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ゆうちょ銀行
英名 Japan Post Bank
統一金融機関コード 9900(当面)
SWIFTコード JPPSJPJ1(当面)
代表者氏名 社長取締役代表執行役会長(CEO)・古川洽次
取締役兼代表執行役社長(COO)・高木祥吉
店舗数 234店舗
従業員数 1万1,600
資本金 3兆5,000億
総資産 約226兆9,910億
貸出金残高
預金残高 約188兆
設立日 2006年9月1日
(株式会社ゆうちょ)
本店 所在地 〒100-8799
東京都千代田区丸の内2丁目7-2
東京中央郵便局
電話番号 03-3284-9618
外部リンク http://www.jp-bank.japanpost.jp/
特記事項:

本社所在地:東京都千代田区霞が関1丁目3-2(日本郵政本社ビル)
本社電話番号:03-3504-4411(日本郵政グループ代表)
特記なき場合は2007年10月1日現在の情報
注1:銀行業免許を取得したうえで、発足日2007年10月1日
「株式会社ゆうちょ銀行」となり、旧日本郵政公社から事業を承継。

ゆうちょ銀行本社(東京都千代田区霞が関1丁目、日本郵政本社ビル)
ファイル:東京中央郵便局 全景.jpg
ゆうちょ銀行本店(東京都千代田区丸の内2丁目、東京中央郵便局内)
ファイル:HachinohePostOffice.jpg
ゆうちょ銀行直営店舗が併設されている郵便局の一例(八戸郵便局)オレンジ色の「郵便局」の看板とは別に、緑色の「ゆうちょ銀行」の看板も取り付けられている
ファイル:大阪中央郵便局・ゆうちょ銀行大阪支店.JPG
大阪中央郵便局・ゆうちょ銀行大阪支店の入口。郵便局・ゆうちょ銀行両社のロゴが併記されている
ファイル:大阪南郵便局城南寺町分室.JPG
大阪南郵便局城南寺町分室入口付近。ゆうちょ銀行の社章やロゴ入りのATMコーナーのサインが見える

株式会社ゆうちょ銀行(ゆうちょぎんこう、英称:Japan Post Bank Co.,Ltd.)とは東京都千代田区に本社・本店を置く、日本銀行である。

愛称は「JP ゆうちょ銀行」(英通称はJP BANK)。

コーポレートカラーは「ゆうちょグリーン」。

概要[編集]

郵政民営化関連6法(ゆうちょ銀行の直接の根拠法は郵政民営化法)公布による郵政民営化の準備に伴い、2006年9月1日に準備会社として株式会社ゆうちょが設立。2007年10月1日に改組改称され「株式会社ゆうちょ銀行」に移行し、日本郵政公社から主に郵便貯金事業等を引き継ぎ所要の施設・職員等を承継した委員会設置会社となった。

特殊会社としての設立形態を採らないため会社名は法定しておらず、法文上は郵便貯金銀行と表現されている。

現在は持株会社である日本郵政株式会社の完全子会社であるが、かんぽ生命保険とともに2009年度下期にも株式上場する方針である。

窓口業務は郵便局株式会社に委託しているほか、直営店も運営している。委託先の郵便局は貯金窓口を通じて、ゆうちょ銀行の代理店(銀行代理業務・金融商品仲介業務)として業務を行っている。

ゆうちょ銀行は総資産が約226兆円で、以前業界トップだった三菱UFJフィナンシャル・グループの約187兆円を抜き2007年現在世界最大の銀行である。

管轄税務署は麹町税務署である。

沿革[編集]

  • 2006年9月1日 - 「株式会社ゆうちょ」が民営化準備会社として設立。
  • 2007年10月1日 - 「ゆうちょ銀行」と改組改称され発足。

就任役員[編集]

各種サービス[編集]

普通預金
  • 通常貯金
    貯金通帳の発行料・維持料は無料である。1円以上から開設することができ、ATMでの預け入れ・引き出しには時間帯や曜日に関係なく手数料はかからない。民営化前に契約された通常郵便貯金も含まれている。電信振替や定額・定期貯金の機能が付いたものは「総合口座通帳」(旧・郵便貯金総合通帳「ぱ・る・る」)という名称になり、これと後述する振替口座(振替貯金)に限り、「口座」という名称を用いる。
  • 通常貯蓄貯金
    残高が10万円以上あれば通常貯金よりも高い利子が付けられる。その他の点については通常貯金と変わらない。民営化前に契約された通常貯蓄貯金も含まれている。
定期性預金
貸付け
為替・振替
外国為替・外貨取り扱い
その他
  • 給与預入
  • 年金自動受取り
  • 確定拠出年金
  • 自動払出預入
  • 投資信託
    ゆうちょ銀行は当面の間は貸付業務を行うことができないため、収益確保の大きな柱として「投資信託」の販売に力を入れる方針である。ただ、金融商品取引法の施行に伴い顧客に対して十分な説明が必要となるなど規制が強化されることから今後どれだけ顧客を安定的に増やすことができるかが課題となっている。ちなみに郵便貯金のマスコットキャラクター「ユウちゃん・アイちゃん」は民営化により廃止となったが、投資信託のマスコットキャラクター「ますますくん」は民営化以降も引き続き使用されている。日本郵政公社では「郵便局の投資信託」のネーミングであったが、ゆうちょ銀行では単に「資産運用」とネーミングされている。
  • 国債

店舗・事務組織[編集]

職員と施設は下記の貯金事務センター・地域センター・郵便局において銀行直営店に関係するものだけを引き継ぎ、それ以外については郵便局株式会社に引き継がれた。ゆうちょ銀行が直営店を置く郵便局においては郵便局会社は貯金業務の取り扱いを行わず別法人となるため、大方の局の事務室の壁が郵便・保険窓口と銀行窓口で仕切られていたり、フロアが別々となっている。

店舗及び事務組織については次のように設置された。

  • 直営店は全国233箇所(統括店13、一般店220)。
    • 直営店は基本的に郵便局内に併設されるが、従来の集配局とは限らない。また、郵便局名と併設されているゆうちょ銀行の支店名が異なる場合があるので注意が必要。
      (例)ゆうちょ銀行須磨店は須磨北郵便局内に置かれている。須磨郵便局内にはないので注意が必要。
    • 沖縄県における直営店は統括店のみで、一般店は設置されない。
    • 県庁所在地では唯一、三重県津市に直営店は設置されない。
    • いずれの直営店もスペースなどの都合で今後隣接地等に移設される可能性もある。
    • 下表中の太字が統括店で旧公社の支社に替わるものとして旧支社管内毎に1店ずつ設置される。統括店は本店横浜店を除き「○○支店」、横浜店および一般店は「○○店」(正式名称は「(○○支店○○出張所)」と称する。統括店ながら出張所の横浜店は、店長に執行役クラスを配置していることから、他の一般店とは扱いが明らかに上である。
  • 貯金の計算業務を行う貯金事務センターはそのまま旧公社から引き継ぐ。ただし、旧公社の沖縄支社が受け持っていた貯金管理事務(貯金事務センター業務)は沖縄支店の一組織となる。横浜貯金事務センターは旧関東・南関東両支社管内を引き続き担当する。
  • 全国49箇所に「地域センター」が設けられ、対顧客のコールセンター、店舗および郵便局への管理・サポート業務等を行う。
    • 従来の「郵便貯金○○センター」、「郵便貯金○○都道府県サポートセンター」を改組する形となる。店舗の秋田店と郡山店は、郵便局ではなく地域センターに併設される。
旧公社
支社名
所管貯金
事務センター
所管地域
センター
店舗
店名 所在郵便局等
北海道 小樽 道央 札幌支店 北海道庁赤れんが前郵便局
札幌東 札幌東郵便局
道南 函館 函館北郵便局
道東 帯広 帯広郵便局
釧路 釧路中央郵便局
東北 仙台 青森 青森 青森中央郵便局
八戸 八戸郵便局
岩手 盛岡 盛岡中央郵便局
宮城 仙台支店 仙台中郵便局
仙台東 仙台東郵便局
秋田 秋田 秋田地域センター
山形 山形 山形中央郵便局
福島 郡山 福島地域センター
福島 福島中央郵便局
いわき いわき郵便局
関東 横浜 茨城 水戸 水戸中央郵便局
日立 日立郵便局
つくば 筑波学園郵便局
栃木 宇都宮 宇都宮中央郵便局
小山 小山郵便局
群馬 前橋 前橋中央郵便局
高崎 高崎郵便局
太田 太田郵便局
埼玉 さいたま支店 さいたま中央郵便局
大宮 大宮郵便局
与野 与野郵便局
浦和 浦和中郵便局
川口 川口郵便局
朝霞 朝霞郵便局
所沢 所沢郵便局
草加 草加郵便局
越谷 越谷郵便局
春日部 春日部郵便局
上尾 上尾郵便局
桶川 桶川郵便局
北本 北本郵便局
久喜 久喜郵便局
川越 川越郵便局
熊谷 熊谷郵便局
深谷 深谷郵便局
千葉 若葉 若葉郵便局
美浜 美浜郵便局
花見川 花見川郵便局
浦安 浦安郵便局
市川 市川郵便局
松戸 松戸北郵便局
流山 流山郵便局
柏郵便局
船橋 船橋郵便局
習志野 習志野郵便局
八千代 八千代郵便局
市原 市原郵便局
南関東 神奈川 横浜 横浜中央郵便局
鶴見 鶴見郵便局
港北 港北郵便局
横浜緑 緑郵便局
青葉台 青葉台郵便局
都筑 都筑郵便局
横浜港 横浜港郵便局
横浜南 横浜南郵便局
保土ヶ谷 保土ヶ谷郵便局
横浜旭 横浜旭郵便局
港南 港南郵便局
横浜金沢 横浜金沢郵便局
戸塚 戸塚郵便局
横浜泉 横浜泉郵便局
瀬谷 瀬谷郵便局
川崎 川崎中央郵便局
中原 中原郵便局
高津 高津郵便局
宮前 宮前郵便局
登戸 登戸郵便局
横須賀 横須賀郵便局
大船 大船郵便局
藤沢 藤沢郵便局
橋本 橋本郵便局
大和 大和郵便局
座間 座間郵便局
厚木 厚木郵便局
茅ヶ崎 茅ヶ崎郵便局
平塚 平塚郵便局
秦野 秦野郵便局
小田原 小田原郵便局
山梨 甲府 甲府中央郵便局
東京 東京 東京 本店 東京中央郵便局
京橋 京橋郵便局
芝郵便局
赤坂 赤坂郵便局
新宿 新宿郵便局
牛込 牛込郵便局
小石川 小石川郵便局
浅草 浅草郵便局
深川 深川郵便局
城東 城東郵便局
品川 品川郵便局
目黒 目黒郵便局
蒲田 蒲田郵便局
田園調布 田園調布郵便局
世田谷 世田谷郵便局
成城 成城郵便局
渋谷 渋谷郵便局
代々木 代々木郵便局
中野 中野郵便局
杉並 杉並南郵便局
荻窪 荻窪郵便局
豊島 豊島郵便局
荒川 荒川郵便局
赤羽 赤羽郵便局
板橋 板橋西郵便局
練馬 練馬郵便局
光が丘 光が丘郵便局
葛飾 葛飾郵便局
葛飾新宿 葛飾新宿郵便局
葛西 葛西郵便局
武蔵野 武蔵野郵便局
三鷹 三鷹郵便局
西東京 西東京郵便局
調布 調布郵便局
小金井 小金井郵便局
小平 小平郵便局
多摩 多摩郵便局
町田 町田郵便局
立川 立川郵便局
八王子 八王子駅前郵便局
信越 長野 長野 長野支店 長野中央郵便局
松本 松本郵便局
飯田 飯田郵便局
新潟 新潟 新潟中央郵便局
新潟中 新潟中郵便局
長岡 長岡郵便局
北陸 金沢 富山 富山 富山中央郵便局
高岡 高岡郵便局
石川 金沢支店 金沢中央郵便局
福井 福井 福井中央郵便局
東海 名古屋 静岡 静岡 静岡中央郵便局
清水 清水郵便局
浜松 浜松郵便局
沼津 沼津郵便局
吉原 吉原郵便局
愛知 名古屋支店 名古屋中郵便局
名古屋駅前 名古屋中央郵便局名古屋駅前分室
中村 中村郵便局
中川 中川郵便局
守山 守山郵便局
千種 千種郵便局
昭和 昭和郵便局
名古屋緑 緑郵便局
一宮 一宮郵便局
小牧 小牧郵便局
刈谷 刈谷郵便局
安城 安城郵便局
岡崎 岡崎郵便局
豊橋 豊橋郵便局
岐阜 岐阜 岐阜中央郵便局
大垣 大垣郵便局
三重 四日市 四日市郵便局
松阪 松阪郵便局
近畿 大阪 滋賀 大津 大津中央郵便局
京都 京都 京都中央郵便局
京都北 京都北郵便局
左京 左京郵便局
伏見 伏見郵便局
大阪 大阪支店 大阪中央郵便局
淀川 淀川郵便局
都島 都島郵便局
大阪東 大阪東郵便局
大阪城東 大阪城東郵便局
天王寺 天王寺郵便局
阿倍野 阿倍野郵便局
生野 生野郵便局
住吉 住吉郵便局
堺郵便局
枚方 枚方郵便局
高槻 高槻駅前郵便局
茨木 茨木郵便局
箕面 箕面郵便局
池田 池田郵便局
豊中 豊中郵便局
吹田 吹田郵便局
守口 守口郵便局
寝屋川 寝屋川郵便局
布施 布施郵便局
八尾 八尾郵便局
藤井寺 藤井寺郵便局
松原 松原郵便局
岸和田 岸和田郵便局
奈良 奈良 奈良西郵便局
生駒 生駒郵便局
和歌山 和歌山 和歌山中央郵便局
兵庫 神戸 神戸中央郵便局
東灘 東灘郵便局
兵庫 兵庫郵便局
須磨 須磨北郵便局
垂水 垂水郵便局
尼崎 尼崎北郵便局
伊丹 伊丹郵便局
川西 川西郵便局
宝塚 宝塚郵便局
西宮 西宮郵便局
明石 明石郵便局
姫路 姫路郵便局
豊岡 豊岡郵便局
中国 広島 鳥取 鳥取 鳥取中央郵便局
島根 松江 松江中央郵便局
岡山 岡山 岡山中央郵便局
倉敷 倉敷郵便局
広島 広島支店 広島中郵便局
広島西 広島西郵便局
呉郵便局
福山 福山郵便局
山口 山口 山口中央郵便局
下関 下関郵便局
岩国 岩国郵便局
四国 徳島 徳島 徳島 徳島中央郵便局
香川 高松 高松中央郵便局
丸亀 丸亀郵便局
愛媛 松山支店 松山中央郵便局
今治 今治郵便局
高知 高知 高知中央郵便局
九州 福岡 福岡 福岡 福岡東郵便局
博多 博多郵便局
北九州 北九州中央郵便局
久留米 久留米郵便局
佐賀 佐賀 佐賀中央郵便局
大分 大分 大分中央郵便局
別府 別府郵便局
長崎 長崎 長崎中央郵便局
佐世保 佐世保郵便局
熊本 熊本支店 熊本城東郵便局
八代 八代郵便局
宮崎 宮崎 宮崎中央郵便局
鹿児島 鹿児島 鹿児島東郵便局
沖縄 那覇 沖縄 那覇支店 美栄橋郵便局

喫緊の話題[編集]

  • 全銀システムへの接続
    民営化後も当分全銀システムに接続されないため、相互送金提携をしていない金融機関への振込等は当面できない。日本郵政の西川善文社長は、記者会見などで2008年5月ごろまでに接続する方針を示している。なお全銀協は、ゆうちょ銀行の協会加盟を当面認めない方針を示している[1]
  • 住宅ローン事業への参入
    地銀協の小川是会長(横浜銀行頭取)は記者会見の中で民営化の準備企画会社である日本郵政が複数の地方銀行に対してゆうちょ銀行が参入する住宅ローンの提携打診をしていることを明らかにした上で、横浜銀行としては提携を拒否する方針を示した[2]。関係者によると、日本郵政が横浜銀行をはじめとする10行以上の地銀に対して住宅ローン参入に向けての商品と人材の提供と商品のアイディアをそれぞれ求めたという。その後、主要地銀10行がゆうちょ銀行との提携を断る意思を示した[3]。なお、全銀協の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は記者会見の中で郵便局が代理店として他の金融機関に顧客を紹介する業務については一定の理解を示した[4]。ただし、ゆうちょ銀行による新規事業への参入については時期尚早であるとして釘を刺した。その後、日本郵政の西川善文社長は9月中に提携先を確定させ、当面は地方銀行の商品を提供する代理店業務を行う意向を示し[5]静岡県に拠点を置くスルガ銀行との業務提携交渉を進めることで合意したと発表した[6][7]。協議が妥結した後、郵政民営化委員会の審査を経たうえで政府からの認可を受け、2008年夏からの販売を目指す。東京・大阪・名古屋の三大都市圏にあるゆうちょ銀行の直営店約50店舗でスルガ銀行の商品を代理販売することで、融資業務に関するノウハウを取得し、1~2年後には自行で開発した商品を販売する予定である。なお、これまで民間の金融機関が融資に対して慎重だった独身女性や個人事業主などの顧客層を対象として、若干の金利を上乗せした商品を販売することを検討している。また日本郵政は今後、他行からの業務提携の申し出があった場合には積極的に受ける姿勢を示している。
  • 地方公共団体の公金管理手数料
    地銀協は郵便局が現在行っている地方公共団体の公金管理の手数料をゆうちょ銀行発足後に是正するように求める意見書を総務省に提出したと発表した[2]。現在は根拠法の違いにより、民間の金融機関が無料で行っているのに対し日本郵政公社(ゆうちょ銀行)は手数料を徴収している。また、全都道府県は現在郵便局が行っている地方自治体の公金収納手数料が民間金融機関に比べて著しく高いとして今後是正を求める方針を打ち出した。東京都の場合、民間金融機関の手数料が一件当たり2円なのに対し郵便局は65円とその差30倍以上である。加えて、多くの自治体の求めに応じて民間金融機関は手数料を無料にしているのに対して郵便局は最低でも1件30円の手数料を取っている。この高い料金の根拠となっている法律(郵便振替法)が廃止される(現在は既に廃止された)ことから、民間並みの手数料に引き下げるよう求めたのである。
  • クレジットカード事業への参入
    2007年4月13日にはVJA加盟およびJCBのフランチャイジーとしてゆうちょ銀行本体がクレジットカード事業に自ら参入する方針があることが各紙で報じられた。現在クレジットカードなどと一体型のキャッシュカードである共用カードが存在するが、ゆうちょ銀行自体が発行することで収益源とするものである。
  • 変額年金保険事業への参入
    ゆうちょ銀行は銀行が積極的に販売を行っている変額年金保険事業へ参入する姿勢を示している。今後、民間の生命保険会社と業務提携を結び、民間の商品を代理販売することを検討している[8]
  • 勘定系システム
    2007年5月に入札が行われ、6月12日に旧UFJ銀行の基幹システムをNTTデータ日立製作所連合から調達することを決定した。他行のシステムを採用することは異例で、2009年11月の稼働を目指している。調達価格は2012年1月までの契約で220億円(税抜)となっている。日本郵政公社では、現行の郵便貯金システムには、外貨預金や住宅ローンなどに対応をする機能がないため、大手行の既存システム[9]を採用することで短期間での準備とシステム開発費用の圧縮につながるとしている。
  • 資金運用先の開拓
    これまで郵便貯金が集めた資金は法令で運用の対象が安全資産に限定されていたため、全体の約83%が国債の運用に充てられている。日本郵政の西川善文社長は共同通信社などのインタビューに対して、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の金利変動の受けやすい現状を改善するため、金利スワップ先物取引などの金融派生商品、他の金融機関との協調融資、信託受益権の売買などによる、多角的な資金運用を行いたいとの姿勢を示している。
  • 民営化に伴うシステムトラブル
    他の金融機関と同様に発足当日のシステムトラブルが心配された。ゆうちょ銀行では、銀行内部で使用している「顧客情報管理システム」がつながりにくくなるトラブルが全国的に発生し[10]、原因不明のまま1週間が経過してしまった[11]。これにより一部の郵便局で同一名義の口座を統合する「名寄せ」や新規預け入れなどの業務が滞った。このシステムはゆうちょ銀行に口座を持つすべての顧客氏名・住所・生年月日・貯金残高などの情報をコンピュータで管理しており各郵便局にある窓口端末から職員が接続し、情報を確認することができるものである。当初、このシステムトラブルの原因は、発足当日に職員によるパスワード変更が集中したためとみられていたが、2日目以降もトラブルが解消されなかったため、詳しい調査が進められていた。その後、データが集中したときの処理能力が不足していることが判明したため、サーバなどの機器の増設やデータが集中しないようにプログラムの修正などを行った結果、10月9日午前中までに完全復旧した[12]。なお、ATMのトラブル・停止や手数料改定に伴う窓口での混乱などのトラブルは発生しなかった。

民営化に伴う貯金・施設等の取り扱い[編集]

民営化に伴う各種貯金等の取り扱いは以下のとおり。

流動性貯金
  • 通常貯金振替口座は民営化と同時にゆうちょ銀行に引き継がれる。なお、顧客から預かった金銭の名称については一般の金融機関が使用している「預金」ではなく「貯金」を引き続き使用する。
  • なお、通常貯金や振替口座を含めたすべての口座は、最後の利用から商法の「消滅時効」である5年間が経過すると「睡眠口座」となり、利用ができなくなる場合がある。
  • 従来、「ぱ・る・る」と呼ばれていた民間金融機関の総合口座に当たるものは「総合口座通帳」という名称を用いる。「口座」という名称があるのは、あくまで「振替口座(振替貯金)」の機能の一部(送金機能)を備えていることに起因するためで、通常貯金自体を口座と呼ばないのは従前通りとなる。
  • 当面は通常貯金や振替口座(通常貯蓄貯金を含む)の記号番号に変更はなく、従来と同様の利用方法となる。ただし、通常払込請求書の場合は印紙税の納付の関係で受領証裏面に印紙貼付欄が設けられるなどの変更があるが、当面は現行の用紙も利用可能である。電信払込請求書は従来のOCR用紙から大幅に変更された。
通帳・カード、ATM(現金自動預け払い機)利用時の取り扱い
  • キャッシュカード・ICキャッシュカード・共用カードはそのまま利用できる。
  • 通帳も郵便貯金総合通帳(ぱ・る・る)および通常貯蓄貯金通帳はそのまま利用できる。無余白となった際にゆうちょ銀行の総合口座通帳あるいは通常貯蓄貯金通帳に切替となる。ただし、担保定額・定期郵便貯金の欄については民営化前の預入が政府保証のままでありゆうちょ銀行に移管されないことに伴い利用ができなくなるため、通帳の切替(上述の総合口座通帳への変更)により利用可能となる。ただしICキャッシュカードを発行している場合は切替不要で利用できる。
  • 通常貯金通帳の冊数制限が撤廃されるが、複数の通帳を必要とする場合は理由如何によっては審査が行われる。
  • 定期・定額郵便貯金の通帳式証書については民営化後は余白があっても預け入れ(追加預入)ができず、民営化前に預入した貯金の払いもどしにのみ利用できる。民営化後に担保扱いではない(総合口座通帳とは別冊の)通帳式定期・定額貯金証書に預入する場合には新規預入となり新しい通帳が発行されるが、これに際しては総合口座通帳を窓口に提出する必要がある(通帳式定期・定額貯金証書に限らず、ゆうちょ銀行の通帳の発行には無余白などによる通帳再発行を除き、総合口座通帳を窓口に提出することで本人確認手続が行われる)。また、民営化前の通帳式定期・定額郵便貯金証書と異なる点としてゆうちょ銀行の通帳式定期・定額貯金証書に預入した資金を担保に貸付を受けることはできない。
  • 総合口座通帳における担保定額・定期貯金の欄は1冊における記入可能件数が「ぱ・る・る」の24件より増えて32件となっている(頁数は変わらず1件当たり通常貯金4行分→3行分に減らして対応)。また、1冊あたりの担保定期・定額貯金の預入可能件数も21件→30件に増枠された。
  • ゆうちょ銀行及び提携金融機関のキャッシュカードを使って同行ATMでの入金が行われた場合の「ご利用明細票」がこれまでは入金された金額の詳細が印字されたが、民営化以降は他のほとんどの金融機関と同様に入金額の詳細が印字されなくなり入金後の利用残高のみが印字される方式に変更された(なお、入金された金額の詳細は通帳に記帳された際に印字される)。
保証
  • 通常貯金や振替口座の保証は民営化時点で政府保証から一般の銀行と同じ預金保険に改められた。
  • 振替口座は決済用預金の扱いとなるが、他の銀行とは違い従来どおり無通帳となる。また指定した店舗・郵便局のみ本人払込・払出しができることや、自動払込み・給与預入などの指定に利用することができないなど、当面の変更はない。
  • 通常貯金・通常貯蓄貯金は決済用預金の扱いとはならず、従来の民間金融機関における普通預金貯蓄預金と同様の形態となる。
  • 定期性貯金(積立貯金等の類似するものを含む)は民営化前に預入したものは政府保証が継続されるが、民営化後に満期を迎えたものは自動継続が打ち切られる。満期の前でも払いもどし(解約)はできるが、同じ通帳式証書への追加預入はできない。
非課税貯金(マル優)
  • 利子に対する非課税貯金については廃止される。ただし定期性貯金で民営化前に預入されたものは満期まで継続。なお、他の金融機関と同じ枠でマル優(少額預金の利子に対する非課税制度)は他の金融機関と合計で350万円まで利用できる。流動性預金に当たる「通常貯金」「通常貯蓄貯金」のマル優扱いは全廃。定期性貯金のみマル優扱いができる。
預入限度額
  • 発足当初は1000万円まで。
  • 財産形成定額貯金等については例外的に別枠として550万円まで。
貯金払戻証書・為替証書・振替払出証書
  • 従来の期限が来るまでそのまま有効となる。
  • 民営化前振出分は再発行不可のため、再発行せず現金との引換となる。
自動払込み・給与預入・年金自動受取り・投資信託
  • すべてゆうちょ銀行にそのまま引き継がれた。
国際ボランティア貯金・介護定期郵便貯金・積立郵便貯金・住宅積立郵便貯金・教育積立郵便貯金・電信為替・通常振替
  • すべて廃止となた。
ゆうゆうローン
  • 郵便貯金・簡易生命保険管理機構に引き継がれている。
  • 定期郵便貯金を担保としている場合、民営化後は自動継続が打ち切りとなるため、貸付期限が満期まで繰り上がる。
ATM(現金自動預け払い機)コーナー
  • 民営化前、郵便局外に設置されているATMコーナーは最寄の外務員配置局(大概は旧集配局だが例外あり)によって管理されていたが民営化後は本店または支店により管理されることになる(例:八戸郵便局ラピア内出張所→仙台支店ラピア内出張所)。
  • ただし、通帳や明細に表示される取扱店番号は一部を除き、当面従来管理していた郵便局の番号のままとなる。
  • 郵便局設置のATMについても、正式な名称は「○○(統括)支店△△局内出張所」となった。ただし、窓口が設けられている直営店の場合は、直営店の正式名称がATMについても正式名称となる。
  • 郵便局内ATMの日常管理業務は直営店では直営店の社員が行い、それ以外においてはATMが設置されている郵便局会社運営郵便局の社員が、業務を受託する形で行う。
メルパルク・ぱ・る・るプラザ
その他
  • 基本的にゆうちょ銀行がそのまま引き継ぐ。決済システムは旧UFJ銀行の基幹システムを採用する予定。

脚注[編集]

  1. 全銀協 ゆうちょ銀加盟 当面拒否読売新聞2007年4月23日
  2. 2.0 2.1 横浜銀「どう考えてても大きい…」ゆうちょに協力拒否フジサンケイ ビジネスアイ・2007年9月13日
  3. ゆうちょ銀との提携応じず=住宅ローン事業で-主要地銀10行時事通信社・2007年9月19日
  4. 代理店業務は容認…ゆうちょ銀住宅ローンで全銀協会長フジサンケイ ビジネスアイ・2007年9月19日
  5. 地銀との提携、月内にも=ゆうちょ銀の住宅ローン参入-日本郵政社長時事通信社・2007年9月19日
  6. ゆうちょ銀とスルガ銀が業務提携で合意産経新聞・2007年9月26日
  7. ゆうちょ銀とスルガ銀、住宅ローンで提携日刊工業新聞・2007年9月27日
  8. 民営化のゆうちょ銀、住宅ローンにも参入・産経新聞・2007年9月19日
  9. 三菱東京UFJ銀行では旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行の勘定系システムがそれぞれ併存している。
  10. (2007-10-01) 日本郵政初日にシステム障害、顧客サービスに影響の可能性 読売新聞 2007-10-01 [ arch. ] 10月3日
  11. (2007-10-08) ゆうちょ銀システム1週間復旧せず、口座開設一部休止に 読売新聞 2007-10-08 [ arch. ] 10月10日
  12. (2007-10-09) 顧客システムの不具合、解消=処理能力引き上げ-ゆうちょ銀 時事通信社 2007-10-09 [ arch. ] 10月10日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

日本郵政グループ(JPグループ)
前身:日本郵政公社
JP各社: 日本郵政 日本郵便 郵便局 ゆうちょ銀行 かんぽ生命
旧契約の引継:郵便貯金・簡易生命保険管理機構
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