東関東自動車道
東関東自動車道(ひがしかんとうじどうしゃどう、HIGASHI-KANTO EXPRESSWAY)は、東京都を起点として茨城県水戸市および千葉県館山市を終点とする国土開発幹線自動車道であり、高速道路(高速自動車国道)である。略称は東関東道(ひがしかんとうどう、HIGASHI-KANTO EXPWY)、東関道(とうかんどう)。
目次
概要
関東地方を東進し、千葉県と茨城県を結ぶ高速道路である。
当初は新空港自動車道として開通したが、新東京国際空港(現・成田国際空港)開業の翌年(1979年(昭和54年))に東関東自動車道と名称が変更された(新空港自動車道は成田JCTと成田空港付近の新空港IC間の道路名として現存する)。
開通当初の名称である新空港自動車道からも分かる通り、主な建設目的は都心から成田国際空港へのアクセスである。また、全線開通時には常磐自動車道のバイパス路線となることも期待されている。[1]
宮野木JCTから京葉道路・館山自動車道(東関東自動車道館山線)が、さらに千葉東JCTから千葉東金道路が分岐しており、東金・館山方面の利用もある。
2010年(平成22年)4月9日に国土交通省が潮来IC-鉾田IC間は国が運営する直轄施行方式の無料道路として整備されることを発表した。 また、潮来インターチェンジから鹿島港周辺までの延伸も計画されている。[2]
路線名・道路名
国土開発幹線自動車道建設法においては以下の2路線とされている。
路線名 | 起点 | 主たる経過地 | 終点 | |
---|---|---|---|---|
館山線 | 東京都 | 習志野市 | 千葉市付近 木更津市 | 館山市 |
水戸線 | 茨城県鹿嶋市 | 水戸市 |
高速自動車国道の路線を指定する政令においては以下の2路線とされている。
路線名 | 起点 | 重要な経過地 | 終点 |
---|---|---|---|
千葉富津線 | 千葉市 | 市原市 袖ケ浦市 木更津市 君津市 | 富津市 |
水戸線 | 東京都練馬区 | 和光市 戸田市 さいたま市 川口市 草加市 八潮市 三郷市 松戸市 市川市 船橋市 習志野市 千葉市 四街道市 佐倉市 富里市 成田市 香取市 潮来市 行方市 鉾田市 茨城県東茨城郡茨城町 |
水戸市 |
東日本高速道路株式会社による事業名・道路名は以下のようになっている。
路線名 | 道路名 | 区間 | 備考 |
---|---|---|---|
館山線 | 京葉道路 | 宮野木JCT - 蘇我IC | 高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路 |
館山自動車道 | 蘇我IC - 富津竹岡IC | ||
富津館山道路 | 富津竹岡IC - 富浦IC | 高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路 | |
水戸線 | 東京外環自動車道 | 大泉JCT - 三郷南IC | |
東京外かく環状道路 | 三郷南IC - 市川JCT(仮称) | 建設中 | |
東関東自動車道 | 市川JCT - 茨城町JCT | 潮来IC-茨城空港北ICは計画中・建設中 |
以下では、東日本高速道路の営業中、事業中の路線としての東関東自動車道について記述する。
通過市町村
もともと、東関東自動車道は、法令上、「東関東自動車道鹿島線」として茨城県鹿島郡鹿島町(現、鹿嶋市)を終点とする計画であった。水戸市まで延伸する計画が決まり「東関東自動車道水戸線」に改められた現在でも、国土開発幹線自動車道建設法の別表では、「茨城県鹿島郡鹿島町」が「主たる経過地」とされている。東関東自動車道は、全線開通したとしても鹿嶋市内を通過しないが、2013年に東関東自動車道を潮来インターチェンジ(IC)から鹿島港周辺まで延伸する計画も公表された
- 首都高速湾岸線(市川JCTで直結)
- 東京外かく環状道路(高谷JCTで接続 : 事業中)
- 京葉道路(宮野木JCTで接続)
- 新空港自動車道(成田JCTで接続)
- 首都圏中央連絡自動車道(大栄JCTで接続 : 事業中)
- 北関東自動車道(茨城町JCTで接続)
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
- 路線名の特記がないものは市町道。
- BSのうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
首都高速湾岸線 羽田空港・銀座・横浜・横須賀方面 | |||||||
- | 市川JCT | 首都高速湾岸線 | 0.0 | 千葉県 | 市川市 | ||
高谷JCT | 東京外かく環状道路(事業中) | - | 2017年度開通予定 | ||||
2 | 湾岸市川IC | 国道357号 | 1.0 | 成田方面出入口 | |||
2-1 | 谷津船橋IC | 国道357号 県道15号千葉船橋海浜線 |
5.5 | 東京方面出入口 | 習志野市 | ||
3 | 湾岸習志野IC | 国道357号 | 7.9 | 東京方面出入口 | |||
- | 習志野TB | 本線料金所 | 通称“習志野バリア” | ||||
- | 湾岸幕張PA | - | 8.7 | 千葉市 | |||
4 | 湾岸千葉IC | 国道357号 | 11.6 | 成田方面出入口 | |||
5 | 宮野木JCT | 京葉道路 | 16.7 | 東京方面からは東金・館山方面接続 | |||
6 | 千葉北IC | 国道16号 | 18.8 | ||||
7 | 四街道IC | 県道64号千葉臼井印西線 | 24.6 | 四街道市 | |||
8 | 佐倉IC | 国道51号方面 | 30.0 | 佐倉市 | |||
- | 酒々井PA | - | 35.1 | 酒々井町 | |||
8-1 | 酒々井IC | 県道77号富里酒々井線 | 37.0 | ||||
9 | 富里IC | 国道409号 | 39.5 | 富里市 | |||
10 | 成田IC/JCT | 新空港自動車道 国道295号 |
44.9 | 成田市 | |||
- | 大栄JCT | 首都圏中央連絡自動車道 | 51.5 | 2014年度開通予定 | |||
- | 大栄PA | - | 51.6 | ||||
11 | 大栄IC | 国道51号 | 56.6 | ||||
12 | 佐原香取IC | 県道55号佐原山田線 県道253号香取津之宮線 |
65.9 | 香取市 | |||
- | 佐原PA | - | 68.5 | ||||
13 | 潮来IC | 県道50号水戸神栖線 県道101号潮来佐原線 |
74.5 | 茨城県 | 潮来市 | ||
- | 麻生IC | 県道50号水戸神栖線 | 整備計画区間(直轄施行) | 行方市 | |||
- | 北浦IC | 国道354号 | |||||
- | 鉾田IC | 県道8号小川鉾田線 | 2015年度開通予定 | 鉾田市 | |||
17 | 茨城空港北IC | 県道18号茨城鹿島線 | 0.0 | 茨城町 | |||
15-1 | 茨城町JCT | 北関東自動車道 | 8.8 |
SA・PA
東関東道にはSAはない。ただし、酒々井PAにガソリンスタンド(上下線とも24時間営業)があるほか、ファーストフードチェーン店(上り線 : モスバーガー、下り線 : 松屋)が設置されており、実質的なサービスエリアとして機能している。佐原PAはトイレと自動販売機のみで、他のパーキングエリアは何かしらの売店設備を持っている。24時間営業の店舗は酒々井PA下り線の松屋、大栄PA上下線のセブン-イレブンのみ。
主な橋
歴史
- 1966年(昭和41年)7月1日 : 国幹道の予定路線とされる。
- 1967年(昭和42年)11月22日 : 千葉市-成田市間が基本計画が告示される。
- 1968年(昭和43年)3月6日 : 千葉市-成田市間が整備計画が策定される。
- 1971年(昭和46年)6月8日 : 市川市-千葉市間、成田市-潮来市間が基本計画が告示される。
- 1971年(昭和46年)10月27日 : 新空港自動車道として宮野木JCT-富里IC間開通。開通時は4車線。
- 1972年(昭和47年)6月20日 : 市川市-千葉市間、成田市-潮来市間が整備計画が決定される。
- 1972年(昭和47年)8月19日 : 新空港自動車道として富里IC-成田IC間開通。
- 1978年(昭和53年)5月21日 : 新空港自動車道の成田IC-新空港IC間開通。
- 1979年(昭和54年)4月1日 : 新空港自動車道の宮野木JCT-成田IC間が東関東自動車道に名称変更される。
- 1982年(昭和57年)4月27日 : 市川JCT-宮野木JCT間開通。開通と前後して宮野木JCT-成田IC間が6車線となる。
- 1985年(昭和60年)2月27日 : 成田IC-大栄IC間開通。
- 1986年(昭和61年)3月28日 : 大栄IC-佐原香取IC間開通。
- 1987年(昭和62年)6月30日 : 第四次全国総合開発計画が閣議決定され東関東自動車道木更津線延伸、東関東自動車道鹿島線延伸が高規格幹線道路の構想となる。
- 1987年(昭和62年)9月1日 : 国土開発幹線自動車道建設法の改正により館山線、水戸線として国幹道の予定路線とされる。
- 1987年(昭和62年)11月20日 : 佐原香取IC-潮来IC間開通。
- 1988年(昭和63年)1月 : 谷津船橋IC(仮称:湾岸船橋IC)が整備計画策定。
- 1991年(平成3年)12月20日 : 鉾田市-水戸市間が基本計画が告示される。
- 1997年(平成9年)2月5日 : 潮来市-鉾田市間が基本計画決定。
- 1997年(平成9年)3月8日 : 鉾田市-茨城町間が整備計画決定。
- 1998年(平成10年)12月25日 : 鉾田市-茨城町間に施行命令が出される。
- 2005年(平成17年)10月1日 : 日本道路公団の民営化により、東日本高速道路株式会社の管轄路線となる。
- 2009年(平成21年)4月27日 : 潮来市-鉾田市間の整備計画が策定される。
- 2010年(平成22年)3月6日 : 茨城空港北IC-茨城町JCT間開通により、北関東自動車道と接続。
- 2013年(平成25年)4月10日 : 酒々井IC 供用開始。[3][4]
- 2013年(平成25年)9月20日 : 谷津船橋IC 供用開始。[5]
道路管理者
ハイウェイラジオ
- 習志野(湾岸市川IC-湾岸習志野IC)
- 四街道(千葉北IC-四街道IC)
- 酒々井(酒々井PA-富里IC)
全ての箇所でコールサインは「ハイウェイラジオ東関東道○○」と放送される。(例 : 習志野であれば「ハイウェイラジオ東関東道習志野よりお伝えしました。」)
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 |
---|---|---|
湾岸市川IC-千葉北IC | 6=3+3 | 80km/h |
千葉北IC-成田IC | 100km/h | |
成田IC-潮来IC | 4=2+2 | |
茨城空港北IC-茨城町JCT | 2=1+1 (暫定2車線) |
70km/h |
湾岸市川IC-千葉北IC間は急カーブが連続しているため、最高速度が80km/hに規制されている。この区間は交通量も極めて多いため走行には十分な注意が必要である。また、湾岸千葉IC以西は海岸沿いを通過するため、横風の影響を受けやすい。
道路照明灯は6車線区間である湾岸市川IC-成田IC間に設置されている。
未開通区間の潮来IC以北は、暫定2車線で整備される計画である。
交通量
東関東道は元々は成田国際空港へのアクセスを目的に建設されたため、成田ICを境に交通量が大きく異なる特徴がある。
なお、千葉北IC以西では各区間10万台前後と全国的に見ても交通量が特に多いが、首都圏の他の放射方向への高速道路とは異なり、事故や通行止めがない限り土休日も含めて20kmを超える渋滞は滅多に発生しない。
2005年度
平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
- 市川JCT-湾岸市川IC : 83,832
- 湾岸市川IC-湾岸習志野IC : 99,614
- 千葉県・千葉市境-湾岸千葉IC : 78,239
- 湾岸千葉IC-宮野木JCT : 93,702
- 宮野木JCT-千葉北IC : 100,189
- 千葉市・千葉県境-四街道IC : 77,657
- 四街道IC-佐倉IC : 71,574
- 佐倉IC-富里IC : 59,412
- 富里IC-成田IC : 46,904
- 成田IC-大栄IC : 21,031
- 大栄IC-佐原香取IC : 14,420
- 佐原香取IC-千葉県・茨城県境 : 9,347
2002年度
日平均交通量(区間平均)
- 湾岸市川IC-潮来IC間 : 54,159台(前年度比99.4%)
- 最大 : 湾岸市川IC-湾岸習志野IC間:106,716台(前年度比98.7%)
- 最小 : 佐原香取IC-潮来IC間:10,579台(前年度比100.3%)
- 年間 : 51,278,542,000円(前年度比99.1%)
- 日平均 : 140,489,000円
開通予定年度
- 鉾田IC-茨城空港北IC : 2015年度
- 鉾田lC-潮来IC : 未定
脚注
- ↑ Car Watch NEXCO東日本、東関東道 茨城空港北IC~茨城町JCT間 開通式を開催
- ↑ 東関東道、鹿島港まで延伸計画 国予算に調査費計上 茨城新聞 2013年5月16日付
- ↑ () 活力あるまちづくりへ PDF 千葉県酒々井町 [ arch. ] 2011-05-09
- ↑ () 県土整備部所管の公共事業に係る用地取得の進捗状況等について 千葉県道路整備課(国道県道室) [ arch. ] 2011-05-09
- ↑ 東関東自動車道 谷津船橋(やつふなばし)インターチェンジが開通します! 〜 この開通により周辺地域の活性化と交通混雑緩和が期待されます 〜 NEXCO東日本 2013年8月6日付
関連項目
外部リンク
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