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2020年1月17日 (金) 21:56時点における最新版
味の素株式会社(あじのもと)は、日本の食品企業である。「味の素」は、同社が製造販売するL-グルタミン酸ナトリウムを主成分とするうま味調味料で、同社の登録商標(登録番号第34220号他)。同社の製品には「味の素KK」のブランドが表記されていることが多いが、実際の英文表記はAjinomoto Co., Inc.である。
目次
概要[編集]
事業内容[編集]
食品会社として広く認知されているが、化粧品ブランド「Jino」の製造販売など、アミノ酸生産技術を活用したケミカル事業・医薬事業も行っている。
食品事業[編集]
「味の素」「ほんだし」「クノール」「Cook Do」の商品はマーケットシェアNo.1。
- 調味料:味の素、ハイミー、アジシオ、ほんだし など
- 加工食品:クノール、Cook Do、ピュアセレクトマヨネーズ など
- 外食・デリカ
- 冷凍食品(製造は主に味の素冷凍食品が担当)
- 海外食品:うま味調味料、風味調味料、メニュー用調味料、飲料、即席麺、スープ、レトルトカレー など
- 提携事業:油脂(J-オイルミルズ)、コーヒー(味の素ゼネラルフーヅ)、香辛料(ギャバン)、かつおぶし(ヤマキ)
アミノ酸事業[編集]
グルタミン酸をはじめ、発酵法によるアミノ酸製造技術の評価は高く、アミノ酸に関しては世界のリーディングカンパニーの地位にある。(マーケットシェア:リジン35%、スレオニン70%、トリプトファン70~80%)
- アミノ酸事業
- 栄養食品事業:アミノバイタル
- 甘味料事業:アスパルテーム
- 化成品事業:香粧品事業(「Jino」ブランド)、ケミカル事業(電材)。かつては化学薬品(カセイソーダ、塩素、塩酸、次亜塩素酸ソーダ)と肥料(アミノ酸を活用した「エスサン肥料」)を川崎工場で展開していたが、現在は撤退。
- 医薬中間体事業
- 飼料用アミノ酸事業
医薬事業[編集]
以下の3分野に重点を置いている。
沿革[編集]
- 1907年(明治40年) - 合資会社鈴木製薬所を設立
- 1908年(明治41年) - 池田菊苗がグルタミン酸ナトリウムの製造法特許取得
- 1909年(明治42年)5月20日 - 「味の素」(中瓶30gで50銭だった)の一般発売開始(創業の日)
- 1912年 - 合資会社鈴木商店に社名変更(双日などの前身の鈴木商店とは無関係)
- 1917年(大正6年)6月17日 - 株式会社鈴木商店を設立(創立の日)
- 1917年(大正6年)7月 - ニューヨーク事務所開設、日本国外進出
- 1925年(大正14年)12月17日 - 株式会社鈴木商店と合資会社鈴木商店を統合し株式会社鈴木商店を新設(設立の日)
- 1932年(昭和7年) - 味の素本舗 株式会社鈴木商店に社名変更
- 1946年(昭和21年) - 味の素株式会社に社名変更
- 1951年(昭和26年) - それまでの単なる「瓶入り」から現在のような穴付き容器の「ふりかけ式」に容器を変更。これにより売り上げを伸ばす。
- 1981年(昭和56年) - 医薬事業に参入
- 1986年(昭和61年) - 消費者向け商標を「味の素KK」から“AJINOMOTO”に変更、同時に新キャッチコピー「生活のごちそうは、きっと笑顔だ。」を制定(1月)。
- 1991年(平成3年) - カルピス食品工業(現:カルピス)の第三者割当増資を引き受け、味の素グループ傘下におさめる。
- 1995年(平成7年) - 「アミノバイタル」を発売(現・所属選手の谷川真理がCMなどで宣伝中)
- 1999年(平成11年)10月1日 - 現行のロゴに変更。同時にコーポレートスローガンを「あしたのもと AJINOMOTO」に変更。
- 2007年(平成19年)3月 - 鰹節メーカーのヤマキと業務・資本提携を締結、ヤマキを持分法適用会社化した。
- 2007年(平成19年)10月1日 - カルピス株式会社を完全子会社化した。
- 2009年(平成21年)5月20日 - 創業100周年。
- 2010年(平成22年)4月1日
- 2012年(平成24年)10月 - カルピスの全株をアサヒグループホールディングスに譲渡。
- 2014年(平成26年)10月 - 英文表記のコーポレートスローガンに実質全面統一。今後、新規制作分のCMにも順次導入していく方針。
歴代社長[編集]
事業所[編集]
- 本社:東京都中央区京橋一丁目15番1号
- 支社:東京、東北(仙台市)、名古屋、大阪、九州(福岡市)
- 支店:関東(さいたま市)、中国(広島市)、北陸 (金沢市)、四国(高松市)
- 工場:川崎事業所、東海事業所(四日市市)、九州事業所(佐賀市)、医薬研究所(川崎市)
- 主要工場・研究施設は川崎事業所にあり、現在は部分的に改築を進めている。
- 川崎事業所の所在地である「鈴木町」の地名は、創業者鈴木三郎助に由来する。
歴代のコーポレートスローガン[編集]
- おいしく食べて健康づくりの味の素K.K.
- 生活のごちそうは、きっと笑顔だ。AJINOMOTO
- (提供スポンサー読みは『生活に笑顔をお届けする味の素』であった)
- ちゃんとちゃんとのAJINOMOTO(1996年4月~1999年6月)
- あしたのもとAJINOMOTO(1999年7月~2010年3月)
- おいしさ、そして、いのちへ。 Eat Well, Live Well. AJINOMOTO(2010年4月~2014年9月)
- Eat Well, Live Well. AJINOMOTO(2014年10月~)
- (TVCMでは2009年(平成21年)10月から創業100周年記念スローガンとして先行導入されていた。30秒版・60秒版のTVCMや提供読みでは2010年4月から2014年9月までは日本語表記の『おいしさ、そして、いのちへ。』のみを用いた。2014年10月以降は英文の"Eat Well, Live Well."を用いる。30秒版TVCMではサウンドロゴの前にスローガンがナレーションされるが、企業CM以外はサウンドロゴと重なる。)
関連企業[編集]
味の素グループ も参照
- 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)
- 味の素パッケージング
- 味の素製薬 - 医薬品の製造・販売。2010年(平成22年)4月に、味の素本体の医薬品事業部と、味の素ファルマ・味の素メディカの両社が統合して発足した。
- 味の素冷凍食品
- 味の素ベーカリー
- 味の素ヘルシーサプライ
- 味の素ファインテクノ
- 味の素物流 - 味の素グループの他にも食品メーカーや、外食チェーンの物流も受託している。
- 味の素エンジニアリング
- 味の素コミュニケーションズ
- 味の素トレーディング
- 味の素トレジャリー・マネジメント
- J-オイルミルズ - 旧味の素製油・ホーネンコーポレーション・吉原製油の3社が統合
- プリマハム - 味の素が大株主
- 伊藤ハム - 2008年(平成20年)に業務提携
- 日本ケロッグ - 一部商品を味の素が販売する業務提携
- カルピス - 一時期味の素グループの一員だったが、2012年(平成24年)にアサヒグループホールディングスへ売却され、グループから離脱。
- クノール食品
- クノールトレーディング
- クノールサービス
- 北海道クノール食品
- シマダヤ
- ヤマキ
- 黒川乳業
- デリカエース
- 日本プロテイン
- 川研ファインケミカル
- ジーノ
- ハウス食品 - かつて味の素が大株主であった。現在はギャバンと提携し、同社の家庭向け商品を販売。
- ダノンジャパン - 旧カルピス味の素ダノン。2007年(平成19年)にダノンの100%出資の子会社となったため、グループから離脱。
- メルシャン - 味の素が筆頭株主だったが、麒麟麦酒(キリンホールディングス)がTOB(味の素も賛同・参加)により2007年(平成19年)7月に事業子会社化。
- Ajinomoto Aminoscience LCC - Ajinomoto USA, Inc.の子会社。Ajipureブランドで、アメリカのcGMPs(医薬品適正製造基準)品質のBCAA等を製造。
- NRIシステムテクノ - かつて味の素100%子会社であったが、51%の株式を野村総合研究所に譲渡し、持分法適用会社となった。
調味料「味の素」[編集]
1908年(明治41年)、東京帝国大学教授の池田菊苗が昆布のうま味成分はグルタミン酸ナトリウムであることを発見、創業者の二代目鈴木三郎助が工業化に成功した。
開発当初は「味精」という名称であり、中国など漢字文化圏では、現在も「味精」と呼ばれている。「味の素」を商標登録した際には、石油系材料の表記を巡って、争われた。登録後は「味の素」は、日本ではうま味調味料の代名詞とされるほど普及した。
「味の素」の主な原材料はL-グルタミン酸ナトリウム。グルタミン酸ナトリウム(グルタミン酸ソーダ)はグルタミン酸のナトリウム塩のことで、この物質のL体が調味料として使用されている。現在ではうま味調味料(現在「アミノ酸等」と商品には表示)と呼ばれる。製品には鰹節、シイタケのうま味成分である5'-リボヌクレオタイドナトリウム(呈味性ヌクレオチドのイノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムなど)を2.5%配合している。
製法[編集]
食用グルタミン酸ナトリウム生産の先駆けである味の素社は当初小麦などのグルテンを加水分解することによって生産していた。しかし、コストが非常に高くつくため、石油由来成分(アクリロニトリルなど)による合成など様々な手法が試みられた[1]。しかし協和発酵工業(現・協和発酵キリン)によりグルタミン酸生産菌が発見され、これに廃糖蜜(サトウキビから砂糖を搾り取った残滓)あるいは米などをエネルギー源として与え発酵させてグルタミン酸を得る手法が安全性、コスト面において優れていることから、現在ではこのグルタミン酸生産菌による発酵法が主流となっている。発酵過程でビオチンを阻害するなどの、グルタミン酸生産菌のグルタミン酸生産を活性化する添加剤や、窒素源(硫酸アンモニウムなど)、発泡を調整する薬剤(消泡剤)が加えられる。[2]
グルタミン酸 も参照
害性・安全性[編集]
1968年(昭和43年)に中華料理を食べた人が、頭痛、歯痛、顔面の紅潮、体の痺れなどの症状を訴えた中華料理店症候群 (Chinese Restaurant Syndrome) 。1969年(昭和44年)には、マウスおよびラットによる実験で幼体への視床下部などへの悪影響が指摘され、JECFA(国際連合食糧農業機関 (FAO) と世界保健機関 (WHO) の合同食品添加物専門家会議) は1974年(昭和49年)に一日許容摂取量 (ADI) を 120 mg/kg 以下と定めた。
味の素は、1970年代までは石油製法で製造しており、1960年代から1970年代にかけて、その害毒性が議論された。1969年(昭和44年)には第61回国会 科学技術振興対策特別委員会でもとりあげられた[3]。 当時、味の素にはグルタミン酸ソーダになるノルマルパラフィンを原料とした石油製品が入っていて、成分の3割を占めた。1969年(昭和44年)当時、グルタミン酸ソーダは、味の素株式会社だけが石油製法によって製造していた[4]。石油由来原料のアクリロニトリル、またノルマルパラフィンからは醋酸が生成され、それらによって、グルタミン酸が製造されていた[5]。
アクリロニトリルやノルマルパラフィンを使用した石油製法の害性について、メーカー大手である協和醗酵工業(現:協和発酵キリン)は、石油(具体的には灯油、軽油)の中に含まれている有害なタールをどうしてなくすかといった技術的な問題が残されていると言明[6]。タールは、発ガン性が強く、グルタミン酸ソーダが99度の純度とすると、残り1%の不純物があり、その不純物の中に有害なタール分が残留していないかどうかについては、当時は検査されていなかった。これについて味の素のアミノ酸開発部長は「研究を進めていないといえばうそになるでしょう。」「毒性試験を進める過程で動物一代だけの実験結果ではだめ。二代目、三代目の影響、ひいてはこれを食用にする人間も二世、三世にどのような影響があるか、これをデータで納得させねばいけない。」「これらデータを作成するには、一企業だけでは無理」と答弁した[7]。
1972年(昭和47年)に味付昆布にグルタミン酸ナトリウムを「増量剤」として使用し、健康被害が起きた事故があった。その症状は中華料理店症候群に似たものであった(頭痛、上半身感覚異常等)が、問題の商品には、製品の25.92%~43.60%のグルタミン酸ナトリウムが検出され「調味料としての一般的な使用」とは程遠いものであった。[8]。
その後、JECFAなどで繰り返し追試を行った結果、通常の経口摂取ではヒトに対する毒性はなく、中華料理店症候群を引き起こす証拠も見当たらないという結論に達した。米国食品医薬品局 (FDA)、ヨーロッパ食品情報会議 (EUFIC)、欧州連合食品科学委員会 (SCF) なども同様の評価を下している。現在JECFAはグルタミン酸ナトリウムの一日許容摂取量を「なし」としている[9]。FDAもグルタミン酸ナトリウムをGRAS (Generally Recognized As Safe) として、食酢や食塩と同等の安全性であることを認めている。
しかし米国では、今もってグルタミン酸ナトリウムの摂取が、脳などに深刻な被害を及ぼすと考える人々が存在する [2] [3]。また、「NO MSG」(グルタミン酸ナトリウム不使用)を宣伝文句にした、調味料や中華料理店などが現在でも数多く存在する。
2002年(平成14年)に発表された弘前大学の大黒らの報告によると、高濃度のグルタミン酸ナトリウムを摂取させたラットの目には障害が発生しやすいという[10][11]。大黒らは、このことがグルタミン酸ナトリウムが欧米に比べて広く使われているアジアで緑内障が多い原因のひとつではないかと述べている。
また、多量の遊離グルタミン酸を体内で処理できない特異体質者やアレルギー・ぜんそく患者は、摂取すると体調や症状の悪化を招く恐れがある。
味覚飽和の問題[編集]
グルタミン酸ナトリウムの性質として、味覚から過剰摂取を感知できないという問題がある。通常、塩などの調味料は投入過剰状態になると「塩っぱすぎる(辛すぎる)」状態となり、味の濃さを感じることで過剰摂取に気づくことができるが、グルタミン酸ナトリウムはある程度の分量を超えると味覚の感受性が飽和状態になり、味の濃さが変わらず同じような味に感じるため、過剰摂取に気づきにくく、また飲食店も過剰投入してしまいがちになってしまう。その結果、調味料としての通常の使用では考えられない分量のグルタミン酸ナトリウムを摂取してしまう場合があり、注意が必要である。[12]。
「うま味調味料」には「ハイミー」(味の素)、「シマヤだしの素」(シマヤ)、「フレーブ」(ヤマサ醤油)、「いの一番」(武田薬品工業→武田食品工業→キリンフードテック→キリン協和フーズ→MCフードスペシャリティーズ)、「ミタス」(旭化成→日本たばこ産業→富士食品工業)、「味楽」(新進)、「グルエース」(キリン協和フーズ→MCフードスペシャリティーズ)、「味元」(韓国・大象)、「味全」(台湾・味全食品工業)などがあり、類似商品・商標に対して法的手段に訴えたこともある。「ハイミー」はリボヌクレオタイドナトリウム(呈味性ヌクレオチド)の含有量を8%にまで引き上げた派生商品である。
その他[編集]
- 1909年(明治42年)の発売当初は、新製品だったことに加え、なかなか売れずに苦戦を強いられたが、鈴木が販売促進のために大阪に出掛けたところ、うどんが食文化として定着していたことや、またうどんの出汁を昆布で取ることから、昆布のうま味成分を抽出した味の素は格好の市場となり、鈴木は大阪市内のうどん屋や高級料亭などに向けて、味の素を売り込みに回ると共に、大阪で大きな足掛かりを築き、これがその後の味の素の評判につながることになる。また「大阪の食文化への貢献」もあり、1996年(平成8年)には「ほんだし うどんおんでんだし」(通称・どんでん、現在は販売終了)の発売に際し、吉本興業の所属タレント・坂田利夫をテレビCM[13]に起用したり、また関西テレビの制作で関西ローカルで放送された「素のよしもと」のスポンサーを担当するなど、今日に至るまで吉本興業との関係が続いている[14]。
- 「原料は石油」と噂が広がった。グルタミン酸は石油由来原料のアクリロニトリルからも製造されていた時代もあった(上記節「毒性」参照[15])。
- 1917年(大正6年)頃には、「味の素の原料はヘビだ」という噂が流れた。大道商売の薬売りが、売り口上として面白おかしく語ったことに端を発するのだが、これが宮武外骨が刊行していた『滑稽新聞』に取り上げられ、一般に広まった為、売り上げが激減した。これを受け、当時の製造元であった鈴木商店は、東京朝日新聞などの新聞広告でこの噂は嘘だと反論したが、逆にこれが噂をさらに広げる結果となり、売上減は続いたが、関東大震災の際、原材料だった小麦粉を救援物資として放出したことで、この噂は沈静化した。
- 「人の毛髪原料説」なる噂も存在するが事実ではない。
- 企業における柔軟な発想の転換の重要性を表す例として「味の素は売上(消費)促進の為に瓶の蓋の穴を大きくした」、と語られることがあるが、公式には否定されている[16]。
味の素をめぐる事件[編集]
国際カルテル事件[編集]
2000年(平成12年)、長年に渡って飼料添加物リジンを巡る国際カルテルに加担していたことがFBIによって暴露された。
「競合企業は友、顧客企業は敵」を合言葉にアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)が主導し、協和発酵、味元、第一毛織などリジンに関するあらゆる世界的企業が参加した価格設定の会議に味の素の重役も出席していたことが、FBIの盗撮によって明らかになった。証拠として少なくとも1993年(平成5年)から1995年(平成7年)の映像が存在した。[17]
後にスティーブン・ソダーバーグによって映画化された(『インフォーマント!』)。
総会屋への利益供与事件[編集]
1997年(平成9年)に商法違反事件が発覚し、総会屋に対し利益供与を行っていたとして、担当社員が起訴された。起訴事由の供与金額は1千万円ほどだったが、実際には1億円もの金額が動いたという説もあり、経営陣の関与も取りざたされた。当時は、大手証券会社などが同様の事案で次々と立件され社会問題となっていたが、同社は国民生活に密着した企業だけに、イメージダウンは大きかった。「ちゃんとちゃんとの味の素」というキャッチフレーズを使用したテレビCMの放送が中止され(公共広告機構(現:ACジャパン)に差し替え)、日本テレビ系の「ごちそうさま」などメインスポンサーを務めていた番組が打ち切りになった。当時、同社で総会屋対策に当たっていた石神隆夫が『汚れ役 -「味の素総務部」裏ファイル』(太田出版)という本を出版している。
味の素追放事件[編集]
2000年(平成12年)、インドネシアで、「味の素」の原料にイスラームで禁忌[18]とされている豚肉が使用されている疑いがあるという噂が流れた。材料として豚の成分を使用してはいなかったが、発酵菌の栄養源を作る過程で触媒として豚の酵素を使用していたために、現地法人の社長が逮捕され、味の素製品は同国の食料品店から姿を消した。同社は2001年(平成13年)2月に商品の回収を終了、触媒を変更したことにより販売許可(Halal)が下り、社長も釈放され、製造販売を再開した[19]。
イスラームの食品禁忌については「ハラル」、「ハラム」、「肉食」を参照
特許報奨金訴訟[編集]
2002年(平成14年)9月20日、人工甘味料アスパルテームの製造法を開発した元社員が、発明特許の対価として20億円を請求する旨の訴えを東京地裁に起こした。元社員は退職時に特許報奨金として1,000万円を受け取っていたが、2004年(平成16年)2月24日、同地裁は、発明に対する相当対価額は1億9,935万円であるとして、会社側に対し、支払い済みの1,000万円を差し引いた1億8,935万円の支払いを命じた。この一審判決に対して味の素、元社員ともに控訴したが、二審の東京高裁で強い和解勧告を受け、会社側が元社員に1億5,000万円を支払うことで決着した。
社章[編集]
1960年代までは漢字の「三」と「S」を組み合わせたものが用いられたが、これは創業者・鈴木三郎助のイニシャルに由来。(かつての商品だった「エスサン肥料」も同様)。当時関連企業だった三楽オーシャン(現・メルシャン)も○で「三」と「S」を囲んだマークを用いていた。
1970年代以降は、勝井三雄デザインによる「●」に「a」を白抜きであしらったマークになり、株券や医薬品のパッケージ、タンク車の荷主表示部分に使われている。
2009年からは創業100周年を迎えたことにより、1999年から使用している「AJINOMOTO」の現行ロゴマークを正式な社章として使用している。
命名権[編集]
以下の3つの施設の命名権(ネーミングライツ)を取得している。
- 「味の素スタジアム」
- 「味の素ナショナルトレーニングセンター」
- 「味の素フィールド西が丘」
- 国立西が丘サッカー場(東京都北区)に対して命名。
- 契約金額は、2012年(平成24年)5月1日から5年間、契約金は7500万円[21]。
提供番組[編集]
※ ●印は一社提供
- 現在
- フジテレビ木曜劇場(2011年4月現在90秒の筆頭スポンサー。2008年3月までは60秒、2010年4月から9月までは120秒だった(7月1日は90秒)。隔月=偶数月担当でAGF=奇数月担当と交互にクレジットされている。関連会社のヤマキもCMが放映されることもある)
- バイキング(フジテレビ2014年4月~隔日12:50~12:55頃、関連会社のヤマキや味の素ゼネラルフーヅのCMが放映されることもある)
- 超潜入!リアルスコープハイパー(フジテレビ 土曜夜7時枠は2008年4月~2012年9月までは1分提供)
- サザエさん(フジテレビ 2012年10月~、「とくダネ!」金曜2部から移行。「バイキング」同様にヤマキ・AGFのCMが流れることもある)
- FNSの日(フジテレビ系列 同社は2002年から連続提供。2009年のみAGF扱い)
- 日テレ土曜ドラマ(2009年4月期から、火曜ドラマから移動しキヤノンから提供枠を引き継いだ、60秒 但し、「高校生レストラン」(2011年4月~7月2日)では休止。)
- スッキリ!!(日本テレビ、~2012年10月は隔日提供。2012年11月からは毎週月曜~金曜の提供。)
- モヤモヤさまぁ~ず2(テレビ東京系、2012年1月~2013年9月までは30秒、2013年10月からは60秒)
- ●YOSHI!SPO!VITAL!(関西テレビ)
- SCHOOL OF LOCK!(TOKYO FM木曜日 2013年1月~)
- ●〜世界にひとつ〜ミラクルレシピ!(テレビ朝日 2013年4月~。『ウチゴハン』から移動)
- ●母の味宅配便(BSジャパン)
- 過去
- いまどき!ごはん(テレビ朝日)
- 愛の劇場(08/12/1~17)
- 欽ちゃんのどこまでやるの!?(テレビ朝日)(番組スタート以来、後番組までの1986年12月まで提供。)
- 月曜ロードショー(TBS)
- 土曜ワイド劇場 (テレビ朝日)(1987年10月~2000年3月まで複数社提供の1社)
- TBS金曜9時枠の連続ドラマ
- 日本テレビ水曜ドラマ
- 午後は○○おもいッきりテレビ(日本テレビ・隔日)
- ●ミッキーマウス・クラブ(日本テレビ)
- ●味の素ホイホイ・ミュージック・スクール(日本テレビ)
- ●弁慶(日本テレビ)
- ●九ちゃん!(日本テレビ)
- ●イチ・ニのキュー!(日本テレビ)
- 前田武彦の天下のライバル(日本テレビ)
- なんでもやりまショー(日本テレビ)
- ●ごちそうさま(日本テレビ)
- ●テレビくん、どうも(フジテレビ)
- ●おもしろ流行通信(TBS)
- ●合言葉は音楽気分!(TBS)
- ●ほんパラ!関口堂書店→ほんパラ!痛快ゼミナール(テレビ朝日)
- ●笑顔がごちそう ウチゴハン(テレビ朝日)
- ●素のよしもと(関西テレビ)
- 火曜ドラマ (日本テレビ) (2008年4月~、同年4月から最後まで60秒の筆頭提供)
- Gメン99(TBS 2014年4月~)
- ドリーム・プレス社(TBS)
- ひるドラ(TBS系列・毎日放送と中部日本放送と交互制作)
- ビートたけしのスポーツ大将(テレビ朝日)
- いきなり!黄金伝説。(テレビ朝日)
- 日曜洋画劇場(テレビ朝日)
- ちびまる子ちゃん (フジテレビ)
- ●クイズくいず食図(テレビ東京)
- 開運!なんでも鑑定団(テレビ東京)
- もしもツアーズ(フジテレビ・関東地区のみ提供)
- 出没!アド街ック天国(テレビ東京、~2011年9月)
- 世界は言葉でできている
- ヒルナンデス!(日本テレビ・隔日、2011年4月~9月)
- 笑っていいとも(フジテレビ)
- フジテレビ土曜19時台
- 脳内エステ IQサプリ→爆笑レッドカーペット→人志松本の○○な話→(株)世界衝撃映像社→潜入!リアルスコープ→リアルスコープZ
- 「爆笑レッドカーペット」~「(株)世界衝撃映像社」の放送期間は木曜劇場と同様、隔月=奇数月担当でAGF=偶数月担当と交互にクレジットされていた。「世界衝撃映像社」までは隔週毎に前後半入れ替えたが、「リアルスコープ」から後半枠に固定。また、「世界衝撃」まではAGFのCMが放映されたが、「リアルスコープ」から稀にヤマキのCMが流れる。)
- ※ただし、同枠がプロ野球中継などに急遽差し替わる場合、CMとスポンサー枠を返上し、年末年始を含む単発特番へ提供番組変更することもあり。
CM出演者[編集]
現在[編集]
- 小栗旬(味の素、ほんだし) - 過去には「クノールカップスープ」、企業CM[22]にも出演
- 櫻井翔(冷凍食品)
- 川口春奈(クノールカップスープ)
- 加藤清史郎(クノールカップスープ)
- 未知やすえ(クックドゥ、関西地区限定)
- 林裕人(ほんだし、関西地区限定)
- 山口智充(DonDokoDon)(クックドゥ、ほコ丸(ほんだし・コンソメ・丸鶏がらスープ)) -同社の一社提供番組「笑顔がごちそう ウチゴハン」の司会も担当。
- 杉咲花 (クックドゥ)
- 沢村一樹(コンソメ)
- 向井理(丸鶏がらスープ、クノール・スープDELI)
- 菅野美穂(ピュアセレクト)
- 松重豊(クックドゥきょうの大皿)
- 前田旺志郎(まえだまえだ)(クックドゥきょうの大皿)
過去[編集]
- 佐野量子(味の素)
- 坂本九(味の素)景品限定のオリジナル・ソング(タイトルは「マイ・ファミリー味の素」)も歌っていた。
- 原辰徳(味の素)
- 阿川佐和子(味の素)
- アンディ・ウィリアムス(味の素)同上
- 天地真理(マヨネーズ)
- 秋野暢子(コンソメ)
- 田中律子(コンソメ)
- 瀬戸朝香(コンソメ)
- 高橋ゆかり(企業イメージ『生活のごちそうは、きっと笑顔だ。』(恋は、なんだか力仕事です) )
- 牧瀬里穂(企業イメージ『ちゃんと、ちゃんとの味の素』)
- 久米宏(中華料理)
- 木梨憲武(とんねるず)(クックドゥ)
- 樋口可南子(クックドゥ)
- 黒柳徹子(クックドゥ、中華あじ)
- 安田成美(クックドゥ)
- 近藤芳正(クックドゥ)
- 三吉彩花(クックドゥ)
- 妻夫木聡(クックドゥ)
- 馬渕英俚可(クックドゥ)
- 江角マキコ(クックドゥ) - 「笑顔がごちそう ウチゴハン」の司会も担当。
- 高岡早紀(冷凍食品)
- 藤田まこと(冷凍食品)
- 高嶋政伸(冷凍食品)
- SMAP(クノールカップスープ)
- 小泉今日子(クノールカップスープ)
- 内山理名(クノールカップスープ)
- 観月ありさ(クノールカップスープ)
- 広末涼子(クノールカップスープ、冷凍食品)
- 鈴木杏(クノールカップスープ)
- 斉藤とも子(クノールカップスープ)
- 長澤まさみ(クノールカップスープ)
- 川島海荷(クノールカップスープ)
- 三浦春馬(クノールカップスープ) - 「つけパンVSひたパン」でつけパン派で登場。
- 北川景子(クノールカップスープ) - 「つけパンVSひたパン」でひたパン派で登場。
- 宮川大輔(クノールカップスープ) - 「つけパンVSひたパン」で謎の第三勢力(なまパン派)として登場。
- 井ノ原快彦(V6)(クノールカップスープ)
- 横山裕(関ジャニ∞)(クノールカップスープ)
- 手越祐也(NEWS)(クノールカップスープ)
- 宮崎あおい(ほんだし・クノールカップスープ)
- 池内淳子(ほんだし・クノールカップスープ)
- 南こうせつ(ほんだし)
- 樹木希林(ほんだし)
- 田中麗奈(ほんだし)
- 国仲涼子(味の素の基本だし)
- 相武紗季(味の素の基本だし・やさしお)
- 三田佳子(ほんだし)
- 宮沢りえ(ほんだし)
- 三ツ矢歌子(味の素ギフト)
- 五木ひろし(味の素ギフト)
- 中村雅俊(味の素ギフト、やさしお(相武紗希と共演))
- 石坂浩二(味の素ギフト)
- 紺野美沙子(味の素ギフト)
- 加山雄三(味の素ギフト)
- 小堺一機(味の素ギフト)
- アグネス・チャン(味の素ギフト)
- 織田裕二(味の素ギフト、健康サララ、アミノバイタル)
- 柴咲コウ(レッツクイックパスタ)
- 高島忠夫(パルスイート) 妻・寿美花代とともに、かつての同社一社提供番組「ごちそうさま」の司会を担当していた。
- 井川遥(パルスイート)
- 松平健(パルスイート)
- にしきのあきら(マリーナ)
- 清水由貴子(マリーナ)
- 渡部絵美(マリーナ)
- The Good-Bye(マリーナ)
- 片岡鶴太郎(マリーナ、健康サララ)
- ベティ・ブープ(マヨネーズ:1978年(昭和53年))
- 伊丹十三(マヨネーズ)
- 宮本信子(マヨネーズ)
- 中尾彬(健康サララ)
- 石田ゆり子(ほんだし煮物上手)
- 小林桂樹(ほんだし煮物上手)
- 中山美穂(やさしお)
- 岡田彰布(どんでん)
- 坂田利夫(どんでん)
- 市原悦子(ハイミー)
- 高峰秀子(ハイミー)
- 松田美由紀(冷凍食品)
- オードリー(アミノバイタル) - 月曜版SUPER SURPRISE内のみでの放送
- 香取慎吾 (ピュアセレクト、冷凍食品、健康サララ) - SMAPとしての出演経験あり。
- 戸田恵子(クックドゥ)
- スザンヌ(クックドゥ)
脚注[編集]
- ↑ グルタミン酸の原料は各社で異なり、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ、テンサイ、イネ、コムギが使われている。Basic knowledge of AJI-NO-MOTO
- ↑ なお、発酵法で得られるのはグルタミン酸であるので、実際にはこれに水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム塩にすることによってグルタミン酸ナトリウムを得ている。
- ↑ 第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号 1969年6月12日
- ↑ 第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号 1969年6月12日
- ↑ 第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号 1969年6月12日。
- ↑ 木下常務の発言。第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号、前掲リンク。
- ↑ 化学工業日報 1968年11月5日
- ↑ 食品添加物(グルタミン酸ナトリウム)の使用に関する指導の徹底について 昭和47年4月25日 環食第255号
- ↑ 1987年第31回会議
- ↑ Ohguro, H.; Katsushima, H.; Maruyama, I.; Maeda, T.; Yanagihashi, S.; Metoki, T.; Nakazawa, M. Experimental Eye Research 2002, 75, 307-315. DOI: 10.1006/exer.2002.2017
- ↑ http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn2957
- ↑ 『スタンダード口腔生理学』 学建書院 1994年。グルタミン酸ナトリウムのうまみは耳かき一杯程度で十分感じることができる
- ↑ 他にも阪神タイガース選手・監督として知られる岡田彰布(出演当時はオリックス・ブルーウェーブコーチ)もテレビCMに出演していた。
- ↑ この他、吉本興業が所有するNGKの緞帳に、味の素から発売されている「ほんだし」のロゴがあしらわれている他多数の場で、協賛している。因みにそれ以前に緞帳に協賛スポンサーとして参加していたのは、同じく「だしの素」で知られるシマヤであった。
- ↑ 第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号 1969年6月12日
- ↑ 昔、販売量を増やすために「味の素」の瓶の穴を大きくしたと聞きました。本当ですか?
- ↑ http://www.nikkeibp.co.jp/archives/105/105161.html
- ↑ 「Haram」:豚由来のすべての物は食用のみならず、それらを取り扱った食器や調理器具の使用をも忌み嫌われる。[1]
- ↑ () 宗教徒食 北海道新聞 [ arch. ] 2014-01-01 。
- ↑ 20.0 20.1 ~国立施設として日本初のネーミングライツ導入~
「味の素ナショナルトレーニングセンター」
「JOCゴールドパートナー」契約も併せて締結(味の素 2009年5月11日) - ↑ 西が丘サッカー場の新名称、味の素フィールドに(スポーツニッポン 2012年5月3日)
- ↑ 池田菊苗として登場
関連項目[編集]
- 赤い手帳 - 味の素コミュニケーションズが発売する手帳。現在は赤と紺の2種類のカバーのものが発売されているが、紺色のカバーのものも含めて「赤い手帳」という商品名である。
- 京急大師線 - 1997年(平成9年)3月4日まで、川崎工場への貨物列車が運行されていた。
- 鈴木町駅 - 創業者に由来。当初の駅名「味の素前」
- 国鉄タム5000形貨車(タンク車) - タンクコンテナによる輸送に置き換えられるまでの間、味の素がアミノ酸輸送用に多く保有していたことから「味タム」の通称がある。
- もと子ちゃんのワンダーキッチン(スーパーファミコン用ゲームソフト、非売品)
- やしきたかじんの味の素激昂事件
- インフォーマント! - 味の素が関わった国際価格カルテル事件を描いたアメリカ映画
- 日本味と匂学会
- きょうの料理 - 長年にわたり、テレビテキストの裏表紙に広告を掲載している。
外部リンク[編集]
- 味の素株式会社 公式サイト
- Ajinomoto Aminoscience LCC
- 『うま味と生命(Crystallization of Savour)』 - NPO法人・科学映像館Webサイトより
- 1968年、味の素社の企画の下で東京シネマが制作したPR映画《現在、上記サイト内に於いて無料公開中》。
|redirect1=アミノバイタルAC |1-1=日本の陸上競技チーム }}