西日暮里駅
西日暮里駅(にしにっぽりえき)は、東京都荒川区西日暮里五丁目にある、東京地下鉄(東京メトロ)・東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京都交通局の駅である。
目次
乗り入れ路線
以下の3路線が乗り入れており、相互間の接続駅となっている。駅番号が付与されている駅についてはそれも併せて記す。
- 東京メトロ 千代田線 - 駅番号「C 16」。
- JR東日本 - 線路名称上は東北本線1路線のみであるが、当駅には電車線で運行される京浜東北線電車および山手線電車のみが停車し、旅客案内では「東北(本)線」は使用されていない。また、特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属する。
- 東京都交通局 日暮里・舎人ライナー - 駅番号「02」。
歴史
当駅はJR(当時は日本国有鉄道)と千代田線の乗り換え駅として新設された。これには常磐線複々線化時に常磐快速線通過駅の便宜を図るという目的もあった。詳細は常磐緩行線#複々線化の沿革と問題を参照。
年表
- 1969年(昭和44年)12月20日 - 帝都高速度交通営団(営団地下鉄)千代田線の駅が開業。
- 1971年(昭和46年)4月20日 - 営団地下鉄千代田線との乗り換え駅として国鉄の駅が開業。山手線の中では最も新しい駅で、唯一昭和時代に開業した駅である。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化。東北本線(山手線・京浜東北線)はJR東日本の管轄となる。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 京浜東北線の快速運転開始に伴い、日中は京浜東北線が通過するようになる。
- 2001年(平成13年)11月18日 - JR東日本でICカードSuica供用開始。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 営団地下鉄民営化。千代田線は東京メトロに継承。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 東京メトロでICカードPASMO供用開始。
- 2008年(平成20年)3月30日 - 東京都交通局日暮里・舎人ライナーの駅が開業。
- 2013年(平成25年)12月14日 - みどりの窓口営業終了。
駅構造
改札はJR東日本と東京都交通局は1か所、東京メトロは2か所あり、さらに地下にはJR東日本 - 東京メトロ間の連絡改札口もある。この連絡改札口には自動乗り継ぎ精算機が設置されていないため、精算または区間変更が必要な場合は改札に併設された窓口に並ぶことになる。なお、連絡改札口の自動改札機はJR東日本仕様のものだが、窓口での対応は東京メトロの職員が行っている。
JR線南隣の日暮里駅で接続する常磐快速線に輸送障害が発生し、かつ当駅経由での東京メトロ千代田線(常磐緩行線直通)への振替輸送が行われる場合、ラッシュ時などには両社間の乗り換え改札を開放して対処する(「振替の方はそのままお通りください」と案内される)場合がある。
東北本線ガード付近の入口からはJR東日本・東京メトロの双方の乗り場へも移動できるが、この入口には東京メトロのロゴマークが表示されていない。
東京メトロ
2層式で、地下2階に代々木上原方面、地下3階に綾瀬方面の線路・単式ホーム各1面1線を有する地下駅。これは、北千住駅 - 湯島駅間の一部地上に幅員が狭い道路があるため、上下に単線の線路を設ける構造としたためである。この区間の中間駅はA線(代々木上原方面)の線路・ホームが上層に、B線(綾瀬方面)の線路・ホームが下層にある。
当駅でJR線に乗り換える利用客は乗り継ぎ専用改札を通る必要があり、IC乗車券や当駅接続の連絡乗車券を所持していない利用客は改札通過前に精算(区間変更)することになる。乗り継ぎ精算機は設置されておらず、精算はすべて有人窓口での対応となる。当駅は通過連絡運輸の適用を入場後にも受けられる稀な例でもある。列車到着直後には降りた乗客が精算窓口に一斉に並んで混雑する場合があり、時には後続列車が到着する頃まで列が解消しない。
精算窓口の上部には、運賃計算の基準や発売範囲の掲示とともに「今度からは連絡きっぷをお求め下さい」との注意書きがある。当駅の連絡改札経由の場合と、北千住駅の連絡通路を通って常磐快速線日暮里駅経由の場合とでは、算出される運賃が異なる。また、2007年3月18日から首都圏ICカード相互利用サービスが開始され、IC乗車券1枚でも常磐線から当駅を経由してのJR線への乗り継ぎが可能となったが、IC乗車券の場合は通過連絡運輸の場合とは異なり、個別に算出した運賃の合計額から100円を値引きした運賃となる。当初はSuica・PASMOのみ利用可能で、Suicaと相互利用可能なICカードは利用できなかったが、2013年3月23日より相互利用サービスの拡大に伴ってSuica・PASMOと相互利用可能なICカードは全て利用できるようになった。
乗り換え用自動改札機はJR東日本のものを使っているが、2枚投入に対応している一方、東京メトロの磁気券との併用には対応していない。SuicaとPASMO及び相互利用可能なICカードついては、東京メトロの磁気券を投入後タッチすることにより利用可能である。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | 千代田線 | 大手町・代々木上原・唐木田方面 |
2 | 千代田線 | 北千住・綾瀬・取手方面 |
JR東日本
島式ホーム2面4線を有する高架駅で、千代田線構内でJRへの乗り換えを可能にするための中間改札が地下にある。指定席券売機、VIEW ALTTEが設置されている。以前はみどりの窓口も設置されていたが、2013年12月14日をもって営業を終了した。
2007年春までにコンコースと各ホームを連絡するバリアフリー設備を整備した。これによりエスカレーターが田端駅・日暮里駅寄りと連絡するほか、エレベーターも日暮里寄りに設置され、併せて多機能トイレも設置された。なお、エスカレーターはこの他にもコンコースと千代田線乗り換え改札口を連絡している。
かつては、電車到着時に「西日暮里、西日暮里、地下鉄千代田線はお乗り換えです」という放送が流れていたが、ATOS導入後はこのような放送が行われなくなった。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | ■京浜東北線 | 上野・東京・品川・横浜・磯子方面 |
2 | ■山手線(外回り) | 上野・東京・品川・五反田方面 |
3 | ■山手線(内回り) | 田端・池袋・新宿・渋谷方面 |
4 | ■京浜東北線 | 田端・赤羽・川口・大宮方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
京浜東北線の快速運転時間帯は当駅を通過するため、1・4番線には列車が停車しない。この時間帯に同線を利用する利用客は2・3番線の山手線を利用して上野駅か田端駅での乗り換えを要する。なお、通過放送の後に山手線を利用する案内放送が流れる。
バリアフリー設備
- 上り・下りエスカレーター:連絡改札口 - JR改札口 - ホーム
- エレベーター:JR改札口 - ホーム
- エスカル(階段に設置されている車椅子用昇降機):JR改札口 - 連絡改札口
- 多機能トイレ:JRコンコース改札内
東京都交通局
島式ホーム1面2線を有する高架駅。駅舎は尾久橋通り真上、京成電鉄本線とJR常磐線から分かれる田端貨物線が交差する付近の複雑な位置にある。
出入口は駅舎東西両側と歩行者デッキによって西日暮里5丁目交差点を渡った東西両側(東京メトロ千代田線出入口2・3番に隣接)の4か所。JRの駅舎とは直接つながっておらず、JRからは徒歩で数分を要する。一方、東京メトロの駅とはエレベーターで結ばれている。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | ■日暮里・舎人ライナー | 見沼代親水公園方面 |
2 | ■日暮里・舎人ライナー | 日暮里方面 |
バリアフリー設備
- エスカレーター
- 多機能トイレ
- エレベーター
利用状況
- 東京メトロ - 2012年度の一日平均乗降人員は158,555人である[* 1]。
- 同社の駅では第14位。
- JR東日本 - 2012年度の一日平均乗車人員は94,884人である[* 2]。
- 同社の駅では第41位。
- 東京都交通局 - 2012年度の一日平均乗降人員は20,360人(乗車人員:9,789人、降車人員:10,571人)である[* 3]。
- 日暮里・舎人ライナーの駅では日暮里駅に次ぐ第2位。
年度別一日平均乗降・乗車人員(1992年 - 2000年)
各年度の一日平均乗降・乗車人員は下表のとおりである。
年度 | JR東日本 | 営団 | |
---|---|---|---|
乗車人員 | 乗降人員[* 5] | 乗車人員 | |
1992年(平成 | 4年)112,808 | 93,668 | |
1993年(平成 | 5年)111,693 | 91,890 | |
1994年(平成 | 6年)109,756 | 90,047 | |
1995年(平成 | 7年)108,005 | 87,893 | |
1996年(平成 | 8年)107,496 | 85,655 | |
1997年(平成 | 9年)103,971 | 83,121 | |
1998年(平成10年) | 101,351 | 80,395 | |
1999年(平成11年) | [* 6] 99,116 | 160,758 | 77,951 |
2000年(平成12年) | [* 7] 96,355 | 157,034 | 76,321 |
年度別一日平均乗降・乗車人員(2001年 - )
年度 | JR東日本 | 営団 / 東京メトロ | 東京都交通局 | ||
---|---|---|---|---|---|
乗車人員 | 乗降人員[* 5] | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗車人員 | |
2001年(平成13年) | [* 8] 94,157 | 151,051 | 73,877 | 未開業 | |
2002年(平成14年) | [* 9] 91,973 | 144,835 | 71,159 | ||
2003年(平成15年) | [* 10] 90,236 | 140,271 | 68,956 | ||
2004年(平成16年) | [* 11] 88,793 | 139,991 | 68,164 | ||
2005年(平成17年) | [* 12] 87,392 | 138,446 | 67,567 | ||
2006年(平成18年) | [* 13] 86,525 | 137,246 | 67,244 | ||
2007年(平成19年) | [* 14] 91,955 | 153,083 | 75,183 | ||
2008年(平成20年) | [* 15] 94,227 | 158,443 | 77,132 | 15,308 | 7,366 |
2009年(平成21年) | [* 16] 93,939 | 157,582 | 76,600 | 17,950 | 8,608 |
2010年(平成22年) | [* 17] 94,059 | 157,802 | 76,537 | 19,247 | 9,259 |
2011年(平成23年) | [* 18] 93,891 | 156,404 | 75,891 | 19,887 | 9,574 |
2012年(平成24年) | [* 2] 94,884 | 158,555 | 77,030 | 20,360 | 9,789 |
- 利用状況の出典
- ↑ 各駅の乗降人員ランキング | 東京メトロ
- ↑ 2.0 2.1 JR東日本 各駅の乗車人員
- ↑ 各駅乗降人員一覧 - 東京都交通局
- ↑ 4.0 4.1 東京都統計年鑑
- ↑ 5.0 5.1 各種報告書 - 関東交通広告協議会
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(1999年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2000年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2001年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2002年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2003年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2004年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2005年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2006年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2007年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2008年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2009年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2010年度)
- ↑ JR東日本 各駅の乗車人員(2011年度)
駅周辺
JR山手線・京浜東北線が南東から北西に走り、東京メトロ千代田線がそれとほぼ直交する。同線の地上部分は道灌山通りになっており、道灌山通り沿い、駅の西側には開成学園(中学校・高校)がある。同学園と道灌山通りを挟んだ向かい側は西日暮里公園になっている。同学園の生徒は当駅が設置される前までは主に田端駅か日暮里駅を利用していた。当駅の開業後も学校行事(戸田漕艇場で行われる、開成高校対筑波大学附属高校の定期競漕大会)でJR線に乗車する際に、生徒は当駅が手狭なため、田端駅に迂回している。
毎年8月の最終土・日曜日に開催される諏方神社の例大祭には、多くの露店が出る。
駅周辺は特に尾久橋通り沿いに中層ビルが多く、飲食店や風俗店などが多数立地するが、当駅が設置される前は住宅密集地だった。当駅開業後も駅東側の幹線道路以外では幅員の狭い道沿いに庶民的な住宅地が密集する。
なお、当駅の地点はかつて京成本線の道灌山通駅(1943年休止、1947年廃止)があった場所に近い。なお、同線は当駅の地下鉄2番出口付近を通っているが、駅はない。
バス路線
最寄り停留所は「西日暮里駅」となる。停留所は道灌山通りと尾久橋通り上にある。すべて東京都交通局により運行されている。
(尾久橋通り)
(道灌山通り)
付記
- 山手線の隣接する日暮里駅との駅間は、山手線の中で最も短い(営業キロで0.5km)。適度に高低差があるため、双方の駅のホームが目視できる。
- 千代田線ホームの発車ブザー操作スイッチは、東京メトロでは数少ない「ON」「OFF」分離型である。JRとは違い、「ON」を押す前に「OFF」がへこんでいる。
- 開業するまでは「新日暮里駅」と称していた[1]。
隣の駅
脚注