警視庁公安部

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警視庁公安部(けいしちょうこうあんぶ)は、東京都を管轄とする警視庁で、公安警察を担当する部。

概要

警視庁公安部は、GHQの人権指令により廃止された警視庁 (内務省)特別高等警察部の後継組織である。

日本の公安警察警察庁警備局の指揮で活動しているが、中でも警視庁は唯一、公安部を置いており、最大規模の公安警察官を抱えている。これは人口が多いからというだけでなく、東京には日本共産党本部や各国の大使館など、公安警察の対象が拠点を置いているためでもある。

これに対し道府県警察本部公安警察は、警備部に設置されている。また、日本の各警察署では警備課に公安係・外事係を設置することがある。


対象

組織

公安総務課
庶務:庶務係(公安部内庶務)
第一公安捜査:公安管理係(公安部運用)、第1、第2係(デモ対応)
第二公安捜査:第3、第4係(反戦デモ)
第三公安捜査:第5、第6係(反戦デモ)
第四公安捜査:第7、第8係(左翼政治団体対応)
第五公安捜査:第9、第10係(左翼政治団体対応)
日本共産党市民運動反グローバリズム運動、カルトなどを捜査対象とする。総務課相当の業務は庶務係と公安管理係が行う。
公安第一課
第一公安捜査:第1係(課内庶務)、第2係(極左警備情報)
第二公安捜査:第3、第4係(極左情報収集)
第三公安捜査:第5、第6係(日本赤軍情報収集)
第四公安捜査:第7、第8係(極左情報収集)
極左暴力集団(=新左翼過激派。警察用語)を捜査対象とする
公安第二課
第一公安捜査:第1係(課内庶務)、第2、第3係(労働争議関係)
第二公安捜査:第4、第5、第6、第7係(過激派関係情報収集)
労働組合、極左のうち革マル派等を捜査対象とする
公安第三課
第一公安捜査:第1係(課内庶務)、第2係(右翼情報)
第二公安捜査:第3、第4係(右翼情報)
第三公安捜査:第5係(右翼情報)
右翼団体を捜査対象とする
公安第四課
第一公安資料:第1係(課内庶務、公安関係統計)
第二公安資料:第2係(公安資料整理)
資料管理
外事第一課
外事:第1係(課内庶務)、第2係(在日大使館とのリエゾン)
欧米:第3(作業)、第4(事件)、第5係(事件)
ロシア東ヨーロッパスパイ事件、戦略物資事件を捜査対象とする また犯罪経歴証明書の発行も担当
外事第二課
アジア第一:第1係(課内庶務)、第2係(アジア関係外事捜査)
アジア第二:第3、第4、第5係(アジア関係外事捜査)
アジア第三:第6、第7係(アジア関係外事捜査)
東アジア地域、特に中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国、共産圏諸国のスパイを捜査対象とする
外事第三課
国際テロ第一:第1係(課内庶務)、第2係(国際テロ情報)
国際テロ第二:第3、第4係(外国人テロ情報)
国際テロリストや、こちらも摘発例は寡少ではあるが中東地域のスパイを捜査対象とする
公安機動捜査隊
隊本部(庶務係、運用係)、各班。NBCテロ対策班を置いている。目黒区目黒一丁目に隊本部がある。

役職

歴代部長

氏名 在任期間 前職 後職
野田章 1957年(昭和32年)
- 1959年(昭和34年)3月31日
警視庁警備第二部長 兵庫県警察本部長
石岡実 1959年(昭和34年)3月31日
- 1961年(昭和36年)4月1日
福島県警察本部長 九州管区警察局
秦野章 1961年(昭和36年)4月1日
- 1963年(昭和38年)5月31日
警視庁刑事部 警視庁警務部
川島広守 1963年(昭和38年)5月31日
- 1967年(昭和42年)3月7日
警察庁警備第一課長 警察庁警備局
山本鎮彦 1967年(昭和42年)3月7日
- 1971年(昭和46年)1月22日
警察庁警備局参事官 兵庫県警察本部長
三井脩 1971年(昭和46年)1月22日
- 1973年(昭和48年)11月2日
警察庁警備局参事官 警視庁警務部長
中島二郎 1973年(昭和48年)11月2日
- 1975年(昭和50年)8月4日
警察庁警備局参事官 神奈川県警察本部長
福田勝一 1975年(昭和50年)8月4日
- 1978年(昭和53年)2月21日
警察庁警務局人事課長 兵庫県警察本部長
鎌倉節 1978年(昭和53年)2月21日
- 1980年(昭和55年)8月18日
警察庁警備局参事官 警視庁警務部長
柴田善憲 1980年(昭和55年)8月18日
- 1982年(昭和57年)5月20日
警視庁警備局審議官 警視庁副総監
福井与明 1982年(昭和57年)5月20日
- 1985年(昭和60年)8月7日
警察庁警備局公安第一課長 埼玉県警察本部長
城内康光 1985年(昭和60年)8月7日
- 1988年(昭和63年)1月22日
警察庁警務局人事課長 警察庁警備局長
國松孝次 1988年(昭和63年)1月22日
- 1989年(平成元年)4月1日
警察庁警務局人事課長 兵庫県警察本部長
大森義夫 1989年(平成元年)4月1日
- 1991年(平成3年)1月11日
警察庁警備局公安第一課長 警察庁長官官房審議官
前田健治 1991年(平成3年)1月11日
- 1992年(平成4年)9月18日
警察庁警務局付 警視庁警務部長
渡邊泉郎 1992年(平成4年)9月18日
- 1994年(平成6年)10月18日
警察庁警備局警備企画課長 神奈川県警察本部長
櫻井勝 1994年(平成6年)10月18日
- 1996年(平成8年)10月29日
警察庁警務局人事課長 警察庁長官官房付
林則清 1996年(平成8年)10月29日
- 1998年(平成10年)3月28日
警察庁刑事局暴力団対策部長 警視庁副総監
奥村萬壽雄 1998年(平成10年)3月28日
- 1999年(平成11年)8月26日
警察庁長官官房審議官(警備局担当) 警視庁警務部長
安藤隆春 1999年(平成11年)8月26日
- 2001年(平成13年)9月3日
警察庁長官官房審議官(交通局担当) 警察庁長官官房総括審議官
米村敏朗 2001年(平成13年)9月3日
- 2003年(平成15年)8月5日
警察庁長官官房人事課長 警察庁長官官房審議官(警備局担当)
伊藤茂男 2003年(平成15年)8月5日
- 2004年(平成16年)8月20日
警察庁長官官房付 神奈川県警察本部長
末井誠史 2004年(平成16年)8月20日
- 2006年(平成18年)1月23日
警察庁交通局交通企画課長 兵庫県警察本部長
高石和夫 2006年(平成18年)1月23日
- 2007年(平成19年)8月24日
静岡県警察本部長 警視庁副総監
植松信一 2007年(平成19年)8月24日
- 2008年(平成20年)8月25日
警察庁長官官房付 警視庁副総監
青木五郎 2008年(平成20年)8月25日
- 2011年(平成23年)3月22日
京都府警察本部長 警察大学校国際警察センター所長
石川正一郎 2011年(平成23年)3月22日
-
栃木県警本部長

参考文献

関連項目

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