相鉄・JR直通線

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相鉄・JR直通線の主要電車

相鉄・JR直通線(そうてつ・ジェイアールちょくつうせん)は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が整備主体として建設中の神奈川東部方面線のうち、相鉄本線西谷駅から東海道貨物線横浜羽沢駅付近までの区間に連絡線を建設する事業の計画名である[1][2]

この区間は2019年(令和元年)11月30日相鉄新横浜線(西谷駅 - 羽沢横浜国大駅)として開業し、開業後は相模鉄道本線・相鉄新横浜線と東日本旅客鉄道(JR東日本)の東海道本線東海道貨物線品鶴線)・山手線山手貨物線)を相互直通運転する運転系統の通称として用いられている[3][4]

概要

相模鉄道の「都心直通プロジェクト[5]として、相鉄線と東京都心を直通する運転系統である。

鉄道・運輸機構を整備主体として西谷駅 - 羽沢横浜国大駅間に連絡線を整備し、相鉄とJR東日本が相互直通運転を実施する。相鉄とJR東日本の境界駅は羽沢横浜国大駅で、同駅は2社による共同使用駅となり、駅施設は相鉄が管理する。

運行区間は基本的に新宿駅 - 海老名駅間であるが、朝の一部時間帯は新宿駅からさらに埼京線大宮駅方面と直通し、最長で川越線川越駅まで乗り入れる。

武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間はJR東日本の料金不要の通勤列車が定期列車として運行するのは初の区間となる[注 1]。この区間を含む大崎駅 - 羽沢横浜国大駅間は、埼京線の延伸区間とも湘南新宿ラインとも位置付けられていない[注 2]。下りは大崎までは相鉄線直通の埼京線と案内されており、大崎以南は単に「相鉄線直通」として案内されている。また、上りは大崎までは「埼京線直通」と案内されており、大崎以北は埼京線と案内されている[注 3]

旅客案内上の運転系統名としては「相鉄・JR直通線」を用いる[6]とされたが、2019年12月時点で、JR線区間の列車運行情報では「相鉄線直通列車」として案内がなされている[注 4][7]。また、JR東日本ホームページの駅情報では、新宿駅 - 羽沢横浜国大駅間を「相鉄線直通」という路線名で扱っている[8]

なお、羽沢横浜国大 - 大崎間の列車種別は、埼京線内・相鉄線内の停車駅に関わらず全て「各駅停車」と表示されており、赤羽以北で通過運転を行う埼京線直通列車は大崎発車時点で「快速」または「通勤快速」に列車種別を変更する(後節参照)。

JR東日本[注 5]東京メトロ以外の首都圏大手私鉄通勤列車[注 6]が他の鉄道会社を介さず直接直通運転する事例は史上初めてとなる[注 7]

列車の運行ルート

埼京線の新宿駅から、渋谷駅大崎駅を経由し、湘南新宿ラインと同じルートで横須賀線に合流する。その後、武蔵小杉駅の先にある新鶴見信号場の手前で品鶴線複々線の貨物線(線路戸籍上は武蔵野線貨物線・南武線尻手短絡線との重複区間でもある。新川崎駅は貨物線にはホームがないため通過)へ分岐した後、鶴見駅(貨物線にはホームがないため通過)から東海道貨物線に入り、横浜羽沢駅の東京側で相鉄新横浜線に合流して羽沢横浜国大駅を経ると、西谷駅から相鉄本線に合流して海老名駅へ至る。

正式名称としては新宿駅から品川駅[注 8]までが山手線山手貨物線)、品川駅から羽沢横浜国大駅までが東海道本線(品川駅 - 鶴見駅[注 9]間は品鶴線〈横須賀線〉、鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間は東海道貨物線)、羽沢横浜国大駅から西谷駅までが相鉄新横浜線、西谷駅から海老名駅までが本線となる。なお、相鉄・JR直通線開業時は相鉄新横浜線が新横浜駅まで開業していないことから、相鉄新横浜線の路線名称の使用は極力避けられることになっている[6]。相鉄が2019年11月2日より配布する「相鉄沿線災害時帰宅支援マップ」では、相鉄新横浜線の路線名称は用いず、「相鉄・JR直通線」と記載される[9]

海老名駅 二俣川駅 西谷駅 羽沢横浜国大駅 鶴見駅 新鶴見信号場 大崎駅 新宿駅 池袋駅 赤羽駅 大宮駅 川越駅
旅客案内での名称 JR埼京線直通 埼京線直通 埼京線 川越線
(相鉄線) 相鉄線直通 埼京線 相鉄線直通 埼京・川越線 相鉄線直通
正式路線名 (相鉄)本線 相鉄新横浜線 東海道本線 山手線 赤羽線 東北本線 川越線
線路名称 東海道貨物線 武蔵野線 品鶴線 山手貨物線 東北本線支線

品川・東京方面・上野東京ラインへの乗り入れの検討

神奈川東部方面線#品川・東京方面・上野東京ラインへの乗り入れ を参照 相鉄では2013年(平成25年)12月より、今回の新宿方面への乗り入れとは別に東海道線品川駅以北・上野東京ラインを介した宇都宮線高崎線常磐線方面への乗り入れも検討していたが[10][11]、多方面へ向かう運行本数の確保が困難であるとのJR東日本側の理由により見送られている[12]

歴史

  • 2000年平成12年)1月27日運輸政策審議会答申第18号において、神奈川東部方面線として二俣川 - 新横浜 - 大倉山間が位置づけられる。
  • 2004年(平成16年)9月:相鉄が西谷 - 羽沢間の新線建設と羽沢でのJR相互直通(相鉄・JR直通線)構想を公表[13]
  • 2006年(平成18年)
    • 2月3日:相鉄・JR直通線を神奈川東部方面線の一部とする方向で国、鉄道事業者、神奈川県、横浜市間の調整が進んでいることを、横浜市が市議会で公表[14]
    • 5月25日:相模鉄道が相鉄・JR直通線の都市鉄道等利便増進法に基づく営業構想の認定を国土交通省に申請する。
    • 6月9日:相鉄・JR直通線の営業構想および整備構想が認定される。
    • 11月21日:国土交通省が相鉄・JR直通線の速達性向上計画を認定する。
  • 2009年(平成21年)10月20日:相鉄・JR直通線の工事施工認可を国土交通省から受ける。
  • 2010年(平成22年)
    • 3月15日:西谷 - 羽沢間の都市計画決定(横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第6号相鉄・JR直通線)。
    • 3月25日:相鉄・JR直通線の起工式が行われる。
  • 2013年(平成25年)4月23日:鉄道建設・運輸施設整備支援機構が相鉄・JR直通線の開業時期の延期(2018年度内開業)を発表した[15]
  • 2016年(平成28年)8月26日:相鉄・JR直通線を2019年度下期へ開業時期の再延期を発表[16]
  • 2018年(平成30年):JR直通計画の路線に埼京線・川越線が新たに追加されていることが明らかとなった。
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 3月28日:相鉄・JR直通線の開業日が2019年11月30日と発表された[17][18]
    • 11月30日:開業[3][4]。相模鉄道の車両が営業運転で初めて東京都内に、JR埼京線・川越線の車両が営業運転で初めて神奈川県内に入線した。

運行形態

2019年11月30日開業時点での相鉄・JR直通線の運行形態[3][4]を以下に示す。

列車種別

相鉄・JR直通線の列車種別で停車駅の区別があるのは相鉄側(羽沢横浜国大駅 - 海老名駅間)のみである。JR東日本側は埼京線新宿駅以北ならびに川越線に直通する列車の一部で、埼京線内を快速および通勤快速として運行するものがあるが、新宿駅 - 羽沢横浜国大駅間では各駅に停車し、大崎駅 - 羽沢横浜国大駅間では該当列車を含めた全列車が「各駅停車」として案内される[注 10]なお、大崎駅 - 武蔵小杉駅間では、途中の西大井駅を通過する湘南新宿ラインの快速・特別快速が既に運行されている。}}。

特急
相鉄線内で速達運転を行う種別。西谷駅 - 海老名駅間では、途中、二俣川駅大和駅のみ停車する。
各駅停車
相鉄線内は各駅に停車する種別。

運行ダイヤ

新宿駅 - 羽沢横浜国大駅 - 海老名駅間の往復運行が基本となり、直通する列車に関しては途中駅止まりは存在しない[注 11]。46往復が運行され、このうち朝時間帯の6往復が埼京線の新宿駅以北に直通する列車となっており、赤羽駅(着のみ)・武蔵浦和駅大宮駅・川越線指扇駅(発のみ)・川越駅発着が設定されている[注 12]。これら埼京線新宿駅以北・川越線との直通列車は全てJR車で運転される。なお、埼京線内は川越駅発着の列車のみ平日は通勤快速、土休日は快速で運転される。本来は新宿駅の2番線で折り返すことになっているが、朝時間帯は折り返し時間の確保が困難なため、埼京線新宿駅以北・川越線に直通させることになった[19]。なお、新宿駅 - 大崎駅間は埼京線と案内されているが、列車番号については新宿駅で切り替えられる[注 13]。異常時の直通運転中止時には、相鉄は羽沢横浜国大駅 - 西谷駅間の折り返し列車を基本的に運行させ、JRも場合によるが羽沢横浜国大駅からJR線方面へ折り返す列車を設定することを想定しているという[20]

平日朝時間帯に関しては1時間に4本運行され、上り(海老名駅発)はすべて特急となり、直通による速達性を確保している[21]。日中は1時間に2本の運行となり、概ね相鉄線内特急と各駅停車が交互に運行される[22]。夜間は終電を除き、相鉄線内は特急として運行する。平日の日中ならびに土休日は利用客の取り込みのために各駅停車を多く運行する[21]

運行ルートとして山手貨物線・品鶴線・東海道貨物線を通る関係上、貨物列車を運行するJR貨物との調整が必要となり、朝時間帯はパターンダイヤとなっていない[21]。日中については貨物列車が運行する点以外にも、武蔵小杉駅から新宿・東京方面の本数が過剰となることを考慮して[注 14]、1時間に2本となった[23]。また、前述の通り、当面の間品川・東京方面に直通しないことから、武蔵小杉駅で横須賀線・成田エクスプレスに乗り換える客が想定されるため、同駅のホームの滞留防止策としてラッシュ時は新宿方面の列車を連続させないようにダイヤを設定し、また武蔵小杉駅の混雑防止の観点から、乗り換えは西大井駅でも可能なことを案内するとされている[19][注 15]

この結果、現状のダイヤでは、平常運行時であれば、羽沢横浜国大・海老名方面行は、西大井駅・武蔵小杉駅で総武快速線・東京方面からの新川崎・横浜・鎌倉方面横須賀線に、大崎・新宿方面行は武蔵小杉駅・西大井駅で横浜・新川崎方面からの品川・東京・千葉方面横須賀・総武快速線に接続するダイヤとなった。

新宿駅発西大井駅・武蔵小杉駅方面への終電は、従来の湘南新宿ライン終電よりも遅くなり、大崎駅以北から横須賀線新川崎駅以南への深夜帯の利便性も改善した。

車両

直通列車には、相鉄線および埼京線で運用される車両のうち以下の2形式のみが充当される。

相鉄12000系[24][25]
2019年度に全6編成が製造される予定で、2019年4月20日より相鉄線内で既に営業運転を開始している。
相鉄12000系は、乗り入れ開始時点では、通常時には新宿駅 - 海老名駅間のみを運行し、埼京線・川越線内には乗り入れない(よって埼玉県内には基本的には入らない)[3]
当初は11000系ATACSの取り付けなどの直通対応改造を行う計画[26][27]であったが、保安装置の改造コスト等の理由から、11000系の対応工事計画を中止し、JR東日本への直通は12000系のみで行うこととなった[28]
JR東日本E233系7000番台
相鉄線への直通に向けて増備を実施した(2019年に10両編成7本増備)ほか、既存編成には直通対応工事を行った。

女性専用車

平日の朝ラッシュ時間帯に、海老名寄り先頭車両(10号車)が女性専用車に設定されている[29]

設定列車・区間
  • 朝ラッシュ時間帯の7時20分から9時30分までに埼京線大崎駅へ到着する新宿方面行JR線直通列車の海老名駅→大崎駅間(※海老名駅6時31分 - 8時31分発)
  • 朝ラッシュ時間帯の7時30分から9時40分までに埼京線新宿駅を出発する海老名方面行相鉄線直通列車の各始発駅→大崎駅間

相鉄⇔JR直通列車以外については「埼京線#痴漢の多発及び対策」、「相鉄本線#女性専用車」を参照

開業時のトラブル

2019年11月30日の開業直後より、車内モニターで表示のトラブルが発生し、相鉄がニュースリリースで謝罪する事態が発生した[30]。また、相鉄とJRの境界駅である羽沢横浜国大駅では、同駅の自動改札機を通ったJRのフリーパス(休日おでかけパスなど)が他のJRの駅の自動改札機を通らなくなるといった事態も発生した。

駅一覧

  • 特定都区市内制度適用範囲の駅 : 東京山手線内=東京都区内、=横浜市内
  • 累計営業キロ
    • 新宿駅 - 羽沢横浜国大駅間は新宿駅からの営業キロ、羽沢横浜国大駅 - 海老名駅間は羽沢横浜国大駅からの営業キロ
    • ( ) 内は品川駅・大井町駅経由の営業キロ。運賃計算に用いる営業キロについては#運賃計算・乗車制度を参照
  • 走行路線名…※1:東海道貨物線、※2:相鉄新横浜線
  • 停車駅
    • 各駅停車及び埼京線内の快速・通勤快速は表の全ての駅に停車する。
    • 「特急」=相模鉄道内を特急列車として運転する列車:●=停車駅、|=通過駅
  • 東日本旅客鉄道・京王電鉄および東急電鉄の路線名は運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)。駅名が異なる場合は⇒印で駅名を記す。
  • 貨物関連については「品鶴線」および「東海道貨物線」を参照。
事業者 正式路線名 走行線路 駅番号 駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
特急 接続路線 所在地
東日本旅客鉄道 直通先 一部の列車はJA 埼京線川越線経由で川越駅まで直通運転
山手線 山手貨物線 JA 11 新宿駅 - 0.0 東日本旅客鉄道JC 中央線(快速)(JC 05)・JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 10)・JY 山手線 (JY 17)・JA 埼京線〈池袋赤羽武蔵浦和・大宮・川越方面〉 (JA 11)(一部直通運転:上記参照)・JS 湘南新宿ライン〈池袋・赤羽・大宮・宇都宮高崎方面〉 (JS 20)[* 1]
京王電鉄KO 京王線京王新線 (KO01)
小田急電鉄OH 小田原線 (OH01)
東京地下鉄M 丸ノ内線 (M-08)
都営地下鉄S 新宿線 (S-01)
都営地下鉄:E 大江戸線 ⇒新宿駅 (E-27)・新宿西口駅 (E-01)
西武鉄道SS 新宿線西武新宿駅 (SS01)
東京都 新宿区
JA 10 渋谷駅 3.4 3.4 東日本旅客鉄道:JY 山手線 (JY 20)・JS 湘南新宿ライン (JS 19)[* 1]
東急電鉄TY 東横線 (TY01)・DT 田園都市線 (DT01)
京王電鉄:IN 井の頭線 (IN01)
東京地下鉄:G 銀座線 (G-01)・Z 半蔵門線 (Z-01)・F 副都心線 (F-16)
渋谷区
JA 09 恵比寿駅 1.6 5.0 東日本旅客鉄道:JY 山手線 (JY 21)・JS 湘南新宿ライン (JS 18)[* 1]
東京地下鉄:H 日比谷線 (H-02)
JA 08
JS 17
大崎駅 3.6 8.6 東日本旅客鉄道:JY 山手線 (JY 24)[* 2]JS 湘南新宿ライン (JS 17)[* 1]
東京臨海高速鉄道R りんかい線東京テレポート新木場方面〉 (R 08)
品川区
東海道本線 品鶴線 JS 16 西大井駅 5.6
 [* 3]
14.2
 [* 3]
東日本旅客鉄道:JO 横須賀線・総武線(快速)品川東京千葉方面〉(JO 16)[* 4][* 5]JS 湘南新宿ライン (JS 16)[* 1]
JS 15 武蔵小杉駅 6.4 20.6 東日本旅客鉄道:JO 横須賀線・総武線(快速)〈横浜鎌倉久里浜方面〉(JO 15)[* 4][* 6]JS 湘南新宿ライン〈横浜・小田原・鎌倉方面〉(JS 15)[* 1][* 6]JN 南武線 (JN 07)
東急電鉄:TY 東横線 (TY11)・MG 目黒線 (MG11)
神奈川県 川崎市
中原区
※1 SO51 羽沢横浜国大駅 16.6
[* 7]
37.2
(34.3)
[* 7]
  横浜市 神奈川区
相模鉄道 ※2 0.0
SO08 西谷駅 2.1 2.1 相模鉄道SO 本線星川・横浜方面〉 保土ケ谷区
本線
SO09 鶴ケ峰駅 1.6 3.7   旭区
SO10 二俣川駅 2.0 5.7 相模鉄道:SO いずみ野線いずみ野湘南台方面〉
SO11 希望ヶ丘駅 1.7 7.4  
SO12 三ツ境駅 1.4 8.8   瀬谷区
SO13 瀬谷駅 1.9 10.7  
SO14 大和駅 1.9 12.6 小田急電鉄OE 江ノ島線 (OE05) 大和市
SO15 相模大塚駅 1.9 14.5  
SO16 さがみ野駅 1.2 15.7   海老名市
SO17 かしわ台駅 1.3 17.0  
SO18 海老名駅 2.8 19.8 東日本旅客鉄道:相模線
小田急電鉄:OH 小田原線 (OH32)
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 湘南新宿ラインは新宿駅 - 武蔵小杉駅間で相鉄・JR直通線と線路を共用し、大崎駅 - 武蔵小杉駅の駅ナンバリングも両運転系統で共通化する。
  2. 品川 - 大崎 - 西大井には区間外乗車の特例が設けられているため、品川方面から西大井方面に乗り換えることができる(品川 - 大崎の重複乗車が認められる)。
  3. 3.0 3.1 大崎駅 - 西大井駅間は、運賃計算上、品川駅経由扱い
  4. 4.0 4.1 横須賀・総武快速線は西大井駅 - 武蔵小杉駅間で相鉄・JR直通線と線路を共用する。
  5. 品川 - 西大井 - 大崎には区間外乗車の特例がないため、通常の乗車券では新宿方面から品川方面に乗り換えることはできない(品川 - 西大井が重複乗車となる)。
  6. 6.0 6.1 羽沢横浜国大 - 武蔵小杉 - 新川崎・横浜には区間外乗車の特例が設定されており、鶴見・新川崎 - 武蔵小杉の重複乗車が認められる。
  7. 7.0 7.1 武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間は運賃計算上、鶴見駅を経由する。当区間には新川崎駅と鶴見駅があるが、経由する線路にホームがないため通過する。

運賃計算・乗車制度

湘南新宿ライン#運賃および料金の計算 も参照 大崎駅 - 西大井駅間は大崎支線を経由するが、大崎支線は営業路線ではないため、運賃計算上は品川駅を経由したものとして取り扱う。また、品川駅 - 鶴見駅間は経路特定区間に指定されていることから、運賃計算上では距離が短い大井町駅川崎駅経由で計算する(旅客営業規則第69条)。これらの扱いにより、大崎駅 - 鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間の運賃計算は品川駅・大井町駅を経由した距離で計算することになる。

羽沢横浜国大駅発着のJR乗車券の取り扱い

2019年11月30日以降に旅客営業規則等で定められる羽沢横浜国大駅発着(相鉄に直通する場合を含む)のJR乗車券の乗車制度の特例は次のものがある。これは羽沢横浜国大駅は鶴見駅から分岐する位置にあるが、運行経路の都合で武蔵小杉駅方面からしか羽沢横浜国大駅に向かうことができないため、鶴見駅 - 武蔵小杉駅間の折り返し乗車を有効とするための措置である。

横浜市内発着の乗車券に対する特例

横浜市内発着の乗車券は、鶴見駅 - 武蔵小杉駅間で途中下車しない限り、同駅間を乗車できる[31]

  • (例)名古屋駅(名古屋市内) - 【東海道本線】 - 横浜駅 - 【横須賀線・湘南新宿ライン】 - 武蔵小杉駅 - 【相鉄・JR直通線】 - 羽沢横浜国大駅(横浜市内)

本特例は武蔵小杉駅を経由することを事実上「外を経て」いないものとみなすものである。なお、同様の特例は「大阪市内」にも設定されており、こちらは一筆書きとなるため単駅指定での途中下車も可能となるが、本特例は折り返し乗車となるため途中下車可能な乗車券の購入は不可となる。

特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例

以下の特例が新たに設定され、カッコ内に指定された区間の区間外乗車が可能となる[32]

  • 横浜駅以遠(保土ケ谷駅または桜木町駅方面)の各駅と羽沢横浜国大駅との各駅相互間(鶴見駅・武蔵小杉駅間)
    • (例)桜木町駅 - 【根岸線・横浜線】 - 横浜駅 - 【横須賀線・湘南新宿ライン】 - 武蔵小杉駅 - 【相鉄・JR直通線】 - 羽沢横浜国大駅
  • 新川崎駅と羽沢横浜国大駅間との各駅相互間(新川崎駅・武蔵小杉駅間)
    • (例)新川崎駅 - 【横須賀線・湘南新宿ライン】 - 武蔵小杉駅 - 【相鉄・JR直通線】 - 羽沢横浜国大駅
  • 鶴見駅、新子安駅東神奈川駅または川崎駅以遠(蒲田駅または尻手駅方面)、国道駅以遠(鶴見小野駅方面)もしくは大口駅以遠(菊名駅方面)の各駅と羽沢横浜国大駅との各駅相互間(鶴見駅・横浜駅間、新子安駅・横浜駅間、東神奈川駅・横浜駅間、鶴見駅・武蔵小杉駅間)
    • (例)国道駅 - 【鶴見線】 - 鶴見駅 - 【京浜東北線】 - 横浜駅 - 【横須賀線・湘南新宿ライン】 - 武蔵小杉駅 - 【相鉄・JR直通線】 - 羽沢横浜国大駅

そのため、羽沢横浜国大駅の隣駅であるにもかかわらず、羽沢横浜国大駅 - 武蔵小杉駅の運賃(310円)よりも、相鉄・JR直通線のルートから外れている羽沢横浜国大駅 - 鶴見駅・国道駅までの運賃(170円)のほうが安いというねじれが発生している[33]

連絡定期券利用時の取り扱い

出典:[3][4]

相鉄とJR東日本の横浜駅乗り換えの連絡定期券を所持している旅客が直通線を利用した場合は、西谷駅 - 羽沢横浜国大駅 - 鶴見駅間の運賃が必要となる。2020年春までは自動精算機または係員窓口での取り扱いとなるが、それ以降はIC定期券に限り自動改札機で自動精算される。逆に直通線経由の連絡定期券を所持している旅客が横浜駅を利用した場合は、西谷駅 - 横浜駅間もしくは横浜駅 - 鶴見駅間の運賃が必要となる。

脚注

注釈

  1. ただし、この区間はホームライナーである湘南ライナー・おはようライナー新宿・ホームライナー小田原が通過しており、定期的な旅客列車の運行自体は以前から行われている。
  2. 路線記号は湘南新宿ラインの「JS」を用いている。西大井駅・武蔵小杉駅の新宿方面ホーム上の案内では、湘南新宿ラインの枠内に内包される形で「埼京線直通」の小枠が設けられている。羽沢横浜国大方面ホームでは、湘南新宿ラインとは独立して「相鉄線直通」の枠が単独で設けられている。
  3. 旅客案内に用いない名称として東海道貨物線があり、JR東日本のプレスリリースではこの名称が用いられている。
  4. 朝のみ運転される埼京線新宿駅以北や川越線区間も含めて「相鉄線直通列車 川越 - 羽沢横浜国大間」と案内されている。また、海老名行は「JR線から相鉄線方面行」、新宿・大宮・川越方面行は「相鉄線からJR線方面行」と案内されている。
  5. JR東日本の総武本線総武鉄道であった時代には、東武亀戸線と直通運転していたが、国有化後に廃止されている。
  6. 有料特急列車を含めると、JR湘南新宿ライン宇都宮線東武日光線鬼怒川線を直通運転する特急日光・きぬがわ号の事例、観光列車では会津鉄道会津線野岩鉄道会津鬼怒川線を介してJR只見線と東武鬼怒川線を直通運転する快速AIZUマウントエクスプレスの事例がある。
  7. 東京メトロを介した事例としては東京メトロ千代田線を介したJR常磐線各駅停車小田急小田原線多摩線の直通運転がある。
  8. 大崎駅の構内扱いである短絡線(大崎支線)を経由するため、実際には品川駅を経由しない。
  9. 鶴見駅は運賃計算上の分岐駅となっているが、ホームは設置されない。
  10. 埼京線内快速・通勤快速となる列車については、上り(大宮方面)は大崎駅、下り(相鉄線方面)は赤羽駅にて種別案内の切り替えを行う。{{要出典範囲|date=2020年1月|厳密には、新宿駅 - 羽沢横浜国大駅間は「普通列車」扱いとなる。
  11. 直通しない列車に関しては一部時間帯に羽沢横浜国大駅 - 西谷駅・海老名駅間の区間列車が設定されている。
  12. なお、川越駅まで直通する列車は、平日は上り2本、土休日は下り1本のみである。
  13. 埼京線の列車番号の記号部分はS(通勤快速)・F(快速)・K(各駅停車)であるが、相鉄・JR直通線では全てMに統一されている。
  14. 武蔵小杉駅から新宿・東京方面へは横須賀線・湘南新宿ラインの列車が毎時各4本運行されている。
  15. ただし、成田エクスプレスは西大井駅には停車しない。

出典

  1. () 鉄道事業の旅客運賃(加算運賃)上限設定認可申請書 相模鉄道 [ arch. ] 2019-11-12
  2. () 鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請書 相模鉄道 [ arch. ] 2019-11-12
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 (2019-09-06) 2019年11月 ダイヤ改正について PDF 東日本旅客鉄道 2019-09-06 arch. 2019-09-06 2019-09-07
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 (2019-09-06) 相鉄・JR直通線開業 11月30日(日)ダイヤ改正について PDF 相模鉄道 2019-09-06 arch. 2019-09-07 2019-09-07
  5. () 都心とつながる(都心直通プロジェクト) 相模鉄道 [ arch. ] 2019-09-07
  6. 6.0 6.1 鶴通孝 2019 14
  7. () 関東エリアの運行情報:JR東日本 [ arch. ] 2019-12-10
  8. () 検索結果(相鉄線直通の駅):JR東日本 [ arch. ] 2019-12-10
  9. (2019-10-31) 「相鉄沿線災害時帰宅支援マップ」を発行 相模鉄道 2019-10-31 [ arch. ] 2019-10-31
  10. 相鉄とJR東の直通運転、品川・東京方面も検討 (日本経済新聞 2013年12月27日)
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参考文献

  • 鶴通孝 (2019) 鶴通孝 [ S・J直結 2019.11.30 ] 鉄道ジャーナル 2019年12月号 638 2019 pp.9-25 .

関連項目

外部リンク