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[[ファイル:西岡20090523b.jpg|thumb|370px|{{small|1967年2月6日、テキサス州ヒューストンの[[wiki:アストロドーム|アストロドーム]]で行われたWBA世界[[ヘビー級]]タイトルマッチ、[[モハメド・アリ]]対アーニー・テレル。この会場では、1981年6月25日に[[シュガー・レイ・レナード]]がアユブ・カルレのWBA世界[[スーパーウェルター級|ジュニアミドル級]]タイトルを奪取。そのアンダーカードで5RKO勝利を収めた[[三原正]]は、次の試合でレナード返上後のタイトルを継承した}}]]
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'''ボクシング''' (boxing) は、拳にグローブを着用しパンチのみを使い、相手の上半身前面と側面のみを攻撃対象とする[[格闘技|格闘]][[スポーツ]]の一種。'''拳闘'''(けんとう)ともいう。ボクシングの名前を冠した競技は[[タイ王国|タイ]]のタイボクシング([[ムエタイ]])や[[日本]]の[[シュートボクシング]]等がある。
 
'''ボクシング''' (boxing) は、拳にグローブを着用しパンチのみを使い、相手の上半身前面と側面のみを攻撃対象とする[[格闘技|格闘]][[スポーツ]]の一種。'''拳闘'''(けんとう)ともいう。ボクシングの名前を冠した競技は[[タイ王国|タイ]]のタイボクシング([[ムエタイ]])や[[日本]]の[[シュートボクシング]]等がある。
  

2020年1月10日 (金) 23:45時点における最新版

世界チャンピオンが今、プロで何人もいますけど、僕らの世界ではそうはいかないですよ。

ロンドン五輪 ミドル級・金メダリスト 村田諒太 (2:25)

ボクシング (boxing) は、拳にグローブを着用しパンチのみを使い、相手の上半身前面と側面のみを攻撃対象とする格闘スポーツの一種。拳闘(けんとう)ともいう。ボクシングの名前を冠した競技はタイのタイボクシング(ムエタイ)や日本シュートボクシング等がある。

歴史[編集]

~古代ボクシング[編集]

そもそもボクシングは、人間が二足歩行を始めてから既に会得していた攻撃手段だと言われている。

紀元前4000年ごろの古代エジプト象形文字からも軍隊で使われていたのが判読されており、クレタ島の紀元前3000年ごろのエーゲ文明の遺跡からもボクシングの図が書かれた壷が発見されている。恐らくこのころから競技に発展していったと思われる。

古代ギリシア語では握りしめた拳をPUGMEといい、それからPUXOS(箱)となった。古代オリンピックでは第23回大会から正式種目となり、オノマストスが月桂冠をうけた。この時代は全裸でオリーブ・オイルを塗り、拳には鋲を皮のバンテージのような物で包んだグローブのような物を着用、腕や肘でも攻撃できたようだ。この当時はラウンドは無く、どちらかが戦闘不能、またはギブアップ(右手の人差し指を天に突き上げるとギブアップになったらしい)で勝負がつく。この競技は第38回大会まで続けられた。 そして後にこの競技はパンクラチオンとなった。

ローマ時代に入ってギリシア語からPUGILATUS(拳での戦い)、PUGILISM(ピュージリズム)という言葉が生まれている。奴隷同士が鉄の鋲を打ち込んだセスタスという武器を拳に着けて、コロッセオなどで見せ物として行われるようになった。敗者は死亡、または再起不能になったと言われている。

そして436年西ローマ帝国が滅びると共に姿を消した。

中世ボクシング[編集]

正式な名称ではないが、あえてここでは仮に「中世ボクシング」と呼ぶ。

イタリアイギリスオランダなどヨーロッパを中心に、護身として、レクリエーションとして細々と行われていたようだが一般には定着しなかった。13世紀ごろのイタリアまたはイギリスの神父が「ボクシング」と名付け、近所の若者に教えたのが「ボクシング」という名称の始まりだという説もあるが、定かではない。

近代ボクシング[編集]

現在のボクシングのルーツは18世紀のイギリスのテムズ川オックスフォードシア村で誕生したジェームス・フィグ(James Figg、レスリングフェンシングとくに棍棒術を得意とする)が1718年にロンドンで「ボクシング・アカデミー」(ジムの原型か?)を設立して貴族などにボクシングを教え始めた。彼が行った「ボクシング」とはベアナックル(素手)で行い、蹴りや投げ、締め、噛み付き、目つぶしがあるパンクラチオンのような物だった。フィグ自身も教える傍ら自ら「プライズ・ファイター」(つかまれないように頭髪を剃っていた)として腕自慢達を倒して賞金を稼ぎ、護身術としても優れていると認められたボクシングとともに名声を得てイギリス初のチャンピオンとなった。1730年36歳で引退し、1734年、39歳で死去した。

そしてフィグの後継者であったジャック・ブロートン (Jack Broughton) が、自ら保持するタイトルの防衛戦の時、相手を殺してしまったために、「ボクシングを普及させるのはこのような危険は廃さねばならない」と考え明確なルールを、近代ボクシング初となる7章のルールブック「ブロートン・コード」(Broughton’s Rule) に書き記し、1743年発表した。その内容はベルト以下への打撃の禁止・腰より下の抱込みの禁止・倒れた相手への攻撃禁止、ダウン後30秒以内に中央の所定の位置に立つ、リング(直径25フィートの円形、硬い土の上)などである。また貴族の練習の怪我防止用にマフラーという名のグローブを採用した。

1750年~1790年、死者が多いためイギリスでボクシングが禁止される。

1811年のイギリス人チャンピオン、トム・クリブ対アメリカ合衆国トム・モリノーの再戦は2万5千人もの観衆がいた。

1814年にジョン・ジャクソン(チャンピオン)が英国ピュジリスト保護協会を設立し、1838年に「ロンドン・プライズリング・ルールズ」(29条)を発表した。それには、ベアナックルで行い、蹴り技の禁止・頭突きの禁止・目玉えぐりの禁止、ダウン者に30秒の休憩、所定の位置に8秒で戻るなどであった。

このころのボクシングはダウンごとに1ラウンドとし50ラウンドにも及ぶ場合があった。そのため序盤は拳や手首を痛めないように用心しながら、徐々に打ち合っていくというスタイルであった。

1856年フランスで八百長疑惑によりボクシングなどの興行がパリで全面禁止された。

1867年にロンドン・アマチュア・アスレチック・クラブのジョン・グラハム・チャンバースはルール保証人の第8世クィンズベリー侯爵ジョン・ショルト・ダグラスの名を冠した「クインズベリー・ルール」(Marquess of Queensberry Rule 12条)を発表した。それでは、投げ技が禁止された他、3分1ラウンドとしラウンド間に1分間の休憩をとるラウンド制、グローブの着用、ダウンした者が10秒以内に立ち上がれない場合はKO負けとすることが定められ、現在に通じるボクシングルールが確立した。ただし定着は遅れ以前の「ロンドン・プライズリング・ルールズ」についても1889年7月ジョン・ローレンス・サリバン(アメリカ合衆国マサチューセッツ州出身、1858年10月15日生)がジェイク・ロドリゲスと行なった防衛戦まで続いた。

1892年9月7日、ジョン・ローレンス・サリバン対ジェームス・J・コーベット(アメリカ合衆国のカリフォルニア州出身、1866年9月1日生、元銀行員)戦においてコーベットは当時のスタイル「スタンド・アンド・ファイト」ではなく「卑怯者の戦法」といわれた相手から距離をとってパンチをかわし、左の軽いジャブをあてるというスタイルでサリバンを21回KOし勝利をおさめた。

関連書[編集]

  • 『ボクシングはなぜ合法化されたのか―英国スポーツの近代史』松井良明 平凡社 2007年 ISBN 9784582833546

試合形式[編集]

アマチュア[編集]

アマチュアボクシングでは、シニア(18歳以上)では1ラウンドを3分間、ジュニア(高校生)では1ラウンドを2分とし、ラウンド間に1分のインターバルをおく。ラウンド数は、日本国内では3ラウンドでおこなわれる形式が一般的であるが、国際試合では1ラウンドを2分間に短縮して4ラウンド制でおこなわれることが多い。日本国内においても、全日本選手権とそのブロック予選では2分4ラウンド形式で試合がおこなわれる。

プロ[編集]

試合形式はラウンド制。1ラウンドを3分間とし、ラウンド間に1分間のインターバルをおく。ラウンド数は4ラウンド、5ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンドの6種類。ラウンド数は選手のライセンスの種類によって決定される。なお、原則として12ラウンドは日本においては東洋太平洋タイトルマッチ、世界タイトルマッチの時にのみ実施される。

選手の服装[編集]

アマチュア[編集]

アマチュアボクシングでは、選手はトランクス、ランニングシャツ、シューズ、ヘッドギア、グローブを着用する。グローブの重さはシニア(18歳以上)の選手は全階級を通じて10オンス、ジュニア(高校生)はライトウェルター級までの選手は10オンス、ウェルター級以上の選手は12オンスである。また、負傷防止のためマウスピースとファウルカップを着用する。

プロ[編集]

選手はトランクス、シューズ、グローブを着用する。グローブの重さはスーパーライト級までが8オンス、それ以上は10オンスである。また、負傷防止のためマウスピースとファウルカップを着用する。(スパーリングの場合にはヘッドギアを着用することがある)

階級[編集]

ボクシング発祥の地・欧米ではキログラムではなくポンドが計量単位として使われていたため、階級を分ける数字はポンドによっている。そのため、キログラムでは中途半端な数字となっている。ただしアマチュアの階級はキログラムを単位として区分されている。

アマチュア[編集]

国際アマチュアボクシング連盟が定める階級は以下の通り。全12階級。

階級名称 体重
(キログラム/kg)
スーパーヘビー級 91kg以上
ヘビー級 81-91kg
ライトヘビー級 75-81kg
ミドル級 69-75kg
ウェルター級 64-69kg
ライトウェルター級 60-64kg
ライト級 57-60kg
フェザー級 54-57kg
バンタム級 51-54kg
フライ級 48-51kg
ライトフライ級 48kgまで
モスキート級(ジュニア限定) 45kgまで

女子アマチュアにおける階級は以下の通り。

階級名称 体重
(キログラム/kg)
ヘビー級 80-86kg
ライトヘビー級 75-80kg
ミドル級 70-75kg
ライトミドル級 66-70kg
ウェルター級 63-66kg
ライトウェルター級 60-63kg
ライト級 57-60kg
フェザー級 54-57kg
バンタム級 52-54kg
ライトバンタム級 50-52kg
フライ級 48-50kg
ライトフライ級 46-48kg
ピン級 46kg

プロ[編集]

プロボクシングにおける階級は、以下の通り。以前は、日本ボクシングコミッションでは「ジュニア○○○級」という呼称の形式を採用していたが、1998年5月1日世界ボクシング協会世界ボクシング評議会とでルールが統合され、両団体で異なっていた呼称も「スーパー○○○級」に一本化されたため、同時に日本ボクシングコミッションでも「スーパー○○○級」に呼称が変更された。それにより、ジュニアミドル級はスーパーウェルター級へ、ジュニアウェルター級はスーパーライト級へ、ジュニアライト級はスーパーフェザー級へ、ジュニアフライ級はライトフライ級へ変更された。

ただし、世界ボクシング協会世界ボクシング評議会以外の団体ではジュニアの名称は今でも使われている(団体によって名称に差異はあれど同じウエイトである)。全17階級。

階級名称 体重
(キログラム/kg)
体重
(ポンド/lbs)
ヘビー級 90.719kg以上 200lbs以上
クルーザー級/ジュニアヘビー級 90.719kg 200lbs
ライトヘビー級 79.379kg 175lbs
スーパーミドル級 76.204kg 168lbs
ミドル級 72.575kg 160lbs
スーパーウェルター級/ジュニアミドル級 69.853kg 154lbs
ウェルター級 66.678kg 147lbs
スーパーライト級/ジュニアウェルター級 63.503kg 140lbs
ライト級 61.235kg 135lbs
スーパーフェザー級/ジュニアライト級 58.967kg 130lbs
フェザー級 57.153kg 126lbs
スーパーバンタム級/ジュニアフェザー級 55.338kg 122lbs
バンタム級 53.524kg 118lbs
スーパーフライ級/ジュニアバンタム級 52.163kg 115lbs
フライ級 50.802kg 112lbs
ライトフライ級/ジュニアフライ級 48.988kg 108lbs
ミニマム級/ストロー級/ミニフライ級 47.627kg 105lbs

勝敗[編集]

アマチュア[編集]

アマチュアボクシングの勝敗の決し方は以下の通り。

  • KO (KnockOut):相手がダウンしたのち、10カウント以内に立ち上がれない場合やファイティングポーズをとれない場合、もしくはレフェリーがダメージ甚大と判断してカウントアウトした場合。
  • RSC (RefereeStopContest):プロボクシングのTKOに相当する。ただしRSCのバリエーションとしてRSCH (H=head)、RSCO (O=outclass) がある。RSCHは頭部へのダメージが甚だしい場合に適用する。RSCOはコンピュータ採点方式の試合中に15ポイント以上差がついた場合に適用する。
  • 棄権 (Retire):選手本人、もしくはセコンドがこれ以上試合を続けることができないと判断した場合。タオルを投げ込んで合図するのが通例。
  • 失格 (disqualified):反則によって減点が3点に達すると失格となる。
  • 判定 (On Point):ラウンド毎に採点をし、より多くの点をとった選手を勝者とする。
  • 不戦勝 (WalkOver):予定された対戦相手が出場できない場合は不戦勝となる。ただし不戦敗は記録につかない。

プロ[編集]

勝敗の決し方は、以下の通り。

  • KO (knockout):プロの場合、相手がダウン後、10カウント以内に立ち上がれなかった場合。
  • TKO (technical knockout):どちらかの選手が明らかに不利な場合や、試合続行不可能な状態になって試合を止めた場合。
  • レフェリーストップ。どちらかの選手のダメージが深いなど、これ以上試合を続行させると危険であるとレフェリーが判断した場合。記録上はTKO。
  • ギブアップ。選手本人、もしくはセコンドがこれ以上試合を続けることができないと判断した場合。タオルを投げ込むのが通例。記録上はTKO。
  • 失格。相手が故意に重大な反則を犯した場合、もしくは反則を繰り返した場合。
  • 判定。ラウンド毎に採点をし、より多くの点をとった選手を勝者とする。
  • 負傷判定。試合の途中で偶然のバッティングにより負傷した場合、規定のラウンドに達していればそれまでの採点で勝敗を決する。達していない場合は負傷引き分けとなる。

採点方法[編集]

採点方法は10点満点の減点方式。ダウン1回で2点減点、ダウン2回で3点の減点。ダウンがなかった場合、より的確にパンチを当てていた選手に10点が、そうでない選手に9点が与えられる。採点は3人のジャッジで行い、2人以上のジャッジが支持した選手を勝者とする。ジャッジが3人とも一方の選手を支持した場合をユナニマス・デシジョン、2人が支持し、もう1人が引き分けであった場合をマジョリティ・デシジョン、1人のジャッジがもう一方の選手を支持した場合をスプリット・デシジョンと呼ぶ。

反則[編集]

試合中に以下の行為を行った場合、反則となり、レフェリーに注意を受ける。注意が重なった場合、減点対象となり、悪質な場合は失格負けとなる。

  • バッティング。頭、肘などで攻撃する。
  • ローブロー。相手のベルトラインより下を攻撃する。
  • ラビットパンチ。相手の後頭部を攻撃する。
  • 相手の背中側を攻撃する。
  • レフェリーがブレイクを命じた後に攻撃する。
  • ラウンド終了のゴングが鳴った後に攻撃する。
  • サミング。グローブの親指で相手の目を突く攻撃。
  • 投げ技、タックルなどのレスリング行為。

タイトル[編集]

ボクシングにおける主要な世界タイトル認定団体を以下に挙げる。よく間違えられるがWBAやWBC含むその他の団体は単なる王座の認定組織でありボクシングその物を統括しているわけではない。サッカーのFIFAのような組織は無い。

IBFとWBOは後発団体。 ボクシングにおけるマイナーな世界タイトル認定団体を以下に挙げる。

ボクシングのテレビ中継番組[編集]

ボクシング中継も参照。

※そのほかサンテレビジョンで2004年に「めざせ!チャンプ」という番組が放送された。

ボクシングを扱った作品[編集]

映画
漫画
ゲーム

外部リンク[編集]

メジャーなボクシング世界タイトル認定団体[編集]

マイナーなボクシング世界タイトル認定団体[編集]

メジャーなボクシング地域タイトル認定団体[編集]

ボクシング国内タイトル認定団体[編集]

ボクシング雑誌[編集]