「黒子のバスケ脅迫事件」の版間の差分
(→事件の影響) |
(→事件の影響) |
||
114行目: | 114行目: | ||
このことはYahoo!にも乗っていた | このことはYahoo!にも乗っていた | ||
2014年9月1日掲載で漫画終了した | 2014年9月1日掲載で漫画終了した | ||
+ | この事はYahoo!乗っていた | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
2014年9月1日 (月) 12:53時点における版
黒子のバスケ脅迫事件は2012年(平成24年)10月から発生した、大阪市東成区大今里西、職業不詳・渡辺博史(36) による漫画『黒子のバスケ』の作者・藤巻忠俊や作品の関係先各所を標的とする一連の脅迫事件である。
2012年10月に作者・藤巻の母校である上智大学で不審物が見つかったのを皮切りに、数多くの企業やイベント会場が脅迫され、イベントの中止等が相次いで発生した。
目次
経緯
発端
2012年10月12日午後7時15分ごろ、作者の藤巻が在籍していた上智大学東京キャンパスの体育館で、硫黄臭のする液体の入った容器が発見された。容器には、藤巻を中傷する文書が貼りつけられており、中身の液体は気化すれば致死量を上回る硫化水素を発生させる可能性があるものだった。
直前の同日午後1時半ごろ、インターネット掲示板の2ちゃんねるに犯行を示唆する書き込みがあった。警視庁捜査第一課はこれが犯行声明だとみている。書き込み主は自身を「喪服の死神」と称し、J-CASTニュースの調べでは書き込みの一部が犯行の細部と合致していた。書き込みは千葉県浦安市内のインターネットカフェから行なわれたものだった。
犯行現場において容器のようなものを運ぶ上下黒服で痩せ型の不審な男が複数の学生により目撃されており、防犯カメラにも映像が残されていた。この数日前には似た風貌の男が大学の付近にあるJR四ツ谷駅で職務質問されていた。犯人のものと思われるインターネット上の書き込みにも「四ツ谷駅で職務質問された」との記述があることから、警察ではこの男が犯人である可能性が高いとみている。
関係先各所への脅迫
10月13日には『黒子のバスケ』関連のイベントが行われる予定だった東京ビッグサイトや札幌テイセンホールなど、2日後の10月15日には藤巻の母校である東京都立戸山高等学校、10月29日にはラジオ番組を放送していた文化放送、10月31日にはアニメを放送していた毎日放送に脅迫状が送付された。捜査関係者などは、10月末までに届いた脅迫状は、同12日に東京都内、同26日に大阪市内の郵便局2か所から送られていた、としている。
大阪で開催予定だった『黒子のバスケ』関連の同人イベントに関して、事件の脅迫状の一部の投函場所が会場近くで、犯人と思われる人物による開催地の下見があった。名古屋・福岡・東京のイベントに関しては会場と会場内外の施設に対して脅迫状が届き、名古屋・東京のイベントに関しては11月中旬に会場近くから脅迫状が投函された。福岡のイベントに関しては、液体入りの小瓶が同封されたものが11月中旬から下旬に届いた。主催するスタジオYOUはそれらのイベントの開催中止を決定した。
11月、12月22日・23日に開催されるジャンプフェスタ2013の会場である幕張メッセに脅迫状が届いた。脅迫状は『黒子のバスケ』関連のステージ・イベント・展示・商品販売の中止を要求し、集英社は来場者の安全を最優先するとして中止を決定した。
12月29日から31日にかけて東京ビッグサイトで行われる同人誌即売会「コミックマーケット83」において、『黒子のバスケ』に関わる同人誌やグッズの販売の中止を決定した。これは10月29日にコミックマーケットを主催するコミックマーケット準備会に対して「『黒子のバスケ』のサークルをコミックマーケット83に参加させない」ことを要求する脅迫状が届いたこと、他の同人イベントやジャンプフェスタ2013での『黒子のバスケ』関連イベント・グッズ販売中止、会場側から以後の東京ビックサイト使用が困難になることの示唆、を受けてのものである。コミックマーケットには過去にも脅迫などがあったが、サークルの参加が制限されたのは初めてのことである。
2013年1月、2ちゃんねるにおいて「喪服の死神」の関係者を名乗る「怪人801面相」によって、イベント会場を狙った脅迫行為を今後行わないとの書き込みがあった。しかし、4月上旬、スタジオYOU主催の『黒子のバスケ』関連の同人イベントが開催される予定だった石川・兵庫・静岡のイベント会場に脅迫状が送りつけられ、イベントの中止等が決定された。静岡と兵庫の会場では、それぞれ10か所以上の会場周辺施設へも脅迫状が届いていた。これらの4月に郵送された脅迫状において、送り主は「黒報隊」を名乗っていたが、警察関係者は、「喪服の死神」および「怪人801面相」との関係は不明である、としている。4月末には赤ブーブー通信社主催の同人イベントが開催される予定のインテックス大阪に中止を求める脅迫状が届いた。脅迫状には『黒子のバスケ』関連の同人誌が販売された場合、「イベントを中止しないと多数の死傷者が出る」と書かれており、これを受けて主催者らは『黒子のバスケ』関連の同人誌を即売するサークルの参加を中止した。
2013年10月以降
4月の脅迫状を最後に、しばらくの間目立った動きは無かったが、10月15日、上智大学やセブン-イレブン・ジャパンに「怪人801面相」を名乗る人物から脅迫状が、報道機関に声明文が届いた。声明文では、『黒子のバスケ』関連の菓子に毒を入れて置いたことが示唆されており、商品の取り扱い中止・撤去を要求していた。これを受けてセブン-イレブンは該当商品を店頭から撤去した。同様の脅迫状は菓子を取り扱うサークルKサンクスや製造元のバンダイにも届いていた。封筒の消印は最初の文書発見からちょうど1年後となる2013年10月12日であった。ファミリーマートとサークルKサンクスは、10月下旬に発売予定だった『黒子のバスケ』の一番くじの販売を取り止めた。
回収された菓子のうち、セブン-イレブンから回収されたものの中の1つから、致死量の100分の1程度のニコチンが検出された。脅迫状には千葉県浦安市内の実在する店舗の名前を挙げた上で「農薬を付けたウエハースを置いた」などと書かれていたことから、警察はニコチン入りの菓子がこの店舗に置かれたものとみている。
コンビニ店近くの防犯カメラにはマスクをつけた不審な人物が映っていた。上智大学の事件で防犯カメラに映っていた人物と体格などが似ていることから、警察は関連を調べている。店舗の防犯カメラの映像は保存期間が過ぎていたため、不審な人物が実際に店舗へと入ったかどうかは不明である。
雑誌『創』の編集長である篠田博之に宛てた文書の中で犯人と思われる人物は、マスコミが菓子の事件を取り上げなかった場合、公表してほしいと求めていた。篠田は「Yahoo!ニュース 個人」のページで文書が届いたことを明かした。送られた封筒の中には、各社へ送った全種類の脅迫文のコピー、報道機関3社のみへ送ったという見本の菓子などが入っていた。
セブン-イレブン・ジャパンへ脅迫状が届いた日と同じ10月15日、レンタルショップのTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブに対して脅迫状が届いた。脅迫状には「11月3日までに黒子のバスケの関連商品を撤去しなければ客に危害を加える」と書かれており、これを受けてカルチュア・コンビニエンス・クラブは、TSUTAYA全店の『黒子のバスケ』関連のコミックス・DVD・CDなどの商品のレンタル・販売を取り止め、撤去を決定した。同様の脅迫状は他の書店にも届き、有隣堂、リラィアブルも同様に撤去を決めたが、紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、三省堂書店、宮脇書店はいずれも撤去などの対応はしていない。
脅迫状には「上智大学の学園祭最終日がXデー」などとも書かれており、学園祭の最終日である11月4日に犯人が何らかの行動を起こすことを示唆していたため、警視庁は厳戒を強めていたが、特に混乱は起きなかった。このことから、TSUTAYA・有隣堂では販売・陳列を再開した。2013年11月の時点で、脅迫状の総数は約400通に上っている。
逮捕
2013年12月15日、警視庁捜査第一課は大阪市東成区に住む36歳の渡辺博史を威力業務妨害で通常逮捕した。同課によれば、渡辺博史は東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイス近くの路上で脅迫文をポストに入れようとしているところを確保された。渡辺博史が所持していたリュックサックには12月末に東京都内で開催予定の高校のバスケットボール大会やコミックマーケットの主催者などへ開催中止を求める脅迫文など約20通が入っていた。
渡辺容疑者、身柄確保時に20通の脅迫文所持
渡辺博史が12月15日に捜査員に身柄を確保された際、リュックサックには、今月末に開催される高校のバスケットボール大会や同人誌イベントの主催者などに開催中止を求める脅迫文など約20通が入っていた。警視庁では、同容疑者は今後開かれるイベントの中止を求めるためポストに入れようとしていたとみて、さらに詳しい経緯を調べる。
黒子のバスケをめぐりこれまで各地に送られた脅迫文では、一貫して作者の藤巻忠俊さんへの恨みがつづられており、犯行の執拗さが垣間見える。
2012年10月から11月にかけては、東京都内や名古屋市、福岡市のイベント会場に脅迫文などが続々と届いた。2013年1月17日には、犯人グループを名乗る「怪人801面相」がインターネット掲示板で「終結宣言」したが、4月には再び一部のイベント会場に脅迫文が送られた。
黒子のバスケ脅迫容疑者はワンルームで1人暮らし「成功していることをやっかんだ」
週刊少年ジャンプ(集英社)の人気漫画「黒子のバスケ」を巡る脅迫事件で、警視庁は2013年12月15日、上智大(東京都千代田区)に硫化水素入り容器を置いたとして、大阪市東成区大今里西、職業不詳・渡辺博史(36)を威力業務妨害容疑で逮捕した。
容疑を認め、これまでに数百通の脅迫文を送ったことや、毒物のニコチンをキャラクター関連菓子に入れ、コンビニ店に置いたことも認めている。
渡辺は2012年10月12日、「黒子のバスケ」の作者、藤巻忠俊さんの出身校である上智大の四谷キャンパスの体育館に、「喪服の死神」を名乗る犯行声明文と硫化水素入り容器を置き、大学職員らに校内の警戒をさせるなどして大学の業務を妨害した。
渡辺は藤巻さんと面識がなく、調べに「バスケット漫画で成功していることをやっかんだ。1人でやった」と供述している。
「黒子のバスケ」を巡っては、上智大での事件以降、作品関連のイベント会場や関連商品を扱うコンビニ店、マスコミ各社などに計約400通の脅迫文が届いた。複数のイベントが中止になったほか、一部の商品が撤去された。
ニコチン入りの菓子が置かれた千葉県浦安市のコンビニ店近くの防犯カメラに、不審な動きをする男が映っていたことが判明。この男によく似た渡辺が15日午後3時頃、東京都渋谷区内のポストに新たな脅迫文を投函しようとしているのを捜査員が見つけ、職務質問したところ、「ごめんなさい。負けました」と話し、一連の脅迫文送付などを認めた。
犯人、ホモをカミングアウト
2014年3月13日に東京地裁で行われた「黒子のバスケ」脅迫事件初公判で、渡辺博史が読み上げた冒頭意見陳述
「黒子のバスケ」脅迫事件の犯人の渡邊博史と申します。このたびは意見陳述の機会を与えて頂けましたことに心から謝意を表させて頂きます。 起訴されてない事案も含めまして「黒子のバスケ」脅迫事件とされる一連の威力業務妨害事件は全て自分が一人でやりました。全ての責任は自分にあります。
そして、どのような判決が下されようとも、それを受け入れて控訴しないことと、実刑判決を受けて服役する場合には、仮釈放を申請せずに刑期満了まで服役することをこの場で宣言を致します。
自分の国籍や民族的アイデンティティについて勝手な憶測がネット上などに氾濫しているかと思いますが、自分の両親も祖父母も曾祖父母も日本人です。
「黒子のバスケ」脅迫事件の犯人である渡邊博史は残念ながら日本人です。
自分が「手に入れたくて手に入れられなかったもの」を全て持っている「黒子のバスケ」の作者の藤巻忠俊氏のことを知り、人生があまりに違い過ぎると愕然とし、この巨大な相手にせめてもの一太刀を浴びせてやりたいと思ってしまったのです。自分はこの事件の犯罪類型を「人生格差犯罪」と命名していました。
自分が「手に入れたくて手に入れられなかったもの」について列挙しておきますと、上智大学の学歴、バスケマンガでの成功、ボーイズラブ系二次創作での人気の3つになります。
31年前に同性愛に目覚め、同じ年に母親から「お前は汚い顔だ」と言われ、26前に「聖闘士星矢」のテレビアニメを見たいとお願いして父親に殴り飛ばされ、24年前にバスケのユニフォームに対して異常なフェチシズムを抱くようになり、22年前にボーイズラブ系の二次創作同人誌を知ったという積年の経緯があります。
ビッグデータが容疑者特定に寄与
人気漫画「黒子のバスケ」をめぐる脅迫事件では、脅迫文が送付された企業のサイトを閲覧した際の膨大なアクセス履歴、いわゆる「ビッグデータ」の解析が渡辺博史(36)を特定する重要な手がかりとなった。インターネットが使われたサイバー犯罪ではデータ量が億単位に上ることも珍しくなく、どんなキーワードで解析して共通項をあぶり出すかが事件解決の鍵を握っている。
一連の事件では昨年10月以降、関連イベントの運営会社などに約400通の脅迫文が送られたことが確認された。警視庁捜査1課は犯人側が事前に会社のサイトを下見したとみて、約70社から計約43億5千万件に上るIPアドレスのアクセス履歴の提供を受けて分析した。
今月上旬になり、共通項として浮かんだのが、大阪市内の複数のネットカフェのパソコンが利用されていたこと。捜査関係者は「イベント日程などの確認のため運営会社にアクセスするにしても、会場の運営会社まで同じPCからアクセスがあるのはおかしいと感じた」と指摘する。
さらに、アクセスがあった時間帯に店舗や周辺の防犯カメラで、特徴的な柄のリュックサックを持った男が出入りするのを確認。男は東京行きの高速バスのサイトも閲覧していた。15日朝にJR大阪駅で張り込んでいる捜査員の前に、男と体格がよく似た、同様のリュックを背負った渡辺容疑者が現れたという。
サイトを閲覧すれば、PCが使われた地域やプロバイダーの契約者などの情報を含む12桁のIPアドレスが一定期間残される。匿名化ソフトでIPを偽装する手口も広がっているため、警視庁は膨大な履歴を高速で検索するソフトを使い、犯人側のミスの発見に主眼を置いて解析している。
事件の関係先に共通するIPがないか。匿名化されたIPの前後にミスで残したIPがないか。ネットカフェでは複数の似通ったIPが使われるため、数字に幅を持たせた検索もする。地域の共通項を調べ、現実空間の防犯カメラ映像と突き合わせることもある。
今回の事件では、12月下旬に都内で関連イベントが相次いで予定され、これまでの脅迫文に週末の消印が多いことなども判断材料となり、7日の土曜日には捜査員を大阪市周辺に大量に投入していた。捜査関係者は「アクセス履歴の解析と、従来通りの捜査手法の双方がうまくかみ合った結果だ」と強調する。
遠隔操作ウイルス事件では、脅迫メールが送付された自治体・企業のサイトやネット掲示板の約90億件の履歴を解析。事件発覚前に横浜市や都内の幼稚園、芸能事務所などのサイトを共通のIPアドレスで閲覧していたことが分かった。
さらに、防犯カメラの映像などで浮上していた片山祐輔(31)の勤務先のIT関連会社から名古屋市の会社のPCが遠隔操作された痕跡も見つかり、片山が関与した疑いが強まったという。警視庁幹部は「今やデータが億単位なのは大前提。PCで解析しなければ探しきれない。どんなキーワードで絞り込むかで捜査員の力量が問われる」と話す。
振り込め詐欺やネットバンキングなどの銀行口座を使った犯罪の捜査でも、膨大な取引データから不審な取引を見抜くことが不可欠で、警視庁幹部は「データの大容量化は続く。解析速度をさらに上げるため、不審な情報をあらかじめ抽出するようなソフトの開発も必要になる」と訴える。
事件の影響
- 同人誌即売会事業を行う赤ブーブー通信社が脅迫を受けて、2013年1月から3月にかけて開催される予定だった『黒子のバスケ』関連の複数の同人イベントの開催中止を決定した。
- 渋谷パルコにて行われたキャラクターイベントショップ「黒子のバスケ produced by ナムコ・ナンジャタウン」が諸事情により早期終了した。
- 2012年11月23日にオープン予定だった『黒子のバスケ×「アニメイトカフェ天王寺」』が開催中止となった。
- バンプレストは2012年12月中旬に発売予定だった「一番くじ 黒子のバスケ」を、諸般の事情に伴い2013年1月中旬に発売延期した。
2013年のJUMP祭り では予定通りに イベント開催された このことはYahoo!にも乗っていた 2014年9月1日掲載で漫画終了した この事はYahoo!乗っていた