工学

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工学こうがくengineering)は、科学、特に自然科学の蓄積を利用して、実用的で社会の利益となるような手法・技術を発見し、製品などを発明することを主な研究目的とする学問の総称である。大半の分野では数学物理学が基礎となる。

工学と理学の違いは、理学がある現象を目の前にしたとき「なぜそのようになるのか?」を追求するのに対して、工学は「どうしたら目指す成果に結び付けられるか」を考えることにある。すなわち、工学ではある実験によって一定の関係が得られたら、それがなぜ起こるのかにはあまり関心を寄せず、その実験式をとりあえず受け入れる。なぜそのような関係になるのかを追求するのは理学の役目だからである。

また、理学では「思想」なり「信条」といったことをその理論内に取り込まない傾向があるが、工学では「設計思想」が重要であり、また各工学の学会(電気学会土木学会など)では信条規定が定められている。

更には、理学では「安全」といった概念が扱われない傾向があるが、工学では安全が重要なウェイトを占める。

理学を重視する見地からすれば工学は理学から分かれたような錯覚をおこしがちであるが、歴史的に見ると工学は理学とは相互に影響しながら発達してきたといえる。例えば、蒸気機関の効率についての研究から熱についての認識が深まっていったのであるし、熱についての理学的な研究が進められることによって冷凍も可能になったのだといえる。

1998年にまとめられた,国立8大学工学部を中心とした「工学における教育プログラムに関する検討委員会」による工学の定義によると,工学は以下のように『学問』として位置づけられている。 『工学とは数学と自然科学を基礎とし,ときには人文社会科学の知見を用いて,公共の安全,健康,福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問である.』

工学的妥当性[編集]

工学的妥当性は、使用できる時間やその他の資源の制約の中、工学的目的を達成するための技術的な検討とその評価である。

工学的な性質には、環境適合性・使いやすさ・整備のしやすさ・生涯費用(ライフサイクルコスト)など、質量速度などの単なる科学的に測定できる性質とは違った評価方法の必要なものが多い。その評価方法の開発も重要な分野である。

技術の組み合わせとその評価方法は、何を重点に置くかによって違ってくるので、その面においては社会情勢に対する深い理解があることが望ましい。

工学と社会の関係[編集]

工学には、他の学問の成果を社会還元するための技術開発という面もある。

近年はそれに加えて、その技術の適用にあたっての長所短所調査アセスメント)、調査結果とともに調査過程の資料を公表説明すること(アカウンタビリティ)が求められるようになってきている。

工学教育[編集]

工学には、研究者・専門技術者の養成の役割も期待されている。

工学教育のためには、実験・実習が重要である。また、その目的のためのインターンシップなどが行われるようになってきている。

工学の各分野の進歩の関係[編集]

一つの分野の進歩が、各分野の進歩につながることが多いが、他の分野の進歩の停止につながることもある。

前者の例として、材料工学の進歩で、各分野で理論だけであったものが実際に物として製作されるようになってきたことがあげられる。

後者の例として、内燃機関電動機の発達により、小型原動機としての蒸気機関の発達が停止したことがあげられる。

工学の成果の他の学問分野での利用[編集]

工学の成果が、他の学問分野で利用されることも多い。

例えば、コンピュータによる情報処理は、自然科学分野だけではなく、社会科学人文科学分野でも行われるようになってきている。

工学の分野一覧[編集]

あ行[編集]

安全工学--遺伝子工学--医用生体工学--宇宙工学--衛星工学--衛生工学--エネルギー工学--エネルギー変換工学--オプトエレクトロニクス--音響工学--汚水処理工学--応用化学--応用磁気学--応用微生物学--応用物理学--応用地盤学--応用地質学-

か行[編集]

海岸工学--海洋工学--化学工学--岩盤工学--河川工学--環境工学--画像工学--機械工学--技術哲学--技術史学--基礎工学--教育工学--金属工学--金融工学--空気調和工学--橋梁工学--空港工学--軍事工学--経営工学--経営システム工学--芸術工学--計算機工学--計算機支援工学--計測工学--建設工学--建築構造工学--建築環境工学--建築設備工学--環境都市工学--下水道工学--研削工学--原子力工学--鉱山工学--工業化学--工業計測学--工業薬学--航空工学--交通工学--港湾工学--高温工学--交換工学--光工学--高電圧工学--高分子工学--コンクリート工学-協調工学--計数工学-

さ行[編集]

材料工学--砂防工学--水工学--水質工学--水産工学--資源工学--森林工学--システム工学--上下水道工学--地盤工学(土質力学)--食品工学--社会基盤工学(土木工学)--社会工学--自動車工学--醸造工学--情報工学--照明工学--振動工学--信頼性工学--水道工学--数理工学--制御工学--生産工学--生産システム工学--設計工学--精密工学--精密機械工学--施工学--生物工学--船舶工学--送電工学--創薬学(創薬工学)--ソフトウェア工学--歯科理工学

た行[編集]

耐震工学--炭素化工学--磁気工学--知識工学--知識情報工学--通信工学--通信トラフィック工学--通信伝送工学--通信ネットワーク工学--低温工学デジタル制御工学--鉄道工学--テレビジョン工学--電気計測工学--電気工学--電子管工学--電子工学--電磁波工学--伝送工学--伝熱工学--電波工学--電力工学--電力発生工学--鉄道工学--道路工学--道路交通工学--都市工学--都市環境工学--都市交通工学--土質工学(土質力学)--土木工学--砥粒加工学--デザイン経営工学

な行[編集]

人間工学--農業工学--熱工学--燃焼工学-

は行[編集]

反応工学--配電工学--発酵工学--発電工学--パワーエレクトロニクス--半導体工学--光エレクトロニクス--品質工学--福祉工学--物質工学--物性工学--プラスチック形成加工学--プロセス工学--粉体工学--変電工学--舗装工学

ま行[編集]

マイクロ波工学--無線工学--無機材料工学--メカトロニクス-

や行[編集]

冶金工学--有機材料工学--溶接工学-

ら行[編集]

流通工学--冷凍工学--ロジスティクス工学--ロボット工学

わ行[編集]

A-Z[編集]

関連項目[編集]

ar:هندسة تطبيقية ast:Inxeniería bg:Инженерство bn:প্রকৌশলবিদ্যা br:Ijinerezh bs:Inženjering ca:Enginyeria cs:Inženýrství da:Ingeniørfag de:Ingenieurwissenschafteo:Inĝenierarto es:Ingeniería eu:Ingeniaritza fa:مهندسی fi:Insinööritiede fr:Ingénierie fur:Inzegnerie fy:Technyk gd:Innleadaireachd gl:Enxeñaría he:הנדסה hi:अभियान्त्रिकी hr:Strojarstvo hu:Mérnöki tudomány ia:Ingenieria id:Teknik io:Injenior-arto it:Ingegneria iu:ᑎᑎᕋᐅᔭᖅ ka:საინჟინრო მეცნიერება ko:공학 lad:Enjenyeriya li:Techniek lt:Inžinerija mk:Инженерство ms:Kejuruteraan nl:Techniek pl:Inżynieria pt:Engenharia ro:Inginerie ru:Инженерное дело sa:अभियांत्रिकी शास्त्रं scn:Ncignirìa simple:Engineering sl:Tehnika sr:Инжењеринг sw:Uhandisi ta:பொறியியல் th:วิศวกรรมศาสตร์ tl:Inhinyeriya tr:Mühendislik ug:ئىنژېنېرلىق ئىلمى uk:Інженерія ur:ہندسیات vec:Engegneria zh:工程学