CM
コマーシャルメッセージ(英語:commercial message)は、本来は「商業用の伝言」全般を指す。
本来は、マス媒体に限らない。しかし、ラジオ・テレビの普及とともに、民間放送でラジオ番組・テレビ番組の前後や番組の途中に流される、短い広告放送のことを指すことが一般的になっている。コマーシャル、CMとも略される。その他、お知らせという言葉が使用されることもある。
広義のCMに対して、テレビ・映画・インターネットなどの「動画広告」を特に区別する場合は、CF(commercial film)と呼称している。
英語で広告を意味する場合、advertisement(アメリカ英語ではアドヴァタイズメント、イギリス英語ではアドヴァーティスメント)、またはその省略形である“ad”(アド)、あるいは“advert”(アドヴァート、イギリス英語)と言う。テレビコマーシャルは口語表現(米国)としては“Camera show”と言われ、英会話の中でCMやCFという表現が使われることはない。
目次
日本におけるCM
日本の民間放送局のうち、地上波放送局、地上民放系BSデジタル局、ラジオ放送局などは、通常、CMを放送することで広告主(スポンサー)からの広告料によって利益を得ている。広告収入は、番組の制作・購入費の主要な財源でもある。最近では、インターネットにて番組コンテンツを配信する事業者も、冒頭、終了前、中間などでCMを流していることがある。テレビ・ラジオ(AMラジオをのぞく)のCMは、いまやステレオ放送が多くなっており、近年は5.1サラウンドステレオ音声収録のCMもわずかだが登場するようになった。
視聴に際して料金が必要となるケーブル放送や、スカパー!・WOWOWなど一部衛星放送では、視聴者からの契約料収入があるため、テレビCMを放映しない放送局もある。CS放送も行っている一部の地上波放送局では、過去に放送された番組の再放送時は番組中のテレビCMの放送を一切行わない局もある。ただしノンスクランブル放送(無料放送)時にはその番組に関連したCMなどを流す場合もある。
日本以外の放送局の場合、アメリカの公共テレビ局のように、地上波民間放送局であってもテレビCMを流さないもの、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルのように、広告収入も契約料収入もないものなどがある。海外では、国営放送局などの公共放送局であってもテレビCMを流し、広告収入を得ている場合がある。 対して日本では、公共放送局であるNHKは広告を流すことによる収入を得ていない。例外的にACジャパンによる公共広告のCMはある。また、NHKのトーク番組やバラエティー番組などでゲスト出演する俳優やタレントらが出演するCMを「ACC CM情報センター提供」という形でCMを流すことはまれにある。2013年3月22日に放送された「放送記念日特集「テレビ~60年目の問いかけ~」」では、「CMと連動したスマートフォン向けクイズ」を紹介時に「ミスタードーナツ」のCMが音声無しで流れた。
一本のCMの時間は、テレビでは15秒、30秒が多く、ラジオでは20秒から1分程度のものまである。会社名や商品名のアナウンスだけの5秒ものもあるが、日本のテレビでは現在では15秒、30秒と、30秒の倍数にほぼ統一されている。1970年代初頭までは、番組本編中に画面下部にテロップでCMを入れることも日常的に行われていた。
日本本土では、ラジオ放送について1920年代の黎明期から1951年まで日本放送協会(NHK)の独占体制が続き、聴取料収入によって運営されていた事情もあり、ラジオCMが試みられたことはなかった。一方、第二次世界大戦終結まで日本の統治下にあった台湾では、「外地」扱いのためNHKとは別組織の台湾放送協会がラジオ放送を独占した。台湾放送協会は1932年6月15日から試験的に台湾島内でのラジオCMを開始したが、直後、日本新聞協会が広告メディアとしての競合を危惧して放送広告反対を決議、ラジオCM自体を好ましく考えていなかった当時の日本政府と台湾総督府からも中止圧力が掛かり、翌7月には年内での中止が決定されて、同年12月2日を最後にラジオCMを中止している。
日本本土で最初に放送されたCMは、新日本放送(毎日放送)が放送を開始した日の1951年9月1日に60秒間放送されたラジオCMで、「スモカ歯磨」のCMである。なお、企業の宣伝目的を含んでいる時報もコマーシャルと解釈すれば、新日本放送よりも約6時間早く放送開始した中部日本放送で放送された。その内容は、精工舎(服部時計店:現・セイコーホールディングス)から中部日本放送に提供された時計の予報音楽(リズミカルな音)に続いて通知音が鳴り「精工舎の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」というものだった[1]。
日本最初のテレビCMは日本テレビ開局の日の1953年8月28日に放映された、精工舎の正午の時報である。当時の放送関係者の証言によると放送機材の操作に慣れていなかったため、フイルムが裏返しだった。フィルムの場合、映像の左側に音を再生するためのサウンドトラックがあり、フィルムが逆向きになると音が再生されなかったので、音なしの状態で30秒間放送された。なお、時報音はフィルムと関係なく挿入されたため正確に出た。ちなみに同日の午後7時の時報は無事に放映され、これが現存する日本最古のテレビCMである。翌日の正午、テレビCM第1号になるはずだった正午の時報も無事に放映された。従来、「3秒で放送中止となった」というのが定説だったが、これは間違いである[2]。
世界的に見て10 - 15秒程度の短いテレビCMが主流なのは、日本と一部の周辺国のみである。かつては5秒というものもあり、一部のローカル局では今でも放映されている。最近は提供広告で30秒枠も増えている。アメリカやヨーロッパは分単位が多い。一方、ヨーロッパ各国の深夜番組でのアダルト電話音声の広告では5秒広告も決して少なくない。フランスなど一部の国では、CM枠開始時と終了時にアイキャッチが入る。これはフランスが番組本編とCMの間にはCMの告知を挟むことを法律で義務づけているためである。
日本を含むアジア圏では、1つのテレビCMが終わると、すぐ次のテレビCMが流れることがほとんどだが、欧米ではテレビCMとテレビCMの間、テレビCMと番組の間に黒バックのフェード効果が挿入されている場合が多い。なお、アジアでも大韓民国では日本と同様、CM同士の間にはフェード効果は挿入されていないが、番組とCMの間にはクロスフェードあるいは黒バックのフェード効果が挿入されることが多い。またタイのテレビでは、CMから次のCMに切り替わる際、ごく短時間(0.5秒程度)黒バックの画面が挿入される。フェード効果はなし。韓国では番組本編中のテレビCMは、同国の放送法施行令により禁止されている。スポンサー名を出すのは構わないが、スポーツ中継を除き、会社ロゴも、宣伝となりうる看板や商品にあるロゴすらも、取り決めで規制している。テレビCMは番組の本編開始前と本編終了後にまとめて放送する。朝のニュース情報番組や選挙開票特番など番組が2時間を超えるような場合は、番組を第一部、第二部のように区切って別番組扱いとし、30分〜1時間ごとにCMが流れるようにしている。テレビショッピングはそれ自体が宣伝なので例外である。
日本では2000年代後半以降、CM末尾にインターネット検索用のキーワードを出すという手法が非常に多くのCMで使われている。いち早くこの手法が行われていた韓国を除いて、他国ではほとんど使われていない。
日本で最初にカラーで放映されたテレビCMは、1962年のトヨペット・コロナ(トヨタ自動車)。砂塵を上げながらドラム缶を蹴散らすというもので、「スタント・ドライブシリーズ」の中の1つとして放映された。カラー放送を意識して、赤・青・黄色のドラム缶が登場する。日本で最初にステレオで放映されたテレビCMは、1978年のスコッチメタルテープ (3M) 。当時関東地区で音声多重放送を開始していたのは日本テレビとTBSだけで、始めに1秒程度画面下中央に“(放映局のステレオ放送のロゴ)ステレオCM”と表示されて放送された。
日本で最初に二ヶ国語で放映されたテレビCMは、1979年のNECの音声多重放送対応テレビ「語学友」である。このテレビは二ヶ国語放送受信に重点を置いてスピーカーを一つしか持たないモノラルテレビのスタイルで音声多重放送が受信できるというものだった。植木等をキャラクターに起用。主音声の日本語では「これで日本も安心だ!」などという節をつけたりしていたが、副音声の英語は純粋に男声での商品説明であり、完全な対訳ではなかった。このCMでは前述のステレオCMの時と違い特に二ヶ国語放送の旨は表示されなかった。しかし当時は音声多重放送を利用したCMはほとんどなかったので、このCMが組み込まれているゾーンでは最初から二重音声放送に切り替わっていた。なお、TBSの『兼高かおる世界の旅』では全篇二ヶ国語放送を実施し、スポンサークレジットも二ヶ国語だった。
日本で2012年現在、3D立体映像で放送されたテレビCMは1988年に放送されたキリンのメッツ(ソフトドリンク)が唯一である。全編CGで作られ、赤と青のセロハンメガネで見ると立体として浮き上がる手法が取られており、放送期間中に専用メガネのプレゼントもあった。放送された番組は『ザ・ベストテン』(TBS)などの人気番組内であり、それ以外の時間帯は同一映像で3D用でないCMが放送されていた。
近年ではハイビジョンで製作されるCMが多くなっているが、予算の都合で現在でも標準画質で製作されているCMが多い。地上デジタルテレビ放送への完全移行との絡みで一部のCMでは左右に黒帯をつけているものがある。この場合、アナログでは上下左右に黒帯が入る額縁放送となる。
編成・放送面
- 2010年9月26日までは、45秒のテレビのスポンサーが存在していた。例えば朝日放送の新婚さんいらっしゃい!が該当する。
- テレビショッピングはテレビCMではなく番組として扱うため何本でも放送できるうえ、収入にもなる。そのためほとんどの地方局は、深夜と早朝は毎日テレビショピングを放送している。またBSデジタル放送の民放各局では、一日の中で多くのテレビショッピング番組が放映されることもある。
- 基本的にテレビCM中はニュース速報などのテロップは流れない。また時刻表示は局標準の必要以上に目立たないものに切り替えられるかCM中は表示を止める。これはCMの時間が広告主のものであり、改変して広告効果を落としてしまうことがないようにするためである。ただし、震度6弱(震度5弱以上とする局もある)以上の緊急地震速報や、津波予報、津波警報など大きな災害が予想される場合にはテレビCM中でも流す局が多い。
特別編CM
- 特別編のCMを事前告知して放送する手法は多数行われている。コカ・コーラが初公開の1分ものCMを全放送局同一時刻に同時に流した方法や、東芝が当時発売する予定の携帯電話auW52TのCMを同時刻に全放送局に、またシチズンホールディングスが福山雅治出演・監督のCMを1日限定で流したなどがある。
- 2009年8月1日にはソフトバンクモバイルが、SMAPを起用した60秒CMを、同日18時59分に全国124局で一斉に放送した。KBS京都など一部の局では、これより早い時間に放映された。同社は2010年12月9日にも、18時59分と20時59分の2度にわたり、「白戸家」一家出演による間違い探し形式の60秒CMを全国一斉に放映した。
- 2011年10月15日にはトヨタ自動車が、木村拓哉(織田信長役)とビートたけし(豊臣秀吉役)を起用した企業イメージCM「FUN TO DRIVE,AGAIN.」シリーズの第1弾「ReBORN・プロローグ編」の60秒バージョンを、同日20時59分に全国一斉に放映した(一部の局を除く)。
- 2011年12月29日には、テレビ東京系「宇宙ニューススペシャル」内で16:51からソフトバンクモバイルが、「白戸家シリーズ」の白戸家とお父さん犬のCM、およびSMAPのCMをリンクさせた、日本のCM史上最長時間となった5分半=330秒間のスペシャルCMが放送された。
- 2011年12月31日には、日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しSP・絶対に笑ってはいけない空港24時」内で日本コカ・コーラが、缶コーヒー・ジョージアの「エメマンバトル」シリーズの、同番組とのスペシャルコラボCMである60秒・3バージョンを放映した。
- 2012年2月26日には、TBSテレビと毎日放送の東阪両局にてコクヨS&Tが、没後20年となったロックシンガーの尾崎豊の直筆ノートと自身の肉声、ならびに未発表音源を初公開するという内容の、「Campus(キャンパス)ノート」の60秒スペシャルCMを、同日18時59分より放映した。
- 2013年1月20日には、TBS系列各局にて大塚製薬が、カロリーメイトの「とどけ、熱量。」編(音楽:「ファイト!」、オリジナルは中島みゆき、出演・唄:満島ひかり)の60秒スペシャルCMを、同日18時59分より放映した。
規制と表示
個々の業種ごとの規制など
かつて銀行など、個々の金融機関のCMについては、金利自由化される以前、広告による競争原理は馴染まないという理由で業界の自主規制により、テレビ・ラジオでの広告が行われなかった。代わりにボーナス支給時等に全国銀行協会等業界団体としてテレビ・ラジオで広告をしていた。しかし、1985年からの金利自由化で、個々の金融機関の間でのサービス格差が生じるようになり、1990年6月1日よりラジオのスポット広告から解禁が始まった後、1991年元日より、テレビのスポット広告が解禁された。ただし当初は、放映時間数に制限を設けていたり、番組提供扱い=提供クレジット表示ができない、などの自主規制が行われていたが、1993年3月には番組提供扱いが可能となり、放映時間数の制限も廃止された[3]。 1998年4月以降、タバコの銘柄(商品)についてのテレビCMは民放連の規定で放映を禁止している。
結婚相談所や興信所のCMは民放連の規定で禁止されている。2003年8月にはフジテレビが結婚相談所「オーエムエムジー」のコマーシャルを放送し批判を浴びた。しかし民放連に加盟していないコミュニティFMでは結婚相談所や興信所がスポンサーとなっている事例も存在する。
大手ビールメーカー各社が加盟しているビール酒造組合は、未成年者の飲酒防止の取り組みを強化するため、ノンアルコール飲料を除く酒類のテレビ広告放映の自粛時間を2010年秋より拡大した。同組合の「自主基準」では、これまで「平日が午前5時から18時」・「土日祝(振替休日、1月2日・3日の両日を含む)は午前5時から12時」を自粛時間としていたが、2010年秋より「自主基準」の「テレビ広告を行わない時間帯」についての文言が、「年間を通し、5時00分-18時00分まで、酒類のテレビ広告を自粛する」に変更された。 この自粛時間拡大による変化の例として、毎年1月2日・3日の両日にサッポロビールが筆頭提供し、日本テレビ系列で放送されている「新春スポーツスペシャル箱根駅伝」で、第86回(2010年)までは午後の時間帯でのみ放映されていたサッポロビールの各種ビール類などの商品CMが、第87回(2011年)より同番組の生中継放送内では放映されなくなり、同社の企業イメージCMや箱根駅伝にちなんだオリジナルCM、ビールテイスト飲料:サッポロ プレミアム アルコールフリーなど一部のノンアルコール飲料の商品CMのみが放映されるようになった、というケースがある。
パチンコ、パチスロのCMも2009年4月より、5時から9時までと17時から21時までのCM自粛時間を設けている。このため、規制時間帯はパチンコメーカーやホールの企業イメージCMが放送されている。2011年4月頃からは東日本大震災や福島第一原子力発電所事故による影響から終日パチンコ、パチスロマシン本体のCM放映が自粛され、終日に渡ってメーカーやホールのイメージCMが放送されている。
タイヤのCMでは、日本車を使用してほかのメーカーからクレームが来る可能性を恐れ、外国車を使用している。
CM内の注意表現など
かつて放送されていたタバコの銘柄(商品)のCMで最初または最後に「未成年者の喫煙は禁じられています。」と静粛バックで出ていた。これは自主的配慮ではなく、大蔵省の指導により、啓発文言を一定以上の文字の大きさと秒数(1.5秒程度)で表示するよう指示されているためである。日本のようにタバコの銘柄(商品)のテレビCMを認めている先進国は珍しく、健康への悪影響から、テレビCMを規制する動きがある。なお、1998年4月以降、日本では前述のようにタバコの銘柄(商品)についてのテレビCMは民放連の規定で放映を禁止しているため現在放映されていない。
消費者金融のCMで、最後に「ご利用・ご返済は計画的に」とアナウンスとともに出る。これは自主的配慮ではなく、日本民間放送連盟の「消費者金融CMの取り扱いに関する放送基準審議会見解」(平成15年3月7日決定)により、啓発文言を一定以上の文字の大きさと秒数(1.5秒程度)で表示するように指示されているためである。日本のように消費者金融のテレビCMを認めている先進国は珍しく、クレサラ問題に見る自己破産の急増から、テレビCMを規制する動きがある。2003年10月からは、17時 - 21時、2006年4月からはそれに加え、7時 - 9時、21時 - 22時では、テレビCM放送を禁止しているほか、22時 - 24時の間についても各社のCMを月間100本に制限している。一時期はクレジットの中に「ストップ!借りすぎ」というアナウンスを入れていた。2006年6月から9月にかけては、「借りすぎ防止キャンペーン」として、金融会社の宣伝ではなく啓発を目的とした「ストップ!借りすぎ」というCMが、消費者金融連絡会=各社共同名義として放送されていた。
2009年6月1日に、改正薬事法が施行されたことで、一般用医薬品のCMでの注意表示が変更された。
- 第一類医薬品の動画CMにおいては、「この医薬品は、薬剤師から説明を受け、使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください」と表示されている。
- 指定第二類医薬品の動画CMでは、「この医薬品は、薬剤師・登録販売者に相談のうえ、使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください」と表示されている。
- かぜ薬や鎮静剤のテレビCMの最後には、上記の注意表示に加えて、「アレルギー体質の方は必ず、薬剤師(第一類医薬品の場合)/薬剤師・登録販売者(指定第二類医薬品の場合)にご相談ください」と、赤で強調するなどの注意表示がなされている。
- 医薬品の動画CMの最後に、主に、前述のアレルギー体質者に対する注意喚起表示時に「ピンポーン」の音が挿入されることがある。これは、医薬品会社が自主的に行っているもので、「挿入しないといけない」といった取り決めはない。これを逆手に取り、安西ひろこや平山あやが「ポンピーン」と言う頭痛薬(アラクス・ノーシン)のCMや、デーモン小暮閣下が「デーモーン」と言う風邪薬(カイゲン)も存在する。また志村けんや郷ひろみが「ピンポーン」と言う殺虫剤(アース製薬)のCMも存在した。
- かつては、「用量や用法を守り…」という注意喚起を5秒以上表示すること、という自主的な取り決めがあったが、15秒CMでそれを守るとCM制作にかなりの限界が生じるため、現在はそれらの注意喚起を「明確に、最低1秒間以上表示する」こと、と基準を改めている。
- 目薬のCMは必ず目薬を点すシーンが挿入されている。これは目薬の正しい点し方を示すためで、これも医薬品会社が自主的に行っているものである。誤った点し方は目薬の汚染等、感染症を引き起こすためである。医薬品の広告に関する規制については、医薬品等適正広告基準の項目も参照。
飲酒運転による交通事故の多発により、2006年10月からビール酒造組合を中心とした酒類のCMの最後に、これまで使っていた「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」もしくは「飲酒は20歳になってから」とともに、「飲酒運転は法律で禁止されています」のテロップが社名ロゴの下部などに表示されるようになった。一部に「未成年者」の表示のみのCMもある。最近ではこれらに加え、「お酒は楽しく適量を」や「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります」といったテロップが表示されるCMもある。「空き容器(飲んだ後)はリサイクルへ」のテロップは、酒のほか各種清涼飲料のCMでも表示される。
- なお、例外として、2007年に放送された「エバラ焼肉のたれ・黄金の味」(エバラ食品)のCMに、最後に「飲酒運転はやめましょう」というテロップが挿入されていた。
また、コンタクトレンズ関連のCMは最後に「コンタクトレンズは(視力矯正用の)医療器具です。(以下略)」のテロップが挿入(かつては静止画として挿入)されている。これも、物理的な衝撃に脆弱なことや衛生面での問題もあるため、注意喚起の意味合いで挿入されている。
ニュース映像など、テレビ番組のワンシーンと混同しやすい内容のCMには、「これは〇〇(スポンサー名)のCMです」と表示される。英文表記で「〇〇(スポンサー名)'s AD」の場合もある。これらの扱いは、民放連の規定で定められている。
自動車メーカー各社が開発・導入をすすめている、追突防止緊急ブレーキシステム(例:スバル「eyesight」、フォルクスワーゲン「シティエマージェンシーブレーキ」など)を紹介するCMでは最後に、「本システムは安全運転を前提としたものです。すべての危機回避が可能なものではありません。」という内容の注意文が表示される。
石鹸・洗剤メーカー各社が発売している、香り付き柔軟剤(例:花王「ハミングフレア・フレグランス」、ライオン「ソフランアロマリッチ」、P&G「レノアハピネス」など)のCMでは、「香りの感じ方には個人差があります。周囲の方へご配慮の上、ご使用ください。」という内容の注意文が表示される[4]。
CMと視聴者との関係
テレビCMの間は他のチャンネルに変える(ザッピング行為)人がいるため、視聴率が低下する傾向が見られる。
また、CMの間に「トイレに行こう」「用事を済ませよう」という人は多い。しかし、広告媒体費は高額で(特にテレビ放送)、民放のテレビ局やラジオ局はスポンサーからの広告媒体費が収入の多くを占める事から、この問題に非常に過敏になっている。あるテレビ番組では、出演したタレントが「CMの間にトイレを済ませましょう」と発言をしたために関係者が処分されるという事例があった。芸能人では、徳光和夫、井ノ原快彦、乱一世たちが、過去に同様の発言を行った。放送業界では冗談でもこの問題を公然と語ることはタブーとされている。
また、以前はCM突入前に「90秒後に衝撃の結末が!」のようにCMの放送時間を事前に告知することもあった。「VS嵐」(フジテレビ系)では現在も使用している。これは、視聴者に都合のよいザッピングの機会を与えてしまうことや、遅れネットでCM本数の異なる別時間帯に放送する地域にも配慮してか最近はあまり用いられない。代わりに「CMの後に衝撃の結末が!」のようにCMの放送時間がわからないようにする放送形式が用いられる。一方で、バラエティ番組を中心に話題の流れの最中にCMを持って行き、視聴者がザッピングを行って本編を見逃すと話題の流れを見失う可能性を高くしたり、CM後に1分程度の短い本編を放送し、視聴者の注目を集めてからすぐにまたCMに突入することによって、結果的にCMを見る機会を増やそうとするテレビ番組も見られる。山場CMの項も参照。
かつては、音声認識や映像認識などによりテレビCMを識別し、自動的にスキップやカットをして録画する機能を持つ録画機器が発売されていたことがある。たとえば、番組自体がモノラルまたは2ヶ国語放送でテレビCMはステレオ放送の場合、音声フォーマットの違いから番組とテレビCMの区切りがわかる。番組とテレビCM共にステレオなど、音声フォーマットが同じ場合は、映像や音声レベルの変化によってテレビCMを判別する。この機能を使ってCMだけを収集することも可能である。
CMが視聴されない状態はスポンサーを失い、放送業界の収入減に直結する。このことから、日本民間放送連盟会長でフジテレビ会長の日枝久は、「テレビ番組はCMも含めて著作物で、CMを飛ばして再生・録画することは著作権の侵害に当たる」と主張している。しかし、再生・録画は個人として楽しむための複製であり、これは認められている。2005年5月、野村総合研究所の調査では約540億円の経済損失だという試算をまとめたが、一方で電通はこうした機器の購買層はコマーシャルにも関心が高く、今のところ損失にはつながらないと分析している。
テレビCMは注目を集めるために、番組本編よりも大音量で流されることが多いので、視聴者から苦情が寄せられている。アメリカでは2009年12月にテレビCMの音量を番組と同程度に規制する法案が下院で可決された[5]。法案は、米連邦通信委員会(FCC)に対し、過度に大音量な広告を規制することを指示する内容となっている。法案が成立した場合は、技術的に対応するため1年の猶予期間が設けられている。同様の法案はフランスでも可決され、違反した企業には売り上げの3%相当の罰金が課せられる。 日本では、2012年10月1日からラウドネス値を用いた『NAB技術規準T032 テレビ放送における音声レベルの運用規準』が行われる[6][7]。
CMとサブリミナル
一瞬だけ製品映像を挿入して意識に刷り込む、サブリミナル効果を狙った手法のCMが作られることがある。サブリミナルが話題になり始めた1980年代から2000年以前までは放送されるケースがあった。話題性や短期間に効果を出す事を期待して行われるなど動機はさまざまだが、実際の効果に疑問符が付いている点もあり、また人をあざむく行為だとして禁止されている。テレビ局の事前審査で中止を促される場合がある。サブリミナルCMを自動検出する装置を使うテレビ局もある。そのため現在ではほとんど行われていない。
CMの種類
CMには番組の途中で放送される、その番組の提供を行う企業などのCM(提供CMあるいはタイムCM)と、番組と番組の間のステーションブレイク(Station break、SB)[8][9]と呼ばれる時間帯で放送される単発のCMがあり、スポットCM、ステブレCMと呼ばれる。放送局によっては番組中にも提供を行わない企業のスポットCM(パーティシペーション(PT)とも)を放送することがある。契約上は提供CMであっても、番組開始クレジット直前に送出されるものは「カウキャッチャー」(CC)、終了クレジット直後に送出するものを「ヒッチハイク」(HH)と称する。
CMは、いくつかを連続させた「CM枠」単位で放送される。個々のCMの長さはテレビでは15秒、30秒、60秒(1分)など15秒を基本とし、提供CMは30秒など長めのものが[10]、スポットCMは15秒ものが多い。ラジオでは10秒、20秒、40秒など10秒を基本とする。
CMには個々の商品やサービスに関する宣伝、企業イメージを訴求する宣伝などいくつかの目的・表現手法がある。また、企業CMのほか、政府・官庁、地方自治体、ACジャパンなどの団体のPRもあるほか、放送局自身が番組プログラムをPRするためのもの(番組宣伝あるいは番宣)がある。また、衆議院・参議院の選挙開催期間中には政党・政治団体のCMがスポットで頻繁に放送されるが、比例代表選出選挙の政見放送はNHKでしか行われないことが多いため、事実上その代わりとして行われていると見なせる。ただし、テレビ大阪・四国放送(JRTテレビ)・独立局など、政見放送特番が30分程度放送される民放テレビ局もある。
なお、地上波民間放送では、全放送時間中のCMの放送時間比率を、おおむね20%程度に設定している。
スポンサーの傾向
テレビCMでは、市場シェアの大きな全国規模の大手消費者向け製造業(食品、医薬品、自動車、化粧品、家電製品、時計、衣料品など)、大手小売業(大手スーパーマーケット、大型家電量販店チェーンなど)の物が多い。ローカル局では、地元の建設会社や不動産会社、パチンコなどの企業のコマーシャルが流れる場合も多い。
ラジオCMでは、テレビの業種に加え、より狭い地域に展開する小売店、食品メーカー、大学など、知名度の低い企業の物もある。小売店は放送エリア内にもかかわらず、近在に店舗がない場合も多い。ラジオの場合、商品や企業の宣伝広告ではなく、朝の時間帯に当日開催予定のイベントの実施あるいは中止などの情報を伝えるCMもある。これは、制作費や放送費がテレビCMに比べて、ラジオCMは音声だけであり、さらにBGMなどの音楽を使わなければ著作料も発生せず、安いことも考えられる。
特殊なCM
- テレビ放送開始当初、ゴールデンタイム・プライムタイムに相当する時間帯の番組では、一社提供番組が数多く存在し、番組の本編中にもその番組を協賛するスポンサーのテロップCMを放送する事例が多数あった。また、「クイズダービー」のロート製薬など、クイズ番組のフリップをはじめ、画面内に提供社名や商品名を入れた広告が映ることも多かった。
- 「象印スターものまね大合戦」(日本教育テレビ 1969年1月放送)大村崑が丸山(現・美輪)明宏の物まねをする件のところで、象印ポットのCM字幕が放送されている[11]。
- 「プロボクシング世界フライ級タイトルマッチ ファイティング原田対ポーン・キングピッチ」(フジテレビジョン 1963年1月放送)この当時は朝日麦酒が単独協賛しており、同社と提携していたアメリカ・ゼネラルフーズのバャリースオレンヂ、マックスウェルインスタントコーヒーのCM字幕がラウンドごとに行われている。アサヒビールである場合は当時の商品ラベルを模したもので、この中にラウンド数、バャリースの時はバヤリースのロゴマークの下にラウンド数の字幕、マックスウェルの場合はラウンド表示はコーヒーマグカップをイメージした白抜きで、その下に「新製品・マックスウェル」の字幕が表示されている。実況の途中でも「この放送はアサヒビール、バャリースオレンヂ、マックスウェルインスタントコーヒーの協力3社の提供でお送りしております」とのアナウンスが行われている[12]。
- 番組の主題歌最後に、続けて提供社名を歌い込むものもあった。最初期のアニメでは「鉄人28号」(1963年放送の第1作)ほかの番組(アニメ以外も含む)に見られる「グリコ、グリコ、グーリーコー」と歌う、いわゆるグリココールや、「オバケのQ太郎」(1965年-1967年放送の第1作)、「パーマン」(1967年-1968年放送の第1作)、「怪物くん」(1968年-1969年放送の第1作)のエンディングテーマの最後に不二家のマスコットのペコちゃんがそれぞれの主人公と一緒に登場し「不二家、不二家、ではまた来週」と歌うものなどがあった。
- 字幕ではないが、1965年5月にフジテレビ系(発局:東海テレビ放送)で放映された「世界フライ級タイトルマッチ エデル・ジョフレ対ファイティング原田」の試合で、ラウンド間にニッカウヰスキーの当時のCMモデルだった沢本忠雄がその商品パネルとともに映し出されたものもあった。
- 日本テレビ・「全日本プロレス中継」では、試合の合間にスポンサーである三菱電機の「三菱掃除機風神」でリングを掃除するシーンがテレビで放映された。その時、画面下方にはテロップで「風神」のコマーシャル文字が延々と流れ、実況担当のアナウンサーも実況の合間に「この放送は、皆様ご覧のテレビジョンを始め、数々の電化(家電)製品でおなじみの三菱電機が、全国の皆様にお送りしています」とアナウンスしていた。生コマーシャルの一種と言える。
- 朝日放送は毎年8月に開く全国高校野球選手権大会中継(地上波・関西ローカル。決勝のみ全国放送)で試合中に挿入するスポンサーのCMを阪神甲子園球場のスタンド風景と絡ませて放送している。これは主に、同じ試合をCMなしで放送しているNHKへの流出防止目的である。1961年のみ放送した湯浅電池(現ジーエス・ユアサコーポレーション)は試合中に商品や企業のロールテロップ、1962年 - 1994年までの住友グループは画面下にスポンサー企業の社名表示とアニメーション(1990年頃の2年間だけVTR素材による人形劇のパフォーマンス)、1995年以後の複数スポンサー提供扱いになってからも、一部スポンサーが大会専用のオリジナルCMを放映している。オリジナル版を制作していない企業の場合は通常バージョンのCMを画面右下に露出する。
- 他の番組とは異なり、地上波・BS朝日での生中継の時間中はCMを提供した協賛社を、CM明けに字幕表示(画面下部中央)している。
- プロ野球中継でもさまざまな番組内CMが試みられている。2002年頃フジテレビでは画面の得点表示とともにコカ・コーラのロゴが挿入されるなどしている。また1990年代には日本テレビが東京ドームでの試合の際ピッチャーなめのバッターボックスの画像で、後部の壁の企業表示を時間と共にCGで変更させる手法を試している。そして、2007年、テレビ朝日及びその系列局が製作する野球中継には、リプレイの部分にトヨタ自動車などのロゴを表示させている。また、「○○(協賛スポンサー名)ラッキー7」と銘打って7回の表裏に協賛スポンサーのロゴが画面右上に表示される。
- Jリーグ草創期の日本テレビとテレビ東京の中継も、基本的に試合中はテレビCMを流さなかった。そのため、試合の中継映像とともにスポンサーの企業、あるいは商品表示を日テレの場合はスコアや経過時間の表示部分、テレ東は画面下にそれぞれ表示したことがあった。TBS(全国生中継)、関西テレビ(大阪地区ローカル生中継)の試合は、通常バージョンのテレビCMを試合の中継映像との2画面方式で放送したこともあった。現在は静岡放送(経過時間表示部分)とKBS京都(画面下)にスポンサー表示が行われている。
- 1990年代の全国高等学校ラグビーフットボール大会の生放送で、試合が行われている最中に、松下電器産業(現パナソニック)の家庭用デジタルビデオカメラで撮影した映像を編集、試合終了直後に放送するという、「撮って出しCM」が作られた。
- 1989年のNNN(日本テレビ系のニュースネットワーク)の参議院選挙の開票速報のうち、20時からのおよそ2時間の枠ではCMが流れなかった。これはスポンサーが日立グループであり、開票特番で使われているコンピュータの「HITACHI」と書かれた部分を時折クローズアップすることでCMのかわりとする合意を日本テレビが取り付けたためである。同時間内では、「この時間は日立の協力により、開票速報をノーCMでお送りしています。」のアナウンスも流れた。系列局飛び降り部分でもCMは流れず、PT等も存在しなかった、完全なCMなし時間帯となった。
- フジテレビ系列で1991年に放送されたJT『サムタイム・ライト・スタイルボックス』の60秒の長編CMは前半が映画『波の数だけ抱きしめて』の一場面、後半が商品CMという編成だった。
- 1992年にJR東日本が放映した小泉今日子出演のCMはクイズ形式であるものの、15秒間の1話では完結せず「答えは15秒後!」で終了、間にJRとはまったく関連のない15秒の他社CMを挟んだ後、2話目として、クイズの正解を15秒間説明するという「サンドイッチ構造」だった。なお、同社提供の全国ネット番組では、1話目の出題部分の15秒枠の最後で「答えは30秒後!」と終了した上で、同社の別の30秒CMが流れ、その後2話目の15秒枠で正解を説明して終わる、という合計60秒枠のCMとして放映された。
- 日立も世界ふしぎ発見内のCMで、俳優の佐藤浩市を起用した同番組の様なクイズ形式を使用したCMを使用しており、前半のCMで問題を出題し、後半のCMで問題の答えが流れる。因みに、番組内でお馴染みのボッシュートのシーンが回答席をテーブルに、ひとし君人形をワインボトルに置き換えて、CMで再現している。
- 2006年11月19日にテレビ朝日系で放送の東京国際マラソンでは、土佐礼子選手と高橋尚子選手が1位争いをしていた25km付近のところで、画面下を使ってNTT DoCoMoのアニメーション(ドコモダケ)と社名表示によるCMが放送された。いわゆる生コマーシャルの一種。
- 2006年からシャープが「世界一短いクイズショー・シャープに答えて」と題してクイズ番組形式の一分間のCMを放映していた。“鋭い”という意味のシャープと自社名を掛けた洒落。司会のラサール石井が様々なジャンルの中から問題を一問出し、磯野貴理、伊集院光、山口もえ、さまぁ〜ずのどちらか一人の計4人の回答者の誰かが正解した後、解答に関係がある商品を紹介する、という形式だった。内容は1か月ごとに更新され、完全版はGyaoで見ることも可能だった。
- テレビ朝日で放送された「テスト・ザ・ネイション」では、あらかじめ「これから流れるCMが問題になります」と解説し、流れるCM自体を問題として出題した。
- 2009年からテレビ朝日およびテレビ朝日系列局では、アーティストのプロモーション映像と合体した、「プロマーシャル」と呼ばれる形式の企業CMを放送している。
- 2010年12月9日に放送されたソフトバンクモバイルのCMでは、まず18時59分から1分間間違い映像を流し、続いて20時59分から1分間正解映像を流した。その後、Webで間違いを回答する視聴者参加型CMを放送した。
- 近年では、本編中のCMで「字幕放送」を行うことがある。TBS系列で金曜23時から放送の「A-studio」の本編内のCMなどが該当する。
「○○を検索」というCM
以前からウェブサイトのURLを表示するCMが存在している。加えて、2006年ころになって、CMの後半に商品名や内容などが入った検索窓が表示され、インターネット(検索エンジン)で検索を促すものが増えた[14]。この手法は、放送コマーシャルだけでなく、各種広告全般に言える。検索をさせることで、商品や内容などが詳しく知ることが出来る。インターネット文化が根付いている韓国では、NAVERなどのロゴと共にそれ以前から日常的に見られた。本方式はURLを覚えるより簡易であるが、一方で覚え易さから一般的かつ無関係なキーワードを表示し、不適切な検索結果が表示されるケースも存在する(三井住友銀行の例が有名)。検索エンジンによっては通常の検索結果の他にスポンサー枠を持つものもあるが、こちらは契約期間が終われば一切表示されなくなる。
また、検索結果にフィッシングサイトが表示される可能性もあることから、産業技術総合研究所は特にフィッシングの対象となりやすい企業に対し、本方式による広告を控えるように呼びかけを行っている[15]。
「新聞のチラシをご覧下さい」というCM
健康食品、ユーキャンなどの通信教育、ジャパネットたかたなどの通販などのCMの後半で「詳しくは○○(明日、今日、昨日、日付のいずれか)の新聞のチラシ(広告、折り込みなど)をご覧下さい。」というものがある。その際、「一部チラシの入らない新聞もあります。」などと表示される。
CMの制作
3B
CMは限られた秒数内で企業や商品のイメージ、購買意欲などをそそるような効果を目的として制作され、広告宣伝業界では「3B」を用いることが伝統的な手法として定着している。「3B」とは、Beauty、Beast、Baby、つまり美(もしくは美女)・野獣(動物)・幼児(乳児)である。これら「3B」は、人間が漠然と物を見ているときにも目に留まりやすい心理効果を狙った事物であり、テレビ・ラジオなどのCM以外にも広告宣伝全般で応用されている。
制作者
CMの制作は、スポンサー(広告主)から依頼を受けた、広告代理店を中心として制作されることが多い。 広告代理店の企画担当者(クリエイティブディレクター、CMプランナーなど)が中心となって企画を作り、その後の実制作は広告制作会社が行うことがほとんどである。近年では企画から制作会社が関わるケースも多い。そこからさらにCG制作会社、ポストプロダクション会社など、1本のCMが完成するまでに、さまざまな会社・人が関わり制作は進められる。
CMのディレクターは映画業界に倣って監督と呼ばれることが多い。
CMディレクターは、前述のように限られた秒数内で消費者や視聴者に訴求効果を与えるために実験的な視覚効果や映像技術を実践することもあるが、CMは芸術ではないので広告主の目的にそぐわない方向に演出が向かないよう、プランナーが歯止めをかける役目をすることもある。
CMディレクターの中にはCM畑で養ったカット割りの技術やアングルやショット、笑いのセンス等の演出テクニックを評価され、映画監督として活躍する者もいる。
ソフトウェア
映像関連のソフトウェアとしては、映像にテロップやスチル画像を嵌め込む初歩的な視覚効果から、コンピュータの高性能化と相まって3DCG による視覚効果を狙ったものに変化し、ソフトウェアの機能や性能を伝えるために各種博覧会等の場を用いて複数企業で採用されているCM映像をソフトウェアのデモンストレーションとして提示し、ソフトウェアの高機能性と市場シェアの大きさを顕示している。その一方で、制作業界全般で、同一ソフトウェアや、同一傾向にあるソフトウェアの使用によって、定型化した視覚効果が生じ、消費者や購入者の目が慣れてしまい、新鮮さや斬新さがなくなり陳腐化することがある。
シリーズ化
テレビCMは15秒単位で構成される。単一商品群を扱う企業は、複数のCMを細切れにして一本化する手法がある。一方で、複数種の商品を扱う企業では、商品ジャンル毎に特定キャラクターやタレントを用いて、シリーズ化する手法がある。さらにテレビCMそのものを一本のストーリーとして、特定シーズンに限り分割して放送する手法もある。この、特定シーズンにストーリー化したテレビCMが日本で初めて採りいれられたのは、柳葉敏郎、賀来千香子を用いたJRAのテレビCMで、以降複数の企業でCMのシリーズ化が始まる。
ネット配信のコマーシャル
インターネットの普及と通信速度の高速化により動画配信の市場が拓け、過去に放送されたテレビCM映像を各種企業が映像ライブラリーとしてインターネット上で提供するようになるのと並行して、インターネット利用者の世代や市場定着に着目した企業がテレビCMの続きをインターネット上で配信する傾向が2004年頃より生まれてきている。また、インターネット上でしか配信できないような内容のバイラルCMが注目されている。
CMの編集
1990年代初頭までのテレビCMは、その大半において35ミリ/16ミリフィルムを用いて撮影したものをフィルム編集し完成させていた。そして放送局にフィルム納品してテレシネし放送していた。その一方、1970年代後半以降ビデオ編集機材が充実してきたこともあり、フィルム撮影した素材をテレシネ後、VTR編集し、放送局にテープ納品する動きも出てきた。当初は在京キー局にて放送される分をテープ納品に切り替え、関東エリア内の独立UHF局や大阪・名古屋の準キーを含むその他の地方局へは従来通りのフィルム納品を続けるという方式を取っていた。フィルム納品は1990年代にはなくなり、すべてテープ納品に切り替わった。
一般にCMは、短時間の素材に極力効果的なメッセージを凝縮しようとするため、編集作業には細心の注意が払われる。技術的には、高価な使用料を要する最新のデジタル編集スタジオを借りて、高品質の編集が行われる。最終的にはNTSCのアナログ放送の画質や、MPEG-2で圧縮された画質で放送されるものであっても、D1-VTRなどのデジタルコンポーネント映像信号を用いた編集機器が用いられていた。2000年代になるとBSおよび地上波デジタル放送におけるデジタルハイビジョン放送に対応したハイビジョン編集室も普及した。
CMはフィルムでの撮影が主流ではあるが、フレームレートは映画の秒間24フレームとは違い、通常の番組(NTSC)と同様に秒間30(厳密には29.97)フレームが一般的である。
CMの画質、音質等技術的品質の向上
1990年代初頭までは16mmフィルム、35mmフィルムのCM素材をビデオテープにコピーせずフィルムのまま放送局に納品されていた。この時期までのCMは、放映されるにあたってオリジナル原版のフィルムに比べて画質、音質が劣化していることが多々あった。原因はCM素材を16mmフィルムで納品するにあたってキネコという光学的なプリント方法が用いられたことと、オリジナル原版が35mmフィルムの場合は上記に加えて16mmフィルムに縮小コピーしてから納品されていたからである。
CMのハイビジョン化
地上デジタルテレビ放送が2003年にスタートし、CMも従来の4:3のSD制作から16:9のハイビジョン制作に切り替えている。2000年12月のBSデジタル放送が始まった当初からは、家電メーカーが地上デジタルテレビ放送に対応するテレビの宣伝にハイビジョン制作が使われた。
2008年頃からは家電以外でもハイビジョン制作が増えていったが、製薬会社や、食品会社、保険会社、不動産会社などは完全移行する直前までSD制作の比率が高かったが、完全移行した2011年7月24日以降も4:3のままで、また新規に制作されたCMでも4:3で放送される会社もある。またお詫びCMは現在でも4:3がほとんどである。
最近では地方局でも大手ローカル企業を中心にハイビジョン制作によるローカルCMが増えてきている。静止画のみのテレビCMはスライドCMというが、最近は地方局でも減少傾向にある。
テレビCMの放送技術
CMバンクシステム も参照 テレビ放送初期には、一日の放送するテレビCMを一本のフィルムにまとめて放送するといった、効率的ではない方法でテレビCM送出が行われていた。その後CMバンクと呼ばれるシステムが実用化され、現在ではほとんどのテレビCMがCMバンクから送出されている。
CMから生まれた流行語
代表するテレビシリーズCM一覧
CMが放送されなかった日
- 1989年(昭和64年・平成元年)1月7日、8日昭和天皇崩御のため、各放送局の取り決め事項で、服喪期間中の派手な歌舞音曲を控えるという観点から全ての民間放送は通常放送・CMは一切自粛し、追悼特番やニュースなどを放送していた。関係のある映画を放映していた局もあった。1月9日から通常の編成に戻りCMも放送されたが、服喪期間に華美なCMを放送することは好ましくないという理由でコマーシャルや草花の映像などといった「風景映像」に差し替えたスポンサーも多かった。また大喪の礼が開かれた2月24日も儀式開催中はCMを一切中止していた。俗にテレビ東京が「昭和天皇崩御の日も通常放送をしていた」といわれるがこれは誤りで、開始時間こそ他局と比べ遅かったものの、他局と同じように追悼特番を放送していた。
- 1995年1月17日の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)発生当時も、同日と翌18日の近畿地方の一部の民間放送局がCMを自粛していた。
全国ネット放送が行われていた時間帯、他地区がCMを放送する中、例えば毎日放送では1月17日午前8時半をもってCM放送をすべて中止し、キー局がCMを放送している間は環境映像などを放送することで時間を繋いだ。そして準備の整った午前10時台以降、被災地の生活に関連した情報を中心として、大阪ガス、関西電力などからの震災発生時の対応指示の告知などに差し替えて伝えた。この毎日放送の試みは「全国ネットでは伝えられない、また伝えきれないローカルの情報を差し挟めるタイミングはCM枠しかない。この枠を有効的に活用する」という考え方に基づいたものである。毎日放送の社内マニュアルにもその旨が明記されているという。
またライバル局である朝日放送も、その毎日放送の英断に刺激され、同日正午以降のCM枠を急遽同じようなローカル情報枠として活用し始めた。しかし、その他の在阪3局ではそういった態勢を組める状態になく、環境映像を流す局や、通常通りCMを流す局とに分かれた。そして朝日放送では当初は「風景映像」をCM中のつなぎ映像として流したが、同日午後以降、毎日放送と同様の生活関連情報をCM放送時間中に組み込んでいった。
また、その後もしばらくは中野浩一と増田明美の「空き缶ポイ捨て禁止」CMが継続的に流され、企業が商品やサービスのプロモーションを目的として制作したCMはほぼ全面的に自粛となっていた。 - 同様にサンテレビでは、1月17日 - 22日に全ての定時放送・CMを休止して震災関連の特別番組編成に差し替えた。
- 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でも、民放各局は11日午後の地震発生直後からCMを全面カットして、報道特別番組を中心とした特別編成態勢を取った。在京民放5局がCMをカットして放送した時間は、最短でもテレビ東京の33時間、最長ではテレビ朝日の74時間に及んだ。そのほかの3局は、TBSが62時間、フジテレビと日本テレビが61時間だった。昭和天皇崩御時の特別編成の最長時間でも日本テレビの、1989年1月7日午前5時半すぎから1月9日午前1時半頃の放送終了までの44時間であり、全国規模で民放がCMを全面カットして放送を継続した時間はテレビ東京を除き、それを上回っている。
通常、災害時の関連情報(台風・土砂災害・地震など)がある時も、テレビCM中はテロップ挿入(L字型画面含む)を一旦停止するが、
- 「緊急地震情報が出された場合」
- 「東海大地震の警戒宣言が発令された場合」
- 「おおむね震度5弱以上の地震が起きた場合」
- 「地震に伴う津波警報、大津波警報が発表された場合」
- 「その他、緊急を要する場合」
など、上記に該当する場合はCM中でもその情報を入れることがある。ただ、これらは該当する地域や各放送局によって運用基準に微妙な差があり、あくまで各放送局の基準に則って運用されている。
お詫びCM
問題になったCM
テレビのCMでは、視聴者にインパクトを与えるべく、台詞(キャッチコピー)や映像作りに腐心しているが、時として表現について問題視される作品が出現することがある。問題視されたCMの中には本当に大問題なものもあるが、現在ではクレームをつける側も聞く側もかえって過剰とも愚かとも言える配慮を求め、またなされている。背景にあるのは「コマーシャル(広告)は『好きでない人』はいても良いが、『嫌いな人』がいてはならない」という、広告業界全体の潮流であり、広告、放送、コンテンツなど、コマーシャルに関わる各業界が直面している現状を垣間見ることができる。また、一部のCMは、YouTubeやニコニコ動画で視聴が可能。
下記以外に、食事時や料理企画の放送時の雑菌や排泄の表現があるCMなど、時間帯や番組内容に配慮されていないCMなどが問題視されることがあり、しばしば放送倫理・番組向上機構(BPO)や日本広告審査機構(JARO)などに意見が寄せられている。
以下、特記を除き日本での事例を記述する。また、出演者の不祥事による放送中止・打ち切りは含めない。
1960年代
- 1964年に放送された興和の「コルゲンコーワ」のCMで、キャラクターであるカエルの置物に向かって子供(演:保積ペペ)が「おめぇ、ヘソねぇじゃねーか!」と言ってカエルにヘソを落書きするというものだったが、これに対して「おヘソが見えづらい子供がいじめられる」と苦情が来たため、放送から4か月で中止となった。
1970年代
- 1975年に放送されたハウス食品の「シャンメン」 のCMで「私作る人、僕食べる人」のキャッチフレーズが婦人団体から「女性蔑視」とクレームがあった。ハウス側は「差別的意図はない」と否定したが、2か月後に打ち切られた[16]。
1980年代
- 1980年代にかけてケンミン食品が制作した焼きビーフンのCMで、路地裏にしゃがみ込んでいる男児と女児の様相(目つきなど)が薄気味悪く演出され、アニメーションで演出されていることから子供を中心に嫌悪感を覚える視聴者が相次いだ。加えて、詳しい商品説明がなかったことも批判とクレームの対象となった。放送中止になることなく長きにわたって放送されたが、ケンミン食品はこのCM以降、CM制作自体は続けているが大々的な放送はしていない。
- 1982年に政府広報が制作・放送した覚醒剤防止キャンペーン「母と子」のCMで、泣きじゃくる子供の横で母親が覚醒剤を打った直後に倒れ、その後画面が暗くなって子供だけが残り、母親を呼びながら泣き叫ぶという内容に対して「怖すぎる」、「やりすぎ」、「見ていて不快」といったクレームが多発し、その後打ち切りとなった。
- 1983年に放送された、アサヒビールのビアカクテル(発泡酒)「Be」のCMで、赤や青などのスプレーで着色された3匹のネコが登場。動物愛護団体からクレームが付き、CMは中止となった。
- 1984年頃に放送された、サントリー缶ビールのCM(歌:松田聖子『SWEET MEMORIES』)内のペンギンのキャラクター「パピプペンギンズ」のクローズドキャンペーンでのグッズプレゼントが行われた。缶ビールに付いているシールを送る応募方式で、そのグッズ欲しさに小学生・中学生を中心に未成年者が同製品を購入する姿が問題視され、サントリーはパピプペンギンズのCMを取りやめた。パピプペンギンズのキャラクターはその後、キンカン「金冠のど飴」、auの「au My Page」のCMに起用されている。
- 1988年に放送された日産自動車「セフィーロ」のCMで井上陽水のセリフ「皆さん、お元気ですか〜」がオンエア途中で昭和天皇の病状が悪化したため、井上の声が消された。映像はそのままで、映像と音声が合わなかった。トヨタ自動車「カリーナ」のCMでも「生きる歓び」のキャッチコピーが同様の理由で中止となった。
- 1988年、ソニーが発売したラジカセ「ドデカホーンCD」のCMで、タイの寝釈迦像を想像させる仏像がドデカホーンの音で目を覚ます、という内容にタイ政府が「仏教国タイの崇拝する信仰仏を商業広告に用いることは、敬虔な仏教徒の気持ちを侮辱するものだ」とクレームを付けたため、CMは打ち切られた。
- 1980年代後半から放送されたたばこのケントのCMで、仕事中に一服すると周りがリゾート地に変わるという演出に、「幻覚を見るような成分が入っているのか?」という抗議でケントを手に取ると風景が変わるというように変更された。
1990年代
- 1991年に放送されたエーザイ「チョコラBBドリンク」のCMで桃井かおりのセリフ「世の中、バカが多くて疲れません?」にクレームが付いたため、「世の中、お利口が多くて疲れません?」に変更された。これは後にビートたけしのネタにもされた[17]。
- 1991年に放送されたペプシコーラのCMでMCハマーが密かに入れ替えられたコカ・コーラを飲むといきなりテンションが落ちるというCMで、放映当初、局によりそのまま放送した局(日本テレビ)とコカ・コーラの缶をモザイク修正、「コカ・コーラ」のセリフを特殊加工で打ち消した修正版で放送した局(TBS、フジテレビ他)で分裂し物議を醸した。最終的に修正版に統一されたが、希望者全員に放送予定のバージョンを含んだオリジナル版CMビデオカセットを配布した。露骨な比較広告の一つである。
- 1992年秋から1993年始めにかけて放送された三洋電機のコードレス電話機「新テ・ブ・ラコードるす」のCMで、所ジョージが手足を縛られ、赤い袋に入れられ更に首付近を縛られたバージョンが障害者団体からクレームがあり、放送が中止された。
- 1993年ごろに、田嶋陽子らが閉店寸前の降りるシャッターにしゃがみ込みながら店内をのぞき込むニッセンのCMが放送された。福岡県の小学生がこのCMのマネをしていて、首をはさまれてケガをする騒ぎが起こった。その後「お子さまは、マネをしないようにおねがいします」というテロップが挿入されるようになった。
- 1994年に放送されたチロルチョコのフレークチロルのCMで、小学生の女子がスカートをめくるシーンがPTAからクレームがあり、チロルチョコではCMの内容を差し替えた[18]。フレークチロルのCMにはビキニ姿の外国人女性が出現するバージョンもあったが、こちらは同様の理由から放送自体が中止された。
- 1994年に放送されたダイハツ工業「ミラ」のCMで森口博子が、ボンネットに直接入っていく(エンジンの取り外された撮影用特別仕様車)CMは、合成で吸い込まれる映像に差し替えられる処置が取られた。
- 1995年夏に放送されたサントリーBOSSのCMで矢沢永吉のセリフ「夏だからってどこか行くのやめません?」に「レジャー気分に水をさす」と旅館経営者からクレームがあり、放映を中止した[19]。
- 1996年に放送された日産自動車「スカイライン」のCMで牧瀬里穂のセリフ「男だったら、乗ってみな。」とキャッチコピーに対して男女差別というクレームが付いたため、「キメたかったら、乗ってみな。」に変更された[18]。
- 1999年に放送されたハウス食品「ハウスシチュー」のCMで母親のセリフ「犬と一緒に遊んじゃダメよ」が動物愛好家から「ペットを捨てる事を推奨している」というクレームがあり、セリフが「暗くなるまで遊んじゃダメよ」に変更された。
- 1990年代末期から2000年代初期にかけ、特にアース製薬や白元などの殺虫剤のCMで、3DCGでリアルに作られた害虫の映像が頻繁に流され、中には実物以上に気味悪く強調されたものまで制作された。この傾向に、視聴者からスポンサーなどに「食事中に突然出てきたり、テレビを見ている時に突然害虫が出されることで企業への嫌悪感が増す」という抗議が増え、害虫のリアルな3DCG映像や実物を画面に出すことを控えることになった。このような処置はミューズのCMでも、手を洗う時に3DCGの細菌が死滅する映像からキャラクターに変更するということがあった。
- 1999年に放送された日清カップヌードルのCMでカップヌードルに入れられた豚が夕日の中どこかへ連れていかれるCMを放映した所、「子供がショックを受けた」旨のクレームが多数よせられ中止になった。
- 公共広告機構(現:ACジャパン)では1990年代初頭から後半にかけて、一般的な社会問題よりも環境問題を最優先に掲げ必要以上に取り上げてきた。その中で、イッセー尾形が大きい透明なビニル袋に閉じ込められたCMや、当時現役選手だった中野浩一(競輪)・増田明美(マラソン・NEC-HE)らが出演した「捨てないで」のフレーズが印象的なCMは話題にも問題にもなった。1995年の震災以降はしばらく上記のCMが流れていたが、順次別のCMに差し替えられた。また、社会問題(社会情勢)関係では1995年以降に流れていた通称「あよね」のポリオワクチン募金の支援CMも、「見た目が怖い」「痛々しい作風」などと問題になった。
2000年代
- サントリーフーズBOSSコーヒーで、1999年頃より放送していたブラックユーモア内容のキャンペーンシリーズCMでは、2001年に放送されたボスジャンキャンペーンCMでは、会社の会議室でスーツ姿の1人の男性以外、他の出席者全員がボスジャンを着ていたため、男性は一人浮いてしまった状態、翌日男性はボスジャンを着て会議室に行ったが他の出席者全員はスーツ姿、上司が「君は会社をバカにしているのか?」との内容に視聴者から「内容からしていじめを助長している」、「会社で似たような事を受けて苦痛だ」というクレームがサントリーやJAROに寄せられ、これを受けサントリーは以後ブラックユーモア内容のキャンペーンシリーズCMは製作されなくなった。
- 2001年9月8日から放送されたサントリーウイスキー「膳」のCMにて、会社から帰宅する際にビルから飛び降りるシーンが存在したが、放送開始から3日後にアメリカ同時多発テロ事件が発生してしまい、内容が相応しくないとして放送を中止した。2001年10月6日より、該当シーンをカットしたバージョンに差し替えられた。2002年3月1日より、再び変更前のバージョンに戻され放送された。
- 2001年に放送されたトヨタ自動車「WiLL Vi」のCMで列車に追われながら線路を走るシーンに「危険だ」というクレームがあった。その後踏切事故が発生したため、放映を中止した。
- 2001年に放送された、育児放棄を題材にした公共広告機構(現:ACジャパン)のCM「チャイルドマザー」・「チャイルドファザー」は、母親・父親がおしゃぶりをくわえた姿で出演しているという演出が批判され、また「子育てをしている親に対する温かい激励よりも厳しい批判に感じられ、見るのがつらい」という意見が多かったため、打ち切られた。
- 2001年に放送された「NOVA」のCMで、NOVAうさぎが車道を散歩している時に、背後から2階建てバスが来て、乗っている男性が窓からNOVAうさぎを捕まえようとしたら両耳が引っこ抜かれ、激怒したNOVAうさぎが「ムキーッ!」と叫ぶと両耳が再生し、それに男性が驚くとの内容のものがあった。動物愛護団体から「動物虐待だ」との苦情が来たため中止になった。
- 2002年にイギリスで放送された「Xbox」のCMで、「生まれた新生児がかなりのスピードで空を飛びながら短期間で成長し、最後は老人となって墓に突っ込み、「Life is short. Play more.(人生は短い、もっと遊ぼう。)」とキャッチコピーが出る」という内容に「ショッキング」等のクレームが136件寄せられ、放送が中止となった。
- 2004年10月に放送されたアサヒ飲料「十六茶」のCMで、散歩をしている途中、後ろからCGの猪に突進されて崖へ転げ落ちるシーンに動物愛護団体やJAROなどへ「ショッキング」というクレームが相次ぎ、放送開始から約1週間後に猪が来てびっくりして崖へ転げ落ちる表現に変更された。
- 2003年に放送されたアサヒビール「アサヒ本生アクアブルー」のCMで、潜水直後の飲酒を連想させるシーンがあったため、別のCMに差し替えられた。潜水直後に飲酒すると減圧症になるおそれがあることからであり、健康上の問題となるため[20]。
- 2003年11月に放送されたソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation 2用ソフト「SIREN(サイレン)」のCMが「子供が怖がる」などの苦情が相次ぎ、放送期間の終了前に別のソフトのCMに差し替えられた。
- 2004年にアメリカで放送されたシボレー・コルベットの少年が夢の中でコルベットを運転するという内容の新コマーシャルが、消費者団体、安全団体の抗議を受け放送中止。
- 2004年5月2日から放送されたノーリツのCMで、浴室でも見られる防水加工した液晶テレビ「DECAZO」を紹介した。内容は浴室をリビングの様にくつろぐ空間として演出し、家族3人と父親が連れてきた会社の部下1人の計4人が裸でだんらんするというものだった。しかし、一部の視聴者から「赤の他人が入ってくるのはおかしい」などのクレームがあり、同社は不快感を与えたことから企業イメージの損失の恐れがあると判断し、5月9日から中止となった。
- 2004年7月7日から放送予定だった岩手県の選挙管理委員会の選挙啓発CMで、セイン・カミュのセリフ「不満があるのに何も言わないの?」を、自民党の岩手県連が「与党批判の印象を与えかねない」と反発したため、同年6月23日に放送中止が決定された。同様のコンセプトで作られたポスターも掲載中止になった。
- カップヌードルの2005年上半期CMで、少年兵が銃を携えて海を見張っていて、妹がやってくるとあどけない笑顔に戻る、というバージョンがあった。日清は「少年兵がいる現実を考えてほしい」という社会道徳的意図に基づいて製作したが、“少年兵の肯定”という誤解に基づく苦情があり、短期間で終了してしまった。また映像の最後に「世界には、約30万人の少年兵がいる。彼らのために、私達は何が出来るだろう?」という一文を入れていたが、逆にこれが「日清は世界の少年兵支援を促している」と誤解されたという。
- 2005年1月から放送されたダイハツ工業「ムーヴカスタム」のCMで、風がトレーラーやバイクを吹き飛ばしているシーンに対し「自然災害を思い起こさせる」という苦情があり、一時的放送を中止、同年2月オンエア分以降より「vs.風の魔人」のテロップが追加された。
- 2005年3月28日から放送されたマンダムの男性用洗顔製品「ペーパー洗顔モゲハ編」のCMで、黒人差別と受け取られかねない場面があり、同年6月9日から放送が打ち切りになった。問題になったのは出演者の黒人男性のマネをしてチンパンジーが当の商品で顔を拭くシーンであり、人権擁護団体等が放送中止を要請していた。
- 2005年4月に放送されたロト6のCMで、常盤貴子が持っていたモトローラ製の無線機が別のものに差し替えられた。これは日本国外製の無線機を使う行為が電波法に抵触するためである。
- 2005年5月25日から放送されたアサヒビール「チューハイDew(デュー)」のCMで、及川光博が長々と「デュー」と叫ぶ部分に「うるさい」などの苦情があり、同年5月30日よりナレーションが差し替えられた[21]。
- 2005年5月31日から放送された日産セレナのCMで、「あなたなら、だれ、誘う?」のコピーと共に、オーケストラやサーカス団などを見て、最後に「あいつらだ」と板前三人を車に乗せ海に連れて行った場面があり、「誘拐を想起させる」との苦情があった。後に「あいつら」の部分は「彼らだ」に変更された。
- 2006年4月中旬から放送されていた日清製粉のCMで、ひもでつながれていない犬が海岸を走り回るシーンに対し、同年9月11日に視聴者から「犬の放し飼いを助長する」との苦情が入り、放送が中止された。
- 2006年5月25日から放送された日本コカ・コーラの「からだ巡茶」のCMにおける「広末涼子、浄化計画」というキャッチコピーが同年6月8日に「『浄化』は老廃物除去を連想させ、医薬品の効能があると勘違いされかねないため、薬事法に抵触する」と東京都に指摘され、同年7月29日よりキャッチコピーを「気分浄々」に差し替えた。
- 2006年10月14日から16日の3日間に関東地区で放送されたベネッセコーポレーションの「たまごクラブ・ひよこクラブ(たまひよ)」のCMで、父親役と母親役がキスするシーンがあまりにも濃厚で、「育児雑誌のCMにはふさわしくない内容」等の苦情により放送中止となった。
- 2006年12月11日から放送されたソフトバンクモバイルのゴールドプランで、女子学生たちが他社携帯ユーザーに電話をかけづらい状況を説明した。これがいじめを助長しているとされ(励まし方があまりにも残酷なこと)、JAROに対し苦情が1日250件以上来た。その後、最後にテロップで「友達は大切に。」と入れられたが、苦情は減らず、このCMは予定より早く放映を終了した。
- 2007年4月より放送されたセコムのCMで、通行人や電柱上の作業者(を装っている犯罪者)が猛獣に変身するシーンに「電設業者などへのイメージダウン」になるとのクレームがあり、6月から電柱上の作業者の部分のみをカットしたCMに差し替えた。
- 同じく2007年頃に放送されたセコムのCMで、番犬の立場になった男性が、家の近隣で話し声や物音がすると「誰!?誰!?」と連呼する演出が「うるさい」「くどい」とクレームが付いた。しばらくの間は放送されたが、後に放送中止となった。
- 2007年5月下旬からJR東日本の電車内で放送されていた全日本空輸のCMは、ワシントン条約に違反するトラを飲食物として販売して問題になった桂林市の観光地を舞台にしたため不謹慎であると抗議を受け、同年7月5日に打ち切られた。
- 2007年10月24日から放送された日本コカ・コーラの「からだ巡茶」のCMにおける広末涼子セリフの「ブラジャーが透けるほど汗をかいた最後っていつだろう」に「ブラジャー」は性的表現で不快だという苦情が入り、2008年1月1日より「こんなに汗をかいた最後っていつだろう」に差し替えられた。
- 2007年秋から放送された高橋酒造のCMでくりぃむしちゅーが熊本県知事選へ出馬するか否か悩むという内容が、2008年3月に熊本県知事選が行われる際「誤解を招く」との理由から、2008年1月をもって関東以外での放映が一時自粛された。その後、2008年3月16日から選挙と無関係な新バージョンのCMが放送開始された。
- 2008年1月15日から中京広域圏で放送されたおやつカンパニーの「地元伊勢の国うす焼えびせん」のCMで、出張した夫が土産に買ってきた地元伊勢の国うす焼えびせんを妻が別の男性と食べるという内容に「不倫を題材としていて不快だ」という苦情が入ったため、同年1月18日に打ち切りが決定した。実際には1月20日まで放送する予定だった。
- 2008年3月より放送されたダイドードリンコ「葉の茶 朝摘み」のCMが、「うるさくて不快」などのクレームが多く寄せられたため、同年8月から茶摘み娘たちの「朝摘み」を連呼する回数を半分に減らし、少し間を空けてから「朝摘み」と言うバージョンに変わった。
- 2008年から放送されているジョンソン・エンド・ジョンソンの「薬用リステリン」のCM『水曜日の朝』で、放送当初に流れていた「まだ水曜日~」が短期間でカットされたバージョンに変更された。しかし、「ゴミ袋をゴミ収集車に投げ入れる」という内容が問題視された事から「ゴミ袋を収集中の清掃員に渡す」に変更された。
- 2008年6月より放送されたイー・モバイルのCMで、サルが演説を行い「CHANGE!」を掲げていたりと、バラック・オバマのパロディーCMに対し、在日米国人から「人種差別だ」と抗議され、打ち切りとなった。
- 2009年に放送された、大塚食品のCM「ハイスクール炭酸マッチ」で、マッチを飲んだ中年男性が警察に逮捕され、タレントの南明奈がマッチ仕様の婦警のコスプレをし、「大人が飲んだら逮捕だぞ!」「高校生しか飲んじゃダメ!」などと言っていたが「なぜ、高校生専用で小学生や中学生、大学生や大人は飲んじゃいけないのか?」「差別されているようで不快」「買う気をなくした」などといった苦情が寄せられたため、別のCMに差し替えられた。
- 2009年に放送された、ACジャパンのCM「ごきげんうかがい」で、「オレオレ」と電話をかけてきた息子に対しておばあさんがユーモアに対応するといった内容で、「電話の相手が本当の息子なのか詐欺師なのか判りづらい」「オレオレ詐欺をなかば容認しているようにも感じる」という意見が多かったため、12月に打ち切られた。
2010年代
- 2010年に放送予定だった、日清食品「ラ王」のCMで、槍ヶ岳を一時閉鎖して撮影を行ったことが問題視されたため、開始直前で放送を中止し、お蔵入りとなった。このため、「ラ王」CMの予定分をACジャパンのCMに差し替えた。その後、槍ヶ岳を建設中の東京スカイツリーに変更したものが放送された。
- 2011年1月下旬、アサヒビール「くつろぎ仕込」ソファー篇で、北川景子の手と顔が男性の股間の手に触れるように見えたシーンがあり、婦人会などから「ハレンチだ」という抗議があったため放送を中止した。
- 2011年2月、日本マクドナルド「ハッピーセット」スポンジボブ篇で、子供が奇声を叫ぶシーンがあって苦情が殺到し、2週間で打ち切り。
- 2011年3月11日に東日本大震災が発生。未曾有の大災害であることから、小林製薬などの一部企業が放送を続けた以外はほとんどの民間企業がCMの放送を自粛し、それらの穴埋めとしてACジャパンのCMが放送された。当初は「被災者に対する配慮」として視聴者からも理解を得られていたが、あまりにもその放送回数が多いことで、一部の視聴者から遂に「しつこい」などの苦情が寄せられるようになり、ACジャパンが公式サイトで謝罪文を掲載する事態に発展した。4~5作程度のバージョンしか用意されておらず、必然的に同じCMが回数多く放送されるため、心理的に「しつこい」と感じる遠因となった。終わりの際に流れる「エーシー (AC)」という音声を削除したバージョンも流れるようになったほか、臨時CMも制作・放送された。また、こうした事態を受けてACジャパンは一部のCMの放送中止をテレビ局に依頼した。現在は、ACという高い声のサウンドロゴを取りやめ、エーシージャパン(ACジャパン)という、高くない声が流れている。
- 2012年2月下旬から3月初旬まで放送されたソフトバンクモバイルのCMで、出演者のトリンドル玲奈が「鳥取はまだ糸電話」と発言した上で、鳥取砂丘で糸電話で会話をするイメージ映像が流れるという内容に対し、鳥取県民などから「鳥取を小馬鹿にしている」などの批判的な意見があったため放送を打ち切り、別のCMに切り替えた[22]。
- 2012年3月に放送されたAKB48出演のUHA味覚糖「ぷっちょ」リレー編に「品位の欠けるCMはやめてほしい。食べ物を口移しでリレーするのは不衛生で気持ち悪い。」などの苦情がBPOに寄せられた。一時放送を休止し、2012年6月にAKBメンバーをAKB48ちょに変更したものを放送開始した。
- サントリー黒烏龍茶のCMで、消費者庁から「偏食を助長する」というクレームがあった。当該CMはすでに放送を終了していたが、2012年秋以降のCMの内容を見直すこととなり、放送再開後には、最後に「くれぐれも食事はバランスよく」のテロップが追加された。
- 2013年4月に発売したパナソニック「スマートビエラ」のCMで、民放連のガイドラインに抵触した問題があり、民放での放送ができなかった。
- 2013年4月6日から4月18日まで放送されていたアサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダ モーニングショット」の「ICカード編」のCMで、新人OL役のAKB48の島崎遥香が駆け足で会社の入館ゲートに向かうもICカードが反応せず、困惑していると後ろから先輩の男性社員がICカードをかざしゲートを開けるという内容にネット上で「セキュリティー上に問題がある」「他人のICカードで入館するのはセキュリティーに違反している」などの非難が浴びられ、アサヒ飲料にも抗議が寄せられた。実際「CM上の演出です」と注意書きがされていたものの、アサヒ飲料は「CMの演出上の表現と考えているが、不快な思いをさせてしまい申しわけない」と謝罪。同CMは4月18日限りで放送打ち切りを決定した。後にAKB48出演CMは「ワンダ フレーバーズ」で再開した。
- 2013年4月24日から5月7日まで放送された日本コカコーラの炭酸飲料「カナダドライジンジャーエールFIBER8000」のCMで、「トクホウ(特報)!」などと表現していた。消費者庁は、CMを見た視聴者が「トクホ(特保)」と聞き間違える恐れがあるとして、4月下旬に改善指導。CM放映は5月7日に終了した。同社は、CMは期間限定だったため終了は予定通りと説明。「商品の特徴を効果的に伝えようと企画したCMだったが、一部で誤解した方がいたことは誠実に受け止めたい」とコメントした。なお、CMには「トクホではありません」とテロップが入れられていた。
- 2013年5月17日から6月6日まで放送された、アサヒビールの発泡酒「アサヒ スタイルフリー」のCMで、スリランカ中部にある世界遺産・シーギリヤの岩山「シーギリヤ・ロック」の頂上で出演者の長瀬智也と貫地谷しほりが発泡酒を手にパーティーを楽しんでいるという内容(実際はスタジオでの撮影と現地の空撮映像が合成されたもの)に対し、スリランカ国内で「文化遺産への冒涜だ」との批判が出たことから、同日をもってCMは中止された[23]。シーギリヤ・ロックの撮影自体はスリランカ政府から許可を得ていたが、同国内では酒類とたばこの広告は禁止されていることから、同国の広告制作会社が栄養ドリンクのCMとして申請していた模様。
- 2013年に放送されたトヨタ自動車「アクア」のCMでナレーション「日本一のハイブリッドカー、アクア。」がオンエア途中で競合車種のホンダ・フィットハイブリッドがアクアの燃費を上回ったため、ナレーションが「アクアです。」に差し替えられた。
- 2013年10月25日から放送されたホクトのCMで、鈴木砂羽と要潤が出演。アダルトなBGMが流れる中、スーパーで要が鈴木の手をとり股間に引き寄せ、鈴木が恍惚の表情を浮かべるという内容で、視聴者から「これテレビで放映して大丈夫なのか」「ストレートで下品」「子供に見せられない」などと苦情が殺到したため、10月31日をもって打ち切りになった。
- 2013年10月から放送された塩野義製薬と日本イーライリリーが共同で展開したうつ病啓発キャンペーンのCMで、体の痛みをうつ病の主症状のように伝えたが、「うつ病が体の痛みを生むという科学的証拠はない」「薬を売るための過剰啓発だ」と医師や患者などから抗議を受け、2014年1月初めにナレーションを「痛みといった体の症状も表れます」から「表れることもあります」に変更した[24]。
- 2014年1月18日から放送されたANAのCMで、国際線の航空会社としてのイメージアップについて西島秀俊とバカリズムが英語で会話を交わし、最後にバカリズムが金髪のかつらとおもちゃの高い鼻を付けた姿になるという内容に対し、「外国人をステレオタイプ化していて人種差別的だ」との苦情があったため、1月20日に放送を中止し、内容を修正することになった[25][26]。
- 2014年1月17日から放送されたキリンビールの缶チューハイ「本搾り」のCMで、カエルのキャラクターが登場する表現に「未成年者の関心を誘い、飲酒を誘発しかねない」とアルコール問題を扱う団体からの指摘があり、当初の放送予定より早い1月25日から放送を取りやめることとなった[27]。
- 2014年2月1日から放送された東京ガスのCM『家族の絆・母からのエール』編で、就職活動に忙しく動き回る女子学生の演出がとても現実的で「リアルにできていて心が痛む」などのクレームが寄せられ、1ヶ月足らずで打ち切りになった。一応1ヶ月近くは放送されたためか、当初はさほど問題とされていなかったが、数ヶ月ほどしてからTwitterなどで当CMが話題となり、逆に「感動的。観て泣いてしまった」と称賛する意見もあり、賛否ある[28]。
2016年1月にディクシーのすべて打ち切りなった。スキャンダルあった為。ヤフー乗っていた
ラジオCM
ラジオでのスポットCMの場合、20秒・40秒・60秒と20秒単位のものが殆どで、20秒のものが多い。ただ、短いものでは5秒や、かつてはイトキンのように僅か2秒で終わるものもあった。
ラジオでは声しか伝わらないので、著名タレントをナレーションに起用している場合、タレントが冒頭で自ら「●●●●(名前)です」などと自己紹介してからナレーションに入ることが多い。
現在のようなインターネット全盛の時代では、ナレーションの最後に「『●●(商品名や企業名など)』で検索!」とインターネット検索を促す一言を加えるものも出てきている。
脚注・出典
- ↑ ・日本で初めてのラジオCMは何か。 | レファレンス協同データベース(2011.5 公益財団法人吉田秀雄記念事業財団アド・ミュージアム東京広告図書館)
・あの日あの時CBC!!プレイバックCBC|ラジオ開局その日 1951.9.1 (中部日報放送) - ↑ CM探検隊・コマーさる君が行く! 1953-1959(2008.2取得、CMのCMキャンペーン、ウェブアーカイブ)
- ↑ edit -株式会社エディト- ≫ 金融広告30年史 ≫ 第10回(2010年04月01日)
- ↑ http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/09/0920.html
- ↑ http://www.cnn.co.jp/business/CNN200912240014.html
- ↑ ラウドネス運用規準 全TV番組・CMの音量感統一/民放連
- ↑ 番組とテレビCMの音量差を解消!来年10月から
- ↑ ESP/UTB映像アカデミー 業界用語辞典 「ステーション・ブレイク」
- ↑ IAT雑学王
- ↑ ごく稀に60秒以上の長編CMを流すこともある(1990年代まで放映されていたタバコCMは60秒が主流だった)
- ↑ 事例1
- ↑ 事例2
- ↑ 例えばNTTドコモのCMが放送されていれば「NTT DoCoMo」
- ↑ テレビCMに急増する「Web検索」の実態を検証する, 日経トレンディネット, 2007年11月5日
- ↑ 情報セキュリティー研究センター: 安全なWebサイト利用の鉄則
- ↑ マイケル宮内著『笑えるけど超ヤバい! テレビ 放送事故&ハプニング』p134-135、廣済堂出版、2007年7月、ISBN 978-4-331-51243-2
- ↑ 『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』p136-137
- ↑ 18.0 18.1 『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』p135
- ↑ 『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』p122
- ↑ 『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』p129
- ↑ 『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』p140
- ↑ トリンドル玲奈出演 ソフトバンクCM「鳥取はまだ糸電話」編が物議を醸している 日刊ゲンダイ、2012年3月10日。
- ↑ 長瀬智也ら出演のアサヒ発泡酒CM中止 - 日刊スポーツ(2013年6月6日)※2013年6月7日閲覧
- ↑ 「うつの痛み」テレビCM、抗議受け一部変更 ヨミドクター、2014年2月1日。
- ↑ ANA、新CMを修正へ 人種差別的との苦情受け AFPBB News 2014年1月21日
- ↑ つけ鼻・金髪かつらの演出に批判 全日空CM、放送中止 朝日新聞 2014年1月21日
- ↑ キリン:チューハイ「カエルCM」中止 未成年飲酒誘発? 毎日新聞 2014年1月24日
- ↑ <テレビCM>リアルな就活 批判受け東京ガス放映打ち切り 毎日新聞 2014年7月4日閲覧
関連項目
- 広告代理店
- 広告制作会社
- CMバンクシステム
- パーティシペーション
- ACジャパン
- 日本広告審査機構
- 全日本シーエム放送連盟
- 提供クレジット
- 生コマーシャル
- コマーシャルソング
- ふるさとCM大賞
- CM NOW
- コマーさる君
- CMのCMキャンペーン
- 杉山登志 - CMディレクターの第一人者。故人。
- バイラルCM(バイラルマーケティング)
- ネガティブ・キャンペーン
- メディア・リテラシー
- 山場CM
- 視聴率・聴取率