉、 亀井亜紀子〈みどりの風〉) | |||
近いうちに… | 野田佳彦(内閣総理大臣) | |||
手ぶらで帰らせるわけにはいかない | 松田丈志(ロンドン五輪競泳日本代表、コスモス薬品所属) | |||
東京ソラマチ | 東武タウンソラマチ | |||
爆弾低気圧 | ウェザーニューズ | |||
30 | 2013年 | トップテン | アベノミクス | 安倍晋三(内閣総理大臣) |
ご当地キャラ | くまモン(熊本県PRマスコットキャラクター、営業部長) | |||
特定秘密保護法 | 西山太吉(ジャーナリスト) | |||
PM2.5 | 日本気象協会 | |||
ブラック企業 | 今野晴貴(ブラック企業対策プロジェクト共同代表、POSSE代表) | |||
ヘイトスピーチ | 五野井郁夫(国際政治学者) | |||
選考委員特別賞 | 被災地が、東北が、日本がひとつになった 楽天、日本一をありがとう |
東北楽天ゴールデンイーグルス | ||
31 | 2014年 | トップテン | ありのままで | ディズニー『アナと雪の女王』チーム |
カープ女子 | 石田敦子(漫画『球場ラヴァーズ』作者) 大井智保子、古田ちさこ、天野恵(カープ女子 神3 (スリー)) | |||
壁ドン | 映画『L♥DK』 | |||
危険ドラッグ | 古屋圭司(衆議院議員・元国家公安委員長) | |||
ごきげんよう | 美輪明宏(歌手・俳優) | |||
マタハラ | 杉浦浩美(立教大学 社会福祉研究所 特任研究員) | |||
妖怪ウォッチ | 日野晃博(レベルファイブ社長、『妖怪ウォッチ』クリエイティブプロデューサー/企画・シナリオ原案) | |||
レジェンド | 葛西紀明(土屋ホームスキー部) 青木功(プロゴルファー) 山本昌広(中日ドラゴンズ投手) | |||
32 | 2015年 | トップテン | アベ政治を許さない | 澤地久枝(作家) |
安心して下さい、穿いてますよ。 | とにかく明るい安村(お笑い芸人) | |||
一億総活躍社会 | 安倍晋三(内閣総理大臣) | |||
エンブレム | 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 | |||
五郎丸(ポーズ) | 五郎丸歩(ラグビー日本代表、ヤマハ発動機ジュビロ) | |||
SEALDs | 奥田愛基(SEALDsメンバー) | |||
ドローン | 野波健蔵(千葉大学大学院工学研究科・工学部 特別教授) | |||
まいにち、修造! | 松岡修造(元プロテニスプレーヤー) | |||
33 | 2016年 | トップテン | 聖地巡礼 | ディップ株式会社 |
トランプ現象 | 受賞者なし | |||
ゲス不倫 | 『週刊文春』編集部 | |||
マイナス金利 | 日本銀行 | |||
盛り土 | 受賞者辞退 | |||
保育園落ちた日本死ね | 山尾志桜里(衆議院議員) | |||
ポケモンGO | 株式会社ナイアンティック、株式会社ポケモン | |||
(僕の)アモーレ | 長友佑都(サッカー日本代表、セリエA・インテルナツィオナーレ・ミラノ所属) | |||
PPAP | ピコ太郎(シンガーソングライター) | |||
選考委員特別賞 | 復興城主 | 熊本市 | ||
34 | 2017年 | トップテン | 35億 | ブルゾンちえみ(お笑い芸人) |
Jアラート | クリス・ブロード(YouTuber) | |||
睡眠負債 | 枝川義邦(早稲田大学教授) | |||
ひふみん | 加藤一二三(将棋棋士) | |||
フェイクニュース | 清原聖子(明治大学情報コミュニケーション学部准教授) | |||
プレミアムフライデー | プレミアムフライデー推進協議会 | |||
魔の2回生 | 森山志乃芙(産経新聞 編集局整理記者) | |||
〇〇ファースト | 受賞者なし | |||
選考委員特別賞 | 9.98 | 桐生祥秀(東洋大学) | ||
29連勝 | 藤井聡太(将棋棋士) |
選考委員[編集]
現在[編集]
過去[編集]
選定をめぐる問題[編集]
流行語大賞は、その年に流行った言葉などから選ばれるが、世間を騒がせた事件・事故などの事案や著名人の不祥事・スキャンダルに絡んだ言葉が選ばれることもあり、マイナス面で流行った言葉を選定・受賞対象にすることは不適切であるとする批判が在る(後述の例のように、除外される場合も多い)。
また、最初の審査会が10月に行われる関係上、その年のそれ以後に流行した言葉はノミネートされることが不可能となっている(2015年時点)。例えば、公表とほぼ同時期に流行した2011年の「家政婦のミタ」、2016年の「逃げるは恥だが役に立つ」(略称「逃げ恥」)などは登場していない。
選考委員の一人であるやくみつるは2015年12月、流行語大賞に対する批判について「皆さんの中でわいわいやっていただく分には結構なんですが、直接持ってこないでねと申し上げたい」と答えた。2016年12月には、賞が世間とずれているのではと批判されている事を受けメディアの取材に応じたが「難しい専門用語が入っているわけでもありません。『ニュースぐらい見ろ』と言いたいですよ」と答えた。また来年以降、選考基準を見直すことも「まったくありません」と否定した。
プチ鹿島は、流行語大賞がインターネットを中心に「そんなの流行ったのか?」というツッコミの対象になっているものの、スポーツ新聞にとっては重要なイベントであるとしている。鹿島は「流行語大賞とは『今年はこんな言葉が流行ったよね』という、おじさんによるおじさんのためのプレゼンだと思えばいい。で、そのあと『そんなの流行ってねーよ』とSNSからツッコミが発生するまでが流行語大賞なのである。そう考えると流行語大賞は『紙媒体』と『ネット』の温度差を確認できる貴重なセレモニーだともいえる」と述べている。
候補の除外[編集]
一般的に流行した用語が賞の候補から削除される例として代表的なものを挙げる。
- 1995年(平成7年)の「ポア」や「サティアン」「ああ言えば上祐」などがある。これらはオウム真理教関連用語であり、その年の『現代用語の基礎知識』の読者アンケートでも上位に入った。しかし「同教団関連用語の選出はオウムによるテロの容認につながる、また世論の厳しい非難をあびる」という理由により、同教団関連用語はすべて選考対象外となった。
- 2009年、中川昭一元財務相の釈明の言葉「ゴックンしてない」をノミネート候補に『ねじ込む』予定であったが、故人となったために見送られた。
- 2012年(平成24年)の「ナマポ」(生活保護を意味する俗称)は、ノミネート候補に選ばれたが、その後生活保護受給者から差別や悪意の助長のおそれが指摘され、受賞は差別を肯定したという解釈につながると判断し、後に受賞対象外となった。
- 2014年は『アナと雪の女王』を見た選考委員が誰もいなかったため「ありのままで」は大賞から外されたとやくみつるが『週刊朝日』の座談会で明かしている。
- 2016年に放送されたテレビ番組で、2015年まで選考委員で2015年は選考委員長だった鳥越俊太郎が大賞受賞者について言及した。鳥越によると表彰式で発表される「トップ10」のうち「年間大賞」受賞者は式への出席が必須で出席できない場合は表彰式が盛り上がらないので大賞から外れるという。2015年の選考では「五郎丸」が年間大賞だったが本人が用事で出席できないということで急きょ「トリプルスリー」に変ったと語った。ただし、2014年の「集団的自衛権」については受賞者辞退にもかかわらず大賞に選定し、後述の批判を招いている。
受賞者[編集]
2000年代後半頃からでは「流行語」を最初に広めた人物・団体が表彰されず、その言葉を象徴する(と判断された)人物・団体が表彰されるケースが多く見られるようになってきた。
- 2001年(平成13年)トップテンの「抵抗勢力」(小泉内閣の改革に反対する自民党内勢力を指す言葉)では候補者が全員辞退した。
- 2004年(平成16年)の「自己責任」(イラク人質事件の被害者に対して向けられた言葉)では、受賞に値する人々に配慮して「該当者なし」となった。
- 2007年(平成19年)の「消えた年金」は、この問題を指摘した民主党の長妻昭ではなく、年金の不備に責任がある立場の舛添要一(厚生労働大臣)が受賞した。報道によると、長妻に授賞式出席の要請が来て、「その日は出られない」と答えたところ、いつの間にか対象者が舛添に変わっていたという。その舛添は授賞式では困惑した表情で終始うつむき加減だった。
- 2008年(平成20年)の「あなたとは違うんです」は、対象者の福田康夫が辞退したため「該当者なし」となった。
政治的偏向に対する批判[編集]
2013年アホノミクス[編集]
2013年には経済評論家の浜矩子が安倍政権の経済政策である「アベノミクス」を揶揄した「アホノミクス」がノミネートされ、政治色が強く、流行していない言葉を取り上げる傾向に疑問が持たれた。
2014年「集団的自衛権」「ダメよ〜ダメダメ」[編集]
2014年度の年間大賞に選ばれた「集団的自衛権」と「ダメよ〜ダメダメ」は「集団的自衛権(は)ダメよ〜ダメダメ」とつなげることで、集団的自衛権、ひいては安倍政権に反対する姿勢を示すという左派系で構成される選考委員たちの政治的な思惑が働いたのではないかとの疑念が一部メディアにより指摘され、同月に行われる衆議院選挙の直前の時期でもあったことから物議を醸した。
授賞式にて、大賞の「集団的自衛権」については「集団的自衛権という用語は30数年前の『現代用語の基礎知識』からすでに収録されており、ずっとそれは現憲法下では『違憲』だと紹介されてきた。それが今年、安倍政権の下でいきなり解釈を変更されて、限定容認だが、その行使が可能となったのだから、これは大事件だ」などと紹介され、同じく大賞の日本エレキテル連合の「ダメよ〜ダメダメ」の受賞理由コメントでも「『壊憲』と言われる7月の閣議決定。『ダメよ〜ダメダメ』と高まる声を前にして、『いいじゃ〜ないの〜』とするすると受け流して、気がついたら憲法が解釈だけで変更されてしまったのだが、この国では、争点をしっかり掲げて投票でハッキリさせようなんて決定方法がありえないんじゃないかと思えて、こりゃあ『号泣』もしたくなる。そんな日本の不条理な現実を、最高にシュールなコントで『大爆笑』に変えてくれたのが『細貝さんと朱美ちゃん』こと、今年一番の人気コンビ、日本エレキテル連合であった」と紹介された。
選考委員の鳥越俊太郎は「特定秘密保護法から始まってアベノミクス、集団的自衛権、原発再稼働も、国民が反対しているにもかかわらず政府は少しずつ推し進めた。それに対して国民の気持ちを最もよく表すのが『ダメよ〜ダメダメ』」とコメントしている。また、選考委員のやくみつるは、授賞式の挨拶で「審査は中立的な立場で行ったが、大賞となった2つの言葉が並ぶと一定の意味をなす。興味深い」と述べていたが、選考委員会では集団的自衛権に反対する政治的な立場から「ダメよ〜ダメダメ」と「集団的自衛権」が見出しで並ぶことを意識して大賞に選んだことを後日談で明かしている。
この政治的な思惑に応じる形で集団的自衛権に反対する立場の政治家たちはTwitterで流行語大賞に賞賛を行った。社民党の福島瑞穂はTwitterで「今年の流行語大賞に『ダメよ〜ダメダメ』『集団的自衛権』。これを合わせて『ダメよ〜ダメダメ、集団的自衛権』。どう考えてもダメです。ダメなものはダメ」とツイートし、民主党の有田芳生も「(ニュース番組で新語・流行語大賞を報じた)NHK。この並べ方がサイコー!『集団的自衛権』『ダメよ〜ダメダメ』が大賞」などと書き込んだ。しかし、自民党の佐藤正久は「一部のメディアや政治家が意図を持って、その2つの言葉を並べたり、くっつけた見出しを使うと思われ、特に選挙戦での利用の可能性も否定できない。その場合、エレキテル連合が『政治利用』されて気の毒だ。皆さん、どう思いますか?」とツイートし、流行語大賞の政治利用を批判した。ネットでも「左翼がやりたい放題で政治的な言葉を選んでいると、賞のイメージが悪くなる」などの苦言が相次いだ。
また、2014年12月の時点で選考委員のやくみつるは、2015年の流行語大賞に『総選挙で安倍政権が大勝して、いろいろな分野でむちゃな政策が始まる。それを、総括する言葉を定義付けして「アベハラスメント」。通称「アベハラ」を流行らせようと画策している』と『週刊朝日』の座談会で明かている。
2015年「アベ政治を許さない」[編集]
2015年度の新語・流行語大賞では、ノミネートされた50語中15語が政権与党批判の言葉で占められていた。その中でも「自民党、感じ悪いよね」「とりま、廃案」「戦争法案」「アベ政治を許さない」「早く質問しろよ」「I am not ABE」「SEALDs」「国民の理解が深まっていない」などの政治用語について、ネット上からは「流行」という位置づけにふさわしいのか疑問をもつ声や、政治色への強い傾向を指摘する声が相次いだ。大賞事務局にも「政治関連が多い」などの意見が約10件寄せられたという。
トップテンには、選考委員長である鳥越俊太郎自身が参加した安保反対運動から生まれたスローガンである「アベ政治を許さない」が選定された。、鳥越は「『アベ政治を許さない!』国民の一斉行動デー」と題した平和安全法制抗議運動を呼びかけた一人であり、賞を主催している『現代用語の基礎知識2016』のインタビュー記事の中でも運動の経緯などを説明しつつ、安倍政権の対応を批判している。
鳥越は選定理由について、「新語・流行語大賞は日本の社会の現実を映す鏡。日本の社会がトップ10の中から見えてくる。選考委員は、歪みのない現実を映す鏡を作ったつもりだ」と説明している。
選考委員を務めるやくみつるは、「そりゃ選考委員のそれぞれには、日頃の政治的スタンスというものがある。しかし、流行語の選考はそれに立脚したものではない」と賞の私有化を否定した上で、「(選ばれた言葉が)己れの意にそぐわぬからといって、それに目クジラ立てているようじゃあ、自由主義国家の名が廃る。『アベ政治を許さない』にしたって、解釈を変えれば『アベ政治をゆるしてやってもよくね?』ともとれる。それくらいの遊び心がなくてどうするよ」と反論した。なお、選考委による「アベ政治を許さない」の紹介コメントでは、「このフレーズは、要求ではない、追求でもない、つぶやきだ。強要しないつぶやきが、これまでのイデオロギー対立では現れてこない層に共有された」と紹介され、表彰式に登場した反安保運動の中心人物である澤地久枝は「『アベ政治を許さない』(に関する活動)を毎月3日にやる。皆さんもご参加ください」などと報道陣に向かって呼びかけた。産経新聞は、“身内びいき”“自画自賛”と受け止められかねない受賞結果になったと評した。
ちなみに、2016年にリクルートのR25が行った新語・流行語大賞に関する調査で、全国の20〜30代221人を対象に、過去5年(2011年〜2016年)にトップテンに選ばれた50語のうち「あまりピンとこない」言葉は何かを尋ねたところ、『アベ政治を許さない』が2位にランクインした。
2016年「保育園落ちた日本死ね」[編集]
2016年は、政治的な言葉のノミネートが少なくなり、東京都内の30代女性が待機児童問題についてブログに投稿した記事「保育園落ちた日本死ね」が国政関係で唯一トップ10に入った。この言葉が選出された理由は「待機児童問題の深刻さを投げかけ、世の中を動かした。」というものである。
当該ブログ記事は深刻な待機児童問題に対し東京都在住の女性が執筆したものだが、駒崎弘樹が投稿の2日後に取り上げ、民進党の山尾志桜里衆院議員も国会で取り上げた。授賞式には当該ブログの筆者ではなく山尾が受賞者として出席し、「年の締めにもう1度スポットライトが当たり、うれしい」「今は新語・流行語でも、早く『死語』にできるよう頑張りたい」と述べた。翌日、タレントのつるの剛士が、「きっともっと選ばれるべき言葉や、神ってる流行あったよね。皆さんは如何ですか?」「こんな汚い言葉に国会議員が満面の笑みで登壇、授与って。なんだか日本人としても親としても僕はとても悲しい気持ちになりました」とTwitterで発言したことが、前年に流行語大賞を受賞したSEALDsなどから激しく罵倒され、つるのは謝罪に追い込まれた。
しかしながら、この言葉を選出したことについても批判があがり、賞を主催しているユーキャンのWikipediaのページが何者かによって「株式会社ユーキャン死ね」と書き換えられ、ページが半保護状態になるまで編集合戦が繰り返されるなどネットの各地で炎上した。さらに、選考委員の詩人の俵万智のTwitterにも批判が寄せられた。
評論家らによる批判や、それに対する選考委員たちからの反論も相次いだ。
- 批判
- 評論家の石平はTwitterで「普通の日本人の間では、『日本死ね』のような言葉が流行った気配はないし、流行るはずもないのであろう、わざと流行らせたい人がいる」と断じ、トップ10受賞後も「『中国死ね』『韓国死ね』と叫べば確実にヘイトだと非難されるが、『日本死ね』は大丈夫だ。結局この日本で、日本に対するヘイトだけは、いつでも大手を振って罷り通るのだ」と批判した。
- 外交官の佐藤優は、「自民党の保育所に対する政策はとんでもないが、公共圏で使っていい言葉といけない言葉がある。憲政史上、『死ね』と言う言葉が政策に関連するところで出てきたのは初」と疑義を呈した。マラソン選手の有森裕子も「この言葉が全国的に流行ったのでしょうか。そもそも『死ね』という言葉が流行語として認定されることが健全といえるのでしょうか」と疑問を述べ、選考委員のやくみつるが「流行語を選ぶにあたって、過激だとか穏当だとか、選ぶ時に何の尺度にもならない」と発言したことに対して「流行語として見た子どもたちが、どんな思いを抱くでしょう。授賞式で笑顔を浮かべていた国会議員や、選考基準の理解に苦しみます」と批判した。
- 漫画家の江川達也も「汚く過激かつ破滅的な言葉が世の中を動かしたかに見えたら評価する。というなら、やはり、言葉はどんどん、汚く過激かつ破滅的な方向に走ってしまわないだろうか」と疑義を呈し、「思ってたようにならなかった誰々死ね。が世の中に影響があると思い込んだ人が真似始めることになるだろう。いや、もう既に、昔から、思い通りにならないと、誰々死ね、という子どもが増えて問題になっていた。その子どもがそのままお母さんになっただけだ。もはや、日常的に死ねと使う人がいる」「存在を否定したら終わってしまう。現状のうまくやれない状況を認識させてどうすればうまくいかせられるか教育した方がいい」と述べた。
- 反論
- 選考委員のやくみつるは情報番組のインタビューで「私も当時は嫌悪感を示した方」だったとしたが、「それとこれとは話が別」と個人的感情を抑えるコメントに留まる。「流行語を選ぶにあたって、過激だとか穏当だとか、選ぶ時に何の尺度にもならない。むしろ、こういう言葉は流行語大賞でなければ拾い得ない」と、必要であれば『死ね』など過激な言葉が選ばれることもあるとした。そもそも流行語という位置づけにふさわしくないという声に対しても「口の端に上るという意味での流行語もあるが、その言葉が物議を醸すなり、そこから議論が巻き起こるのも広い意味での流行語である」との認識を示した。
- 元選考委員の鳥越俊太郎も情報番組に生出演し、『日本死ね』がショッキングな言葉ではあると認めながらも「それ(待機児童問題)に対するいち母親の怒りの言葉が、『死ね』という表現になっているわけです」「だから、『死ね』という言葉だけに引っかかってしまっちゃ、その全体を見誤ってしまう」と指摘。カンニング竹山が受賞者が政治家であることに「すごく違和感がある」と表明したところ、鳥越は「山尾さんが国会でこれを取り上げたことによって、一躍全国的な問題になったんです。ブログはブログでその前からあったんだけども、問題にならなかった」と応じ、自身も審査委員長にとどまった場合、『日本死ね』を選出していただろうと語った。
- 選考委員の俵万智は「『死ね』が、いい言葉だなんて私も思わない。でも、その毒が、ハチの一刺しのように効いて、待機児童問題の深刻さを投げかけた。世の中を動かした。そこには言葉の力がありました。お母さんが、こんな言葉を遣わなくていい社会になってほしいし、日本という国も日本語も、心から愛しています」とツイートした。
- 社会学者の古市憲寿もTwitterで「言葉は文脈をともなって初めて意味を持つ。『保育園落ちた日本死ね』が話題になった時、『日本死ねなんてけしからん』という批判よりも、共感が多かったのは、『日本死ね』という言葉ではなく、あのブログが多くの人に読まれたから」と分析。「あのブログも読まずに『日本死ねなんてけしからん』と言われても。ちなみに僕が知る限り、あのブログが騒がれていた当時、『日本死ねなんてけしからん』と言っていたのは、おじさん政治家たちです。いま怒っている人との共通点は、ちゃんとブログ本文を読んでいないこと」と異論を唱えた。また、『死ね』という表現については、「人格攻撃でもなく、あくまでも比喩としての『死ね』と、具体的な他者や人格をおとしめるために使う『死ね』は全然違うよ。しかも、他にどうしようもなく、そうするしかない悲痛な叫びとしての『日本死ね』でしょ」との見解を示した。
- 保守系雑誌の『月刊日本』も、『日本死ね』騒動にはアメリカ大統領選のトランプ現象と類似しているとして、ドナルド・トランプの過激な発言がポリティカル・コレクトネスに反していたからこそ不満を抱えている人々の共感を得たように、『日本死ね』という怒りの言葉も一般的な常識や倫理に反していたからこそ注目を集めたのではないかと分析。「軽く見てはならない」と指摘した。
また、騒動は保坂展人世田谷区長に飛び火し、Twitterで『日本死ね』が受賞したという記事をツイートすると「国の対応って仰いますけど、そもそも保育園は地方自治体の管轄なんでは?『死ね』って言われるべきは本来は区長だと思うんですけど」「だとしたら一番死ななきゃならないのは『待機児童が1200人を超えてて一向に改善できない保育行政に責任を持つ無能な世田谷区長』っすよね。何他人事かましてんの?」「待機児童全然解消していない世田谷区死ねと言われてるようなもんだぜ。分かってる?」と批判コメントが殺到。ジャーナリストの石井孝明も「山尾衆議院議員に、死ねとののしられるべき1人は保坂さんのような気がします。どう思うのか、罵られたら感想ください」と、東京都の待機児童数で世田谷区が飛び抜けてワースト1位である表を添えたリプライを送って応戦した。
さらに、同月12日に発表された日本漢字能力検定協会主催の『今年の漢字』では、『保育園落ちた日本死ね』の『死』はトップ20にすら入っていなかった。しかも、こちらは全国から一般募集され、得票数で大賞が決まるため、ネットでは再びユーキャンへの非難が噴出した。
ジャーナリストの井上トシユキはこの騒動について「政治色が強いのは余計な混乱を避けるために選ばないのが常套なのに、ユーキャンの場合はガッツリ選んでくる。『日本死ね』は非常に強い言葉で、ネット右翼と左翼で非難の応酬になっている」と指摘。「清水寺の『今年の漢字』(日本漢字能力検定協会)と並んで、年末の風物詩みたいな扱いになっていますが、ユーキャンの流行語大賞は宣伝のための商業的側面があり、ピントがずれ始めてきているところもある。『今年の漢字』で『死』を選びますかという話。選考過程がハッキリしていない点の反発が多く、オープンの場で選んだ方がいいのではないか」と述べた。
『白熱ライブ ビビット』(TBS)が調査したアンケートでは、『日本死ね』を流行語大賞のトップテンに選んだことに『賛成』23%、『反対』77%。J-CASTニュースが行ったネット調査では、『問題提起としては有効だったが、言葉が汚すぎる。受賞は不適切』52.8%、『問題提起としても意味があったとは思えない。単に不愉快になるだけ』31.2%、『この言葉をきっかけに待機児童問題に焦点が当たった。受賞は妥当』15.2%、という結果だった。
衆議院議員の足立康史は度重なる暴言騒動の際「『日本死ね』発言を社会が許容している」といった趣旨の釈明を2度行っている。
お笑いタレントのジンクス[編集]
お笑いタレントは、新語・流行語大賞を受賞すると翌年から人気が落ち、一発屋になるというジンクスがある、波田陽区(2004年年間トップテン)、レイザーラモンHG(2005年年間トップテン)、エド・はるみ(2008年年間大賞)、楽しんご(2011年年間トップテン)、スギちゃん(2012年年間大賞、日本エレキテル連合(2014年年間大賞)、とにかく明るい安村(2015年トップテン)などが低迷に苦しんだ。
ただし、小島よしお(2007年年間トップテン)のように低迷期を経てしばらく後に復活の兆しを見せるケースもある。