Blu-ray Disc
この項目では、BDについて説明しています。その他の用法については「Blu-ray_Disc (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
Blu-ray Disc(ブルーレイディスク、BD)とはソニーや松下電器産業などが「Blu-ray Disc Association」で策定した青紫色半導体レーザーを使用する次世代光ディスク規格である。一般的な略称は『BD』もしくは『ブルーレイ』。大きさ(直径12cm)についてはCD・DVDと共通である。記録・再生方式に関してはこれらのディスクと規格上の互換性はないが、多くのBlu-ray Disc対応機器では3波長化されており、従来のCDやDVDも使用できる。
405nmの青紫色半導体レーザーと0.1mmのカバー層の光ディスクを使うことでレンズのNA値を(0.65から0.85に)上げ、DVDの5倍以上の記録容量(1層25GB、2層式ディスクの場合は50GB)を実現している。これにより、1層のディスク(25GB)でも地上デジタル放送(1440×1080i, 16.8Mbps)クラスなら3時間強、BSデジタル放送(1920×1080i, 24Mbps)クラスで2時間強のハイビジョン映像を収録することが可能となった。
BDは、後述のように1枚のディスクの多層化による200GB程度の大容量化が可能であり、ソニーなどは「光ディスクの最終形態」と言ったフレーズで商品展開を行っている。なお、名称が「Blue-ray」でないのは「Blue-ray Disc」とすると英語圏では「青色のディスク」という一般名詞となるために商標上使用できないからである。
2007年現在、デジタルハイビジョン放送に対応でき、BD同様青紫色半導体レーザーを使う光ディスク規格としてはこの他に東芝が中心となり提唱している「HD DVD」が存在する。
目次
沿革
- 1999年
- 7月、ISOM/ODS'99でソニー、フィリップスがDVR-Blue規格発表。カバー層0.1mm、NA=0.85、変調方式1-7pp、誤り訂正方式LDC/BISなどBlu-ray Discに採用された技術が開発された。
- 2001年
- CEATEC JAPAN 2001時点でのDVR-Blue方式と2層相変化RAM方式のそれぞれのメンバーは、DVR-Blue方式がソニー、フィリップス、パイオニア、シャープで、2層相変化RAM方式が松下電気産業、日立、東芝、日本ビクターである。
- 10月15日、松下が2層相変化記録方式の容量50GBの書き換えディスクを発表。質疑応答で「フォーマットが2分するのは好ましくない、フォーマットを一つにするよう努力する」と述べた。後に2層技術、アドレス検出方式STWなどがBlu-ray Discに採用された。
- 2002年
- 2月19日、日立製作所、LG電子、松下電器産業、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、トムソンの9社がBlu-ray Disc(BD)の規格を策定したことが発表される。その中にDVDフォーラム中核企業の東芝が含まれていなかったことから、次世代光ディスクの規格分裂が早くも予想された。
- 5月、上記の9社によりBlu-ray Discの規格策定を行うBlu-ray Disc Foundersが設立される。
- 8月29日、東芝とNECがBDに対抗する形で次世代DVD候補の「AOD(仮称)」をDVDフォーラムに提案、同年11月26日にDVDフォーラムはAODを「HD DVD」の名称で正式承認した。これで規格分裂が現実のものとなった。
- 2003年
- 録画機器と録画用書き換えメディアの製品化が始まる(後述)。
- ソニーがBDを独自にカスタマイズした「プロフェッショナルディスク」を開発し、業務用のハイビジョン録画・編集機器とコンピュータ補助記憶装置に採用。容量は23.3GB(片面一層)。
- 2004年
- 5月18日、規格策定団体「Blu-ray Disc Founders」が「Blu-ray Disc Association」と改称し、多くの企業が参加できるオープン化に移行すると発表。同年10月4日に正式に発足した。これにより多くの会社(2006年6月現在:170社以上)がBlu-ray Disc Associationに参加した。
- 9月21日、ソニー・コンピュータエンタテインメントが次世代ゲーム機「プレイステーション3」にBD-ROMを採用することを発表。他の仕様がほとんど発表されない中で採用メディアのみを強調したことは、次世代大容量光ディスクの規格争いに先手を打ちたい狙いがあったものと思われる。
- 次世代大容量光ディスク規格の行方に決定的な影響力を持つ大手ハリウッド映画企業は、2005年までにソニー・ピクチャーズ、ディズニー、20世紀フォックスのBD陣営と、HD DVDを支持するパラマウント映画、ユニバーサル映画、ワーナーの2陣営に分かれた。両陣営の現世代DVDでのシェアは拮抗しており、次世代規格をめぐる争いは激化の一途をたどった。
- 2005年
- 春から夏にかけ、両陣営(東芝とソニー・松下電器産業)の間で2規格を統合するための協議が行われた。しかし、両者の考える光ディスクに対する根本的なビジネススタンスの差が大きいことなどで決裂した。両陣営の製品化のスケジュールが迫る中で規格が分裂したまま発売されることがほぼ確定した。
- 5月、松下電器が米国ロサンゼルス近郊にスピンコート技術を使ったBDの量産工場[1]を稼動させたことを発表。BD-ROMディスクがDVDに近いコストで製造できることを証明した。ソニーはシート方式を用いて製造していたが、コストや2層ディスクの製造効率が悪いことなどから2006年までにスピンコート方式に転換[2]している。
- 10月、BD-ROMディスクの製造に対する懸念(コストの問題など)が払拭したこと等により、HD DVD陣営のパラマウント映画、そしてハリウッド最大手でHD DVD陣営の中核企業であるワーナー・ブラザーズグループがBD陣営にも参加することを表明。この結果、BD陣営サポートのスタジオはFox、ディズニー、ソニーピクチャーズ、MGM、ワーナー、パラマウント映画のハリウッド7社中6社となり、HD DVDのみを支持するハリウッド企業はユニバーサル映画のみとなった。
- 同時期、コンピュータ業界最大手のマイクロソフトとインテルがHD DVD支持を表明。主な要因はパソコン等と連係できる著作権保護の柔軟性によると主張。しかし2規格の実質的な差はそれほど大きくなく、背景にはマイクロソフトがWindows VistaやXbox 360など自社製品との親和性が高いHD DVDを推進する狙いがあった。マイクロソフトやインテルが支持したことによる結果としてIT業界内には動揺する企業が現れてきた。例えば2006年になり、マイクロソフト等の勧誘によりヒューレット・パッカード(HP)がHD DVDのサポートを表明した。
- 2006年
- 3月31日、日本国内初のHD DVD対応プレイヤーが東芝から発売。ただしハリウッド映画企業の意向やAACSの遅れなどに影響されてHD DVDも2005年内の予定から遅れてのスタートとなった。
- 6月10日、松下製のBDドライブ(内蔵型の記録ドライブ単体)および片面2層構成、記憶容量50GBのBDディスクが発売された。同ドライブを内蔵したPCも6月から発売された。
- 6月、米国でサムスン製BD-ROMプレーヤが発売。同時期にソニーピクチャーズ、LionsgateからBD-ROM映画ディスクが発売された。日本でも米国のソフトを再生できるため(リージョンコードについては後述)、BD搭載PCを用意すればソフトが再生できる状況となった。
- 8月29日、国内のソフトウェアメーカー14社とハードウェアメーカー5社が合同発表会を開催し、11月以降に75タイトル以上を発売することを発表した。国内第1号ソフトとして11月3日にワーナーやソニー・ピクチャーズ等から7タイトルが発売された。
- 10月14日、ソニーから世界初のBDディスクドライブ搭載のノートPC、VAIOtypeAが発売。
- 11月11日、ソニーからBDプレイヤーを兼ねた家庭用ゲーム機プレイステーション3が発売。
- 11月15日、松下から民生用BDレコーダーとしては初めてBD-Videoの再生に対応した、DIGADMR-BW200/BR100が発売。
- 2007年
- 1月17日、年明けに発表された2006年末の国内市場調査[3]でBDが94.7%のシェア(BDとHD DVDのレコーダー及びHD DVDプレーヤー)を獲得した。このシェアにはプレイステーション3やPC等は含まれていない。
- 映像ソフトのシェアでは発売が早かったHD DVDに後れを取ったものの米国ではBDが急速にシェアを伸ばし2006年末にHD DVDに追いつき、2007年2月にはBDがHD DVDの2倍になった[4]。さらに2007年第一四半期にはBDソフトのシェアはHD DVDの倍以上となった。
- BD・HD DVD共に映画ソフトの発売延期が相次いでいる[5]。理由はほとんどが生産上の都合とされる。
- 2007年3月現在ではレコーダー、映像ソフト共に電気量販店ではほぼBD陣営が次世代DVDの売り場を占拠している。日経パソコンでは「94.8%は次世代DVD市場でBlu-rayが勝っている」と報告してた。
- 4月23日、SONYプレスリリース[6]、業界最大の青紫色半導体レーザー月産170万個体制を確立、外販強化、コストダウンも進む。
- 6月12日、東芝の新型HD DVD/HDDレコーダーの発表会時の発表等[7]により、北米でのHD世代の専用プレーヤーの販売数累計がBDは10万台で低価格戦略のHD DVDは15万台であることが判明した。依然として北米でのビデオタイトル販売数累計でBDが7割[8]を占めている。
- 6月18日(現地時間)、米Blockbusterは同社が行っていた250店舗でのBDとHD DVDのレンタル事業をBDのみ7月中旬より1700店舗に拡大すると発表した[9]。
- 7月26日、米小売り2位のターゲットはソニーなどが推進するBD対応機種(ソニー製「BDP-S300」)だけを2007年秋から年末にかけて店頭販売することを明らかにした。
- 8月14日、Home Media Magazine傘下のHome Media Researchによると[10]、米国での2007年上半期のハイディフィニション映画ディスクの販売本数がBDが160万本、HD DVDが79万5000本であるとした。なお販売開始からの累計ではBDが220万本、HD DVDが150万本であるとした。またWarner Home Videoによると、映画『300』のハイディフィニション映画ディスク版の販売本数が約28.7万本と現在の所最も売れたハイディフィニション映画ディスクとなっている。それぞれの内訳はBD版が約19万本、HD DVD版が約9万7000本売れたとした。
- 8月20日、ヴァイアコム傘下のパラマウント・ピクチャーズ等はコンテンツをHD DVDに独占供給すると発表、契約開始から18ヶ月間HD DVDのみでの発売となる。ただし、スティーヴン・スピルバーグが監督した作品に関しては現段階では対象外となっている[11]。また、今回のヴァイアコムの決定にはHD DVD陣営からの1億5000万ドルの見返りがあったためであると複数の米メディア[12]が伝えている。
- 8月28日、ブランド総合研究所が「デジタルハイビジョンおよび次世代DVDに関する調査」で「購入したいと思う次世代DVDレコーダーのメーカーはブルーレイ陣営が圧勝」と発表[13]。
- 8月30日、中国の大手AV機器メーカである華録集団(CHLG)と台湾のPCメーカであるエイサーがBDAに加盟。華録集団は中国国内にオーサリングセンターを設立予定。エイサーはBDドライブ搭載ノートPCを製品化予定。[14]
特徴
フォーマット策定の順序
DVDでは読出し専用規格(ROM型)を先に策定し、書込み型フォーマットの策定においては規格乱立の状態になってしまった。その反省からBDでは書き換えメディアフォーマットを先に策定し、共通の仕組みで読出し専用メディアにも対応する方向で開発を進めた。このためCDやDVDでは書き換えメディアの反射率が低いため初期の再生専用ドライブで読み込めないという問題があったが、BDでは反射率の問題が発生しない。また、現行メディアとの併用も考慮し、波長や基板厚が異なるCD/DVD/BDを1つの光ヘッドで対応するための技術開発も当初の段階から行われた。
ファイルフォーマット
ファイルフォーマットはUDF Ver2.5以降を採用し、DVD-RAMのようにリムーバブルメディアとしての手軽さで扱えて、PCとの親和性が高まる事や書込み時のファイナライズ処理を必要としないメリットもある。
※BD-RE Ver1.0のみBD-FSを採用。それ以降はすべてのメディアでUDF Ver2.5以降を採用(DVDはUDF Ver2.0を採用)。
転送速度
等速は36Mbps。BD-ROMは1.5倍速の54Mbpsが標準転送速度である。記憶型ディスクであるBD-R/BD-REは現在は4倍速の144Mbpsまで規格化され、BD-R/BD-REディスク、BDドライブが商品化されている。
カバー層
BDの最大の特徴として、カバー層が0.1mmであることが挙げられる。DVD、HD DVDは0.6mmで、CDは1.2mmである。
拡張性
BD-ROMに関しては8層構造まで学会発表済みであり、実用可能と考えられる。これが実現すると1枚のディスク(25GB×8層)で容量が200GBを超える光ディスクメディアの誕生となる。BD-RE/BD-Rの記録型光ディスクに関しては片面4層(100GB)構造まで学会発表済みであり実用化可能と考えられる。(2005年10月20日時点)。
TDKは2006年4月26日、試作した「33.3GB×6層」の200GBの追記型Blu-ray Discを、光ディスク関連技術の国際会議「ODS 2006」で発表[15]した。1枚のディスクにHD映像を約18時間分格納できる。信号処理技術の進歩で1層当たりの記憶容量が拡大し、各層33.3GBのデータを格納できるようになったとのこと。
小型メディア
12cmディスクの他にビデオカメラ向けの用途での使用等を目的とした8cm光ディスク(BD-R/BD-RE)は規格策定済み。容量は1層で7.5GB、2層で15GBとなる。
環境への配慮
凸版印刷とソニーは材質の51%以上が紙のディスクを共同開発したと2004年4月15日に発表[16][17]した。近いうちに紙の割合を70%以上まで引き上げると発表している。多くの自治体において、燃えるゴミとして捨てることが可能となる。また、日本ビクターやパイオニアはトウモロコシの澱粉(デンプン)[18]から合成された植物原料のプラスチックによるディスクを開発した。両社の技術や原料は同じであるが、製法が若干異なる。
用途
ホームシアターなど映像フォーマットとしての用途
BD-Video(BDMV) 採用コーデック
動画圧縮/伸張技術
- MPEG-2
- H.264/MPEG-4 AVC High Profile
- VC-1 Advanced Profile
H.264/AVCとVC-1等の新圧縮技術は現在主流のMPEG2よりも圧縮能力が優れている。しかし新圧縮技術は携帯電話等の小さな画面を主体に開発されたためHD映画の画質再現には問題が存在しており、当初ハリウッド企業は新コーデックの採用に積極的ではない会社も多かった。しかし、HD映像用に新たにパナソニックハリウッド研究所(PHL)[19][20]により開発されたMPEG-4 AVC High Profileが制定され、このHigh Profileを使えば、HD映画の画質をMPEG-2以上に向上させられることがハリウッド企業でも確認された。このため、MPEG-2に加え、MPEG-4 AVC High ProfileやVC-1もBD-Videoの映画タイトルに採用される。
音声圧縮/伸張技術
- PCM
- ドルビーデジタル(AC-3)
- DTSデジタルサラウンド
- ドルビーデジタルプラス(DD+)(*)
- ドルビーデジタルロスレス(Dolby TrueHD)(*)
- DTS-HDMaster Audio(*)
(*)ドルビーデジタルプラス(DD+)、ドルビーデジタルロスレス(Dolby TrueHD)、DTS-HD はBlu-rayプレーヤーではオプション扱い。
インタラクティブ技術
高度なメニューやネットワーク機能などを実現する技術としてBlu-ray Disc Java(略称:BD-J)が採用された。BD-Jは、すべてのBDプレーヤに搭載されているため、映像を使った対戦ゲーム、シューティングゲーム、インベーダー型ゲーム等を附録に入れたBDタイトルが発売されている。また2007年11月以後に発売されるBDプレーヤーには、追加のJavaインタラクティブ機能(ピクチャインピクチャ機能等)の搭載が義務づけられる。ネットワーク機能としては「BD-Live」(Blu-ray Disc Live)[21]と呼ばれるプロファイルが標準化されている。
HD DVDではマイクロソフトが中心となって開発した「iHD(現・HDi)」が採用され、マイクロソフトがHD DVDを支持する要因の一つとなっている。BDでもiHD(現・HDi)を採用する提案がなされたが採用は見送られた。
コンテンツ管理システム(著作権保護技術)
3つの技術を使用しコンテンツの保護を図る。これら3つの技術により、コピー防止を大幅に強化。人間の作ったコンテンツ管理システムである以上決して完璧ではないものの、少なくとも現在主流のDVDに比べれば海賊版の作製及びその視聴がより困難になると言われている。
- AACS(Advanced Access Content System)
- ROM Mark
- BD+
「AACS」の特徴
コピー管理も含め、ネットワーク機能やインターネット接続に関連して公認されたセキュアな方法でコンテンツを保護する。
AACSのカバー範囲はTV放送およびインターネットを利用したコンテンツ配信、家庭内のネットワーク配信など、現在想定できる使用用途のほぼ全てと広範囲にわたる。また再生専用メディアだけではなく記録型メディアにも対応し、コンテンツのムーブやDRMによって認められたコンテンツの複製をセキュアに管理する。
- 暗号方式に「AES(Advanced Encryption Standard)」を採用
- 暗号鍵の長さは128ビット
- リボークシステムによる不正な機器、メディアによる使用をガードする排除機能を搭載
- 固有ID情報:メディアに「ユニークID」と「MKB(Media Key Block)」が書き込まれる。※ドライブ側にも機器毎に固有の鍵を導入(検討中)
- ウォーターマークによるコンテンツプロテクションの導入(検討中)
- HDMIは推奨、ハイビジョン画質でのアナログ映像出力を、映画会社が望めばダウングレードする機能(ICT)あり。
- HDDからリムーバブル媒体、リムーバブル媒体からHDDへのコンテンツ移動(ムーブ)等を可能にする機能が検討されている(DVD-Videoは著作権保護技術であるCSSの規定でDVDからHDDへのコンテンツ移動は禁止されている)。
「ROM Mark」の特徴
BD-ROMの原盤の偽造を困難にする技術である。
映画や音楽、ゲームなどBD-ROMメディアに収録されるコンテンツに検出できない一意の識別子を埋め込む。ライセンスを受けたBD-ROMメーカーに提供される機器でしか扱えず、スタンパーを入手しただけではこの識別子は書込めない。その為、ディスク原盤の非正規の作製は極めて困難とされている。
「BD+」の特徴
BD独自の機能であるBD+はBDプレイヤーのコンテンツ保護プログラムが破られた際にも、新たなコンテンツ保護プログラムをBDプレイヤーに導入できる機能である。
破られたコンテンツ保護プログラムをコンテンツ企業が後から動的に更新できる為、非正規に複製されたディスクの視聴は、実質的に不可能になると考えられている。尚、BD+はキーが改変されたプレイヤーのみに影響する。
リージョンコード
リージョンコードは当初BD-ROMにはなかった。しかし映画会社の強い要望により、3つの地域に分割された方式が採用された。
地域
- A:南北アメリカ・中国とインドを除く東アジア(日本・韓国、台湾、タイ、シンガポールなど)
- B:ヨーロッパ・中近東・アフリカ緒国
- C:中国・ロシア・インド、それ以外の地域
日本は米国と同じリージョンに属するため、DVD-Videoとは異なり米国製ソフトの輸入版を再生することが可能である。
ネットワーク用途の考慮
ネットワークを利用した用途も考慮されており、ネットからダウンロードした字幕データをディスクに追記するような事が可能となっている。もちろん再生専用のROMディスクには追記できないため、プレーヤーに記憶装置を内蔵するなどの対応が必要になる。
IT用途
パソコン向けの記録・再生ドライブ、およびBDドライブを内蔵したパソコンが2006年6月に発売された。日本国内では11月までBD-Video対応機器はパソコンのみという状況であった。
ただしH.264/MPEG-4 AVCやVC-1の映像コーデックを採用したBD・HD DVDソフトは再生時のCPU負荷が非常に高く、高スペックのパソコンでも滑らかに再生するのが困難なほどだと言われてきた。GPUの再生支援機能やCPUの高性能化などにより次第に解決されつつある。
またディスプレイへの出力にも問題が大きい。AACSの仕様によりデジタル出力にはHDMIまたはHDCPに対応したDVI-Dが必須となり、通常のDVI-D接続では表示できない(アナログ接続は禁止されていない)。さらにディスプレイ自体の解像度がフルHD(1920×1080ピクセル)に満たない場合、BD/HD DVDの映像を完全な形で再生することはできない。
記録型BDドライブ内蔵PCでデジタルテレビチューナーを搭載したモデルはデジタル放送をハイビジョン画質のままBD-R/REに保存できる(各機種の機能やソフトウェアに依存する)。
マイクロソフトはWindows VistaでHD DVDのみを標準サポートすると表明しているが、主な再生アプリケーションやDVDライティングソフトは既にBDに対応しており、実際の使用でBDに不利益が生じることはない。(現にマイクロソフトはDVD自体を公式に認めていないが、DVDがメディアの主体となったように、今回のHD DVD支持も規格争いには直接的な影響はないと思われる) またVistaのHD DVDサポートも当初の予定より縮小された。
コンテンツ制作用途
既にDVDについてはデッキのみならずカムコーダも開発されており、一般家庭の他、企業や学校、結婚式場など、業務用途でも広く活用されている。
同様にBDについてもハイビジョン映像の普及に伴いカムコーダや編集などの用途での機器の需要は見込まれる。それらの開発によって、小規模な放送局や制作プロダクション等のユーザーがコンテンツ制作用機器として採用する可能性は考えられる。しかし、既にハイビジョンのプロフェッショナル用途には、同じ青紫色半導体レーザーを用いてProfessional Discに記録するSONYのXDCAMが存在し、フラッシュメモリに記録するメモリーカード記録タイプのカムコーダも追加された。松下電器産業もメモリーカード記録タイプのカムコーダの発売が予定されており、この用途とは違う市場である。
現在、日立製作所がBDを記録メディアに採用したカムコーダ2機種が発売されており、地方のケーブルテレビ局など、企業によっては採用を検討しているところもあるという。
セキュリティー用途
BDでは、SDTV映像であればS-VHS方式3倍モード並(約400TV本以上)の画質で24時間以上の高画質記録をする事が可能である。そのメリットを活かして、フルモーションのカラー映像で監視カメラの映像記録に活用する事も可能となる。
防災・防犯を目的とした監視カメラの映像の収録には、連日膨大な量のストレージメディアを必要とする。BDならこれまでのCDやDVDと同一のサイズなので、メディアの収納性には優れていると言える。
ディスクの耐久性問題
BD規格の機器や対応ディスクが発表された当時の技術では対応メディアの表面に些細な汚れや傷が付いただけでそのメディアが使用不能状態に陥るほどの脆弱性に悩まされ、その対策としてカートリッジ内にディスクを密閉する方式を採用した。
カートリッジを必要とする分だけディスク全体が大き目となる為、ディスク自体の取り扱い性の悪さやノートパソコン等向けの小型ドライブを開発する事が難しいという点がBD普及を図る為の大きな障害となっていた。
問題点の解決へ
BD-ROMやBD-Rは規格制定当初からライバルのHD DVDと同様にカートリッジを必要としないベアディスクとなる事が決定し、BD-REも後にバージョン2.0でDVD-RAMと同様にベアディスクにも対応させる事が決まった為、それを実現する為の新技術開発が急務となった。
そこでTDKがディスクの耐久性向上技術「DURABIS(デュラビス)」を開発した。BDFではBDメディアの表面の硬さ(ハードコートが必要な強度)を規定する情報が標準仕様に採用された。
DURABIS等のハードコート技術により傷や汚れなどによる問題や小型ドライブの問題も解決可能の目処が立ち、HD DVDに対して対等、もしくはそれ以上の条件が揃うこととなった。
初期のBDドライブは、レンズとディスク表面までの距離(作動距離)が0.3mm程度とHD DVDの1mm程度の3分の1しか無くカバー層も0.1mmと薄いため、振動によってレンズとディスクが衝突し易かった。そこで車載等の用途への仕様を満たすため、接近検知時間がDVDの3分の1以下のより高精度な接近検知システムを搭載することとなった(接近検知時間BD:0.8ms、DVD:3ms)。
TDK DURABIS技術
DURABIS(デュラビス)はDURABILITY(耐久性)とSHIELD(盾/保護物)からの造語で、優れた耐久性が表現されている。キズに強く、スチールウールで100回や200回擦ったぐらいでは影響がほとんどないほどの耐久性を持つ。また、指紋汚れやチリ・埃が着きにくいとされる(ネットランナーによる実験にて証明済[22])。
DVDに最適化したものを「DURABIS1」、BD用を「DURABIS2」、放送用を「DURABIS PRO」としている。DURABIS技術は次世代光ディスク向けに開発された技術であり、後にDVD、BD用途へと採用された[23]。既にDVD-Rなどで『超硬』『UV超硬』ブランドを掲げた製品を発売しており、2006年4月18日に「DURABIS2」を採用したBD-R/REディスクを発売した。
Blu-ray Disc規格の採用例
レコーダー(ROM非対応)
以下の3機種は2006年にROM規格が策定される以前の機器であり、ROM規格の再生はできない(「フォーマット策定の順序」にその理由を記述)。
- ソニーは2003年4月10日に片面1層記録(23GB)対応のBDレコーダー「BDZ-S77」を発売し、複数のメーカーからディスクが発売された。しかし、同機種は25GBディスクに非対応で、地上デジタルチューナーは後付けである。
- 松下電器産業は2004年7月31日に片面2層記録(50GB)対応のBDレコーダー「DMR-E700BD」を発売した。
- シャープは2004年12月9日に片面1層記録(23GB/25GB)対応のHDD・DVD・BD一体型(3 in 1)レコーダー「BD-HD100」を発売した。HDDを搭載したハイブリッドタイプのBDレコーダーとしては業界初の製品となる。BDレコーダーとして初めてHDMI端子を装備した。i.LINK端子を装備してHDD・DVD・D-VHSからBDへのムーブが可能(DVDからBDへのデジタルダビングは世界初)であり、同社製のハイビジョンディスクレコーダー(DV-HRD2/20/200等)からBDへのムーブも可能となっている。なお、同製品が事実上Ver.1.0ディスクの最後の対応機器となった。以降はVer.1.1及びVer.2.1ディスク対応製品となり、両者に互換性はない。ただしソニーと松下電器産業が2006年末に発売した新型BDレコーダーはVer.1.0の再生機能が搭載された。
レコーダー(ROM再生対応)
- 日本国内ではプレーヤーよりもレコーダーの需要が高いとして、ソニーや松下電器産業はレコーダーを先に投入した。パイオニア・日本ビクター・日立製作所・三菱電機等もこれに追随し、技術展示会などにBDレコーダーの試作品を出展している。
- 松下電器産業は2006年11月15日にBD/HDDレコーダーのブルーレイDIGA「DMR-BW200」500GB HDD搭載と「DMR-BR100」200GB HDD搭載を発売した。DVD/HDDレコーダーのDIGAを基本としている。両機とも2層BD-R/RE記録、HDMIケーブルのコントロールを使ったビエラリンク、SDカードからBD-REにダビングすることでAVCHDの再生が可能、旧規格となったVer.1.0方式のBD-REの再生にも対応している。上位機種にはデジタルチューナーを2個搭載、i.LINK(DV入力/TS入出力)に対応している。
- ソニーは2006年12月8日にBD/HDDレコーダー「BDZ-V9」500GB HDD搭載と「BDZ-V7」250GB HDD搭載を発売した。DVD/HDDレコーダーのスゴ録を基本としている。両機ともスゴ録上位機種の機能を踏襲しつつ、AVCHDの再生が可能、デジタルチューナーを2個搭載、旧規格となったVer.1.0方式のBD-REの再生にも対応している。BD-R/REの2層ディスクの記録と再生には対応していない(市販ビデオコンテンツであるBD-ROMの2層メディア再生には対応)。上位機種はDLNAに対応している。
- ソニーは2007年11月8日にMPEG4-AVC/H.264エンコーダを搭載し、コピーナインにも対応可能なBD/HDDレコーダーBDZ-T50/BDZ-T70/BDZ-L70/BDZ-X90を発売する。オープンプライスだが実売14万円前後からと普及価格帯に投入する[24]。
再生専用機器
- サムスンは2006年6月にBDプレーヤを米国で発売し、同時期に米ソニー・ピクチャーズとLionsGateがBD-Video映画ディスクを発売。
- 2006年11月発売のプレイステーション3における標準メディア規格として採用されている。BD-Videoの再生が標準で可能なほか、原則として全てのゲームソフトがBD-ROMで発売される(ネットワーク配信を除く)。これによりハードウェアの大規模な普及が見込め、HD DVDとの競争においてBD支持企業を増やす大きな要因となっている。
- ソニー・松下電器産業・シャープ・パイオニア・日本ビクター・フィリップス・LG電子なども欧米でBDプレーヤーの発売を予定している。パイオニアからは2007年6月7日に「BDP-LX70」が販売された。BDP-LX70はレコーダーで録画したディスクの再生はできない。
- シャープは2007年7月に「BD-HP1」を発売している。「AQUOSブルーレイ」のブランドで展開。「プレーヤー」ではあるが、自社の液晶テレビやDVDレコーダーとi.link接続することでBD-REへ記録することができる。こちらはレコーダーで録画したディスクも再生可能。
- デノンもBDプレーヤーの発売を計画していることが「HiVi」で報じられている。
パソコン、パソコン用ドライブ
- 2006年
- Panasonicは4月21日にBD-ROMのSL/DL(1層/2層)の再生、BD-R、REのSL/DLの記録再生、及び各種CD、DVDメディアの記録再生に対応したBDドライブをメーカー各社へ4月より順次出荷開始したと発表した[25]。
内蔵ハーフハイトタイプBDドライブ「SW-5582」は各種BDメディアへの2倍速記録再生に対応。
主にノートPC向けの内蔵スリムトレイタイプの「UJ-210」と内蔵スリムスロットタイプの「UJ-215」は各種BDメディアへの等速記録、及びROMの1.6倍速再生に対応。 - Panasonicは6月10日にBD-ROMのSL/DL(1層/2層)の再生、BD-R、REのSL/DLの記録再生、及び各種CD/DVDメディアの記録再生に対応する内蔵ハーフハイトタイプのBDドライブ「LF-MB121JD」[26]を発売した。アイ・オー・データ等から発売された単体ドライブや富士通・ソニー等のパソコンはPanasonic製ドライブ[25]を採用している。
- Panasonicは6月上旬にBD-R、REのSL/DLディスクを発売した。ソニー・富士フイルム・三菱化学・日立マクセル・TDKなども相次いで発売した。
- ソニーは6月下旬に業界初のBDドライブ搭載のノートパソコン「VAIO type Aシリーズ」とデスクトップパソコン「VAIO type Rシリーズ」を発売した。BDドライブはBD-ROMの再生とBD-R、REのSL/DLの記録再生が可能。デジタル放送のBD-REへのムーブとBD-AV形式のディスクを製作可能。BDドライブの詳細はPanasonic製ドライブを参照[25]。富士通・エプソンダイレクトもPanasonic製BDドライブ搭載のパソコンを発売した[25]。
- NECはHD DVD陣営でありながら秋にBDドライブ搭載パソコン「VALUESTAR Wシリーズ」を発売した。この時点でHD DVDのPC向け記録型ドライブや書き換え可能型メディアが製品化されていないことを理由としている。
- Panasonicは4月21日にBD-ROMのSL/DL(1層/2層)の再生、BD-R、REのSL/DLの記録再生、及び各種CD、DVDメディアの記録再生に対応したBDドライブをメーカー各社へ4月より順次出荷開始したと発表した[25]。
- 2007年
- 2007年になってもメーカー各社よりBDドライブ搭載PCやBTOでの販売の発表が続く。
- 5月30日に内蔵スリムトレイタイプのBDドライブ「UJ-210」が店頭で単品販売開始。再生専用及び記録再生を含めBDやHD DVDのスリムタイプドライブの単品店頭販売は初めてこのBDドライブはPanasonicが2006年4月[25]にメーカー各社へ出荷開始したBDドライブである。
- パイオニアは8月上旬よりDVD/CDの記録再生が可能な内蔵ハーフハイトタイプBD-ROMドライブ「BDC-S02J」[27]をオープンプライスで発売予定、店頭予想価格は4万円前後。インターフェイスはSATA。Blu-ray DiscではBD-ROMとBD-R,REのSL/DLの再生に対応(BDレコーダーで記録したBDメディアも含む)。DVD/CDではDVD±Rが12倍速、DVD±R DLが4倍速、DVD±RWが6倍速、DVD-RAMが5倍速、CD-R、RWが24倍速で記録可能。
ビデオカメラ
- 2007年
- 日立製作所は7月20日、撮像から記録まで1920×1080画素のフルハイビジョンで一貫して処理するための民生用ビデオカメラ向け基幹技術を新開発したと発表[28]。「高品位映像音声コーデックLSI(民生用)」「高画質カメラ画像処理LSI」「8cmBD/DVDドライブ(世界初)」「約530万画素CMOS撮像素子」等により、フルハイビジョンBDビデオカメラとして製品化する。
- 日立製作所は8月2日、世界初のフルハイビジョンBDビデオカメラ「BDカムWooo」[29]として「DZ-BD7H」・「DZ-BD70」を発売すると発表し[30]、8月30日に発売された。「DZ-BD7H」は30GBのHDDとBDドライブのハイブリッドで「DZ-BD70」はBDドライブのみとなる。8cmで7.5GBのBD-R、REメディアは8月10日に日立マクセル[31]・三菱化学メディア[32]・TDKより発売された。
BD/HD DVD両規格対応製品
- 2006年
- 2006年後半には早くもNECエレクトロニクスがBD、HD DVD両規格の記録と再生に対応し、読み込みや書き込みが技術的には可能になるLSIセットを開発した。10月よりサンプル出荷が開始され、今後の展開しだいではPC市場などで供給される予定があるという。
- LG電子がBD/HD DVD両対応のプレーヤーを2007年第1四半期に北米で発売予定と発表した。
- 2007年
- ワーナー・ブラザーズは片面にHD DVD、もう片面にBDを収めた両面ディスク「Total Hi Def」を発表した。しかし製造コストの高さや両面記録メディアのため「レーベルが印刷できない」「取り扱いに注意を要する」などの難点があり批判意見が強い。2007年後半発売予定とされるが、製造上の問題が大きく先行きは不透明である。
- 夏前後からHD DVD-ROMの再生に対応した記録再生対応BDドライブがLG電子(日立LG製)より販売され、ベンダー各社への提供も開始された。NECはこのBDドライブを搭載したPCを9月上旬より発売する[33]。
レンタル店舗
2007年6月18日、全米に7000以上の店舗を展開している米ビデオレンタルチェーン最大手のブロックバスターはBD規格のビデオタイトル取り扱い店舗を7月半ばまでに1700店まで増やすと発表した。同社では2006年末から250店舗で実験的にBDとHD DVDでビデオタイトルをレンタルしてきたが、7割以上の顧客がBDタイトルを選択していたため、BDタイトルの拡充を決定した。実験時の250店舗およびオンラインではHD DVDも取り扱う[34] [35]。
Blu-ray Disc Association(BDA)参入企業
ハードウェア・ソフトウェア関連企業
- ソニー
- 松下電器産業
- シャープ
- パイオニア
- デルコンピュータ
- アップルコンピュータ
- TDK
- 日立製作所
- 三菱電機
- フィリップス
- サムスン電子
- サン・マイクロシステムズ
- ヒューレット・パッカード(※)
- トムソン(※)
- LG電子(※)
- 日本ビクター
- 富士通(※)
- NECエレクトロニクス(※)
- キヤノン(※)
- 富士フイルム(※)
- リコー(※)
- 三洋電機(※)
- 三菱化学メディア(※)
- エイサー(※)
- 中国華録集団
- 他
エンタテインメント関連企業
- ウォルト・ディズニー・カンパニー (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント(スタジオジブリ))
- 20世紀フォックス
- ソニー・ピクチャーズ
- MGM
- ワーナー・ブラザーズ(※) (ワーナー・ホーム・ビデオ(※))
- ニュー・ライン・シネマ(※)
- LIONSGATE
- ユニバーサル・ミュージック・グループ
- ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント
- TBS
- ジェネオンエンタテインメント(※)
- 東映ビデオ(※)
- 東宝(※)
- バンダイビジュアル(※)
- GDH(※)
- 他
注:斜太字はBDAの幹事企業(Board of Directors)。(※)印はHD DVDにも参入を表明している企業。
参考:
フォーマットの種類
BD-RE Ver.1.0以外はベアディスク。カートリッジはオプション。容量は25GB(1層)と50GB(2層)。
BD-RE(Blu-ray Disc Rewritable)
書換え型ディスク。1,000回まで書き換え可能。
Ver.1.0
Ver.2.0
- ハードコート技術を前提とした表面の強度の規定が追加されたため、ベアディスクが基本となる。
- 記録速度は1 - 2倍速に対応。
- ファイルシステムはUDF2.5に変更。
- アプリ規格はVer.1.0と同じBDAV規格。
- 著作権保護技術はAACSに変更。
Ver.2.1
- 物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。
- アプリ規格はVer.2.0と同じBDAV規格に録画時間を延長するためにMPEG-4 AVC High Profileのビデオ圧縮技術が追加された。
Ver.3.0
- 物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。
- アプリ規格はBD-ROMのアプリ規格であるBDMVを使用して、PCで編集したコンテンツやカムコーダで録画したコンテンツを格納することが可能。
- BD-RE Ver3.0対応のBlu-ray DiscプレーヤではBlu-rayカムコーダで録画したBlu-ray Discの再生が可能。
BD-R(Blu-ray Disc Recordable)
ライトワンスディスク。BD-Rでは記録層に無機系記録材料を使用する。
Ver.1.1
- 物理規格はハードコート技術を前提とした表面の強度の規定が追加されたため、ベアディスクが基本となる。
- 記録速度は1 - 2倍速に対応。
- ファイルシステムは、UDF2.6。
- アプリ規格はBD-RE Ver.1.0と同じBDAV規格。
- 著作権保護技術はAACSを使用。
Ver.1.2
- 物理規格はVer.1.1と互換性を保ったまま、無機系記録材料の場合は4倍速記録対応になり、有機(色素)系記録材料のディスクの規定(1 - 2倍速)が追加された。
- IFA2007においてBD-R LTH typeの試作品が展示される。Ver.1.2未対応の機器との互換性は無し(アップデートにより読み取り/再生できる場合有り)。
Ver.2.0
- 物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術は、Ver.1.2と同じ。
- アプリ規格は、BD-ROMのアプリ規格であるBDMVを使用して、PCで編集したコンテンツやカムコーダで録画したコンテンツを格納することが可能。
BD-ROM
読み出し専用。
Ver.1.0
- 物理規格はベアディスクが基本。再生速度は1.5倍速。
- ファイルシステムは、UDF2.5。
- アプリ規格は映画コンテンツを格納するためのBDMV規格。
- 著作権保護技術はAACSを使用。
特殊なBD
BD-DVDコンビネーションROMディスク
日本ビクターが開発したBD1層+DVD2層の計3層構造のディスク[36]。BDドライブ、DVDドライブどちらでも読み込みが可能。現在、BDAに技術の規格を提案中。
関連項目
外部リンク
- Blu-ray/HD DVD発売日一覧 - Impress AV Watch
- BD/HD DVDメディア価格調査 - Impress AV
- AV&ホームシアター情報 - Phile-web
- AV&ホームシアター情報 - HiVi web
- The Authoritative Blu-ray Disc FAQ - Hugh Bennett(英語)
- ブルーレイジャパン - Blu-rayディスク次世代DVD情報交換コミュニティ
脚注
- ↑ 記録型にもつながる?2層BD-ROM製造の最前線 - ITmedia +D LifeStyle 2006年2月27日
- ↑ ソニー、2層BD-ROM生産ラインをプレス向けに公開 歩留まりは「1層で85%、2層で80%程度」 - Impress AV Watch 2006年9月1日
- ↑ BD陣営がシェア94.7%で圧勝、3社8機種で戦った次世代DVD最初の年末商戦 - BCNランキング 2007年1月17日
- ↑ FOX、コンベンションで販売店にBDビデオの積極展開を訴える-北米売上げはHD DVDの3倍へ。高所得の独身男性ターゲット - Impress AV Watch 2007年2月8日
- ↑ Blu-ray/HD DVDビデオソフト発売延期記事リンク集 - Impress AV Watch
- ↑ 青紫色半導体レーザーの生産体制及びビジネスの強化、Sony Japan プレスリリース 2007年4月23日
- ↑ Consumers Drive Record Sales of HD DVD Players to Capture 60% of HD Set-Top Market - North American HD DVD Promotional Group プレスリリース 2007年6月11日(現地時間)
- ↑ Mixed Messages From HD DVD Camp(HD DVD陣営からの矛盾する報告) - Ultimate AV News Desk 2007年6月14日(英語)
- ↑ 米Blockbuster、1,700店舗でBlu-rayのレンタルを実施-BDのレンタル実績を評価 - Impress AV Watch 2007年6月19日
- ↑ Blu-ray映画、売れ行きはHD DVDの2倍 米国では2007年前半にBlu-ray映画が160万本、HD DVD映画は79万5000本売れた。(ロイター) - Reuters(翻訳ITmedia +D LifeStyle) 2007年8月15日
- ↑ ドリームワークス、パラマウントから離脱か・米メディア - NIKKEI NET 7月25日
- ↑ 東芝、HD-DVD支持見返りに170億円・米紙報道- NIKKEI NET 8月22日
- ↑ デジタルハイビジョンおよび次世代DVDに関する調査 - BRI ブランド総合研究所 ニュースリリース 2007年8月27日
- ↑ 中国華録集団とAcerがBlu-rayを支持。BDAに加盟-松下が中国におけるBDオーサリングを技術支援 - Impress AV Watch 2007年8月31日
- ↑ 【ODS】TDK,容量200Gバイトの6層追記型Blu-ray Disc媒体を実現 - Tech-On! 2006年4月26日
- ↑ 記録媒体は「紙」へと回帰? 凸版印刷とソニーが紙基板のBlu-ray Discを開発 - Tech-On! 2004年4月15日
- ↑ 【続報】はさみで切れるBlu-ray Disc,その起源は紙製の飲料缶だった - Tech-On! 2004年4月16日
- ↑ 日本ビクター、トウモロコシのでんぷんから合成したポリ乳酸製のDVDメディアを開発 - Tech-On! 2004年12月6日
- ↑ 次世代光ディスクの画質を上げるPHLエンコーダーとは? - ITmedia +D LifeStyle 2006年9月1日
- ↑ 本田雅一のAV Trends 最高品質を求めたBD版「パイレーツ」制作の裏側【後編】~ ディズニーがDIマスターを初蔵出し ~H.264エンコーダもパイレーツに最適化 - Impress AV Watch 2007年5月24日
- ↑ Javaが映像とネットをつなげる CGMを採り入れる次世代DVDの世界 - @IT 2007年5月12日
- ↑ ネットランナー8月号「いけにえ君 アバッ!ヒデブゥ」コーナー
- ↑ スーパーハードコートの技術名をDURABIS(デュラビス)に統一し、グローバルに幅広く展開。 - TDKプレスリリース 2005年1月6日
- ↑ ソニー、MPEG-4 AVCトランスコード対応新BDレコーダ-320GB HDDを800GB相当に。4モデルを実売14万円から - Impress AV Watch, 2007年9月12日
- ↑ 25.0 25.1 25.2 25.3 25.4 業界初 Blu-ray Discドライブをパソコンメーカーへ出荷 - 松下電器 ニュースリリース 2006年4月21日
- ↑ 詳細・スペック LF-MB121JD Blu-ray Discドライブ(ブルーレイ) - Panasonic
- ↑ Windowsパソコン用内蔵型BD-ROM DVD/CDライター「BDC-S02J」シリーズ2機種を新発売 - パイオニア株式会社 報道資料 2007年7月24日
- ↑ 撮像から記録まで1920×1080画素のフルハイビジョンで一貫して処理するための民生用ビデオカメラ向け基幹技術を新開発 - 日立製作所プレスリリース 2007年7月20日
- ↑ HITACHI Wooo World ビデオカメラ BDカメラ商品紹介 - 日立製作所
- ↑ 世界で初めてBDを記録メディアに採用した「BDカム(ブルーレイカム)」Wooo 2機種を発売 - 日立製作所プレスリリース 2007年8月2日
- ↑ 世界初ビデオカメラ用8cm Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)追記型BD-R/書換型BD-RE ディスク新発売 - 日立マクセルニュースリリース 2007年8月2日
- ↑ 世界初!ブルーレイディスク(BD)ビデオカメラに対応した8㎝ブルーレイディスクを発売 - 三菱化学メディア株式会社プレスリリース 2007年8月2日
- ↑ BD/HD DVDコンボは次世代規格争いの福音か? - AV Watch 2007年9月7日
- ↑ Blockbuster Says It Will Back Blu-ray in DVD Format Wat, The New York Times, 2007年6月18日
- ↑ 米Blockbuster、Blu-ray支持表明――「レンタル数で大差」 ITmedia News, 2007年6月19日
- ↑ JVC Develops World's First Blu-ray/DVD Combo ROM Disc Technology - JVC Press Releases(英語)2004年12月24日
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