「多摩都市モノレール線」の版間の差分
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2015年6月10日 (水) 09:01時点における版
多摩都市モノレール線(たまとしモノレールせん)は多摩都市モノレールが運営する、東京都の東大和市と多摩市を結ぶモノレール路線。旅客案内上多摩モノレールの呼称を使用する。都市計画事業としての名称は各都市計画区域ともに、都市計画道路9・6・1号多摩南北線および都市計画都市高速鉄道都市モノレール第1号線である。
目次
概要
南北方向の交通手段の整備が望まれていた多摩地域を縦断する路線である。元々鉄道空白地帯だった地域とターミナル駅間の輸送が主力だが、接続する鉄道が事故等で遅延・運休した際には、代替経路として振替輸送に利用される。
基本的には高架駅で統一されているが、中央大学・明星大学駅のみ地上駅となっている。
沿線はおおむね住宅地であるため、通勤・通学客の多い朝夕は非常に混雑する。また、周辺には大学などの教育機関が点在するため、その最寄り駅や他線との接続駅は学生で賑わっている。 悪天候に弱く、降雪や台風などによる強風の影響で遅延や運休が発生しやすい(改札付近に、運休の可能性がある旨の告知がしばしば見られる)。とはいえ、連絡しているJR中央線などと較べれば、おおむねダイヤ通りに運行されている。
駅プラットホームと改札口を結ぶエスカレーターは高松駅以外は常に上り方向に運転されている。
上北台駅から甲州街道駅の区間では高層建築物の多い立川周辺を除き南西方向に見える富士山の眺望が良い。
路線データ
運行形態
全区間、概ね10分間隔で運行されている。平日ダイヤにおいては、朝ラッシュ時は5 - 7分間隔、夕ラッシュ時は7 - 8分間隔で運転。
このほか、中央大学・明星大学・帝京大学の開校日のみ運行されている列車もある(平日朝2本のみ、立川北 - 多摩センター間)。
始発駅・終着駅は、上北台・多摩センター・立川北(一部)・高松(平日の一部)。高松始発・終着は2009年6月1日のダイヤ改正で新たに設定された。
沿線風景
上北台 - 玉川上水
東京都道43号立川東大和線(芋窪街道新道)の真上に位置し、バスターミナルと隣接する上北台駅は、鉄道のない武蔵村山市の住民の足も担っている。発車すると間もなく右手から芋窪街道旧道が合流し、この先延々と広がる住宅街を両手に見ながら走る。左にカーブを切ると左手に森永乳業東京多摩工場やCASIO(カシオ日立モバイルコミュニケーションズ)の看板などが見えてくる。桜街道駅は芋窪街道と桜街道という東大和市の市道の交差点の真上にある。しばらく進むと右手には佼成霊園という立正佼成会の霊園が広がり、間もなく玉川上水駅に到着する。この駅の構内に立川市との市境がある。
玉川上水 - 立川北
玉川上水駅を発車すると西武拝島線と交差。左手には西武鉄道の玉川上水車両基地が見える。玉川上水を渡り、相変わらず変わらない住宅街の風景を見ながら走っていく。砂川七番駅を発車すると間もなく東京都道7号杉並あきる野線(五日市街道)と交差。左にカーブし、南東を向くと右手に泉市民体育館が現れ泉体育館駅へ。発車すると右へ大きくカーブして南西を向き芋窪街道から分かれ、ここから先は広大な工業地帯となる。右手に立飛企業が見えると立飛駅、さらにいなげや青果センターなどが見えてくると三角のデルタ線を通る。これは多摩都市モノレールの車両基地への引き込み線となっている。デルタ線を通過すると列車運転の基点となる高松駅へ。発車すると左にカーブし南を向く。すると右手に自治大学校や農林水産省の施設などの施設が見えてくる。やがて両手から工場は消え、百貨店など商業施設が目立ってくると間もなく立川北駅に到着する。
立川北 - 高幡不動
立川北駅を発車すると大きくS字カーブを描き、その真下に中央線・青梅線・南武線立川駅を見る。この周辺の建設では建設予定地にあったデパートでさえも取り壊すほど大規模な開発が行われた。東京都道149号立川日野線上にある立川南駅を発車すると、目立った商業施設は消え、住宅街を再び見る。間もなく東京都道29号立川青梅線(奥多摩街道)と交差すると柴崎体育館駅へ。さらに坂を下り東京都道29号(新奥多摩街道)と交差すると立日橋で多摩川を渡って日野市に入る。立日橋を渡り終えると左に大きくカーブし東京都道149号立川日野線と分かれて南東を向き、東京都道256号八王子国立線(通称甲州街道)と交差し甲州街道駅に到着。さらにその先で中央自動車道を乗り越える。高幡不動尊の五重塔もよく見える。右カーブを描いて南を向くと万願寺駅。駅構内に新撰組ゆかりの地として隊士の描かれた看板の穴から顔を出す写真スポットが設置されている。万願寺駅を発車すると国道20号(甲州街道日野バイパス)と交差。緩いカーブを描きながら南西を向き、浅川を渡り、間もなく高幡不動駅に到着する。ここからは右手に京王電鉄の高幡不動駅を、左手に京王電鉄の高幡不動検車区が見渡せる。
高幡不動 - 多摩センター
高幡不動駅で京王線・京王動物園線を乗り越えると東京都道41号稲城日野線(川崎街道)と交差。ここから先は多摩丘陵に造成された住宅地を走っていく。左手に京王動物園線が並行すると程久保駅へ。さらに京王動物園線と共にカーブをうねりながら進むと次第に住宅は少なくなり、南を向き多摩動物公園を右下に見て多摩動物公園駅に到着。ここで都道(神奈川県道・東京都道503号相模原立川線)から分かれ左手に明星大学日野キャンパスを見ると唯一のトンネルである多摩丘陵トンネル(延長220m)を抜け東を向き八王子市へ入る。中央大学多摩キャンパスと明星大学日野キャンパスに挟まれるこの付近のみモノレールは地上を走り、中央大学・明星大学駅へ。再び高架になり坂を下ると東京都道20号府中相模原線(野猿街道)と交差して大塚・帝京大学駅に到着。さらにその先で大栗川を渡ると南を向き松が谷駅へ。次第に谷が開け、手前に巨大商業施設が見えてくると右へカーブし南西を向く。京王相模原線・小田急多摩線を乗り越えると多摩センター駅に到着する。なお、高架の京王相模原線・小田急多摩線のさらに上を乗り越えるために、このすぐ北側の乞田川を渡る地点が地上高22mになっており、全線中で最も地上からの高さがある。
歴史
- 1998年(平成10年)11月27日 - 上北台 - 立川北間開業。
- 2000年(平成12年)1月10日 - 立川北 - 多摩センター間開業。
- 2012年(平成24年)6月27日 - 開業から13年7か月目で乗客が5億人を突破。モノレールでは日本国内最速となる[1]。
延伸計画
1981年度に発表された多摩都市モノレールの構想路線は現営業区間も含めると約93kmあり[2]、そのうち上北台駅から箱根ヶ崎方面、多摩センター駅から町田・八王子方面への延伸について検討されている。
上北台 - 箱根ヶ崎
上北台 - 箱根ヶ崎間について、2000年の運輸政策審議会答申第18号では2015年までに「整備着手することが適当」とされており[3]、導入空間となる新青梅街道の拡幅のため用地確保が進められている[4]。
現在、新青梅街道は上北台駅から神明4丁目までの1.1kmの区間を第一期工事(2011年度 - 2017年度)、箱根ヶ崎駅から武蔵村山市岸までの1.43kmの区間を第二期工事(2012年度 - 2018年度)として着手されているほか、三本榎交差点から三ツ木交差点までの1.5kmが第三期工事として計画されているが、中央分離帯におけるモノレールの軌道建設のめどは立っていない。
多摩センター - 八王子
多摩センターから西進して八王子までの路線については、運輸政策審議会答申第18号では「今後整備について検討すべき路線」とされており[3]、導入空間の用地確保が進んでいる。
多摩センター - 町田
多摩センターから南進して町田までの路線についても、運輸政策審議会答申第18号では「今後整備について検討すべき路線」とされており[3]、すでに多摩市内の全区間と町田市の一部区間で導入空間が確保されている。町田市では延伸の機運を高めるため、2013年2月に多摩都市モノレール町田方面延伸協議会が設立された[5]。
その他の構想路線
この他に以下の路線も構想されているが、こちらは具体化されていない[2]。
- 箱根ヶ崎からさらに延伸し、羽村、秋川を経て八王子までを結ぶ路線(既存路線・延伸検討中の路線とあわせると環状路線を形成する)
- 唐木田付近で多摩センター - 八王子間の路線から分岐し、若葉台を経て是政までを結ぶ路線
- 八王子から小宮・日野を経て甲州街道までを結ぶ路線
駅一覧
全駅東京都に所在。全列車が各駅に停車する。
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
■ | 上北台駅 | - | 0.0 | 東大和市 | |
■ | 桜街道駅 | 0.7 | 0.7 | ||
■ | 玉川上水駅 | 0.8 | 1.5 | 西武鉄道:拝島線 (SS33) | |
■ | 砂川七番駅 | 1.0 | 2.5 | 立川市 | |
■ | 泉体育館駅 | 0.5 | 3.0 | ||
■ | 立飛駅 | 0.6 | 3.6 | ||
■ | 高松駅 | 0.6 | 4.2 | ||
■ | 立川北駅 | 1.2 | 5.4 | 東日本旅客鉄道:中央線・青梅線・南武線(立川駅) | |
■ | 立川南駅 | 0.4 | 5.8 | ||
■ | 柴崎体育館駅 | 0.7 | 6.5 | ||
■ | 甲州街道駅 | 1.5 | 8.0 | 日野市 | |
■ | 万願寺駅 | 1.3 | 9.3 | ||
■ | 高幡不動駅 | 1.2 | 10.5 | 京王電鉄 (KO29):京王線・動物園線 | |
■ | 程久保駅 | 0.8 | 11.3 | ||
■ | 多摩動物公園駅 | 1.0 | 12.3 | 京王電鉄:動物園線 (KO47) | |
■ | 中央大学・明星大学駅 | 1.1 | 13.4 | 八王子市 | |
■ | 大塚・帝京大学駅 | 0.9 | 14.3 | ||
■ | 松が谷駅 | 0.8 | 15.1 | ||
■ | 多摩センター駅 | 0.9 | 16.0 | 京王電鉄:相模原線(京王多摩センター駅:KO41) 小田急電鉄:多摩線(小田急多摩センター駅:OT06) |
多摩市 |
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[6][7]。
キロ程 | 運賃(円) |
---|---|
1駅区間 | 100 |
3kmまで | 210 |
4 - 5km | 260 |
6 - 7km | 310 |
8 - 10km | 360 |
11 - 16km | 400 |
隣の駅までの1駅区間は、特例運賃として100円である。ただし、回数券や定期券には隣駅100円の特例は適用されない。なお、立川北駅と立川南駅は運賃計算上は1駅のくくりとされており、高松 - 立川南間と立川北 - 柴崎体育館間が100円となる。また、砂川七番 - 立川南間が210円、立川北 - 高幡不動間と桜街道 - 立川南間が260円となる特例運賃も設定されている。
多摩モノレールは共通乗車カードパスネットを導入しているが、他社とは違い、自動改札機は1枚のみしか投入できなかった。その後、IC乗車券PASMOを導入するにあたって、IC読み取り機能と乗車券の2枚投入が可能な自動改札機へ切り替えられた。
上記のとおり定期券などでは特例運賃が適用されないので、一駅しか乗車しない場合は現金(IC乗車券・切符)で支払うほうが運賃は低くなり、定期券を購入しないほうが交通費が抑えられる結果になる。
IC乗車券全国相互利用の対象外となるため、PASMO・Suica以外のIC乗車券は使用できない[8]。
脚注
- ↑ (2012年06月28日) 多摩都市モノレール:乗客5億人突破 開業から13年7カ月目、国内最速 毎日新聞 2012年06月28日 arch. 2012-07-01 2012年06月28日
- ↑ 2.0 2.1 多摩都市モノレール延伸検討 - 東京都都市整備局、2014年6月30日閲覧
- ↑ 3.0 3.1 3.2 運輸政策審議会答申第18号 別紙1 路線の新設・複々線化等の整備計画PDF - 関東運輸局
- ↑ 多摩都市モノレールの概要 - 武蔵村山市、2014年12月8日閲覧
- ↑ 多摩都市モノレール町田方面延伸協議会 - 町田市、2014年6月30日閲覧
- ↑ 軌道事業の旅客運賃変更認可申請についてPDF - 多摩都市モノレール、2013年12月19日(2014年4月9日閲覧)
- ↑ 軌道事業の旅客運賃変更認可および改定のお知らせPDF - 多摩都市モノレール、2014年3月5日(2014年4月9日閲覧)
- ↑ PASMO・Suicaご利用路線図(簡略版)PDF
関連項目
外部リンク
- 多摩都市モノレール - 路線図、運賃表、時刻表など各種の情報が掲載されている。