奥多摩町
奥多摩町(おくたままち)は、東京都の多摩地域北西部にある町である。西多摩郡に属し、多摩地域に3つある町のひとつ。青梅市への通勤率は16.4%(平成22年国勢調査)。
目次
地理
多摩川を堰き止めた小河内ダムによって造られた人造湖・奥多摩湖(小河内貯水池)を擁し、その下流域に集落が広がる。町域の面積は225.63km²で、東京都に属する自治体では最大である。またこの町の大部分は山林であり、東京都で一番山が急峻。また、観光客のほとんどは登山が目的。
年間平均気温は約11~12℃。内陸に位置しており標高も高く、中央高地式気候である。同じ東京都内でも都心とは大きく気候が異なる。特に冬の寒さは厳しく、-5℃を下回る日も多い。冬の最低気温は東京都心とは10℃以上の開きがあることもあり、時には-10℃以下まで冷え込むこともある。冬はほぼ毎日冬日であり、仙台市や酒田市などの東北地方沿岸部よりも冷え込みは厳しい。都内では降雪量・積雪量が最も多い自治体で、町の平野部でも50cm程度の積雪がある。場所によっては1m以上の積雪もあり、大雪によって孤立集落がでることもある。2014年2月の大雪では多くの孤立集落が発生し警察、自衛隊の協力で復旧した。また路面凍結が起こりやすく、真冬日も珍しくない。標高が高いため夏は都心と比べると涼しく、8月でも最高気温が30℃を下回る日が多い。
隣接している自治体
歴史
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、氷川村、古里村、小河内村が発足。
- 1936年(昭和11年) - 小河内村で小河内ダム建設着工。
- 1938年(昭和13年)11月12日 - 小河内ダム起工式。
- 1940年(昭和15年)2月11日 - 氷川村が町制施行し氷川町となる。
- 1943年(昭和18年)
- 1944年(昭和19年)7月1日 - 国鉄青梅線が開通。
- 1948年(昭和23年)9月10日 - 東京都水道局、小河内ダム建設工事を再開。
- 1950年(昭和25年)8月 - 日本共産党東京都委員会が小河内ダム対策委員会を設置。
- 1952年(昭和27年)
- 1月 - 日本共産党はダム破壊活動を目的とした山村工作隊を派遣。3月29日以降警視庁に検挙され失敗。
- 12月16日 - 東京都水道局小河内線運転開始。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - 氷川町、古里村、小河内村が合併し、奥多摩町が誕生。町名は多摩川の上流、奥多摩渓谷に由来する。
- 1957年(昭和32年)
- 5月10日 - 東京都水道局小河内線運転完了。
- 小河内ダム竣工。旧小河内村域が奥多摩湖の湖底に沈む。
行政区域変遷
- 変遷の年表
奥多摩町町域の変遷(年表) | ||
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年 | 月日 | 現奥多摩町町域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行により、以下の村が発足[1][2]。 |
1893年(明治26年) | 4月1日 | 西多摩郡は南多摩郡・北多摩郡とともに東京府へ編入。 |
1940年(昭和15年) | 2月11日 | 氷川村は町制施行し氷川町になる。 |
1943年(昭和18年) | 7月1日 | 都制施行により、東京府、東京市が合併し東京都が発足。 |
1955年(昭和30年) | 4月1日 | 五日市町・増戸村・小宮村・戸倉村とともに合併し、五日市町が発足。 |
1955年(昭和30年) | 4月1日 | 氷川町・古里村・小河内村が合併し奥多摩町が発足。 |
- 変遷表
奥多摩町町域の変遷表 | |||||||
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1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | |
氷川村 | 氷川村 | 昭和15年2月1日 町制 |
昭和30年4月1日 奥多摩町 |
奥多摩町 | 奥多摩町 | ||
海沢村 | |||||||
境村 | |||||||
日原村 | |||||||
大丹波村 | 古里村 | 古里村 | |||||
川井村 | |||||||
竜寿寺村 | 明治8年 梅沢村 | ||||||
丹三郎村 | |||||||
小丹波村 | |||||||
棚沢村 | |||||||
白丸村 | |||||||
留浦村 | 小河内村 | 小河内村 | |||||
川野村 | |||||||
河内村 | |||||||
原村 |
人口
600px | |
奥多摩町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 奥多摩町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 奥多摩町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
奥多摩町(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/13 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
- 町長 : 河村文夫(かわむら・ふみお、3期目 任期満了日 : 2016年5月23日)
- 町議会定数 : 12人(2011年12月1日)
- 市町村職員数 : 129人(2008年4月1日)
- 当初予算規模 : 59.40億円(一般会計)(2013年度)
若年者向けの定住住宅の建設による人口減の防止・高齢者への医療福祉対策が行政の課題となっている。
警察・消防
警察
消防
- 奥多摩消防署(氷川)
経済
産業
姉妹都市・提携都市
海外
地域
人口は6,790人、世帯数は2,424世帯(2005年4月1日、推計)
健康
- 町立病院
- 奥多摩町国民健康保険奥多摩病院(氷川1111)
- 付属日原診療所(日原768-3)
- 付属峰谷診療所(川野529-1)
- 奥多摩町国民健康保険奥多摩病院(氷川1111)
- 保健福祉センター(氷川1111)
教育
交通
鉄道路線
隣接市町村への連絡
町村に関しては郡名を省略する。市町村の役場最寄り駅までを記載する。
都内
- 青梅市へ
- あきる野市へ
- 檜原村へ
- 東京都庁(新宿)へ
- JR青梅線にて青梅駅から中央線直通快速東京行き、新宿駅下車。青梅線内運転の立川行きもあるほか、町内各駅からは、朝に1本、東京行きの上り直通がある。ほかに土休日には、奥多摩駅(一部、古里駅)以外は通過となるが、新宿発で東京着のホリデー快速が、上下3本運転されている。
- 自動車等の場合は国道411号で青梅市街へ。その後、圏央道青梅IC又は、日の出ICから八王子JCT、中央自動車道、首都高速4号新宿線を経由し新宿出口で進出。一般道利用では青梅街道を利用。青梅市内までは国道411号も含まれる。途中、西多摩郡瑞穂町から西東京市の区間は、新青梅街道、所沢街道の一部がバイパスとして機能しており、一般的にはこちらのルートを通過する車両が多い。
山梨県
- ※丹波山、小菅両村には鉄道が存在しないため、いずれも奥多摩駅発の路線バス(後述)、自動車等の利用となる。
埼玉県
直接のアクセスは不可能。いずれも青梅市を経由する形となる。
バス
西東京バスが、奥多摩駅から奥多摩湖・丹波山村・小菅村・鍾乳洞・清東橋方面へ運行している。路線の詳細は西東京バス氷川車庫を参照。
タクシー
- 駅前にタクシー乗り場がある。長らく京王自動車が大型車2台を配備していたが、採算性悪化のため町に支援要請をおこなうも決裂。2012年3月31日に町内の氷川営業所を廃止し同社は町内より撤退。その後、あきる野市の新興企業、リーガルキャブが昼間のみ駅前に1台を配車しているが、夜間は台数に余裕がないためタクシーがゼロになる。このため同社は関東陸運局に増車を申請したが需要が見込めないとして却下されたため、国に処分取り消しを求める訴訟を起こしている。[3]。
道路
現在、国道411号のバイパスの役割を持たせた多摩川南岸道路構想が推進され、一部で供用されている。この道路が完成すると、狭くカーブも多い国道411号現道を通らず、吉野街道から奥多摩町市街地を経由せず奥多摩湖や小菅村、丹波山村方面に向かうことができるようになる。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 町域すべてが秩父多摩甲斐国立公園の指定地域に含まれている。
- 毎年6月第1日曜日には、氷川渓谷で奥多摩カップカヌー大会が開かれる
(2007年から 奥多摩ふれあいカヌーフェスティバル に名称変更)。
- 毎年8月には、奥多摩納涼花火大会が開かれる。
- 毎年9月15日、小河内の鹿島踊(重要無形民俗文化財)
- 奥多摩ビジターセンター
- 鳩ノ巣渓谷
- 日原鍾乳洞
- 大増鍾乳洞
- 川苔山
- 百尋の滝
- 奥多摩湖
- 三峰山
- 町のほぼ最西端に位置する雲取山は、標高2,017mで東京都の最高地点である。なお、厳密な最西端は雲取山と雲取山荘の間の尾根道にある。
- 七ツ石山
- 鷹ノ巣山
- 六ツ石山
- 三ッツドッケ
- 三頭山 - 町の最南端
- 奥多摩周遊道路 - 旧奥多摩有料道路
- 御前山
- 大岳山
- 御岳山
- 奥秩父山塊
- 鶴の湯温泉
- もえぎの湯
- 奥多摩水と緑のふれあい館
- 東京都立奥多摩湖畔公園 山のふるさと村
- 奥多摩町民ギャラリー - あさひ銀行東青梅支店奥多摩出張所跡地に開設。
- 倉沢のヒノキ
- 水根駅(休止駅) - 奥多摩工業水根貨物線(旧・東京都水道局小河内線)の遺構。
出身人物
ゆかりのある人物
その他
奥多摩駅のホーム反対側に、ホームのように細長い形の町役場があり、その奥に役場の駐車場がある。休業日は観光客に無料で開放されるが、台数が限られているため、写真のような長い行列ができる。
脚注
- ↑ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 13 東京都』、角川書店、1978年、ISBN 4040011309より
- ↑ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
- ↑ 奥多摩駅にはタクシーが一台しかない (読売新聞の元記事はリンク切れ)
関連項目
外部リンク
- 行政
- 観光