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[[日本語]]では、思考や観念、ものの見方・捉え方、表現の方法などについてもステレオタイプが使用される。決まり文句([[クリシェ]])なども、類型的・紋切り型な思考のありようの表現であるのでステレオタイプである(なお、クリシェ cliché という言葉は、[[フランス語]]では、ステロ版のことを意味するので、言葉が一見違うが、同じ内容を持つと言える)。

2021年10月19日 (火) 08:32時点における版

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ステレオタイプ:Stereotype、:Stéréotype)は、元々社会学用語で、紋切型態度とも言う。印刷のステロ版(鉛版)印刷術が語源で、判で押したように同じ考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態を言う。ステロタイプとも言う。

日本語では、思考や観念、ものの見方・捉え方、表現の方法などについてもステレオタイプが使用される。決まり文句(クリシェ)なども、類型的・紋切り型な思考のありようの表現であるのでステレオタイプである(なお、クリシェ cliché という言葉は、フランス語では、ステロ版のことを意味するので、言葉が一見違うが、同じ内容を持つと言える)。

概説

古典的な類型性

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漫画の悪役像

ステレオタイプは、物語フィクションなどで造形される人物像にその典型的な形が見られる。勧善懲悪の物語では、善役はいかにも善役らしい姿や言動があり、他方、悪役は同様にいかにも悪役らしい姿や言動で表現される。

大衆向けの娯楽目的の小説映画ドラマなどでは、人物造形がステレオタイプなだけではなく、物語の構成やプロット、展開・結末などもステレオタイプになっているのが一般である。漫画アニメなどでは、「Boy meets girl, and fall in love」という言葉があるが、これは最近の物語におけるステレオタイプではなく、古代の青春恋愛物語である『ダフニスとクロエー』においても同じような構成になっている。

これらはステレオタイプというより寧ろ、神話類型Cat:神話類型)にも通じる、物語の基本的な類型構造で、人間心理の普遍的・先天的なありようとも関係すると考えられる。しかし近代において、大衆社会マスコミュニケーションが成立すると、政治的、経済的、あるいは社会的な目的において、過剰に単純化され類型化されたイメージが広く一般の人にも流布するようになり、文字通り、紋切り型な把握や観念や思考となって定着するようになった。

現代日本のステレオタイプ

現代においては、マスコミメディアが特定の意図を持った宣伝広告を行ったり、それらが流通させる情報が多数の人に同じように共有される結果、様々な意味でステレオタイプな事態が生じている。

おたく像について「秋葉系」を当てはめたり、政治家像について金権政治的なイメージを第一に挙げたり、官僚などを全く仕事をしないで税金を私的に使い込む人、サラリーマンについて平凡でぺこぺこしている「善良」「庶民」の代表格としたり、マスコミについて左翼勢力の巣窟であるとしたり、経営者を横暴で搾取的なイメージ、もしくは利潤の為にロビー活動しかしない層など、本来各個人の価値観はどのカテゴリーにおいても幅広く分布しており、一概に特殊な価値観や指向性を持つ社会層の集合体であるはずがないのだが(社会調査によれば実態はむしろ逆で、どのカテゴリー層においても生活スタイルや性格・価値観類型の分布状況は、多少の偏りがあるものの全体的に驚くほど近似的である[1]。価値観の選別でも行われない限り、特定のカテゴリーの集団がそのまま似通った価値観を持つ人間の集まりであるはずが無い。ましてや「おたく」「サラリーマン」「公務員」などの広範的カテゴリーが母集団での分布図と大きく差異が出る訳がないのである)、現代大衆社会においては強い影響力を持つマスコミの報道や議論構成が本質的に強くこの発想に依存しており、メディア寡占の強い日本ではこの思考枠組みが極めて広く用いられているのが一般的である。また、そのマスコミについても、世俗的で反権力を標榜しながら自己組織の権威を強要する横暴なステレオタイプ像、大衆に対して敵愾心を煽ってけしかける卑劣なイメージなど、彼らそのものに典型像を持たれていることも多い。

特に差別意識(精神疾患患者に犯罪予備軍的なイメージ像、オタクなどにも同様)が根底にある場合も多く、マスコミでは「視聴者に喜ばれるから」「分かりやすいから」等の理由で意図的にそのイメージ像に則った報道を行うことが非常に多いが、その結果、カテゴリー集団が社会的マイノリティー化されてその他一般大衆との間で摩擦を引き起こしたり、思想的には全く無関係なイデオロギー色を帯びたり、適切な議論を遠ざけ感情的解釈(妥当とは言えない法規制や、根拠のない権利濫用など)や集団を作り出したりする原因ともなっている。

ステレオタイプな観念の特徴

ステレオタイプは、現代では多くの人が持つ観念に、その代表的な例が存在する。これらの観念は偏見差別意識と関係し、先入観タブロイド思考とも関連している。「紋切り型」という言葉が示すように、個々人が抱く考え方・観念に個性が乏しく、同じような考え方やものの見方が、多数の人において類型化されて共有されている。

何故、そういうステレオタイプな思考やものの見方が妥当と確信するのか、ということについても、メディアがそう述べているとか、まわりの人がみなそう言っているとか、自分自身で主体的に反省して吟味することが殆どなく、外部の意見やものの見方をそのまま無批判に取り入れ、鵜呑みにしていることが一般である。その為、観念や確信に客観的根拠がなく、底が浅く、また複雑なものごとを単純化している結果、当人は十分に理解しているとの錯覚を持っているが、迷妄であって、固定観念になっている場合も多々ある。

イデオロギーとしてのステレオタイプ

20世紀となって、大衆化社会の成立とマスメディアの擡頭に伴い、政治的な大規模宣伝や商業主義思想が広く流布した。1930年代にドイツにおいて政権を掌握したヒットラーは、「嘘は大きいほどに人は信じる」「嘘も百度言えば真実となる」とのテーゼを実践し、マスメディアを使った宣伝を最大限に利用して、「アーリア民族優位説」や「ユダヤ人諸悪根源説」など実証的根拠のない妄説を広く信じさせた。その背景には西欧東欧にこのような妄説を支持する偏見差別構造が元より存在し、ユダヤ人への差別や虐殺などは過去に幾度も実例が存在した。ヒトラーは自らが望んだというよりは民衆が「そうに違いない」とする偏見を後押しし、政治的躍進に利用した部分が強い。現にヒトラーの人種論は一定せず、その時々で都合よく変遷している。

ソビエト連邦においては、レーニンの後を襲って政権を掌握したスターリンが、独裁恐怖政治を行い、コミュニズムによって理想の社会が実現されると喧伝し民衆の支持を得たが、そこで宣伝された内容は必ずしも実現しなかった。またコミンテルンを通じて「共産主義は絶対に正しく、反対する人間は絶対に間違っている」とする固定観念が流布し、それは同時にステレオタイプにもなった。第二次世界大戦での勝利後の1948年のソ連における独裁政権を諷刺したジョージ・オーウェルの小説『1984年』においては、「黒白思考」というものが登場する。党が示す真理に適うかどうかを瞬時に判断できる、すなわち「黒」か「白」かを個人的な反省や吟味抜きに自動的に産出する思考法は、ステレオタイプの持つ「合理性」を描きつつ、それを皮肉っている。またスターリンは政敵の信用を失わせる方法としてステレオタイプを利用したレッテル張りを好み、正当な反論よりこうした偏見による中傷の方が大衆は信じるものとしていた。

米国では、1940年代末より、現実的なソ連の脅威論を背景として上院議員ジョセフ・マッカーシーが、過剰な反共演説を行い赤狩りを誘発させたが、その背景には共産主義であるとのステレオタイプ観念が存在した。それと表裏の関係において、悪なる共産主義と戦う米国は善の国家であり、自由主義民主主義正義であるとのステレオタイプも生まれた。

これらの歴史を反省して、このステレオタイプの思考形態を脱却することが知識的だという前提意識が世界的に広がりつつある。

ステレオタイプの例

ステレオタイプは日常的に広く流布しているのが通常で、同じステレオタイプ観念を持っている人同士では、互いの既存観念は盲点にもなるので気づきにくい。また、日常的な判断において、一々詳細で複雑な反省や吟味を行うのは手間がかかるため、タブロイド思考に見られるように、ものごとの単純化と、その命題の真理性の保証を、俗信迷信と同様に、広く世のなかでいわれているなどに依拠することが多い。次のような考えはステレオタイプの例でもある。なお、ここに記述されているものはあくまでステレオタイプなので、これらに当てはまる者もいれば、そうでない者も多くいるということを頭の隅に置きながら読むとよい。

  • 日本においては、第二次世界大戦の敗北の後、思想・良心の自由を保証する憲法が制定され、共産主義思想も合法となった。しかし当時の日本共産党は、政治の場において、保守政党や、当時の社会党などの政治的主張に対し、ことごとく反対するという態度を取った。これは共産主義を綱領とする以上、必然的に出てきた結果であるが、世間では「共産党」という言葉は、ステレオタイプに、「何でも反対する者」の代名詞になった。またソビエト連邦が共産主義革命によって成立した事から、“アカ(つまり共産党員)は革命で政府転覆を狙っている、危険思想の持ち主”という印象を与える事になった。また明治維新以後大日本帝国憲法制定までは、藩閥政府を批判した制憲議会論者が“自由民権の危険人物”と扱われている。
  • フランスは17世紀以降、文化政策に精力を注ぎ、それに見合う文化人も輩出し、またフランス革命において自由博愛人権を唱えた。フランスは18世紀19世紀においては西欧随一の文化国家となった。為に、日本ではフランスをステレオタイプに文化国家と称え、首都パリは芸術の香りも高い「花の都」などと称したが、これは一面のみで、フランスもアルジェリアでの蛮行があり(宗主国であった)、パリにもスラム街はあり、近年は度々暴動が起きている。
  • 日本を含め多くの国では、警察官軍人は通常制服を着ている。日本の警察官の制服はあまりファッション性がない(制定されていない事もあるが、各種の功労・技能・記念章を着ける習慣がない)が、多くの国では、軍人などの制服は威圧性があり特権性を誇示するような華麗なものになっている。普段の制服以外に正装があり、肩章飾緒階級章略綬や、その他、装飾性が非常に高い。この為、制服を着ているのは軍人や警察官だというステレオタイプ観念が一般にある。そして、当の軍人や警察官も、制服を着ると人格が変化したように軍人や警察官らしい威厳ある態度や言動となる(市民からの尊敬・服従は権力のシンボルとしての制服に対して表されているに過ぎない)。これは紋切型態度の一種である。
  • ニューヨーク・タイムズ』は、「アメリカ合衆国における代表的なステレオタイプ」として、「貪欲なユダヤ人」、「卑劣な中国人」、「馬鹿なアイルランド人」、「怠惰な黒人」を挙げている[2]

人間やキャラクターの類型化

以下のステレオタイプな人間把握はほとんど科学的な裏付けがまったくないものであり、偏見差別を助長する原因となっている。

性別・身体的特徴などによるステレオタイプ

  • 男性女性 - 男性は能動的で冷静、論理的で勇気があり、大雑把で粗野な面がある。他方、女性は感情的で視野が狭く、浅薄で受動的であるが繊細で根気強く、弱者に対する慈しみがある等。また、男性は青色、女性は赤色、というイメージ等。“弱き者よ、汝の名は女なり”なる言葉が存在する(『ハムレット』)。
  • 血液型性格分類 - A型は几帳面、B型は熱血漢、O型は大雑把、AB型は天才肌等の性格であるなど。血液型は最初に血液から発見されたことに由来しているだけで、タンパク質を構成する物質のこと。性格とは直接は無関係で、相関関係は立証されていないが、気質を構成するとの説が日本では一般に知られている。人間だけでなく、動物や植物にも存在する。
  • 星座占い - ある星座生まれの人は、激しい情熱を持つ、別の場合、勇気がある、また友情を大切にする星座生まれ。
  • 肥満の人 - いわゆるデブタレントと呼ばれる人物たちの影響でが好きと思われがちだが、実際に肥満の原因はそれぞれである。運動能力に関して言えば、身体が重く運動そのものが苦手、また人一倍力持ちと思われがちである(力の大小と運動神経が全く無関係であることは相撲の取組における力士の動きで証明可能)。スポーツでは野球キャッチャーサッカーではゴールキーパーをやらされる。
  • 低身長の人 - 牛乳魚介類といったカルシウムが豊富な食品が苦手。実年齢より幼く見られがちである。
  • 赤毛の人 - 20世紀以前のヨーロッパにおいては、他の人よりも劣った、縁起の悪い存在と考えられていた。当時の文学作品の中では、悪人ないし愚鈍な人物として描かれることが多かった。子供の登場人物の場合、いじめなど、周囲から理不尽な扱いを受ける場面がしばしば登場する(例:『赤毛のアン』『にんじん』など)。
  • 家族家庭 - 貧困家庭の父親は、粗野で酒飲み、ギャンブラー、母親は、パーマヘアで体系が肥満等。金持ち家庭の父親は、髭を生やしていたり口調がフランス訛りで嫌味な性格、母親は、尖った眼鏡に語尾に「ザマス」をつけ子供を甘やかせる等があるが、父親に関しては、どちらの家庭も禿げ頭である事が多い。子供は、貧民及び一般家庭は、いじめられっ子やガキ大将が多く勉強及びスポーツが苦手だったり等がある、逆に金持ちの子供は、嫌味で自分を自慢したりマザコンであったりする事が多い。家が豪邸で、庭にプールがある。風呂が大きく獅子型のジャグジーがあり泡風呂。親の職業は一流企業の社長や、企業家でおしゃれ、毎晩肉や三大珍味を食べ豪勢な食事、また1980年代までは、「男が外に出て就職し生計を支え、女は家庭を守るもの(サラリーマン専業主婦の両親こそ理想的一家)」というジェンダーに起因する考え方が一般的・支配的だった。
  • スポーツマンと運動音痴 - スポーツマンは陸上も球技も水泳もあらゆるスポーツが得意で喧嘩にも強い。明るくて熱血。豪放磊落で大胆。芯が強い。女性はサバサバしていて男性的な性格。運動音痴は本が好き、物静か、眼鏡を掛けている、など。
  • 不精髭の人 - 無職ホームレス、子沢山貧乏ギャンブラーにおぼれている人、探検家研究家

肌の色によるステレオタイプ

日本においては、白めの肌を持つ人間に対して「ネクラ」「オタク」などといった消極的なステレオタイピングがしばしば行われる。特に色白の男性に対しては、脆弱で内向的といった印象付けがなされることがある。

逆に黒めの肌が「健康的」と捉えられる傾向がある。大衆文化における好例としては、「ふしぎの海のナディア」が挙げられる。この作品の主人公たる少女ナディアのデザインに用いられた褐色の肌は、その健康的な印象の強調のために採用されたものである、とのことを、その生みの親の一人であった貞本義行が明かしている。

同様の傾向は北欧諸国にも見られる。特に若者の間に広く見られ、美容の手段としての日焼けが広く受容されている。

人種・国籍によるステレオタイプ

ファイル:AntiJapanesePropagandaTakeDayOff.gif
「どうぞ休みを取って下さい!」ステレオタイプがプロパガンダに利用される例。第二次世界大戦中の反日宣伝広告にみられるステレオタイプな日本人像(黄色い肌、メガネ、出っ歯、慇懃無礼)

エスニックジョーク も参照

  • 日本人 - 眼鏡を掛け、出っ歯で背が低く、首にカメラを掛けている(旅行者の与える印象が強かったためと見られる)戦後になると、奥目でいつも笑顔。手先が器用で物作りが得意。個人主義的な西洋人に対して、日本人は集団主義的。イエスとノーが曖昧(本音と建前アルカイック・スマイル)。恥の文化。生きて辱めを受けるよりも潔い死を選び(戦陣訓)、「ハラキリ」や「バンザイ突撃」、「カミカゼ」に至る。英語の発音が下手で独特の文法の英文を作る(Engrish)。欧米の一部では、外国人嫌い[3][4]、歯並びが悪い[5][6]、などのイメージがある。発展途上国では、きれい好きで道徳意識が高く、マナーが良いというイメージもある[7]日本人論も参照
    • 日本人女性 - 貞淑で夫を立てる、献身的などのステレオタイプが日本以外の国には存在している。一方で性的に奔放で白人男性に弱い「ゲイシャガール[8]のイメージも一部にある。
    • 日本人男性 - 仕事中毒で金儲けに熱心(「エコノミック・アニマル」)、勤勉すぎて過労死(Karoshi)する。ペニスが小さい[9]、好色[10]男尊女卑オタクなどのステレオタイプが欧米の一部に見受けられる。これらの印象の多くは日本人だけでなく中国・韓国の男性にも適用される。
    • 北海道人 - おおらかで開放的な、素朴な牧場主。
    • 東北人 - 言葉に強い訛りがあり、純朴で正直者、あるいは陰険で閉鎖的な農民。都会に強い憧れを持つ。いわゆる「田舎者」の典型。
    • 東京人 - 礼儀正しく物腰柔らかだが、形式主義で傲慢かつ冷たいところがある。お洒落で流行に敏感。女性の場合は、地方を蔑視する、あるいは異常に恐れる、不潔感を抱くなど。男性の場合は、地方に強い憧れをもつ。いわゆる「都会人」の典型。
      • 江戸っ子 - 単純で喧嘩っ早いが、情に厚く、思い切りがよい。「江戸っ子は皐月の鯉の吹流し、口先ばかりで腹わたは無し」。「江戸っ子は宵越しの金は持たない」。べらんめえ口調
    • 名古屋人 - 保守的で堅実。普段の生活は倹しく、節約上手だが、俗物で見栄っ張りな面もあり、結婚式が派手。運転マナーが悪い。金に意地汚い
    • 関西人 - お金にシビアで、商売上手。お笑いや冗談を好み、快活で社交的。納豆が嫌い。阪神ファン。東京や中央に対する反骨精神が強い。これらのステレオタイプは、大阪人を念頭に置いたものが多い。
      • 大阪人 - 合理主義的で要領が良い。いらち(=せっかち)。派手好き。食い倒れ。東京を敵視している。いわゆる「大阪のおばちゃん」は逞しく、金銭感覚に優れ、豹柄や虎縞の服を好む[11]
      • 京都人 - 上品で物腰が柔らかだが、慇懃無礼で腹黒く、本音を明かさない。いけず(意地悪)。余所者に厳しい。
    • 広島人 - 広島弁の印象やヤクザ映画のイメージから、気性が荒く乱暴と見なされやすい。逆に、被爆した歴史を持つ「平和都市」のイメージから、平和主義者であるというステレオタイプもある。
    • 九州人 - 九州男児は大柄で野卑な出で立ちをし、大酒呑みで、逞しく一本気な性格で、男尊女卑
    • 沖縄人 - 陽気でおおらか、何事にも大雑把でのんびりな「テーゲー気質」。リズム感があり、歌唱力に優れる。
    • 田舎者 - ズーズー弁を話し野暮ったいが、優しく純朴。または、地縁と因習に縛られた陰湿な村の住人。
    • 都会人 - 洗練されているが、人情味に欠けていて冷たい。時間に細かくせっかちで早歩き。教養は高いが、体力や気力に乏しい。
以上については県民性も参照。
  • 中国人 - 金儲けに熱心で、商売上手。家族や親類を大切にし、他人は信用しない。料理あるいはカンフーが得意で、中国四千年の秘薬・秘技を受け継ぐ。協和語を話す。男性は目が細く、どじょう髭を生やして辮髪を結っており、詰襟で袖の長い服(長衫)を着ている。女性はチャイナドレス(旗袍)を着ており、髪型は両把頭団子ヘアー。現代の中華人民共和国人は反日的で、台湾人は親日的。
    • 華人華僑 - 広東省福建省の出身者が多い。移住地で中華街を形成しており、そこで中華料理店を経営している。商才に長けており、独特の経済網・情報網を作り上げているとされる(ユダヤ人なども同様)。
  • 韓国人・朝鮮人 - キムチが好物。吊り眼で頬が角張っている。民族的自負心の強さから日本人や中国人を嫌い、東南アジアの人々を見下す。男性は尊大で怒りっぽく喧嘩早い性格で、男尊女卑。女性はいわゆる整形美人で気が強い。黒人嫌い。
  • ベトナム人 - 長い戦争を耐え抜いたため非常に忍耐強い。北部人は集団主義的で勤勉。南部人は開放的で個人主義的な性格。女性は細身の美人が多い。親日的で中国人や韓国人を嫌っている。
  • モンゴル人 - 現代においても遊牧民として生活し、移動式の住居(ゲル)に住んでいる。ブフ(モンゴル相撲)が国技であるため日本の相撲にも関心を持っている。歴史的経緯から中国人を嫌っているが日本人やロシア人に対しては友好的である。
  • タイ人 - いつも微笑んでいる穏やかな仏教徒。楽観的で今のことしか考えない。時間にルーズ。挨拶として合掌(ワイ)をする。ニューハーフが多く、同性愛に寛容。白人コンプレックスが強い。男性は怠け者で女性は働き者。
  • フィリピン人 - 大家族育ちの陽気な性格。子沢山。ダンスや音楽が好きでリズム感に優れる。男性は怠け者で女性は働き者。
  • インド人 - 頭にターバンを巻いている(シク教徒のイメージ)。寡黙で瞑想にふける(インド哲学のイメージ)。計算が得意で数学に強い(『0』を発見した国というイメージ)。IT関連に詳しい。好物はカレーで食事はスプーンなどの食器を用いず素手で食べる。
  • 東洋人 - 挨拶のとき必ず合掌お辞儀をする。理数系の学科が得意[12]。物静か、集団的、クリーニング店を経営している、肉を食べない、小柄で細身、すばしっこい、勤勉、親にさからえない、など。瞑想仏教修行)をするので精神が安定している。空手柔道拳法など徒手格闘術の達人である。
  • アメリカ人 - 「超大国の国民」として自分の国と文化が一番であると考えており、マクドナルドに代表されるファーストフードハリウッド映画、テレビのシットコムなどが世界的に広まったため、これらのイメージがステレオタイプとして反映されることが多い。肥満体もしくは筋肉質で大食だが、味音痴。早口でしゃべり、あまり出来のよくないジョークを好む(アメリカン・ジョーク)。派手好き。文化的な影響力が強く英語が世界的に普及していることから、外国に興味がなく、アメリカ国外でも英語以外話したがらない。「アンクル・サム」も参照。
    • アメリカ南部白人(レッドネック) - 西海岸・東海岸などの大都市圏のアメリカ人と比べて保守的。酒飲みで重度の喫煙者。古いピックアップトラックを愛用。テンガロンハット野球帽をかぶっている。カントリー・ミュージックや白人系のブルースロックもしくは古いハードロックを好む。アメリカ合衆国における「田舎者」の典型。
    • ニューヨーカー - 金融関係やマスコミ関係、医師、アーティストなどの知的職業に就いているヤッピー。お洒落で気取っており、軽薄な印象だが、開放的な性格で誰に対しても友好的。政治的にはリベラル派。アメリカ合衆国における「都会人」の典型。
    • アフリカ系アメリカ人 - 大柄で身体能力に優れ、スポーツ万能。貧しく犯罪に走りやすい、ゲットー育ちのギャングスタ、など。自分たちの職を奪うヒスパニック系移民や、黒人への差別意識が強い韓国系移民を嫌っている。
    • ヒスパニック - 貧しく子沢山。楽天的であまり将来のことを深く考えない。集団主義的で家族や仲間を大事にする。ラティーノ(男性)は情熱的なプレイボーイ。ラティーナ(女性)は感情的でセンシュアル(性的)。リズム感に優れ、ラテン音楽とダンスを好む。
    • ハワイ州市民 - 時間にだらしなく(予定より1時間も平気で遅れる)、のんびりしている。赤道周辺やアフリカの諸国民に多く適用される印象でもある。
  • オーストラリア人 - 野暮ったい田舎者で、米国のレッドネックとイメージが重なる部分が多い。かつてイギリスの流刑地だったことから、オーストラリアの白人と言うと流刑者の末裔をイメージする人も多い。
  • イギリス人(主にイングランド人) - 理想が高く、紳士的で保守的(ジェントルマン)。ブラックジョークを好む。ロックを好むもやしっ子。午後に紅茶を飲む。「ジョン・ブル」、「ブリタニア」も参照。
  • アイルランド人 - 酒好き、騒がしい、喧嘩好き、人懐っこい、など。歴史的経緯からイギリス人(イングランド人)を嫌っているが、イングランド人同様に紅茶が好き。赤毛
  • スコットランド人 - ケチ。イングランド人を嫌うのはアイルランド人同様。
  • ドイツ人(=ゲルマン人) - 科学機械に強い。傲慢で几帳面。男性は逞しい体格、女性は金髪。服装は野暮ったく、生真面目でユーモアを解さない。「ゲルマニア」も参照。
  • フランス人 - 芸術を好み、お洒落な美食家。ペダンティックでプライドが高い。英米などのアングロサクソン系文化に反感を持っており、フランス語にこだわり英語を使いたがらない。東洋文化を異常に好むか、異常に嫌悪する。「マリアンヌ」も参照。
  • イタリア人 - 陽気な性格かつ楽天的で、細かいことを気にしない。情熱的だが何事もルーズ。芸術を好む。男性は女性へのアプローチに積極的で、浮気性のプレイボーイである。シチリアなど南部の人々はマフィアのイメージがある。家庭では妻の権限が強い。「イタリア・トゥリッタ」も参照。
  • ポーランド人 - 温厚な田舎者で、頑固かつ保守的。内気でシャイだが、打ち解ければ開放的で陽気。敬虔なカトリック信者。ロシア人が嫌い。電球ジョークも参照。
  • オランダ人 - 小児性愛者LGBT、など。これらはオランダが『世界有数の性の解放区』とも呼ばれることに由来するところが大きい。個人主義的で少数派に寛容な性格。ドイツ人が嫌い。
  • スイス人 - 几帳面で早寝早起き、何事にも保守的で官僚的。形式主義でユーモアセンスに欠ける。アルプスの羊飼い、時計職人または銀行家。「ヘルヴェティア」も参照。
  • ギリシャ人 - 哲学的。のんきだが真面目。寒さに弱い。古代ギリシア人の末裔としての誇りが高い。
  • フィンランド人 - 寒さに強く、薄着で活動することを好む。 男女同権論者。内気で恥ずかしがり屋。無口で、独特の抑揚のない言語で不機嫌そうにしゃべる。唯一の社交の場はサウナ
  • スウェーデン人デンマーク人ノルウェー人 - 金髪碧眼で背が高い。男女同権論者。口数が少なく、個人主義で人付き合いが淡泊。
  • ヨーロッパ人 - メトロセクシャル、人種差別主義者社会主義者、小児性愛者、不細工、猟奇的、陰気、など。これらはアメリカ合衆国におけるステレオタイプで、特に『ユーロトラッシュ』などの蔑称が用いられがちである。逆にアジアの一部においては、ヨーロッパ人は背が高い、体格が良い、美男美女が多いなどの肯定的なステレオタイプもある。日本人女性には、ヨーロッパ人(アメリカ人も)はエリートと思っている者も数多い。
  • ロシア人 - 男性は大柄な肉体(クマに例えられることが多い)をしており、ウォッカを呑む酔っぱらい。若い女性は美人だが、年配の女性は太っている。
    • ソ連人 - 共産主義を全面的に肯定しており、レーニンスターリンを「偉大なる指導者」として崇拝している。血も涙もない冷酷な性格。『悪の帝国発言』の項にもあるとおり、当時のアメリカ合衆国においてこのようなステレオタイプが形成されていた。
  • ラテンアメリカ人 - 女性はセクシーで、頭が悪い印象。男性は絶倫で同じく頭が悪い。男女ともに極めて陽気、など(アメリカ合衆国におけるステレオタイプ)。
  • ユダヤ人ユダヤ系アメリカ人を含む) - 知的で利口。ナード。金勘定にうるさい、ずる賢く他人を見下す。ラビのイメージから、老齢の男性は眼鏡を掛けて髭を生やしている。
  • アラブ人 - 敬虔なイスラム教徒。テロリストのイメージも強い。ベールをかぶりラクダに乗っている。女性は全身をベールに包んでいるか、逆に過度に露出の多い服装。
  • 黒人 - スポーツ、特に球技や陸上競技が得意で俊足。一方、知的ではない。リズム感が優秀である。絶倫。大柄で声が低い、など。特に良く出てくるのは「アフリカの過酷な大自然の中で自らの身体能力のみを頼りに挑戦的に生活し続けている」というものである。
  • 金髪美女 - 金髪の美女は頭が悪く、性行為に対して開放的で、人を簡単に信じて騙されやすい(「キューティ・ブロンド」より)。逆に、悪女や性格の悪い女である。
  • 宇宙人 - タコ型(火星人のイメージとして用いられる事が多い。SF「宇宙戦争」が原因である)やグレイタイプ。恒星間航行技術など人類の及ばない高度な文明を持つ。凶暴で、地球(人類)に襲いかかる。人間に近い種族は尖がった耳や触角を伴っており、大方は西洋人の顔つき。

職業・専攻によるステレオタイプ

  • 文系と理系
    • 理系 - 白衣を着ていることが多い。理屈っぽい。ポップカルチャーにおける科学者のステレオタイプに大きな影響を及ぼした人物として、アインシュタインがいる。ぼさぼさの白髪に白衣を着ているというイメージ[13]は多くのフィクションや映画で使われた(実際には、彼は白衣は着なかった。詳細は en:Albert Einstein in popular cultureを参照)。マッドサイエンティストは異常な知識・技術力と研究意欲を持ち、精神的に不安定。
      • 男性の場合 - おおむね女性に嫌われる男性の典型例か、風変わりだが好人物かの、いずれかの例に描かれやすい。女性向けの漫画やドラマでは、前者が悪役・引き立て役・ギャグメーカーなどに、後者が主役級になる。
        • 前者の場合:オタクロリコンマザコンあるいは、なんらかの変態性欲をもち、工学専攻。垢抜けない服装をしており、専門分野以外のことに疎く、一般的な技能や常識に欠ける。スポーツ全般が苦手。
        • 後者の場合:独特の価値観や夢、あるいはハンディをもっている故に、これまであまり女性に近づかなかった、有能な好青年。数学・物理・医学専攻だが、ストーリーにはほとんど活かされない(ただの舞台装置)。多くの場合、その人物の有能さは、専門的な技能や知識ではなく、留学経験があること、外国語が堪能であること、法律に詳しいこと、事務仕事が得意であること、あるいは有名大学を卒業していること、などの事柄で表現される。スポーツについては、腕はそこそこか、得意だけれどもマイナースポーツをしているなど、女性から見ると「いまいち同性の友人に自慢できない」。
      • 女性の場合 - 大抵薬学か化学専攻。服装はあか抜けないが眼鏡をはずすと美人(眼鏡キャラクター)。有能で仕事ができる。女性向けの漫画・ドラマでは、主人公の軍師かラスボス。
    • 文系 - 情緒豊かで人間味溢れるが、計算が苦手。
      • 男性の場合 - 二枚目半で遊び好きで、営業トークや駆け引きには有能だが、学力や教養には乏しい。またはインドア派で落ち着いた、眼鏡に黒髪の痩せた文学青年。いずれの場合でも、女性向けの漫画やドラマでは、好意的に描かれやすい。
      • 女性の場合 - 英米文学または仏文学専攻、もしくは外国語専攻。お洒落好きで西洋の美術・芸術を好み、日本文化を見下す。または国文学(日本文学)や史学専攻で、内気で黒髪の、眼鏡をかけた文学少女。女性向けの漫画やドラマでは、前者が主人公のライバルの中ボスあるいは中盤で裏切る仲間、後者が主人公の(影の)味方。
  • 体育会系 - 熱血で声が大きく、根性論者。男尊女卑でいつも男同士で群れている(ホモソーシャル)。上下関係にうるさく、体罰など暴力に肯定的。いじめや暴力犯罪の加害者になりやすい。政治信念は右翼的。挨拶は「オッス」。「~です」と言わず、語尾に「~ッス」と付ける。
  • 自然科学者 - 数学者は現実には興味を示さず、記号と数字からなる世界で矛盾の無いを構成する。物理学者は目の前にある現実を重視し、それに当てはまる理論体系を構成する。化学者はたいがい女性。男性の場合は、材料工学などとの複合が多い。地質学者は、探検家みたいな格好をしており、デスク脇には化石が置いてある。たいがい若者ではなく、おじさんかおじいさん。天文学者は、望遠鏡がオフィスにある。勤務地がプラネタリウムか町の天文台。生物学者は、人のいいおじさん、変態的な昆虫マニアの青年、健康的でワイルドな女性のいずれかに描かれやすい。工学等の技術者は理論よりも実用になることに興味を示し、オタク。女性がいない。数学的なジョークではこのようなステレオタイプを風刺的に表現している。
  • 不良 - 大衆文化では親や社会への不満から非行に走っているが小動物をかわいがるなど、根は優しい子と描かれることが多い。父親のことを「親父」、母親のことを「お袋」と呼ぶ。なった理由がいじめ冤罪によるもの。女教師をレイプする等性の対象としてみる。西日本ではヤクザとつながりがある、ヤクザ予備軍であり、東日本では、ヤクザを見下し土木作業員として働いている。
  • マッドサイエンティスト - 奇妙な装置の間で、フラスコを手に、「世界は天才である私の前にひれ伏すのだ」などと呟く。
  • 魔女 - 若々しい美女に化けるが、その正体は醜い老婆で、嫉妬心に駆られて陰謀を企み、魔術を使い破滅する。
  • 賢者 - 長身の容姿端麗な老人で、白いを生やし、長い木のを持ち、厳かな口調で予言を述べる。
  • サラリーマン - 役職は係長止まり。マイホームのローンに追われている。週末の仕事後は新橋でお酒を飲み、泥酔しネクタイをハチマキにし、千鳥足で自宅に土産片手に帰ってくる。夜の営みには淡白。日曜は部長やお得意先と接待ゴルフ。
  • 警察官 - 威圧的かつ権力を悪用する。あるいは真面目で優しくいつも正義の味方。白い自転車に乗ってパトロール。
    • 田舎の村の警察官は交番駐在所勤務で村のお年寄りたちから「駐在さん」と慕われており、自転車で村をパトロールし、とりわけ地蔵がイタズラをされると凄い剣幕で犯人を捜し始める。
  • 刑事 - トレンチコートを着て、鳥打帽をかぶっている。張り込み時の食事はあんパンと牛乳。尋問の際は相手を怒鳴り散らし暴力を振るうAと、逆にゆっくり優しく問いただし落ち込む相手を宥め、出前で用意したカツ丼を食べるように勧めるBの組み合わせ。映像作品において前者は強面でど真面目、後者は前者より年長であることが多い。俊足、喧嘩に強い、自動車の運転が上手い。
  • 泥棒 - 黒々とした口ひげを蓄えており、手拭いで頬被りをし、唐草模様風呂敷を背中に背負っている。
  • 殺し屋 - 人間らしい感情を持たない冷酷な人物。サングラスをかけて煙草を吸っている。引き受けた仕事は絶対に遂行し、標的を逃がさない。
  • 囚人 - 白と黒の横縞模様が入った囚人服を着て足かせ・手かせをはめられている。
  • 右翼左翼 - いずれも暴力的、モテない、騒々しいなどのイメージがある(街宣右翼新左翼の印象が強かったと見られる)
    • 右翼 - 白い学生服や、特攻服、日の丸の鉢巻きを好む。第二次世界大戦前の日本に憧れている。街宣車で軍歌を大音声で流す。総会屋
    • 左翼 - 赤をトレードマークにしている。垢抜けない不潔な服装で、分厚い眼鏡をかけ、時代遅れの共産主義革命に憧れている。マスコミ関係者や地方公務員に多い。気に入らない相手を集団で吊し上げる。内ゲバに走りやすい。
  • プロレスラー - 乱暴者ですぐ暴力に訴え、ヒールレスラーはペイントや、モヒカン等の奇抜な髪形をして木刀や竹刀を持ち歩いている。怒りやすくすぐにヘッドロックで周りの者の頭を締め付ける。力持ちで重い物を片手で持ち上げ、木を引っこ抜き、怪力をアピールする。
  • レースクイーン - 部屋が汚く、自分にだらしない。カメラ小僧に撮られることで自信過剰。性行為が好きで、多少見劣りする男でも積極的に寄ってくる。
  • 教師 - 世間が狭く卒業生や同職の者と結婚する。女生徒と男性教師は笑い話や思い出になるが女教師と男子生徒はとやかく社会問題になる。独身はアパートに住んでいる。
  • お笑い芸人 - どんな状況でも陽気で饒舌。いつもニコニコしている。ハリセンを持ち、関西弁で早口でしゃべる。貧窮で同棲をする。
  • ヤクザチンピラ - ドス拳銃を持ち歩いている。戦前は着流しの着物、80年代のチンピラはアロハシャツ、90年代に入ると特定のブランドのジャージを、幹部は白の背広を着ている。さらしを巻いている。黒のベンツに乗っている。いつも不機嫌で、河内弁や広島弁でまくし立てる。凌ぎに地上げ屋新聞拡張団、借金取り、裏ビデオ製作。ほほに縫い目の傷があり、角刈り。パンチパーマ80年代までパチンコ屋、スポーツ(特にプロレス)の興行を取り仕切る。
  • 関取 - 息が詰まってて、「ごっつあんです」、「~っス」が口癖。筋肉質ではなく、肥満体系。
  • 放送業界人 - ADは、常に寝不足で、汚い格好で、体中にガムテープを用意している。それに対して、プロデューサーは、清潔で上着を袖の部分を結び、両肩にかけるか腰に巻いている。業界用語を使う。

趣味・嗜好、性指向によるステレオタイプ

  • おたく -幼女少女に性的な好奇心を抱く、性犯罪者が多い。また、趣味に収入の多くを注ぎ込む(=買い物の際に大金を持ち歩く)、腕力が弱そうというイメージから「おたく狩り」と呼ばれる強盗事件が起きるようになった。おたくの大半は、眼鏡をかけていたり、肥満体系が多くアニメキャラクターのTシャツを着ていたり頭にバンダナをしていたりと言うパターンが多い(秋葉系)。理系の学生であることが多い。
  • 同性愛者 - ゲイの男性は、「アタシそう思うわ~」など「オネエ言葉」で話す、あるいは坊主頭で髭が濃く、筋肉質の体(女より女らしい、男より男らしいのどちらか、あるいは見た目が男性的で行動が女性的というパターン)。また、ゲイの男性は性的欲求が強く(セックスの事しか考えておらず)、周囲の多数の男性へ常に色目を向けているといったキャラクター像も、娯楽番組・漫画・映画の作品などで広く使用されている。露出の多い服を着、黒のタンクトップを好む。他に、「男が好きな男=女になりたい男」といった性的指向性自認の混同もよく見られる。 レズビアンの女性についても、やはり「言動が男性的」 「男装を好む」などといったものがある。2006年11月に議決された、国際人権法に関するジョグジャカルタ原則はこうしたステレオタイプを偏見差別の要因となるものとして、国家や社会にその徹底した撤廃を求めている。
  • オカマ - なよなよしてて、男の格好をしても、女言葉で話す。美形にはとにかく弱く、性行為を思わせる行動、逆セクハラ、きわどい衣装で同姓を誘惑する。股間への執着が人一倍ある。「オカマ」とののしられると突然激怒する。ヒゲの剃り跡が濃い。関東では、ウケ狙いで異形の格好しており、関西では美形が多く、同姓愛や性同一性障害、オカマの地位向上などの問題に真剣に取り組んでいる。
  • オナベ - 無口で返って男らしく振舞う。「~だぜ」「~じゃねえか」など、男性でもドラマや漫画以外では使わない男言葉を用いる。

ステレオタイプ観念と類似概念

ステレオタイプは、人々が、根拠薄弱な観念をパターン的かつ判で押したように共有している状態を言う。ここで重要なことは、そのような観念がある範囲で広く、大勢の人に共有されていることなどである。しかし、これらの特徴を満たさない概念で、ステレオタイプと混同される概念が多数ある。それらの概念を次に挙げる。

  • 思いこみ」とは、どのような観念も後天的なものは、最初は思い込みで成立するのである。従って、ステレオタイプな観念も思い込みとして出発する。しかし、思い込みは色々なものがあり、そのなかで、紋切り型で、浅薄で、広く流布している観念をステレオタイプというため、思い込みはステレオタイプと同等ではない。
  • 固定観念」は、思い込みの一種であるが、ある特定の観念に個人が固着し、他の人の説得や、反論や、実際に世のなかで起こっていることを見ると、そういう思い込みは妥当しないのではないかと通常は思えるにも拘わらず、なお、特定の思い込みを変えないような観念を言う。ある観念が正しいか間違っているか、その確信が、反証に出会っても容易に変化しないものが固定観念である。固定観念のなかには、独特で複雑な、思想的にも錯綜したものが存在する。
  • 先入観」とは、まだ経験していない、未知の人物や事象などに対し、明瞭な根拠ではなく、曖昧な情報や憶測から、特定の見方や解釈、価値判断などを行っている場合をいう。「パリ芸術の都」であるというような思い込みは、情報が少なく、実際に海外旅行が珍しかった時代には、ステレオタイプとして、また先入観として信じられてもいた(パリ症候群はこの幻想が破られて発症する)。しかし、現代では、パリでもアンチ新自由主義の暴動が起き、また他の大都市に劣らず犯罪多発で、アラブ人が大勢いる。またパリ大学は未だ学生運動が盛んである。
  • 偏見」は、しばしばステレオタイプで固定観念で、しかも先入観である場合がある。偏見は、事実とは異なる、一面的で偏った考えやものごとの把握をいい、ステレオタイプとなっている偏見もあれば、固定観念となっている偏見もある。しかし、偏見でないステレオタイプな観念も多数あり、同様に、固定観念ではない偏見もある。先入観として偏見を持っていた場合、あるいはステレオタイプで偏見を持っていた場合、前者は具体的な経験や新しい知識を得ることで偏見から脱することがあり、後者も、誰かからの指摘を受けたり、書籍を読んだりすることで、自分でよくよく考えてみると、従来の考えが偏っていたことが自覚できることがある。
  • 生物学における「反射」は、刺激に対し意思による決定を含まない単純な経路で応答が起こることをいう。従って応答は紋切り型になる。反射には先天的に形成されているものもあれば後天的に学習されるものもある。また、人間の日常的な行動の中で、意識に上らないまま制御されるものは数多くあり、それらには大脳高次運動野が関与する場合があることが知られている。反射が紋切り型の応答を結果することから、ステレオタイプな行動/返答を揶揄して「条件反射」「脊髄反射」(すら経由しないという侮蔑の意味が強い)と呼ぶ場合がある。

関連項目

出典

  1. ISBN 4886113192
  2. 『こいつは人種差別主義者だ。だけど、ねえ、それがディズニーなのさ(It's Racist, But Hey, It's Disney)』(『ニューヨーク・タイムズ紙』、1993年7月14日付記事)より
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  9. () South Park Season 3 Epsode 11 - Chinpoko Mon WWW.TWIZTV.COM [ arch. ] 10月6日
  10. () My Dog Jackie and Japanese Porn YouTube: kevjumba [ arch. ] 10月6日
  11. アニマルファッション東阪一致!?か?
  12. 1993年の調査によれば、米国におけるSATの数学テストの成績は、アジア人がおおむね他の民族に比べて高い Chapter 1: Elementary and Secondary Science and Mathematics Education - Figures
  13. 1946年のTIME誌の表紙 [1]
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