山形駅
山形駅(やまがたえき)は、山形県山形市香澄町一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
目次
乗り入れ路線[編集]
当駅に乗り入れている路線は、線路名称上は奥羽本線のみである。当駅は奥羽本線上を走るミニ新幹線である山形新幹線の停車駅であり、一方、奥羽本線の在来線としての愛称として「山形線」が設定されている。また羽前千歳駅を終点とする仙山線、北山形駅を起点とする左沢線の列車も当駅まで乗り入れている。この両路線は軌間1,435mmの標準軌の線路を使用する山形新幹線および山形線とは異なり、一般的なJR在来線の同様に軌間1,067mmの狭軌であるため、両路線の列車は当駅 - 北山形駅 - 羽前千歳駅間では標準軌と並行して設けられた狭軌の単線を走行する。
歴史[編集]
- 1901年(明治34年)4月11日 - 官設鉄道の米沢駅からの開通時に終着駅として開業。一般駅。
- 1901年(明治34年)8月23日 - 官設鉄道が楯岡駅まで開通。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定、奥羽本線所属駅となる。
- 1921年(大正10年)7月20日 - 左沢軽便線(現在の左沢線)が羽前長崎駅まで開通。
- 1933年(昭和8年)10月17日 - 仙山西線(現在の仙山線)が羽前千歳駅から山寺駅まで開通。
- 1967年(昭和42年)7月20日 - 民衆駅として改築。駅業務部分が開業。
- 1967年(昭和42年)8月1日 - 「山形ステーションデパート」営業開始。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道の駅となる。
- 1992年(平成4年)7月1日 - 山形新幹線の福島 - 山形間が開業、橋上駅舎の供用を開始。
- 1993年(平成5年)
- 全天候型の東西自由通路「アピカ」が完成。
- 11月27日 - 新駅ビル全面営業開始。「ホテルメトロポリタン山形」「メトロプラザ」営業開始。
- 1996年(平成8年)3月16日 - コンテナ輸送を貨物列車からトラック便に転換(自動車代行駅化)。
- 1999年(平成11年)12月4日 - 山形新幹線が新庄駅まで延伸。
- 2002年(平成14年)
- 4月1日 - JR貨物山形駅が廃止され、代替として山形コンテナセンターが設置される。
- 12月19日 - 東口にペデストリアンデッキが完成。
- 2004年(平成16年)3月13日 - 同日のダイヤ改正より、列車によって異なっていた在来線列車の発車ホームを路線・方面別に統一。
- 2005年(平成17年)3月25日 - 在来線に自動改札機を導入(Suica非対応)。
- 2014年(平成26年)
駅構造[編集]
地上駅で、大規模な橋上駅舎を有する。山形新幹線、奥羽本線(山形線)、仙山線、左沢線の各ホームが地上にある。
新幹線ホームは1面2線。1番線は山形発着専用(新庄方面は行き止まり。頭端式ではない)である。新庄方面への直通は2番線のみを利用している。そのために2番線は上下線兼用であり、注意が必要である(山形始発でも2番線発車の列車がある)。ホームの長さはどちらも、山形新幹線7両分。新幹線ホームの新庄寄りに新幹線乗換改札口がある。なお2002年頃にこの新幹線乗換改札口は在来線改札の南に設置され、そこから在来線改札にわたって在来線利用客と新幹線利用客を分ける仕切りが存在したが、2004年夏までに撤去され現在の状態に戻った。
在来線ホームは2面5線。6番線は、5番線新庄方面の一部を切り欠いたホームである。うち3・4番線は標準軌の奥羽本線(山形線)、5 - 7番線は狭軌の仙山線・左沢線が使用する。3・4・7番線ホームの長さは、在来線10両分ある。(しかし他駅設備の関係上、現在の最高編成は6両)
各ホームとも発車メロディーを使用している。このうち、1 - 4番線は花笠音頭のメロディーである。また、当駅は東北地方では珍しく、途中切り可能となっている。駅名連呼の自動放送は現在行われていない(駅員による放送はある)。
直営駅(駅長・助役配置)で、管理駅として奥羽本線 蔵王駅 - 漆山駅間、仙山線 面白山高原駅 - 楯山駅間の各駅を管理している。なお、新幹線乗換口についてはJR東日本東北総合サービスに業務委託されている。
駅舎内部には、みどりの窓口(営業時間:5:30 - 22:00)、びゅうプラザ(営業時間:平日は10:00 - 18:00、土休日は10:00 - 17:00)、自動券売機、指定席券売機(みどりの窓口横)、Suica対応自動改札機、えきねっと受取機(みどりの窓口自動ドア外側)、自動体外式除細動器(AED)、駅レンタカー(駅西口)が設置されている。お客様相談室は、仙台支社管内の他駅同様、2012年1月31日をもって廃止された。売店は改札外にNEWDAYS、待合室内に土産店と駅弁売店、新幹線ホームにNEWDAYSとNRE売店(土産屋とそば屋併設)がある。また新幹線乗換口前で森弁当部が駅弁の販売をしている。
各ホームにエレベーターとエスカレータ(常時上りとして使用)が設置されている。
駅舎と一体化した全天候型の東西自由通路「アピカ」が駅の東西を繋ぐ。東側はホテルメトロポリタン山形やエスパル山形がある駅ビルと一体化し、東口のペデストリアンデッキまで段差なく続く。西側はペデストリアンデッキを経て霞城セントラル2階に接続する。
2002年12月19日に駅東口のペデストリアンデッキが完成した。それまでは、駅前通りに行くためには必ず横断歩道を渡らなければならなかったが、信号待ちをすることなく行き来できるようになったため、仙台駅ほどの利便性はないが歩行者にとっては以前より便利になった。このペデストリアンデッキは土地の構造上、駅前通りに向かってやや上り坂である。
2014年5月、山形デスティネーションキャンペーンに合わせて改札と周辺が改装され、観光案内所や物産店が開業した[2][3]。
のりば[編集]
標準軌 | ||||
1 | ■山形新幹線 | (上り) | 福島・宇都宮・大宮・東京方面 | 当駅始発 |
2 | ||||
(下り) | さくらんぼ東根・村山・新庄方面 | |||
3 | ■山形線 | (下り) | 天童・さくらんぼ東根・村山・新庄方面 | |
4 | (上り) | 米沢・福島方面 | ||
狭軌 | ||||
5 | 緊急時・臨時ホーム | 現在定期列車でこのホームを発着する列車はない | ||
6 | ■左沢線 | 寒河江・左沢方面 | ||
7 | ■仙山線 | 山寺・作並・愛子・仙台方面 |
駅弁[編集]
森弁当部、紅花軒(吉田精肉店)が販売する主な駅弁は下記の通り[4]。
- みちのく弁当の旅
- 大名弁当
- 山形特選牛めし
- やまがた味めぐり
- 花笠こけし
- おらだのごっつぉ(庄内豚弁当)
- 紅花の里
- いも煮弁当
- やまもり弁当
利用状況[編集]
2013年度の乗車人員は1日平均11,221人。
乗車人員推移[5] | |
---|---|
年度 | 一日平均乗車人員 |
1935 | 1,842 |
1994 | 13,350 |
1995 | 13,400 |
1996 | 13,340 |
1997 | 13,040 |
1998 | 12,650 |
1999 | 11,750 |
2000 | 11,800 |
2001 | 11,543 |
2002 | 11,306 |
2003 | 10,963 |
2004 | 11,000 |
2005 | 11,096 |
2006 | 10,963 |
2007 | 11,014 |
2008 | 10,994 |
2009 | 10,889 |
2010 | 10,562 |
2011 | 10,518 |
2012 | 10,860 |
2013 | 11,221 |
</div>
駅周辺[編集]
山形市の代表駅であるが、中心街からは離れている。山形駅は旧山形城三の丸内に建てられた。中心市街地が七日町-旅篭町の山形市役所一帯と、当駅から東に離れた場所にあるため周辺はやや寂しいが、商業地が形成されている。北側線路沿いにある山形城跡の霞城公園、および周辺の山形美術館が比較的近い。高校・大学は駅周辺に多数存在する。
駅前大通りは、道路拡幅工事が進められ、十字屋やヤマザワ山交ビル店などが並ぶ。隆盛時には七日町に匹敵する商業地だったが、駅前のビブレが撤退するなどやや陰りが見えている。2005年11月20日に山交ビルの中核を担っていたダイエー山形店が閉店したが、2006年3月19日にヤマザワ(スーパーマーケット)・ドラッグヤマザワが山交ビル店としてダイエー建物跡を利用し開店した。
鉄道輸送と連携して、駅西には昭和初期から鐵興社(後に合併して東ソー)の山形工場があったが、駅西の再開発計画とともに郊外に移転した。再開発によって、霞城セントラル(官民複合型ビル)や山形テルサ(複合施設)等ができ、市街地を駅西に拡大した。しかし財政状況の悪化により、建設予定だった多目的ホール「新県民文化施設(仮称)」の建設計画が凍結されるなど、景気低迷の影響が現れている。近年では、主に西口でホテルやマンションの建設が盛んである。東口では山形ビブレ跡地を活用するため準備会が設立され地権者などとの話し合いが進められている[6]。
- 山形駅ビル内
- S-PAL山形(山形駅ビル内)
- ホテルメトロポリタン山形(山形駅ビル内)
- ホテルメトロポリタン山形内
- 平田牧場ホテルメトロポリタン山形店(2F)
- 東口
- 西口
- 霞城セントラル
- 山形市役所市民課証明センター
- 霞城セントラル郵便局
- 山形駅西口ワシントンホテル(霞城セントラル内)
- 東横イン山形駅西口
- リッチモンドホテル山形駅前
- ホテルルートイン山形駅前
- 山形テルサ
- マックスバリュ山形駅西口店
- 山形市立第三中学校
- 霞城セントラル
駐車場・駐輪場[編集]
- 駐車場は東口・西口双方に多くある。全て有料である。
- 駐輪場は有料のものは東口駐車場の1階、西口にある霞城セントラルの地下の2ヶ所にある。東口の駐輪場は駅に隣接している。無料のものは東口から徒歩約4分の場所にあり、屋根は無い。無料の駐輪場は少々歩かなければならない場所にあるため、駅ビル・駅前通り・霞城セントラル周辺には学生を中心とした違法駐輪が絶えない。
バスのりば[編集]
バスのりばは山形駅前ターミナル(山形駅東口の北側)と山交ビルバスターミナルに置かれている。山交ビルバスターミナルは山形駅東口から東へ徒歩5分程の所にあり、ほとんどの便が山形駅前を経由する(高速仙台行は一部便のみ経由)。表蔵王口経由の高松葉山温泉行は山交ビル角バス停(徒歩7分)からの乗車となる。また西口の霞城セントラル前にもバス乗り場があり、主に山形市西部方面行きバスが乗り入れている。
2014年4月1日より、山形市が運行する「ベニちゃんバス〈西くるりん〉(コミュニティバス西部循環線)」が西口から運行している[7]。 同年3月29日より、山交ハイヤーが山形空港行きシャトルバスを駅前2番のりばから運行している[8]
- 山形駅前バスのりば
- 1 (特急)蔵王刈田山頂、蔵王温泉、(高速)仙台、(高速)鶴岡・酒田、大阪、新宿(ドリームさくらんぼ号)、(高速)新潟
- 2 山形空港、村山、(漆山・天童温泉経由)わくわくランド前、あけぼの、交通安全センター、(花楯経由)県立病院、(荒谷経由)天童バスターミナル、山寺、(印役経由)県立病院
- 3 谷地、寒河江、(江俣西経由、西田経由)山形病院、沼の辺、山形市役所、(市役所経由)千歳公園
- 4 (国道348号経由)長井、長谷堂、(南山形経由)高松葉山温泉、大学病院、山形県庁
- 5 関沢、宝沢、防原、(水源地経由)県庁、芸工大、西蔵王、ヒルズサンピア(旧ウェルサンピア)
- 中心街100円循環バス(9:30 - 18:30、1日乗車券300円。1・2番のりばの間に停留所がある。)
- 山形駅西口バスのりば
- (沼木経由)柏倉・荻の窪、(飯塚経由)畑谷・下原・替所、(西原経由)山辺駅前、(若宮経由)みはらしの丘
- 山形市役所前、(新築西通り経由)千歳公園待合所
- ベニちゃんバス〈西くるりん〉(コミュニティバス西部循環線)[上町先回りコース]、[城西先回りコース]
その他[編集]
「平成13年に100周年を迎える県都の玄関口の駅」として、2002年(平成14年)、東北の駅百選に選定された。
以前はSuicaエリア外だったため、仙山線で仙台方面からSuicaで入場して乗り越して来る旅客が多く、駅構内の階段、改札口、自動券売機に「Suicaエリア外」の旨の注意ポスターなどが貼ってあった(乗り越してきた場合は有人改札口で現金精算。精算証明書をもらい、後でSuicaエリア内の駅で出場処理が必要となる)(2014年3月31日まで)[9]。2014年4月1日より山形駅でもSuicaの利用が可能となったが、Suicaの発売、払い戻し、Suica定期券の発売はこれまで通り行わない[1]。なお、山形駅または山寺駅からSuicaで入場し、そのSuicaと仙台市内発の乗車券で仙台駅新幹線連絡改札の自動改札機を通過する場合、Suicaから山形・山寺-奥新川(仙台市内駅の西端)間のIC運賃が自動的に差し引かれるようになっている。
国鉄(旧駅舎)時代にテレビドラマ「西部警察 PART-III」のロケで、同じ山形新幹線区間のかみのやま温泉駅共々使われた事がある。
スタジオジブリ作品の一つである、『おもひでぽろぽろ』で1982年当時の山形駅の情景が描かれているが、一部民営化後の情景が混在している。
隣の駅[編集]
- 東日本旅客鉄道
- ■山形新幹線
- ■山形線(奥羽本線)
- ■仙山線
- ■左沢線
- 山形駅 - 北山形駅
脚注[編集]
- ↑ 1.0 1.1 Suica の一部サービスをご利用いただける駅が増えます - 2013年11月29日東日本旅客鉄道株式会社
- ↑ 山形DCにあわせ山形駅改札前がリニューアル
- ↑ 山形DC 芸工大の学生、山形駅構内にPRブース
- ↑ JR時刻表2010年9月号(交通新聞社刊)639ページ
- ↑ 1935年の数値は、鉄道省・編『改版日本案内記・東北篇』、博文館、1937年、243頁による。1994年から1999年は山形市交通マスタープラン 山形市の交通と課題による。2000年からはJR東日本各駅の乗車人員より
- ↑ JR山形駅東口の旧ビブレ跡地、再開発に向け調整 山形市も積極支援
- ↑ ベニちゃんバス〈西くるりん〉(コミュニティバス西部循環線)
- ↑ 山形空港 ⇄ 山形市内・JR山形駅へのアクセス路線バスを運行開始いたしました。
- ↑ 仙山線のSuicaエリアは愛子駅以東である。これは、愛子駅を境に乗車率が大きく下がること、温泉地である作並駅、観光地である山寺駅などを除けば、山形・宮城県境を中心に乗降数が20以下の駅(奥新川駅など)がある事などから。