学研ホールディングス

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株式会社学研ホールディングス(がっけんホールディングス)は、日本教育事業・出版社を統括する持株会社である。2009年平成21年)10月1日学習研究社(がくしゅうけんきゅうしゃ)より組織改編・社名変更を実施した。

概要[編集]

『中学コース』『科学と学習』等の教育雑誌、学習参考書、辞書、辞典等教育関係の出版を中心に発展した出版社である。学習雑誌は書店を通さず、小学校の教室で教師が集金・配布するという販売システムをしていたが、1971年(昭和46年)日本消費者連盟の「学校を商売の場所にするな」という批判により廃止、「学研のおばちゃん」とTVCMで歌われた女性販売員が直接家庭に届ける訪問販売へ転換して勢力を維持した。小学校の保健・中学校の保健体育教科の教科書や、学習指導要領に準拠した各科目の副読本ワークブックを教育機関向けに発行している。

1990年代以降、自宅学習・補習の分野で学習塾・通信教育や、学研ジー・アイ・シーによる「学研 大学入試現役合格システム(塾サービス付き学習教材、行政処分に伴い廃止)」など高単価サービス(年間数万 - 数十万円単位)の販売へ軸足を移した。

2000年代より少子化と出版不況の影響で収益悪化が顕著となり、事業撤退や社員のリストラによる経営のスリム化を図るようになる。2004年(平成16年)7月には子会社の「立風書房」を吸収合併。2005年(平成17年)秋には子会社であった学研クレジットを、MBONIFベンチャーズ系の投資会社に売却した。玩具事業は2006年(平成18年)3月に子会社「学研ステイフル」と学研トイズに分割・移管している。

2009年(平成21年)10月、従来の学習研究社を持株会社化し学研ホールディングスに社名を変更すると共に組織再編を実施。学研エデュケーショナル、学研パブリッシング、学研教育出版、学研マーケティング、学研出版サービス、学研プロダクツサポート、学研ビジネスサポート、学研ファシリティサービスを新設分割設立会社とする新設分割と、100%子会社である学研教育みらい、学研ネクスト(旧・研秀出版)、学研メディカル秀潤社を吸収分割承継会社とする吸収分割を実施した。学研エデュケーショナルおよび同社傘下を含む教育・学習塾部門については、2010年(平成22年)に再々編を実施し、学研塾ホールディングス中間持株会社とする体制に変更された。

2014年8月29日、栄光ホールディングスと双方の株式を持ち合い資本業務提携すると発表[1]。主力の教育サービス事業に連携を広げるとしている[2]

1962年(昭和37年)落成のかつての本社は、東京都大田区上池台にあり、東海道新幹線及び横須賀線多摩川を渡り東京都内に入った際の目印として親しまれたが、老朽化が進んだため業務拡張と併せて2008年(平成20年)秋に品川区西五反田の現本社へと移転した。

広島県に本社を置く家庭学習研究社とは無関係である。

沿革[編集]

  • 1946年(昭和21年)4月 - 学習研究社設立。『小学三年の学習』-『小学六年の学習』を創刊。
  • 1947年(昭和22年) - 『小学一年の学習』『小学二年の学習』創刊。
  • 1951年(昭和26年) - 『1年の学習』-『6年の学習』と改題。
  • 1952年(昭和27年) - 『よいこのくに』創刊。
  • 1957年(昭和32年) - 『6年の科学』創刊。
  • 1962年(昭和37年) - 大田区上池台に社屋竣工。
  • 1963年(昭和38年) - 『5年の科学』を創刊し、「科学」が1年から6年まで揃う。
  • 1971年(昭和46年) - 『パーゴルフ』創刊。
  • 1972年(昭和47年) - 『アンカー英和辞典』刊行。
  • 1973年(昭和48年) - 『ビクトリア現代新百科』刊行。
  • 1976年(昭和51年) - 『常用漢字辞典』刊行。
  • 1979年(昭和54年) - 『マイコーチ 高校版』創刊。
  • 1980年(昭和55年) - 「ニルスのふしぎな旅」放送。
  • 1982年(昭和57年) - 東京証券取引所2部上場。「まいっちんぐマチコ先生」放送。
  • 1984年(昭和59年) - 東京証券取引所1部指定替え。『POTATO』創刊。
  • 1997年(平成9年) - 「イマジン学園」事業開始。
  • 2000年(平成12年) - 『大人の科学』創刊。学研M文庫創刊。
  • 2002年(平成14年) - 映像コンテンツ事業に進出、オルスタック・ピクチャーズを設立。
  • 2004年(平成16年) - インデックス・ホールディングスと資本提携。
  • 2006年(平成18年) - スクウェア・エニックスと提携。5月に新会社SGラボを設立。
  • 2007年(平成19年) - 完全子会社の学研ジー・アイ・シーが展開・販売した「学研 大学入試現役合格システム」(いわゆる塾サービス付き学習教材)の販売・契約について、割賦販売による分割払いであるのに「月謝制」と騙る・塾でのサービスが実際には受けられなかった・中途解約時の返還をしなかった・特定商取引法に基づく概要書面の不交付など、同法違反事項が複数あったことから、経済産業省は同社と静岡県の運営会社の2社を同法違反(不実告知等)により6ヶ月間の業務停止処分を発令。経済産業省ニュースリリースPDF  同法による学習塾の行政処分は初。学研ジー・アイ・シーは2006年(平成18年)に新規販売を撤退し、同社出身者が経営する静岡県の運営会社が実質継承していた。
  • 2008年(平成20年) - 品川区西五反田二丁目に新社屋竣工。
  • 2009年(平成21年) - 商号保全会社として、学研ネットワークを設立。
  • 2009年(平成21年) - 学研ホールディングスへ社名変更・組織改編を実施。
  • 2010年(平成22年) - 教育・学習塾部門の再編を行い、当社と学研エデュケーショナルの管理・統括機能を、学研ネットワークへ吸収分割により継承させた上で中間持株会社に転換、学研塾ホールディングスとして、実態会社へ転換させる。
  • 2010年(平成22年) - 電子ブック販売チャンネル「学研電子ストア」開始。
  • 2014年(平成26年)

事業[編集]

書店のあらゆるジャンルの棚に学研の本があるといってもいいくらい領域は広い(但し小説・エッセイなどの文芸書は殆ど無い)。かつては『Momoco』(現在廃刊)にAV女優の、また『BOMB!』(現在の『BOMB』)に読者投稿のヌード写真が掲載されていたこともあり(現在は掲載していない)、教科書発行の傍ら幼児教育からエロ本までカバーしていた時期もあった。関連事業も手広く、たとえば学校向けの教育映像製作、アニメーション製作出資、学研メディコンの就職支援事業、博物館等におけるディスプレイ設置事業などがあり、最近はEラーニング電子書籍事業への参入も行われている。

雑誌[編集]

廃刊・休刊誌[編集]

  • 科学と学習』(教育雑誌)- 2010年に休刊
    • 『1年のかがく』
    • 『2年のかがく』
    • 『3年の科学』
    • 『4年の科学』
    • 『5年の科学』
    • 『6年の科学』
    • 『1年の学習』
    • 『2年の学習』
    • 『3年の学習』
    • 『4年の学習』
    • 『5年の学習』
    • 『6年の学習』
  • 中学コース』(教育雑誌)- 1999年に廃刊
    • 『中一コース』
    • 『中二コース』
    • 『中三コース』
  • 高校コース』廃刊
    • ing高校コース
    • 『高一コース』
    • 『高二コース』
    • 『高三コース』→『大学受験Vコース』
  • UTAN(ウータン)』(科学雑誌)- 1997年に休刊

主な書籍[編集]

学研まんが(児童書)
学習参考書
高校学習・大学受験対策の書籍は東進ハイスクールの講師が著するものが多い。
  • 荻野文子 『マドンナ古文』、『マドンナ古文単語 230』、『古文 マドンナ解法』(高校学参) 等
  • 井川治久超基礎英語わかりすぎる!』、『もっとわかりすぎる! 英語のルール55』、『頻出問題わかりすぎる!』等
  • 樋口裕一 『読むだけ小論文』シリーズ、等
歴史群像新書
その他

辞書・辞典[編集]

学校教科書・副読本[編集]

教科書(教科用図書)…持株会社制移行に伴い、発行者は学研教育みらいが担当。
副読本
  • みんなの体育(たいいく) - 小学校体育
  • みんなの道徳(どうとく) - 小学校道徳
  • みんなの安全と生活 - 小学校での安全指導
  • 私(わたし)たちと情報 - 小学校での情報教育
  • かけがえのないきみだから - 中学校道徳
  • こころのノート - 小学校道徳補助教材、市販本版は全学年分発行。

学校教育向け教材[編集]

  • 中学保健体育実技 - 中学体育で扱うスポーツ実技のルールやフォームなどを絵図で掲載
  • 新・中学保健体育の学習 - 問題集
  • ステップワーク - 小学校国語・算数教科の問題集

「中学保健体育実技」は2000年発行分まで表紙に『Love Sports』とサブタイトルが掲げられていたが、これが英語で「性行為」を意図する旨の外部からの指摘が2000年11 - 12月にあり、翌年発行分から当該部分が削除される事態となった。副読本のため教科用図書検定などによる文部省(現:文部科学省)のチェックは対象外である。

玩具[編集]

アニメ[編集]

作品の権利は学研教育出版へ承継されている。

アニメーション制作[編集]

ゲームソフト[編集]

1980年代前半から1990年代前半までゲームソフトの開発・販売を行っていたが、1996年平成8年)に撤退。

その後、2006年(平成18年)にスクウェア・エニックスと新会社・SGラボを設立しシリアスゲーム(教育・PRを目的とするゲーム)の共同開発で提携。2007年(平成19年)より学研がSGラボ開発タイトルを発売し、ゲーム事業に再参入する。

文学賞[編集]

音楽ソフト部門[編集]

  • 1987年昭和62年)12月プラッツというレコード会社を立ち上げ、織田哲郎奥井亜紀などのアーティストを擁したが、現在は音源制作からは撤退。著作権管理のみグループ会社のプラッツアーティストに移管している。

主要株主[編集]

連結子会社[編集]

関連企業[編集]

関連団体[編集]

過去のグループ・関連企業[編集]

関連人物[編集]

  • 古岡秀人
  • 川村龍一 - パーソナリティーになる前は学研の音楽雑誌編集スタッフだった。
  • 畑正憲 - 作家として自立する前、映像部門の社員として理科を中心に学習映画の制作に携わっていた。
  • 國分眞一 - 1978年に倒産した下請会社の労働組合である「東京ふじせ企画労働組合」の執行委員長にして唯一の組合員。同組合は学研側に団体交渉を要求していたが、東京都労働委員会と中央労働委員会は学研は使用者ではないと認定した。その後、ふじせ側は、これを不服として裁判所に申立てをしたが、最高裁判所でも、2003年3月14日、「学研は使用者でないため、団体交渉などに応じる義務はない」との判断がされ、法的にはふじせ・國分側の主張に理由がないことが確定した(最高裁平成14年(行ツ)第125号、同平成14年(行ヒ)第148号)。

脚注[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]

  • (2014-8-29) 栄光と学研が資本提携 教育のIT活用で協力 共同通信 [ arch. ] 2014-8-30
  • (2014-8-29) 学研HDと栄光HD、株持ち合いを強化 日本経済新聞 [ arch. ] 2014-8-30
  • 大阪と関西以西での教育関連事業拡大にむけて、Gakken大阪本社を設立学研グループ 広報ブログ
  • 学研が大阪本社設立 災害に備え機能分散スポニチannex 2014年1月24日