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2020年1月16日 (木) 17:23時点における最新版

毎日王冠
開催地 東京競馬場
施行時期 10月上旬 - 中旬
(原則4回東京2日目)
格付け GII
1着賞金 6500万円
賞金総額 1億2330万円
距離 芝1800m
出走条件 サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)
出走資格も参照
負担重量 グレード別定(本文に記載
創設 1950年11月12日
特記事項:
テンプレート

毎日王冠(まいにちおうかん)は、日本中央競馬会(JRA)東京競馬場1800mで施行する中央競馬重賞GII競走である。毎日新聞社が寄贈賞を提供している。

概要[編集]

1950年毎日王冠の名称で創設された4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走。条件や施行時期の変遷(次節参照)を経て、秋のGI競走の前哨戦の位置付けをしており、3歳馬古馬問わず中長距離やマイラーの有力馬が出走する注目度の高い重賞(GII)競走である。

中央競馬の秋GIシーズンへの重要なステップ競走であることから、春の安田記念宝塚記念後に夏シーズンを休養にまわした有力馬陣営が秋の初戦で使うことが多い競走で、施行距離が芝1800mであるが故、同じ東京競馬場で200m長い芝2000mで施行される天皇賞(秋)だけでなく、京都競馬場の芝1600mで行われるマイルチャンピオンシップに向けて重要視されている。

かつては天皇賞(秋)に外国産馬が出走できなかったことから、秋のGIシーズンを前にして有力な内国産馬と外国産馬が出走する競走となり、1993年にはシンコウラブリイがその後天皇賞で1,2着となるヤマニンゼファーセキテイリュウオーを相手に完勝したり、1998年第49回)にはサイレンススズカエルコンドルパサーグラスワンダーの3強による限りなくGIに近いGIIとして盛り上がりを見せ、その年には実際に平均レート国際GI認定基準に達したり、グレード認定後1984年2010年現在までの27回のうち16回をその時点、あるいは後のGI優勝馬が制するなど非常にレベルの高い競走として知られる。

名称の通り、優勝馬主には副賞品として王冠が贈呈される。また、現在の優勝レイは赤地に金文字となっている。

出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属馬(外国産馬含む、未出走馬と未勝利馬は除く)、所定の条件を満たした地方競馬所属馬(2頭まで)、及び外国調教馬(9頭まで)。

負担重量は3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減を基本とし、更に以下の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

  1. 施行日当日から過去1年以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
  2. 施行日当日から過去1年以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
  3. 施行日当日から過去1年以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増

2010年度現在の総額賞金は1億2330万円で、1着賞金:6500万円、2着賞金:2600万円、3着賞金:1600万円、4着賞金:980万円、5着賞金:650万円と定められている。

歴史[編集]

  • 1950年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による定量の重賞競走として毎日王冠が創設され、東京競馬場の芝2500mで施行された。
  • 1955年
    • 施行場を中山競馬場の芝2600mに変更。
    • 負担重量を別定に変更。
  • 1956年 - 中山競馬場のスタンド改築工事に伴う振替開催により、東京競馬場の芝2500mで施行。
  • 1958年 - 施行場を東京競馬場の芝2500mに戻す。
  • 1959年 - 施行距離を芝2300mに変更。
  • 1961年 - 当年のみ施行距離をダート2300mで施行。
  • 1962年 - 施行距離を芝2000mに変更。
  • 1964年 - 施行場を中山競馬場の芝2000mに変更。
  • 1966年 - 中山競馬場のトータリゼータシステム導入工事及びダートコース新設工事に伴う振替開催により、東京競馬場の芝2000mで施行。
  • 1968年 - 施行場を東京競馬場の芝2000mに戻す。
  • 1969年 - 当年のみ施行距離をダート2100mで施行。
  • 1970年 - 施行場を中山競馬場の芝2000mに戻す。
  • 1973年 - 新潟競馬場のスタンド新築工事による振替開催により、福島競馬場の芝2000mで施行。
  • 1974年 - 施行場を東京競馬場の芝2000mに戻す。
  • 1975年 - 京葉労働組合の労働協議の影響による開催中止の振替開催により、中山競馬場の芝2000mで施行。
  • 1978年 - 混合競走に指定。
  • 1980年 - 中山競馬場の芝2000mで施行。
  • 1984年
    • 混合競走から除外。
    • 施行距離を芝1800mに変更。
    • グレード制施行によりGIIに格付け。
  • 1988年 - 発走前の輪乗り中にダイナアクトレスレジェンドテイオーシリウスシンボリに蹴られ、レジェンドテイオーが発走除外。
  • 1989年
  • 1995年 - 指定交流競走に指定され、地方馬は2頭まで出走可能になる。
  • 1996年
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
    • 国際GIIに指定。
    • 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大(2002年のみ8頭)。
  • 2002年 - 東京競馬場の改修工事による振替開催により、中山競馬場の芝1800mで施行。
  • 2006年 - 牝馬限定競走優勝馬の負担重量を軽減。
  • 2007年 - チョウサンがコースレコード1分44秒2で優勝。
  • 2010年 - 1952年以来の3歳馬同士のワンツーフィニッシュ。

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1950年11月12日 ハタカゼ 牡3 2:37 1/5 保田隆芳 尾形藤吉 癸生川善松
第2回 1951年09月23日 ミツハタ 牡3 2:36 2/5 矢野幸夫 東原玉造 河野信一
第3回 1952年11月30日 ニユーモアナ 牡3 2:38 1/5 中村広 見上恒芳 中山惣兵衛
第4回 1953年11月29日 トラツクオー 牡5 2:35 1/5 二本柳俊夫 久保田金造 岩本政一
第5回 1954年10月03日 ハクリヨウ 牡4 2:35 2/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第6回 1955年10月02日 サスケハナ 牝3 2:49 4/5 二本柳俊夫 稲葉秀男 木村秀夫
第7回 1956年09月23日 フエアマンナ 牝3 2:39 1/5 佐藤嘉秋 大久保房松 小林庄平
第8回 1957年09月22日 ハクチカラ 牡4 2:47 1/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第9回 1958年09月21日 ヒシマサル 牡3 2:37 2/5 小野定夫 矢野幸夫 阿部雅信
第10回 1959年09月20日 クリペロ 牡4 2:21.8 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第11回 1960年09月18日 ウネビヒカリ 牡4 2:21.9 野平祐二 野平省三 山之内喜代子
第12回 1961年09月17日 ハローモア 牡5 2:25.1 保田隆芳 尾形藤吉 エス・ワイ
第13回 1962年09月16日 エムローン 牡4 2:02.5 加賀武見 高木良三 宗川五郎
第14回 1963年09月29日 ヤマノオー 牡4 2:03.2 森安弘明 内藤潔 山口米吉
第15回 1964年09月20日 トースト 牝5 2:04.0 保田隆芳 尾形藤吉 永田雅一
第16回 1965年09月12日 ウメノチカラ 牡4 2:03.6 伊藤竹男 古賀嘉蔵 梅野昇
第17回 1966年10月02日 セフトウエー 牡4 2:05.8 野平祐二 野平富久 鈴木晴
第18回 1967年12月10日 タマクイン 牝4 2:06.5 小島太 高木良三 宇都宮登
第19回 1968年09月15日 シエスキイ 牡5 2:06.3 郷原洋行 大久保房松 小林庄平
第20回 1969年09月14日 タケシバオー 牡4 2:10.9 古山良司 三井末太郎 小畑正雄
第21回 1970年09月06日 クリシバ 牡3 2:03.6 郷原洋行 吉野勇 栗林友二
第22回 1971年09月12日 トキノシンオー 牡4 2:05.0 小島太 高木良三 小松金太郎
第23回 1972年09月24日 ハスラー 牡4 2:02.4 伊藤栄 中村広 (株)ホースマンクラブ
第24回 1973年09月02日 タクマオー 牡5 2:03.3 蛯沢誠治 成宮明光 中村雄二
第25回 1974年09月22日 タケクマヒカル 牡5 2:01.6 矢野照正 中村広 武隈水雄
第26回 1975年09月21日 ホワイトフォンテン 牡5 2:01.3 蛯名信広 大久保勝之 吉橋計
第27回 1976年09月26日 ハーバーヤング 牡4 2:00.9 岡部幸雄 稲葉秀男 (株)ハーバー
第28回 1977年09月25日 シービークイン 牝4 2:00.2 吉永正人 松山吉三郎 千明牧場
第29回 1978年09月24日 プレストウコウ 牡4 2:01.2 安田富男 加藤朝治郎 渡辺喜八郎
第30回 1979年09月23日 シービークロス 牡4 1:59.9 吉永正人 松山吉三郎 (株)丸池温泉ホテル
第31回 1980年09月21日 カネミノブ 牡6 2:01.5 加賀武見 阿部新生 畠山伊公子
第32回 1981年10月04日 ジュウジアロー 牝4 1:59.4 安田富男 加藤修甫 岡田充司
第33回 1982年10月10日 キョウエイプロミス 牡5 2:01.0 柴田政人 高松邦男 松岡正雄
第34回 1983年10月09日 タカラテンリュウ 牡4 2:03.1 嶋田功 佐々木亜良 原田さち子
第35回 1984年10月07日 カツラギエース 牡4 1:47.5 西浦勝一 土門一美 野出一三
第36回 1985年10月06日 ゴールドウェイ 牡4 1:50.8 南井克巳 武宏平 小川立義
第37回 1986年10月05日 サクラユタカオー 牡4 1:46.0 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第38回 1987年10月11日 ダイナアクトレス 牝4 1:46.1 岡部幸雄 矢野進 (有)社台レースホース
第39回 1988年10月09日 オグリキャップ 牡3 1:49.2 河内洋 瀬戸口勉 佐橋五十雄
第40回 1989年10月08日 オグリキャップ 牡4 1:46.7 南井克巳 瀬戸口勉 近藤俊典
第41回 1990年10月07日 ラッキーゲラン 牡4 1:46.7 内田浩一 池江泰郎 ロイヤルファーム(有)
第42回 1991年10月06日 プレクラスニー 牡4 1:46.1 江田照男 矢野照正 田島栄二郎
第43回 1992年10月11日 ダイタクヘリオス 牡5 1:45.6 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第44回 1993年10月10日 シンコウラブリイ 牝4 1:45.5 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第45回 1994年10月09日 ネーハイシーザー 牡4 1:44.6 塩村克己 布施正 (株)大丸企業
第46回 1995年10月08日 スガノオージ 牡4 1:48.4 安田富男 上原博之 菅原元秀
第47回 1996年10月06日 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦アヌスミラビリス 牡4 1:45.8 D.ホランド S.スルール ゴドルフィン
第48回 1997年10月05日 日本の旗 日本バブルガムフェロー 牡4 1:46.1 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)社台レースホース
第49回 1998年10月11日 日本の旗 日本サイレンススズカ 牡4 1:44.9 武豊 橋田満 永井啓弐
第50回 1999年10月10日 日本の旗 日本グラスワンダー 牡4 1:45.8 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第51回 2000年10月08日 日本の旗 日本トゥナンテ 牡5 1:46.1 幸英明 松元省一 (有)社台レースホース
第52回 2001年10月07日 日本の旗 日本エイシンプレストン 牡4 1:45.3 福永祐一 北橋修二 平井豊光
第53回 2002年10月06日 日本の旗 日本マグナーテン 6 1:46.1 岡部幸雄 藤沢和雄 駒井孝男
第54回 2003年10月12日 日本の旗 日本バランスオブゲーム 牡4 1:45.7 田中勝春 宗像義忠 薗部博之
第55回 2004年10月10日 日本の旗 日本テレグノシス 牡5 1:46.0 勝浦正樹 杉浦宏昭 (有)社台レースホース
第56回 2005年10月09日 日本の旗 日本サンライズペガサス 牡7 1:46.5 後藤浩輝 石坂正 松岡隆雄
第57回 2006年10月08日 日本の旗 日本ダイワメジャー 牡5 1:45.5 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第58回 2007年10月07日 日本の旗 日本チョウサン 牡5 1:44.2 松岡正海 清水利章 長山尚義
第59回 2008年10月12日 日本の旗 日本スーパーホーネット 牡5 1:44.6 藤岡佑介 矢作芳人 森本悳男
第60回 2009年10月11日 日本の旗 日本カンパニー 牡8 1:45.3 横山典弘 音無秀孝 近藤英子
第61回 2010年10月10日 日本の旗 日本アリゼオ 牡3 1:46.4 福永祐一 堀宣行 (有)社台レースホース

※1996年以降は国際重賞(国際GII)競走により国旗を表記。

本競走からの天皇賞(秋)優勝馬[編集]

天皇賞(秋)の前哨戦の1競走として施行されているが20頭が同年の天皇賞(秋)を制覇している。

回数 馬名 性齢 着順 他の同年のGI級優勝
第8回 ハクチカラ 牡4 1着 第2回有馬記念
第9回 セルローズ 牝4 3着
第11回 オーテモン 牡5 5着
第12回 タカマガハラ 牡4 2着
第15回 ヤマトキヨウダイ 牡4 4着 第9回有馬記念
第25回 カミノテシオ 牡4 3着
第30回 スリージャイアンツ 牡4 3着
第31回 プリテイキャスト 牝5 3着
第33回 メジロティターン 牡4 5着
第35回 ミスターシービー 牡4 2着
第37回 サクラユタカオー 牡4 1着
第38回 ニッポーテイオー 牡4 3着 第4回マイルチャンピオンシップ
第42回 プレクラスニー 牡4 1着
第44回 ヤマニンゼファー 牡5 6着
第45回 ネーハイシーザー 牡4 1着
第46回 サクラチトセオー 牡5 4着
第47回 バブルガムフェロー 牡3 3着
第57回 ダイワメジャー 牡5 1着 第23回マイルチャンピオンシップ
第59回 ウオッカ 牝4 2着
第60回 カンパニー 牡8 1着 第26回マイルチャンピオンシップ

本競走からの他のGI級優勝馬[編集]

第1回から天皇賞(秋)以外で同年のGI級優勝馬が23頭、26例の優勝がある。

回数 馬名 性齢 着順 優勝競走
第6回 メイヂヒカリ 牡3 2着 第16回菊花賞
第7回 キタノオー 牡3 4着 第17回菊花賞
第20回 タケシバオー 牡4 1着 第3回英国フェア開催記念
第21回 スピードシンボリ 牡7 2着 第15回有馬記念
第24回 ストロングエイト 牡4 3着 第18回有馬記念
第29回 カネミノブ 牡4 2着 第23回有馬記念
第32回 アンバーシャダイ 牡4 2着 第26回有馬記念
第35回 カツラギエース 牡4 1着 第4回ジャパンカップ
第36回 ニホンピロウイナー 牡5 4着 第2回マイルチャンピオンシップ
第39回 オグリキャップ 牡3 1着 第33回有馬記念
第40回 オグリキャップ 牡4 1着 第6回マイルチャンピオンシップ
イナリワン 牡5 2着 第34回有馬記念
第41回 バンブーメモリー 牡5 5着 第24回スプリンターズステークス
第42回 ダイタクヘリオス 牡4 2着 第8回マイルチャンピオンシップ
第43回 ダイタクヘリオス 牡5 1着 第9回マイルチャンピオンシップ
第44回 シンコウラブリイ 牝4 1着 第10回マイルチャンピオンシップ
第45回 サクラバクシンオー 牡5 4着 第28回スプリンターズステークス
第46回 トロットサンダー 牡6 3着 第12回マイルチャンピオンシップ
第49回 エルコンドルパサー 牡3 2着 第18回ジャパンカップ
グラスワンダー 牡3 5着 第43回有馬記念
第50回 グラスワンダー 牡4 1着 第44回有馬記念
メジロドーベル 牝5 6着 第24回エリザベス女王杯
第52回 エイシンプレストン 牡4 1着 第11回香港マイル
第56回 スイープトウショウ 牝4 6着 第30回エリザベス女王杯
第58回 ダイワメジャー 牡6 3着 第24回マイルチャンピオンシップ
第60回 ウオッカ 牝5 2着 第29回ジャパンカップ

関連項目[編集]


テンプレート:中央競馬のグレードツー競走