ガンダムシリーズ

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ガンダムシリーズ(GUNDAM Series)は、日本ロボットアニメ作品『機動戦士ガンダム』に始まる続編・外伝など一連の作品群を指す。シリーズ内の各作品に関するタイトルや発表年等に関しては、ガンダムシリーズ一覧を参照。

これらは、日本と世界のサブカルチャー界に多大な影響を及ぼすこととなった。展開されたメディアは、アニメの他映画OVA漫画小説コンピューターゲーム特撮プラモデル等と幅広い。

『機動戦士ガンダム』はロボットアニメでありながら、従来の悪の組織や宇宙人と正義の味方である主人公が戦うといったヒロイックな描写を脱皮して確固とした世界観の中で国家戦争、人物像を描き、モビルスーツと呼ばれる人型ロボット兵器はあくまで兵器のひとつ、小道具として扱われた。空想科学世界ではあるが、このようなロボット像はのちにリアルロボットと呼ばれ、以後のロボットアニメをSFの次元へ発展させることとなった。

ストーリーと世界観[編集]


注意以降に核心部分が記述されています。

ガンダムシリーズには舞台となる世界(時間軸)によっていくつかの系統に分けられるが、いずれも人類が宇宙へ進出した時代の、モビルスーツの活躍する戦場を描いたものである。宇宙時代といっても外宇宙を自由に行き来するような広大な範囲ではなく、軌道以内、遠くても木星までという、ファーストガンダム誕生当時としては比較的「ありそう」な宇宙開発を時代背景としている。

この世界観では人類の多くは地球周囲のスペースコロニーに居住し、地球圏は巨大な統一政権によって統治されている。しかし、平和は容易には保たれず様々な武装勢力が出現しては抗争を繰り返し多くの悲劇が繰り返されることになるのである。

子供向けのアニメだったということもあるが、これらの抗争の中で多くの子供たちが戦闘に巻き込まれ、戦士として戦うことを余儀なくされていくのである。戦いの多くには、勧善懲悪といえるような明確な善玉も悪玉も存在しないのも特筆すべき特徴である。コロニー落としなどの残虐行為を繰り返す勢力もあるが、それと対立する側の勢力も常に道義的とは言えず、主人公でさえ過ちや未熟さによって非道な行為をしてしまうことが珍しくない。

子供も対象にしたアニメとしてはあまりにも現実的な表現は、結果として初期の監督でありガンダムシリーズの創作者である富野由悠季の評価を大きく高めることになった。

ガンダムシリーズについては富野以外の監督が創作する事が多く、リアリズムの方向性やテーマ・表現方法の違いなどから、ファンの間では富野作品とは一線を画した評価がなされている。

シリーズ展開[編集]

機動戦士ガンダム』は1年区切りで放映されるロボットアニメのひとつとして制作・放映された。子供向けの放送枠にもかかわらず上述のようにリアリズムを追求し、青年向けの作品を目指していため、視聴率や関連玩具の売り上げ等は奮わず、放送話数も当初の予定より減じられてしまうという憂き目をみる。

宇宙戦艦ヤマト』などの登場により増えつつあったアニメファンの間では、口コミで人気がじりじりと上昇していき、再放送を経て、アニメのストーリーを3本の映画にまとめた劇場版が公開されたことで人気は一気に爆発した。

ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」は、本放送終了後半年の後に第一号である「144分の1ガンダム」が発売され、当初から好調な売れ行きを示す。その後は商品のラインナップも充実、小学生から若者のファンにまで広く売れるようになり、劇中には存在しなかった(設定のみの)モビルスーツのプラモデルまでがMSVなどとして人気を博すようになった。

人気が急上昇するとともに続編を待ち望むファンの声も強くなり、『機動戦士ガンダム』の6年後に『機動戦士Ζガンダム』が放映された。そして、ガンダムのシリーズ化を決定づけた。小説・ゲームなどの多メディア展開も開始され、ガンダムは一大産業となった。富野の手によってさらに続編が制作されるが、次第にストーリー・テーマなどが難解化していった。

1994年からは、『機動武闘伝Gガンダム』に始まる、富野以外の監督によるいわゆるアナザーガンダムシリーズが制作された。並行するように、富野制作ではないが、初代の続編となる作品をOVAで展開するという戦略があったことも人気再燃の要因として見逃せない。古今のロボットアニメが番外対決する人気ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』でガンダムシリーズが中心的な役割を果たしていたことも低年齢層にガンダム人気を浸透させた要因のひとつだろう。

ガンダム文化[編集]

ガンダムシリーズの魅力はひとつではなく、ファンの中にもガンダムのどこに惚れ込んだかという点で差がみられる。

魅力のひとつは人物である。敵・味方ともに登場人物たちはそれぞれが独特の哲学を持ち、多くの名ゼリフを残している。このため主要な登場人物のほとんどにはそれぞれ幾ばくかの固定ファンを持っており、シャアなどの「大物」になるとファンの数はそれこそ計り知れない。名ゼリフはファンにとっては日常用語の一部となっており、ファン同士の会話で飛び交うのはもちろんのこと、そうでないときもセリフの引用やパロディが飛び出すことも珍しくない。他に白(ガンダム、ホワイトベース)、赤(シャア・アズナブル)、青(ランバ・ラル)、黒(黒い三連星)など各キャラクターのイメージカラーも強く定着しており、極端な話、既存製品をその色に塗装してマ-キングを加えた程度で「○○専用モデル」として成立する程である(実際にガンプラパソコン周辺機器などでそうした製品が登場している)。

ストーリー構成も多くのファンを惹きつけている。シリーズの根底には独特な世界観や哲学が流れており、リアルでありながらも夢のある空想世界を形作っている。近年は、コンピュータゲームでこの空想世界を追体験できるようになり、これらのゲームは大きな人気を得ている。

メカ描写の「カッコよさ」も人気の要因のひとつとして欠かせない。ガンダムシリーズのメカニックデザインはその後のSFに大きな影響を与え続けている。大河原邦男永野護カトキハジメ藤田一己出渕裕庵野秀明藤岡建機など多くのクリエイターがガンダムのメカニックデザインに関わったことで名を上げている。

SDガンダム[編集]

シリアスな戦記ものとしてのガンダムが人気を誇る中で、登場モビルスーツをコミカルな二等身で描いたキャラクターシリーズ、およびそのストーリーも小学生を中心に手堅い人気があり、一時期は本家を凌ぐほどの人気があった。10~20代のガンダムファンの中には、SDガンダムからガンダムを知った者も多い。1980年代に流行したSD(スーパーディフォルメ)キャラであり、そのガンダム版と言える。

SDガンダムの登場キャラクターやストーリーは、基本的にはガンダムシリーズとはまったく別個のものと扱われるのが通常である。「スーパーロボット大戦」などのゲームではガンダムシリーズのストーリーをSD描写されたモビルスーツで演出しているなど、区別の曖昧なところもある。

放送局について[編集]

TVシリーズは『機動戦士ガンダム』から、『機動新世紀ガンダムX』までのガンダムシリーズはテレビ朝日系列[1]で放送。以降、『∀ガンダム』はフジテレビ系列、『機動戦士ガンダムSEED』以降はTBS系列[2]、『SDガンダムフォース』はテレビ東京系列で各テレビ局系列で放送されている。 各局とも時間帯は夕方4時から6時に設定されており、製作会社及びスポンサーの意向のものである。テレビ朝日系列関連に関しては1996年の放送番組編成変更により、夕方の時間帯で放送できなくなったことが原因とされる(※詳しくは『機動新世紀ガンダムX』を参照)。以後テレビ朝日系列で放送されたのは2000年末に放送された特番G-SAVIOUR』の放送のみである。

社会的アニメとして捉えられているガンダムシリーズだが、ネット局やローカル局の関係から全国区でテレビ放送されたことはなかった(民放地上波で完全な全国放送をすることは不可能な点に注意)。

受信できない地域は、放送後に発売されたレンタルビデオで借りて見ることしかできなかった。近年はCS放送における専門チャンネルや、インターネットブロードバンド)の普及で全国何処でも見られるようになった。

専門用語の誤用・乱用とその背景[編集]

一例として、ガンダムの解説本やバンダイのプラモデル製品に付属する解説書などでは、モビルスーツなどの機動兵器の開発・製造過程のことを「建造」と記述する例が頻出している。逆襲のシャアでは台詞として軍人が用いており、その意味では宇宙世紀での使用法として公式設定に取り込まれたとも解釈できるが、現実世界では「建造」とは「建設造営」の略語であり、専ら建物や艦船のようなかなりの大型構造物を造る行為を指す言葉である[3]。「建造」という言葉に限らず、製作過程での専門用語の誤用の結果と見られる設定や解説はガンダムシリーズでは多く見られ、その事に対して軍事マニアやマニア出身の業界人などから批判もなされている。Wikipediaでもその誤用が踏襲されてしまっている項目が極めて多い。

今日では、当事者等の回顧が多数積み重ねられたことで、このような設定の消化不良がおこった原因は殆ど明らかになっている。富野由悠季は機動戦士ガンダムの製作にあたり、実写映画のような人間ドラマを描きたいと望みながら、子供向けの玩具販売のために多種のメカを登場させる必要に迫られ、それが出来る組織と状況として国家と戦争を選択し、モビルスーツや少年兵の大戦参加というシチュエーションも商業的な要求とリアリズムとの妥協の産物として創生した旨を講演や雑誌・テレビ等のインタビューで繰返し述べており、目的として特定の軍事的描写の徹底などが先にあったわけではないと明言している。また、ガンダムシリーズを製作する過程でマニアが好むようなレベルでの軍事知識に疎い関係者が多く参加し、解説などがつくられていったことを回顧する関係者もいる。

なお、富野由悠季をはじめとし、ガンダムシリーズの製作側の中には当時の商業的な現実(若しくは読者層などの面での現実)をあまりにも無視した後のマニア、オタク層からの様々な批判を理不尽だと考えている者が多く見られる。安彦良和も当時の設定面での出来を不憫に思って漫画化を決断したことや、兵器の設定考証のみに拘るような傾向への苦言を表明している。機動戦士ガンダムに対しては一受容者でありながら、後に漫画家としてロボット物を手がけたゆうきまさみのように、自らが関わった作品において同種の問題を抱え、軍事描写のリアリズムを過渡に徹底しようとした押井守と立場を異にし、ガンダムへのリスペクトを表明している例もある。

脚注[編集]

  1. この期間のうち、『機動戦士ガンダムΖΖ』までは、名古屋のANN系列局である名古屋テレビの制作。 『機動戦士Vガンダム』以降は系列キー局であるテレビ朝日の制作であった。ちなみに『ZZ』以前の作品が放送された名古屋テレビの枠自体は、『V』~『X』の放送当時も「勇者シリーズ」の枠として存続しており、『V』~『X』は関西地区に限りその古巣の枠と放送時間帯が連続するという現象が起きた。
  2. 大阪JNN系列局である毎日放送の製作。
  3. 岩波書店広辞苑』を参照。

関連項目[編集]

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