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櫻井 よしこ(さくらい よしこ、本名: 櫻井 良子、読み同じ、1945年10月26日 – )は、日本のジャーナリスト。国家基本問題研究所理事長。
日本における保守論客のひとりであり、テレビ報道番組のニュースキャスターを長年務めていたことでも知られる。
目次
経歴[編集]
生い立ち[編集]
ベトナム・ハノイの野戦病院で日本人の両親の間に生まれた。日本に帰国後は大分県中津市に住み、父は東京で仕事をするが、家に帰ることが少なくなった。そのため、子供の身を案じた母(小千谷市出身)が郷里である新潟県長岡市に転居した。櫻井が中学生の時であった。
中津市立緑ヶ丘中学校、小千谷市立真人中学校を経て、長岡市立東中学校卒業。新潟県立長岡高等学校卒業後、慶應義塾大学文学部に進学するが中退してハワイに渡り、奨学金とアルバイトで学費と生活費を稼ぎながら、ハワイ大学マノア校歴史学部卒業。
ジャーナリスト[編集]
英字新聞『クリスチャン・サイエンス・モニター』東京支局などを経て、1980年(昭和55年)5月より日本テレビ『NNNきょうの出来事』のメインキャスターとなった。以来、同番組で1996年(平成8年)3月までの16年間に渡ってアンカーパーソンを担当した。女性ニュースキャスターの草分けである。
1995年(平成7年)に薬害エイズ事件を論じた『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で第26回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。なお、薬害エイズ事件で櫻井から厳しく追及された安部英は無罪判決を受け、櫻井は名誉毀損で訴えられた(後述)。
2007年(平成19年)4月から2008年(平成20年)6月まで放送された、フジテレビ・関西テレビ系報道番組『新報道プレミアA』のレギュラーコメンテーターを担当した。同年12月、国家基本問題研究所の初代理事長に就任。
2012年(平成24年)10月、インターネットテレビ「言論テレビ:櫻LIVE」を始める。
メディア[編集]
『報道2001』(フジテレビ)や『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)などの討論番組に、不定期で出演している。まれにバラエティ番組に出演することもある(『笑っていいとも!』(フジテレビ)の「テレフォンショッキング」など)。
人物・発言[編集]
歴史認識[編集]
- 1996年(平成8年)10月3日、横浜市教育委員会主催の教職員研修講演で「強制連行はなかった、慰安婦はビジネス」と発言したことにより、その後に櫻井が講演予定をしていた主催者へ「人権」を掲げる団体が抗議運動をしたため、主催者が講演の中止を発表するに至った。
- 真珠湾攻撃はルーズベルトによって仕掛けられた罠だと主張している(真珠湾攻撃陰謀説)。その根拠として、ロバート・スティネットの著書『真珠湾の真実―ルーズベルト欺瞞の日々』第5章「見事な配備」、第12章「無線封止神話の崩壊」を提示し、南雲艦隊は「ガラガラヘビのように無線を使いまくった」ことをその根拠としている。しかし、同書は秦郁彦らの検証では否定されており[1]、また南雲忠一中将率いる海軍機動部隊の中で通信を担当する戦艦「霧島」が属する「第3戦隊」と、航路の警戒などにあたる「第1水雷戦隊」の1941年12月の戦時日誌が、防衛省防衛研究所によってアメリカメリーランド大図書館で確認され、無線封止がされていたことが公文書で裏付けられている。
- 原爆死没者慰霊碑の碑文について、主語を「日本人」と解釈して、広島市が日本人に反省を迫っている不条理な碑文であるとした[2]。
- 歴史事実委員会の委員の一人として、『ワシントン・ポスト』2007年6月14日号に、米下院121号決議の全面撤回を求め慰安婦動員に日本政府や旧日本軍の組織的・計画的強制連行はなかったと主張する意見広告「THE FACTS」を出した。しかし努力空しく決議は採択された。
- 2007年(平成19年)には南京大虐殺虚構論を主張する映画『南京の真実』の賛同者に名を連ねた。
- 沖縄戦における集団自決に関する大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判の大阪高等裁判所の判決(2008年10月31日)に対して、判決文を「深刻な論理矛盾」「世の中に通用しない曲がった理屈」「真実を知る努力を十分にしていない」と批判した。
- 新しい歴史教科書をつくる会の市販本『日本人の歴史教科書』(2009年5月発売)に寄稿した。また、2008年(平成20年)3月29日、「つくる会『沖縄問題』緊急シンポジウム」に講演者、パネリストとして出席した。
世界[編集]
- 2005年(平成17年)3月号の『文藝春秋』に掲載された「ヨン様と靖国─韓国新実力者に聞く」の中で、韓国の政治状況に関する小論を書いた際に、ペ・ヨンジュンを引き合いに出して、「あの優しげなヨン様も兵役を果たしていることを忘れてはならない」と、韓国の徴兵制度を引き合いにだした。(実際にはペ・ヨンジュンは視力を理由に通常兵役を逃れているため事実誤認)。
- また、ヨーロッパ各国にある兵役制度についても言及した。(ただし、冷戦終結後からフランスやイタリア、スウェーデン、ドイツなどにおいて兵役制度は廃止されて次々と志願制に移行しており、2013年5月の時点で西欧諸国で徴兵制を維持しているのはスイス、オーストリア、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ギリシャの6か国のみであり、EU加盟国に限ればオーストリア、デンマーク、フィンランド、ギリシャの4か国のみとなっている)。
- 中国共産党に対しては、その体制、少数民族への弾圧、環境問題やコピー製品氾濫などの視点から厳しい姿勢をとっている。著書『異形の大国 中国』の冒頭では、「隣に中国という国が存在することは、天が日本に与え給うた永遠の艱難である」とした。また、北康利との対談で、「中国は日本と仲良くする気はありませんから。仲良くする気がない国と仲良くしようというのは卑屈」と発言している。
- 韓国の教科書について、「神話と現実の区別が曖昧で、実在するかどうかわからない人物や物語が、韓国の輝かしくも誇らしい民族の歴史として紹介されている」と論評した。
- 対外政策に関しては親米保守派の急先鋒であり、イラク情勢については共和党の見解とほぼ同じ考えを表明している。イラク戦争の是非についても「サッダーム・フセイン体制の壊滅」という観点から全面的に支持している。また開戦の最大の成果として「フセイン排除、同国で初の民主的で自由な選挙が行われた点」を強調している。
ジャーナリズム[編集]
- 1998年(平成10年)に慰安婦・エイズ・税制・教育・政治家や官僚の汚職と、幅広いテーマに及ぶ言論活動で第46回菊池寛賞。文藝春秋読者賞、新潮ドキュメント賞の選考委員を務めている。
- 『NNNきょうの出来事』終了にあたり、2006年(平成18年)9月29日放送の最終回に(VTRながら)降板以来10年ぶりに出演した。
- 長年キャスターを務めてきた事から、キャスターが私見を挟むことに対して「アンカーパーソン(米国でいうキャスター)は、言葉で批判するのではなく、データの選定で批判するべき」との持論を展開している。
- 信奉するアンカーパーソンは、ロバート・マクニール[3]。
- 「国家基本問題研究所」を立ち上げ代表を務めるなど右派、国家主義者、復古主義者の代表格。
皇室[編集]
- 皇室には「2660年、125代の歴史がある」と考えている(皇紀を参照)。皇室典範改正問題では、旧皇族皇籍復帰派であり、女系天皇容認には絶対反対の立場を取る。悠仁親王誕生以前は「男系女子である愛子内親王を皇位につけ、代を繋げる間に、旧皇族に皇籍復帰して頂き、その後に傍系継承を行い、皇室の男系継承の伝統を守るべき」と主張していた。
- 昭和天皇が靖国神社へ親拝しなくなった理由を「三木武夫の私的参拝発言が原因であり、A級戦犯合祀問題は全く関係ない」と長年主張してきた。2006年(平成18年)7月に、昭和天皇が靖国神社へのA級戦犯合祀に不快感を示したとされるメモ(富田メモ)が発見された事については、メモの信憑性を疑っており、また「政治に利用してはならない」等として、メモの影響で公人の靖国神社参拝に影響が出ることを懸念した。その後も信憑性についての疑いを捨てず、富田メモに関しては検証が必要と日本経済新聞に公開を求める主張をおこない、首相による靖国参拝を支持する立場も堅持している。
- 西欧的な感覚を持つ徳仁親王妃雅子について、皇室の担い手としての適性を危ぶむ意見を表明したことがある。
- 男系天皇でなければならない理由として、「愛子様と鈴木さんの子は半分鈴木」と説明した(将来離脱した場合に外部の血統が入る原因になるという意味か)。
国籍法改正・外国人参政権[編集]
- 外国人参政権付与法案を「亡国への第一歩」として反対しており、この件について民主党の「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」による勉強会に招かれ、参政権を得るには帰化をさせるべきで特別永住者については歴史的経緯を考慮して国籍取得の条件を簡素化する必要があるとする論を述べ、参加した議員からは「極めて共鳴した」(蓮舫)、「おおむね私の認識と同じだ」(牧義夫)と共感された一方、岡田克也からは「(私が在日韓国人の立場だったら)『選挙権を得たければ国籍を捨てろ』といわれたら許せない」との反論も出た。一時間あまり熱弁をふるったが、議連からは面と向かって「ご意見はわかりました。しかし、外国人参政権付与は進めます」と言われた。
- 2008年(平成20年)12月8日に改正された国籍法に対して、日本の危機、国会の司法への盲目的な追従、政治家の怠慢により他国の失敗事例をまねた、と酷評した。
選択的夫婦別姓制度[編集]
- 選択的夫婦別姓制度について、「選択的夫婦別姓制度導入法案の源をたどれば、その考えは戦後の占領政策の下で行われた徹底的な家制度の破壊にいきつく」などとして反対している。
原発[編集]
福島第一原子力発電所事故後の2011年7月14日、産経新聞社主催の第256回全国縦断「正論」鹿児島講演会で講演し、「核をつくる技術が外交的強さにつながる。原発の技術は軍事面でも大きな意味を持つ」と主張し、「原発を忌避するのではなく、二度と事故を起こさないようにする姿勢こそ必要」と強調した。
2012年12月8日、福島県郡山市の福島県双葉郡8町村の議員研修会で講演し、「年1ミリシーベルトの除染基準は古里再生のために緩和すべきだ」、「放射線には幅広い意見があるが、政治家は事実を見るべきだ。人類が持つ科学的事実は広島、長崎、チェルノブイリの疫学データしかない。国連科学委員会や国際放射線防護委員会は100ミリシーベルト以下の影響に有意性はないと結論付けている」、「科学的根拠のない年1ミリシーベルトを除染の基準にして大量の土砂を積み上げ、自分たちで新たな問題をつくり出している。大人は年20ミリシーベルト、子どもも10ミリシーベルトまでは大丈夫と、国の責任で言わなければならない。町村議は住民と一緒にうろたえていてはいけない」と発言した。
その他[編集]
- 改憲論者であり、核武装論者である。
- 1997年(平成9年)、喘息患者の死亡はβ2刺激剤ベロテックの心臓への副作用が原因であり、これは薬害エイズ事件に続く薬害事件だと主張した(ベロテック問題)。櫻井は文藝春秋1997年6月号に、「喘息患者がつぎつぎに死んでゆく」と題した記事を掲載し同時に自らがキャスターを務める『NNNきょうの出来事』でも取り上げた。さらに、同誌9月特別号にて「NHKがごまかした『喘息薬害』」と続けて取り上げたが、その内容には喘息医療現場への無知、喘息死の死因への誤解が含まれ、一部の喘息の専門家・患者団体から問題視された。
- 小泉純一郎内閣に対しは当初は好意的だったが、道路公団改革の失敗や第二次訪朝を機に反小泉内閣に転じた。対北朝鮮外交を「弱腰だ」と厳しく批判した。他方、靖国神社参拝断行、対中ODA廃止などの対中外交などは安倍内閣よりも高く評価した。また、道路公団改革の失敗に対しては終盤で道路族への迎合が目立った猪瀬直樹、石原伸晃に対しても激しく批判していた。後継の安倍政権でも批判の手を緩めず、憲法改正への積極的提言を行った。
- 福田康夫については「親中派」とみなし、2007年(平成19年)の自由民主党総裁選挙で福田が選出されると、「日本の国益を損ねる媚中外交が開始される」として政権発足前から懸念を表明した。
- 「官は民の補完でなければならない」が持論。2005年(平成17年)に郵政民営化の議論が本格化した際、民営化とそれに関する議論に反対していた荒井広幸を諭している。荒井は後に郵政民営化に関する立場を反対から賛成へと全面的に転換し、郵政民営化推進への支持・協力を積極的に行うようになる。
- 田母神俊雄の航空幕僚長更迭について、「文民統制、曲解された日本の解釈」(週刊新潮 2008年12月11日号)、「誰もわかっていない文民統制」(WiLL 2009年2月号)などの記事において、「文民統制」をキーワードに田母神を批判した朝日新聞や「政府見解」に従わせようとする日本政府を批判した。選挙に選ばれたヒトラーも文民統制により軍を支配したものと言え、自衛官を村山談話をはじめとした政府見解に従わせ、政府が自衛官の思想も行動も統制するということは正しい姿ではないと主張した。
- オーストラリア人の記者と結婚するが3年で離婚。
- 2009年(平成21年)4月週刊新潮にて、COテンプレート:sub削減に予算を投入するのは日本国の富の無駄遣いであるとする一部研究者の考えを紹介し、「COテンプレート:subは温暖化の原因ではないと考えるのが合理的だ」とする旨の見解を示した(地球温暖化に対する懐疑論も参照)。
- 親学推進協会顧問を務める。
朝日が日本を国際社会の笑い物に…歪曲された麻生発言(2013年8月)[編集]
なるほど、朝日新聞はこのようにして事柄を歪曲していくのか。麻生太郎副総理発言を朝日新聞が報じる手口を眼前にしての、これが私自身の率直な感想である。
8月1日と2日、朝日の紙面は麻生発言で「熱狂」した。日によって1面の「天声人語」、社会面、社説を動員し、まさに全社あげてといってよい形で発言を批判した。
討論会の主催者兼司会者として現場に居合わせた私の実感からすれば、後述するように朝日の報道は麻生発言の意味を物の見事に反転させたと言わざるを得ない。
7月29日、私が理事長を務める国家基本問題研究所(国基研)は「日本再建への道」と題した月例研究会を主催した。衆議院、都議会、参議院の三大選挙で圧勝、完勝した安倍自民党は、如何にして日本周辺で急速に高まる危機を乗り越え、日本再建を成し得るかを問う討論会だった。
日本再建は憲法改正なしにはあり得ない。従って主題は当然、憲法改正だった。
月例研究会に麻生副総理の出席を得たことで改正に向けた活発な議論を期待したのは、大勝した自民党は党是である憲法改正を着実に進めるだろうと考えたからだ。
が、蓋を開けてみれば氏と私及び国基研の間には少なからぬ考え方の開きがあると感じた。憲法改正を主張してきた私たちに、氏は「自分は左翼」と語り、セミナー開始前から微妙な牽制球を投げた。
セミナーでも氏は「最近は左翼じゃないかと言われる」と述べ、改正論議の熱狂を戒めた。私はそれを、改正を急ぐべしという国基研と自分は同じではないという氏のメッセージだと、受けとめた。
「憲法改正なんていう話は熱狂の中に決めてもらっては困ります。ワァワァ騒いでその中で決まったなんていう話は最も危ない」「しつこいようだが(憲法改正を)ウワァーとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で決めてほしくない」という具合に、氏は同趣旨の主張を5度、繰り返した。
事実を見れば熱狂しているのは護憲派である。改憲派は自民党を筆頭に熱狂どころか、冷めている。むしろ長年冷めすぎてきたのが自民党だ。いまこそ、自民党は燃えなければならないのだ。
にも拘わらず麻生氏は尚、熱狂を戒めた。その中でヒトラーとワイマール憲法に関し、「あの手口、学んだらどうかね」という不適切な表現を口にした。「ワイマール憲法がナチス憲法に変わった」と氏はいうが、その事実はない。有り体に言って一連の発言は、結局、「ワイマール体制の崩壊に至った過程からその失敗を学べ」という反語的意味だと私は受けとめた。
憲法改正に後ろ向きの印象を与えた麻生発言だったが、朝日新聞はまったく別の意味を持つものとして報じた。
たとえば1日の「天声人語」子は、麻生発言を「素直に聞けば、粛々と民主主義を破壊したナチスのやり方を見習え、ということになってしまう」と書いた。前後の発言を合わせて全体を「素直に聞」けば、麻生氏が「粛々と民主主義を破壊」する手法に習おうとしているなどの解釈が如何にして可能なのか、不思議である。天声人語子の想像力の逞しさに私は舌を巻く。
朝日の記事の水準の高さには定評があったはずだ。現場にいた記者が麻生発言の真意を読みとれないはずはないと思っていた私は、朝日を買いかぶっていた。
朝日は前後の発言を省き、全体の文意に目をつぶり、失言部分だけを取り出して、麻生氏だけでなく日本を国際社会の笑い物にしようとした。そこには公器の意識はないのであろう。朝日は新たな歴史問題を作り上げ、憲法改正の動きにも水を差し続けるだろう。そんな疑惑を抱くのは、同紙が他にも事実歪曲報道の事例を指摘されているからだ。
典型は「読売新聞」が今年5月14、15日付で朝日の誤報が慰安婦問題を政治問題化させたと報じた件だ。読売の朝日批判としては珍しいが、同件について朝日は説明していない。
古い話だが、歴史問題にこだわるなら、昭和20年8月の朝日の報道も検証が必要だ。終戦5日前に日本の敗戦を示唆する政府声明が発表され、朝日新聞の編集局長らは当時こうした情報を掴んでいた。新聞の使命としていち早く、日本敗戦の可能性を国民に知らせなければならない。だが、朝日新聞は反対に8月14日、戦争遂行と戦意高揚を強調する社説を掲げた。これこそ、国民への犯罪的報道ではないか。朝日の歴史認識を問うべきこの事例は『朝日新聞の戦争責任』(安田将三、石橋孝太郎著、太田出版)に詳しく、一読を勧めたい。
これらのことをもって反省なき朝日と言われても弁明は難しい。その朝日が再び麻生発言で歴史問題を作り出し、国益を害するのは、到底許されない。
それはともかく、自民党はまたもや朝日、中国、韓国などの批判の前で立ちすくむのか。
中国の脅威、韓国、北朝鮮の反日、米国の内向き志向という周辺情勢を見れば、現行憲法改正の急務は自明の理だ。それなのに「冷静な議論」を強調するのは、麻生氏を含む多くの自民党議員は憲法改正に消極的ということか。
日本が直面する危機に目をつぶり、結党の志を横に措き、憲法改正の歩みを緩めるのだろうか。であれば、護憲の道を歩む朝日の思う壺ではないか。自民党はそれでよいのか。私の関心は、専ら、この点にある。
批判[編集]
- 1996年(平成8年)、薬害エイズ事件についての記述を巡って安部英医師より毎日新聞などとともに名誉棄損で訴えられる。訴訟は一審が棄却、二審で逆転、損害賠償を命ずる判決が出たのち、安部の無罪判決の後の2005年6月に最高裁で再逆転・棄却となり原告の敗訴が確定した。ただし、最高裁の判決理由は、「真実と誤信したことに過失があるとまでは言えない」というもので櫻井の記述が真実ではないと認めたものであり、安部の弁護団は、櫻井の取材方法は捏造に近いと主張している。
- 1996年10月、横浜市教育委員会主催の教師向け研修会で、福島瑞穂の慰安婦問題に対する姿勢について批判。これについては同年12月上旬頃、櫻井が福島に電話し、「福島さんに対して実に申し訳ないことをしました。講演をしたときに、うっかり口がすべって、『従軍慰安婦の問題について福島さんももう少し勉強をしたらどうですか』と言ってしまったのです。本当に申し訳ありませんでした」という内容の謝罪を行ったと福島は主張している。なお、同研修会では「従軍慰安婦は存在しなかった」という趣旨の話をしたことで、その後に櫻井が講演予定をしていた主催者へ「人権」を掲げる団体が抗議運動をしたため、主催者が講演の中止を発表するに至った。『読売新聞』は社説(2008年2月3日付)で言論の自由を妨害された事例として、この件を取り上げている。
- 池田信夫は「一種のaffirmative actionでメディアによく登場するが、中身はでたらめ。」と評し、また櫻井が住民基本台帳ネットワークにおいて「国民共通番号制に反対する会」の代表になっている活動について、「システムの中身も知らないでヒステリックに騒いだため、左翼の残党がこれに乗って『監視社会』反対運動を始めた」などと自身のブログ内にて櫻井の活動をたびたび批判している。
- 親学推進協会で顧問を務めるが、この「親学」は発達障害への差別を助長する疑似科学だとの批判がある。
著書[編集]
単著[編集]
- 『ちょっと問題! Tokyo国際報道』(講談社 1985年12月)ISBN 4062025353
- 『「政治」は誰のものか 迷走する日本の政治の核心に迫る』(PHP研究所 1993年1月)ISBN 4569538541
ここまで「桜井良子」名義、以後は「―よしこ」名義
- 『桜井よしこが取材する』(ダイヤモンド社 1994年6月)ISBN 4478941041
- 『エイズ犯罪血友病患者の悲劇』(中央公論社 1994年8月)のち文庫 ISBN 4120023451
- 『寝ても醒めても』(世界文化社 1994年12月)ISBN 441894513X
- 『論戦 1994〜1996』(ダイヤモンド社 1996年6月)ISBN 4478941270
- 『直言! 日本よ、のびやかなれ』(世界文化社 1996年12月)ISBN 4418965246
- 『論戦 2』(ダイヤモンド社 1998年3月)ISBN 4478941548
- 『エイズ犯罪血友病患者の悲劇』(中央公論社 1998年8月)ISBN 4122032148
- 『日本の危機』(新潮社 1998年8月)のち文庫 ISBN 4104253014
- 『論戦 1999』(ダイヤモンド社 1999年3月)ISBN 4478941718
- 『北朝鮮 北東アジアの緊張』(ダイヤモンド社 1999年9月)ISBN 4478941815
- 『薬害エイズ 終わらない悲劇』(ダイヤモンド社 1999年9月)ISBN 4478941807
- 『安部先生、患者の命を蔑ろにしましたね』(中央公論新社 1999年10月)ISBN 4120027635
- 『日本の危機 2』(新潮社 2000年3月)のち文庫 ISBN 4104253022
- 『論戦 2000』(ダイヤモンド社 2000年4月)ISBN 447894184X
- 『憲法とはなにか』(小学館 2000年5月)ISBN 4093892210
- 『大人たちの失敗 この国はどこへ行くのだろう?』(PHP研究所 2000年12月 のち文庫 ISBN 4569612938
- 『日本よ、なぜ動かない―論戦2001』(ダイヤモンド社 2001年4月)ISBN 4478941912
- 『迷走日本の原点』(新潮社 2001年4月)のち文庫 ISBN 4104253030
- 『日本のブラックホール特殊法人を潰せ』(新潮社 2001年8月)『特殊法人改革のまやかし 官僚たちの甘い汁』文庫 ISBN 4104253049
- 『日本のかたち データで読み解く 毎日のニュースが面白いほどよくわかる』(素朴社 2001年10月)ISBN 4915513610
- 『薬害エイズ「無罪判決」、どうしてですか?』(中公新書ラクレ 2001年12月)ISBN 4121500318
- 『変わるのは今しかない―論戦2002』(ダイヤモンド社 2002年5月)ISBN 4478941971
- 『GHQ作成の情報操作書「眞相箱」の呪縛を解く 戦後日本人の歴史観はこうして歪められた』(小学館文庫 2002年8月)ISBN 4094028862
- 『日本が犯した七つの大罪』(新潮社 2003年3月)のち文庫 ISBN 4104253057
- 『明日への道を拓け―論戦2003』(ダイヤモンド社 2003年5月)ISBN 4478942013
- 『教育が拓く未来 変わり始めた現場からの提言』(PHP研究所 2004年4月)ISBN 4569634567
- 『権力の道化』(新潮社 2004年5月)ISBN 4104253065
- 『このまま滅ぶな、日本―論戦2004』(ダイヤモンド社 2004年7月)ISBN 4478942080
- 『何があっても大丈夫』(新潮社 2005年2月)ISBN 4104253073
- 『世の中意外に科学的』(集英社 2005年3月)のち文庫 ISBN 4087813061
- 『国売りたもうことなかれ―論戦2005』(ダイヤモンド社 2005年7月)ISBN 4478942188
- 『この国を、なぜ、愛せないのか―論戦2006』(ダイヤモンド社 2006年5月)ISBN 9784478942277
- 『気高く、強く、美しくあれ 日本の復活は憲法改正からはじまる』(小学館 2006年8月)ISBN 978-4093892247
- 『改革の虚像 裏切りの道路公団民営化』(文庫 2006年11月) ISBN 978-4101272269
- 『日本よ、勁き国となれ―論戦2007』(ダイヤモンド社 2007年7月)ISBN 9784478001400
- 『日本人の美徳 誇りある日本人になろう』(宝島社新書 2008年2月)ISBN 9784796661201
- 『異形の大国 中国―彼らに心を許してはならない』(新潮社 2008年4月)ISBN 9784104253081
- 『いまこそ国益を問え―論戦2008』(ダイヤモンド社、2008年6月)ISBN 978-4478006054
- 『明治人の姿』(小学館101新書、2009年4月)ISBN 978-4098250271
- 『日本の覚悟』(新潮社、2011年2月)ISBN 978-4104253098
共編著[編集]
- (金両基)『海峡は越えられるか 日韓歴史論争』(中央公論社 1997年7月)、のち中公文庫 ISBN 4120027104
- (金美齢)『自立できない国日本 勇気があれば人生は拓ける』(日本文芸社 1999)/改題『女は賢く勁くあれ!』ワック ISBN 4537027142
- 『吾、身は幼児となりて母を慕い 戦士たちの遺した手紙』(編)(同朋舎、角川書店 1999年12月)ISBN 4810425851
- (中西輝政代表・編、小林節・中西輝政・長谷川三千子・福田和也・松本健一と共著 『憲法改正』、(中央公論新社、2000年4月、ISBN 978-4120029950)
- (瀬戸内寂聴)『ニッポンが好きだから 女二人のうっぷん・はっぷん』(大和書房 2000年12月)、のち新潮文庫 ISBN 4479011315
- (和田秀樹)『日本の病 正常な国への処方箋』(PHP研究所 2001年6月)ISBN 4569615856
- (宮川俊彦)『この国の宿題 教育液状化を止める』(ワック 2001年8月)改題『ゆとり教育が日本を滅ぼす』 ISBN 4898310281
- (竹中平蔵)『立ち上がれ!日本 「力強い国家」を創る戦略』(PHP研究所 2001年10月)ISBN 4569617298
- (藤原和博編、苅谷剛彦、鈴木寛)『中学改造 “学校"には何ができて、何ができないのか』(小学館 2002年7月)ISBN 4098400774
- (伊藤穰一、清水勉)『「住基ネット」とは何か? 国民と自治体のための脱「住基ネット」論』(明石書店 2002年9月)ISBN 4750316237
- 『あなたの個人情報が危ない! プライバシー保護とメディア規制』(編著)(小学館文庫 2002年11月)ISBN 4094028870
- 『あなたの「個人情報」が盗まれる』(編著)(小学館 2003年9月)ISBN 4093892237
- (小堀桂一郎、八木秀次)『「女系天皇論」の大罪』(PHP研究所 2006年2月)ISBN 9784569648071
- (寛仁親王)『皇室と日本人―寛仁親王殿下お伺い申し上げます』(明成社 2006年3月)ISBN 978-4944219414
- 『日本よ、「歴史力」を磨け 「現代史」の呪縛を解く』(編)(文藝春秋 2007年9月)ISBN 9784163694207
- 『私は金正日との闘いを止めない―米中の宥和政策にも負けない』(編)(文藝春秋 2008年3月)ISBN 9784163700809
- 『アジアの試練―チベット解放は成るか』(編)(文藝春秋、2008年7月)ISBN 978-4163705200
- (田久保忠衛)『国家への目醒め―賢く勁き日本へ』(小学館、2008年12月)ISBN 978-4759310313
- (大原康男・茂木貞純)『皇位継承の危機いまだ去らず』(扶桑社新書、2009年11月)
翻訳[編集]
- 『ライサ・ゴルバチョフ 鉄道員の娘からファーストレディヘ』(ウルダ・ユルゲンス ダイヤモンド社, 1991年3月)ISBN 4478940738
- 『ヒラリーとビルの物語』(ゲイル・シーヒー 飛鳥新社 2000年9月)ISBN 4870314371
脚注[編集]
- ↑ 秦郁彦(編集)『検証・真珠湾の謎と真実―ルーズベルトは知っていたか』(PHP研究所)2001年7月 ISBN 9784569615868
- ↑ 『週刊ダイヤモンド』2007年4月28日・5月5日号 「被爆地として理に適った姿勢を貫いた長崎市長への許されざる犯行に憤る」
- ↑ 2006年12月号『日経エンタテインメント!』の連載「テレビ証券」より