松葉会
松葉会(まつばかい)は、東京都台東区西浅草に本拠を置く日本の指定暴力団。 構成員は約1400人。 松江八束建設業暴力追放対策協議会によると、勢力範囲は関東以北の1都1道8県に及び、構成員組員約1500名、準構成員(準組員)約600名を擁しているといわれる。1994年(平成6年)2月、東京都公安委員会から指定暴力団に指定された(2003年(平成15年)に4回目の指定(2006年期限))。構成団体には江戸時代からの名門博徒も多い。
歴史
前身は、関根組。
1936年、談合屋の河合徳三郎門下の関根 賢が、東京墨田、江東方面の博徒や愚連隊を糾合し、土建業「関根組」の看板を掲げた。 1953年3月に、藤田卯一郎が関根組幹部だった久野益義、田山芳徳、木津政雄、和泉武志、武井紀義、山中吾一(後の榎戸一家五代目)らとともに、旧関根組と旧藤田組の組員を集めて松葉会を結成した。藤田卯一郎が初代会長に就任した。
1960年、毎日新聞東京本社を襲撃。組員19名が発煙筒を炊き、机や椅子を投げ捨て、書類を荒らしまわり、輪転機に砂をまいて暴れまわった。ヤクザと自民党議員の腐れ縁を書いた記事に対する報復であった。このことは国会でも問題になり、岸信介首相は「松葉会と自由民主党が関係があるようなお話でありますが、それは絶対に関係ございません」と答弁した。しかし、その後も祝い事や葬儀に自民党議員の花輪が並んだ。
1968年、佐藤栄助は、旧松葉会の人間を集めて、松友会を結成した。 1973年4月、銀座の菊池徳勝を会長として「松葉会」として復活した。 1996年3月、極東会・松山眞一会長(本名=曹圭化)と、松葉会の牧野國泰(本名=李春星)は親戚の血縁盃を交わした[1]。
2009年3月、跡目問題をめぐり主流派と反主流派との内紛状態になり、反主流派は4月に松葉会同志会を結成した。[2]
同年6月、牧野國泰が引退し、牧野会長を五代目会長と改め、会長代行・荻野義朗が六代目会長に就任した。
歴代会長
- 初代 - 藤田卯一郎(上萬一家五代目総長)
- 二代目 - 佐藤栄助
- 三代目 - 菊地徳勝
- 四代目 - 中村益大
- 五代目 - 牧野國泰(北関東大久保一家十代目総長)
- 六代目 - 荻野義朗(北関東大久保一家十一代目総長)
最高幹部・幹部
- 会長 - 荻野義朗
- 最高顧問 - 渡辺博昭(藤友連合会最高顧問、共和一家根岸六代目)
- 執行部会長補佐 - 羽成仙吉(霞山会、小島一家四代目総長、茨城県土浦市)
- 執行部会長補佐 - 村中弘司(上萬一家)
- 理事長 - 鳥海信男(藤友連合会会長 二代目増田組組長、東京都新宿区)
- 幹事長 - 田中豊彦(藤友連合会会長補佐、多摩川一家八代目総長、埼玉県秩父市)
- 本部長 - 大塚逸男(霞山会会長、小島一家総長代行)
- 渉外委員長 - 安藤健生(藤友連合会理事長、二代目増田組若頭)
- 総務委員長 - 荒井孝雄(藤友連合会会長補佐、白土一家三代目総長、栃木県真岡市)
- 組織委員長 - 金木和男(和泉一家三代目総長、茨城県東茨城郡大洗町)
- 慶弔委員長 - 大山重男(出羽家一家六代目総長、東京都台東区浅草)
- 懲罰委員長 - 松本史朗(蚕川一家三代目総長 茨城県猿島郡境町)
- 会長室室長 - 渡辺英二(藤友連合会会長補佐)
- 会長補佐 - 圷 隆志(鯉淵一家八代目総長、茨城県水戸市)
- 会長補佐 - 相原 禅(藤友連合会会長補佐、阿子島一家三代目総長、宮城県白石市)
- 会長補佐 - 佐藤洋一郎(藤友連合会会長補佐、塩竈同志会会長、宮城県塩竈市)
- 会長補佐 - 鈴木 浩(霞山会、木原一家三代目総長、茨城県稲敷市)
- 会長補佐 - 船田 勝(藤友連合会会長補佐、森田三代目、栃木県)
- 常任顧問 - 横山幸平(藤友連合会特別顧問、北道会会長、北海道)
- 常任顧問 - 大塩真治(霞山会)
- 常任顧問 - 宮下八郎(上萬一家石原町貸元)
- 執行部理事 - 吉田龍起(藤友連合会会長補佐、三代目森谷一家総長、東京都足立区)
- 執行部理事 - 長濱旨男(霞山会、天長一家総長、茨城県つくば市)
- 執行部理事 - 吉井正(芝之内一家七代目総長、茨城県石岡市)
- 執行部理事 - 飯塚正三(三河島一家四代目総長、東京都荒川区町屋)
- 執行部理事 - 吉田勝司(上萬一家、墨東会会長)
- 執行部理事 - 郡司東光(鯉淵一家総長代行)
- 執行部理事 - 猪又功夫(藤友連合会顧問、北関東大久保一家総長代行)
- 執行部理事 - 小池清一(藤友連合会幹事長、北関東大久保一家理事長、荻野連合三代目会長)
- 執行部理事 - 先崎 良(北関東大久保一家幹事長)
- 執行部理事 - 星野節也(藤友連合会本部長、北関東大久保一家本部長、観音二代目)
- 総本部事務局長 - 佐竹常機(藤友連合会会長補佐、榎戸一家)
- 役員補佐 - 榎本光治(藤友連合会執行部、三代目森谷一家総長代行)
- 役員補佐 - 福田正紀
- 役員補佐 - 大久保貞三
- 役員補佐 - 小田部正志
- 2009年6月現在
脚注
- ↑ 出典は、山平重樹『ヤクザ大全 この知られざる実態』幻冬舎、1999年、ISBN 4-87728-826-0のP.327
- ↑ http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090307/crm0903071301018-n1.htm
参考文献
- 山平重樹著『義侠ヤクザ伝 藤田卯一郎』(幻冬舎アウトロー文庫、2003年) - ISBN 4-344-40476-9
- 山平重樹著『ヤクザ大全』(幻冬舎アウトロー文庫、1999年) - ISBN 4-87728-826-0
- 松江八束建設業暴力追放対策協議会「暴力団ミニ講座 37)松葉会」
- 溝口敦『撃滅 山口組VS一和会』講談社<講談社+α文庫>、2000年、ISBN 4-06-256445-9
- 「第046回国会 法務委員会 第30号」
- 「国会会議録・第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第22号」
- 飯干晃一『柳川組の戦闘』角川書店<文庫>、1990年、ISBN 4-04-146425-0
- 溝口敦『撃滅 山口組vs一和会』講談社、2000年、ISBN 4-06-256445-9
- 『実話時報』2008年2月号、3月号、4月号、5月号、6月号、2009年2月号、3月号、5月号(竹書房)
- 『別冊実話時代』Vol.7(メディアボーイ)
- 『続 現代ヤクザに学ぶ最強交渉・処世術』(宝島社文庫)