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2015年8月6日 (木) 13:18時点における版
成田空港線(なりたくうこうせん)は、東京都葛飾区の京成高砂駅と千葉県成田市の成田空港駅を結ぶ鉄道路線である。京成電鉄によって「成田スカイアクセス」という愛称が付けられ、各種掲示物などで成田スカイアクセス線(英称:Narita SKY ACCESS Line)という名称とオレンジ色の案内色を用いて旅客案内を行っている[1]。
東京都心から成田国際空港へのアクセス改善を目的に、印旛日本医大駅まで通じている北総鉄道 北総線をさらに東へ延伸して同空港に直結させた路線で、2010年7月17日に開業した[2]。
全線にわたって京成電鉄が第二種鉄道事業者であり、4社(北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道・成田高速鉄道アクセス・成田空港高速鉄道)から線路および駅等の施設を借りて運行する。
目次
概要
1982年、新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に空港アクセス鉄道について
- A案(成田新幹線計画ルートの再整備):東京 - 新砂町(現・新木場付近) - 西船橋 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫 - 成田空港
- B案(北総線を延伸、該当ルート):上野 - 高砂 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫(現・印旛日本医大付近) - 成田空港
- C案(成田線を分岐して成田空港に直結、現在の「成田エクスプレス」の運行ルート):総武本線・成田線東京 - 錦糸町 - 千葉 - 佐倉 - 成田 - 成田空港
の3案を答申し、1984年に運輸省はB案(北総線延伸)を採択し推進すると決定した[3]。しかし、計画は決定したものの、成田アクセス鉄道問題は解決に向けての動きが遅滞していたため、1987年に当時運輸大臣であった石原慎太郎が「成田新幹線の設備と用地を活用し、京成線とJR線を成田空港に乗り入れさせる案」を指示して事業化され、そちらは一足早く1991年に成田線(空港支線)と京成本線(駒井野分岐点 - 成田空港間)の形で現実化した[3]。
B案はその後、1999年に「成田新高速鉄道事業化推進検討委員会」が設立されて実現に向けて動き出し、2002年には「成田高速鉄道アクセス株式会社」が設立され、2006年に着工し、既存路線の改良および新線建設が行われた。
- 京成高砂駅 - 小室駅 - 印旛日本医大駅間:成田高速鉄道アクセスが既存路線を改良
- 印旛日本医大駅 - (土屋) - 成田空港駅間:成田高速鉄道アクセスが新線(成田高速鉄道アクセス線)を建設[4]
- 成田空港駅および空港第2ビル駅構内:成田国際空港株式会社が駅を改良・ホーム増設
新線部分では印旛沼を橋梁で横断しているが、この付近には広大な湿地や里山があり、また野鳥の宝庫ともなっているため自然保護団体を中心に一部計画変更の要望が出ていた。環境影響評価書では代替措置などできる限りの環境保全措置を実施し、景観に配慮した構造とするとして着工された。建設工事は順調に推移し、2010年3月に完工、3月25日から約4か月の乗務員習熟訓練運転を経て同年7月17日に開業した。開業により、それまで最速で51分かかっていた日暮里 - 空港第2ビル間が最速36分で結ばれ、所要時間が15分短縮された。総事業費は1,261億円である。
路線愛称が決定するまで仮称として事業名「成田新高速鉄道整備事業」の略称である「成田新高速鉄道」と呼ばれていたが、2008年12月20日から2009年1月15日まで成田新高速鉄道に代わる新しいアクセスルート愛称名の公募を行って選考した結果「成田スカイアクセス」に決定し、同年12月16日に発表された[5]。
スカイライナーの最高速度である160km/h走行区間の分岐器には、上越新幹線・長野新幹線の高崎駅での両線分岐ポイントで使われている38番分岐器[6]が使用され、最高速度のまま、減速を要しない通過が可能となっている。
路線データ
- 路線距離:51.4km(ただし1.0kmは本線と重複)
- 管轄:
- 京成高砂駅 - 小室駅間19.8km:北総鉄道(第1種)
- 小室駅 - 印旛日本医大駅間12.5km:千葉ニュータウン鉄道(第3種)
- 印旛日本医大駅 - 成田空港高速鉄道線接続点(成田市ウイング土屋付近)間10.7km:成田高速鉄道アクセス(第3種)
- 成田高速鉄道アクセス線接続点 - 成田空港駅間8.4km:成田空港高速鉄道(第3種)
- 軌間:1435mm
- 複線区間:京成高砂駅 - 成田湯川駅間
- 単線区間:成田湯川駅 - 成田空港駅間
- 電化区間:全線(架空電車線方式・直流1500V)
- 保安装置:C-ATS(京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間の一部は1号型ATS)
- 最高速度:スカイライナー130km/h(京成高砂 - 印旛日本医大)、160km/h(印旛日本医大 - 空港第2ビル)、アクセス特急120km/h(京成高砂 - 空港第2ビル)
京成高砂 | … | 小室 | … | 印旛日本医大 | … | 成田湯川 | … | (接続点) | … | 空港第2ビル | 成田空港 | ||||||
既設区間 | 新設区間 | 既設区間 | |||||||||||||||
運行 | 京成電鉄 (第2種) | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北総鉄道 (第1種) |
北総鉄道 (第2種) |
東日本旅客鉄道 (第2種) | |||||||||||||||
保有 | 千葉ニュータウン鉄道 (第3種) |
成田高速鉄道アクセス (第3種) |
成田空港高速鉄道 (第3種) |
このうち、京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間32.3kmは北総鉄道北総線として、成田高速鉄道アクセス線接続点 - 成田空港駅間8.4kmのうち空港第2ビル駅 - 成田空港駅間は京成本線の一部として2010年より前に開業済みであり、本線と成田空港線(成田スカイアクセス)との重複区間となっている。
北総鉄道北総線は全線にわたって京成電鉄との共用区間となるが、北総鉄道と京成電鉄の共同使用駅としても扱われるのはアクセス特急停車駅の京成高砂・東松戸・新鎌ヶ谷・千葉ニュータウン中央・印旛日本医大の各駅のみであり、その他の駅は北総線単独所属のままとなる[7]。ただし、これら共同使用駅の所有者は北総鉄道であり、京成電鉄が借り受ける形となる。
共用区間における運賃の取り扱い等は、2009年12月16日に運賃の上限認可申請が行われており、従来の運賃体系に準じた運賃が申請され[8]、また、沿線自治体で北総鉄道の運賃引き下げなどを求め、当路線の運賃上限認可申請とは別途に引き下げ運賃の認可を申請し[9]、2010年2月19日にそれぞれの運賃が認可された[7][10]。なお、北総線のみの各駅から成田湯川・空港第2ビル・成田空港の各駅へは当路線のキロ程と同額の運賃になっているが、実際には北総線と京成線の運賃を印旛日本医大駅を境としてそれぞれ別計算した上で、当路線のキロ程と同額になるように乗継割引を適用した金額という扱いになっている[7]。
線内各駅から京成高砂駅を経由した京成電鉄の既存路線各駅までの運賃は、京成高砂駅を境としてそれぞれの運賃を別計算するものとなる[7]。
京成電鉄の株主優待券は全線有効であるが、北総線単独駅または同線との境界駅での北総線方向を経由する乗降車はできない。
成田新高速鉄道建設促進期成同盟
沿革
- 1982年(昭和57年)5月31日 - 新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に対してA・B・C案(前述)を答申。
- 1984年(昭和59年)11月1日 - 運輸省がB案ルートを推進する旨を発表。
- 1985年(昭和60年)7月11日 - 運輸政策審議会答申第7号に位置付け。
- 1998年(平成10年)1月27日 - 運輸政策審議会答申第18号で2015年までに開業することが適当である路線として位置付けられる。
- 1999年(平成11年)3月23日 - 「成田新高速鉄道事業化推進検討委員会」設立。
- 2001年(平成13年)8月28日 - 小泉政権の都市再生プロジェクト(第二次決定)の一つと見なされ、実現に向けて動き出す。
- 2002年(平成14年)
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)2月4日 - 成田国際文化会館で起工式が行われる。
- 2007年(平成19年)6月1日 - 都市計画事業認可取得。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生。都営地下鉄浅草線・京急線との相互直通運転およびスカイライナーの運転が休止。各線運行再開後も泉岳寺 - 品川間が封鎖されたため、一部の京成車が京急に、一部の京急車が京成に取り残される。
- 3月14日 - 11日の地震による発電所の停止に伴う電力供給逼迫のため、東京電力が輪番停電(計画停電)を実施。これに伴い、この日から都営浅草線・京急線との相互直通運転およびスカイライナーの運転が休止。
- 3月15日 - 都営浅草線との相互直通運転を再開。
- 3月16日 - 京急線との相互直通運転ならびにスカイライナーの運転を再開。休日ダイヤベースの特別ダイヤを編成。
- 4月4日 - 新年度に対応するためのダイヤ改正を実施。
- 4月11日 - 福島県浜通りで、3月11日の地震の余震(マグニチュード7.1)が発生し、東京都や千葉県北部など当線沿線でも震度4を記録したため、この日のスカイライナーの運転が休止(翌日運転再開)。
- 2012年(平成24年)
運行形態
京成成田空港線と線路を共有する北総鉄道北総線の列車参照
成田スカイアクセス線の列車としてはスカイライナーとアクセス特急の2種別が運行されている。
スカイライナー
AE形により最高速度160km/hで運行し、日暮里 - 空港第2ビル間の所要時間は最速36分。日中は毎時2本運行する。
最高速度160km/hは、新幹線以外では北越急行ほくほく線の特急「はくたか」と並ぶ日本最高速で、その速度での進行を指示するためのGG信号(高速進行)がスカイライナーに対してのみ現示されるようになっている。このほか、京浜急行電鉄(京急)に次いで北総鉄道区間を含めてYGF信号(抑速信号)も2009年7月より稼動している。
アクセス特急
通勤形電車による料金不要の特急で、最高速度120km/hで運行し、日暮里 - 空港第2ビル間の所要時間は最速約59分。日中は都営浅草線・京急線方面に毎時1.5本が運行されている。都営浅草線・京急線内エアポート快特となる羽田空港国内線ターミナル行列車は2013年10月25日までは京成車・京急車とも、「アクセス特急」の種別幕と「羽田空港」行の行先表示を掲示していた[14]。種別色はオレンジ。
京成車両は本線京成上野駅・都営浅草線西馬込駅・京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅まで運行し、京急車両は羽田空港・京急久里浜線三崎口駅まで運行する。
成田空港駅から羽田空港国内線ターミナル駅までの所要時間は北行が1時間36分、南行が1時間34分。開業当初は当路線開業前のダイヤより3分早い103分、最速は95分であったが、2012年10月21日の京急蒲田駅高架化に伴うダイヤ改正で北行・南行共に1時間30分台に短縮された。早朝と夜間は羽田空港発着(京急線内エアポート急行)のほかに京成上野・西馬込(浅草線内各駅停車で、同線内でも「アクセス特急」が設定される)・神奈川新町・京急久里浜・三崎口(以上京急線内快特または特急)発着が設定されている。
2012年8月1日から31日までの毎日、早朝に下り1本(京成上野始発)、深夜に上り1本(京成高砂行)の臨時アクセス特急が運行された[15]。 この臨時アクセス特急は、2013年は7月20日から9月1日までの毎日運行され[16]、2014年は7月19日から8月31日までの毎日運行される[17]。
停車駅
- 成田空港 - 羽田空港 アクセス特急 - エアポート快特(朝 - 日中)
- 成田空港 - 空港第2ビル - 成田湯川 - 印旛日本医大 - 千葉ニュータウン中央 - 新鎌ヶ谷 - 東松戸 - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - 浅草 - 東日本橋 - 日本橋 - 新橋 - 大門 - 三田 - 泉岳寺 - 品川 - 羽田空港国際線ターミナル - 羽田空港国内線ターミナル
- 成田空港 - 京成上野(夕方 - 夜)
- 成田空港 - 空港第2ビル - (日中と同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 日暮里 - 京成上野
- 高砂で京成本線・船橋・上野方面普通に接続。
- 青砥で押上線・横浜方面快特または特急に接続。
- 成田空港 - 西馬込(朝・夕方)
- 成田空港 - 空港第2ビル - (日中と同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - (都営線内各駅停車) - 西馬込
- 成田空港 - 羽田空港・三崎口 アクセス特急 - 特急(朝・夕方)/ 快特(平日夕北行き、土休日朝南行きのみ)
- 成田空港 - 空港第2ビル - (日中と同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - (都営線内各駅停車) - 泉岳寺 - (京急本線・久里浜線内快特および特急停車駅) - 羽田空港国内線ターミナル・三崎口
- 成田空港 - 羽田空港 アクセス特急 - エアポート急行(朝・夕方)
- 成田空港 - 空港第2ビル - (日中と同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - (都営線内各駅停車) - 泉岳寺 - (京急本線・空港線内エアポート急行停車駅) - 羽田空港国内線ターミナル
- 臨時ダイヤ
- 1月3日・箱根駅伝対策(2011年(第87回大会[18])・2012年(第88回大会[19])実施)
- 成田空港 - 空港第2ビル - (通常ダイヤと同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - (都営線内各駅停車) - 泉岳寺 - 品川 - 京急蒲田
- 隅田川花火大会対策
- 成田空港 - 空港第2ビル - (通常ダイヤと同じ) - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - (この区間、各駅停車) - 東日本橋 - (通常ダイヤと同じ) - 羽田空港国内線ターミナル
使用車両
京成電鉄車両
- 3050形(6編成・2009年度の京成電鉄の事業計画でアクセス特急の運行用に新造)
- 3700形(スカイアクセス線対応改造を行った8両編成のみ)
- 3000形(8両編成の3001・3026・3027・3028編成のみ)
京浜急行電鉄車両(都営浅草線直通用車両で、車上情報管理装置に誤通過防止機能(停車予告機能)の搭載を行った編成が運用に入る)
- 600形(8両編成のみ)
- 新1000形10次車以降(8両編成のみ)
- 10次車以外の編成も運用される場合がある[22]。
運行に伴う施設改良
成田高速鉄道アクセスによると、京成高砂 - 印旛日本医大間は最高速度130km/hで走行するための改良工事が行われ、新線区間(成田高速鉄道アクセス線)は最高速度160km/hに対応した。また、並行して一般国道464号北千葉道路の一体的な整備が行われている。
京成電鉄では当路線の開業に併せて、JR東日本の山手線・京浜東北線・常磐線、東京都交通局の日暮里・舎人ライナーとの乗り換え駅である日暮里駅の大規模改良工事が実施された。2009年10月3日から1階部分にあたる従来の1面2線のホームを上り用の1面1線、2階を改札・コンコース、3階を下り用の2面1線(「スカイライナー」専用と一般車専用の各ホームを設置)、合計で3面2線に変更された。また、北総鉄道区間も東松戸・新鎌ヶ谷・小室の各駅に待避線が新設された(これらの各駅には当初から拡張用スペースが確保されていた)。
さらに受け入れ側の空港第2ビル駅は2009年11月14日から従前の1面1線の対向式ホームから1面2線の島式ホームに改良され、成田空港駅もホームが1面2線から2面3線へと増設・拡幅され、従来の京成本線、成田スカイアクセス、スカイライナー専用ホームに区別された方向別・列車別ホームとなった。また、両駅の既存のホームは本線と成田スカイアクセスのホームに前後で分けられ、京成本線コンコースにはルートの特定と運賃の算定を行うための中間改札が設置された。なお、京成本線分岐部 - 成田空港駅間の単線区間のうち、分岐部 - 空港第2ビル間は同駅のホームの島式化による安全側線の延長により複線化されたが、同駅 - 成田空港駅間の線路は従来通り単線である。
京成高砂駅についても、当路線開業後の踏切遮断時間増加対策の関連工事として金町線ホームの高架化工事を行った。当路線の開業に先行して2010年7月5日より高架化されたので、金町線は全列車が同駅 - 京成金町間の折り返し運行となった。
当路線の開業後に都営浅草線の日本橋駅と東銀座駅から東京駅まで分岐線を敷設する計画もあったが、この案はこれとは別に後述する浅草線短絡新線構想も浮上したこともあり、現在のところ着工されていない。
駅一覧
- ●:停車、|:通過
- 停車駅は京成電鉄プレスリリース(2009年12月16日)PDF に基づく
- 京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間は北総鉄道北総線との共用区間である。「北総鉄道北総線#駅一覧」も参照のこと。空港第2ビル駅 - 成田空港駅間は京成本線との重複区間である。
- 東松戸 - 印旛日本医大間の駅には北総鉄道の駅番号が付与されているが、京成電鉄は押上駅を例外として、駅番号の二重付与はしない方針をとっている[23]。
- 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここから上は単線(駅構内は列車交換可)
駅番号 [23][24] |
駅名 | 駅間 キロ |
累計 キロ |
アクセス特急 | スカイライナ丨 | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KS10 | 京成高砂駅 | - | 0.0 | ● | | | 京成電鉄: 本線(青砥・京成上野方面直通あり、八幡・船橋方面乗り換え)・ 押上線(都営地下鉄浅草線方面・京急線羽田空港方面直通あり)・ 金町線 | ∥ | 東京都 | 葛飾区 |
- | 東松戸駅 | 7.5 | 7.5 | ● | | | 北総鉄道: 北総線(HS05:共同使用駅) 東日本旅客鉄道:武蔵野線 |
∥ | 千葉県 | 松戸市 |
- | 新鎌ヶ谷駅 | 5.2 | 12.7 | ● | | | 北総鉄道: 北総線(HS08:共同使用駅) 新京成電鉄: 新京成線 (SL11) 東武鉄道:野田線(東武アーバンパークライン) (TD-30) |
∥ | 鎌ケ谷市 | |
- | 千葉ニュータウン中央駅 | 11.1 | 23.8 | ● | | | 北総鉄道: 北総線(HS12:共同使用駅) | ∥ | 印西市 | |
- | 印旛日本医大駅(松虫姫) | 8.5 | 32.3 | ● | | | 北総鉄道: 北総線(HS14:共同使用駅) | ∥ | ||
KS43 | 成田湯川駅 | 8.4 | 40.7 | ● | | | 成田線(我孫子支線)下総松崎 - 成田間との交差地点(松崎字湯川)。 | ∨ | 成田市 | |
- | 成田空港高速鉄道線接続点 (通称:土屋点) |
(2.3) | (43.0) | | | | | 第三種鉄道事業者の境界点 駅設置の請願が行われている。 |
| | ||
- | 新根古屋信号場 | - | - | | | | | JRの根古屋信号場跡地付近 | ◇ | ||
- | (本線接続点) | (6.9) | (49.9) | | | | | 本線との線路上の接続点 | | | ||
KS41 | 空港第2ビル駅 | 0.5 | 50.4 | ● | ● | 京成電鉄: 本線(京成成田方面) 東日本旅客鉄道:成田線(空港支線) |
◇ | ||
KS42 | 成田空港駅 | 1.0 | 51.4 | ● | ● | ∧ |
- 成田空港高速鉄道線接続点付近(ウイング土屋地先)に「土屋駅(仮称)」を設ける運動が存在し、同地点には駅を設ける空間も有しているが、現行計画では駅設置の予定はない。成田市では「成田新高速鉄道土屋駅設置促進協議会」(現:新駅・基幹交通網整備促進特別委員会)を設け、土屋駅設置に向けた署名活動や千葉県・国土交通省・空港公団(当時)への陳情などの住民運動を展開している。2008年2月20日には土屋新駅設置に係る研究会が発足した。研究会は、京成電鉄、成田空港高速鉄道、成田高速鉄道アクセス、成田国際空港、成田市、千葉県の各メンバーから成り、課題の整理と調査が実施される。2014年1月8日の東京新聞千葉版によるところでは駅設置のために区画整理がなされてバスロータリーも造られていたが京成では「スカイライナーの速度維持のため駅設置は難しい」という(該当地区は空港建設以後だと資材置き場や燃料を運搬するトラックの駐車場として地権者から水田として使用されている土地を借用していたが、使用を終えた後には元の水田に戻せないために区画整理をした。)。
- 当初アクセス特急(当時は種別名決定前で一般特急と呼ばれた)が通過する予定だった東松戸駅は、千葉県、松戸市、武蔵野線沿線地方公共団体などが要望した結果、停車駅に追加された。それ以前の2009年2月16日より北総鉄道により特急(アクセス特急とは別の北総線で設定されているもの)と急行の同駅への停車が開始された。
- 累計キロ49.9km地点に本線との接続点がある。当線成田湯川駅方面 - 駒井野信号場(京成成田駅)方面を空港第2ビル駅経由で利用する場合の運賃計算に使用される[25]。
- 新鎌ヶ谷駅 - 千葉ニュータウン中央駅間で柏市・白井市内を通過するが駅はない(柏市内には北総線の駅もない)。
成田 - 羽田連絡鉄道の経緯と構想
都営地下鉄浅草線#今後の動き も参照 国土交通省は2008年、当路線を活用した成田 - 羽田連絡鉄道の開設について検討を開始した。羽田・成田両空港は発着枠の拡大が計画されており、特に羽田空港は2010年10月21日に4本目となる滑走路の併用開始および国際定期便の就航が予定されていることなどから、両空港間における乗り継ぎ客の増加が予想されており、両空港間の連絡機能の向上が求められている。
当路線開業により現在、両空港間はアクセス特急が最短103分で結んでいるが、都営地下鉄浅草線内の三田・宝町両駅付近の2か所に特急列車用の追い越し設備を新設することで65分に短縮できるとされている(建設費は400億円程度)[26][27]。また、これとは別に同線の改良ではなく並行してバイパスとなる別線を新たに建設する案(建設費は3,000億円程度)も発表されている[28][29]。このバイパス線の場合は60分で両空港間を結ぶことになっている。
このほか、浅草線の宝町・日本橋の両駅から分岐線を新設して東京駅に至るいわゆるデルタ線構想もある。
なお、両空港間を結ぶ連絡列車としては1998年11月18日の京急空港線羽田駅(現・天空橋駅) - 羽田空港駅間延伸開業と同時に実施されたダイヤ改正から、羽田空港駅 - 成田空港駅間を運行し、かつ全区間において通過運転を行う新種別「エアポート快特」(京成線内は特急)が設定され、空港間連絡鉄道としての役割を果たしてきたが、2002年10月12日に実施されたダイヤ改正から京成線内においては同日から新たに設定された「快速」として運転されるようになった。快速は特急より停車駅が多く、京成津田沼駅以東(成田空港駅方面)は各駅に停車する上、大部分が京成成田駅や京成佐倉駅発着となる運用に短縮されたため、空港間連絡鉄道としての機能を持たなくなった。
その後、2006年12月10日のダイヤ改正から京成線において快特(快速特急)が新設され、早朝に成田空港発羽田空港行、夕方以降に羽田空港発成田空港行(ともに京急線内急行、2010年5月16日からはエアポート急行)がそれぞれ設定されており、当路線開業以前のダイヤではこの快特が事実上空港間連絡鉄道としての役割を担っていた。
当路線開業時に、成田空港と羽田空港を結ぶ列車として、特急料金不要の通勤形車両を用いた「アクセス特急」が新設された[30][31][32]。日中は成田空港駅 - 羽田空港駅間を成田スカイアクセス、京成本線・押上線、都営浅草線、京急本線・空港線経由で結ぶ。途中、押上駅で「エアポート快特」に種別変更して都営・京急線を走る。
脚注
- ↑ 一方、本線は「京成本線 (Keisei Main Line)」という名称と青色の案内色を用いて区別化を図っている。
- ↑ 成田スカイアクセスが開業 都内から空港へ最速36分、共同通信、2010年7月17日
- ↑ 3.0 3.1 どうなる、こうなる首都圏の鉄道網--(最終回)成田新線・新交通編 - 1/ 2 Business Media 誠 2008年11月7日
- ↑ 千葉県公式サイトに掲載された鉄道整備計画図では土屋 - 成田空港間が「線路新設」となっており、既設の高架橋等の未使用区間に軌道を新設する。
- ↑ 成田新高速鉄道 ルート愛称名を「成田スカイアクセス」に決定しました。PDF 京成電鉄ニュースリリース、2009年12月16日
- ↑ 乗り心地の向上、環境にやさしい軌道構造の開発 - 鉄道・運輸機構
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 京成電鉄成田空港線の上限運賃認可と実施運賃についてPDF - 京成電鉄ニュースリリース(2010年2月19日)。それによると、北総線のみの各駅から成田湯川・空港第2ビル・成田空港の各駅までは、印旛日本医大を境にそれぞれの運賃を別計算した上で、当路線と同額になるように乗継割引を設定することが明記されたため、北総線のみの各駅が京成電鉄(成田空港線)と共用化されていないことが確定している。
- ↑ 京成電鉄成田空港線の運賃認可申請についてPDF 京成電鉄ニュースリリース、2009年12月16日
- ↑ 成田発着30万回、国交相が理解求める、asahi.com、2009年10月21日
- ↑ 千葉県及び沿線市村との合意に基づく運賃値下げの実施についてPDF 北総鉄道ホームページ、2010年2月19日
- ↑ 10月21日(日)京成線ダイヤ改正PDF - 京成電鉄ニュースリリース 2012年9月16日
- ↑ 羽田が、成田が、もっと近くに!!スカイツリーへも簡単アクセス!! 10月21日から 都営浅草線 ダイヤ改正 - 東京都交通局 2012年9月19日
- ↑ 品川⇔羽田国際線12分! 10月21日(日)ダイヤ改正で,羽田へ都心方面からも さらに速くPDF - 京浜急行電鉄 報道発表資料 2011年9月19日
- ↑ 京成時刻表vol.25 2ページ
- ↑ 京成線の成田空港アクセスがますます便利に 夏季繁忙期に合わせ早朝・深夜の臨時列車を運転します 「アクセス特急」 上野〜成田空港間 8月1日(水)〜8月31日(金)の期間中、毎日運転 - 京成電鉄株式会社・北総鉄道株式会社、2012年7月5日。
- ↑ 京成線の成田空港アクセスがますます便利に 夏季繁忙期に合わせ早朝・深夜の臨時列車を運転します 「アクセス特急」 上野〜成田空港間 7月20日(土)〜9月1日(日)の期間中、毎日運転 - 京成電鉄株式会社・北総鉄道株式会社、2013年6月28日。
- ↑ 京成線の成田空港アクセスがますます便利に 夏休み期間に早朝・深夜の臨時「アクセス特急」を運転します 早朝、日暮里から成田空港へ50分! 7月19日(土)〜8月31日(日)の期間中、毎日運転PDF - 京成電鉄株式会社・北総鉄道株式会社、2014年6月26日。
- ↑ 12月30日(木)から1月3日(月)の電車・バスダイヤおよび 第87回箱根駅伝開催に伴う電車ダイヤの一部変更について 京浜急行電鉄報道発表資料 2010年12月10日
- ↑ 京急電鉄・京浜急行バス 年末年始ダイヤについて 京浜急行電鉄報道発表資料 2011年12月8日
- ↑ 京急蒲田駅付近の上下線が全線高架化します!PDF - 京浜急行電鉄、2012年7月17日、2012年7月17日閲覧。
- ↑ ご利用ください!都営交通の花火臨時列車! 都営地下鉄のニュース【報道発表】 2012年7月26日
- ↑ 「京急新1000形1001編成がアクセス特急を代走」交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース、2010年8月14日
- ↑ 23.0 23.1 京成線各駅で「駅ナンバリング」を導入いたしますPDF 京成電鉄ニュースリリース、2010年6月25日
- ↑ 京成時刻表Vol.25 2010年7月9日発売
- ↑ 京成線ご利用案内
- ↑ 成田-羽田空港間に特急構想 直通1時間に短縮[リンク切れ] MSN産経ニュース、2008年8月16日
- ↑ 成田-羽田間鉄道整備/国交省検討委が近く会合/浅草線改良で時間短縮へ 日刊建設工業新聞、2008年8月12日
- ↑ 成田-羽田、鉄道で1時間構想 国交省、都心に新線計画 asahi.com、2008年9月7日(人民網日本語版転載記事)
- ↑ 東京-成田、直通30分以内に短縮 国交省検討 NIKKEI NET、2008年10月5日
- ↑ 成田スカイアクセス開業!!7月17日(土)京成線ダイヤ改正PDF - 京成電鉄ニュースリリース、2010年5月28日。
- ↑ 7月17日(土) 成田スカイアクセス開業に伴うダイヤ改正を実施します - 北総鉄道トピックス、2010年5月27日。
- ↑ 成田スカイアクセス線開業にともない7月17日(土)から羽田空港駅⇔成田空港駅直通電車を運行いたします - 京浜急行電鉄報道発表資料、2010年5月28日
参考文献
- 佐藤信之 「鉄道・軌道プロジェクトの事例研究 8 成田新高速鉄道計画について」『鉄道ジャーナル』No.427 2002年5月号 p147 - p149、鉄道ジャーナル社
- 「特集:京成電鉄」『鉄道ピクトリアル』No.787 2007年3月号臨時増刊、電気車研究会
- 川島令三 「成田新高速鉄道アクセス」『全国鉄道事情大研究 東京東部・千葉篇(2)』 草思社、2003年 ISBN 4794211937
- 「ぐ〜んと近くなる! 成田空港「成田新高速鉄道」2010年春完成へ」『グリーンポートレポート』2006年12月号PDF 成田国際空港株式会社
- 成田空港アクセス関連の鉄道事業許可について 国土交通省 報道発表資料 2002年7月5日
関連項目
- 北総鉄道北総線 - 京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間の共用区間
- 成田国際空港
- スカイライナー
- 空港連絡鉄道
- 成田新幹線
- 北千葉道路
- 成田高速鉄道アクセス
- 北越急行ほくほく線 - 当路線と同じく最高速度160km/hで走行する路線