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聖蹟桜ヶ丘駅(せいせきさくらがおかえき)は、東京都多摩市関戸一丁目にある、京王電鉄京王線の駅である。駅番号はKO27。
目次
概要[編集]
当駅は分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。
駅北東の京王電鉄本社をはじめ、当駅周辺には京王グループ各社の本社が多く所在するほか、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター(せいせきSC)を中心とした商業施設や飲食店街が発達している。また多数のバス路線(主に多摩ニュータウン方面)のハブとしても機能している。
歴史[編集]
- 1925年(大正14年)3月24日 - 玉南電気鉄道の関戸駅として開業。
- 1926年(昭和元年)12月27日 - 京王電気軌道に合併。
- 1937年(昭和12年)5月1日 - 聖蹟桜ヶ丘駅に改称。
- 1944年(昭和19年)5月31日 - 東京急行電鉄(大東急)に併合。同社京王線の駅となる。
- 1948年(昭和23年)6月1日 - 東急から京王帝都電鉄が分離。同社の駅となる。
- 1964年(昭和39年)4月21日 - 当駅から中河原駅間が多摩川鉄橋の複線化工事竣工に伴い複線化。ちなみに1953年には当駅でモデル撮影会が開催され、新宿駅~当駅間を2700系を使用したカメラハイキング号が走ったことがあった。[1]
- 1969年(昭和44年)5月29日 - 高架駅となる。高架化前まで当駅は急カーブ上にあったが、高架化の際にホーム部分のみ直線に改修された。
- 2001年(平成13年)3月27日 - ダイヤ改定により準特急が新設され、停車駅となる。
- 2012年(平成24年)4月8日 - この日の始発より接近メロディに『カントリー・ロード』が使用開始された。
駅構造[編集]
相対式ホーム2面2線を有する高架駅であり、すべての営業列車が停車する。ホームの幅は広く採られているが、下りホームでは電車とホームとの間が広く開いている箇所がある。
ホームは2階に、改札口(東口と西口の2か所)および駅事務室は1階にある。中2階のコンコースが各ホームと両改札とを結んでいる。エスカレーターは上りのみ、エレベーターはコンコース階で乗り継ぐことによってホームに行けるようになっている。各ホーム中央にある上りエスカレーターは隣接する京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターの4階A・B館連絡通路に直結している出口専用改札である。トイレ(だれでもトイレ併設)は西口側改札内にある。
ホームの発車標は京王線の駅としては最後まで反転フラップ式が使用されていたが、2005年11月にLED式に更新された。
後述するが、当駅周辺はアニメ映画『耳をすませば』の舞台のモデルになっており、ファンが訪れる場所にもなっている。これを受けて、京王電鉄と多摩市との共同事業として2012年4月8日初電より同作の主題歌「カントリー・ロード」(本名陽子)をオルゴール調にアレンジした接近メロディの使用を開始した[2]。なお、流れるメロディは1番線ホームと2番線ホームとで異なる[2]。
のりば[編集]
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■京王線 | 下り | 京王八王子・高尾山口・多摩動物公園方面 |
2 | ■京王線 | 上り | 府中・調布・明大前・笹塚・新宿・都営新宿線方面 |
利用状況[編集]
2013年度の一日平均乗降人員は65,739人であった[3]。乗降人員および乗車人員の推移は下表の通り。
年度 | 一日平均 乗降人員 |
一日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|---|
1955年 | 3,676 | ||
1960年 | 6,574 | ||
1965年 | 16,426 | ||
1970年 | 31,892 | ||
1975年 | 43,854 | ||
1980年 | 48,022 | ||
1985年 | 54,246 | ||
1986年 | 60,741 [4] | ||
1990年 | 72,811 | 37,063 | [5] |
1991年 | 39,202 | [6] | |
1992年 | 39,679 | [7] | |
1993年 | 78,737 [8] | 40,238 | [9] |
1994年 | 39,863 | [10] | |
1995年 | 78,386 | 39,943 | [11] |
1996年 | 38,888 | [12] | |
1997年 | 37,304 | [13] | |
1998年 | 36,299 | [14] | |
1999年 | 35,475 | [15] | |
2000年 | 68,103 | 33,929 | [16] |
2001年 | 33,268 | [17] | |
2002年 | 32,882 | [18] | |
2003年 | 32,861 | [19] | |
2004年 | 32,419 | [20] | |
2005年 | 65,697 | 32,529 | [21] |
2006年 | 65,707 | 32,630 | [22] |
2007年 | 68,362 | 33,869 | [23] |
2008年 | 68,690 | 34,030 | [24] |
2009年 | 67,747 | 33,542 | [25] |
2010年 | 66,384 | 32,841 | [26] |
2011年 | 65,731 | 32,486 | [27] |
2012年 | 65,164 | 32,252 | [28] |
2013年 | 65,739 |
駅周辺[編集]
バスターミナルは駅北側の百貨店建屋の吹き抜けになっている1階部分に設置されている。さらに奥には立体駐車場が設置されており、線路南側の東京都道41号稲城日野線(川崎街道)から出入りすることができる。
現在の駅南部の丘陵地帯は、1960年代から1970年代にかけて当時の京王帝都電鉄が大規模な宅地開発(桜ヶ丘住宅地)を行った。新宿 - 京王八王子間の特急運行開始時から特急停車駅でもある。同住宅地は低湿地に位置する当駅から坂を上った多摩丘陵北端にあるため、眺望良好な宅地が比較的多い。他にも八王子市めじろ台や日野市平山など眺望良好な地帯に宅地開発を行っている。
当駅は多摩市の北部にあり、多摩市の南部には多摩ニュータウンが造成されているが、1974年に相模原線が京王多摩センター駅へ延伸されるまで、当時の京王帝都電鉄では多摩ニュータウンへの唯一のアクセス駅となっていた。戦前には、一ノ宮(駅周辺の地名)付近に駅を設置し、現在の南大沢駅や橋本駅方面へ延びる路線が計画されていた(未成線の南津電気鉄道)経緯もあり、当初は当駅から多摩ニュータウン方面へ直通するルートも検討されていた。しかし、ニュータウン全域をカバーできないことや、将来的に調布 - 当駅間の輸送力が増大した場合、複々線化の用地買収が困難であるなどの様々な理由から、却下されている。
- 主な商業施設
- 京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター
- The Square(ザ・スクエア)
- 聖蹟桜ヶ丘OPA
- 主な企業
- 京王電鉄本社
- パシフィックコンサルタンツ本社
- あいおいニッセイ同和損保桜ヶ丘センター
- ムラキ本社
- トヨタ西東京カローラ本社
- 公的施設
- 多摩市役所 聖蹟桜ヶ丘出張所
- 関戸公民館
- 関戸図書館
- 聖蹟桜ヶ丘郵便局
- せいせきC館内郵便局
- 金融機関
- その他
バス路線[編集]
聖蹟桜ヶ丘駅(京王電鉄バス・京王バス南・神奈川中央交通・日野市ミニバス〈京王電鉄バスが運行受託〉・東京空港交通・富士急山梨バス)
- 1番乗り場
- 2番乗り場
- 桜84:帝京大学入口・板橋・南大沢駅経由 相模原駅行(京王バス南・神奈中)
- 桜87:帝京大学構内行(京王電鉄バス) ※平日は急行あり
- 日野市ミニバス 落川路線:百草園駅北口・金田公園経由 高幡不動駅行(日野市)
- 日野市ミニバス 三沢台路線:百草園住宅・三沢台経由 高幡不動駅行(日野市)
- 空港連絡バス:成田空港行(京王バス南・東京空港交通)
- 3番乗り場
- 4番乗り場
- 7番乗り場
- 8番乗り場
- 9番乗り場
- 11番乗り場
- 12番乗り場
当駅周辺を舞台としたアニメ・ドラマ[編集]
- 耳をすませば - 柊あおい原作の漫画でスタジオジブリのアニメ映画。作中に登場する杉の宮駅のモデルになっている。周辺には他にも同作の舞台のモデルとなっている場所が点在し、スタンプラリーなども実施されている。
- 平成狸合戦ぽんぽこ - スタジオジブリのアニメ映画。当駅やその周辺の風景が描かれている。
- 空の境界 - 劇中に駅近くの坂が登場する。
- エスパー魔美 - 藤子・F・不二雄原作のテレビアニメ。主人公魔美が住む町は当駅周辺をイメージしている[29]。
- 男たちによろしく - 1987年4月 - 7月に当駅周辺を舞台にTBS系列で放送されたトレンディドラマ。田村正和らが演ずる主人公たちが駅前の複合施設ザ・スクエアのマンション部に住んでいるという設定だった。
- 一週間フレンズ。 - 葉月抹茶原作のテレビアニメ。作中の舞台が当駅周辺となっている。放映期間中には、当駅西口正面にあるBAKERY&CAFEルパの桜ヶ丘店にてコラボメニューの販売などが行われている。また、京王電鉄が宣伝協力を行っている。
ジブリ映画「耳をすませば」による町おこしの取り組み[編集]
1995年に「耳をすませば」が公開されてすぐ、聖蹟桜ヶ丘がこの映画の舞台だということが知られるようになったが、具体的な町おこしの取り組みが始まるのは2005年になってからだった。きっかけは地元多摩大学に通う女子学生が、映画10周年を記念する上映会の開催を商店会に持ち掛けたのが始まりである。多摩大学のプロジェクトゼミと桜ヶ丘商店会連合会がタッグを組み、上映会の開催が実現し、背景画展、スタンプラリー、モデル地ツアー、コンサートなど一連のイベントが実現した。このときに約3000人を超えるファンが駆けつけ、トラブルなく開催ができ、参加者の満足度も高く、新聞でも報道された。この大成功をきっかけに、大学・商店会だけでなく、市民や行政も参加する「せいせき観光まちづくり会議」が発足し、継続的にまちづくりの取り組みが続いていくことになった。[30][31]
しかし、定期的に行われるようになったモデル地ツアーには、地域住民から苦情が出るようになった。モデル地の大部分は桜ヶ丘住宅地で、その名の通り住宅地なのである。苦情を解消するため、ボランティアのツアーガイドにはガイド養成講座が開かれたり、ファンのマナーの徹底化が呼びかけられたりと、努力が重ねられている。[30]
町おこしにあたってはスタジオジブリが版権の使用を許可していないのが課題になっていた。一般的にアニメ町おこしが行われる際には、制作会社と地域が密接な関係を保って、版権絵を使用できることが多い。このため、モデル地案内マップでは手書きイラストが用いられるなど、版権絵を使用しない「耳をすませば」の町おこしは、他作品のものとは大きく異なっている。[30]
2012年4月に設置された、映画で登場する「地球屋」風のモニュメントも、スタジオジブリが版権の使用を許可していないため、あくまで“風”である。2005年のイベント開催時からモニュメント像を設置する声が上がっていたが、キャラクターの像を建てる場合には版権が問題になる。そこで作品の世界観そのものではなく、そこから派生させた「ファンの青春を応援する」というテーマで検討されることになった。「耳をすませば」は中学生の男女を主人公とした青春賛歌であり、「自らの目標に向かって努力する」要素があることから、ここに願い事や決意を投函してもらう「青春のポスト」として実現したのである。スタジオジブリからも、“風”であれば問題ないとする見解を得られている。[31]
また、2012年4月に京王電鉄の協力により聖蹟桜ヶ丘駅の電車接近メロディが、映画主題歌の「カントリーロード」になった。[30]
駅名の由来[編集]
駅開設当時の「関戸」は駅所在地の地名から。現在の「聖蹟桜ヶ丘」は、駅周辺が桜の名所であることに由来する地名「桜ヶ丘」(当駅南部)と明治天皇の御狩場が連光寺付近にあったことに由来する「聖蹟」(天皇が行幸なされた土地のこと)を合わせたものである[32]。
隣の駅[編集]
- 京王電鉄
- ■京王線
脚注[編集]
- ↑ 京王の電車・バス100年のあゆみ、2013年9月20日、京王電鉄発行
- ↑ 2.0 2.1 アニメ映画の主題歌「カントリー・ロード」が聖蹟桜ヶ丘駅の列車接近メロディーになります! 京王電鉄 2012年2月13日
- ↑ 京王グループ 1日の駅別乗降人員
- ↑ 京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター開店年度
- ↑ 東京都統計年鑑(平成2年)227ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成3年)233ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ↑ 当駅の乗降人員最高値年度
- ↑ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成10年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成11年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成22年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成23年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成24年)
- ↑ この件については、『藤子・F・不二雄大全集』第1巻に収録された原恵一による解説で言及している。
- ↑ 30.0 30.1 30.2 30.3 [ http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20130705/E1372962323341.html?_p=1 今夜金曜ロードSHOW「耳をすませば」の舞台、聖蹟桜ヶ丘の知られざる苦労(エキサイトレビュー)] - エキサイトニュース
- ↑ 31.0 31.1 毛利康秀(2014)「観光都市としての多摩市」『多摩ニュータウン研究 No.16』2014年、23-37ページ、多摩ニュータウン学会。
- ↑ あいぼりー特別号 「京王線・井の頭線 むかし物語」総集編 2003年12月9日、京王電鉄発行
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 京王電鉄 聖蹟桜ヶ丘駅
- 街はぴ 聖蹟桜ヶ丘駅 - 京王沿線口コミ情報サイト