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'''桂 正和'''(かつら まさかず、本名同じ、1962年12月10日 - )は[[日本]]の男性[[漫画家]]。プロダクション名は STUDIO K2R。[[福井県]]生まれ。[[阿佐ヶ谷美術専門学校]]中退。[[血液型]]は[[ABO式血液型|A型]]。 | '''桂 正和'''(かつら まさかず、本名同じ、1962年12月10日 - )は[[日本]]の男性[[漫画家]]。プロダクション名は STUDIO K2R。[[福井県]]生まれ。[[阿佐ヶ谷美術専門学校]]中退。[[血液型]]は[[ABO式血液型|A型]]。 | ||
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== 来歴 == | == 来歴 == | ||
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=== 連載デビューまで === | === 連載デビューまで === | ||
[[1962年]]([[昭和]]37年)[[福井県|福井]]に生まれ、[[小学校|小学生]]の時に[[千葉県]][[千葉市]]村田町へ引っ越し、さらに[[中学校|中学]]になる頃に同県[[市原市]]八幡へ移り20歳頃までを過ごす。子供の頃から[[絵画|絵]]は得意で受賞などもしていたが、[[アニメ]]や[[漫画]]にはさほど惹かれておらず、[[ウルトラシリーズ]]や[[仮面ライダーシリーズ]]といった[[特撮]]ヒーロー物に夢中になっていた。 | [[1962年]]([[昭和]]37年)[[福井県|福井]]に生まれ、[[小学校|小学生]]の時に[[千葉県]][[千葉市]]村田町へ引っ越し、さらに[[中学校|中学]]になる頃に同県[[市原市]]八幡へ移り20歳頃までを過ごす。子供の頃から[[絵画|絵]]は得意で受賞などもしていたが、[[アニメ]]や[[漫画]]にはさほど惹かれておらず、[[ウルトラシリーズ]]や[[仮面ライダーシリーズ]]といった[[特撮]]ヒーロー物に夢中になっていた。 | ||
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中学時にV55 ([[Technics]]) という50万円の[[コンポーネントステレオ]]が欲しく、当時50万円だった賞金目当てに[[手塚賞]]への応募を始める。最初の道具は[[手塚治虫]]の入門書を読んで小遣いで揃えた物だった。それまでは漫画家を目指していたわけでもない上に漫画もほとんど読んでおらず、当初は賞金だけが目的であった。目的のコンポは賞金を手に入れる前に買ってもらったが、漫画を描き続ける中で描くおもしろさを覚え、[[高等学校|高校]]時には授業中に[[ペン入れ]]をするなどして漫画に没頭する。そして[[1980年]](昭和55年)の高校[[卒業]]間際に[[週刊少年ジャンプ#新人漫画家の募集企画|フレッシュジャンプ賞]]に投稿した作品が選外ながらも[[編集者]]・[[鳥嶋和彦]]の目に止まり、また同時期に手塚賞に応募していた「[[桂正和コレクション#ツバサ|ツバサ]]」が佳作に入選する。 | 中学時にV55 ([[Technics]]) という50万円の[[コンポーネントステレオ]]が欲しく、当時50万円だった賞金目当てに[[手塚賞]]への応募を始める。最初の道具は[[手塚治虫]]の入門書を読んで小遣いで揃えた物だった。それまでは漫画家を目指していたわけでもない上に漫画もほとんど読んでおらず、当初は賞金だけが目的であった。目的のコンポは賞金を手に入れる前に買ってもらったが、漫画を描き続ける中で描くおもしろさを覚え、[[高等学校|高校]]時には授業中に[[ペン入れ]]をするなどして漫画に没頭する。そして[[1980年]](昭和55年)の高校[[卒業]]間際に[[週刊少年ジャンプ#新人漫画家の募集企画|フレッシュジャンプ賞]]に投稿した作品が選外ながらも[[編集者]]・[[鳥嶋和彦]]の目に止まり、また同時期に手塚賞に応募していた「[[桂正和コレクション#ツバサ|ツバサ]]」が佳作に入選する。 | ||
− | 高校時代には『[[電子戦隊デンジマン]]』をきっかけとし[[東映]]の[[特撮テレビ番組一覧|特撮テレビドラマ]]にのめり込む(詳細は[[#趣味|趣味の節]]で[[#特撮ヒーロー|後述]])。こうした特撮ヒーロー物のファン故、そのトレースしただけの様な[[ | + | 高校時代には『[[電子戦隊デンジマン]]』をきっかけとし[[東映]]の[[特撮テレビ番組一覧|特撮テレビドラマ]]にのめり込む(詳細は[[#趣味|趣味の節]]で[[#特撮ヒーロー|後述]])。こうした特撮ヒーロー物のファン故、そのトレースしただけの様な[[SF]]作品ばかりを描いていたが、担当となった鳥嶋に[[ラブコメディ]]作品を描く様に薦められ「[[桂正和コレクション#転校生はヘンソウセイ!?|転校生はヘンソウセイ!?]]」を執筆する。同作は初めてのラブコメであったにも関わらず手塚賞準入選に入賞して『[[週刊少年ジャンプ]]』 (以下『WJ』)に掲載され、[[専修学校|専門学校]]在籍中に漫画家としての[[デビュー]]を果たす。その後『WJ』で「[[ウイングマン]]」の連載を開始し多忙となったこと、そして3年への進級に失敗したことから専門学校を中退。同作は自身の好きなヒーロー物にラブコメディ要素を取り入れたことによりヒットし、[[アニメ化]]もされた。 |
=== 恋愛作品のヒット === | === 恋愛作品のヒット === | ||
+ | [[Image:桂正和5.jpg|400px|thumb|桂 正和]] | ||
「ウイングマン」終了後は「[[超機動員ヴァンダー]]」・「[[プレゼント・フロム LEMON]]」と短期終了の連載が2作続き、不遇の時代を迎える。再び担当となった鳥嶋のサポートから「[[恋愛]]モノ」に取りかかり、『ウイングマン』とは逆に恋愛にSF要素を取り入れた読切「[[電影少女#ビデオガール|ビデオガール]]」を[[1989年]]([[平成]]元年)に発表、同年さらにこれを元にした「[[電影少女]]」の連載を開始する。『電影少女』は単行本巻数としては『WJ』時代最長となる15巻まで続き、[[OVA]]化・[[実写]][[映画]]化等様々な[[メディアミックス]]展開が行なわれるヒット作となった。両作は桂にとって漫画家としてのターニングポイントとなっており、作風に様々な変化をもたらした(詳細は[[#作風|作風の節で後述]])。またこの年公開された[[映画]]『[[バットマン (映画)|バットマン]]』をきっかけに桂は『[[バットマン]]』のファンとなり、以降の作品に影響を与えた(詳細は[[#趣味|趣味の節]]で[[#バットマン|後述]])。 | 「ウイングマン」終了後は「[[超機動員ヴァンダー]]」・「[[プレゼント・フロム LEMON]]」と短期終了の連載が2作続き、不遇の時代を迎える。再び担当となった鳥嶋のサポートから「[[恋愛]]モノ」に取りかかり、『ウイングマン』とは逆に恋愛にSF要素を取り入れた読切「[[電影少女#ビデオガール|ビデオガール]]」を[[1989年]]([[平成]]元年)に発表、同年さらにこれを元にした「[[電影少女]]」の連載を開始する。『電影少女』は単行本巻数としては『WJ』時代最長となる15巻まで続き、[[OVA]]化・[[実写]][[映画]]化等様々な[[メディアミックス]]展開が行なわれるヒット作となった。両作は桂にとって漫画家としてのターニングポイントとなっており、作風に様々な変化をもたらした(詳細は[[#作風|作風の節で後述]])。またこの年公開された[[映画]]『[[バットマン (映画)|バットマン]]』をきっかけに桂は『[[バットマン]]』のファンとなり、以降の作品に影響を与えた(詳細は[[#趣味|趣味の節]]で[[#バットマン|後述]])。 | ||
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=== ヤングジャンプへの移籍 === | === ヤングジャンプへの移籍 === | ||
+ | [[Image:桂正和6.jpg|400px|thumb|桂 正和]] | ||
[[2000年]](平成12年)の「I"s」連載終了と同年に掲載された読切「Dr.チャンバリー」を最後に、桂は長年活動の場として来た『WJ』を離れる。そして[[2002年]](平成14年)に発表された「[[M エム|M 完全版]]」以降は活動の場を『[[週刊ヤングジャンプ]]』に移し、同年より「[[ZETMAN]]」の連載を開始する。5年以上に渡って連載が継続されており、桂最長の作品となっている。移籍後に発売された『I"s』の[[完全版コミックス|完全版]]は『WJ』連載作品でありながら[[ヤングジャンプ・コミックス]]レーベルからの発売となっている。 | [[2000年]](平成12年)の「I"s」連載終了と同年に掲載された読切「Dr.チャンバリー」を最後に、桂は長年活動の場として来た『WJ』を離れる。そして[[2002年]](平成14年)に発表された「[[M エム|M 完全版]]」以降は活動の場を『[[週刊ヤングジャンプ]]』に移し、同年より「[[ZETMAN]]」の連載を開始する。5年以上に渡って連載が継続されており、桂最長の作品となっている。移籍後に発売された『I"s』の[[完全版コミックス|完全版]]は『WJ』連載作品でありながら[[ヤングジャンプ・コミックス]]レーベルからの発売となっている。 | ||
== 年表 == | == 年表 == | ||
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* [[1962年]](昭和37年) - [[福井県]]で生まれる。 | * [[1962年]](昭和37年) - [[福井県]]で生まれる。 | ||
* 197?年(昭和4?年) - [[小学校|小学生]]の頃に[[千葉市]]に引っ越す。その後[[中学校|中学]]になる頃に[[市原市]]へ引っ越し、20歳頃までを過ごす。 | * 197?年(昭和4?年) - [[小学校|小学生]]の頃に[[千葉市]]に引っ越す。その後[[中学校|中学]]になる頃に[[市原市]]へ引っ越し、20歳頃までを過ごす。 | ||
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== 作風 == | == 作風 == | ||
+ | [[Image:桂正和7.jpg|400px|thumb|桂 正和]] | ||
同じく漫画家で友人の[[鳥山明]]は桂の作風について「(桂は)''感動させたくてしょうがない''」と評しており、「''作風が真逆なくらい違う''」鳥山が人間味を表現するのを嫌い明るくくだらないやり取りを好むのに対し、桂はやや暗く感動を誘うような描写を好む。こうした自身の作風について桂は、[[あすなひろし]]の“哀しい”作品の影響を述べている。 | 同じく漫画家で友人の[[鳥山明]]は桂の作風について「(桂は)''感動させたくてしょうがない''」と評しており、「''作風が真逆なくらい違う''」鳥山が人間味を表現するのを嫌い明るくくだらないやり取りを好むのに対し、桂はやや暗く感動を誘うような描写を好む。こうした自身の作風について桂は、[[あすなひろし]]の“哀しい”作品の影響を述べている。 | ||
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=== 恋愛物 === | === 恋愛物 === | ||
+ | [[Image:桂正和8.jpg|400px|thumb|桂 正和]] | ||
「''[[少年雑誌|少年誌]]でやってる限り、……『[[ラブコメディ|ラブコメ]]』が向いているらしくて''」と桂自身が述べるように、『[[電影少女]]』・『[[I"s]]』とヒットし長期連載となった作品には[[恋愛]]要素が強い作品が列び、また恋愛を主題とはしていない変身ヒーロー物であっても『WJ』時代の連載作品には必ず恋愛要素と性的な[[サービスカット]]が含まれている。同じく鳥嶋にラブコメを求め続けられながらも頑なに拒否した[[鳥山明]]とは対極的に、桂はその要望を受け入れたことによって作品が時代とマッチし、ヒット作を生み出していった。 | 「''[[少年雑誌|少年誌]]でやってる限り、……『[[ラブコメディ|ラブコメ]]』が向いているらしくて''」と桂自身が述べるように、『[[電影少女]]』・『[[I"s]]』とヒットし長期連載となった作品には[[恋愛]]要素が強い作品が列び、また恋愛を主題とはしていない変身ヒーロー物であっても『WJ』時代の連載作品には必ず恋愛要素と性的な[[サービスカット]]が含まれている。同じく鳥嶋にラブコメを求め続けられながらも頑なに拒否した[[鳥山明]]とは対極的に、桂はその要望を受け入れたことによって作品が時代とマッチし、ヒット作を生み出していった。 | ||
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ただし、「(『電影少女』の開始時には)''恋愛モノなんて、イヤでイヤでしようがなかったし、連載で描き続ける自信など、まるでなかった''」や、「''自分に求められている物を意識しすぎて、……恋愛や[[エッチ|エロ]]を入れなきゃとか''」、などのより消極的な発言も見られ、『[[ウイングマン]]』に登場する女性戦隊ウイングガールについては、ストイックな特撮ヒーロー物をやりたかったため本心としては出したくなかったが、編集の意向に合わせて仕事と割り切り登場させた旨を懐述している。 | ただし、「(『電影少女』の開始時には)''恋愛モノなんて、イヤでイヤでしようがなかったし、連載で描き続ける自信など、まるでなかった''」や、「''自分に求められている物を意識しすぎて、……恋愛や[[エッチ|エロ]]を入れなきゃとか''」、などのより消極的な発言も見られ、『[[ウイングマン]]』に登場する女性戦隊ウイングガールについては、ストイックな特撮ヒーロー物をやりたかったため本心としては出したくなかったが、編集の意向に合わせて仕事と割り切り登場させた旨を懐述している。 | ||
− | なお、恋愛物については[[ラッセ・ハルストレム]]の[[映画]]『[[マイライフ・アズ・ア・ドッグ]] | + | なお、恋愛物については[[ラッセ・ハルストレム]]の[[映画]]『[[マイライフ・アズ・ア・ドッグ]]』の影響を自身で述べている。 |
==== 性的描写 ==== | ==== 性的描写 ==== | ||
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==== イラスト集 ==== | ==== イラスト集 ==== | ||
− | * 『4C』 [[集英社]]、[[1998年]]8月9日初版第1刷発行、ISBN 4-08-782762-3 - 『I"s』初期までのカラーイラスト等を収録。3冊組。タイトルは[[プロセスカラー|'''4'''色カラー ('''c'''olor)]] 原稿に由来するが、イラスト集自体は[[特色 (印刷)|特色]]を加えた5色での[[印刷]] | + | * 『4C』 [[集英社]]、[[1998年]]8月9日初版第1刷発行、ISBN 4-08-782762-3 - 『I"s』初期までのカラーイラスト等を収録。3冊組。タイトルは[[プロセスカラー|'''4'''色カラー ('''c'''olor)]] 原稿に由来するが、イラスト集自体は[[特色 (印刷)|特色]]を加えた5色での[[印刷]]となっている。 |
** L-side ‹L{{Small|OVERS}}-side› Katsura Masakazu Illustrations 1 - 恋愛作品のイラスト等を収録。 | ** L-side ‹L{{Small|OVERS}}-side› Katsura Masakazu Illustrations 1 - 恋愛作品のイラスト等を収録。 | ||
** R-side ‹{{Small|HE}}R{{Small|OES}}-side› Katsura Masakazu Illustrations 2 - ヒーロー作品や短編のイラスト、インタビュー、作品リスト、ゲストメッセージを収録。 | ** R-side ‹{{Small|HE}}R{{Small|OES}}-side› Katsura Masakazu Illustrations 2 - ヒーロー作品や短編のイラスト、インタビュー、作品リスト、ゲストメッセージを収録。 | ||
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==== JIYA -ジヤ- ==== | ==== JIYA -ジヤ- ==== | ||
− | 「'''JIYA -ジヤ-''' 」は[[漫画原作者|原作]]:鳥山明・漫画:桂正和による[[ | + | 「'''JIYA -ジヤ-''' 」は[[漫画原作者|原作]]:鳥山明・漫画:桂正和による[[SF]]漫画作品。『[[週刊ヤングジャンプ|ヤングジャンプ]]』創刊30周年記念作品として同誌2010年2・3合併号(2009年12月10日発売)から6号までの全3回で短期集中連載された。 |
大[[ノミ]]を手下とした凶悪な[[吸血鬼]]バンパが猛威を振るっている地球に訪れた、銀河パトロール隊員'''ジヤ'''の活躍を描く。 | 大[[ノミ]]を手下とした凶悪な[[吸血鬼]]バンパが猛威を振るっている地球に訪れた、銀河パトロール隊員'''ジヤ'''の活躍を描く。 | ||
=== 漫画関係者 === | === 漫画関係者 === | ||
+ | ; [[鳥嶋和彦]] | ||
+ | : 元担当[[編集者]]で、桂を漫画家としての成功へと導いた功労者。月例新人賞に応募してきた桂の作品を見て、「''一コマだけいい顔あったから''」と声をかけて担当となりデビューへと導いた。またターニングポイントとなった「[[電影少女#ビデオガール|ビデオガール]]」・『[[電影少女]]』も鳥嶋の協力の元で誕生している(詳しくは[[#来歴|来歴]]の節で上述)。なお「ビデオガール」の完成後、桂は鳥嶋が担当から外れたこともあり好評だった別の読切「[[ZETMAN 桂正和短編集#SHIN-NO-SHIN|SHIN-NO-SHIN]]」での連載を考えていたが、副編集長となった鳥嶋の推しにより「ビデオガール」を元とした連載を開始することとなった。 | ||
+ | ; [[黒岩よしひろ]] | ||
+ | : 元[[アシスタント (漫画)|アシスタント]]。病気で休載した時期もあわせて2年近くアシスタントを経験した。[[渡辺満里奈]]のファンであったことから、桂と渡辺の対談に付いて行っている。 | ||
+ | ; [[稲田浩司]] | ||
+ | : 元チーフアシスタントであり、桂のアシスタント時代にデビューしている。1年半ほどアシスタントを経験した。 | ||
+ | |||
+ | === 専門学校の同窓生 === | ||
+ | ; [[雨宮慶太]] | ||
+ | : 専門学校の2年先輩。雨宮の監督映画『[[ゼイラム]]』(1991年12月公開)に“通行人”として桂が出演した他、同作のアニメ化作品『[[I・R・I・A ZEIRAM THE ANIMATION|I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION]]』の[[キャラクターデザイン]]を桂が担当している。また雨宮の『[[未来忍者 慶雲機忍外伝]]』に触発され、桂は和風をコンセプトとした読切「[[ZETMAN 桂正和短編集#SHIN-NO-SHIN|SHIN-NO-SHIN]]」を描いている。 | ||
+ | ; [[寺田克也]] | ||
+ | : 専門学校の1年後輩。「SHADOW LADY」【VJ版】第1回の背景を描いている。 | ||
+ | ; [[竹谷隆之]] | ||
+ | : 専門学校の1年後輩。『ZETMAN』のキャラクターデザインに協力。また竹谷が造形を担当している[[S.I.C.#派生商品|MOVIE REALIZATION]]シリーズにおいて、桂がバットマンのスーパーバイザーを務める。また、関連シリーズであるMANGA REALIZATIONの第1弾としてウイングマンを造形制作している。 | ||
+ | |||
+ | === その他 === | ||
+ | ; [[韮沢靖]] | ||
+ | : 雨宮を介して知り合う。『ZETMAN』のキャラクターデザインに協力。また桂は韮沢による[[オムニバス]]イラスト集『[[Bitch's Life Illustration FIle]]』に「[[M エム#a virgin|a virgin]]」を寄稿している。 | ||
+ | ; [[金田龍]] | ||
+ | : 寺田を介して知り合う。実写映画『[[電影少女#映画|電影少女 -VIDEO GIRL AI-]]』の[[映画監督|監督]]を務めた。また実現はされなかったが、金田を監督に『D・N・A²』を実写映画化する企画もあった。 | ||
+ | ; [[酒井法子]] | ||
+ | : 桂が酒井のファン。コミック巻末において2度の対談を行っており、OVA『[[電影少女#OVA|電影少女 -VIDEO GIRL AI-]]』のサウンドトラックCDにも参加している。また『電影少女』13巻表紙の天野あいは、酒井をモデルに描かれている。 | ||
+ | |||
+ | == 参考文献 == | ||
+ | 主要参考文献のみを記載。この他の参考文献については個別脚注方式で[[#出典]]に記載している。 | ||
+ | |||
+ | === 書籍・雑誌 === | ||
+ | {{Refbegin}} | ||
+ | * 野上タカヒロ「コミックをもっと²おもしろく!!〈コミッカーズ・インタビュー〉桂正和」『コミッカーズ』1995年夏号、[[美術出版社]]〈別冊美術手帖〉14号、1995年6月15日発行、8 - 15頁。 | ||
+ | * 小田切博「アメコミのある風景 第4回 桂正和」『コミッカーズ』 12号(1997年10月号)美術出版社〈別冊美術手帖〉25号、1997年10月1日発行、150 - 151頁。 | ||
+ | * 「バット・フィギュア&バット・モデル BATMAN&ROBIN &OTHER BAT CHARACTERS APPENDIX(2) 桂 正和特別寄稿&スタジオK2R特別公開」『S.M.H.』VOL.8、[[ホビージャパン]]〈月刊ホビージャパン〉10月号別冊、1997年10月1日、表紙・16 - 19頁。 | ||
+ | * 桂正和『4C R-side ‹{{Small|HE}}R{{Small|OES}}-side› Katsura Masakazu Illustrations 2』[[集英社]]、[[1998年]]8月9日発行、ISBN 4-08-782762-3。 | ||
+ | ** 「桂正和インタビュー」69 - 84頁。 | ||
+ | ** 「Guest Message」85 - 99頁。 | ||
+ | * [[韮沢靖]]「桂正和氏が語る[[バットマン]]に魅かれる理由」『フィギュア王』NO.27、[[ワールドフォトプレス]]、1999年11月30日、ISBN 4-8465-2229-6、10 - 12頁。 | ||
+ | * 「[[金田龍]]×桂正和 対談」『Making of Game Graphics vol.2 [[鬼武者|鬼武者2]]』[[ワークスコーポレーション|株式会社ワークスコーポレーション]]〈CGWORLD〉別冊、2002年8月10日、68 - 71頁。 | ||
+ | * 「巻頭インタビュー 桂正和」『キャラクター・デザイン・バイブル vol.4 ネオ・ヒーロー』[[グラフィック社]]、2004年7月25日、2 - 3頁。 | ||
+ | * 「桂正和インタビュー」『[[季刊エス]]』14号(第4巻第2号通巻14号)、[[飛鳥新社]]、2006年4月1日、38 - 43頁。 | ||
+ | * 「[[鳥山明]]×桂正和 コラボレーション対談」『[[ジャンプスクエア]]』2008年5月号(第2巻第5号)集英社、2008年5月1日、8 - 10・267 - 269頁。 | ||
+ | * 「ファンタジーコミック大賞特別企画第2弾 桂正和先生インタビュー」『[[ウルトラジャンプ]]』2009年8月号(第11巻第8号)、集英社、2009年8月25日、36頁 | ||
+ | {{Refend}} | ||
+ | |||
+ | == 外部リンク == | ||
+ | * [http://k2r.main.jp/ K2R村] - 公式サイト | ||
+ | * [http://www.asabi.ac.jp/topics/katsura_matsuoka_taidan2006.php 桂正和×本校教員松岡和彦対談] - 母校[http://www.asabi.ac.jp/ 阿佐ヶ谷美術専門学校のサイト]内の対談記事 | ||
+ | * [http://www.tamashii.jp/special/mr_batman/ MOVIE REALIZATION BATMAN&BAT-POD] | ||
+ | * [http://www.shueisha.co.jp/fantasy-taishou/katsura/ ファンタジーコミック大賞特別企画第2弾 桂正和先生インタビュー] - [http://www.shueisha.co.jp/fantasy-taishou/index.html ファンタジーコミック大賞]サイト内のインタビュー記事 | ||
+ | |||
+ | {{DEFAULTSORT:かつら まさかす}} | ||
+ | [[Category:日本の漫画家]] | ||
+ | [[Category:SF漫画家]] | ||
+ | [[Category:福井県出身の人物]] | ||
+ | [[Category:千葉県出身の人物]] | ||
+ | [[Category:1962年生]] | ||
+ | [[Category:桂正和|*]] |
2017年9月27日 (水) 15:55時点における最新版
桂 正和(かつら まさかず、本名同じ、1962年12月10日 - )は日本の男性漫画家。プロダクション名は STUDIO K2R。福井県生まれ。阿佐ヶ谷美術専門学校中退。血液型はA型。
1981年(昭和56年)に『週刊少年ジャンプ』(集英社)32号掲載の「転校生はヘンソウセイ!?」でデビューし、1983年(昭和58年)に同誌5・6合併号から連載を開始した『ウイングマン』で連載デビュー。主に『週刊少年ジャンプ』で活躍し、その後『週刊ヤングジャンプ』(同)に移籍。代表作に『ウイングマン』・『電影少女』・『I"s』など。『週刊ヤングジャンプ』誌上において「ZETMAN」を連載中。
評価は日本国内に留まらず香港・台湾・アメリカ・フランスなど様々な国のファンより支持されている。
来歴[編集]
連載デビューまで[編集]
1962年(昭和37年)福井に生まれ、小学生の時に千葉県千葉市村田町へ引っ越し、さらに中学になる頃に同県市原市八幡へ移り20歳頃までを過ごす。子供の頃から絵は得意で受賞などもしていたが、アニメや漫画にはさほど惹かれておらず、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズといった特撮ヒーロー物に夢中になっていた。
中学時にV55 (Technics) という50万円のコンポーネントステレオが欲しく、当時50万円だった賞金目当てに手塚賞への応募を始める。最初の道具は手塚治虫の入門書を読んで小遣いで揃えた物だった。それまでは漫画家を目指していたわけでもない上に漫画もほとんど読んでおらず、当初は賞金だけが目的であった。目的のコンポは賞金を手に入れる前に買ってもらったが、漫画を描き続ける中で描くおもしろさを覚え、高校時には授業中にペン入れをするなどして漫画に没頭する。そして1980年(昭和55年)の高校卒業間際にフレッシュジャンプ賞に投稿した作品が選外ながらも編集者・鳥嶋和彦の目に止まり、また同時期に手塚賞に応募していた「ツバサ」が佳作に入選する。
高校時代には『電子戦隊デンジマン』をきっかけとし東映の特撮テレビドラマにのめり込む(詳細は趣味の節で後述)。こうした特撮ヒーロー物のファン故、そのトレースしただけの様なSF作品ばかりを描いていたが、担当となった鳥嶋にラブコメディ作品を描く様に薦められ「転校生はヘンソウセイ!?」を執筆する。同作は初めてのラブコメであったにも関わらず手塚賞準入選に入賞して『週刊少年ジャンプ』 (以下『WJ』)に掲載され、専門学校在籍中に漫画家としてのデビューを果たす。その後『WJ』で「ウイングマン」の連載を開始し多忙となったこと、そして3年への進級に失敗したことから専門学校を中退。同作は自身の好きなヒーロー物にラブコメディ要素を取り入れたことによりヒットし、アニメ化もされた。
恋愛作品のヒット[編集]
「ウイングマン」終了後は「超機動員ヴァンダー」・「プレゼント・フロム LEMON」と短期終了の連載が2作続き、不遇の時代を迎える。再び担当となった鳥嶋のサポートから「恋愛モノ」に取りかかり、『ウイングマン』とは逆に恋愛にSF要素を取り入れた読切「ビデオガール」を1989年(平成元年)に発表、同年さらにこれを元にした「電影少女」の連載を開始する。『電影少女』は単行本巻数としては『WJ』時代最長となる15巻まで続き、OVA化・実写映画化等様々なメディアミックス展開が行なわれるヒット作となった。両作は桂にとって漫画家としてのターニングポイントとなっており、作風に様々な変化をもたらした(詳細は作風の節で後述)。またこの年公開された映画『バットマン』をきっかけに桂は『バットマン』のファンとなり、以降の作品に影響を与えた(詳細は趣味の節で後述)。
「電影少女」終了後、1992年(平成4年)からは鳥嶋が創刊編集長を務めた『週刊少年ジャンプ特別編集増刊 V JUMP』において「SHADOW LADY」【VJ版】を連載、その後『WJ』に戻り1994年(平成6年)から「D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」・1995年(平成7年)からは「SHADOW LADY」【WJ版】とアクション色の強い作品を続けて発表する。『D・N・A² 』の連載は単行本5巻分と比較的短期だったが、テレビアニメ化されている。
1996年(平成8年)には初の青年誌向け作品として「エム」を『MANGAオールマン』にて発表する。そして翌1997年(平成9年)にはWJ編集部の意向に沿う形で、SF要素を一切排した恋愛漫画「I"s」の連載を開始する。同作は『WJ』時代最長の作品となり、連載終了後にもメディアミックスが行なわれるヒット作となった。
ヤングジャンプへの移籍[編集]
2000年(平成12年)の「I"s」連載終了と同年に掲載された読切「Dr.チャンバリー」を最後に、桂は長年活動の場として来た『WJ』を離れる。そして2002年(平成14年)に発表された「M 完全版」以降は活動の場を『週刊ヤングジャンプ』に移し、同年より「ZETMAN」の連載を開始する。5年以上に渡って連載が継続されており、桂最長の作品となっている。移籍後に発売された『I"s』の完全版は『WJ』連載作品でありながらヤングジャンプ・コミックスレーベルからの発売となっている。
年表[編集]
- 1962年(昭和37年) - 福井県で生まれる。
- 197?年(昭和4?年) - 小学生の頃に千葉市に引っ越す。その後中学になる頃に市原市へ引っ越し、20歳頃までを過ごす。
- 1980年(昭和55年) - 高校卒業間際にフレッシュジャンプ賞に応募していた作品が鳥嶋和彦の目に止まる。また「ツバサ」で第19回手塚賞佳作受賞。阿佐ヶ谷美術専門学校へ入学する。
- 1981年(昭和56年) - 専門学校在籍中に「転校生はヘンソウセイ!?」で第21回手塚賞準入選を受賞。漫画家としてデビューする。
- 1983年(昭和58年) - 「ウイングマン」で連載デビュー( - 1985年)。初の単行本となる『ウイングマン』1巻が8月に発売。
- 1984年(昭和59年) - 『夢戦士ウイングマン』として『ウイングマン』が初のテレビアニメ化。初の短編集『桂正和コレクション』1巻を発売。
- 1985年(昭和60年) - 「超機動員ヴァンダー」連載開始( - 1986年)。
- 1987年(昭和62年) - 「プレゼント・フロム LEMON」連載開始(同年終了)。
- 1988年(昭和63年) - 「小さな灯り」を『週刊少年ジャンプ特別編集 スーパージャンプ』に掲載。初の青年誌掲載。
- 1989年(平成元年) - 「電影少女」連載開始( - 1992年)。
- 1991年(平成3年) - 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』として『電影少女』が初の実写映画化。
- 1992年(平成4年) - 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』として『電影少女』が初のOVA化。『週刊少年ジャンプ特別編集増刊 V JUMP』において「SHADOW LADY」【VJ版】連載開始( - 1993年)。
- 1993年(平成5年) - 「D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」連載開始( - 1994年)。
- 1994年(平成6年) - OVA『I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION』のキャラクターデザインを担当。
- 1995年(平成7年) - 「SHADOW LADY」【WJ版】連載開始( - 1996年)。
- 1996年(平成8年) - 「エム」を『MANGAオールマン』に掲載。初の青年向け漫画。
- 1997年(平成9年) - 「I"s」連載開始( - 2000年)。
- 1998年(平成10年) - 初のイラスト集『4C』を発売。
- 1999年(平成11年) - ゲーム『LOVE & DESTROY』のキャラクターデザインを担当。
- 2002年(平成14年) - 「M 完全版」より活動の場を『週刊ヤングジャンプ』に移し、「ZETMAN」を連載開始( - 連載中)。
- 2011年(平成23年) - テレビアニメ『TIGER & BUNNY』のキャラクター原案を担当。
作風[編集]
同じく漫画家で友人の鳥山明は桂の作風について「(桂は)感動させたくてしょうがない」と評しており、「作風が真逆なくらい違う」鳥山が人間味を表現するのを嫌い明るくくだらないやり取りを好むのに対し、桂はやや暗く感動を誘うような描写を好む。こうした自身の作風について桂は、あすなひろしの“哀しい”作品の影響を述べている。
『コミッカーズ』1997年10月号では「美少女とヒーローをカラーで描かせたら右に出る者はいない」との形容によって、桂の作品の特徴を端的に表している。こうした特徴から初のイラスト集である『4C』も、恋愛作品のイラストを中心とした「L-side ‹LOVERS-side›」とヒーロー物を中心とした「R-side ‹HEROES-side›」 という構成になっている。
ヒーロー物[編集]
手塚賞佳作受賞作である「ツバサ」から最新の連載作の『ZETMAN』に至るまで、変身ヒーローを扱った作品が多い。上述の通り高校時代には特撮ヒーローに夢中となってそのトレースのような作品ばかりを書いていたこともあり、初期の作品には特撮ヒーロー物の影響が強い。また、『バットマン』公開以降の作品については同作の影響を自身で述べている。(特撮ヒーロー・バットマンについては趣味の節で後述)
桂自身ヒーロー物に対してはこだわりがあり、『ZETMAN』については物語の構想としては変身ヒーローである意味が無いことを認識しながらも、「僕がやる限りヒーローだよな」との思いから変身ヒーロー物として描いている。
恋愛物[編集]
「少年誌でやってる限り、……『ラブコメ』が向いているらしくて」と桂自身が述べるように、『電影少女』・『I"s』とヒットし長期連載となった作品には恋愛要素が強い作品が列び、また恋愛を主題とはしていない変身ヒーロー物であっても『WJ』時代の連載作品には必ず恋愛要素と性的なサービスカットが含まれている。同じく鳥嶋にラブコメを求め続けられながらも頑なに拒否した鳥山明とは対極的に、桂はその要望を受け入れたことによって作品が時代とマッチし、ヒット作を生み出していった。
しかしこうした恋愛要素はコメディ要素と共にあくまで編集の意向を汲んで描かれた物であり、初のラブコメディ作品「転校生はヘンソウセイ!?」も担当のアイデアを取り入れることで執筆された作品であった。桂は、恋愛作品は自身の趣味とは全く異なるものではあるが嫌ではない旨を述べ、最初のラブコメを苦痛無く悩まず描けたことがその後へと繋がっていったと懐述している。
ただし、「(『電影少女』の開始時には)恋愛モノなんて、イヤでイヤでしようがなかったし、連載で描き続ける自信など、まるでなかった」や、「自分に求められている物を意識しすぎて、……恋愛やエロを入れなきゃとか」、などのより消極的な発言も見られ、『ウイングマン』に登場する女性戦隊ウイングガールについては、ストイックな特撮ヒーロー物をやりたかったため本心としては出したくなかったが、編集の意向に合わせて仕事と割り切り登場させた旨を懐述している。
なお、恋愛物についてはラッセ・ハルストレムの映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』の影響を自身で述べている。
性的描写[編集]
鳥山は桂との対談で「(桂は)エッチなのが武器」と述べており、性的な描写は桂の作品の魅力の一つとなっている。サービスカットは『ウイングマン』初期より登場していたが、『電影少女』の連載中に性的な表現に対する大きな転機が訪れる。当初恋愛物の執筆にあまり乗り気ではなかった桂は、せめてもの抵抗として少年誌にありがちな恋愛漫画を避けようとリアリティ(現実感)ある描写を求めていく。そして男女交際の帰結としてベッドシーンなどにも踏み込んでいくが、「キスまで」という少年誌的な制約は厳しく、桂はこの制約の中で「裸を出さずにエッチに描く」ことにより、際どくリアリティのある描写を目指していく。とはいえその限界の見極めは難しく、『電影少女』では単行本に収録される際の修正・単行本発行後の修正・山口県での第3巻の有害図書指定と、当時強まっていた漫画に対する表現規制のあおりを直接受けることとなった。こうした際どい表現方法は、以降も桂の作品の特徴となっており、後の「エム」や『I"s』などにも受け継がれていく。
画風[編集]
「美少女とヒーローをカラーで描かせたら右に出る者はいないスーパーテクニシャン」と言われるように、画力の高さには定評がある。しかし桂自身ではあまり自分の画力を評価しておらず、絵柄の変更に抵抗を持たずに作品に合わせて意図的に変化させている。
大きな転機となったのは『電影少女』の原型となった読切「ビデオガール」の頃で、それまでの絵柄を壊しリアリティのある絵柄を模索し始める。これは『電影少女』の連載前の漫画を描けない入院生活によって手が自分の絵を忘れてしまったことも転機とはなっているが、その他にも自分のキャラクターのルックスに飽きたこと、アイドル好きが加熱していたこともあり自分の絵よりも現実の女の子の方が可愛いと思っていることなどが理由として挙げられている。
その後の『D・N・A²』ではコミックらしさにこだわって描き、最新作の『ZETMAN』ではシリアスなストーリーに合わせ劇画にしている。鳥山明との合作「さちえちゃんグー!! 」では好きでありながら自分で封印しているデフォルメにも挑戦している。
美少女[編集]
上述の通り桂の描く美少女には定評があるが、「ウイングマン」の連載中には担当編集より「色気がない」との指摘を受けていた。この指摘から桂は色気を出して描くことを意識するが、その結果として女の子を主人公にした作品の依頼しかこなくなったと語っている。ただし、早い時期から美少女の描写は評価されており、「ウイングマン」連載中のファンレターや『超機動員ヴァンダー』の巻末にコメントを寄せた土居孝幸からは共に「女の子が可愛い」との評価を受けている。少女の描写の中でも特に尻の描写は評価が高く、鳥山は「桂君と言えばお尻」との理由によって「さちえちゃんグー!! 」の主人公さちえの痣を尻に設定している。また同じく漫画家の河下水希も、「桂正和先生の描かれるお尻なんて物凄い」と評している。
美少女を描くのに当たり桂は、グラビアなどからイメージをする程度にとどめ、特定のモデルを決めずに描いている。これは特定のモデルを決めて描くと目の大きさなどのバランスが絵としては悪くなり、修正を加えていっても良い物が描けないことによる。
趣味[編集]
趣味は映画鑑賞とグッズのコレクション。また高校時代には特撮ヒーローにも夢中になっていた。
映画鑑賞のために自宅地下にはバットマングッズのコレクションルームも兼ねたAVルームを設けており、かなりの予算をかけている。好きな映画監督としてはサム・ライミを挙げており、『死霊のはらわた』からの熱心なファン。2002年(平成14年)の『スパイダーマン』公開に当たりライミが訪日した際には、『週刊ヤングジャンプ』の企画で対談を果たしている。
コレクションの対象としては、バットマングッズ、アンティークウォッチ、スニーカーが挙げられている。
特撮ヒーロー[編集]
特撮変身ヒーローのファンであり、好きな作品としてはスーパー戦隊シリーズの『電子戦隊デンジマン』、宇宙刑事シリーズの『宇宙刑事シャイダー』、ウルトラシリーズの『ウルトラマン』を挙げている。中でも高校時代に出会った『デンジマン』は特撮ヒーローに夢中となるきっかけとなった作品であり、「エポック」であり「僕の中で戦隊物であれを越えられる物はない」と語っている。特撮に対する熱意は作品鑑賞には留まらず、専門学校時代には自主制作映画の中で『太陽戦隊サンバルカン』のコスプレを行い、学園祭には『大戦隊ゴーグルファイブ』のレッドのコスプレで参加していた。
そして特撮は単なる趣味に留まらずに作品にも多大な影響を与えており、中でも東映作品は桂がヒーロー物を描くようになった原点となっている。デビュー時期に執筆された短編「学園部隊3パロかん」とその続編「学園部隊3パロかんII」は、戦隊物の自己紹介アクションを漫画で表現することを目的として執筆された物であり、『サンバルカン』や『バトルフィーバーJ』と言った戦隊物のパロディ作品となっている。そして同シリーズに先立ち執筆され、デビューのきっかけとなった短編「ツバサ」は『デンジマン』に熱中していた時に描かれた作品であり、本作を基として描かれた連載デビュー作『ウイングマン』も様々な面で特撮の影響下にある作品となっている。そもそもとして同作は「東映の特撮物を、自分で動かしてやってみたい」という動機で描かれた作品であり、作中ヒーローであるウイングマンのデザインは鳥を基本とした上で、「デンジマンの目がないところ」と「胸から腕までの白いライン」を基とし、デンジマンのシンプルさを目指してデザインされた物である。また「ウイングマン」という名称もウルトラマンに字数と「ウ」から始まり「マン」で終わる所を合わせて命名された物である。連載開始後には製作に100万円以上かけた衣装で自らウイングマンのコスプレを行い単行本各巻の目次背景に写真を掲載、さらに単行本ではおまけページにおいて変身アクションの解説も作成している。
バットマン[編集]
バットマングッズのコレクターとしても有名で、1997年(平成9年)の『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』ではパンフレットにコメントを寄稿、2008年(平成20年)にバンダイより発売される『ダークナイト』のアクションフィギュア『MOVIE REALIZATION BATMAN&BAT-POD』ではスーパーバイザーを務め、デザインアレンジとパッケージイラストを担当している。ファンとなったきっかけは1989年の映画『バットマン』(ティム・バートン)で、同作によって「ウイングマン」の連載終了後には飽きていたヒーロー物に対する情熱が再燃した旨を語っている。
映画自体については「好きな映画ではあるが一番おもしろい映画ではない」と述べており、桂にとってのバットマンの魅力はバットマンのキャラクター性にある。誰も見ていないところでコウモリの格好をしてどちらが悪人だかわからなような対応でチンピラに脅しをかけるといった行動や、怖い容姿をして常に怒っている正義の味方バットマンと馬鹿みたいに笑っている悪役ジョーカーの両方が同じ位に狂気に満ちていることが、東映特撮によって作られた桂にとってのヒーロー像とは異なり新鮮であったこと、そして自分がヒーローであることを見て欲しい自己中心的な性格が『ウイングマン』の健太とシンクロしたことをその魅入られた理由として挙げている。また一番好きな敵キャラクターとしてはジョーカーを挙げ、敵がジョーカーであった事もバットマンに没頭した理由の一つである旨を述べている。
『バットマン&ロビン』特集号の『S.M.H.』VOL.8 では自作のバットマン胸像が表紙を飾り、「自他ともに認める強度のバットマニア」との形容と共にバットマングッズのコレクターとしての取材を受けた他、『フィギュア王』NO.27でも「漫画界きってのバットマニア」として取材を受けており、これらの取材ではバットマングッズのコレクションルームを兼ねた自宅地下のAVルームを公開している。
バットマンは桂の作品にも影響を与えており、特に『SHADOW LADY』と読切「ZETMAN」はバットマンの世界観へのオマージュ作品となっている。より直接的な描写としては、頭の「とがった耳」をバットに変えたパロディキャラクター「ばっとマン」が『電影少女』の作中に登場している。
なお、愛犬はバットマン登場キャラクターアルフレッドにちなみ、雌であるためアルフレッコと名付けられている。
また、『WJ』連載時の自画像にも、バットマンの絵を使用していた。
作品リスト[編集]
漫画作品[編集]
- 2011年12月現在。
- デフォルトでの表記は発表順。雑誌未掲載作品については執筆年で代用している。他列でのソート後に再度発表順でソートするには、最左列を利用する。
- 「種」欄は連載か読切かで2種に大別。
- 発行出版社のうちグラフィック社については「G社」と略記。
- 「掲載」欄は初出を記載。雑誌の場合は掲載誌名と号数、書籍については『書籍名』と発行年を記載。
- 掲載誌のうち『週刊少年ジャンプ』の増刊については冒頭に「WJ増刊」と略記。
- 掲載誌のソートは刊行頻度(週刊 etc.)を除いた名称で行う。WJ増刊については個別の誌名を無視し「しょうねんじゃんぷぞうかん」+「発行順」でソートする。
- 「収」欄は収録単行本またはイラスト集を「略号x-y」の形で示す。
- 〈略号〉4C:イラスト集『4C』、TB:『桂正和×TIGER & BUNNY 原画&ラフ画集成』、未:単行本未収録、この他の漫画単行本の略号対応は#漫画単行本を参照。
- 「x」は収録巻、「y」は各単行本内での収録順を示す。
連載作品 | 読切作品 |
作品名 | 種 | 発行 | 掲載 | 収 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1980年代 | ||||||
1 | ツバサ | 読切 | — | 雑誌未掲載(1980年執筆) | 短1-7 | 変身ヒーロー作品。第19回手塚賞佳作。 |
2 | 転校生はヘンソウセイ!? | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1981年32号 | 短1-4 | 恋愛作品。デビュー作であり、第21回手塚賞準入選作。 |
3 | 学園部隊3パロかん | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1981年8月増刊号 | 短1-5 | 変身ヒーローのパロディ作品。続編に「II」がある。 |
4 | 学園部隊3パロかんII | 読切 | — | 雑誌未掲載(1981年執筆) | 短1-6 | 変身ヒーローのパロディ作品。「学園部隊3パロかん」の続編。 |
5 | 夏にすずみ! | 読切 | 集英社 | フレッシュジャンプ 1982年2号 | 短1-2 | 恋愛作品。「すずみシリーズ」第1作。 |
6 | 秋にすずみ… | 読切 | 集英社 | フレッシュジャンプ 1982年3号 | 短1-3 | 恋愛作品。「すずみシリーズ」第2作。 |
7 | ウイングマン | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1983年5・6合併号 - 1985年39号 | W | 変身ヒーロー作品。連載デビュー作。 TVアニメ・ゲーム化されている。 |
8 | ヴォーグマン | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1985年スプリングスペシャル | 短2-5 | 変身ヒーロー作品。 |
9 | 超機動員ヴァンダー | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1985年52号 - 1986年21号 | Va | 変身ヒーロー作品。 |
10 | すず風のパンテノン | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1986年サマースペシャル | 短2-4 | 変身ヒーロー作品。 |
11 | KANA | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1986年48号 | 短2-3 | 恋愛作品。 |
12 | プレゼント・フロム LEMON | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1987年33号 - 51号 | P | アイドル作品。 |
13 | 小さな灯り | 読切 | 集英社 | WJ増刊 スーパージャンプ 1988年5号 | 短1-1 |
恋愛作品。初の青年誌掲載。 |
14 | エトランゼ | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1988年ウィンタースペシャル | 短2-2 | 恋愛作品。原案・大場ひろし。 |
15 | SHIN-NO-SHIN 愛と憎しみのタイムスリップ | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1989年31号掲 | 短3-2 | 恋愛作品 (SF) 。 |
16 | ビデオガール | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1989年ウインタースペシャル | 短2-1 |
恋愛作品 (SF) 。 |
17 | 電影少女 | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1989年51号 - 1992年31号 WJ増刊 1992年ウインタースペシャル |
Vi | 恋愛作品 (SF) 。 OVA・小説・ゲーム・実写映画・ラジオドラマ化されている。 |
1990年代 | ||||||
18 | SHADOW LADY【VJ版】 | 連載 | 集英社 | Vジャンプ 1993年7月号 |
WJ増刊 V JUMP 1992年11月22日号 - 1993年4月4日号4C3 | 変身ヒーロー作品。 |
19 | WOMAN IN THE MAN -男の中の女- | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1993年5・6合併号 | 短3-3 | 恋愛作品 (TSF) 。 |
20 | D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1993年36・37合併号 - 1994年29号 | D | 変身ヒーロー作品。 TVアニメ化されている。 |
21 | ZETMAN【読切版】 | 読切 | 集英社 | WJ増刊 少年ジャンプ1994年オータムスペシャル | 短3-1 | 変身ヒーロー作品。 |
22 | SHADOW LADY【読切版】 | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ1995年3・4合併号 | 短3-4 |
変身ヒーロー作品。 |
23 | SHADOW LADY【WJ版】 | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1995年31号 - 1996年2号 | S | 変身ヒーロー作品。 |
24 | エム | 読切 | 集英社 | MANGAオールマン 1996年4月号 | 4C1 |
恋愛作品。初の青年向け。後に加筆され「M 完全版」に。 |
25 | I"s | 連載 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 1997年19号 - 2000年24号 | I | 恋愛作品。OVA(2度)・ゲーム・小説化されている。 |
2000年代 | ||||||
26 | Dr.チャンバリー | 読切 | 集英社 | 週刊少年ジャンプ 2001年3・4合併号 | 未 | 全39頁、冒頭4頁カラー。 吸血鬼にされた医者を主人公としたSFファンタジー作品。 |
27 | a virgin | 読切 | G社 | 『Bitch's Life Illustration FIle』(2001年) | M | 韮沢靖のイラスト集に掲載されたエロティックイラスト。 |
28 | M 完全版 | 読切 | 集英社 | 週刊ヤングジャンプ 2002年5・6合併号 | M | 恋愛作品。「エム」に加筆した作品。 |
39 | 記憶の迷宮 | 読切 | 集英社 | 週刊ヤングジャンプ 2002年5・6合併号 | M | 「M 完全版」関連作品。 |
30 | ZETMAN【連載版】 | 連載 | 集英社 | 週刊ヤングジャンプ 2002年48号 - 連載中 | Z | 変身ヒーロー作品。 |
31 | さちえちゃんグー!! | 読切 | 集英社 | ジャンプスクエア 2008年5月号 | 未 | ヒーロー作品。原作・鳥山明。 |
2010年代 | ||||||
32 | JIYA -ジヤ- | 読切 | 集英社 | 週刊ヤングジャンプ 2010年2・3合併号 - 6号 | 未 | ヒーロー作品。原作・鳥山明。 |
32 | TIGER & BUNNY | 読切 | 集英社 | 週刊ヤングジャンプ 2011年36・37合併号 | TB | ヒーロー作品。作:西田征史。 |
書籍[編集]
漫画単行本[編集]
- 2011年12月現在。
- 書名が同じ物は【 】内の注記で区分をつけている。
- デフォルトでの表記は作品毎にまとめて初巻の発行順とし、短編集については最後にまとめた。他列でのソート後にデフォルトの順へと戻すには、最左列を利用する。
- 「判」欄はその書籍の判型をしめし、ハードカバー本については「H」を付記する。
- 「略」欄は上記#漫画作品の収録欄で用いている略号を示す。
オリジナル | 再出版 | 短編集 |
書名 | 発行 | レーベル | 判 | 発行年 | 巻 | 注記 | 略 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ウイングマン【JC版】 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1983年 - 1986年 | 13 | W | |
2 | ウイングマン【愛蔵版】 | ホーム社 | - | B6H | 1992年 | 7 | 愛蔵版としてハードカバーでの再出版。 | W |
3 | ウイングマン【文庫版】 | 集英社 | 集英社文庫コミック版 | 文庫 | 1998年 | 7 | 文庫での再出版。 | W |
4 | 超機動員ヴァンダー【JC版】 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1987年 | 2 | Va | |
5 | 超機動員ヴァンダー【ワイド版】 | ホーム社 | ジャンプ コミック セレクション | B6 | 1995年 | 2 | ワイド版での再出版。 | Va |
6 | 超機動員ヴァンダー【文庫版】 | 集英社 | 集英社文庫コミック版 | 文庫 | 2001年 | 1 | 文庫での再出版。 | Va |
7 | プレゼント・フロム LEMON【JC版】 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1988年 | 2 | P | |
8 | プレゼント・フロム LEMON 【ワイド版】 | ホーム社 | ジャンプ コミック セレクション | B6 | 1994年 | 2 | ワイド版での再出版。 | P |
9 | プレゼント・フロム LEMON【文庫版】 | 集英社 | 集英社文庫コミック版 | 文庫 | 2001年 | 1 | 文庫での再出版。 | P |
10 | 電影少女【JC版】 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1990年 - 1993年 | 15 | Vi | |
11 | 電影少女【愛蔵版】 | ホーム社 | - | B6H | 1997年 - 1998年 | 9 | 愛蔵版としてハードカバーでの再出版。 | Vi |
12 | 電影少女【文庫版】 | 集英社 | 集英社文庫コミック版 | 文庫 | 2003年 | 9 | 文庫での再出版。 | Vi |
13 | D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1993年 - 1995年 | 5 | D | |
14 | SHADOW LADY | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1996年 | 3 | S | |
15 | I"s【JC版】 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1997年 - 2000年 | 15 | I | |
16 | I"s【完全版】 | 集英社 | ヤングジャンプ・コミックス | A5 | 2005年 - 2006年 | 12 | 完全版での再出版。 | I |
17 | ZETMAN | 集英社 | ヤングジャンプ・コミックス | B6 | 2003年 - 刊行中 | 16 | 巻数は2011年12月27日現在のもの。 | Z |
18 | M エム | 集英社 | ヤングジャンプ・コミックス | B5H | 2005年 | 1 | ハードカバー愛蔵版。限定特装版あり。 | M |
19 | 桂正和コレクション【JSC版】 | 創美社 | ジャンプスーパーコミックス | 新書 | 1984年 | 1 | 短編集。 | 短1 |
20 | 桂正和コレクション【ワイド版】 | 創美社 | ジャンプスーパーエース | A5 | 1989年 | 2 | 短編集。1巻は新書版に1作追加した再出版。 | 短1/2 |
21 | ZETMAN 桂正和短編集 | 集英社 | ジャンプ・コミックス | 新書 | 1995年 | 1 | 短編集。 | 短3 |
イラスト集[編集]
- 『4C』 集英社、1998年8月9日初版第1刷発行、ISBN 4-08-782762-3 - 『I"s』初期までのカラーイラスト等を収録。3冊組。タイトルは4色カラー (color) 原稿に由来するが、イラスト集自体は特色を加えた5色での印刷となっている。
- L-side ‹LOVERS-side› Katsura Masakazu Illustrations 1 - 恋愛作品のイラスト等を収録。
- R-side ‹HEROES-side› Katsura Masakazu Illustrations 2 - ヒーロー作品や短編のイラスト、インタビュー、作品リスト、ゲストメッセージを収録。
- SHADOW LADY Katsura Masakazu Illustrations 3 - 「SHADOW LADY」【VJ版】を収録。
- 『I"s ILLUSTRATIONS』 集英社、1999年12月9日初版第1刷発行 - I"s BOXの一部。名前の通り『I"s』のカラーイラストのみを収録。
- 『桂大全』集英社、2011年6月30日第1刷発行、ISBN 978-4-08-782365-3 - 画業30周年記念本。3冊組。
- 桂図録 - イラスト集。
- 桂特録 - グラビア、寄稿イラスト、作品解説。
- 桂事録 - ドキュメンタリー。
- 『桂正和×TIGER & BUNNY 原画&ラフ画集成』集英社〈YJ愛蔵版〉2011年10月31日第1刷発行、ISBN 978-4-08-782392-9
その他[編集]
イラスト[編集]
キャラクターデザイン[編集]
- I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION【OVA】(1994年)
- LOVE&DESTROY【プレイステーション用ゲームソフト】(1999年)
- TIGER & BUNNY【MBS・TOKYO MX・BS11放送テレビアニメ】(キャラクター原案、2011年)
- 劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-【劇場アニメ】(キャラクター原案・ヒーローデザイン、2012年)
フィギュア[編集]
- アクションフィギュア MOVIE REALIZATION BATMAN&BAT-POD【スーパーバイザー、イラストも担当】
- スーパーバイズドフィギュア I"s Pure【完全監修】
曲[編集]
OVA『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』のサウンドトラックCD(どちらも発売はビクター音楽産業)において、歌・作詞・作曲に一部参加している。
- 『電影少女 オリジナル・サウンドトラック』(1992年3月27日)収録曲
- 『「電影少女 2nd」イメージ・サウンドトラック -Memories-』(1992年3月27日)収録曲
- 心の水たまり(歌:桂正和、作詞:泉水敏郎、作曲:岡田徹・鶴来正基)
- まだ見ぬ夢(歌:桂正和、作詞:覚和歌子、作曲:桂正和)
出演[編集]
- 映画『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』(1991年6月公開) - カメオ出演。
- 映画『ゼイラム』(1991年12月公開) - 専門学校の先輩、雨宮慶太の監督作。通行人役として。
- TV『 爆笑問題のススメ』(札幌テレビ、2007年3月13日放送) - ゲストとして。
- インターネットTV『東京デンジャラスnight』(2007年3月13日・11月6日放送) - まんだらけのインターネットテレビMandarayの番組。韮沢靖と共に2回出演。
関連人物[編集]
鳥山明[編集]
鳥山明と桂は鳥嶋和彦によって才能を見出された友人同士であり、数少ない漫画家の友人の中で最も親交の深い人物として互いに互いを挙げている。またアシスタント経験の無い桂は鳥山に漫画の相談をすることもあり、鳥山との関係について「師匠と言ってもいいかも」や「学校の先生のようなもの」と表現している。
初期には共に田舎出身であることから、鳥山が『Dr.スランプ』に田舎者として桂を登場させ、桂が『ウイングマン』に都会者であるかの様に振る舞う「生徒会トリヤマ」や「Mr.マヤリト」として鳥山を登場させるなどと、互いに相手の方が田舎者であると冗談でけなし合うやり取りを『ジャンプ』誌上で行なっていた。また、桂が病気療養の為に「ウイングマン」を一時休載した際には、応援コーナー「がんばれ! がんばれ! 桂くん! 」に「イナカ友だち」として鳥山がタイトルとイラストを寄稿している。
互いの作品に影響を与えている場合もあり、『ドラゴンボール』において孫悟空が界王を笑わせる為に使ったギャグは桂が考えた物であり、フュージョンのポーズの考案にも関わっている。一方、「すず風のパンテノン」は鳥山との雑談の中から生まれ、『D・N・A²』で主人公が髪の色を変えて変身するのは鳥山のアドバイスによるものである。また『ZETMAN』では車のデザインを行なっている。
2008年には原作:鳥山明・漫画:桂正和で読切「さちえちゃんグー!! 」を共作。また2009年末からは、同じ分担で「JIYA -ジヤ-」を『週刊ヤングジャンプ』において全3話の短期集中連載を行なう。
さちえちゃんグー!![編集]
「さちえちゃんグー!! 」は原作:鳥山明・漫画:桂正和による読切漫画作品。『ジャンプスクエア』創刊記念読切シリーズとして同誌2008年5月号に掲載。全53ページで巻頭3ページはカラー。鳥山の意図によりレトロな作風となっている。
忍者の末裔である女子高生さちえを主人公とし、助っ人を求めて地球にやって来た宇宙人が彼女と共に格闘大会のチャンピオンザリドを用心棒として自分たちの星へと連れて行く物語。
「原作ぐらいだったら出来るかも」とほのめかしていた鳥山に、桂を作画とした読切の執筆を編集長の茨木政彦が打診。旧知の仲であり、作風が正反対な桂との合作に興味を持ち承諾した。一方桂は鳥山より合作の連絡を受け、「ZETMAN」の連載があることからも当初冗談だと思っていた。執筆に当たり桂は原則鳥山のスタイルに合わせることとし、編集者のようなスタンスで打ち合わせを行なった。しかし感動的な描写を意図的に避ける鳥山と入れたがる桂とでネームの打ち合わせは難航した。
JIYA -ジヤ-[編集]
「JIYA -ジヤ- 」は原作:鳥山明・漫画:桂正和によるSF漫画作品。『ヤングジャンプ』創刊30周年記念作品として同誌2010年2・3合併号(2009年12月10日発売)から6号までの全3回で短期集中連載された。
大ノミを手下とした凶悪な吸血鬼バンパが猛威を振るっている地球に訪れた、銀河パトロール隊員ジヤの活躍を描く。
漫画関係者[編集]
- 鳥嶋和彦
- 元担当編集者で、桂を漫画家としての成功へと導いた功労者。月例新人賞に応募してきた桂の作品を見て、「一コマだけいい顔あったから」と声をかけて担当となりデビューへと導いた。またターニングポイントとなった「ビデオガール」・『電影少女』も鳥嶋の協力の元で誕生している(詳しくは来歴の節で上述)。なお「ビデオガール」の完成後、桂は鳥嶋が担当から外れたこともあり好評だった別の読切「SHIN-NO-SHIN」での連載を考えていたが、副編集長となった鳥嶋の推しにより「ビデオガール」を元とした連載を開始することとなった。
- 黒岩よしひろ
- 元アシスタント。病気で休載した時期もあわせて2年近くアシスタントを経験した。渡辺満里奈のファンであったことから、桂と渡辺の対談に付いて行っている。
- 稲田浩司
- 元チーフアシスタントであり、桂のアシスタント時代にデビューしている。1年半ほどアシスタントを経験した。
専門学校の同窓生[編集]
- 雨宮慶太
- 専門学校の2年先輩。雨宮の監督映画『ゼイラム』(1991年12月公開)に“通行人”として桂が出演した他、同作のアニメ化作品『I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION』のキャラクターデザインを桂が担当している。また雨宮の『未来忍者 慶雲機忍外伝』に触発され、桂は和風をコンセプトとした読切「SHIN-NO-SHIN」を描いている。
- 寺田克也
- 専門学校の1年後輩。「SHADOW LADY」【VJ版】第1回の背景を描いている。
- 竹谷隆之
- 専門学校の1年後輩。『ZETMAN』のキャラクターデザインに協力。また竹谷が造形を担当しているMOVIE REALIZATIONシリーズにおいて、桂がバットマンのスーパーバイザーを務める。また、関連シリーズであるMANGA REALIZATIONの第1弾としてウイングマンを造形制作している。
その他[編集]
- 韮沢靖
- 雨宮を介して知り合う。『ZETMAN』のキャラクターデザインに協力。また桂は韮沢によるオムニバスイラスト集『Bitch's Life Illustration FIle』に「a virgin」を寄稿している。
- 金田龍
- 寺田を介して知り合う。実写映画『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』の監督を務めた。また実現はされなかったが、金田を監督に『D・N・A²』を実写映画化する企画もあった。
- 酒井法子
- 桂が酒井のファン。コミック巻末において2度の対談を行っており、OVA『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』のサウンドトラックCDにも参加している。また『電影少女』13巻表紙の天野あいは、酒井をモデルに描かれている。
参考文献[編集]
主要参考文献のみを記載。この他の参考文献については個別脚注方式で#出典に記載している。
書籍・雑誌[編集]
- 野上タカヒロ「コミックをもっと²おもしろく!!〈コミッカーズ・インタビュー〉桂正和」『コミッカーズ』1995年夏号、美術出版社〈別冊美術手帖〉14号、1995年6月15日発行、8 - 15頁。
- 小田切博「アメコミのある風景 第4回 桂正和」『コミッカーズ』 12号(1997年10月号)美術出版社〈別冊美術手帖〉25号、1997年10月1日発行、150 - 151頁。
- 「バット・フィギュア&バット・モデル BATMAN&ROBIN &OTHER BAT CHARACTERS APPENDIX(2) 桂 正和特別寄稿&スタジオK2R特別公開」『S.M.H.』VOL.8、ホビージャパン〈月刊ホビージャパン〉10月号別冊、1997年10月1日、表紙・16 - 19頁。
- 桂正和『4C R-side ‹HEROES-side› Katsura Masakazu Illustrations 2』集英社、1998年8月9日発行、ISBN 4-08-782762-3。
- 「桂正和インタビュー」69 - 84頁。
- 「Guest Message」85 - 99頁。
- 韮沢靖「桂正和氏が語るバットマンに魅かれる理由」『フィギュア王』NO.27、ワールドフォトプレス、1999年11月30日、ISBN 4-8465-2229-6、10 - 12頁。
- 「金田龍×桂正和 対談」『Making of Game Graphics vol.2 鬼武者2』株式会社ワークスコーポレーション〈CGWORLD〉別冊、2002年8月10日、68 - 71頁。
- 「巻頭インタビュー 桂正和」『キャラクター・デザイン・バイブル vol.4 ネオ・ヒーロー』グラフィック社、2004年7月25日、2 - 3頁。
- 「桂正和インタビュー」『季刊エス』14号(第4巻第2号通巻14号)、飛鳥新社、2006年4月1日、38 - 43頁。
- 「鳥山明×桂正和 コラボレーション対談」『ジャンプスクエア』2008年5月号(第2巻第5号)集英社、2008年5月1日、8 - 10・267 - 269頁。
- 「ファンタジーコミック大賞特別企画第2弾 桂正和先生インタビュー」『ウルトラジャンプ』2009年8月号(第11巻第8号)、集英社、2009年8月25日、36頁
外部リンク[編集]
- K2R村 - 公式サイト
- 桂正和×本校教員松岡和彦対談 - 母校阿佐ヶ谷美術専門学校のサイト内の対談記事
- MOVIE REALIZATION BATMAN&BAT-POD
- ファンタジーコミック大賞特別企画第2弾 桂正和先生インタビュー - ファンタジーコミック大賞サイト内のインタビュー記事