新左翼
新左翼(しんさよく、ニューレフト、英語:New Left)とは、第二次世界大戦後の1960年代に、欧米や日本などの先進国において、急進的な革命を志向し、主に大学生や大学院生や青年労働者から構成された左翼的な政治運動や政治勢力のこと。
概要[編集]
これらの新勢力は、旧来の共産党や社会民主主義政党について、権力にしがみつき戦わない左翼である既成左翼として批判し、それらの議会政治左翼とは異なり、自らは戦闘的左翼または革命的左翼であるして、急進的な革命を志向し過激な直接行動に出たため、「新左翼」と呼ばれた。
これらの基本的イデオロギーとしては反パターナリズムに基づく反共産党、反スターリン主義、又は、アナキズム(プルードン主義、バクーニン主義、クロポトキン主義、アナルコ・サンディカリズム)、マルクス主義(トロツキズム)、毛沢東主義などと、マイノリティー擁護(民族問題、男女差別問題など)の2つが柱となっている。
ただし「新左翼」は特定の党派や思想ではなく、同じ傾向を持った勢力群の総称であり、その定義や範囲は立場により異なる。またトロツキストや毛沢東派は、自己の潮流こそ正統なマルクス主義であるという立場から、「新左翼」と呼ばれることを嫌う場合が多い。同様に、レーニン主義を批判する左翼共産主義者も、みずからを「共産主義左翼」と呼び、「新左翼」と呼ばれることを拒絶する。
フランス[編集]
五月革命 (フランス)も参照
日本[編集]
新左翼 (日本)を参照
アメリカ合衆国[編集]
アメリカでは60年代後半からベトナム反戦運動が盛り上がり、公民権運動は学生非暴力調整委員会(SNCC)やブラックパンサー党の登場で急進化した。1968年にはニューヨークのコロンビア大学をはじめとする多くの大学が急進派の学生に封鎖され、非暴力による黒人解放運動を指導していたマーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されると全米でいっせいに黒人による暴動が発生した。
ドイツ [編集]
ドイツでは1960年代末からドイツ赤軍(バーダー・マインホーフ・グルッペ)などが活動し、70年代の後半には「ドイツの秋」と呼ばれる一連のテロ事件を起こしたが、80年代には当局の弾圧もあり下火になり、ドイツ赤軍は1998年には解散を宣言した。
参考文献[編集]
- 西田慎 『ドイツ・エコロジー政党の誕生-「六八年運動」から緑の党へ-』 昭和堂、2009年 ISBN 978-4-8122-0960-8 -ドイツの新左翼各グループの解説に一章を割き、彼らと緑の党の連関を明らかにしている。