キャバ嬢

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キャバ嬢

キャバ嬢とは、キャバクラで接待を行う風俗営業従事者のことである。

概要[編集]

語源はフランス語由来の「キャバレー」(cabaret)と、英語由来の「クラブ」(club)を合成した造語で、和製外来語である。キャバレーのような明朗な時間制料金で、クラブの高級感を合わせ持つことを意図した。

1980年代半ばに現れた業態で「風俗営業等取締法」改正後の新たな業態として注目された。当初は「3回通えば、店外デート」がセールスポイントであった。料金が時間制である点がスナック高級クラブと異なる。その後、内容も多少変わっているが、店外デートを目当てに通う客は後を絶たない。過当競争の続いた1990年代後半以降、繁華街を避けた郊外出店もみられる。

女性従業員(ホステス)には「笑顔での応対」や「相手に話を合わせながらいい気分でお酒を飲ませる」など、感情労働を求められる。

類似の名称に「セクキャバ」「お触りキャバクラ」「ピンキャバ」などがあるが、一般に性的サービス内容によって、セクキャバとお触りキャバクラは「セクシーパブ」に、ピンキャバは「ピンクサロン」に分類される。逆に男性従業員が女性客を接待する同様の業種に「メンズキャバクラ」がある。

法律上の位置づけ[編集]

キャバ嬢

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)」第2条の定める風俗営業のうち接待飲食等営業に分類される1号又は2号で都道府県公安委員会から許可を得ている。これにより、18歳未満の者に客の接待(風俗営業における「接待」とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと(風適法第3条)」である。警察庁通達(解釈基準)によると「接待」の具体例は次の通りである。

  • 特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為。
  • 特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、歌舞音曲、ダンス、ショウ等を見せ、又は聞かせる行為。
  • 特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をし、若しくはほめはやす行為又は客と一緒に歌う行為。
  • 客とともに、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為。)をさせることはできない(風適法第22条)。また、18歳未満の者を入店させてはならない(風適法第18、22条)。営業時間に関して、風適法13条により午前0時から日の出までの深夜は営業できないという制限を受ける。

風適法に加えて、「食品衛生法」第51、52条、「食品衛生法施行令」第35条により店舗の所在地を管轄する保健所に飲食店営業許可申請をし、都道府県知事の許可を得ている。

従業員[編集]

キャバクラでは接待をする女性従業員のことを客の側から見てキャバクラ嬢またはキャバ嬢、店の側からはキャストと呼ぶ。同じ女性従業員でも接待をしないエスコート、バニーガールを配置する店舗も見られる。エスコート、バニーガールが接待するケースも見受けられるが、その扱いは店舗により相違がある。

他に男性従業員(ホール、黒服、店長、etc.)やキャッシャー、調理担当、バーテンなどが居る。店内のホール業務を総括する男性従業員を「黒服」と呼び、単にホール業務のみを担当する男性従業員はボーイと呼ぶこともある。

キャバクラ嬢は、風適法第22条により満18歳以上であることが必須とされている。 また18歳未満の者を接待に使うことは児童福祉法で固く禁じられている。これに違反すると刑事罰が適用されることになる。

サービス内容[編集]

キャバ嬢

料金は時間制で明朗会計である。キャバクラ嬢が隣に座り、接待する。性的な愛撫などは禁止されている。 また店外デートについては「同伴」出勤や店の閉店後にキャバクラ嬢と客で酒などを飲みに行ったりカラオケに行ったりするアフターがある。同伴出勤の回数はキャバクラ嬢の給与体系の中に組み込まれており、同伴回数にノルマを設けている店なども存在する。また同伴回数を店内での指名回数やドリンクの売り上げ等と合わせた形でポイント化し、時給を上下させる基準として利用している店もある。

ショータイム[編集]

ショータイムを実施している店において、特定の時間や特定の期間中に店内で行われる店の女性従業員(キャバクラ嬢)が出演するショーの時間。ショータイムに出演している従業員のことを「ショーメンバー」という。ダンスが主流で、中には本格的なショーを演出している店もある。

昼キャバ[編集]

本来キャバクラは風適法の関係上、遅くとも深夜1時には営業を終了しなければならないことになっているが、従来はその制限を守らず、客がいる限り深夜4~5時頃まで営業を行う店がほとんどだった。しかし近年になって警察の取締が強化され深夜帯の営業が困難になりつつあること、また雇用形態の多様化から昼間でもキャバクラのような業態の店舗に対するニーズが生まれてきたことから、主に既存のキャバクラが、昼間遊んでいる店舗の活用、深夜帯の営業中止により減少した売上を少しでもカバーすることなどを目的に、昼間から営業を開始する例が見られるようになった。これら昼間営業するキャバクラを通称「昼キャバ」と呼ぶ。

昼キャバと一口に言っても、実際はホストクラブにおける「二部営業」(夕方~深夜1時までの1部、日の出~昼頃までの2部と営業時間を分けて営業する形態)同様の営業形態を取る店もあれば、昼頃にオープンし夕方まで営業する形態の店など、営業形態は様々である。

類似業種[編集]

キャバ嬢
キャバ嬢
クラブ
従来から存在する業態で、ホステスが客の横に座り接客する点はキャバクラと同じだが、一般的に料金が時間制ではなく、ボトルキープが基本(料金体系が明確でない)。
キャンパスクラブ(キャンパスパブ)
女子大生アルバイトホステスをしていることを売り物にする店。アルバイトクラブとも言う。キャバクラよりやや古く、1980年頃登場した。サービス内容はキャバクラと同様だが、素人風を売り物にしており、ショータイムはない。なお名古屋市周辺では「キャンパスパブ」はピンクサロンの類似業態を指す。
コスプレキャバクラ(コスプレパブ)(略称:コスキャバ、コスパブ)
ホステスがコスプレをして接待することを売り物にする店。メイド制服アニメのキャラクターなど店舗によって内容が異なる。2003年、東京の神田駅前にオープンした店が発祥である。
ランジェリーパブ(略称:ランパブ)
裸の上にランジェリー以外は身に付けないで接待する店。但し、ホステスの体を触ることは禁止されている。その他はキャバクラとほぼ同様である。
セクシーパブ(セクキャバ、お触りキャバクラ、など)
ホステスが接客する際、裸になり、体を触ることが可能な店。但しピンクサロンとは異なり、ホステスが客の性器を刺激し射精させるサービスはない。また、一般的に店内はキャバクラよりも暗い。
ガールズバー
2006年頃より増え始めた業態。基本はショットバーで、店員(バーテンダーウェイトレス等)は客席に付かない。店員の大半が若い女性で、カウンター越しではあるが、会話を楽しむことができる。
シングルスバー
2008年はじめ頃から増えてきた業態。独身の男女が来店し、そこで異性と自由に会話のできるバー。完全会員制であることが多く、話したい異性がいたら、その旨店舗スタッフに伝えると仲介してくれる。女性もお客であるという点がキャバクラと異なるが、店舗が募集をかけていることもある。

地方での別称[編集]

キャバ嬢
ニュークラブ
札幌ススキノでは「キャバクラ」という名称がセクシーパブホステスが裸になる店)を指すため、脱がない店を指すために作られた名称。札幌以外に北海道各地(苫小牧旭川など)をはじめ、青森など北東北の一部で用いられる。安い料金設定のキャンパスクラブなどとの差別化のために、店名の頭に「New Club」をつけている高級感のある店も多い。
ラウンジ
九州の一部地域(主に北九州市など)では、北海道と同様に「キャバクラ」という語がセクシーパブを指すため、女性が脱がない店を特にこう呼ぶ。「ラウンジ」は関西では低価格の「クラブ」を指す。

「キャバ嬢に5億円貢いだ」パソコン不正操作の元経理係長を逮捕[編集]

勤務していた会社の資金を自分の銀行口座に振り込ませてだまし取ったとして、警視庁中央署は2012年4月11日電子計算機使用詐欺の疑いで、工業用ゴム販売大手「シバタ」(東京都中央区)元経理係長、栗田守紀容疑者(33)=埼玉県朝霞市朝志ケ丘=を逮捕した。

同署によると、栗田容疑者は同社が平成17年に開設したインターネットバンキングの法人口座の責任者で、同年ごろから192回にわたり計約5億2千万円を詐取したとみられる。「ほとんどをキャバクラ嬢に貢いだ」などと容疑を認めている。

逮捕容疑は平成21年4月~22年7月、同社のパソコンを操作し55回にわたって自分の給与とは別に会社の資金計約2億3千万円を自分の口座に振り込ませ、だまし取ったとしている。

平成22年8月に税務署の調査で不正が発覚。同社は栗田容疑者を解雇し23年5月、警視庁に告訴していた。

栗田容疑者は詐取したカネについて「数千万円を株の投資に使った以外は、ほとんどをキャバクラの支払いやお気に入りのキャバクラ嬢への送金に充てていた」などと供述している。

横領金6億円貢いだ男「自首する前に会いたい」 女「会えないけど最後に1300万円お願い」[編集]

6億円貢ぐ、送金350回。キャバクラ女性「がん治療費を、会えないけど」

勤務先の金をだまし取ったとして、警視庁が4月11日電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕した埼玉県朝霞市の元会社員栗田守紀(もりとし)容疑者(33)は、キャバクラの女性店員(30)に総額約6億円を送金していた。「がんで闘病中」と治療費を求める女性の言葉を信じ、ほとんど会うこともなく約7年間にわたり計350回以上、金を振り込んでいた。

警視庁によると、栗田容疑者は2000年からゴム製造会社「シバタ」(東京都中央区)の経理部に所属。逮捕容疑では、自ら管理する会社の口座から2億3000万円を自分の口座に送金し、だまし取ったとされる。

シバタ関係者や訴訟記録によると、栗田容疑者は2001年ごろ、葛飾区のJR亀有駅前のキャバクラで、当時20歳の女性店員と知り合った。何度も店に通い、2002年からは月に数回デートをするようになった。

2003年ごろには、女性から「胃がんになった」と相談され、医療費として女性の口座に振り込みを始めた。2004年からは「面会謝絶になった」と言われ、女性にほとんど会えなくなった。 2006年以降はメールのやりとりだけの関係だった。

犯行が発覚する2010年7月まで、振り込みを続け、最終的に会社からだまし取った6億3900万円のうち、女性への振り込みは5億9400万円に上った。警視庁は公訴時効(七年)にかかる約1億円を除き、立件する方針だ。

女性はメールで「個室に入るので金がかかる」「無菌室を使ったので支払いが高額になる」などと、月に何度も金を要求した。栗田容疑者が請求書を見せるよう言うと「疑われたら生きている意味がない、自殺する」とごまかしていた。

発覚直後、栗田容疑者は女性に「会社の金を横領していた」と告白した。「自首する前に会いたい」。だが、女性は面会を断る一方で「最後に1300万円お願いできないかな」などと要求した。

会社側が確認したところ、女性に入通院の記録はなく病気の話はうそと判明した。栗田容疑者がただすとメールで「本当に本当にごめんなさい」。以後、連絡が取れなくなった。

女性は「闘病中」と説明していた間、新宿の高級マンションを借りて住み、金は旅行や飲食などに使ったという。シバタの担当弁護士は「女性からも回収を試みたが、ほとんど使われて残っていなかった」としている。

栗田容疑者は、女性を相手取った民事訴訟(既に和解)の中で「普通に考えると不自然だが、当時は病気のことも治療のことも信じていた」と陳述した。女性は「認めます、すみませんでした」と謝罪している。

関連作品[編集]

キャバクラ文化人/評論家[編集]

キャバクラに勤務していたことがある有名人[編集]

関連項目[編集]