Fate/Zero
『Fate/Zero』(フェイト/ゼロ)は、TYPE-MOON(レーベルはTYPE-MOON BOOKS)より発売された伝奇小説(ライトノベル)。著者はニトロプラスの虚淵玄。キャラクターデザイン・イラストはTYPE-MOONの武内崇。TYPE-MOONとニトロプラスの初コラボレーション作品である。
TYPE-MOONの奈須きのこがシナリオを執筆した『Fate/stay night』の10年前を描いたスピンオフ作品で、奈須が創作した設定を虚淵が引き継ぐ形で執筆している。『Fate/stay night』本編において過去の出来事として断片的に語られていた「第四次聖杯戦争」の詳細を描いた内容で[1]、『Fate/stay night』の登場人物たちの1世代前の人々を中心に物語は展開する。『Fate/stay night』では曖昧にされていた疑問点も伏線として回収するような内容となっている[2]
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作品展開[編集]
元は『Fate/hollow ataraxia』のサブシナリオとして虚淵玄に依頼したのだが、一部だけで莫大な原稿にできあがったために小説として展開することになる。コミックマーケット(以下C)71のTYPE-MOONブースにおいて、Vol.1「第四次聖杯戦争秘話」が先行発売された。会場限定で設定資料やラフ画などを掲載した特別冊子『material/Zero』、TYPE-MOONのBLACK描き下ろしのしおり、特製紙袋が添付された。翌年の2007年1月13日より同人ショップを中心に委託販売が開始されたが、秋葉原などでは完売が相次ぎ、再入荷待ちの店舗も出た。
当初は同人誌と同じく通常の書籍流通には乗せられておらず、ISBNコードも付いていないため、一般書店での取り寄せ・入手は不可能であった。販売形態は一部店舗(同人誌取扱店、ゲームショップ)での店頭販売、およびニトロプラスダイレクトFate/Zero公式通販で通信販売のみだったが、2011年1月から刊行が開始された星海社文庫(星海社)の初回刊行作品の1つとして、本作の文庫化が発表された。全6巻で、同人版より新規イラストが描き下ろされた。
「ヤングエース」2011年2月号から真じろうによるコミカライズ版が連載中である。またスピンオフ漫画として、「月刊ASUKA」[3]では雌鳥作画による『Fate/Zero 黒』(フェイト/ゼロ ブラック)が、「月刊newtype」ではufotableによる『Fateゼロカフェ 〜Fate/Zero cafeに集う英霊達〜』も連載中。
2011年1月にテレビアニメ化が発表された。2期に分けられており、第1期は同年10月から12月まで放送され、第2期は2012年4月から6月まで放送された。またテレビアニメ版の派生としてソーシャルゲーム『[[Fate/Zero [Next Encounter]]』、『Fate/Zero-第四次聖杯戦争展-』等のイベント化が行われた。
ストーリー[編集]
Fate/stay night#用語解説 も参照 日本の地方都市・冬木市では、七組の魔術師(マスター)と使い魔(サーヴァント)による「聖杯戦争」が繰り返されている。1990年代の初秋、四度目の聖杯戦争が始まる。主人公・衛宮切嗣は、名家アインツベルンの委嘱を受け、セイバーのサーヴァントを召喚し聖杯戦争に身を投じる。彼の目的は聖杯による世界平和の実現であった。
英国からは二人の魔術師ケイネス・アーチボルトとウェイバー・ベルベットがランサーとライダーを、冬木からは遠坂時臣とその弟子・言峰綺礼がアーチャーとアサシンを、間桐雁夜がバーサーカーを、それぞれ召喚して参戦する。最後のサーヴァントであるキャスターは一般人・雨生龍之介によって召喚される。
切嗣はセイバーを陽動として扱い、銃火器を用いた隠密戦による他のマスターの抹殺をもくろむ。互いに不信感を募らせながらも、切嗣とセイバーはキャスター、ランサー、バーサーカーを倒す。
一方、遠坂の陣営では裏切りが発生する。アサシンを失った綺礼がアーチャーの教唆によって時臣を殺害し、アーチャーとの再契約を果たすのである。綺礼とアーチャーは強敵ライダーを退ける。
残ったマスター同士の対決において切嗣は綺礼を倒し、聖杯を手にする資格を得るが、土壇場で考えを改め、セイバーに強いて聖杯を破壊させる。聖杯から溢れ出した力が冬木市街の一部を破壊して大火災を引き起こす。
全てを失った切嗣は、火災から救出した少年・士郎を養子に迎え隠棲しひっそりと衰弱していく。一方、綺礼とアーチャーは聖杯によって蘇り、聖杯を逃したアインツベルン・遠坂・間桐の三家は次の機会を切望することとなる。禍根と因縁は残り、第五次聖杯戦争における結実を待つ。
登場人物[編集]
セイバー陣営[編集]
- 衛宮 切嗣(えみや きりつぐ)
- 声:小山力也 / 入野自由(子供時代)
- 身長:175cm、体重:67kg、血液型:AB型、誕生日:11月11日
- 本作の主人公。セイバーのマスター。「正義の味方」に憧れた理想主義者。聖杯に託す望みは「戦いの根絶」「恒久的な平和の実現」。
- 「魔術師殺し」と呼ばれる殺し屋。衛宮六代目の魔術師でありながら、魔術を目的遂行のための手段としか見なさず、本来なら魔術師が忌避する近代兵器を躊躇いなく使用する。聖杯戦争の切り札としてアインツベルン家に婿養子に迎えられた。
- 少年期に父親の研究によって惨劇が起こったことをきっかけに、事件の再発を防ぐため父親を殺害。このことから「多数を救う為に少数を切り捨てる」ことを絶対の信条とするようになる。愛情や友情を尊び、他者の悲喜に共感できる正常な感性を持ちながら、心と指を切り離して引き金を引くことができる暗殺者の天性を持ち合わせてしまったために、罪の意識と喪失の痛みに苛まれ続けながらも信条に徹した生き方を続けている。
- 戦争を始めとするありとあらゆる闘争を軽蔑し、戦いを肯定し人々を戦場に駆り立てる「英雄」という概念を激しく憎悪する。自身のサーヴァントであるセイバーとは召喚前から性格的に相容れないと判断し、アイリと組ませ、おとりとし、その裏から奇襲する方針で召喚を決断していたが、それ以上にセイバーに対しても前述の理由から彼女を徹底して無視し[注釈 1]、最後まで令呪による命令以外での会話を行うことはなかった。
- 言峰綺礼には調査した参加者の資料の経歴を知っただけで、綺礼の内心を見抜き彼の評価で最上の「危険」の評価を付け、最重要危険人物として常に注意することになり、さらに内心では綺礼を恐れてもいた。
- ワルサーWA2000とキャリコM950Aといった銃器、ナイフに爆発物などを用いた戦闘術のほか、背中に刻まれた魔術刻印に因り継承した「時間操作」を応用し、固有結界を体内に限定して展開し、自らの時間流を加速・減速させることで、通常の数倍の運動能力や時間遅延による状況の先延ばしを得る魔術「固有時制御(タイムアルター)」を使いこなす。ただし世界からの修正に因り身体に相当の負担がかかる為に通常は2倍速か3倍停滞程度にとどめている。
- 切り札は魔術礼装として改造された銃トンプソン・コンテンダー[注釈 2]から放たれる「起源弾」。切嗣自身の第12肋骨をすり潰した粉を霊的工程をもって凝縮し、.30-06スプリングフィールド弾の芯材とした概念武装としての側面も持つ魔弾で、これに撃ち抜かれた対象には切嗣の起源である「切断と結合」が発現し、不可逆の変質[注釈 3]がもたらされる。特に対魔術師戦においては非常に効果的で、魔術的手段をもって防御した対象の魔術回路を変質させることでその魔術回路に通っていた魔力を行き場を失わせて暴走させ、魔術回路、ないしそれと密接に関わっていた肉体を破壊する。対象が魔力を使用していればいるほど魔術回路・肉体に与えるダメージは深刻になるという点から、切嗣は挑発を重ねて相手に本気を出させたところで起源弾を撃ち込むという戦法を取り、一発で相手を無力化、ないし死亡させるように立ち回っている。[注釈 4]。
- 戦争終盤に綺礼と相対し、アイリから受け取った「全て遠き理想郷」の回復力を利用し固有時制御を3~4倍速と引き上げる策で迎え撃つ。その最中、聖杯より溢れだした泥を満身に浴び、アイリの皮を被った『この世全ての悪』と対話する。自身の持ち得る方法での峻別でしか願いを叶えられない事実を知らされ絶望し、『この世全ての悪』の怒り憎しみを受け、泥に汚染される。その後、自身より後に目覚めた綺礼を射殺し、二つの令呪を使用し強制的にセイバーに聖杯を破壊させた。聖杯の泥が溢れ出し冬木市に大火災が起こる中、人命救助を試みるものの生存者を見出だせずにいたが、失意のうちにようやく見つけ出した士郎に対して歓喜の涙を流し、感謝の言葉を告げる。そして士郎を養子として引き取り、拠点として使った屋敷で暮らし始める。そして二度と聖杯戦争を起こさないために、最後の魔術を施す[注釈 5]。また士郎に旅に行くと偽って何度かイリヤの救出に向かうが、結界に阻まれ会うことも叶わなかった。それから五年後、『この世全ての悪』の呪いに蝕まれ死期を悟る中、屋敷の縁側で士郎に何気なく正義の味方に憧れていたこと話す。それを聞いた士郎から「正義の味方になる夢は自分が継ぐ」という言葉を聞き、かつて自分はシャーレイにできなかった『大切な相手への誓い』の思い出が胸にある限り士郎は大丈夫だと思い、「そうか。ああ――安心した」と呟き眠るように息を引き取った。
- 『Fate/stay night』においては主人公・衛宮士郎の養父として、回想シーンに登場した。また五次のアーチャーがマスターである遠坂凛に願いを聞かれた際に恒久的な世界平和と彼と同じ願いを提案している。その際凛からは爆笑されながらも、「最悪の願い。争いのない世界は動きを止め、腐っていくだけ」と持論を述べている。
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン(Irisviel von Einzbern)
- 声:大原さやか
- 身長:158cm、体重:52kg、スリーサイズ:B85/W56/H84、血液型:不明、誕生日:2月1日
- 愛称はアイリ。衛宮切嗣の妻。セイバーと別行動を取る切嗣に代わり、おとりとしてセイバーのマスターを演じる。
- 外界を知らずに育った箱入りのため世間知らずで非常に好奇心旺盛。強い意志の持ち主。切嗣を心から愛し、彼の理想に身を捧げる覚悟とともに絶対の信頼を寄せている。「姫君」の気質を備える貴婦人であるため、「騎士」であるセイバーとは非常に相性がいい。車の運転が大好きで、スピード狂の気がある。
- アインツベルンの得意とする、治癒も可能な錬金術に長ける。中でも貴金属の変形はアインツベルンの得意中の得意となっており、銀を用いた針金細工を戦闘に使用する。
- 切嗣の指示で、体内に「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を埋め込んでおり、セイバーに触れられるだけで重傷でも瞬時に回復できる。前回の聖杯戦争でアインツベルンの用意した聖杯が破壊されてしまったため、それを教訓に聖杯を体内に内蔵した、聖杯を守るための殻として造られたホムンクルスである。そのためサーヴァントが消滅し聖杯が本来の機能を取り戻していくごとに、アイリとしての生体機能・人格は塗り潰され消失していく。
- 聖杯戦争終盤に綺礼の策略によりその身を誘拐される。その後彼に切嗣の聖杯に託す望みを説き、その結果に激昂した綺礼により命を絶たれる。絶命後、聖杯として機能し「この世の全ての悪(アンリ・マユ)」と同化した形で切嗣に邂逅し、自身を破壊しようとする切嗣に呪いをかけた。
- アイリ師匠
- 「おねがい!アインツベルン相談室」では弟子ゼロ号ととともに弁護士として登場。立ち位置としては原作の「タイガ師匠」で、ゼロ号からも「アイリ師匠」と呼ばれている。
- 正装は和服でたまに薙刀を持ち出す。「タイガー道場」よろしく作中で脱落した人物の相談が目的であるらしい。
- セイバー(Saber)
- 声:川澄綾子
- 身長:154cm、体重:42kg、スリーサイズ:B73/W53/H76、血液型:不明、誕生日:不明、属性:秩序・善
- パラメータ: 筋力:B 耐久:A 敏捷:A 魔力:A 幸運:D 宝具:A++
- クラス別能力:対魔力:A:騎乗:A / 保有スキル:直感:A:魔力放出:A:カリスマ:B
- 黒スーツに身を包んだ男装の華麗な少女。
- 真名はアルトリア。伝説の騎士王アーサー・ペンドラゴンである。故国を救うために聖杯を目指す。『世界』との契約の1巡目として冬木に呼び出された。
- 宝具は、風の魔術で大気を圧縮し光を屈折させることで所持する剣を不可視にする「風王結界(インビジブル・エア)」と、魔力を変換し絶大な出力の“光”の斬撃として放つ聖剣「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」。召喚の媒体としては聖剣の鞘「全て遠き理想郷(アヴァロン)」が用いられたが、召喚された当人は切嗣やアイリが鞘を所持していることを知らないままだった。
- 一方的な攻撃と殺害を良しとする「暗殺者」切嗣の戦闘方針と、真っ向から堂々たる戦いと勝利を求める「騎士」セイバーの誇りは決して相容れることはなく、最後までマスターとの信頼関係が醸成されることはなかった[注釈 1]。聖杯戦争中、切嗣からは三度のみ(全て令呪による命令)しか話しかけられていない。
- 本作ではクラス特有スキル「騎乗」を思う存分に発揮する。切嗣がアイリに与えたメルセデス・ベンツ 300SL、さらにこの騎乗スキルが機械に有効なことを知った切嗣が彼女自身に手配した、人間が乗ることを度外視したチューニングを施したYAMAHA V-MAX[注釈 6]を風王結界でさらに強化し変貌させ[注釈 7]、限界を超えたレベルで乗りこなした。(ちなみにアニメ登場時のナンバーは冬木 て 52-41)
- 召喚当初はブリテン王として故国での治世をなかったことにしやり直すことを聖杯に願う算段だったが、死してなお臣下に慕われ続けるライダーに自らの王道を否定されたことと、生前共に戦ったバーサーカーが自らを恨んでの狂化と誤解してしまったことから、『自分が王になったこと自体が間違いだった』と失意の淵に沈んでしまう。最終盤においてアーチャーと対峙して劣勢を強いられた際に、切嗣の令呪に拠って最後の希望であった聖杯を自らの手で破壊させられてしまい、悲憤と絶望のなかで退場、カムランの丘へと引き戻されてしまう。そして一人嘆き涙ながら、「ごめんなさい」と懺悔し続けるのだった。
- 『Fate/stay night』ではメインヒロインの一人であり、再び聖杯戦争にセイバーのサーヴァントとして召喚され、切嗣の養子である衛宮士郎と契約。彼のサーヴァントとして剣を執る。なお、召喚場所は衛宮邸の土蔵で、アイリスフィールがセイバーに描かせた魔法陣が偶然にも儀式の役割を果たしている。
- 久宇 舞弥(ひさう まいや)
- 声:恒松あゆみ
- 身長:161cm、体重:49kg、スリーサイズ:B75/W58/H77、血液型:A型、誕生日:7月7日
- 衛宮切嗣の助手であり、愛人であり、弟子である女性。感情を表に出さず淡々と作業をこなす。
- 使用武器は切嗣と同じくステアーAUGと、キャリコM950。使い魔を使役する程度の魔術も体得している。
- 貧国の出身。『久宇舞弥』という名前は切嗣が最初に作った彼女の偽造パスポートに書かれた名前であり、彼女は自分の本名を知らない。幼少から兵士として訓練を受け、昼は戦い、夜は兵士による輪姦を受ける[注釈 8]という凄絶な日々を過ごす中で人間性を失った。その後、戦場で切嗣と出会い拾われ、以後「衛宮切嗣」という戦闘機械を完成させるパーツとして働いてきた。いつかアイリを切り捨てることになる切嗣が、裏切りの予行演習として彼女と肉体関係を持っている。内実はとても幼く純粋無垢で、共に戦う同じ陣営に献身を尽くす。その一途さが切嗣やアイリ、セイバーの信頼を勝ち得た。アイリの護衛任務中にライダーに扮したバーサーカーの襲撃に遭い、駆けつけた切嗣の腕の中で息を引き取る。
- 切嗣も知らない隠れ甘党で、オフの時はケーキバイキングに入り浸っているという裏設定が存在する[注釈 9]。
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(Illyasviel von Einzbern)
- 声:門脇舞以
- 愛称はイリヤ。切嗣とアイリの娘。ホムンクルスと人間のハーフであり、厳密な意味でのホムンクルスとは違った存在。次の聖杯となるべく胎内にいる時から様々な調整を受けている。それが原因で成長が第二次性徴で止まっている。
- 後の第五次聖杯戦争が舞台である『Fate/stay night』にて、主人公である衛宮士郎を執拗に狙うマスターとして登場。ルートによってはサブヒロインとして扱われる。
- ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン
- 声:藤本譲
- アインツベルン第八代の頭主。「八」を捩って、アハト翁と通称されている。実は200年以上生きており、第二次聖杯戦争のときから参戦している。
- 前回の敗北を教訓に、純潔を守ってきた歴史を破り、切嗣を雇い形振り構わぬ姿勢で聖杯戦争に臨む。しかし「最優」と信じて準備したサーヴァントがマスターである切嗣との相性が最悪であったなど、その行為のほとんどが裏目にでるものだった。第三次におけるルール違反が結果として聖杯を永遠に遠ざけてしまった事態は、その最たるものであると言える。
- 『Fate/stay night』では存在が語られるのみで登場はしていないがアインツベルン陣営の黒幕的に語られている。
アーチャー陣営[編集]
- 遠坂 時臣(とおさか ときおみ)
- 声:速水奨
- 身長:177cm、体重:68kg、血液型:O型、誕生日:6月16日
- アーチャーのマスター。聖杯に託す望みは「根源に至る」。遠坂凛と間桐桜の父親。
- 火属性。宝石魔術を体得している。魔術師としての才能は凡庸だが、人より数倍の努力を重ねてきた誇り高い人物であり、魔術師としての実力は第四次聖杯戦争においてはケイネスに次いで優秀である。凄まじい克己心を持つ本物の貴族といえる人物だが、揺るぎない信念ゆえに自らの方針・行動を自省したり他者の心情や状況を考慮することができず、肝心なところで足元を見ない先祖代々の悪癖を持つ。
- 魔道を奉じ、常識的な家族としての幸せを低俗と考える生粋の魔術師。自他ともに厳しく、愛する妻や娘を甘やかす事もない。自身の価値観と間桐家の実情への無知から、魔道に背を向けた旧友・雁夜に対しては激しい侮蔑を露にする。桜を養子に出した事は、魔術の天性の素質を持ちながら魔術師になれない桜の身を怪異や魔術協会から守るため[注釈 10]の自分なりの苦渋の選択であり、立派な魔術師へ成長させてくれると思い込み、間桐の養子に出した。しかし桜の現状と間桐の醜悪な内情を詳しく知らないまま下したその決断が雁夜との決定的な対立を招くこととなった。
- 聖杯戦争の監督役である璃正と裏で繋がり、万全の準備を持って聖杯戦争に挑んだ。サーヴァントであるアーチャーを「高貴なる者」として敬い、臣下の礼をとって接するが、アーチャーを含めたサーヴァントの規格外の能力や振る舞いに振り回される事になる。キャスター討伐後、聖杯戦争の最後に時臣は令呪を使って自分を殺す[注釈 11]と綺礼に聞かされ時臣を見限ったアーチャーと共謀した綺礼の裏切りによって殺害される。
- アニメ版においては『Fate/stay night』から唯一声優が変更されている(変更前のキャストは同作の音響監督を務めた辻谷耕史でゲスト出演に等しい)。
- アーチャー(Archer)
- 声:関智一
- 身長:182cm、体重:68kg、血液型:不明、誕生日:不明、属性:混沌・善
- パラメータ: 筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:A 幸運:A 宝具:EX
- クラス別能力:対魔力:C :単独行動:A / 保有スキル:黄金率:A:カリスマ:A+:神性:B(A+)
- 真名はギルガメッシュ。バビロニアの英雄王。遙か昔、世界の全てを有した「人類最古の英雄」。
- 伝承・伝説の「原典」を貯蔵した宝物庫を開く鍵剣「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」は、財宝を自在に喚びだして使用、または弾丸のように射出することができる。事実上、すべての英雄に対し有利に立ち回ることを可能とする最強のサーヴァント。さらに切り札として「乖離剣エア」による時空切断、「天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)」を持つ。
- 性格は傲岸不遜、自らを唯一無二の王と称してはばからないが、独自ながら「王」としての哲学と価値観を持つ。マスターと離れても行動できる「単独行動」のスキルとその性格ゆえに、時臣を意に介さず自らの望むままに行動する。
- 聖杯に願いを託すわけでなく、自分の財(この地平のすべて)を奪わんとする賊を裁くという異例の理由で聖杯戦争に参加する。自分に礼を尽くす時臣に王として協力していたが、あまりにも魔道に忠実な人格や鈍重な作戦に退屈と不興を感じ、屈折した精神と理性のせめぎあいに苦しむ綺礼に興味を移していき、諭していく。結果、『Fate/stay night』における綺礼を形作る要因となった。また人の限界を極めたライダーを自らが裁くにふさわしい賊と決め、身に余る大望を望み嘗ての友を思い起こさせるセイバーに興味を示すようになる。ライダー戦においては、ライダーを「王」と認め、「天地乖離す開闢の星」によってライダーの宝具「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)」を破壊するなど圧倒的な差を見せつけ、彼の消える間際に再戦の約束を交わし、また「臣としての忠義」を示したウェイバーの在り方を認め見逃すなど、「王」らしい振る舞いも見せた。
- 姿を現した聖杯の前で、対バーサーカー戦で精神的にも疲弊したセイバーと対戦、嫐りながら求婚するものの、セイバーによって破壊された聖杯から漏れ出た泥に飲み込まれてしまう。しかしその圧倒的な自我で以て「この世全ての悪」の怨嗟から脱出、その結果として受肉した。
- 前述の経緯から、『Fate/stay night』に謎のサーヴァントとして登場した。
- 遠坂 葵(とおさか あおい)
- 声:伊藤葉純
- 身長:160cm、体重:50kg、スリーサイズ:B78/W57/H82、血液型:O型、誕生日:9月5日
- 遠坂時臣の妻。遠坂凛と間桐桜の実母。時臣を熱愛している。時臣の指示で聖杯戦争開始直前に凛と共に冬木から鉄道で二駅先にある実家に避難していた。
- 魔術回路こそ持たないが、配偶者の血統における潜在能力を最大限引き出すという特異体質を持つ禅城(ぜんじょう)家の娘。禅城家もかつては魔術師の家系であったが、現在は一般人の家系となっている。間桐雁夜からは好意を寄せられているが、彼女は雁夜を幼馴染の友人としか見ていない。控えめな性格の持ち主であり、自己主張があまりできない人物。自身の娘である桜を養子に出したのは夫である時臣に従ったための行動で、それを悲しみながらも桜のことを雁夜に頼んだことが雁夜参戦の発端となった。聖杯戦争終盤に綺礼の裏切りにより時臣を殺害され、さらに彼の策謀により、雁夜と屍となった時臣に引き合わされてしまう。結果、葵は夫を殺したのが雁夜だと思い込み、彼に激昂し感情のままに暴言を吐き、状況が理解できず自身の思いを貶められて錯乱した雁夜に首を絞められてしまう。その際の酸素欠乏の後遺症により病床に伏せることになり精神も崩壊してしまった。
- 『Fate/stay night』開始時点までに病没していることが語られている。
- 遠坂 凛(とおさか りん)
- 声:植田佳奈
- 身長:124cm、体重:29kg、血液型:O型、誕生日:2月3日
- 遠坂時臣の娘。五大元素使い(アベレージ・ワン)。すでに初歩魔術を行使できる天才。遠坂の血族であることに誇りを持つ、幼き貴族。父親である時臣とは師弟としてしか接された事が無く、それが当たり前だと思っていた。また時臣の魔術師ゆえの歪みを知らず、立派な父と尊敬している。
- 戦後は時臣の葬儀を経て遠坂の家督を継ぐ。その際、綺礼の気まぐれから、綺礼が時臣から魔術の修了の餞別として授かり、直後に彼を殺害するのに用いた因縁のアゾット剣を授かる。
- アニメ版10話では主役を務め、龍之介にさらわれた友人と十数人の子供達を助ける活躍を見せる。
- 『Fate/stay night』ではメインヒロインのひとり。
アサシン陣営[編集]
- 言峰 綺礼(ことみね きれい)
- 声:中田譲治
- 身長:185cm、体重:82kg、血液型:B型、誕生日:12月28日
- アサシンのマスター。聖杯戦争の監督役である言峰璃正の息子。妻子がいたが、妻とは死別している。
- 聖堂教会に所属し、若くして代行者[注釈 12]を務めた実力の持ち主。第四次聖杯戦争の3年前(本来はありえないほど早い時期)に令呪の兆候が現われてからは、教会と遠坂時臣の思惑により魔術協会に「転属」して時臣の弟子となり、聖杯戦争時には表向きは対立を装いつつも、時臣を援護して勝利させる役を担うことになる。
- 代行者の用いる特殊な投擲剣・黒鍵の使い手であり、我流の殺人拳にまで昇華された八極拳の使い手でもある。非常に高い戦闘能力の持ち主。魔術師の家系でない事と後述の理由から全ての魔術の鍛錬を修了の一歩手前でやめてしまっている事から魔術師としては見習いの修了程度だが、治癒魔術に関してだけは師の時臣をも凌駕する能力を持つ(彼の魔術適性が「傷を開く」ことに特化しているため)。
- 普通の人間が美しさや喜びを感じる対象を、そうと感じることができない破綻者。しかし常人以上に道徳と倫理感を理解しているため自らの破綻と歪みに苦しみ、これを正すために代行者に任命されるほどの修身や、様々な試みに明け暮れたが、聖杯戦争に至るまでに何の成果も得られていない。聖杯戦争で衛宮切嗣に己に似た何かを感じ、執拗に彼を付け狙う。一方でアサシンによる諜報で無意識に雁夜だけ身内の事情まで突っ込んだ事を調べさせており、アーチャーにそれを「愉悦のための徒労」と指摘される。
- 当初は与えられた使命を全うするために聖杯戦争に参加していたが、切嗣や雁夜への興味ゆえに独断行動を行うことが多々あり、後に自らの性質をいち早く見抜いたアーチャーに唆され共謀するようになる。戦争終盤、邪魔者となった時臣を暗殺しアーチャーと再契約した後に、雁夜に対しては自らの愉悦を追い求めるために凶行を教唆し、また切嗣に対してはアイリから告げられた『衛宮切嗣が自分が求める人物とは正反対だった』という事実に激昂、アイリを殺害して後、その怒りと憎しみを果たすために切嗣との決戦に打って出る。自身の魔術回路は不充分の為父親から受け継いだ予備令呪を魔力源として術を高めるのだが、これが功を奏し彼自身知らなかった切嗣の起源弾を防ぎ(但し術が強制的に解けてしまう)、切嗣との死闘を演じるが、聖杯の泥を被り勝負は中断され、先に意識を取り戻した切嗣に殺害される。
- アーチャーの受肉によって聖杯の泥を受けて命を永らえさせ、また、何気なく願った『戦いの邪魔となる住民が消えればいい』という願いが成就され、冬木大火災を引き起こす。その光景を見て自らの葛藤の答えに至り、答えに至った過程を求めるための新たな生き方を始めることとなる。
- 『Fate/stay night』では正式に監督役として登場しており、その生存の経緯も詳しく語られている。
- アサシン(Assassin)
- 声:阿部彬名[注釈 13](女性) / 徳本英一郎 / 高間陽一郎 / 図師晃佑 / 島﨑信長 / 村上裕哉 / 松本忍 / 佐々木啓夫 / 山本格 / 野坂尚也 / 佐々木義人 / 桑畑裕輔 / 野間田一勝(男性)[注釈 14]
- 属性:秩序・悪
- パラメータ: 筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:C 幸運:E 宝具:B
- クラス別能力:気配遮断:A+ / 保有スキル:蔵知の司書:C:専科百般:A+
- 言峰綺礼に召喚された暗殺者の英霊。真名は暗殺教団の指導者ハサン・サッバーハ。
- 歴代のハサンのうち、多重人格障害であった「百の貌のハサン」。複数の人格を持った魂は死後肉体から離れることで人格ごとに分割され、現界の際には必要に応じて精神を分割し個別の身体を得るという宝具「妄想幻像(ザバーニーヤ)」を持つ。ただし、分割された個体はそれぞれ性格や得手不得手が異なるため、中には命令無視をしたり、不意打ちに失敗するような個体もいる。また、群体とはいえ総数が「1体」であることに変わりがないため、分裂すればするほど個々のパラメータは低下する。
- 聖杯に託す願いは人格の統合。
- 遠坂に内通する綺礼の策略で、ザイードを捨て駒に最初の脱落者を装いながら陰で諜謀活動に徹する。聖杯問答の後、令呪による指示を受けすべての群体を率いてセイバーとライダーを討つため登場するもライダーの「王の軍勢」によって蹂躙され消滅した。
- 作者である虚淵いわくアサシンは「反則ギリギリ」の能力で、マスターに恵まれていたならばかなり有望な優勝候補になっていたでしょうとのこと。
- ザイード
- 声:川村拓央
- アサシンの人格の内の一つ。男性。
- 厳重な警戒を施されている遠坂邸に単身潜入するなど、アサシンとしては申し分のないスキルを発揮しているが、他の人格からは「取り立てて得手のない」と一蹴されている。その潜入の際、綺礼と時臣の策謀の捨て駒として、アーチャーによって倒された。
- 『お願い!アインツベルン相談室』の記念すべき最初の相談客として登場。自分の不遇さと上司の不平不満を発露するが、師匠と弟子の回転説得で自らの非を改め、第四の王「暗殺王」になるために自分の勤めるブラック企業に足取り軽く出向するも、その道中で「影」に呑まれ昇天した。
- 言峰 璃正(ことみね りせい)
- 声:広瀬正志
- 身長:179cm、体重:88kg、血液型:B型、誕生日:12月29日
- 言峰綺礼の父親。聖堂教会・第八秘蹟部[注釈 15]所属。第三次聖杯戦争に引き続き、第四次聖杯戦争の監督役を務める。
- 謙虚かつ真面目な信徒。息子の苦悩については全く知らず、息子が修行に没頭するのは敬虔な信仰心からだと信じている。綺礼の八極拳の師であり、こと純粋に拳法の腕前では綺礼を凌駕する。
- 冬木の聖杯を下賎の輩から遠ざけ本来の用途に用いるため、古くから親交のある遠坂と共謀して時臣を聖杯戦争の勝者へ導かんと画策する。
- 監督役である彼は、過去の聖杯戦争においてリタイアした者が使い残した令呪を有しており、彼の判断でその令呪をマスターに委譲する権利を持っている。しかしその権利をケイネスに行使した際、彼によって射殺され、残った令呪は息子・綺礼が受け継いだ。
ライダー陣営[編集]
- ウェイバー・ベルベット(Waver Velvet)
- 声:浪川大輔
- 身長:157cm、体重:50kg、血液型:B型、誕生日:10月3日
- ライダーのマスター。19歳の青年。自身の貧弱な体躯にコンプレックスがある。聖杯に託す望みは「自分を見下した連中に己の沽券を示す」こと。
- 魔術師としては三代目であるがそれも名ばかりで[注釈 16]、正式に魔術を学ぶのは彼の代が初めてという、お粗末な魔術回路を継承した落ちこぼれ魔術師。両親の死後、家財一式を売り払い「時計塔」[注釈 17]の門を叩く。「時計塔」において自分の講師であるケイネスに他の生徒の前で馬鹿にされたことを根に持って、偶然手に入れたケイネス宛の聖遺物を盗み出し、冬木の地で令呪を授かって無鉄砲に聖杯戦争に参加する。
- 独学で「時計塔」に入学を果たした自信から自らを優秀と信じて憚らないナルシストだが、一般人への催眠暗示すら完璧にはこなせない未熟で非才な少年。魔術師としての常識的な感性を備える一方、現代の技術の便利さを許容する柔軟性も併せ持ち、他の魔術師たちが軽蔑する機械、携帯電話なども使う。一方で栄養ドリンクと使い捨てカイロ[注釈 18]の値段に衝撃を受け、魔術師としてのプライドをどうしようもなく損ね、魔術師として生まれた時代の悪さについて考え込む一面もある[注釈 19]。
- 聖杯戦争の拠点として、宿代をケチるために、無軌道に選んだマッケンジー夫妻に対し、自らが孫であるという暗示をかけてその住居に居候する。本人にはそのつもりがなかったが、このことが他勢力に対しての撹乱、および一般人の家であるということが危機回避の原因となった。
- 順調に戦争を勝ち進むが、ライダーに勝たせてもらうという戦局の動きに自らの未熟さを殊更に自覚。一度は卑屈になって当たり散らすこともあったが、ライダーに認められたこともあり、少しずつ人間的な成長を見せていく。戦争終盤、令呪を全てライダーのために使いマスターの権利を放棄するものの、ライダーが友として臣下としてのウェイバーに同行を求め、これを承諾。「生きて後世に自らの王の伝説を語り継ぐ」という役目を負い、対アーチャー戦においてライダーの消滅を目の当たりにするものの、アーチャーに対しては一歩も怯まなかったことから、彼に忠道に対する賞賛を向けられ、生還した。
- ライダーやギルガメッシュなど規格外の者からは評価されるが、彼自身が評価して欲しいと願うケイネスや時臣などの普通の魔術師には評価されなかった。本編中にもその片鱗を見せたが、「理論の解釈と再構築」、「他人の才能を見抜き、それを開花させ伸ばす」ことに関しては天才。ライダーとの短くも波瀾万丈な一時は人生への大きな糧となり、本作には書かれていないが後に時計塔の名物講師ロード=エルメロイII世[注釈 20]と称されるほどに彼を成長させた。後にケイネスの死亡によって起きたアーチボルト家のお家騒動を自らの責任と感じて、末席の少女を跡取りに担いで再興を果たす[注釈 21]。そして本作の20年後、遠坂家の現当主とともに冬木の大聖杯を解体する。『Fate/stay night』より後の時期にも生き残っている唯一の第四次聖杯戦争のマスターである。
- ライダー(Rider)
- 声:大塚明夫
- 身長:212cm、体重:130kg、血液型:不明、誕生日:不明、属性:中立・善
- パラメータ: 筋力:B 耐久:A 敏捷:D 魔力:C 幸運:A+ 宝具:A++
- クラス別能力:対魔力:D:騎乗:A+/ 保有スキル:カリスマ:A:軍略:B:神性:C
- 真名はイスカンダル。豪放磊落を地で行く偉丈夫。
- 他者を省みない暴君でありながら、その欲望が結果的に民を幸せにする奔放な「征服王」。アルトリアやギルガメッシュとは違い「人のまま王になった男」とされている。聖杯に託す願いは受肉で、その後に聖杯に頼らない自らの力で世界を征服することを望んでいる。ギルガメッシュの好敵手として競い合う一方で、セイバーは戦士としては評価しているものの対等の王としては認めずに最後まで『小娘』としてむしろ憐れむように扱い続けた。
- 身体がある方が心地よいとして霊体化を拒み、真名を公に名乗ったり他のサーヴァントを自らの軍門に降るよう勧誘したりなどの破天荒な振る舞いを見せる。ホメロスを尊敬し、『イリアス』をいかなる時も手放さない。反面現代文化への順応も早く、ビル・クリントンを難敵と見定めたり、欲しがるものは近代兵器からゲーム機など多岐に及ぶ。後に『アレクセイ』を名乗り、ウェイバーの友人としてマッケンジー宅に居候の身となる。
- 所有する宝具は、雷を纏う二匹の神牛が牽引する大型戦車『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』。それによる蹂躙走法『遙かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』の他にも、高速の走行や飛行を可能としている、ライダークラスとしてのイスカンダルを象徴している宝具。また、切り札として臣下と共有する心象風景を展開し、臣下をサーヴァントとして独立召喚する固有結界『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』を持つが、こちらは発動のために膨大な魔力を消費するため、ウェイバーの負担をライダー自身の魔力で肩代わりしている事情もあり乱用することはできない。
- 終始ウェイバーの行動も併せて聖杯戦争を撹乱しつづけるものの、言峰の奸計によってセイバーと交戦することになった折に『神威の車輪』を失い、アーチャーの最後の決戦では残った『王の軍勢』をも『天地乖離す開闢の星』によって破られ、単騎突撃の果てにアーチャーに一矢報いることも叶わず敗北、王たる生き様をウェイバーに残して消滅した。
- 『Fate/stay night』の初回特典の用語集により当初から存在が記載されており、ギルガメッシュに拮抗する宝具の持ち主であることと、彼の最期が記されている。また原作である奈須きのこは彼のクラスはエキストラクラスを予定していたが、著者の虚淵玄が彼のクラスはライダーとの意見により変更した。
- 2012年のTYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票結果発表では6位にランクインしており、本作のみに登場するキャラクターの中では最も高い人気を誇る[4]。
- 作中作となテレビゲーム『Admirable大戦略』とプリントされているTシャツを着ているシーンが描かれているが、元ネタは『大戦略シリーズ』の一つである『現代大戦略シリーズ』である[注釈 22]。
ランサー陣営[編集]
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト(Kayneth El-Melloi Archibald)
- 声:山崎たくみ
- 身長:181cm、体重:62kg、血液型:B型、誕生日:4月11日
- ランサーのマスター。時計塔降霊科の一級講師でロード=エルメロイという敬称で呼ばれる。魔術師としての経歴に「武功」という箔を付けるため、聖杯戦争に参加する。
- 九代を数える魔術の名門アーチボルト家の嫡男であり、様々な功績を作り上げた天才魔術師。優れた魔術師であることが他人への優越であると疑わない典型的な魔術師の一型だが、その自信に違わず魔術師としては第四次聖杯戦争に参加するマスターの中でも最強。失敗を知らないために自分の非を認められず、疑り深くヒステリックな気性の持ち主で、裏切りの伝承を持つランサーとは信頼を作るどころかソラウの事もあり、不信を強めてしまっている。許嫁のソラウには頭が上がらず、政略結婚の一貫である婚約にもかかわらず彼女に入れ込んでいる。
- 聖杯戦争のサーヴァント召喚・契約の仕組みを解析した上で、魔力の供給を婚約者であるソラウが、令呪を自らが受け持つ分担戦術をとる[注釈 23]。風と水の二重属性。降霊術、召喚術、錬金術に通じ、切札として魔力の込められた水銀を変幻自在の魔術礼装として扱う「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」を駆使する。
- 最初のキャスター討滅戦と並行して切嗣に勝負を挑むものの、起源弾によって魔術師どころか一般人としても再起不能になったうえにマスターの権限と令呪をソラウに奪われてしまう。その後に財を投じて人形遣いに腕の機能を回復させた後は車椅子で移動し、璃正からキャスター討伐の報酬である令呪を受領した後に他者にアドバンテージを渡すまいと、切嗣に濡れ衣を着せるために拳銃を用いてこれを殺害する。しかし切嗣にソラウを人質に取られた後、『全ての令呪とサーヴァントを手放せば衛宮切嗣はケイネスとソラウにいかなる危害も加えられない』という自己強制の魔術的な契約を結び、令呪によってランサーを自害させてマスターとして事実的な敗北を迎える。その直後に切嗣の指示によって魔術契約の対象となっていなかった舞弥にソラウともども銃撃を受け、死にきれずに介錯を求める姿を見かねたセイバーによって命を絶たれた。
- ランサー(Lancer)
- 声:緑川光
- 身長:184cm、体重:85kg、血液型:不明、誕生日:不明、属性:秩序・中庸
- パラメータ: 筋力:B 耐久:C 敏捷:A+ 魔力:D 幸運:E 宝具:B
- クラス別能力:対魔力:B / 保有スキル:心眼(真):B:愛の黒子:C
- 長短2本の槍を持つ、二刀ならぬ二槍の使い手。
- 騎士道に非常に忠実で、名誉ある戦いを重んずる誇り高き英霊。類稀なる美丈夫で、頬にあるほくろには異性を魅了する魔力(呪い)がある[注釈 24]。ケイネスが時計塔の備品係の手違い[注釈 25]のせいでウェイバーにイスカンダルの聖遺物を奪われたため、急遽手配した聖遺物を使って召喚された。聖杯には何も望んでおらず、生前の不義への無念と後悔から、マスターへの忠義を果たすことだけが望みであるが、生前の逸話を含めて、その人生においてある意味どのような人物とも信頼を勝ち得ることの叶わなかった孤高の騎士。
- 所持する宝具は、接触している物の魔力を打ち消す長槍「破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)」と、決して治癒のできない傷を与える呪いの短槍「必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)」。ゲイ・ボウはキャスター掃討戦の際、エクスカリバーをセイバーに使わせるためランサー自らが折って消滅した[注釈 26]また伝承ならさらに二本の剣も扱うのだが、著者の虚淵玄曰く空気を読んで出さなかったと述べている。ちなみにアニメ版の彼の過去では、槍と剣を同時に装備している姿が確認出来る。
- 真名はディルムッド・オディナ。フィオナ騎士団の随一の戦士で、“輝く貌”の異名を持つ。彼の不義と悲恋の逸話はケルト神話のフェニアンサイクルに詳しい。生前、騎士としての忠誠を貫けなかったことを心残りにしており、二度目の人生があるのなら今度は忠誠を貫く生き方をしたいと、その舞台を聖杯戦争に求めた。聖杯戦争ではセイバーを好敵手と定め、互いに騎士としての決闘を望み、その決着を邪魔する者に対しては共闘もした。しかしマスターとの相性はすこぶる悪く、最後まで信頼関係を築くことはできなかった[注釈 27]。最期はキャスター討伐直後にランサー陣営の本拠に乗り込んだセイバーとの一騎打ちの最中に切嗣の策により令呪による強制自害を強いられ、自らがただ一つ抱いた祈りさえ叶わなかったことへの怨嗟を叫びながら消滅した。[注釈 28]
- ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ(Sola-Ui Nuaba-Re Sophia-Ri)
- 声:豊口めぐみ
- 身長:165cm、体重:52kg、スリーサイズ:B88/W56/H84、血液型:O型、誕生日:8月19日
- ケイネスの許嫁。時計塔の降霊科学部長を歴任する家の生まれの魔術師。
- 兄にブラムがいるが、勢力争いの只中に生まれた彼女は、万一に備えて基礎的な魔術を教えられてきた。結局、魔術刻印はブラムが無事に継承し、不要となった彼女は政略結婚のために利用され、ケイネスの許婚となる。気高く我侭な面が目立つが、それは幼い頃から刷り込まれた処世術に過ぎず、実際には好悪すら理解できない冷めた性格で、政略結婚の道具とされたこともケイネスのことも何とも思っていない。
- ケイネスによるランサーの召喚にともない、ランサーへの魔力の供給を担当。ランサーのチャームによって彼に恋し、それに敢えて抵抗せずに生まれて初めて感じた恋慕に身を任せることを選択した。聖杯戦争にて戦闘不能に陥ったケイネスからマスターの権限と令呪を脅しとったが、ランサーが離れている時に舞弥に襲われて右手ごと令呪を切り落とされ、さらわれる。切嗣の尋問によりアジトを自白したと思われ、最期は意識がないまま切嗣にケイネスとのランサー排除の交渉材料として連れてこられ、ランサー消滅後、ケイネス共々舞弥によって銃弾を浴びせかけられ、痛みすらなく即死した。
- 原作者である奈須きのこがZeroで一番好きなキャラクターであり、「Fate/Zero material」の虚淵氏とのチャット式対談でその愛情の深さが伺えるやりとりがある。
バーサーカー陣営[編集]
- 間桐 雁夜(まとう かりや)
- 声:新垣樽助
- 身長:173cm、体重:55kg、血液型:AB型、誕生日:3月22日
- バーサーカーのマスター。『Fate/stay night』の間桐慎二の叔父にあたる。
- 魔術の素養に関しては兄・鶴野より上でありながら、臓硯の支配する間桐の家と間桐家固有の魔術を嫌って11年前に出奔、以来フリージャーナリストとして海外を飛び回り一般人として生きてきた。幼馴染であった禅城葵に好意を寄せていたが、彼女を幸せにできるのは自分ではなく遠坂時臣だと信じたため、思いを告げることもなく身を引いた。偶然、時臣が下の娘・桜を間桐の家に養女として出したことを葵から知るや否や激昂、桜を救いだすことを目的に間桐の魔術師として聖杯戦争に参加。葵の悲しみと桜の惨状をもたらした時臣を憎悪する。
- 今まで魔術の鍛錬を積んでこなかったため、体内に「刻印虫」を宿すという処置によって即席の魔術師となる。その代償はあまりに大きく、命を大幅に削られて死人のような容貌となってしまい、半身不随で食物の嚥下も不可能という状態。魔術を使うだけで文字通り血を吐くほどの苦痛を伴い余命もせいぜい数週間しかないと宣告されている。
- キャスター掃討戦の裏で時臣に戦いを挑むも惨敗し[注釈 29]、重度のヤケドを負い瀕死になるも綺礼によって蘇生され、間桐邸の前に運ばれて放置され、臓硯から、桜の精を吸った虫を飲まされる。終盤、綺礼によって時臣殺害の犯人に仕立て上げられ、それを葵に痛罵されて暴走し、葵の首を絞め昏倒させ、彼女を再起不能に追いやる事となった。その後、バーサーカーの宝具発動によって魔力を全て吸い上げられたあげく、刻印虫も食い尽くされる。戦後は奇跡的に生還するものの体が持つはずがなく、最後の執念と贖罪で桜の下まで辿り着くが間桐邸の蟲蔵で桜を救出し、葵と凛のもとに返し彼自身も家族へと迎えられる幻想を見ながら横死。その骸は桜の目の前で魂もろとも蟲に喰われ、その凄惨を極める様を目の当たりにした桜の精神を、更に深い闇へと導く事となる。
- バーサーカー(Berserker)
- 声:置鮎龍太郎
- 身長:191cm、体重:81kg、血液型:不明、誕生日:不明、属性:秩序・狂
- パラメータ: 筋力:A 耐久:A 敏捷:A+ 魔力:C 幸運:B 宝具:A
- クラス別能力:狂化:C / 保有スキル:対魔力:E:精霊の加護:A:無窮の武練:A+
- 間桐雁夜に召喚された英霊。傷だらけの黒いフルプレートを纏った謎の騎士。保有スキル「無窮の武練」により、狂化してなお本来の武芸の冴えを損なっていない規格外の特性を持つ。セイバーに対し強烈な執着を見せ、その姿を認めれば、他のサーヴァントとの戦闘中であっても、周囲の状況お構いなくマスターの制御をも撥ね退け彼女に襲いかかる。その暴れ様からアーチャーからは「狂犬」と言われる。
- その正体はアーサー・ペンドラゴンとして生きていた頃のセイバーの盟友、円卓の騎士の一人、「湖の騎士」サー・ランスロット。ギネヴィアとの不義の恋とモードレッドの思惑によってカムランの落日を招いた「裏切りの騎士」とも呼ばれる。確かな忠誠心を抱いていたものの、死の瞬間まで抱いた裏切りへの悔恨の念は「英霊の座」にまで持ち越され、雁夜の召還により、かつての願いを呼び起こされ、無念を晴らすため、正気を失うことに救いを求めたために狂気の徒となって現界する。
- 宝具は三つ。一つ目は黒い霧によって己の正体を隠蔽する「己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)」(本来は変身能力の宝具だが、狂化によってパラメータなどの隠蔽に劣化している。令呪を使用することで本来の変身能力も使える)。二つ目はおよそ武器と認識する万物(現代の兵器や戦闘機、そこら辺にある鉄パイプなども含む)、相手の宝具さえも己の宝具として支配下に置く「騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)[注釈 30]」。それ故、宝具をただ投げつけるアーチャーに対しては相性がいい一方、魔力を打ち消すゲイ・ジャルクをもつランサーとの相性は悪い。さらに二つの宝具を封印することで使用できる魔剣「無毀なる湖光(アロンダイト)」が三つ目の宝具。この剣を抜いている間は、すべてのステータスは1ランクアップし、龍属性の存在に対する特効の恩恵を得る。
- セイバーとの最後の戦いで彼女を圧倒するが、マスターの魔力供給を食い潰して自滅。最期の瞬間に正気を取り戻し、セイバーの腕の中で消滅した。
- セイバーに執着した理由や、最後の言葉などから、作者である虚淵に「(ランスロットの)起源はさしずめはた迷惑」と冗談交じりに評されている。
- 間桐 臓硯(まとう ぞうけん)
- 声:津嘉山正種
- (戸籍上では)間桐雁夜の父。その実は冬木の最初の聖杯戦争の時から生きている魔術師、マキリ・ゾォルケン。
- その肉体を大量の虫の力で延命しているが魂はほぼ腐っており、同調して腐敗する肉体を定期的に再構築しなければならない。
- 魔術師としての才能がなくなった間桐家を見限り、魔術師を産む装置として遠坂家から桜を養子に迎えた。
- 自陣営の貧弱さから今回の聖杯戦争は様子見とするつもりだったが、雁夜の懇請により参加を決める。
- だが、今回勝利できるとは最初から考えておらず(あくまで本命は桜の子、ないし孫)、裏切り者・雁夜の苦しむ様子を見ることだけを楽しみにしている。また過去の聖杯戦争をずっと見てきた彼は、関係者の中で唯一、今回の聖杯戦争の異常性に気付いている。
- 聖杯戦争終結後に戦場跡に赴き、聖杯の欠片を入手。それを蟲に変えて桜の体内に埋め込み、彼女を「黒い聖杯」に仕立て上げた。
- 『Fate/stay night』においてあるルートのみ表舞台に出てきた。
- 間桐 桜(まとう さくら)
- 声:下屋則子
- 身長:120cm、体重:25kg、血液型:O型、誕生日:3月2日
- 遠坂時臣の娘で凛の妹。世にも珍しい虚属性の持ち主であるが遠坂の家を継げるのは一人だけの為、古くからの盟約により時臣によって間桐家の養子に出され、間もなく遠坂家とは全く異なった拷問にも等しい間桐特有の魔術の鍛錬を受け、髪や瞳の色などの容貌が著しく変わってしまった。ちなみに、時臣の意図とは異なり臓硯自身は桜を魔術師として育てる気はなく、間桐をもう一度魔術師の家系として復興させるための母体として体そのものを作り変えて間桐家のものにしようとしている。間桐家に来て以来、本来子供では到底耐えられないような凄惨な状況下に追いやられたことで、養子に来る以前とは別人のように感情が稀薄な状態となっており、雁夜が外で何をしているのかも理解していなかった模様。
- 雁夜が目の前で無様に死ぬのを見たことで、臓硯に逆らえばこうなると思い、皮肉にもより間桐の家に縛られることになる。
- 『Fate/stay night』のメインヒロインのひとり。
- 間桐 鶴野(まとう びゃくや)
- 声:鳥海勝美
- 間桐雁夜の兄で慎二の父。(名目上の)間桐家現頭主。容姿や性格は、慎二と酷似している。臓硯の命令で桜を間桐の魔術に染めていた。
- 聖杯戦争への恐怖と自らへの無力感から、夜ごと酒に逃避している。なお息子の慎二は海外に遊学させている。
- 今回の聖杯戦争とは直接関係しないが、誘拐されたアイリを捜す切嗣によって捕まり、尋問されている。
キャスター陣営[編集]
- 雨生 龍之介(うりゅう りゅうのすけ)
- 声:石田彰
- 身長:174cm、体重:65kg、血液型:B型、誕生日:1月31日
- キャスターのマスター。「死」を知るために殺人を行うシリアルキラー。外見は優男。
- 殺害方法にマンネリを覚えた頃、実家で見つけた古書の記述通りに儀式を行い、偶然キャスターを召喚する。その際に龍之介の魔術回路も開放された。雨生家に伝えられていた異形の力は、知識としては忘れ去られたものの、魔術回路は一族の血によって受け継がれていたようである。
- 当初からキャスターを殺人の師と仰ぎ、キャスターからも理解あるマスターと意気投合する。「神は人間賛歌も絶望も等しく愛しており、故に礼賛も冒涜も信仰として受け止め、そんな世界を延々と創り続けているのだから、この世界は神の愛に満ちている」という独自の哲学を持っており、神に絶望したキャスターをも敬服させた。芸術的殺害という共通目的がある為、最も凶悪であるにも関わらず、聖杯戦争に参加する7組の中で最もマスターとサーヴァントの結束が固いという皮肉な結果となる。キャスターが「海魔」を召喚した際、海浜公園で野次馬に混じって見物していたところを切嗣に狙撃され、はじめて実感できた「死」に満足して死んでいく。
- キャスター(Caster)
- 声:鶴岡聡
- 身長:196cm、体重:70kg、血液型:不明、誕生日:不明、属性:混沌・悪
- パラメータ: 筋力:D 耐久:E 敏捷:D 魔力:C 幸運:E 宝具:A+
- クラス別能力:陣地作成:B:道具作成:- / 保有スキル:精神汚染:A:芸術審美:E-
- 龍之介が遊び混じりで行った儀式により、はからずも呼び寄せてしまったサーヴァント。
- 龍之介には「青髭」や「旦那」と慕われる一方、キャスター自身も独特の世界観を持つ龍之介に対し敬意を評している。殺人に対し異常な美学や行動様式を持ち合わせており、その贄を材料にして吐き気を催すような工芸品を創作している。
- 真名は英仏百年戦争のフランス軍の元帥、ジル・ド・レェ。セイバーのことを、生前共に戦ったジャンヌ・ダルクと錯覚し、彼女の記憶が改竄されていると思い込んで彼女を付け狙う狂人[注釈 31]。マスターの龍之介共々正式な魔術師ではないため、自分たちの存在を一般に隠そうともせず、児童の誘拐・殺人などの凶行を繰り返す。そのため監督役の璃正から危険視され、各マスターに討伐の対象とさせられた。
- 宝具能力に特化した召喚魔術師(サモナー)で、宝具「螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)」[注釈 32]を持つ。それそのものが魔力炉となっているために、そもそも魔術師でないキャスターでも魔術(深海の水魔の類の召喚・使役など)の行使が行える。さらに、召喚した怪魔が倒されても、その血肉を魔力に還元し、再び召喚、すなわち無限に召喚し続けることが可能。
- 未遠川にて人目も憚らずに巨大な「海魔[注釈 33]」を召喚、自身は「海魔」の体内に潜り、聖杯戦争そのものを無為に帰そうとする。セイバーの「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」によって海魔もろとも消滅する間際、かつて一人の騎士であった自分を思い出し、涙した。
- 『お願いアインツベルン相談室』では、二人目の相談者として登場。しかし、本編にて最高のマスターと新たな啓示に出会い、かつての栄光を思い出す光に包まれ狂気から解放されるなど非常に幸福のまま消滅したため悩み事が無い。ゼッちゃんをナンパしたりジョークを言ったりと狂気が幾分薄くなっているためか、本編以上に明るくなっている。汚名を着せられ処刑させられたジャンヌのことを思い狂気を再発しかけるが、アイリ師匠の目潰しを喰らい憑物が堕ちたかのようにサッパリした。生前から興奮すると眼球が飛び出しやすかったようで、その度にジャンヌの目潰しで引っ込めてもらっていた模様。最終的に、アイリ師匠とゼッちゃんからジャンヌは死後名誉を回復し様々な形で信仰されていると説得され、爽やかなまま相談質室を後にした。
冬木市の人々[編集]
- グレン・マッケンジー
- 声:西川幾雄
- オーストラリア出身の在日カナダ人の老夫。商社マンとして家族と冬木にやってきたが、冬木を気に入って永住する事にしている。その後は貿易会社を立ち上げて生計を立て、老後は英会話学校の非常勤講師などを務めている。息子のクリスとその家族は日本に馴染めず、カナダに帰ってしまっている。
- 暗示によってウェイバーを孫と思い込まされ、ウェイバーの寄宿先となっている。しかし、過去の記憶との齟齬(孫は家の屋根に上ったことがないのに「お前と屋根に上って星を見た」という話しかけをウェイバーが否定しなかった、等)によりウェイバーが自分の孫でないことに気づく。しかし、彼やライダーの存在でマーサが明るくなったことなどに礼をいい、彼らのことを暖かく受け入れる。決戦に赴こうとするウェイバーに「命と秤に掛けられる物は、結局のところ何も無い」と語った。
- マーサ・マッケンジー
- 声:峰あつ子
- グレンの妻。暗示によってウェイバーを孫と思い込まされる。以前は息子や孫たちが日本を離れてしまったためかやや塞ぎ込んでいたが、ウェイバーがやってきてからは少し明るくなった。
- コトネ
- 声:小林桂子(ドラマCD) / 瀬戸麻沙美(テレビアニメ)
- 遠坂凛のクラスメートで、親友。男子からいじめられているのを凛に助けられたりしていた。
- 雨生龍之介とキャスターが跋扈する中で行方不明となってしまい、悲惨な末路を辿る事となる。
- テレビアニメ版では原作と異なり、龍之介の手にかかる直前で凛によって救出される。
- 仰木(おおぎ)
- 声:川村拓央(ドラマCD) / 井上剛(テレビアニメ)
- 航空自衛隊の一等空尉。「ディアボロI」というコールサインでF-15戦闘機を操縦する。
- 冬木市警察に要請され「海魔」騒動に赴くが、バーサーカーの「騎士は徒手にて死せず」によって戦闘機をバーサーカー配下の宝具とされ、急激なGに耐え切れず死亡。
- 小林(こばやし)
- 声:高橋伸也(ドラマCD) / 奥村翔(テレビアニメ)
- 航空自衛隊の三等空尉。「ディアボロII」というコールサインでF-15戦闘機を操縦する。
- 仰木とともに冬木市に赴く。「海魔」に遭遇し、接近して確認しようした所でその餌食となってしまう。
- 藤村 大河(ふじむら たいが)
- 声:伊藤美紀
- 穂群原学園に通う女子学生。藤村家は冬木市でも指折りの大家で、聖杯戦争後に切嗣が冬木に落ち着くことになった際の後見人になっている。切嗣に一目惚れし切嗣も彼女にシャーレイの面影を感じており、またジンクスを破った唯一の女性であるため甘やかしてしまってたらしい。『Fate/stay night』の主要登場人物のひとり。
- 本編には登場しないが、設定資料集に一項目が設けられているほか、ドラマCD・漫画版で登場した。クラスメイトの友人の父兄が経営する店から高級のワイン樽を盗んだライダーを追って聖杯戦争の渦中で戦争とは関係ないところで冬木の地にせまる危機を八面六臂をなして守ったりとかしたらしい。冬木市でたまたま出会ったウェイバーのアドバイスで教師を意識する様になる[注釈 34]。テレビアニメ版では、最終話エピローグの衛宮邸修繕の場に大河と思しき穂群原学園の女生徒が竹刀を持って走り回っていた。
- また別のドラマCDでは衛宮家に入り浸っている様子も描かれ、切嗣に剣道の稽古を付けてもらってもいた。また切嗣から士郎に魔術を教えるか否かの参考に剣道で例えた問答をかけられており、彼女は出鱈目を教え役に立たないと騙し諦めさせると答え、それでも気づかず続ければむしろ立派で剣道とは違う道を行き、そんな人が間違いを犯すことはないと解き、切嗣を感服させた。
- 弟子ゼロ号
- 声:金元寿子
- 「おねがい!アインツベルン相談室」に登場する、穂群原学園のジャージを着た記憶喪失の少女。中学生。アイリからは最初は「ティーちゃん」と呼ばれていたが正体を知っていた彼女からは、後に「ゼッちゃん」と呼ばれる様になる。直接は語られていないが、後の「タイガ師匠」。その容姿も『Zero Material』における藤村大河そのものと同様。ポジションとしては原作における「弟子1号」。
- 山籠もり中に遭難していたところをアイリによって助けられたらしい。アイリのことは師匠と呼んで尊敬の姿勢を取っている。
- 衛宮 士郎(えみや しろう)
- 声:野田順子
- 第四次聖杯戦争終結後、言峰綺礼が聖杯で引き起こした大災害の中から、切嗣が唯一救いだすことのできた少年である。その後、切嗣は身寄りを喪った彼を引き取り養子として迎えた。なおサブタイトルのカウントダウン(テレビアニメ版ではサブタイトルの下に表示されている。)は、切嗣が彼を救い出し二人が出会うまでの時間を示してる。
- 彼は自分を救ってくれた切嗣に対して異常な憧れを抱いており、切嗣はずっとその歪みを危惧していた。だが最期の夜、彼が、「正義の味方になる」という切嗣の夢を自分が引き受けると言った時に、切嗣は自分とは違うこの誓いの思い出があればきっと大丈夫だ、自分のように道を誤ることは無かろうと安心して、逝く。こうして養父の夢は養子に託された。
- ドラマCDでは出会ってから2年後の話になっており、すでに彼が食卓を取り仕切っている様子が描かれている。彼は切嗣や大河の健康を考えて和食メインの献立にしているが、ジャンクフードを好む切嗣には不満を持たれている。身体に埋め込まれた「全て遠き理想郷」は子供には強すぎるらしく、耐性を付けるため魔術で造った薬を服用している。そして魔術回路を造る訓練の際には、切嗣から、魔術はつまらないからいつでも辞めていいと言われ、また魔術師の覚悟と、自分のためではなく他人のために使え、魔術使いになれ、と説かれている。この時、切嗣が説明に用いた「トレース」の言葉が後に彼の呪文「トレース・オン」に繋がっていく。
- アニメの最終回では士郎が切嗣に誓いをした瞬間、カムランの丘にうずくまるセイバーの頭上に光が差す描写があり、後にセイバーも彼に救われることを暗示する演出となっている。
- 原作『Fate/stay night』の主人公。詳しくは「Fate/stay night」を参照のこと。
衛宮切嗣の過去に関わる人物[編集]
- シャーレイ
- 声:高垣彩陽
- アリマゴ島[注釈 35]に住む才気溢れる少女。小学校すらない島で通信教育だけで13歳で修士課程を修了した。衛宮父子の家事を手伝うかたわら、矩賢に簡単な魔術の手ほどきを受けていた(矩賢も彼女の才能は認めていたが、魔術は一子相伝であるためあくまでも助手であり弟子ではなく、それは彼女自身も承知していた。)。切嗣の初恋の相手。島の人は『キリツグ』という発音が難しいからと切嗣の事を『ケリィ(ケリィトゥグ→ケリィ)』と呼ぶのだが、こう呼び出したのは彼女。
- 矩賢が開発した試薬を好奇心から使用してしまい、不完全な死徒化を果たす。切嗣に自らを殺すように懇願するも、彼はどうにかシャーレイを元に戻そうと奔走したため、騒ぎを聞きつけた聖堂教会の代行者と魔術教会の執行者により島の全住民の殺戮が行われてしまう。彼女の末路は描写はないが殺害されたと思われる。彼女を殺せなかったこと、そして生前彼女から向けられた「(魔術という世界を変えるだけの力を手に入れて)どんな大人になりたいの?」という質問が、切嗣の将来を大きく左右することとなる。
- 衛宮 矩賢(えみや のりかた)
- 声:千葉一伸
- 切嗣の父で衛宮家五代目の魔術師。小因果における時間操作の魔術を究めることで根源へ到達しようとした。
- 封印指定[注釈 36]を受けて潜伏中のアリマゴ島で、「根源に至る」という目的を遂げるために必要となる途方も無い時間を得るべく、死徒[注釈 37]化の研究をしていた。試薬による事故[注釈 38]を皮切りに研究が露見して魔術協会と聖堂教会双方の介入を招き、島から脱出を図ったところを切嗣によって射殺された。遺体は協会に引き渡されるが、ナタリアの交渉により、二割未満の"残り滓"ではあるものの手段として魔術を扱う分には十分な量の魔術刻印が切嗣に継承される。
- 魔術師らしい冷徹な性格だが、息子に向ける愛情は本物であり、死徒化の研究も魔道を継ぐ息子のために行っていた。妻は切嗣を産んで間もなく協会の執行者により殺されている。
- ナタリア・カミンスキー
- 声:渡辺明乃
- 魔術協会に情報を提供したり、報奨金を目当てに執行者として封印指定の魔術師を狩るフリーの魔術師。ショートヘアの銀髪と碧眼という出で立ち。何よりも自分が生き残ることを優先する。喫煙者。
- サキュバスを先祖に持ち、吸精を行うことが可能。アリマゴ島で出会った切嗣を引き取って補佐として使役し、また自らの「狩り」の技術を教え込んだ。彼が母のように慕った女性。彼女自身は異性として切嗣に惹かれていたらしい。切嗣がヘビースモーカーになったのはナタリアの影響である。テレビアニメ版で彼女が吸っていた「焔龍」という架空の煙草は「空の境界」の蒼崎橙子が吸っていたものと同様である。
- オッド・ボルザーク殺害を遂行した際、ボルザークが持ち込んだ死徒蜂によって空飛ぶ死都となった飛行機内に一人取り残されてしまう。自分が生き延びるために飛行機を着陸させようとするが、切嗣は屍食鬼(グール)の上陸を防ぐために、スティンガーミサイルで彼女もろとも旅客機を撃墜する。
- テレビアニメ版では、切嗣に起源弾を作って譲り渡したのは彼女ということになっている。また、最期に旅客機が撃墜される際には笑みを浮かべており、切嗣の選択を予期していたかのような描写がある。
- シモン
- 声:ふくまつ進紗
- アリマゴ島にある教会の神父。
- 温厚な性格ではあるが、魔術師である衛宮家を常に警戒しており、シャーレイに対しては衛宮邸に出入りしないようにとたびたび注意していた。シャーレイの死徒化事故の際、切嗣の通報を受けて聖堂教会に事態への対応を問い合わせたために代行者の介入を招くことになり、結果島は火の海に沈む。
- テレビアニメ版では死徒に襲われて自身も死徒化してしまい、後にナタリアによって射殺されている。
- オッド・ボルザーク
- 声:坂巻学
- 「魔蜂使い」と呼ばれる魔術師。限定的ながら死徒化にも成功している。
- 人間を屍食鬼にする毒針を持った「死徒蜂」を使い魔として使役しており、協会からも危険視されている人物。偽の容姿と名前を用いて長年行方を晦ましていたが、パリ発ニューヨーク行きのエアバスA300に搭乗するという情報を得たナタリアによって捕捉され、機内で殺害された。しかし機内に死徒蜂を体内に隠して持ち込んでおり、死後もその猛威を振るったために、機内のナタリアを除く乗客乗員300名を屍食鬼に変貌させた。
英霊たちの過去に関わる人々[編集]
- ギネヴィア
- アーサー王(セイバー)の妻。アーサー王の同盟者レオデグランス王の娘。
- アーサー王ことアルトリアの正体は女性であったが、彼女の理想と信念に共感し、ブリテンに王国としての体裁をもたらすためにアルトリアに嫁いだ。後に謁見によりランスロット(バーサーカー)と出会い、恋を知る。恋と理想との葛藤の果てにランスロットへの愛を選ぶが、二人の不義はアーサー王を追い落とそうとする者によって暴かれ、ランスロットと共に背徳者として弾劾されることになる。アルトリアを敬愛し、憧憬し、その生き方に倣おうとしながらも、それを貫き通すにはあまりにも普通の女性だった。
- モードレット
- アーサー王(セイバー)の不貞の子で、円卓の騎士の1人。後にアーサー王に対して反乱を起こし、王国崩壊の原因を作った。
- 元はアニメ版『Fate/stay night』で初登場したキャラクターであり本作では登場しないが、アニメ版の一期のエンディングでアルトリアに討たれるカットがある。
- エルキドゥ
- 声:高橋伸也
- ギルガメッシュ(アーチャー)の唯一無二の朋友で、当代で彼と比肩しえた唯一の存在。
- 泥から作られた人だったが、知性と理性を得てギルガメッシュと出会い友となり、共に様々な冒険を行った。しかし、二人の増長は神の怒りに触れ、エルキドゥは衰弱死してしまう。ギルガメッシュのただ一人の理解者である自分の死が彼を孤独にしてしまうことを悔やみながら息を引き取り、それがギルガメッシュの人に対する価値観を決定づけた。
- ギルガメッシュにとって生前のエルキドゥとの出会いや共に歩んだ人生は何よりも変えがたい宝物であり、その生き様はいまもなお心に刻まれている。その存在は、己が持つ全ての財を持ってしてなおも眩しく輝くものとされる。
- グラニア
- 声:中川里江
- コーマック・マック・アートの娘で、エリン(アイルランドの古い呼び名)の王女。ディルムッド(ランサー)の妻。
- フィン・マックールと婚約していたが、その宴の夜にフィンの部下だったディルムッドと出会う。魅惑の黒子によってディルムッドに恋焦がれ彼に聖誓を課し、ディルムッドを背徳の騎士へと駆り立ててしまった。
- フィン・マックール
- 声:楠見尚己
- ディルムッド(ランサー)が名を連ねる、フィオナ騎士団の首領。
- アイルランドにおいて大王に勝るとも劣らない功績と勇名を誇る老雄で、その手に触れた湧水に癒しの力を与えるなど、数々の奇跡の能力を所持している。同じく騎士のクーアルの子で、息子に詩人のオシーン、孫に騎士のオスカーがいる。大王の娘・グラニアと婚約を結んでいたが、彼女がディルムッドを唆して逃亡を図ると、彼らに幾人もの追手を遣わした。後にディルムッドとは和解するものの、狩場にて重傷を負った彼を過去の恨みから見殺しにした。
- 伝説では当初は美しい金髪で後に呪いを受けて銀髪になったとされるが、本作では黒髪である。
- コーマック・マック・アート
- 声:大木民夫
- ケルト神話におけるエリン(アイルランドの古い呼び名)の上王。
- ディルムッド(ランサー)やフィンにとっては主筋に当たる。娘のグラニアをフィンに嫁がせる事を決め、盛大な祝宴を催した。
- 王の軍勢
- かつてイスカンダル(ライダー)と共にユーラシア大陸を駆け巡った、マケドニアの将兵たち。各個が英雄たる逸話を持つ英霊である[注釈 39]。イスカンダルの宝具「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)」によって固有結界内に召喚される。
- ドラマCD版では声の出演に虚淵玄や奈須きのこが参加している。
- ジャンヌ・ダルク
- 英仏百年戦争の英雄で救国の乙女と謳われた少女。
- 信仰心に篤く、神がかり的な統率力でフランスの危機を幾度も救った。しかしコンピエーニュの戦いでイギリス軍に捕らわれ、あらゆる人権を剥奪された扱いを受けたうえに宗教裁判によって魔女の烙印を捺され、火刑に処された。ジル・ド・レェ(キャスター)とは戦友にあたる間柄だが、ジルからは「聖処女」と崇拝に近い恋慕を向けられており、彼女の悲惨な最期がジルを狂気に誘っている。
- 『Fate/Apocrypha』ではメインキャラクターとして登場している人物。また『空の境界』において「抑止力の加護を受けた英雄」の例として名前を挙げられている。本作においては、原作では名前が登場するのみだが、アニメ版の第15話のラストシーンでは『Fate/Apocrypha』に準拠したキャラクターデザインで姿を見せている。
書籍[編集]
- Vol.1 「第四次聖杯戦争秘話」(2006年12月29日発売) 解説:奈須きのこ(奈須茸名義)
- Vol.2 「王たちの狂宴」(2007年3月31日発売) 解説:東出祐一郎
- Vol.3 「散りゆく者たち」(2007年7月27日発売) 解説:田中ロミオ
- Vol.4 「煉獄の炎」(2007年12月29日発売) 解説:奈須きのこ
- 文庫版
- 星海社文庫より発売。全6巻。2011年1月11日の第1巻発売より、以下6か月連続刊行。
- Fate/Zero 1 -第四次聖杯戦争秘話-(2011年1月11日発売、ISBN 978-4-06-138903-8)
- Fate/Zero 2 -英霊参集-(2011年2月9日発売、ISBN 978-4-06-138904-5)
- Fate/Zero 3 -王たちの狂宴-(2011年3月10日発売、ISBN 978-4-06-138906-9)
- Fate/Zero 4 -散りゆく者たち-(2011年4月7日発売、ISBN 978-4-06-138908-3)
- Fate/Zero 5 -闇の胎動-(2011年5月11日発売、ISBN 978-4-06-138910-6)
- Fate/Zero 6 -煉獄の炎-(2011年6月10日発売、ISBN 978-4-06-138912-0)
テレビアニメ[編集]
2011年10月より2012年6月まで、独立局ほかにて放送された。全25話。分割2クールの放送を取ったため、第13話までを第1期として2011年10月から12月まで放送。3か月の休止期間を経て、第2期放送開始前に2週にわたって総集編『Remix I』『Remix II』を放送した後、第2期(第14話 - 第25話)『Fate/Zero 2ndシーズン』が2012年4月から6月までが放送された。
担当声優はドラマCDと共通[注釈 40]。またニコニコチャンネル内の特設ページにて、全8か国語の字幕(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語、中国語・繁体字、中国語・簡体字)付きで全世界(日本を除く)に向けて1週間無料配信[5]。
スタッフ[編集]
- 原作 - 虚淵玄、TYPE-MOON
- 監督 - あおきえい
- 監督補佐 - 恒松圭
- 脚本 - ufotable、佐藤和治、桧山彬、吉田晃浩 and 実弥島巧
- キャラクター原案 - 武内崇
- キャラクターデザイン - 須藤友徳、碇谷敦
- 色彩設計 - 千葉絵美
- 美術監督 - 衛藤功二
- 撮影監督 - 寺尾優一
- 3D監督 - 宍戸幸次郎
- 編集 - 神野学
- 音響監督 - 岩浪美和
- 音楽 - 梶浦由記
- プロデューサー - 岩上敦宏、太田克史、竹内友崇、土居由直、近藤光
- アニメーション制作 - ufotable
- 製作 - アニプレックス、星海社、ノーツ、ニトロプラス、ufotable
主題歌[編集]
- 第1期
- オープニングテーマ「oath sign」(第2話 - 第10話、第12話 - 第13話、Remix I、Remix II)
- 作詞・作曲 - 渡辺翔 / 編曲 - とく / 歌 - LiSA(Aniplex)
- 第1話ではエンディングテーマとして使用。第11話はオープニングが無いため不使用。
- エンディングテーマ「MEMORIA」(第2話 - 第13話、Remix I)
- 作詞 - Eir, Fumio Yasuda / 作曲 - Fumio Yasuda / 編曲 - 下川佳代 / 歌 - 藍井エイル(SME Records)
- 第2期
- オープニングテーマ「to the beginning」(第14話 - 第17話、第20話 - 第23話)
- 作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記 / 歌 - Kalafina(SME Records)
- 「Remix II」のエンディングテーマとしても使用。第18話、第19話、第24話はオープニングが無いため不使用。第25話ではエンディングテーマとして使用。
- エンディングテーマ「空は高く風は歌う」(第14話 - 第17話、第20話 - 第24話)
- 作詞・作曲 - 梶浦由記 / 編曲 - 森空青 / 歌 - 春奈るな(SME Records)
- エンディングテーマ「満天」(第18話、第19話)
- 作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記 / 歌 - Kalafina(SME Records)
各話リスト[編集]
各話のサブタイトルは、Bパート終了時にカウントダウンと共に表示される[注釈 41]。
1stシーズン | ||||
---|---|---|---|---|
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
第一話 | 英霊召喚 | あおきえい | 須藤友徳 碇谷敦 | |
第二話 | 偽りの戦端 | 恒松圭 | ||
第三話 | 冬木の地 | 笹島啓一 | 恒松圭 | |
第四話 | 魔槍の刃 | 栖原隆史 | 清水慶太 | |
第五話 | 凶獣咆吼 | 須藤友徳 | 須藤友徳 碇谷敦 | |
第六話 | 謀略の夜 | 笹島啓一 | 野中卓也 | 茂木貴之 |
第七話 | 魔境の森 | 野中卓也 | ||
第八話 | 魔術師殺し | あおきえい | あおきえい 野中卓也 恒松圭 |
高橋タクロヲ、碇谷敦 茂木貴之、白井俊行 須藤友徳 |
第九話 | 主と従者 | 栖原隆史 | 小船井充 | |
第十話 | 凛の冒険 | 桧山彬 | 小笠原篤 | 菊池隼也 |
第十一話 | 聖杯問答 | 福山大 | 清水慶太 | |
第十二話 | 聖杯の招き | 野中阿斗 | 茂木貴之 | |
第十三話 | 禁断の狂宴 | 宇田明彦 | 碇谷敦 須藤友徳 | |
2ndシーズン | ||||
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
第十四話 | 未遠川血戦 | 恒松圭 | 須藤友徳 碇谷敦 | |
第十五話 | 黄金の輝き | 笹島啓一 | 三浦貴博 | |
第十六話 | 栄誉の果て | 栖原隆史 | 白井俊行 | |
第十七話 | 第八の契約 | 野中卓也 | 茂木貴之 | |
第十八話 | 遠い記憶 -sometime,somewhere-[注釈 42] |
栖原隆史 | 菊池隼也 | |
第十九話 | 正義の在処 -sometime,somewhere-[注釈 42] |
三浦貴博 | 清水慶太 三浦貴博 | |
第二十話 | 暗殺者の帰還 | 笹島啓一 | 野中阿斗 | 藤崎静香 碇谷敦 |
第二十一話 | 双輪の騎士 | あおきえい | 宇田明彦 | 高橋タクロヲ 白井俊行 |
第二十二話 | この世全ての悪 | 室井ふみえ | 野中卓也 | 茂木貴之 |
第二十三話 | 最果ての海 | 恒松圭 | 碇谷敦 須藤友徳 | |
第二十四話 | 最後の令呪 | あおきえい | 菊池隼也、清水慶太 白井俊行、藤崎静香 須藤友徳、碇谷敦 | |
第二十五話 | Fate/Zero | あおきえい | あおきえい 恒松圭 野中卓也 |
須藤友徳 碇谷敦 |
2012年1月2日にはTOKYO MXにて第1期の一挙再放送が行われ、その中で第十一話がオリジナルエディションとして初放送された[6]。
放送局[編集]
本作では、従来放送局ごとに日時に差があるのが一般的であった深夜アニメ作品の放送日を、できるだけ同日に設定するという試みが行われた[7]。また、日本国外でのインターネット配信も日本での放送日と同日に行われている。2011年時点ではインターネットやモバイル端末の発展によって視聴者同士の交流が進んでおり、こうした試みはネットでリアルタイムに情報を得たり交わしたりしながら番組を楽しむような視聴者の需要に応えるものとして注目された[7]。
第1期の初回放送は各局60分放送。
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第1期 | |||||
東京都 | TOKYO MX | 2011年10月1日 - 12月24日 | 土曜 24:00 - 24:30 | 独立局 | E!TV枠 |
栃木県 | とちぎテレビ | ||||
群馬県 | 群馬テレビ | ||||
日本以外 | ニコニコチャンネル | 土曜 24:30 更新 | ネット配信 | 全8か国語の字幕付で1週間配信 日本国内からアクセス不可 | |
埼玉県 | テレ玉 | 土曜 25:35 - 26:05 | 独立局 | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 土曜 25:50 - 26:20 | テレビ東京系列 | ||
近畿広域圏 | 毎日放送 | 土曜 26:28 - 26:58 | TBS系列 | アニメシャワー第2部 一部追加規制を実施 | |
千葉県 | チバテレビ | 2011年10月2日 - 12月25日 | 日曜 25:00 - 25:30 | 独立局 | |
神奈川県 | tvk | ||||
北海道 | テレビ北海道 | 2011年10月4日 - 12月27日 | 火曜 26:00 - 26:30 | テレビ東京系列 | |
福岡県 | TVQ九州放送 | 2011年10月5日 - 12月28日 | 水曜 25:43 - 26:13 | ||
日本全国 | BS11 | 2011年10月7日 - 12月30日 | 金曜 24:00 - 24:30 | BS放送 | ANIME+枠 |
ニコニコチャンネル | 金曜 25:00 更新 | ネット配信 | 日本国外からアクセス不可 | ||
キッズステーション | 2011年10月14日 - 2012年1月20日 | 金曜 24:00 - 24:30 | CS放送 | リピート放送あり | |
日本国内[注釈 43] | not tv1 | 2012年4月 - | 火曜 22:30 - 23:00 | モバキャス | |
第1期総集編 | |||||
東京都 | TOKYO MX | 2012年3月24日・3月31日 | 土曜 24:00 - 24:30 | 独立局 | E!TV枠 |
栃木県 | とちぎテレビ | ||||
群馬県 | 群馬テレビ | ||||
埼玉県 | テレ玉 | 土曜 25:35 - 26:05 | |||
愛知県 | テレビ愛知 | 2012年3月24日 | 土曜 25:50 - 26:20 | テレビ東京系列 | |
2012年4月4日 | 水曜 27:00 - 27:30 | ||||
近畿広域圏 | 毎日放送 | 2012年3月24日 | 土曜 26:43 - 27:13 | TBS系列 | アニメシャワー第2部 |
2012年3月31日 | 土曜 26:13 - 26:43 | ||||
千葉県 | チバテレビ | 2012年3月25日・4月1日 | 日曜 25:00 - 25:30 | 独立局 | |
神奈川県 | tvk | ||||
北海道 | テレビ北海道 | 2012年3月27日 | 火曜 27:00 - 27:30 | テレビ東京系列 | |
2012年4月3日 | 火曜 26:00 - 26:30 | ||||
福岡県 | TVQ九州放送 | 2012年3月28日 | 水曜 26:13 - 26:43 | ||
2012年4月4日 | 水曜 25:43 - 26:13 | ||||
日本全国 | BS11 | 2012年3月31日 | 土曜 23:30 - 24:00 | BS放送 | ANIME+枠 |
2012年4月7日 | 土曜 24:00 - 24:30 | ||||
第2期 | |||||
東京都 | TOKYO MX | 2012年4月7日 - 6月23日 | 土曜 24:00 - 24:30 | 独立局 | E!TV枠 |
栃木県 | とちぎテレビ | ||||
群馬県 | 群馬テレビ | ||||
神奈川県 | tvk | ||||
埼玉県 | テレ玉 | 土曜 25:30 - 26:00 | |||
愛知県 | テレビ愛知 | 土曜 25:50 - 26:20 | テレビ東京系列 | ||
近畿広域圏 | 毎日放送 | 土曜 26:28 - 26:58 | TBS系列 | アニメシャワー第2部 | |
千葉県 | チバテレビ | 2012年4月8日 - 6月24日 | 日曜 25:00 - 25:30 | 独立局 | |
北海道 | テレビ北海道 | 2012年4月10日 - 6月26日 | 火曜 26:00 - 26:30 | テレビ東京系列 | |
福岡県 | TVQ九州放送 | 2012年4月11日 - 6月27日 | 水曜 25:43 - 26:13 | ||
日本全国 | BS11 | 2012年4月14日 - 6月30日 | 土曜 24:00 - 24:30 | BS放送 | ANIME+枠 |
キッズステーション | 2012年4月23日 - 7月9日 | 月曜 24:00 - 24:30 | CS放送 | リピート放送あり |
Blu-ray / DVD[編集]
- Fate/Zero Blu-ray Disc Box I
- アニプレックスより2012年3月7日発売。アニメ第1期放送分(第1話 - 第13話)が収録されたBlu-ray BOX。
- 本編と映像特典[注釈 44]を収録したBD5枚と、オリジナルサウンドトラック、虚淵玄書き下ろしドラマCDを収録。本編映像はテレビ未放送映像を加えたオリジナルエディション仕様となる。
- 初週4.3万枚を売り上げ、2012年3月19日付オリコン週間BDランキング総合首位を獲得した。これは『涼宮ハルヒの憂鬱 Blu-ray コンプリートBOX』の3.1万枚を上回り初週売上歴代最高となる[8]。
- Fate/Zero Blu-ray Disc Box II
- アニプレックスより2012年9月19日発売。アニメ第2期放送分(第14話 - 第25話)が収録されたBlu-ray BOX。
- 本編と映像特典[注釈 45]を収録したBD5枚と、「Fate/Zero Remix」を収録したBlu-ray BOX、オリジナルサウンドトラック、虚淵玄書き下ろしドラマCDを収録。本編映像はテレビ未放送映像を加えたオリジナルエディション仕様となる。
巻数 | 収録話 | 品番 | 発売日 |
---|---|---|---|
Fate/Zero Blu-ray Disc Box I | 第1話 - 第13話 | ANZX9431〜9437 | 2012年 | 3月 7日
Fate/Zero Blu-ray Disc Box II | 第14話 - 第25話 | ANZX9441〜9447 | 2012年 | 9月19日
- DVDシリーズ
- 全9巻。DVDソフトはレンタルのみでリリースされている。ただし収録内容はテレビ放映バージョンのもので、BD BOXの内容とは異なる。
巻数 | 収録話 | 品番 | レンタル開始日 |
---|---|---|---|
Fate/Zero 1 | 第1話 | ANRB9421 | 2011年12月21日 |
Fate/Zero 2 | 第2話 - 第4話 | ANRB9422 | 2012年 | 1月25日
Fate/Zero 3 | 第5話 - 第7話 | ANRB9423 | 2012年 | 2月22日
Fate/Zero 4 | 第8話 - 第10話 | ANRB9424 | 2012年 | 3月21日
Fate/Zero 5 | 第11話 - 第13話 | ANRB9425 | 2012年 | 4月25日
Fate/Zero 6 | 第14話 - 第16話 | ANRB9426 | 2012年 | 6月27日
Fate/Zero 7 | 第17話 - 第19話 | ANRB9426 | 2012年 | 7月25日
Fate/Zero 8 | 第20話 - 第22話 | ANRB9426 | 2012年 | 8月22日
Fate/Zero 9 | 第23話 - 第25話 | ANRB9426 | 2012年 | 9月26日
受賞歴[編集]
短編映画[編集]
- Fate/ゼロカフェ
2013年7月13日公開の『劇場版空の境界 俯瞰風景3D』と同時上映の短編作品。『月刊ニュータイプ』2012年9月号より連載のFate/ZEROのキャラクターがディフォルメになって登場する4コマ漫画を映像化。
サウンドドラマ[編集]
- Sound Drama Fate/Zero
- レーベル:HOBiRECORDS
- 監督:高宮宏臣(HOBiBOX)
- 音楽:ZIZZ STUDIO
- 企画協力:ランアンドガン
- ナレーション:小杉十郎太
- エンディングテーマ(1〜3巻)「SAMSARA」
- エンディングテーマ(4巻)「Moon Cradle 〜天の喚び声〜」
- 「第四次聖杯戦争秘話」CD3枚組 2008年8月22日発売 (コミックマーケット74にて先行発売)
- 「王たちの狂宴」CD4枚組 2009年1月23日発売(コミックマーケット75にて先行発売)
- 「散りゆく者たち」CD3枚組 2009年8月28日発売(コミックマーケット76にて先行発売)
- 「煉獄の炎」CD5枚組 2010年1月22日発売
- スペシャルドラマCD(アンソロジードラマCD)
- 短編オリジナルエピソードを収録。TYPE-MOONエースVol.1に「夢見る淑女」から「イートイン・泰山」の4枚が収録できるCDケースが付属している。
- 「夢見る淑女」コンプティーク2008年9月号 付録
- セイバー召喚後、日本へ立つ前のアインツベルン城での衛宮切嗣陣営を描く。
- 「迷わぬ人々」月刊コンプエース2009年2月号 付録
- 聖杯戦争が始まる前の遠坂家を描く。
- 「ノケモノたちの競演」コンプティーク2009年7月号 付録
- ウェイバーとライダーが、当時女子高生の藤村大河と出会うエピソードを描く。
- 「イートイン・泰山」コンプエース2010年2月号 付録
- 各キャラクターたちが冬木市の食事処に赴く様子を描く。
- 「間桐家の試練」コンプエース2012年7月号 付録
- 間桐臓硯からの修行という名のムチャぶりに応えていく間桐雁夜の奮闘を描く。脚本はたぽ。
- 「アルトリア・ロマンス」コンプティーク2012年7月号 付録
- サーヴァントたちが学園生活を送りながら聖杯を目指すというイフストーリー。脚本は磨伸映一郎。
- 「夢見る淑女」コンプティーク2008年9月号 付録
- アンソロジードラマCD
- 2012年6月14日発売
- 上記のスペシャルドラマCDのうち「夢見る淑女」から「イートイン・泰山」までを収録。
- 2012年6月14日発売
その他のメディア展開[編集]
- Sound Drama Fate/Zero -ラジオマテリアル-
- ドラマCD版と連動して配信されたWebラジオ。詳細は当該項目を参照。
- Fate/Zero [Next Encounter](フェイト/ゼロ ネクスト・エンカウンター)
- フィーチャーフォン・スマートフォンで展開されるソーシャルゲーム。開発はConteride。2012年サービス開始。
- Fate/Zero -第四次聖杯戦争展-
- 2012年秋に名古屋・東京・徳島・小倉・大阪で順次展開される展示イベント。展示の他、グッズ販売やカフェ、トークショーも行われる。入場者は「時計塔の学生の一人として聖杯戦争を学ぶ」という形式をとる。前売りチケットには限定ブックレット付きも同時販売される。また徳島以外の会場では英霊召喚スタンプラリーが催され、展示会場だけでなく市中のアニメ専門店などに置かれたスタンプ7つ全て集めると(小倉会場のみ5つでも可。)、先着で限定ミニクリアファイルが配布される。
- 名古屋会場
- 東京会場
- 会場:池袋サンシャインシティ 会期:2012年9月26日 - 9月30日
- ゲスト:小山力也(9月29日, 30日) / 川澄綾子(9月30日) / 中田譲治(9月29日) / 鶴岡聡(9月27日)
- 大阪会場
- 会場:アジア太平洋トレードセンター 会期:2012年11月2日 - 11月4日
- ゲスト:川澄綾子(11月4日) / 鶴岡聡(11月4日)
関連商品[編集]
- サウンドトラック
- Fate/Zero Original Image Soundtrack RETURN TO ZERO
- 作中のシーンやキャラクターをイメージした楽曲を収録。ZIZZ STUDIO作。コミックマーケット73にて発売。
- Fate/Zero Original Image Soundtrack RETURN TO ZERO
- 前述のドラマCDのサウンドトラック。オリジナル曲の作・編曲は断りのない限りsumiisanが担当。2010年5月28日にSIDE CONNECTION Inc.から発売。
- コミカライズ
- いずれも角川書店から発行。
- 『Fate/Zero』
- ISBN 978-4-04-715771-2(2011年9月3日発売)
- ISBN 978-4-04-715787-3(2011年10月4日発売)
- ISBN 978-4-04-715819-1(2012年3月26日発売)
- 武内崇描き下ろしカバー、海洋堂特製セイバーフィギュア、武内崇&真じろう特製ポストカード封入の限定版(ISBN 978-4-04-900815-9)も発売。
- ISBN 978-4-04-120800-7(2013年7月4日発売)
- 『Fate/Zero』
- 『Fate/Zero 黒』
- ISBN 978-4-04-120799-4(2013年7月4日発売)
- 設定資料集
- 「Fate/Zero material」2008年8月8日発売
- トリビュート作品
- 「Fate/Zero Tribute Arts -死にゆく者への祈り-」2008年12月28日発売 株式会社虎の穴発行
- 65名の作家による、イラストとサイドストーリーを収録。
- 「Fate/Zero Tribute Arts -死にゆく者への祈り-」2008年12月28日発売 株式会社虎の穴発行
- テレビアニメ第1シーズンでエンディング主題歌を歌った藍井エイルによる、サーヴァント7人のトリビュートアルバム。エンディングテーマ「MEMORIA」のオーケストラアレンジ版も収録されている。
その他[編集]
箇条書きは本文に組み入れてほしいと言っていた人がいたようです。 |
- 歌舞伎の女形役者である坂東新悟が読んで面白かった本として本作をあげ、「すごくドロドロした暗い内容ですが、独特の魅力があります。なんとなく『女殺油地獄』に似た雰囲気というか。」と述べている[9]。
- ニトロプラスの対戦型格闘ゲーム「ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-」に本作のセイバーがゲスト出演。切嗣と舞弥を呼んで援護攻撃を行ってもらう技があったり、他キャラからランスロットとギネヴィアとの確執について触れられている。
- 本作に対する評価は、後に本作の著者である虚淵玄がシリーズ構成・脚本を担当したテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の企画にも繋がっている。『Fate/Zero』のテレビアニメ版のプロデューサーを務めた岩上敦宏は、劇場版『空の境界』の試写会にて奈須きのこを介して虚淵と知り合った後、まだアニメ化を持ちかけるような段階になかった『Fate/Zero』への繋ぎの企画として、『まどか☆マギカ』の脚本に虚淵を起用することを持ちかけた[10]
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脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 1.0 1.1 英雄という概念を心から憎悪し、少年兵である舞弥を保護してもいる切嗣にとって、外見はまだいたいけな少女であるアルトリアがそのような役割を与えられた事態は許せることではなかった。
- ↑ 劇中では.30-06スプリングフィールド弾を用いているが、.30-06に対応する部品はなく、切嗣が魔術的行程で鍛造した銃身に換装したカスタムモデルである。
- ↑ 作中で「切れたロープをつなぐとロープとしての用は成すが、その結び目の部分だけ太さが変わる」と喩えられている。精密に設計された機器にとってその変質は致命的であり、この起源を持つ切嗣は手を加えれば加えるほど致命的に壊れていくという理由で、精密機器の修理ができない。
- ↑ 対象が魔術に頼らず、物理的手段をもって防御すれば起源弾はただの弾丸と変わりない威力・効果しかないが、切嗣の使用している.30-06スプリングフィールド弾はボトルネック構造のライフル用カートリッジで、いわゆるハンドキャノンクラスのマグナム弾をもはるかに凌駕する火力を有しており、個人装備で物理的に防御するにはNIJ規格でレベルIVクラスの防弾装備が必須となる。切嗣の起源弾は元々六十六発作成されており、第四次聖杯戦争の直前までに三十七発が使用済で、かつ全弾を相手に外すことなく撃ち込んでいる。つまり切嗣はこれまで三十七の魔術師を完全破壊しているということになり、ケイネスは三十八発目の犠牲者にあたる。犠牲になった魔術師の誰もが、.30-06の物理的パワーを想定していなかった結果である。実際、ケイネスに放った1発目は起源弾ではなかったのだが、月霊髄液の防壁を貫通している。ただし、魔術回路を要せず術者から独立した魔力で運用する魔術に対しては効果が薄い。
- ↑ 爆薬で細工をし洞窟内に瘤を発生させ、そこに堆積したマナが30年から40年の間に破裂し龍洞を崩落させ聖杯を封印する仕掛けだが、切嗣の予想に反して聖杯戦争が早まった為に不発に終わる。だが、聖杯が出現した際にそれは発動し洞窟を崩壊させた。
- ↑ 1200ccの排気量をボアアップで1400ccに引き上げる事をはじめ様々なチューニングを施し、エンジン出力は250PS以上、最高速度は400km/hに迫り、常人にはクラッチを繋ぎ後輪にトラクションを掛ける事すら至難とされている。なお、現実世界においては量産市販車ベースの改造車両と競技専用車両のカテゴリー違いではあるものの、2000年代以降のmotoGPに参戦する車両はV-MAXと同じエンジン形式(水冷DOHC4バルブV型4気筒)で最高出力約240PS、最高速度350km/h以上の性能を1000cc以下の排気量で技術的に達成している。
- ↑ 1/1スケールの実車モデルが造られた際にセイバー・モータード・キュイラッシェと名付けられた。
- ↑ 初潮を迎えてまもなく父親が誰なのか分からない子供を授かったが、その子供もすぐに引き離されて少年兵にさせられた。
- ↑ 冬木市でのお気に入りは冬木ハイアットホテルのレストランで、黙々とケーキを食べている姿が従業員の間で話題になった。しかし、このホテルはランサー陣営が拠点にしていたため、切嗣に爆破されてしまう。
- ↑ 魔道の家門を継げるのは原則1人だけであり、そうでない者で桜のような希少で特異な能力を持つ者は日常生活を送るのが困難になる可能性が高い上に、魔術協会に囚われ標本やモルモットにされる恐れも高いため。
- ↑ 時臣の願望である『根源に至る』ためには7名全てのサーヴァントの魂を聖杯に捧げる必要があるため。
- ↑ 聖堂教会における異端審問員で、神の代行と称して教義に存在しない異端を狩る殺し屋。死徒や禁を犯した魔術師を主な標的とする。「TYPE-MOON#共通した世界観」も参照。
- ↑ ドラマCDでは旧名の「阿部幸恵」で参加。
- ↑ 徳本・高間はドラマCD版のみ / 図師・島﨑・村上・松本・佐々木・山本はテレビアニメ版のみの出演。
- ↑ 聖堂教会に属し、聖遺物の管理・回収を行う機関。聖杯という聖遺物が絡む以上、聖杯戦争の監督役である冬木教会の神父には第八秘蹟部の構成員が赴任することになっている。
- ↑ 彼の母方の祖母が魔術師の愛人だったことがあり、彼女がその時に遊び半分で簡単な魔術を覚えたのが魔術師としてのベルベット家の始まりである。
- ↑ ロンドンの大英博物館にある魔術協会の総本部であり、魔術師の学校。魔術師のご多分に漏れず、そして、数ある魔術協会の中でも特に血筋や権威主義による縛りがきつく、新参が幹部に入ることができない不健全な状態。
- ↑ ホッカイロ徳用10パック400円
- ↑ これらの品を魔術的に代用しようとすると数十倍のコストが要るため。
- ↑ Character materialにて本作より先行して紹介さられており、彼の正体こそ伏せているが日本のゲームが趣味と大戦略のTシャツ姿があるなど、ライダーの影響と言えることがウェイバーと暗示を示している。また、本編とは並行世界の物語である『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のドラマCD・テレビアニメでも浪川が声を担当している。
- ↑ アーチボルト家がウェイバーにロード=エルメロイII世の称号を与えたのはこの功績への賞賛と同時に、ウェイバーをアーチボルト家に縛り付けて監督するためでもある。
- ↑ アニメ版においては、実際にスタッフロールの協力の項目で開発元でもあるシステムソフト・アルファーの名前が記載されている。
- ↑ 但し、聖堂教会のマスター登録にはケイネスの名前しか登録していない。
- ↑ この『魅惑(テンプーション)』の呪いは比較的軽微なもので、ある程度の力がある魔術師なら対処可能
- ↑ 直接ケイネスに渡すように指示してあったケイネス宛の荷物をウェイバーに託してしまった。
- ↑ エクスカリバーを放つには両腕での振りぬきが必要だが、セイバーはランサーとの初戦でゲイ・ボウに左手の親指の腱を切られて左手が使えない状態だった。そこで切嗣はランサーに「セイバーの左腕には対城宝具(対人、対軍と3段階ある宝具の攻撃範囲で最も上)がある」と伝え(実際に電話を受けてランサーにこの事を伝えたのは、アイリの代わりに携帯電話を操作したウェイバー)ランサーは騎士道精神から自らゲイ・ボウを折った。実はこの時、切嗣はキャスター陣営討伐と同時進行で他のマスターを始末するべく動いており、この連絡はランサー陣営を倒すための一環としてでもあった。
- ↑ ケイネスはランサーを「ただの道具」としか見なしておらず、またランサーの忠義はケイネスの価値観からすれば理解しがたいもので、真意を隠しているという疑いを抱かせてしまった。ランサーの方でも「自分の忠誠を受け止めてくれるなら誰でもいい」と考えていた節があり、ケイネス個人に心酔していたわけではないため、相互理解が醸成されなかった。
- ↑ この時、ランサーはセイバーさえも自身を陥れる策に加担していたと思い込んだため、彼女に対しても呪いの言葉を浴びせた。
- ↑ 虫使いが火属性に挑むなど本来愚の骨頂ともいえる不利な事なのだが、このときすでに雁夜はそんなことを考える判断能力と冷静さを失っていた。
- ↑ 使用者の認識よって作用するため、逆に武器と認識しない物、例えば空母は武器を輸送するものと認識され効果はない。
- ↑ 聖杯にも本来はジャンヌ・ダルクの復活を願うつもりであったが、既に願いは叶っていると勘違いしたため聖杯戦争はすでに決着していると考えた。
- ↑ 作中では「盟友プレラーティの遺した魔道書」であると言及されている。「螺湮城」は中文で『ルルイエ』のことであり、本書の正体はジル・ド・レェが親交を持っていたとされるフランソワ・プレラーティが訳者であると設定され、クトゥルフ神話のフィクション作品に登場する架空の書物『イタリア語版ルルイエ異本』であることが強く示唆されている。
- ↑ 海魔自体キャスターは制御はできず、自滅行為の何物でもない。また海魔は独自に周囲の生命を糧として取り込み肥大化し、最終的に消滅する。
- ↑ Fateの原作者である奈須きのこは、切嗣に英語を教わっていたからとも述べている。
- ↑ 熱帯気候の島。『アリマゴ』という単語は沢蟹を意味し、『昔、この島は海の神に供物を捧げる場所だったが、病気の母親に食べさせるものがなくなった少女が供物に手を付け神の怒りを買って沢蟹の姿に変えられた。以来、この島の沢蟹を食べると病気が治るようになったとされ、彼女の母親の病気もそれで治った』という言い伝えがある。
- ↑ 学問では習得の不可能な、一代限りの希有な才能に対し、魔術協会がサンプルとして保護する旨を伝える令状。封印指定された術者は保護の名の下に一生涯幽閉されることになる。魔術師にとっての最高の誉れであり、同時に最大の災難。大半の者は逃亡することを選ぶ。
- ↑ 吸血鬼のうち、他の吸血鬼にかまれたり、魔術による方法で後天的に吸血鬼になった者のこと。血の摂取により維持される不完全な不老不死を得ている。
- ↑ 島に潜伏して1年ほどたった頃に起きた
- ↑ 中には、自分の仕える王イスカンダルよりも強い英霊も含まれているが、マスターや知名度などの恩恵がなく宝具も持たないという不利な条件のために通常のサーヴァントに比べて弱体化している。
- ↑ 一部のサブキャラクターなど声優が異なっている場合もある。
- ↑ 第25話のみAパートラスト(切嗣が士郎と出逢った瞬間)にカウントダウン00:00:00を表示し、終了した。(Bパートはエピローグでありstay nightの序章)
- ↑ 42.0 42.1 18・19話は切嗣の過去回想編であり、この2話のみ英題が付けられている。
- ↑ 放送対象地域はNOTTVを参照。
- ↑ ノンテロップOP/ED、本アニメのPV/CM、本製品のCM、奈須きのこ書き下ろしショートシナリオ「おねがい!アインツベルン相談室」全3話を収録。
- ↑ ノンテロップOP/ED、本アニメのPV/CM、本製品のCM、奈須きのこ書き下ろしショートシナリオ「おねがい!アインツベルン相談室」を収録。
出典[編集]
- ↑ () Introduction 「Fate/Zero」とは 星海社文庫公式サイト 星海社 [ arch. ] 2011-10-07
- ↑ 2.0 2.1 (2011年5月9日) [ オトナアニメ ] 洋泉社MOOK vol.20 洋泉社 2011年5月9日 978-4-86248-711-7 18
- ↑ 連載開始当初は「アルティマエース」。
- ↑ TYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票結果発表
- ↑ (2011-09-21) 新作アニメ『Fate/Zero』最新話 8ヶ国語字幕付きで全世界へ同時配信 アニプレックス arch. 2011年9月26日 2011-09-21
- ↑ () 2012.01.02※いよいよ本日!※「Fate/Zero」ファーストシーズン全13話 お正月一挙放送! [ arch. ] 2012-01-02
- ↑ 7.0 7.1 (2011-09-10) 秋の大型アニメ「Fate/Zero」 国内放送時差の短縮に挑戦 アニメ!アニメ!ビズ アニメアニメジャパン [ arch. ] 2011-10-09
- ↑ 【オリコン】『Fate/Zero』が“ハルヒ”超え! BD初週売上歴代1位を記録ORICON STYLE 2012年3月14日
- ↑ 歌舞伎美人 2011年8月2日閲覧。
- ↑ Magica Quartet(原作) (2011年9月11日) Magica Quartet(原作) まんがタイムきらら(編) [ 魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone. ] 芳文社 2011年9月11日 978-4-8322-4061-2
- ↑ (2011) [ {{{title}}} ] 娘TYPE Vol.16 角川書店 2011 45 雑誌07010-03
外部リンク[編集]
- Fate/Zero公式サイト
- 星海社文庫『Fate/Zero』公式サイト
- ドラマCD特設ページ
- アニメ版公式サイト
- Fate/Zero [Next Encounter]公式サイト
- Fate/Zero -第四次聖杯戦争展- 公式サイト
- TYPE-MOON公式サイト
- ニトロプラス公式サイト
- Fate/ゼロカフェ 〜Fate/Zero Cafeに集う英霊達〜公式サイト
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その他の作品 | 魔法使いの夜 - 空の境界(ラジオ:the Garden of listeners the Garden of wanderers) - 鋼の大地 - DDD - Character material - アーネンエルベの一日 |
関連項目 | 奈須きのこ - 武内崇 - こやまひろかず - つくりものじ - カテゴリ |
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