神田駅 (東京都)
神田駅(かんだえき)は、東京都千代田区にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京地下鉄(東京メトロ)の駅である。
所在地は、JR東日本が鍛冶町二丁目、東京メトロが神田須田町一丁目である。
目次
乗り入れ路線
JR東日本の各線(後述)と、東京メトロの銀座線が乗り入れ、接続駅となっている。銀座線の駅には「G 13」の駅番号が付与されている。
JR東日本の駅に乗り入れている路線は、線路名称上は中央本線と東北本線の2路線である(詳細は路線記事および「鉄道路線の名称」参照)。そのうち中央本線は当駅の所属線となっており、かつ当駅を起点としているが、旅客案内上は「中央線」と呼ばれ、当駅より東北本線上の中央線専用線路を介して東京駅まで乗り入れている[1]。当駅には中央線電車のほか、東北本線電車線を走行する京浜東北線電車と山手線電車が停車するが、「東北(本)線」の名称は旅客案内では使用されていない[2]。当駅は特定都区市内における「東京都区内」および「東京山手線内」に属している。
駅構造
JR東日本
島式ホーム3面6線を有する高架駅で、京浜東北線南行の線路の東側に東北新幹線が並行する。エスカレーターはホームと北改札との間を連絡するが、ホームと南改札との間には設置されていない。3・4番線に通じるエスカレーターは1階コンコースからそのままホームへと通じている。エレベーターは未設置である。
改札口は南北に2か所。北改札(秋葉原・御茶ノ水寄り)から東口と北口が、南改札(東京寄り)から西口と南口が利用できる。銀座線への乗り換えは北改札の北口側からとなる。南口出入口のうち、神田金物通り沿いは東北縦貫線工事のため閉鎖されている。
びゅうプラザ、指定席券売機が設置されており、東口にはVIEW ALTTEが存在する。みどりの窓口は、北口の営業が2013年2月23日をもって終了し、以降は南口のみの営業。
現在、東北縦貫線開通に向けて、ホームと改札を連絡するエスカレーターの大幅増設とエレベーターの新設工事、および南口コンコースと出入口を連絡するエレベーターの新設工事が行われている。完成は2013年度末を予定している。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | ■京浜東北線 | 東京・品川・川崎・横浜方面 |
2 | ■山手線(外回り) | 東京・品川・目黒・渋谷方面 |
3 | ■山手線(内回り) | 上野・田端・巣鴨・池袋方面 |
4 | ■京浜東北線 | 上野・赤羽・大宮方面 |
5 | ■中央線(上り) | 東京行 |
6 | ■中央線(下り) | 御茶ノ水・四ツ谷・新宿・高尾方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
京浜東北線の快速運転時間帯(主に10 - 15時台)は全電車が当駅を通過する。そのため、この時間帯で京浜東北線を利用する乗客は2・3番線の山手線に乗車し、横浜方面は東京駅で、大宮方面は秋葉原駅での乗り換えとなる。
当駅に発着する中央線電車(橙色帯の電車)は早朝と深夜を除きすべて快速または特別快速・通勤快速となる。この時間帯で中央線水道橋・千駄ヶ谷・大久保方面へ向かう旅客は、御茶ノ水・四ツ谷・新宿のいずれかの駅で中央線各駅停車(黄色帯の電車)に乗り換えることになる。水道橋方面については接近放送でも案内されている。
中央線などで運用されているE233系車内のLCD案内では京浜東北線の表示がされているものの、自動放送による乗換案内はされていない。
東京メトロ
島式ホーム1面2線を有する地下駅で、扇形の形状をしている。1932年4月29日に銀座線が三越前駅まで開業すると中間駅となったため、同駅までの線路は途中まで南口の地下通路を挟んでいる。なお、南口地下通路に直結する2番出口はビルと直結している。
改札口はホームの前後にあり、浅草寄りは階段上、渋谷寄りは同一階に設置されている。エスカレーターとエレベーターは設置されていない。JR線への乗り換え通路は渋谷寄りにある。地下通路とJRコンコースを連絡する階段は天井高さが非常に低い。
浅草寄り改札口は始発から21時まで営業している。その改札口を出た先には現在の銀座線を建設した東京地下鉄道が経営していた「地下鉄ストア」に通ずる地下商店街が設けられていた。その名残りとして2011年1月まで歯科医や理髪店、和装小物店が細々と営業を行っていた。これらがある地下通路をそのまままっすぐ進んだ先の出口は6番出口で、付近は須田町交差点であり、秋葉原電気街の南端に近い。須田町交差点はかつて都電最大級の要衝であり、都電からの乗り換え客の利便および地下鉄ストアへの利用客誘致のために長い地下通路が設けられた。6番出口は地下鉄ストア解体後も存在し、現在建ってあるビルの建設時には閉鎖されていたが、2011年の竣工時に再開し、エレベーターが設置された。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | 銀座線 | 銀座・渋谷方面 |
2 | 銀座線 | 上野・浅草方面 |
利用状況
- JR東日本 - 2013年度の一日平均乗車人員は97,589人である[* 1]。同社の駅の中では第40位。減少傾向が続いており、2011年度に10万人を下回った。
- 東京メトロ - 2012年度の一日平均乗降人員は52,247人である[* 2]。銀座線で乗り換え路線のない外苑前駅や虎ノ門駅よりも少ない。
近年の一日平均乗車人員推移は下表のとおり。
年度 | JR東日本 | 営団/東京メトロ |
---|---|---|
1992年(平成 | 4年)130,455 | 35,244 |
1993年(平成 | 5年)126,562 | 34,490 |
1994年(平成 | 6年)121,441 | 33,230 |
1995年(平成 | 7年)120,954 | 32,213 |
1996年(平成 | 8年)118,997 | 31,384 |
1997年(平成 | 9年)117,090 | 30,422 |
1998年(平成10年) | 115,518 | 29,847 |
1999年(平成11年) | [* 4] 113,286 | 28,710 |
2000年(平成12年) | [* 5] 111,311 | 28,186 |
2001年(平成13年) | [* 6] 109,831 | 27,510 |
2002年(平成14年) | [* 7] 108,754 | 26,649 |
2003年(平成15年) | [* 8] 107,156 | 26,126 |
2004年(平成16年) | [* 9] 105,728 | 25,693 |
2005年(平成17年) | [* 10] 105,782 | 25,707 |
2006年(平成18年) | [* 11] 106,834 | 26,145 |
2007年(平成19年) | [* 12] 106,766 | 26,571 |
2008年(平成20年) | [* 13] 105,753 | 26,485 |
2009年(平成21年) | [* 14] 103,605 | 25,619 |
2010年(平成22年) | [* 15] 101,075 | 25,219 |
2011年(平成23年) | [* 16] 99,307 | |
2012年(平成24年) | [* 1] 97,779 |
- 利用状況の出典
- ↑ 1.0 1.1 JR東日本 各駅の乗車人員(2012年度)
- ↑ 東京メトロ 各駅の乗降人員ランキング
- ↑ 東京都統計年鑑
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(1999年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2000年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2001年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2002年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2003年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2004年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2005年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2006年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2007年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2008年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2009年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2010年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2011年度)
駅周辺
中小のビルが立ち並ぶオフィス街だが、周辺に金券ショップや居酒屋が多いことで知られている。なお、神田古書店街は当駅ではなく神保町駅が最寄りである[3]。
銀座線の浅草寄り出口は中央通り・靖国通りが交わる須田町交差点に面し、秋葉原電気街の南端に近い。かつては万世橋駅(跡地は交通博物館〈2006年閉館〉に転用)や都電須田町電停への乗り換えが可能だった。当時は交通の結節点として賑わいがあった。
西口側には神田駅西口商店街があり、昔ながらの商店街が現在も残っている。そのため、都心としては珍しく物価が安い。周辺も含めて中通には一軒家も散見され、かつては下町の住宅地だったことがわかる。また、サラリーマンの街として知名度が高く、コストパフォーマンスの高い居酒屋の集積は例を見ない程で、新橋周辺と同様に各地より飲みに来る客も多い。
錦糸町や上野といったかつてからの歓楽街で、暴力団の力が強い地域を避けて当駅周辺に出店する店もある。
夜になると、多い日にはかつて30人近くの外国人売春婦が客引きを行っていたが、地元住民によるパトロールの効果で最近は減少して来ている。また、周辺に出店していた消費者金融の店舗は撤退し、安心して歩ける街となって来た(ただし、消費者金融の自動契約機は周辺に設置されている)。
また、周辺には戦時中に焼け残った大正 - 昭和初期に建てられた一軒家などもかなり存在している。
西口周辺には、東京都内で最初に建設された下水道(神田下水)の一部が現在も機能している。
バス路線
最寄りの停留所は「神田駅前」と「須田町」となる。
2000年12月11日までは、草28系統(錦糸町駅経由葛西橋・葛西車庫行)や茶51系統(駒込駅南口行/東京駅丸の内北口行)も運行されていた。なお、草28系統は現在の秋26系統・葛西駅前行が発着する「神田富山町」停留所の位置から発車していた。
神田駅前(駅北口前)
須田町(東京メトロ6番出口前)
- 秋26:葛西駅前行/秋葉原駅前行
- 休日は終日須田町停留所にバスが乗り入れないため、葛西駅前行は岩本町駅前、秋葉原駅前行は岩本町一丁目停留所を利用することになる。
- S-1:錦糸町駅前行/東京駅丸の内北口行(土曜・休日のみ)
歴史
- 1919年(大正8年)3月1日 - 中央本線の駅として開業。
- 1925年(大正14年)11月1日 - 東北本線の駅が開業。乗り換え駅となる。
- 1931年(昭和6年)11月21日 - 東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線)の駅が開業。
- 1941年(昭和16年)9月1日 - 東京地下鉄道、路線を帝都高速度交通営団(営団地下鉄)に譲渡。
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 日本国有鉄道が発足。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、中央本線、東北本線(京浜東北線、山手線)はJR東日本の管轄となる。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 京浜東北線の快速運転開始に伴い、日中は京浜東北線が通過するようになる。
- 2001年(平成13年)11月18日 - JR東日本でICカードSuica供用開始。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 営団地下鉄民営化。銀座線の駅は東京地下鉄(東京メトロ)が継承。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 東京メトロでICカードPASMO供用開始。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- ■中央線
- ■京浜東北線
- ■快速
- 通過
- ■各駅停車
- 東京駅 - 神田駅 - 秋葉原駅
- ■快速
- ■山手線
- 東京駅 - 神田駅 - 秋葉原駅
脚注
関連項目
外部リンク
- JR東日本 神田駅
- 東京メトロ 神田駅
- 開業時の神田駅平面図『市街高架線東京万世橋間建設紀要』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- 東京万世橋両駅間高架鉄道開通祝賀会『歴史写真. 大正8年4月號』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)