小麦粉

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小麦粉(こむぎこ)とは、小麦を挽いて作られた

英語ではwheat flour(ウィート・フラワー)と呼ぶが、穀物の粉の中でも最も頻繁に用いられるため単にflourと呼ぶことが多い。

小麦粉は7~8割がデンプンだが、タンパク質も約1割含んでいる。主なタンパク質はグリアジンとグルテニンで、これらは水を吸収すると、粘りのあるグルテンとなる。このグルテンが小麦粉独特の料理を生み出し、様々な食品に生まれ変わる。このグルテンのみを取り出したものが、(ふ)である。

うどん粉、メリケン粉ともいう。「メリケン粉」という呼び方は関西などでよく使われているが、これは国内で生産された小麦に対して、外国産の小麦粉という意味で使用される。「アメリカの粉」という意味から来ている。日本に輸入された頃 "American" が「メリケン」と聞こえたため。現在日本では薄力粉が普及しているが、アメリカでは本来中力粉が標準であることから、明治~昭和30年代頃にかけての古いレシピにメリケン粉とある場合、中力粉と解釈するのが適当である。

種類[編集]

小麦粉は含まれるタンパク質(主にグリアジン、グルテニン)の割合と、形成されるグルテンの性質によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分類される。タンパク質分を除いた残渣を精製したものは浮き粉と呼び、澱粉だけで出来た、ちょうど片栗粉のようなものになる。

強力粉[編集]

強力粉(きょうりきこ)はタンパク質の割合が12%以上のもので、パン中華麺・学校給食で出てくるソフト麺等に使われる他、乾燥パスタは粗挽きの強力粉を用いて作られる。主にアメリカ・カナダ産の硬質小麦を使用している。焼くと硬い仕上がりになるので洋菓子には向かない。

中力粉[編集]

中力粉(ちゅうりきこ)はタンパク質の割合が9%前後のものでうどんによく使われるほか、お好み焼きたこ焼きなどに用いる。主にオーストラリア・国内産の中間質小麦を使用している。強力粉と薄力粉を混ぜれば中力粉の代用とすることができるが、本来の中力粉とは加工特性がやや異なるため工夫を要する。

薄力粉[編集]

薄力粉(はくりきこ)はタンパク質の割合が8.5%以下のものでケーキなどの菓子類・天ぷらにつかわれる。主にアメリカ産の軟質小麦を使用している。なるべくタンパク質の含有量を抑えた方が、繊細な仕上がりになるので、タンパク質含有量の少ない超薄力粉も存在し、主に製菓に使われる。また、乾燥パスタ原料からの連想で誤解されがちなのであるが、卵を用いて生パスタを作る場合に使われるのは薄力粉である。

浮き粉[編集]

浮き粉(うきこ)は、小麦粉の生地からの原料としても使われるグルテンを分離した残りの澱粉分をいう。グルテンを分離するには、こねた生地を水につけて洗い流すのだが、この水に浸かっている状態では沈粉(じんこ)という。主に明石焼き和菓子香港の透明な皮の海老餃子などの原料として使われている。

全粒粉[編集]

全粒粉(ぜんりゅうふん)とは、小麦粉の一種。小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたものである。精製された小麦粉に比べて食物繊維ミネラルビタミンが豊富。主にパンビスケットシリアル食品の材料として用いられる。

グラハム粉[編集]

グラハム粉(ぐらはむこ、Graham flour)とは、全粒粉の一種。小麦を胚乳と表皮および胚芽に分けてから、胚乳は普通の小麦粉と同じ細かさに挽き、表皮と胚芽は粗挽きにして両方を混ぜ合わせたもの。全粒粉よりもざらざらしている。

小麦粉を主成分とする調合原料[編集]

作る料理によって、タンパク質の割合が適した小麦粉を選び、ふくらし粉砂糖香料うま味調味料などの成分を調合した商品が多種市販されている。

主に小麦粉を使って作る食品[編集]

歴史[編集]

日本では、戦後、食糧不足対策として余剰小麦粉を援助物資として供給されたことや学校給食でパン食が取り入れられたことなどから食習慣が広まった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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