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2014年5月31日 (土) 03:01時点における最新版
強制労働(きょうせいろうどう)とは、自分の意思によるものでなく、他の者に強要される事によってする労働。労働酷使のような意味で使われる事が多い。しばしば奴隷的な拘束・待遇を伴う。 児童虐待の形態の一つでもある。
目次
世界の主な強制労働の例[編集]
- 大航海時代のスペイン・ポルトガルが行なったインディオの強制労働(詳細はスペインによるアメリカ大陸の植民地化、ポルトガルによるアメリカ大陸の植民地化を参照)
- 近代のスペイン・ポルトガル・オランダ・フランス・イギリス・アメリカ合衆国・ブラジル帝国による黒人奴隷
- ナチス・ドイツ、共産主義国等の強制収容所
- 北朝鮮における強制収容所
日本の強制労働の歴史[編集]
江戸時代[編集]
浮浪者や無宿者を集めた人足寄場(ただし、これは更生施設や職業訓練所としての側面もあったと言われている)、佐渡金山の水替人足などで強制労働が見られた。
明治時代~昭和初期[編集]
幕末の戊辰戦争から明治初期の動乱期にかけて政治犯として逮捕された者などは、北海道の集治監(現在の刑務所に相当)に送られ、炭坑労働や鉄道敷設の現場で強制労働させられた。集治鑑の死亡率があまりにも高く問題になったことから、明治中期には囚人の強制労働は中止され、民間の雇用による強制労働(タコ部屋労働)に変化した。
昭和初期~終戦[編集]
国家総動員法により、日本国民、外地(植民地の人間も含む)からの動員者、捕虜によるタコ部屋労働が強化された。
中国人労務者について[編集]
- 詳細は華人労務者を参照
現在における強制労働[編集]
日本では日本国憲法第18条に定められた「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」の趣旨を受けて、労働基準法(労基法)で暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならないとし、肉体的な拘束のみならず脅迫や精神の自由を奪うことによって、本人の意思に反して労働させることを禁止している(労基法第5条、下記に記載)。
現在の日本の法令では次のように強制労働について禁止されている。
日本国憲法[編集]
労働基準法[編集]
労基法第5条(強制労働の禁止)の規定に違反した者に対しては、労基法において最も重い法定刑(1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金)が定められている(労基法第117条)。
労基法第5条違反の判例としては、広島地裁昭和26年5月1日及び名古屋地裁昭和25年9月13日などがあり、労働基準法第17条の前借金に絡む労働者の足留めや強制労働についてのものである。一方、強制労働の原因ともなる前借金や、労働することを条件とする前貸しの債権について、賃金との相殺を禁止した労働基準法第17条と関連した事件もある。
従業員が早期に退職しようとした場合について、昨今では青木定雄と青木信明のエムケイタクシーにおける、タクシー運転手に必須の二種免許取得費用の返済や、費用が会社負担だった同社運転手のイギリス英会話留学(エムケイホームページ)の費用の返済、などに絡む強制労働問題などがある。エムケイがおこなっている、公共職業安定所への同社の求人票などとは極端に異なる労働条件での就労の、半ば強要が強制労働に当たるのではないかという問題がある。判例の傾向としては運転手の在社就労期間が極端に短期ではなく会社に収益をもたらしていた場合、当該費用についてはタクシー業務との関連性が認められている。今日他社タクシー会社では二種免許取得費用の会社全額負担が趨勢である。強制労働問題に関しては具体的状況が民事裁判での和解などで考慮されている。
中国の強制労働[編集]
中華人民共和国では現在も、政府や企業において強制労働させている実態が伝えられており、問題が指摘されている。
中国では不穏分子とみなされた人々を裁判もせずに強制収容して強制労働をさせていることが伝えられている。この強制労働キャンプは「労働改造所(労改:ラオガイ)」とも言われ、時事英語としても通る名前となり、2005年には米議会で「中国の強制労働」と題する公聴会まで開かれ、約1千箇所の監獄があり、無償で働かされ、その生産物は日本や米国に輸出し、中国は利益を上げていると発表された。この問題に取り組む人権活動家によれば、300万人以上が強制収容されているとし、その状況を訴えるために2008年、ワシントンD.C.に中国の強制労働問題をテーマにした「労働改造博物館」をオープンさせている[1][2][3]。
2007年には中国山西省臨汾市のレンガ工場一帯で5万3000人以上の不法入国移民を使用し、誘拐した子供1000人以上を強制労働させていることが判明した。子供らを1日14時間労働させ、食事も十分に与えず、暴力も加えていた。中には8歳の幼い子供もおり、最長で7年間強制労働させられていた者もいた。中国の自治体関係者や警官も荷担していた事実が発覚している[4][5]。
2008年には中国黒竜江省ハルビン市の建設現場で知的障害者34人を強制労働させていた事実が発覚。約30平米の部屋に閉じ込められ、1日2回の食事でレンガや砂利の運搬をさせられ、逃亡しようとした者には暴力で服従させていた[6]。
脚注[編集]
- ↑ 2005年6月24日産経新聞
- ↑ 2008年11月14日 産経新聞 中国の強制労働問題、ワシントンで博物館に 人権活動家が開設
- ↑ ハリー・ウー著『労改-中国強制収容所を告発する』TBSブリタニカ ISBN 448496113X
- ↑ 2007年06月25日AFPBBNews強制労働の中国れんが工場ら、不法移民5万人以上も使用
- ↑ 2008年3月21日 朝鮮日報中国・山西省、児童1000人以上に強制労働
- ↑ 2008年3月21日産経新聞知的障害者34人に強制労働
関連項目[編集]
- 強要罪
- 懲役
- サービス残業
- 過労死
- 過労自殺
- ワーキングプア
- ブラック企業
- シベリア抑留
- 金子堅太郎
- 蟹工船
- 青木定雄
- エムケイタクシー
- エムケイグループ
- 河上亮一
- ワタシのドレイちゃん騒動
- 液クロサイエンスde:Zwangsarbeitfr:Service du travail obligatoire
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