日本貨物鉄道

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日本貨物鉄道株式会社
Japan Freight Railway Company
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 JR貨物、JRF、JR-F
本社所在地  102-0072
東京都千代田区飯田橋三丁目13番1号
電話番号 03-3239-9111
設立 1987年(昭和62年)4月1日
業種 陸運業
事業内容 貨物鉄道事業、倉庫業など
代表者 代表取締役会長 伊藤直彦
代表取締役社長 小林正明
資本金 190億円
売上高 単独:1,671億8,100万円
連結:2,098億8,100万円
(2008年3月期)
総資産 単独:3,541億9,400万円
連結:4,030億5,400万円
(2008年3月31日現在)
従業員数 7,182名
(2007年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要株主 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 100%
主要子会社
関係する人物
外部リンク www.jrfreight.co.jp
特記事項:

日本貨物鉄道株式会社[1](にほんかもつてつどう、英称:Japan Freight Railway Company)は、1987年昭和62年)4月1日日本国有鉄道から鉄道事業を引き継いだJRグループ7会社のうちの一つ。略称はJR貨物(ジェイアールかもつ)、英語略称はJR Freight。コーポレートカラーはコンテナブルー(青とグレーの中間色)。JRグループ共通のJRロゴの他、独自のサービスマーク「JRF」ロゴも使用している(Fは「貨物」を意味するfreightの頭文字)。

全国規模で貨物列車を運行しているほか、遊休地となっていた操車場跡地を利用しての不動産業も行っている。

社歌は会社発足20周年を記念して制定された「春夏秋冬」。歌は俳優の山本耕史

概説[編集]

旧国鉄のJRグループへの移行に際し、旅客事業は全国6つの会社に分割されたが、貨物事業は全国規模での営業を続けることとなり設立された、通称JR会社法に拠る特殊会社である。一方で北海道旅客鉄道(JR北海道)、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)と同様、経営基盤が弱いことから、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が全株式を保有するとなっており、現在までのところ株式上場の目途は立っていない。

設立の際、JR貨物自身が第一種鉄道事業者として保有する路線は必要最小限に抑えられた。一部の貨物専用路線はJR貨物が所有しているが、両端が旅客線に接続する貨物線や、旅客化する計画のある路線、廃止が決定している路線は、その地域を管轄する旅客鉄道会社が保有することとされた。そのため、JR貨物が列車を運行する路線のほとんどは、鉄道施設を保有する旅客鉄道会社の路線や、一部のJR路線を転換した第三セクター鉄道路線の第二種鉄道事業者となっており、それらの会社に線路使用料を払って貨物列車を運行している。ただし、旅客鉄道会社に支払っている線路使用料は、「アボイダブルコスト」によって決められている。一方で、整備新幹線開通に伴う並行在来線区間の第三セクター鉄道転換では、使用料の上昇が避けられないことから、しばしば問題となる。

貨物列車の運行については、基本的に自社の乗務員や機関車を使って行っているが、路線によっては旅客会社の乗務員や機関車で運行する場合もある。また、以前は逆にJR貨物の乗務員や機関車で旅客列車を運行する場合も多数あったが[2]、客車による定期旅客列車が少数の夜行寝台列車(ブルートレイン)を除いて消滅した現在は、一部の臨時列車や車両故障時の救援で運行される程度である。なお、関門トンネルを潜る下関駅門司駅間を走行する客車列車の牽引をJR九州から受託しており、同社所属の機関車EF81形400番台の2両もJR貨物の門司機関区に常駐し、この区所が唯一通常運転でJR貨物の乗務員が旅客列車[3]に乗務する運転区所となっている。

一方、貨物輸送量は、高速道路整備による大型トラックや、空港整備による航空機での貨物輸送の増加などの影響を受けて年々減少を続けていたが、近年は環境に負荷をかけないモーダルシフト政策により減少に歯止めがかかり、僅かながら増加に転じている。またJR貨物では、貨物列車の増発やスピードアップ、IT-FRENS&TRACEシステムの導入、貨物駅E&S方式への改良、M250系貨物電車の運行など、ソフト面・ハード面の充実でサービスアップを目指している。また中国の最大手海運企業である中国遠洋運輸 (COSCO) と提携を行って、「航空機より安く、コンテナ船より早い」をコンセプトにした国際複合一貫輸送「SEA&RAILサービス」を2006年3月から開始するなど、海外への事業進出も活発である。

1990年代に進んだ利用運送事業(フォワーダー)分野の規制緩和によって、顧客営業と荷主からの料金設定・収受の主体性が通運事業者をはじめとするフォワーダーに完全に移行。フォワーダーが荷主に提示する複数の輸送手段の一部分を事実上下請けの形で担うという、物流企業としては致命的ともいえる弱点・制約を抱える。JR旅客会社の施設を借り受けて貨物列車を運行するという脆弱性と合わせ、同社が今後経営安定化と株式公開を目指すうえで、避けて通れない課題である。

近年のモーダルシフトの推進において、JR貨物の役割は非常に重要であると言える。特に鉄道輸送では、貨物1tを1km輸送する際の二酸化炭素排出量が営業用トラックに比べて約8分の1であると試算されている。

本社・支社[編集]

本社[編集]

支社[編集]

歴史[編集]

保有路線[編集]

第一種鉄道事業路線[編集]

線名 区間 営業キロ
羽越線 酒田駅酒田港駅 2.7km
奥羽線 土崎駅秋田港駅 1.8km
鹿児島線 門司港駅外浜駅 0.9km
千早操車場福岡貨物ターミナル駅 2.2km
関西線 四日市駅塩浜駅 3.3km
平野駅百済駅 1.4km
信越線 上沼垂信号場沼垂駅 1.8km
上沼垂信号場~東新潟港駅 3.8km
新湊線 能町駅高岡貨物駅 1.9km
仙石線 陸前山下駅石巻港駅 1.8km
東海道線 山王信号場~名古屋港駅 6.2km
吹田信号場~大阪貨物ターミナル駅 8.7km
東北線 田端操駅北王子駅 4.0km
日豊線 小波瀬西工大前駅苅田港駅 4.6km
北陸線 敦賀駅敦賀港駅 2.7km

第二種鉄道事業路線[編集]

線名 区間 営業キロ 第一種鉄道事業者
愛知環状鉄道線 岡崎駅北岡崎駅 5.3km 愛知環状鉄道
青い森鉄道線 目時駅八戸駅 25.9km 青森県(第三種)
赤穂線 相生駅東岡山駅 57.4km 西日本旅客鉄道
飯田線 豊橋駅豊川駅 8.7km 東海旅客鉄道
元善光寺駅辰野駅 61.9km
石巻線 小牛田駅石巻駅 27.9km 東日本旅客鉄道
伊東線 熱海駅伊東駅 16.9km 東日本旅客鉄道
いわて銀河鉄道線 盛岡駅~目時駅 82.0km IGRいわて銀河鉄道
羽越線 新津駅秋田駅 271.7km 東日本旅客鉄道
宇野線 岡山駅茶屋町駅 14.9km 西日本旅客鉄道
宇部線 宇部岬駅宇部駅 9.5km 西日本旅客鉄道
江差線 五稜郭駅木古内駅 37.8km 北海道旅客鉄道
奥羽線 横手駅青森駅 256.2km 東日本旅客鉄道
新青森駅~青森信号場 4.8km (第一種鉄道事業者のキロ数設定なし)
青梅線 立川駅拝島駅 6.9km 東日本旅客鉄道
大阪環状線 福島駅西九条駅 2.6km 西日本旅客鉄道
おおさか東線 放出駅~正覚寺信号場 6.9km 大阪外環状鉄道(第三種)
海峡線 木古内駅~中小国駅 87.8km 北海道旅客鉄道
鹿児島線 門司港駅~八代駅 232.3km 九州旅客鉄道
  川内駅鹿児島貨物ターミナル駅 49.3km
鹿島線 香取駅鹿島サッカースタジアム駅 17.4km 東日本旅客鉄道
片町線 徳庵駅鴫野駅 3.4km 西日本旅客鉄道
  鴫野駅~吹田駅 9.1km
  正覚寺信号場~平野駅 1.5km
関西線 名古屋駅亀山駅 59.9km 東海旅客鉄道
紀勢線 亀山駅~鵜殿駅 176.6km 東海旅客鉄道
北上線 北上駅横手駅 61.1km 東日本旅客鉄道
京葉線 蘇我駅~(千葉貨物ターミナル駅) 6.3km 東日本旅客鉄道
  (千葉貨物ターミナル駅)~西船橋駅 16.1km
湖西線 近江塩津駅山科駅 74.1km 西日本旅客鉄道
御殿場線 国府津駅沼津駅 60.2km 東海旅客鉄道
相模線 茅ヶ崎駅厚木駅 14.2km 東日本旅客鉄道
桜島線 西九条駅~安治川口駅 2.4km 西日本旅客鉄道
佐世保線 肥前山口駅有田駅 28.2km 九州旅客鉄道
山陰線 伯耆大山駅東松江駅 27.1km 西日本旅客鉄道
  岡見駅益田駅 16.9km
山陽線 神戸駅下関駅 528.1km 西日本旅客鉄道
  下関駅~北九州貨物ターミナル駅 6.3km 九州旅客鉄道
篠ノ井線 篠ノ井駅塩尻駅 66.7km 東日本旅客鉄道
しなの鉄道線 西上田駅~篠ノ井駅 20.7km しなの鉄道
上越線 高崎駅宮内駅 162.6km 東日本旅客鉄道
城端線 高岡駅二塚駅 3.3km 西日本旅客鉄道
常磐線 三河島駅岩沼駅 341.9km 東日本旅客鉄道
  三河島駅~隅田川駅南千住駅 5.7km
  三河島駅~田端駅 1.6km
信越線 高崎駅~安中駅 10.6km 東日本旅客鉄道
  篠ノ井駅~上沼垂信号場 218.7km
  越後石山駅新潟貨物ターミナル駅 2.4km
石勝線 南千歳駅~上落合信号場 108.3km 北海道旅客鉄道
石北線 新旭川駅北見駅 181.0km 北海道旅客鉄道
仙石線 陸前山下駅~石巻駅 1.4km 東日本旅客鉄道
総武線 新小岩操駅~佐倉駅 44.8km 東日本旅客鉄道
  新小岩操駅~越中島貨物駅 9.4km
  新小岩操駅~金町駅 6.6km
宗谷線 旭川駅名寄駅 76.2km 北海道旅客鉄道
外房線 千葉駅蘇我駅 3.8km 東日本旅客鉄道
高崎線 大宮駅~高崎駅 74.7km 東日本旅客鉄道
高山線 猪谷駅富山駅 36.6km 西日本旅客鉄道
武豊線 大府駅東成岩駅 16.3km 東海旅客鉄道
千歳線 沼ノ端駅白石駅 56.6km 北海道旅客鉄道
中央線 新宿駅~塩尻駅 211.8km 東日本旅客鉄道
  岡谷駅~辰野駅~塩尻駅 27.7km
  塩尻駅~名古屋駅 174.8km 東海旅客鉄道
津軽線 中小国駅~青森駅 31.4km 東日本旅客鉄道
鶴見線 浅野駅扇町駅 4.0km 東日本旅客鉄道
  浅野駅~新芝浦駅 0.9km
  武蔵白石駅大川駅 1.0km
東海道線 品川駅~熱海駅 97.8km 東日本旅客鉄道
  品川駅~新鶴見信号場 13.9km
  東京貨物ターミナル駅浜川崎駅 12.9km
  鶴見駅横浜羽沢駅東戸塚駅 16.0km
  鶴見駅~八丁畷駅 2.3km
  鶴見駅~新興駅桜木町駅 11.2km
  熱海駅~米原駅 341.3km 東海旅客鉄道
  南荒尾信号場~関ヶ原駅 10.7km
  南荒尾信号場~美濃赤坂駅 1.9km
  米原駅~神戸駅 139.0km 西日本旅客鉄道
  吹田駅~梅田駅~福島駅 8.5km
東北線 田端駅~盛岡駅 528.2km 東日本旅客鉄道
  八戸駅~青森駅 96.0km
  長町駅宮城野駅東仙台駅 6.6km
長崎線 鳥栖駅長崎駅 125.3km 九州旅客鉄道
成田線 佐倉駅~香取駅 43.6km 東日本旅客鉄道
南武線 尻手駅~立川駅 33.8km 東日本旅客鉄道
  尻手駅~浜川崎駅 4.1km
  尻手駅~新鶴見信号場 1.5km
名古屋臨海高速鉄道線 名古屋駅名古屋貨物ターミナル駅 5.1km 名古屋臨海高速鉄道
日豊線 小倉駅佐土原駅 326.7km 九州旅客鉄道
根岸線 桜木町駅~大船駅 20.1km 東日本旅客鉄道
根室線 滝川駅富良野駅 54.6km 北海道旅客鉄道
  東鹿越駅釧路駅 213.6km
白新線 上沼垂信号場~新発田駅 25.4km 東日本旅客鉄道
伯備線 倉敷駅伯耆大山駅 138.4km 西日本旅客鉄道
函館線 五稜郭駅~長万部駅 108.9km 北海道旅客鉄道
  苗穂駅~旭川駅 134.6km
  大沼駅森駅 35.3km
八戸線 八戸駅~本八戸駅 5.5km 東日本旅客鉄道
磐越西線 郡山駅~新津駅 175.6km 東日本旅客鉄道
肥薩おれんじ鉄道線 八代駅~川内駅 116.9km 肥薩おれんじ鉄道
氷見線 高岡駅~伏木駅 7.3km 西日本旅客鉄道
北陸線 直江津駅~米原駅 353.8km 西日本旅客鉄道
本四備讃線 茶屋町駅~児島駅 12.9km 西日本旅客鉄道
児島駅~宇多津駅 18.1km 四国旅客鉄道
水戸線 小山駅友部駅 50.2km 東日本旅客鉄道
美祢線 厚狭駅重安駅 22.3km 西日本旅客鉄道
武蔵野線 鶴見駅~南流山駅 84.2km 東日本旅客鉄道
新小平駅国立駅 5.0km (第一種鉄道事業者のキロ数設定なし)
西浦和駅与野駅 4.9km
南流山駅~北小金駅 2.9km (第一種鉄道事業者のキロ数設定なし)
南流山駅~馬橋駅 3.7km (第一種鉄道事業者のキロ数設定なし)
南流山駅~西船橋駅 16.4km
室蘭線 長万部駅~岩見沢駅 211.0km 北海道旅客鉄道
山口線 新山口駅益田駅 93.9km 西日本旅客鉄道
山手線 品川駅~田端駅 20.6km 東日本旅客鉄道
横須賀線 大船駅~逗子駅 8.4km 東日本旅客鉄道
横浜線 長津田駅~八王子駅 24.7km 東日本旅客鉄道
予讃線 高松駅~伊予横田駅 203.0km 四国旅客鉄道

保有駅[編集]

2008年3月15日現在、263駅と34のオフレールステーションを保有している。大半の駅は旅客鉄道の旅客駅と共有しており、またおよそ半分の駅では定期貨物列車の設定が無い。

各支社記事の管内の駅を参照のこと。

車両[編集]

全国規模で貨物列車の運行を行っているため、貨物輸送用の機関車貨車電車を主に所有する。

電気機関車は、全国に直流交流電化路線が混在するため、それに対応した直流電化路線専用・交流電化路線専用・交直流電化両用を所有している。北海道を中心とした非電化路線の多い地区ではディーゼル機関車を有する。また国鉄から継承された車両を中心に老朽化が進んでいるため、更新(リニューアル)工事と並行して、独自設計の新車への置き換えも進められている。

貨車は、コンテナ積載用を中心に汎用的な有蓋車、長物積載用などを所有する。近年は高速(110km/h)運転対応貨車や、ISO規格コンテナ(海上輸送用コンテナ=俗称「海コン」)積載対応貨車の製造が進み、汎用有蓋車などは数を減らしている。

電車では、世界的にも珍しい動力分散方式の貨車であるM250系が在籍している。

車両ではないが、鉄道用コンテナの多くはJR貨物が所有している。(cf. JR貨物のコンテナ形式

車両基地[編集]

※()内は所属機関区略号。

車両工場[編集]

関係会社[編集]

臨海鉄道(JR貨物と、沿線自治体の共同出資で設立された第三セクター鉄道を指す)

倉庫業

通運事業

鉄道業務受託事業

  • ジェイアール貨物・関西ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・九州ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・東北ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・中国ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・新潟ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・北関東ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・山陽ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・信州ロジスティクス
  • ジェイアール貨物・東海ロジスティクス

関連事業

  • ジェイアールエフ商事
  • 東京貨物開発
  • ジェイアールエフ・ホテル(ホテルメッツ田端を運営)
  • ジェイアール貨物・不動産開発
  • ジェイアールエフ・パトロールズ
  • 北九州貨物鉄道施設保有
  • ジェイアール貨物・リサーチセンター
  • 運送保証協会
  • 日本パレットプール

脚注[編集]

  1. ロゴの「鉄」の字は、金を失うという意味を避けるため「金偏に矢」という文字(鉃)を使っているが、正式な商号常用漢字の「鉄」である(四国旅客鉄道以外の各社も同じ)。
  2. 旅客会社の客車をJR貨物の機関車が牽引していた例としては客車時代の夜行急行「ちくま」の名古屋駅 - 長野駅間や磐越西線筑豊本線など
  3. 2008年4月時点の定期列車では寝台特急「はやぶさ」「富士」の併結列車のみ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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