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銚子市(ちょうしし)は、関東地方の東部、千葉県の北東部にある市。全国屈指の漁港の町でもある。市の北部には利根川が流れており、銚子市で太平洋に注ぐ。
目次
地理[編集]
東京から100km圏内、関東平野の最東端に位置し、北は利根川、東と南は太平洋に面する。江戸時代に利根川水運が開発され、醤油醸造業と漁業で発展。農業は露地野菜を中心に発展した観光都市。
地形[編集]
銚子市は、利根川沿いの低地と北総台地からなり、表層は関東ローム層に覆われている。水田は台地山間の谷津田と利根川沿いに広がっており、畑地帯は台地の平坦部に位置し、比較的農業に適している。
- 市域
- 広ぼう:東西16.2km、南北12.8km
- 自然
気候[編集]
年間平均気温は15℃前後、比較的温暖で、冬場は暖かく、夏場涼しい海洋性気候と言える。その為、キャベツ、ダイコン、甘さに定評がある、トマト、メロン、スイカ、イチゴなど海洋性気候に適した野菜や果物が栽培されている。
また、年間を通して比較的風が強く、風力発電所が数ヶ所存在する。
隣接する自治体[編集]
歴史[編集]
地名の由来[編集]
本来「銚子」は地名を指す物では無く、利根川の河口を指すもので「銚子口」と呼ばれていた。「銚子」とは小さなつぎ口を持つ酒器の一種(徳利では無い。)で入り口が狭く、中に入るとより広い空間が拡がる地形に良く似ている為「銚子」という地名がついたとされる。「銚子」が行政区画名として町名に使われたのは、明治22年(1889年)4月1日「市制町村制」が施行されてからである。
銚子漁港[編集]
現在、銚子漁港は日本随一の漁獲量を誇る漁港となっているが、嘗ては日本の三大海難所の一つに数えられた所であった。利根川の河口付近に千人塚(銚子市川口町2丁目)というところがあり、1616年(慶長19年)10月25日銚子沖に吹いた突風によって亡くなった千人以上の漁民を葬った場所と言われている。昔の利根川河口付近は川幅が狭く、川底には大きな岩があり、その上水深が浅く、干潮時と満潮時の潮の流れは急で、一年中風が強く吹き波が荒い場所であった。明治43年3月12日には、漁船80隻、漁民千人以上が遭難した。当時の船頭歌で「阿波の鳴門か銚子の川口、伊良子渡合が恐ろしや」などと諷されていた。
何度も遭難が繰り返される中、銚子の町人や漁民らの間から河口を広げ水深を深くし、安心安全な漁港を造って欲しいという要望が上がり、銚子醤油株式会社(現・ヒゲタ醤油)社長の濱口吉兵衛を千葉県水産株式会社取締役社長に抜擢し、安全な港に修築できるように、県や国に訴えて貰う事にする。以後、県や国が調査し、川底の爆破をし水深を深くする事を試みるものの、返って流れが急になり、やむなく中止する。別の案では、救助砲(救助ロープを打ち出す砲台)を設置するものの、いざ使用してみると、船まで届かず全く意味を成さなかった。
以後、吉兵衛は悩み、漁民を危険な状況から救う為、また、国へこの実情を訴える為に国会議員になる決意をする。その後、国会議員となった吉兵衛は、千葉県議会議員であった小野田周斎と共に銚子漁港改修に全力を注ぎ、銚子港修築案がついに国会を通過、国からの援助を得る事が決まった。1925年(大正14年)12月修築工事が始められ、1932年(昭和7年)11月竣工した。
1937年(昭和12年)吉兵衛の功績を讃え、新生河岸公園に銅像が建立されたが、1943年(昭和18年)、戦時供出された。しかし、1955年(昭和30年)銅像は再建された。
沿革[編集]
市制施行以前[編集]
市制施行後[編集]
- 1933年(昭和8年)2月11日 海上郡銚子町、本銚子町、西銚子町、豊浦村が合併し市制施行。銚子市が誕生する(千葉市に次いで県内2番目の市制施行)。
- 1937年(昭和12年)2月11日 海上郡高神村及び海上村を廃しその区域を銚子市に編入。
- 4月1日 銚子市立銚子中学校(現・銚子市立銚子高等学校)開校。
- 1943年(昭和18年)4月1日 千葉県立銚子水産学校(後・千葉県立銚子水産高等学校。統合により廃校)開校。
- 1945年(昭和20年)3月9日~3月10日 B29爆撃機による爆撃を受ける。
- 1946年(昭和21年)6月6日 昭和天皇が戦災地視察に行幸。
- 1954年(昭和29年)4月1日 海上郡船木村、及び椎柴村を廃しその区域を銚子市に編入。
- 1955年(昭和30年)2月11日 旭市大字イ字椎柴野の区域を銚子市に編入。
- 香取郡豊里村を廃しその区域を銚子市に編入。
- 1956年(昭和31年)4月10日 海上郡豊岡村を廃しその区域を銚子市に編入。
- 1957年(昭和32年)3月31日 銚子市の一部を※海上郡飯岡町(※2005年(平成17年)7月1日旭市に合併)に編入。
行政[編集]
行政機関[編集]
警察[編集]
- 銚子警察署(銚子全域を管轄)
海上保安庁[編集]
- 第三管区海上保安本部・銚子海上保安部
消防[編集]
- 銚子市消防署(銚子市全域を管轄)
- 消防団(全9分団)
- 第一分団 旧高神村及び潮見町地区
- 第二分団 旧本銚子町地区
- 第三分団 旧銚子町、旧豊浦村及び大橋町地区
- 第五分団 旧西銚子町地区
- 第六分団 旧海上村地区
- 第七分団 旧船木村地区
- 第八分団 旧椎柴村地区
- 第九分団 旧豊里村地区
- 第十分団 旧豊岡村地区
国の機関[編集]
- 気象庁 銚子地方気象台
- 財務省 横浜税関千葉税関支署銚子監視署
- 国税庁 東京国税局 銚子税務署
- 法務省 千葉地方法務局 銚子出張所
- 国土交通省 関東地方整備局 利根川下流河川事務所 銚子出張所
- 国土交通省 関東運輸局 千葉運輸支局 銚子海事事務所
- 厚生労働省 千葉労働局 銚子労働基準監督署
- 厚生労働省千葉労働局銚子公共職業安定所(ハローワーク銚子)
県の機関[編集]
- 千葉県海匝地域整備センター銚子整備事務所
- 千葉県海匝健康福祉センター(海匝保健所)
- 千葉県銚子水産事務所
- 千葉県教育庁北総教育事務所東総研修所
- 旭県税事務所銚子支所
地域[編集]
人口[編集]
銚子市はかつて、千葉市に次いで県内2番目に市政施行するなど、港町として活況を誇っていたが、現在、人口減少率は県内3位となっており、近年の少子高齢化を反映している。かつては、東総地域の中心的都市としての役割を担っていたが、現在、近隣の旭市や茨城県神栖市などに雇用口や商圏などが移り、市内の活気は薄れ、観光や水産業などの面でも頭打ちの状態が続いている。銚子市の半島特有の交通の便の悪さなども起因しており、今後も人口減少が進むとみられている。県の試算では、2000年から2030年までの間の人口減少率は -29,490人の -37.5%となり、県内1位の減少率となる事が推測されている[1]。
総世帯数は27,220世帯(2006年3月1日)、なお市外局番は市内全域「0479」。
人口構成[編集]
600px | |
銚子市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 銚子市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 銚子市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
銚子市(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/12 | |
総務省統計局 国勢調査より |
健康と福祉[編集]
市の中核病院であった銚子市立総合病院が、市の財政難を主な理由に2008年(平成20年)9月30日をもって休止した。[2]
産業[編集]
漁業[編集]
工業[編集]
醤油の生産地として名高い。このほか、銚子漁港や犬吠埼などの観光も重要な産業である。また、醤油の原材料の大豆の輸入関係は鹿島港でおこなわれ、生産過程で出てくる大豆絞りかすは飼料用等の為、鹿島臨海工業の波崎地区の飼料工場の原材料になっており相関関係になっている。琥珀の産地である。
日本風力開発の関連会社により、市内には多数の風力発電が稼働している。その大半は、屏風ヶ浦を中心とした高台に位置する。
- 銚子屏風ヶ浦風力開発
- 銚子屏風ヶ浦風力発電所 1,500kW機(1基)
- 銚子小浜風力発電所 1,500kW機(1基)
- 銚子風力開発
- 銚子風力発電所 1,500kW機(9基)
- 八木風力発電所 1,500kW機(6基)
姉妹・提携都市[編集]
海外[編集]
教育[編集]
学校[編集]
幼稚園[編集]
- 銚子市立海上幼稚園
- 銚子市立春日幼稚園
- 銚子市立椎柴幼稚園
- 銚子市立清水幼稚園
- 銚子市立豊里幼稚園
- 銚子市立本城幼稚園
- 銚子市立船木幼稚園
- 私立飯沼幼稚園
- 私立銚子幼稚園
小学校[編集]
- 銚子市立飯沼小学校
- 銚子市立海上小学校
- 銚子市立春日小学校
- 銚子市立猿田小学校
- 銚子市立椎柴小学校
- 銚子市立清水小学校
- 銚子市立高神小学校
- 銚子市立豊岡小学校
- 銚子市立豊里小学校
- 銚子市立双葉小学校
- 銚子市立船木小学校
- 銚子市立本城小学校
- 銚子市立明神小学校
中学校[編集]
高等学校[編集]
特別支援学校[編集]
大学[編集]
交通[編集]
鉄道[編集]
道路[編集]
- 一般国道
- 有料道路
- 銚子新大橋有料道路(利根かもめ大橋有料道路)
- 県道
港湾[編集]
銚子は北上する「黒潮」と南下する「親潮」が沖合で交じりあい、全国有数の水揚量を誇る。また、日本有数のイワシの漁獲量を誇る銚子港だが、1988年(昭和63年)をピークに年々減り続け、現在では最盛期の100分の1程度となっている。
出身有名人[編集]
- 松井簡治(『大日本國語辭典』編纂者)
- 和歌森太郎(歴史・民俗学者)
- 木樽正明(元ロッテオリオンズ) 県立銚子商業高等学校卒業
- 篠塚和典(元読売ジャイアンツ) 県立銚子商業高等学校卒業
- 石毛博史(元読売ジャイアンツ、大阪近鉄バファローズ、阪神タイガース) 市立銚子高等学校卒業
- 上野愛(漫画家)
- 江畑謙介(軍事評論家)
- 岡田英次(俳優)
- 岡田幸三郎(実業家、作家遠藤周作夫人・遠藤順子の父)
- 国木田独歩(作家)
- 菊地秀行(作家)
- 菊地成孔(ジャズ・ミュージシャン) ※菊地秀行の実弟
- 坂口三千代(随筆家)
- 高倉みゆき(元女優)
- 髙見山酉之助(明治時代の大相撲力士)
- 浜口陽三(版画家)
- 弦哲也(作曲家)
- 内田良平(俳優)
- 高階良子(漫画家)
- 柳家三之助(落語家)
- 渡辺學(日本画家)
- 宮内洋(俳優)
- 夏木ゆたか(タレント)
- 内海桂子(漫才師)
銚子市を舞台にした作品[編集]
- 『ラスト・フレンズ』 (フジテレビジョン系列のドラマ、主演・長澤まさみ、上野樹里) - 主演の長澤まさみが身をよせる街
- 『港町純情シネマ』 (1980年、東京放送〔TBS〕、主演・西田敏行) - 外川の映画館を舞台にしたドラマ。脚本の市川森一はこの作品で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。
- NHK連続テレビ小説『澪つくし』 (1985年、日本放送協会〔NHK〕、脚本・ジェームス三木、主演・沢口靖子)
- 『コーチ』 (フジテレビジョン系列のドラマ、主演・浅野温子、玉置浩二) - 缶詰のヒット商品「サバカレー」は、この番組から生まれた。
- 『このまちだいすき』第一シリーズ(シラベル編) (1992年4月 - 1994年3月、日本放送協会〔NHK〕、主演・東善智) - 小学校社会科第3学年用の学校放送番組であり、銚子市の紹介に貢献したことで「番組の主人公」に対して市から感謝状が出ている。
- NHK教育テレビジョン道徳番組「さわやか3組」(2002年4月~2003年3月、日本放送協会 NHK教育、出演・丸茂逸朗、池田恭祐、貞方徹、三尾玲央奈、山田さくや、大谷英莉)
- 『トラック野郎・故郷特急便』(1979年)
- 『彩恋 SAI-REN』 (2007年 、監督・飯塚健、主演・関めぐみ)- 銚子に住む3人の女子高生の恋愛模様を描く。
- 屏風ヶ浦では多数のプロモーション用のミュージックビデオが撮影されている。
- 『PARTNERSHIP』 (出演・松任谷由実) - 屏風ヶ浦下の堤防を走っている
- 『YAMATO』 (出演・長渕剛)
- 『雨のMelody』 (出演・Kinki Kids)
- 『Purple The Orion』 (出演・DA PUMP)
- 『ゲンキダシテ』 (出演・大黒摩季)
- 君ヶ浜の風景を詠んだ歌人は多いがポップスの歌詞のモチーフにもされている。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]
- 犬吠埼燈台
- 犬吠埼温泉
- 銚子電鉄(ぬれ煎餅)
- 銚子港
- 屏風ヶ浦
- 地球の丸く見える丘展望館
- 銚子ポートタワー・ウォッセ21
- 銚子海洋研究所(ホエールウォッチング)
- 君ヶ浜…「日本の渚百選」の一つ
- 円福寺(坂東三十三観音27番)
- 満願寺(坂東三十三観音番外)
- 常燈寺
- 木造薬師如来坐像(国の重要文化財)
- 本堂、宮殿、棟札(千葉県指定文化財)
- 猿田神社
- 渡海神社
- 海上八幡宮
- 外川の街並み(江戸時代の計画都市)
- 銚子海洋研究所(イルカウォッチング)
- 瑞鶴荘跡(伏見宮貞愛親王別邸)
- 粟島台遺跡
- 余山貝塚
- 中島城(海上城)
- 野尻古墳群
特産・地酒[編集]
イベント[編集]
大潮まつり(旧暦6月15日)、きんめだいまつり(7月)、みなとまつり(8月)、産業まつり(10月)
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ 千葉県総務部市町村課「合併推進構想策定に当たっての県の考え方 人口・高齢化等の現況と2030年までの見通し - 少子・高齢化の進展-」より。
- ↑ 銚子市行政改革推進「市民の皆さまへ 銚子市立総合病院を休止します」
外部リンク[編集]
空中写真・地図[編集]
- 銚子市街地空中写真(地区:銚子, コース:C7, 番号:22) - 国土地理院国土変遷アーカイブ 空中写真閲覧システム[1]。
- 国土地理院 地図閲覧サービス ウオッちず
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