居酒屋中継

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居酒屋中継(いざかやちゅうけい)とはスポーツ番組の実況中継で、実況アナウンサーや解説者が試合内容に直接関係しない雑談を始める中継の内容を指す。「居酒屋実況」と同義。

概要[編集]

元々はプロ野球のラジオ中継から生まれた言葉だが、下記の例にあるように他のスポーツ中継においても使われる。ラジオ聴取者を退屈させないための工夫であるが、試合内容と無関係な雑談に発展することも多い。

サラリーマン居酒屋で、酒を片手にぐだぐだ喋る様と似ていることから、この名が付いた。当然ながら、実際に飲酒しながら中継しているわけではない。

主なコンビ[編集]

福本豊楠淳生ABCフレッシュアップベースボールABCラジオ))
「元祖居酒屋」ともいうべきコンビ。感情的になりがちな楠アナとたびたびユーモラスなコメントを発する(詳細は福本語録参照)福本のコンビは、特に関西ローカル限定中継の阪神戦において脱線・放言の多さが顕著で、賛否両論ある。2008年7月28日の対ヤクルト戦中継(神宮球場)では、豪雨・落雷による中断、コールドゲーム成立、そして中継終了までハプニング続出で、雨でずぶ濡れになりながらも、中継を最後までまとめ上げた。なお、この2人が居酒屋で芋焼酎を飲みながら録音した文字通りの居酒屋トーク番組『福本・楠の一杯やりましょ!』が、2011年8月1日にABCラジオで放送されている。
湯舟敏郎中邨雄二(同上)
2011年のプロ野球シーズンまでは、上述の福本・楠コンビと並ぶ「ABCの居酒屋コンビ」。脱線こそ少ないがジョークや話術に長けた中継はABC以外への裏送り中継のリスナーにも好評だった。しかし近年は、中邨が管理職として自らの実況の機会を減らしている関係で、湯舟とコンビを組む機会が減少。さらに、湯舟が2012年から阪神タイガースへ二軍投手コーチとして復帰することが決まったため、2011年限りでコンビをいったん解消することになった。ちなみにABCラジオでは、前述の福本・楠に湯舟を加えた特別番組『福本・楠の正月から一杯やりましょ!』を、2012年1月3日に放送している。
田淵幸一松下賢次TBSラジオ エキサイトベースボールTBSラジオ))
「世界の松下」を自称する松下アナと、田淵氏のコンビ。試合展開次第では試合と全く関係ない雑談ばかりとなって、実況をしばし忘れることもあった。2008年5月に松下が社内人事異動でアナウンサー職を離れたため、コンビ解消となった。
岩本勉山内要一HBCファイターズナイターHBCラジオ))
トークが白熱してくると試合内容そっちのけとなることがよくある。主な内容は岩本自身や出場選手の面白エピソード。ただし試合の展開に応じて切るべきところではしっかり切っているほか、脱線内容も目の前で起こっている試合展開から連想される場合がほとんどである。このコンビでの中継は、たびたびHBCテレビでも行われた。この2人で「ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組」でもコンビを組んでいたが、こちらは山内アナの番組異動により2009年シーズン限りでコンビ解散となった。ただし野球中継では現在でも不定期で再結成されている。なおHBCの中継においては同シーズンより渕上紘行アナと大宮龍男のコンビがやや居酒屋色が強くなっているほか、盛田幸妃新谷博解説時にも居酒屋色が出る。
今宮純川井一仁F1グランプリフジテレビNEXT))
予選・決勝の中継では割とまじめだが、地上波放送のないフリー走行などでは途端に与太話の連発となる。特に日本グランプリの金曜日フリー走行においては、実況アナウンサーが付かずに土屋圭市などが加わるため、毎年のようにぐだぐだな展開となる。
八代俊二ピエール北川鈴鹿8時間耐久ロードレースの場内実況)
8時間という長丁場のため、何もアクシデントが起きない時間帯はぐだぐだになる。それゆえ八代は別名「居酒屋ハッチ」とも呼ばれる。2006年スカイパーフェクTV!インターネットストリーミングでも放送されたため、居酒屋中継が全世界に配信された。
村田晴郎松田秀士松浦孝亮武藤英紀インディカー・シリーズGAORA))
特に村田・松田のコンビが多く、普段からドライバーたちのレース外の裏側トークが多い。近年GAORAで生中継されることが多くなり、雨等天候不順で長時間レース中断になると、しばらくレースの話をし、話す内容がつきた後、深夜ラジオのノリでドライバーたちの裏側トークが中心となり、まさに「居酒屋中継」状態になる。またトークのつなぎの為、実況解説陣のTwitterより視聴者の質問を受付たりもする時もある。
栗村修SaschaJ SPORTS cycle road raceJ SPORTS))
J SPORTSのツール・ド・フランス生中継は1日の中継が最大7時間強にも及ぶため雑談がどうしても多くなるが、その中でもくだらないダジャレが連発されるコンビとして有名。Saschaが名づけた「我らワールド」のコンビ名が視聴者にも浸透している。
タージン濱田篤則NFL(GAORA))
このコンビは「ターハマ」と呼ばれており、サンディエゴ・チャージャーズCB クエンティン・ジャマーが相手攻撃陣を止めた時には「ジャマーが邪魔する」という名言を残した。また2人がオークランド・レイダーズファンであったことから、日本語実況開始当初にはレイダーズの試合をレイダーズ贔屓で実況する「レイダーススペシャル」なる企画もあった。
北の富士勝昭吉田賢大相撲中継NHK))
北の富士の相撲解説は、藤井康生とのコンビは「毒舌コンビ」・吉田とのコンビは「居酒屋コンビ」として好角家に長年親しまれている。更に向正面解説担当の舞の海秀平を加えた三人は「漫才トリオ」または「ゴールデントリオ」として、初日・中日・千秋楽の中継名物となっている。また北の富士は相撲中継の最中に「北の富士賞」なる賞を勝手に創設している。
金田喜稔土居壮アルゼンチンサッカー中継(J SPORTS))
通称「土・金コンビ」。土居が実況を担当するラグビーゴルフ競馬などの話題で盛り上がることが多かった。また、金田がディエゴ・マラドーナを尊敬しているため、彼がかつて所属していたボカ・ジュニアーズ贔屓でもあった。J SPORTSが放映権を手放したため2007年で放送が終了した。

その他[編集]

  • 毎日放送の中継における板東英二の解説も、しばしば居酒屋調になる。特に元チームメイトで同局解説者の一枝修平が同席している時に、一枝の現役時代の暴露話を行う。
  • テレビ朝日系列の中継における東尾修の解説も、(たまに飲酒状態で出演するためか)時にぐだぐだの居酒屋調になる。本来東尾は赤ら顔で滑舌が悪く、しかも口調が独特であることから、飲んでいなくても酔っ払っているのではないかとしばしば誤解される。
  • 2009年1月18日NHK総合テレビにおける、元横綱輪島大士デーモン小暮閣下岩佐英治アナによる大相撲初場所中日(8日目)の中継(幕内)も居酒屋調であった。輪島の居酒屋調相撲談義を、知識とデータが豊富で、デーモン小暮閣下とは三度目のコンビとなる岩佐アナと、好角家であり輪島を尊敬するデーモン小暮閣下が的確にフォローした。

関連項目[編集]