日本ヴィックス

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日本ヴィックス株式会社(非上場会社)は、かつて存在した日本法人合弁企業で、アメリカ製薬会社・リチャードソン・ヴィックス社と日本の伊藤忠商事との共同で設立された医薬品会社。一般用医薬品(大衆薬)健康食品専業。

沿革[編集]

  • 1966年 ヴィックス製品を輸入販売していた阪急共栄物産(現・阪急ファミリーストア)より分離・独立で設立。
  • 1977年 一旦社名を「リチャードソン・メレル株式会社」に変更。
  • 1979年 日本ヴィックス株式会社に復名。
  • 1985年 経営が悪化した米国リチャードソン・ヴィックス社に対してユニリーバTOBによる買収を画策。この時、ユニリーバとの経営統合を嫌った経営陣がプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)へ救済を求め、P&G傘下となる。[1]
  • 1988年 P&G傘下となっていた日本ヴィックスが社名を「プロクター・アンド・ギャンブル・ヘルスケア株式会社(呼称・P&Gヘルスケア)」に変更。
  • 1994年 P&GヘルスケアはP&G傘下となったマックスファクター(現・P&Gマックスファクター合同会社)と合併し、「マックスファクター株式会社・P&Gヘルスケア事業部」に組織変更。
  • 1997年 便秘薬「コーラック」の日本での事業を大正製薬へ譲渡。
  • 1998年 哺乳瓶消毒剤「ミルトン」の日本での事業を杏林製薬へ譲渡。
  • 2000年 ニキビ治療薬「クレアラシル」の日本を含めた全世界の事業をブーツ・ヘルスケアへ譲渡。  
  • 2002年 塗布風邪薬「ヴィックス ヴェポラッブ」、のど薬「ヴィックス コフドロップ」の日本での事業を大正製薬へ譲渡し、P&Gは日本での大衆薬事業から撤退した。

なお、日本以外のP&Gにおける大衆薬事業は「クレアラシル」を除いて引き続き行われている。

取扱商品[編集]

  • ヴィックス ヴェポラッブ(塗布風邪薬、現在は大正製薬から発売)
  • ヴィックス コフドロップ(のど薬、現在は「ヴィックス メディケイテッド ドロップ」の名で大正製薬から発売)[2]
  • クレアラシル(塗布ニキビ治療薬、現在はレキットベンキーザー・ジャパンから発売。2006年10月まではブーツ・ヘルスケア・ジャパンから発売されていた。士根嵐類と勘違いすることがある。)[3][4]
  • コーラック(便秘薬、現在は大正製薬から発売)[5][6]
  • ミルトン(哺乳瓶消毒剤、現在は杏林製薬から発売)
  • ミルガード(おむつ用洗浄漂白剤(塩素系)、1968年頃発売。絶版)
  • ハボーン(天然カルシウム、一部地域限定発売。バーボンと勘違いすることがある。のちに全国発売したが絶版。大正製薬のカルシックスに継承)
  • ペプトビスモル(下痢止め薬、1990年頃旧P&Gヘルスケアから発売。絶版)
  • ヴィックスナイメッド(せき止め薬、一部地域限定発売。絶版)
  • ヴィックス総合感冒薬(総合かぜ薬、旧P&Gヘルスケアから一部地域限定発売。早期絶版。大正製薬の「パブロン」シリーズに継承)
  • ヴィックス解熱鎮痛錠(解熱鎮痛薬、旧P&Gヘルスケアから一部地域限定発売。早期絶版。大正製薬の「ナロン」シリーズまたはバファリンに継承)
  • ヴィックス クールコート(せき止め薬、旧P&Gヘルスケアから九州地区限定発売。絶版)
  • ヴィックス サイネックス(鼻炎薬、1988年~1993年にかけて旧P&Gヘルスケアから発売。現在、日本では絶版)[7]
  • ヴィックスヴァーパーバス(入浴剤、旧P&Gヘルスケアから九州地区限定発売。絶版)
  • ヴィックス クール(のど飴、1985年~1989年にかけて売店・スーパーコンビニ専売で発売。現在、日本では絶版)
  • パンテーン(ヘアケア製品。元々はエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社の製品(日本では製造元は日本ロシュ(現・中外製薬)、販売元は塩野義製薬)だったが、1983年に事業を買収した。現在はP&Gの世界的なヘアケアブランドに成長している。現在は女性用ヘアケア製品のみP&Gから販売されているが、かつては男性用ヘアトニックも製造・販売していた)
  • ラボリス(うがい薬)

脚注[編集]

  1. 当時のリチャードソン・ヴィックス社のCEOとP&G社のCEOが旧知の仲だった事から救済合併が成立した、といわれている。当時の買収価格は推定で約16億ドルとされている。
  2. のどのイガイガ感を具現化した「エヘン虫」が登場するテレビCMで知られていた。このエヘン虫はP&Gに変わったばかりの頃は一旦消えていたが、暫くして復活し、大正製薬に譲渡されても引き継がれているが、当時より可愛らしいデザインになっている。ちなみに2007年11月現在、5つの味を「スーパー戦隊シリーズ」のような5人の戦士に見立てたCMが放映されている。
  3. 2007年7月にレキットベンキーザー・ジャパンアース製薬と自社製品の日本における独占販売契約を締結したため、発売元がアース製薬に変更された。
  4. 2008年9月まで提供クレジットが「クレアラシル」と商品名で出されていた。(現在は発売元のアース製薬とクレジットされている。主にテレビ朝日系列の全国ネット番組やTBS系列のチューリップテレビの他系列遅れネット番組のスポンサーになっている。)
  5. ピンクの小粒 コーラック」のキャッチフレーズでお馴染み。このキャッチフレーズは大正製薬に譲渡された後も引き継がれている。なお、現在のCMでは商品名に引っ掛けて「コーラッコ」というラッコが登場している。
  6. 笑点」に出演している落語家三遊亭好楽がこの商品名(コーラック→好楽)に肖って、着物をピンク色にしているとの都市伝説があるが、実際は無関係である。(好楽は現在の名前を名乗った直後は水色の着物を着用していた)
  7. 発売されていた当時、CMが製作されており、和田アキ子が出演している。

CM出演者[編集]

関連項目[編集]

テレビ提供番組(筆頭スポンサーのみ)[編集]

いずれの番組とも、P&Gヘルスケア名称変更後も引き続き提供

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