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2014年7月23日 (水) 09:02時点における版
オンラインゲーム(Online game、略してオンゲー。ネットゲーム、ネトゲとも呼ばれる)はコンピュータネットワークを利用したゲームの遊び方の一種、あるいはコンピューターゲームの一形態。
専用アプリケーションを使わずプログラム言語、HTMLソース等での汎用処理を行い主にWebページで動作するゲームはCGIゲームやブラウザゲーム(Webゲーム)と呼ばれる。
なお、日本において「ネットゲーム」は遊演体の登録商標であり、この場合は同社が主催するプレイバイメールを指す。
目次
概要
コンピュータネットワークを介して専用のサーバや他のユーザーのクライアントマシン(パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができる遊びを指す。インターネットが普及した後のオンラインゲームのほとんどはインターネットを介して接続するようになっているが、それ以前にもLAN環境を利用したり、ダイヤルアップ接続でアクセスしたりするものは存在した。古くは、専用機による囲碁や将棋などの遠隔対局システムもあった。
コンピュータゲーム、特にパソコン用ゲームにおいては、不具合解消あるいは新機能追加を目的としたヴァージョンアップのために、製作元のサイトからパッチが提供され、そのダウンロードが必須になることがある。またソフトの不正コピー対策などのための認証に、プレイ中ネットワーク接続が必須の仕様になっている場合もある。これらパッチのダウンロードや認証のためにオンラインであることが必要なだけで、他ユーザーとはゲーム進行が共有できない場合には、オンラインゲームには含めない。
またゲームの進行中はオンラインである必要はないが、開始や終了時にプレイ内容などのゲーム情報などが送信され、ランキングその他の情報として集計されるシステムを搭載するゲームについても、基本的に他ユーザーとゲーム進行が共有できない場合はオンラインゲームに含めない。こうしたゲームは「ネット対応」などと表現される。
オンラインゲームには、既存のゲームのプレイ環境がオンラインに変わっただけのもの(オンライン囲碁、など)から、オンライン専用にデザインされたコンピューターゲーム(MORPG/MMORPG、など)まで、様々なバリエーションが存在する。
また、テーブルトークRPGのチャットプレイ(オンラインセッション)や投稿参加型のマルチユーザーゲーム(定期更新型オンラインゲーム)など、必ずしもコンピュータによるゲーム進行処理やリアルタイム処理を必要としないゲームプレイも、オンラインの場で多数のユーザーを集めて行うものはオンラインゲームと呼ぶこともある(それらのうち、概ねサーバ処理を介さず、WWWコンテンツベース+管理者裁量による進行で行われるものは、特に「プレイバイウェブ」と呼ばれる)。
料金制度は、ゲーム製作(運営)企業によりゲームサーバが運営されている場合、一部の小規模なものを除き、ユーザーが月額いくらかの利用料金を支払う事でゲームプレイ可能期間を購入する定額課金制と、基本プレイ料金は無料だがゲーム内に登場するアイテムを販売して利益を得るアイテム課金制が一般的となっており、定額課金制でアイテム課金も行っているハイブリッド課金制のゲームもある。最近は、課金方式が(特に韓国産オンラインゲーム等で)ブラウザゲームの台頭もありアイテム課金制が主流となっている。 企業によっては、短期間の無料ゲームプレイが可能ないわゆる「お試し期間」を設け、新規ユーザー獲得を狙っているところもある。 また、誰でも無料で参加する事が出来るオープン・ベータテストと呼ばれる公開テスト期間を、正式サービス開始前に設ける事により、ゲームの最終テスト、宣伝、及びユーザー獲得を同時に行うケースも増加している(これに対しあらかじめ限定された人間のみで行うテストをクローズド・ベータテストと呼び、通常はオープン・ベータテストの前に行われる)。しかし、無料ベータテスト期間中だけ遊び正式契約はせずに、また別のベータテスト期間中のゲームへと渡り歩くユーザーも存在する。
問題点
諸問題によるサービス停止
オンライン専用ゲームは、様々な理由で短期間でサービス停止になる場合がある。以下はその代表例。
- トゥルーファンタジー ライブオンライン
- 開発途中で採算が合わないと判断され開発中止。
- 銀河英雄伝説VII
- β版としてパッケージがリリースされるも版権トラブルのため、サービスが終了。
- スター・ウォーズ ギャラクシーズ
- 管理会社のシステム管理が不十分で、修正パッチが出る度にバグが発生し、日本でのサービスが終了。
新規ユーザー確保および既存ユーザーの契約維持のため、近年増加しているインターネットカフェと提携して店内でのプレイを可能にしたり、契約解除されたユーザーアカウントを復活させるなどのキャンペーンなどを行っている。これらから(特に後発企業は)オンラインゲームでいかに採算を維持するか、新規ユーザーを獲得するかの難しさが伺える。
パッケージで販売されるゲームとは異なり、メーカーにとってサービス開始後も継続的にコストが発生する。そのため、ユーザーの契約を維持し解約させないために、ゲームシステムの設計が大量の時間を費やすことを必要としたものとなっているゲームが多いという指摘がある。
リアルマネートレード
ゲーム内の貨幣やアイテムを現実世界で売買する、リアルマネートレード (RMT) と呼ばれる経済行為がしばしば問題として扱われている。金銭の授受があるため犯罪に結びつきやすく、毎年数人の逮捕者が出ている。
不正行為
他方、チートと呼ばれる不正行為の問題があり、これにおいてはゲーム提供側とチート行為実行者の間でイタチゴッコが続けられている。同行為が横行しやすい(言い換えればゲーム提供側のセキュリティ意識の低い)ゲームでは、利用者離れが発生するケースも見られる(行為の内容に関してはチートの項を参照の事)。
エミュレートサーバ
オンラインゲームにおいてゲーム運営・開発者とは、まったく無縁な非公式なサーバが海外・国内を問わず運営する個人や団体が存在する。これもひとつのチートといわれることもある、通常の公式サーバよりも楽にゲームが進むというメリットがあるため手を出してしまうプレイヤーが多いようだ(詳しくは、エミュレータ (コンピュータ)#ゲームサーバエミュレータの項も参照)。
DDoS攻撃
DDoS攻撃などの標的にされる場合もある。2005年4月9日よりはじまった、『ファイナルファンタジーXI』のネットワーク障害や4月16日からの『ラグナロクオンライン』におけるネットワーク障害がこれが原因であるとされる。DDos攻撃はIPアドレスの偽装などを行う為、特定できない場合も多く今後も継続的にこのような攻撃が行われるようならば、プレイ自体できないことに追い込まれ、ゲームとして成り立たなくなってしまう。
管理側だけでなくユーザー側も数々の問題を抱えており、課金を盾に運営会社に対して脅迫まがいの行動に出る者、ユーザーの質が低いと嘆き、精神年齢が子供程度と見られてもおかしくないユーザーが参加し、迷惑を被ったベクトルを管理会社に向ける者、果ては「このゲーム終わったな」など公の場で発言するなどのネガティブキャンペーンと呼ばれる行動もある。ただし、ユーザー側の問題については下記の依存症ばかり取り上げられる事が多く、上記の事象は滅多に取り上げられていない。
依存症
オンラインゲーム依存症となる人もいる。学校・仕事を辞め外出せず、睡眠もほとんど取らずにプレイする人も存在する。例えば、ラグナロクオンラインのヘビー・ユーザーとして知られる声優の植田佳奈が「現実世界は出稼ぎ、ネット社会が現実」と発言して物議を醸した例がある。そのような人々は「廃人」などと揶揄され、引きこもりやニートを生んでいるという意見もある。声優の緑川光のように廃人をも超越した存在として「超廃人」と呼ばれる人も存在する。ロシア・韓国・中国では過度のネットゲームのプレイを行ったことにより身体に極度の負荷がかかり死亡したというケースも存在する。韓国では2005年8月にインターネットカフェで連続50時間ネットゲームをプレイして死亡するという事件も起きており、アジア諸国では社会問題となり、タイや中国では法によりプレイ時間が規制されている。 日本でも「ネトゲ廃人」「ネトゲ廃女」など、このような問題を扱った書物が出版されている。
ゲームの模倣問題
オンラインゲーム大国と呼ばれる韓国のオンラインゲームの一部は、既存のゲームのモデリングなどを流用したものも見受けられる。例としてWebZenの『Wiki』が任天堂の『ゼルダの伝説 風のタクト』以降のデザインを盗作し、任天堂が韓国の提携会社を通じて公式の警告文を送った。またNexonの『カートライダー』が任天堂の『マリオカート』シリーズの盗作と非難され(中国ではそのカートライダーを更に盗作したゲームもあり、色々と問題が起きている)、ネオプル社の『新野球』がコナミの『実況パワフルプロ野球』の盗作とされコナミから提訴されるなど、韓国の著作権などの甘さを浮き彫りにしている側面もある。
アイテム課金の弊害
『Seal Online』、『マビノギ』、『Master of Epic』等これまで月額課金を行っていたゲームが総じて接続無料のアイテム課金にシフトし始めている。アイテム課金に関しては韓国産オンラインゲームによく見られ、現金を使いアイテムを購入することでゲームプレイが有利になるように仕組まれている。逆に言えば同時期に始め、現金でアイテムを購入したユーザーとそうでないユーザーの間の差が広がりすぎること、それに伴いアイテムを現金で購入しなければゲームを楽しめないこと、接続無料によって気軽にゲームをプレイできる反面、外国人の出稼ぎプレイヤーや小学生など精神的に未熟なユーザーが多く流入し、今まで培ってきたゲームの雰囲気を壊すという問題もある。
また、接続無料のアイテム課金について、
- 広告で「無料」ばかりが強調され、有料コンテンツが含まれていることが表示されていない。
- ゲームサイトにアクセスした途端に高額な請求をされる。
などの問題点がある。
その他
ゲームになれたプレイヤー(いわゆる中級者)になると、「ゲームに詰まった」「上級者に勝てない」と言う理由で初心者狩りを始めるプレイヤーもいる。 特に対戦を主眼とするオンラインゲームに多く、初心者離れを起こす原因となっている(特に『Gunz The Duel』などでこの現象が顕著である)。
中国や韓国では、オンラインゲーム上のトラブルが発端となり殺人事件にまで至ったケースが存在する。
また、2007年ごろから、感染するとゲーム内の通貨が盗まれてしまうコンピュータウィルスが多数出始めた。アカウントハックについても参照。
“ガンダムのネトゲ” オンラインゲームで「下手くそ」「使えない」口論、自宅に乗り込んできた相手を刺した無職男、逮捕(2013年11月)
埼玉県警岩槻署は10日までに、知人男性(32)を包丁で刺したとして殺人未遂の疑いで、さいたま市岩槻区の無職・斎藤純一(31)を現行犯逮捕した。男性は腹部を刺され、重傷。
岩槻署によると、2人は12年前にゲームセンターで知り合い、その後も交流を続けた。9日夜、それぞれの自宅でパソコンのオンラインゲームをしていたところ、言い争いに発展した。アニメ・ガンダムのゲーム中に音声チャット上で「お前、弱い」「使えない」「下手くそ」などと口論になったという。
男性は「話の決着をつけよう」と車を運転し、斎藤宅を訪問。男性が路上でクラクションを鳴らすと、斎藤が自宅から持ち出した包丁を手に姿を現し、男性の腹部を刺した。
斎藤は容疑を認めており、「以前に男性から殴られたことがあり、やられると思って刺したが、殺すつもりはなかった」と供述している。斎藤容疑者は自ら自分の父親に男性を刺したことを告げ、父親が「息子が人を刺した」と110番。岩槻署員が現場で逮捕した。
コンシューマーゲームでのオンラインゲーム
従来のオンラインゲームは基本的にパソコンゲームとして製作されているが、ハードの高機能化にともないコンシューマーゲーム機向けオンラインゲームも作られるようになってきた。
XBAND
1994年にアメリカのカタパルト社によって、SNES(スーパーファミコン)、セガジェネシス(メガドライブ)の電話回線による通信対戦サービス『XBAND』が開始され、これがコンシューマーにおけるオンライン対戦サービスの元祖となる(それ以前にも、個別のゲームソフトで通信対戦をサポートしていたものは存在した)。
日本でもニフティサーブを運営していた日商岩井が米カタパルト社と提携してカタパルト・エンタテインメントを設立して1996年4月にスーパーファミコン、同年7月にセガサターンでのサービスを開始したが、1997年9月にカタパルト・エンタテインメントがXBANDより撤退。セガサターン版のみをセガが運営を引き継ぐことになった(1999年7月にサービス終了)。
セガ
ハードメーカーがオンラインゲームを推進したのはセガが最初である。
メガドライブ用のゲームダウンロードサービス『ゲーム図書館』やセガサターンでの「セガサターンネットワークス」(XBANDや、インターネット接続などのサービス)において通信サービスのノウハウを収集したセガは自社のゲーム機ドリームキャストにアナログモデムを標準搭載し、プロバイダに入っていない年少の購入者向けにインターネットプロバイダ「イサオネット」を設立して連携、Webブラウザを無料配布したり、オンラインゲーム以外でもネットに接続することで追加データをダウンロードできる等の特典を付加することによってオンライン接続を積極的に推進するとともに、『ファンタシースターオンライン』などのオンラインゲームを展開した。
ソニー・コンピュータエンタテインメント
ソニーはプレイステーション2にオプションでPlayStation BB Unitを追加することでPlayStation BBというサービスを展開していた。プレイステーション・ポータブル・プレイステーション3ではPlayStation Networkとして引き継がれている。また、海外で開発されたXlink Kaiというツールを使ってオンラインゲームを楽しむユーザーもいる。
マイクロソフト
マイクロソフトはXboxでイーサネット端子を標準搭載しており、インターネットプロトコルの上に独自のクローズネットワークを構成する形式のXbox Liveシステムを展開している。これはXbox Liveのアカウントを作成(月額、または年額での固定料金が必要)すれば、基本的なオンライン対戦などのサービスが共通で受けられるもの。フレンドリストによる対戦プレイヤーの管理(ゲーム中から登録したプレイヤーがいま何のゲームをプレイしているかなどを確認し、今プレイしているゲームに招待するといった機能)を実現した。
このシステムは2005年11月に販売が開始されたXbox 360にも継承されている。Xbox Liveでもっとも成功したオンラインゲームはファーストパーソン・シューティングゲーム『HALO2』であろう。Xbox Liveは次期パソコン用OSとなるWindows Vistaでも対応し、一部のゲームタイトルではXbox 360とパソコンとで相互に対戦等の同時プレイが可能である。
任天堂
任天堂はファミコンディスクシステムのディスクをゲーム店にあるオンライン端末に入れることで全国のプレイヤー間のハイスコアランキングを行う『ディスクファクス』や、衛星放送の電波を通じてゲームを配信する『サテラビュー』、オンラインで旧ハードのゲームを販売する『ニンテンドウパワー』といった業務用のネットワークサービスの活用には積極的だったが、各家庭のゲーム機を使用したオンラインゲームには消極的な姿勢を見せていた。
これは、「ゲームは子供のもの」という任天堂のゲームに対する方針から、プレイするのに専門的な知識が必要で、通信費・プレイ料金が高くついたり、クレジットカードが必要だったりするオンラインゲームは子供にとってはハードルが高すぎるという判断であった。年を追うごとにNINTENDO64と64DDでインターネットに接続する『ランドネット』、ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンスと携帯電話を繋いでデータ通信を行う『モバイルシステムGB』といったサービスを展開していったがいずれも商業的には成功せずNINTENDO64の後継機であるニンテンドーゲームキューブでは『ファンタシースターオンライン』など、一部のソフトでネットワークを使用するに留まった。
しかしながら、ブロードバンドインターネット接続の急速な普及によりこれらの問題は解決できたとして、2005年11月から、「カンタン・あんしん・無料」をモットーとしたニンテンドーDSの無線LAN機能を活用する『ニンテンドーWi-Fiコネクション』を開始した。これは家庭内の無線LANでの接続に加え、ゲーム販売店など約1000箇所に設置された専用のアクセスポイントやFREESPOTから任天堂のゲームについては課金を行わないことで手軽にオンラインゲームを楽しんでもらえるとしている。ニンテンドーWi-Fiコネクションは後に発売されたWiiにも対応している。『ニンテンドーWi-Fiコネクション』に最初に対応したソフト『おいでよ どうぶつの森』は400万本以上の大ヒットとなった。
メディア展開
オンラインゲームそれぞれのタイトルによっては、メディアミックス展開を行っている事例が見られるようになっている。主立った物としては、オンラインゲームを原作とした小説や漫画の刊行が代表的な物だと言える。特に漫画の場合は、独立した1本の作品だけでなく、アンソロジーも多数刊行されている。また『無限戦記ポトリス』(『ポトリス』シリーズ)『RAGNAROK THE ANIMATION』(『ラグナロクオンライン』)『Master of Epic The Animation Age』(『Master of Epic -The ResonanceAge Universe-』)『ときめきメモリアル Only Love』(『ときめきメモリアルONLINE』)のようにアニメーション化されたゲームも出ている。この他、オンラインゲームの情報番組がCS放送やインターネットテレビ、地上波ラジオ番組やインターネットラジオで放送されているほか、ハンゲームやネクソンジャパンのようにテレビコマーシャルを積極的に放送している事例もある。
また、既存の漫画・小説・アニメ作品を原作としたり、既存の作品などとコラボレーション企画を行ったりするオンラインゲームも見られる。前者の例では韓国の漫画『ラグナロク』を原作とする『ラグナロクオンライン』をはじめ、韓国人著書の『ルーンの子供たち』を原作とする『テイルズウィーバー』や、『最遊記RELOAD GUNLOCK』のオンラインゲーム版、企画開発段階では『ドラゴンボールオンライン』『BASTARD!! ONLINE』『北斗の拳オンライン』などがあり、後者の例では『エミル・クロニクル・オンライン』と『デ・ジ・キャラット』、『トリックスター』と『月面兎兵器ミーナ』、『とぅいんくる』と『ひぐらしのなく頃に』、変わったところでは『墨香オンライン』と「2ちゃんねる」などがコラボレーション企画を行っている。