三菱地所

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三菱地所株式会社(みつびしじしょ)は、日本の大手不動産会社。総合デベロッパーとして、売上高三井不動産に次ぐ業界2位(2013年3月期連結決算)。

企業活動

三菱グループの中核企業の一つである。旧三菱財閥が開発した東京駅周辺の「大丸有地区」(大手町丸の内有楽町)に30棟以上のビルを保有しており、三菱東京UFJ銀行三菱商事三菱電機など三菱グループ主要各社の本社も多く集積していることから、丸の内一帯は「三菱村」と例えられることもある。また、横浜・みなとみらい地区の開発にも大きく関わっており、1993年には同地区のシンボルとも言える横浜ランドマークタワー(ビルとしては当時日本一の高さ)を開業させている。

現在は前述の大丸有地区において、1998年から2017年までの20年間で総額9,500億円を投資して高層ビルの建て替えをする都市再生事業を展開している。これは既存のビルを、業務・商業・文化機能が付加された超高層ビルに建て替える事で、街全体の魅力を向上させて新規ビルと既存ビルの入居率・賃料を向上させる戦略に基づいている。既にその「第1ステージ」(1998年 - 2007年)として、丸の内ビルディング(丸ビル)、日本工業倶楽部会館・三菱UFJ信託銀行本店ビル、丸の内オアゾ東京ビルディング新丸の内ビルディングザ・ペニンシュラ東京の6棟を新たにオープンさせた。

2008年から2017年までの「第2ステージ」では7-8棟を建て替える予定である。既に2009年に「第2ステージ・第1弾」として丸の内パークビルディング三菱一号館(古河ビル・丸ノ内八重洲ビル・三菱商事ビル3棟の一体建替計画)が、2012年1月に第2弾として丸の内永楽ビルディング(丸の内1-4計画、東銀ビル等3棟建て替え計画)が、2012年10月には第3弾として大手町フィナンシャルシティ ノースタワー・サウスタワー(大手町一丁目第2地区計画)を竣工させた。また「第2ステージ・第4弾」として、りそな・マルハビルと三菱東京UFJ銀行大手町ビルの建て替え計画(大手町1-1計画)が2016年度に竣工予定であり、第5弾としては富士ビル・東京會舘ビル・東京商工会議所ビル3棟の一体建て替え計画が2017年度中に、第6弾としては大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業が2016年度中に竣工予定である。

住宅事業ではグループ会社の三菱地所レジデンスが「ザ・パークハウス」のブランド名で展開する分譲マンション事業を主体とし(レジデンス分社化前は「パークハウス」)、都心の高級マンションの他、仙台市泉パークタウンに代表される郊外でのニュータウン開発にも多くの実績を持つ。三菱地所レジデンスは2011年全国分譲マンション供給戸数ランキングで1位(5,331戸)である。近年では不動産流動化スキームを用いた賃貸マンション(ブランド名「パークハビオ」)事業も積極的に展開している。

また、2000年代からは商業施設の開発・運営にも注力しており、丸の内エリアの商業化や、アウトレットモール(グループ会社の三菱地所・サイモンが「プレミアム・アウトレット」のブランド名で展開)の開発も積極的に進めているほか、2012年には商業施設の新たな基幹ブランド名称「MARK IS(マークイズ)」を策定し、その第一弾として2013年4月にMARK IS 静岡静岡市葵区)が、続けて同年6月にはMARK IS みなとみらい神奈川県横浜市)が開業した。さらに、「大阪最後の一等地」と称される大阪駅北地区(通称「北ヤード」・「うめきた」)の先行開発区域(グランフロント大阪)を代表事業者として落札し、2013年4月に街開きを迎えた。その他にも、高級ホテルチェーンであるロイヤルパークホテルズなどの運営を手掛けている。

沿革

青山の三菱地所「欠陥億ション」ネットの書き込みで発覚、異例の販売中止に(2014年2月)

三菱地所レジデンスが販売していた東京・港区青山の一等地に建設中の超高級マンション「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」が、工事の不具合が発覚して販売中止となった。その不具合というのが、「スリーブ」といわれる、水道管などを設置するための

「孔」が開いていなかったためというから、なんともお粗末だ。三菱地所とともに施工を請け負った鹿島建設に配管設備を担当した関電工と、「一流」の看板が泣いている。

解約に「迷惑料」含め「3倍返し」

アベノミクス効果もあって、東京23区内ではマンションが売れに売れている。そうした中で、南青山に建設中の超高級マンション「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」に、欠陥があったことが発覚した。売り主は三菱地所レジデンス、施工主は鹿島建設

、関電工が配管設備を請け負っていた。

物件は渋谷や六本木、広尾に近い、都心の高級住宅地。超一等地ということもあり、最高価格3億5000万円、最多価格帯が1億4000万円台という、いわゆる「億ション」。

ところが、欠陥が見つかったことで契約者への引き渡しは中止。引き渡し予定日が2014年3月20日に迫っていたことから、「合意解約のお願い」という異例の事態となった。

販売された86戸のうち、すでに83戸が契約済みで、購入した人もあわてている。中には現在の住まいの売却が決まっていたり、仮住まいだったりと、別途急いで住まいを探さなければならないかもしれない。

三菱地所は引き渡しの中止にあたり、1月25日、26日に説明会を開催。お詫びして、欠陥が見つかった経緯などを説明した。手付金の返金などについても、「こちらから契約解除をいうような状況ではなく、手付金をお戻ししたうえで迷惑料として手付金の2倍をお

支払する条件で、合意解約をお願いしました」(三菱地所)と話す。

「億ション」だけに、手付金は1000万円を超える。これに迷惑料と実損分(仮住まいの家賃など)の一部が加算されるので、契約者には3000万円を下らない金額が支払われる。

現在、原因の究明が続いているが、「原因の究明と是正工事に、少なくとも1年はかかりそう」。販売再開の見通しは立たず、建物を取り壊すような最悪の事態も「ゼロではない」と話す。

設計図を「施工図」に落とし込む過程で「孔」がなくなった

今回の物件の欠陥は、「スリーブ」といわれる、配管設備のための孔が開いていなかったことにある。具体的には、全部で6000あるはずのスリーブのうち、1割にあたる600か所の孔がなかったり、位置が間違っていたりした。そのうえ、配管を通そうと後から開け

た孔が、鉄筋を切ってしまった個所が見つかったという。

スリーブは建設工程の比較的初期段階の工事とされ、三菱地所は「通常では考えられないこと」と驚くが、「現時点でわかっていることは、施工の段階で設計図を『施工図』に落とし込み、すり合わせる過程があります。そこでの作業で、(孔が)なくなったよう

です」と説明。この作業は施工主である鹿島建設が行っているため、「これから協議していきますが、相応の責任は負ってもらいます」と話す。

ただ、問題はそのことがわかったのが、インターネット上にあったカキコミだったことだ。カキコミを見た契約者が問い質したことで事実確認が始まった。

三菱地所もその点を問題視しており、「誰が書き込んだものなのかはわかりませんが、他者からの指摘でわかったことは事実。今後、こうした建設中のチェック機能を強化する方策を検討していきます」と話している。

一方、三菱地所は今回の事態を受けて、施工中や販売中の物件のすべてで問題がないことを確認した。ブランドイメージの低下も懸念されるが、「他の物件への影響はない」とみている。

三菱地所:鹿島施工不具合、損失請求へ-南青山高級物件の販売中止で

三菱地所レジデンスの販売していた東京・青山の高級マンション「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」に工事の不具合が見つかり、同社は契約者への引き渡しを断念して、販売を中止した。三菱地所は施工した鹿島に損失を請求する方針を明らかにした。

三菱地所レジデンスがブルームバーグに対し電子メールで説明したところによると、2013年12月にネット掲示板に不具合に関する書き込みがあり、調査の結果、壁や床の配管用貫通孔が施工されていなかったり、位置が間違っていたりする欠陥が判明。3月20日としていた引き渡し日を4、5カ月延期することも検討したが、新たに梁にも問題が見つかり、是正には長期間を要し、引き渡しは1年以上遅れると最終的に判断。

同社は「責任をもって引き渡しできない」として、契約者に対しては合意解約を要請し、協議を進めている。販売された86戸のうち83戸が契約済みという。このマンションの施工を請け負ったのは鹿島 で、機械設備協力会社は関電工 、電気設備協力会社は浜野電設

鹿島は契約者や三菱地所レジデンスに対し、「多大な迷惑をお掛けし心よりお詫び申し上げる。二度とこのような事例を引き起さないように施工管理の徹底を図って行く」とコメントした。関電工の野本隆史広報担当は、「状況把握中」のためコメントを控えるとしている。

三菱地所広報担当の渡辺昌之氏は電話取材に対し、鹿島に損失を請求する方針を明らかにしたが、請求額はまだ決まっていないという。同社広報部の金森千佳氏によると、このマンションは販売価格が最高3億5000万円、最多価格帯で1億4000万円台。都心のフラッグシップマンション「ザ・パークハウス グラン」シリーズの第1弾として売り出された。

報道を受けて、鹿島株は一時7.9%安の352円で、2013年9月6日以来の日中安値をつけた。三菱地所株は2.9%安の2471円まで下げた。関電工株は10%安の470円まで下げた。下げ幅は2011年3月以来の大きさ。

南青山の高級物件を建て替えへ-費用は鹿島が負担

2014年3月17日、三菱地所が東京・南青山に建設中の高級マンションの工事に不具合が生じていた問題で、建て替えを決定したことが明らかになった。取り壊しと新たな建設費用は施工業者である鹿島建設が負担する。

三菱地所の渡辺昌之広報担当によれば、15、16の両日に都内で契約者向けに説明会を開き、こうした方針を伝えた。説明会には両日で7割以上の契約者が出席した。建て替えには3~4年かかる見通しで、建て替え完了後には現契約者は希望すれば優先的に入居のための再契約ができるという。

鹿島の株価は一時前週末比12円高(3.3%)まで上昇していたが、こうした報道が伝わると下落に転じ、終値は6円安(1.7%)の353円。三菱地所は一時同2.8%、関電工は同2.9%まで下落し、それぞれ45円安(1.9%)の2376円、12円安(2.3%)の507円で取引を終えた。

三菱地所は2012年に着工した同物件について、6月をめどに準備が整い次第取り壊しなど建て替えに着手するとしている。鹿島への求償額と内容についてはこれから検討するとしている。鹿島の横手誠一郎広報担当によれば、機械設備協力会社の関電工とも費用負担などについて今後協議していく。

三菱地所レジデンスが販売していた「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」は南青山7丁目に位置する全86戸。価格帯は1億4000万円台が中心で最高は3億5000万円と高級物件だった。工事の不具合が昨年12月に見つかり、契約者への引き渡しを断念し販売を中止していた。当初の引き渡し予定日は3月20日だった。

鹿島の広報部は「施工不具合により事業主や購入者に多大な迷惑を掛けており、深くお詫びする」などとコメント。また、「建て替えにより顧客に満足いただける建物を完成させることが施工主としての責務であると判断した」としている。

三菱地所は今年に入り契約者に対し合意解約を要請、協議を進めてきた。これまでの調査の結果、壁や床の配管用貫通孔が施工されていなかったり、位置が間違っていたりする欠陥が判明。新たに梁にも問題が見つかった。是正には長期間を要すると判断したため、契約をいったん解除し、問題箇所の是正工事を行うか全てを建て替えるかなどの選択肢を検討していた。

複数のアナリストは、建て替えに必要な費用について、今後の資材価格の変化などにもよるが、取り壊しも含めて約60億円から100億円に上ると予測している。

三菱地所の渡辺氏は今回の建て替えについて、同じ場所に住みたいなど契約者の多くが建て替えを希望したことから実施することを決定したと述べた。建て替えの費用についてはコメントしなかった。

六本木通りに近い南青山7丁目の建築現場は、周囲に住居や商業施設が立ち並ぶ。新たな工事にはあらためて近隣の協力も必要となる。三菱地所によれば、工事は地中の基礎は残したまま、地下の駐車場や地上の建物を解体して建て替える予定。

関電工の野本隆史広報担当は、今後の賠償や新たな負担については鹿島と「今後協議していく」とコメントしている。

主なビル・商業施設・住宅開発等

以下には自社グループ保有物件のほか、共同事業物件、他保有者からのプロパティマネジメント受託物件を含む。なお、住宅(マンション)については総戸数が概ね300戸以上の大規模マンションを記載している。

東京都内

千代田区

港区

中央区

新宿区

  • 新宿フロントスクエア
  • 新宿イーストサイドスクエア
    • パークハビオ新宿イーストサイドタワー
  • ザ・センター東京
  • シタディーン新宿

渋谷区

豊島区

文京区

  • 本郷パークハウス ザ・プレミアフォート

世田谷区

  • パークハウス フォレストリエ

中野区

足立区

台東区

  • 浅草タワー

葛飾区

  • ザ・パークハウス青砥

江東区

品川区

  • 大崎フロントタワー

大田区

  • (仮称)ロイヤルパークホテル ザ 羽田(2014年竣工予定)
  • パークハウス多摩川
  • ザ・リバープレイス

都下

首都圏(東京都以外)

神奈川県

千葉県

  • 酒々井プレミアム・アウトレット
  • PAT稲毛
  • ちばリサーチパーク
    • 麻倉ゴルフ倶楽部
  • 幕張ベイタウン
  • 新松戸パークハウス
  • エールの丘
  • 千葉みなとパークハウス
  • パークハウスプレシア
  • パークハウスプレシアタワー
  • グリーンゲートシティ
  • ザ・パークハウス津田沼奏の杜
  • ザ・パークハウス新検見川

埼玉県

  • パークハウスさいたま新都心MID TOWER
  • 志木ガーデンヒルズ

茨城県

栃木県

中部地方

愛知県

静岡県

岐阜県

石川県

  • 金沢パークビル
  • 金沢西インターグリーンシティ

近畿地方

大阪府

京都府

  • 四条烏丸センタービル
  • ロイヤルパークホテル ザ 京都
  • シタディーン京都 烏丸五条

兵庫県

その他

北海道

  • 北海道ビル
  • 新北海道ビル
  • 札幌北ビル
  • マルヤマクラス
  • 森林公園パークタウン
  • おたる望洋パークタウン
  • 緑苑台ニュータウン

宮城県

岡山県

広島県

福岡県

佐賀県

日本国外

アメリカ合衆国

イギリス

中華人民共和国

  • 瀋陽パークアウトレット
  • (仮称)蘇州市蘇州工業園区複合開発事業(2014年竣工予定)
  • (仮称)上海嘉南大規模住宅開発事業(2013年竣工予定)
  • (仮称)四川省成都市大規模住宅開発事業(2012年末着工予定)

ベトナム

  • (仮称)ハノイ市・ホーチミン市大規模マンション開発事業

シンガポール

  • (仮称)ビシャン セントラル超高層マンション開発事業(2014年竣工予定)

コンプライアンス

大阪アメニティパーク(OAP)の分譲マンション販売に際して、土壌汚染の事実を顧客に告げずに販売していた問題が発覚。2005年宅地建物取引業法違反(重要事実の不告知)の容疑で、共同事業者の三菱マテリアル大林組などと共に書類送検され、当時の代表取締役社長であった髙木茂が引責辞任した。

再発防止に鑑み、社外有識者から客観的な視点に基づく再発防止に向けたコンプライアンス体制のチェックと強化、改善の提言を行い、あわせて企業体質の改善に関する提言を行うことを目的とするコンプライアンス委員会が設置された。

TIPS

1990年代中頃まで、三菱地所が設計・監理に関わったビルの多くは、日本語の正式名称を「○○ビルヂング」と表記していた。この表記は、英語の"Building"は"d"を含む発音であるため、日本語に直す際にザ行の「ジ」(日本式ローマ字でzi)ではなく、ダ行の「」(日本式ローマ字でdi)を当てたために生まれたとされている。2002年に完成した丸の内ビルディング以降、「ディ」が採用されるようになっている。

歴代社長

歴代の三菱地所社長
代数 氏名 在任期間 出身校
初代 渡辺武次郎 1952 - 1969 東京高等商業学校
第2代 中田乙一 1969 - 1980 小樽高等商業学校
第3代 伊藤達二 1980 - 1987 東京商科大学
第4代 髙木丈太郎 1987 - 1994 中央大学経済学部
第5代 福澤武 1994 - 2001 慶應義塾大学法学部
第6代 髙木茂 2001 - 2005 慶應義塾大学経済学部
第7代 木村惠司 2005 - 2011 東京大学経済学部
第8代 杉山博孝 2011 - 一橋大学経済学部

関連会社

ビル事業

ビル賃貸事業

ビル運営・管理事業

駐車場事業

  • グランドパーキングセンター
  • 東京ガレーヂ

地域冷暖房事業

  • 丸の内熱供給
  • 池袋地域冷暖房
  • オー・エー・ピー熱供給
  • みなとみらい二十一熱供給

その他の事業

住宅事業

不動産販売事業

住宅管理事業

余暇事業

その他の事業

都市開発事業

  • アスコットジャパン

海外事業

  • ロックフェラーグループ
  • 三菱地所ニューヨーク
  • メックユーケー
  • 三菱地所アジア

投資マネジメント事業

  • 三菱地所投資顧問
  • ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント

設計監理事業

ホテル事業

不動産サービス事業

その他の事業

  • メック情報開発
  • メックヒューマンリソース
  • 京葉土地開発

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関連項目

外部リンク

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