江戸川区
江戸川区(えどがわく)は、東京都の特別区のひとつで、23区東部に区分される。
郵便番号(上3桁)132・133・134
目次
概要[編集]
地理[編集]
河川[編集]
隣接する自治体[編集]
地域[編集]
- 主な地域名
歴史[編集]
江戸川区内が初めて歴史に現れるのは、正倉院に残る「正倉院文書」にある養老5年の下総国葛飾郡の戸籍に記された「甲和(こうわ)里」という地名である。これは現在の江戸川区小岩に当たるとされ、約50戸ほどの郷里であったとある。しかしながら、当時は川、沼、池の錯綜する広大な湿地帯地域で、現在の区北部以外はほとんど居住者のいない場所であったと考えられる。
後、鎌倉期に入るころ、下総国の有力な豪族として勢力を誇っていた千葉氏の支配下として、区内の地区名がいくつか散見される。特に篠崎の地域は葛西氏の領する葛西御厨の中心地として栄え、また今井(現在の江戸川区瑞江付近)・長島(同東葛西)は太日川河口の湊として賑わった。
後北条氏の影響が強くなってくる室町期後期ごろには、江戸衆と呼ばれる江戸城代遠山氏を中心とした家臣団の支配下に入り、区内の一部が太田氏や富永氏らの領地となっていた記録が残る。
徳川家康が江戸に入府すると、区内のほとんどは江戸からの距離の近さもあり、幕府の直轄領(御鷹場)となった。なお、コマツナは将軍綱吉(一説には吉宗とも)の鷹狩りの際に献上された事に由来。また、堀江町(現南葛西)の左近川河口付近には、江戸幕府の舟手奉行であった向井将監忠勝の屋敷、もしくは領地があったことに由来する「将監」という地名が残っている。
江戸期には、江戸への近郊野菜の供給地として栄えた。江戸初期における江戸川区内の石高は約1万5千石ほどだった。その後、区内のいたるところにあった湿地帯や、河口の中洲、砂地の埋め立てによる新田開発がすすみ文政年間には2万石を超えるまでに増加した。あわせて江戸期には漁業も盛んになったと伝わる。 大政奉還後、慶應4年(1868年)に東京府が設置されると、現江戸川区の範囲(武蔵国葛飾郡)は東京府には入らず、小菅県の管轄地域となった。わずか2年後に廃藩置県が執り行われ、葛飾郡の現江戸川区範囲(上小岩村、中小岩村、下小岩村、上小松村、西一之江村、新堀村、松本村、船堀村、二之江村、桑川村、長島村、宇喜田村、上平井村、中平井村、逆井村、下平井村、鹿骨村、前野村、笹ケ崎村、伊勢屋村、下鎌田村、上鎌田村、下今井村、上今井村、興宮村、下篠崎村、下小松村、東小松川村、東一之江村、西小松川村、本一色村、上一色村、下篠崎村、上篠崎村、谷河内村)も改めて東京府に編入となった。
村の数が多かったこともあり、すぐに十八村の「連合村」と呼ばれる組織に再編され、さらに明治21年(1888年)4月の市制・町村制の公布によって、小松川・平井・葛西・松江・船堀・瑞穂・一之江・鹿本・篠崎・小岩の十村が誕生した。
明治28年(1895年)に江戸川を挟んで対岸である、当時の千葉県東葛飾郡行徳町より江戸川より西側の飛び地部分(妙見島等)が編入。次いで大正2年(1913年)に瑞穂村と一之江村が合併し、瑞江町が新設。さらに大正3年(1914年)の荒川放水路開鑿により、大きく地勢が変わり、船堀村、小松川村、平井村が廃村となり、各村に吸収された残りが小松川町に統合された。
1932年(昭和7年)10月1日に、南葛飾郡小松川町、葛西村、篠崎村、松江村、 瑞江町、小岩町、鹿本村の7町村が合併して、ほぼ現在の江戸川区となった。
名称由来[編集]
- 地名は、区の東側を南北に流れる江戸川にちなむ。総面積は49.86km²で、23区では4番目に広い。はじめ区名としては「松江区」が検討されていたが、松江の名前があまり知られていなかったことと、反対する町村が出たことから、区の東部を流れる江戸川に因み命名された。
人口[編集]
600px | |
江戸川区と全国の年齢別人口分布(2005年) | 江戸川区の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 江戸川区
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
江戸川区(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/13 | |
総務省統計局 国勢調査より |
区政[編集]
- 区長:多田正見(1999年4月27日就任 3期目)
諸問題[編集]
江戸川区役所(本庁舎・各事務所)は平日の午前8時30分から午後5時15分(及び本庁舎は第1、第3水曜日のみ午後7時30分まで)までしか窓口業務を行っていない。 これにより江戸川区民は、住民票の申請などの用件を済ますため平日に窓口に並ばなければならない。
病院[編集]
2002年(平成14年)4月、臨海町に日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院が開設されるまで区内には大きな病院がなかった。そのため、都県境を超えて浦安市にある順天堂大学医学部附属浦安病院や市川市にある東京歯科大学市川総合病院などに搬送されていた。(これは、江戸川区の医師会が大きな病院に拒否反応を示したことが原因といわれている)
交通網[編集]
江戸川区では放射状(東西方向)の鉄道交通が発達しているものの、環状交通(南北方向)が発達しておらず、近隣の葛飾区・浦安市などと共通の課題となっている。それに対応して、2007年4月から2008年3月までの1年間の予定で、区内各鉄道路線を南北に結ぶ急行バス「シャトルセブン」が試験運行された。運行区間は亀有駅(葛飾区)あるいは小岩駅 - 一之江駅 - 葛西駅 - 葛西臨海公園駅 - 東京ディズニーリゾート(浦安市)で、運行は京成バスに委託されている。シャトルセブンは2008年度も運行が継続された。2009年度からは通常路線として試験運行から本格運行へ昇格された。
姉妹都市・提携都市[編集]
国内[編集]
海外[編集]
学校[編集]
大学[編集]
- 愛国学園短期大学(西小岩五丁目)
専門学校[編集]
- 東京医薬専門学校
- 東京スポーツ・レクリエーション専門学校
- 東京福祉専門学校
- 東京ベルエポック製菓専門学校
- 東京ベルエポック美容専門学校
- 東京メディカル・スポーツ専門学校
- 東京リハビリテーション専門学校 (中央一丁目)
高等学校[編集]
- 都立
- 東京都立江戸川高等学校(松島二丁目)
- 東京都立葛西工業高等学校(春江町四丁目)
- 東京都立葛西南高等学校(南葛西一丁目)
- 東京都立小岩高等学校(本一色三丁目)
- 東京都立小松川高等学校(平井一丁目)
- 東京都立篠崎高等学校(東篠崎一丁目)
- 東京都立紅葉川高等学校(臨海町二丁目)
- 私立(中高一貫校を含む)
- 愛国高等学校(西小岩五丁目)
- 江戸川女子中学校・高等学校(東小岩五丁目)
- 関東第一高等学校(松島二丁目)
中学校[編集]
- 区立
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- 私立
- 愛国中学校
小学校[編集]
- 区立
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交通・防災[編集]
鉄道[編集]
路線バス[編集]
高速バス[編集]
水上バス[編集]
道路[編集]
高速道路[編集]
一般道路[編集]
- 国道14号(千葉街道・京葉道路)
- 国道357号(東京湾岸道路)
- 東京都道10号東京浦安線(葛西橋通り)
- 東京都道50号東京市川線(新大橋通り)
- 東京都道307号王子金町江戸川線(柴又街道)
- 東京都道308号千住小松川葛西沖線(船堀街道・平和橋通り)
- 東京都道315号御徒町小岩線(蔵前橋通り)
- 東京都道318号環状七号線
- 東京都道450号新荒川葛西堤防線
- 都市計画幹線街路第16号線(永代通り)
防災[編集]
- 江戸川消防署(中央二丁目9-13)特別救助隊・救急隊1
- 小松川出張所(平井一丁目8-8)救急隊1
- 瑞江出張所(西瑞江三丁目26)特別消火中隊・救急隊1
- 葛西消防署(中葛西一丁目29-1)救急隊1
- 船堀出張所(船堀六丁目11-17)特別消火中隊・救急隊1
- 南葛西出張所(南葛西四丁目4-12)救急隊1
- 小岩消防署(鹿骨二丁目42-11)水難救助隊・救急隊1
- 篠崎出張所(南篠崎町五丁目13-1)救急隊1
- 南小岩出張所(南小岩五丁目13-13)特別消火中隊・救急隊1
- 北小岩出張所(北小岩三丁目1-20)救急隊1
観光[編集]
公園[編集]
著名な出身者[編集]
芸能[編集]
- 雛形あきこ - 女優
- 碓井将大 - タレント
- 内山眞人 - 俳優
- 蟹江敬三 - 俳優
- 亀梨和也 - KAT-TUN
- 今井茂雄 - 俳優、演出家、脚本家、放送作家
- KREVA - ヒップホップMC(KICK THE CAN CREW)
- 小出祐介 - ミュージシャン(Base Ball Bear)
- 後藤真希 - 歌手、タレント(元モーニング娘。)
- 須賀健太 - 子役
- 須賀貴匡 - 俳優
- 橘家圓蔵 - 落語家
- 中村一義 - ミュージシャン(100s)
- 名波海紅 - 子役
- 朴璐美 - 声優
- 田中傑幸 - ダンサー、歌手
諸分野[編集]
- 青木勇人 - プロ野球選手(広島)
- 石田衣良 - 直木賞作家
- 井野亜季子 - バレーボール選手(元日立佐和リヴァーレ)
- 植草一秀 - 経済学者
- 大塚範一 - フリーアナウンサー(めざましテレビメインキャスター)
- 松丸友紀 - アナウンサー(テレビ東京)
- 大山加奈 - バレーボール選手(東レ・アローズ)
- 大山未希 - バレーボール選手(東レ・アローズ)
- 奥田美香子 - アナウンサー(福岡放送)
- 第34代木村庄之助 - 大相撲伊勢ノ海部屋所属、元立行司
- 古沼貞雄 - サッカー指導者(元帝京高校監督)
- 須賀宣之 - アナウンサー(福島中央テレビ)
- 高橋辰郎 - チェンバロ製作家
- 田中傑幸 - プロダンサー
- 寺地貴弘 - テニス選手
- 野田美佳子 - アナウンサー(福井放送)
- 藤原道山 - 尺八演奏家
江戸川区を舞台とする作品[編集]
- 小説
- 哀愁の町に霧が降るのだ - 椎名誠の自伝的小説。江戸川区の小岩が舞台。アパート「克美荘」の同居人の木村晋介(弁護士)、沢野ひとし(イラストレーター)、など、と繰り広げられる青春物語。
- 痛快ワンマン町づくり - 早瀬圭一著 新潮社 1964年(昭和39年)から1999年(平成11年)まで区長をつとめた中里喜一の区政を取り上げたノンフィクション。親水公園、保育ママ、職員独自採用等々、数々の独創的で革新的な江戸川区独自の取り組みを中心に業績を紹介する。
- 漫画ほか
- ラブロマ - 作者である とよ田みのるが住んでいる江戸川区の江戸川周辺をモデルとした町で繰り広げられる純愛ラブコメディー漫画。
- ひぐらしのなく頃に - 物語の舞台となる雛見沢村に登場する地名が、興宮、鹿骨、谷河内など江戸川区内の町名である。
- 映画
- デスノート (映画版) - 江戸川区船堀警察署と呼ばれる名の警察署が出てくるものの、この船堀警察署は実在しない。
ナンバープレート[編集]
江戸川区は、足立ナンバー(東京運輸支局)を割り当てられており、『23区東部』の地域と一致する。
- 足立ナンバー割り当て地域
- 台東区・江東区・墨田区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区[1]。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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