御岳登山鉄道
御岳登山鉄道株式会社(みたけとざんてつどう)は、東京都青梅市の御岳山を登るケーブルカーとリフト等を営業している鉄道会社。京王グループに属する。本社は東京都青梅市御岳2丁目483番地(滝本駅駅舎内)。
滝本駅駐車場や売店、食堂の経営も行っている。
目次
沿革[編集]
- 1927年(昭和2年)
- 1934年(昭和9年)12月31日 - ケーブルカー滝本駅 - 御岳山駅間が開業[5]。
- 1944年(昭和19年) 太平洋戦争 - の戦況悪化に伴い、不要不急線としてケーブルカー滝本駅 - 御岳山駅間が休止。
- 1947年(昭和22年)10月31日 - 大多摩観光開発に社名変更[6]。
- 1951年(昭和26年)6月29日 - ケーブルカー 滝本駅 - 御岳山駅間が運行再開[6]。
- 1959年(昭和34年)7月18日 - リフト(特殊索道) 御岳平駅 - 大展望台駅間が開業[6]。
- 1961年(昭和36年)7月1日 - 御岳登山鉄道に社名変更[6]。
- 1968年(昭和43年) - 初代車両引退、2代目車両(コ-1形、コ-2形)運転開始。
- 1972年(昭和47年)5月29日 - 京王帝都電鉄(現・京王電鉄)の経営傘下に入る[6]。
- 1991年(平成3年)7月6日 - レール交換に伴い軌間を1067mmから1049mmへ変更[6][7]。
- 2008年(平成20年)
ケーブルカー[編集]
滝本駅 - 御岳山駅間の1.107km、標高差423.6m、最大勾配斜度25度の急勾配を6分程度で結んでいる。御岳山駅にて、リフトの御岳平駅に乗り換えができる。
車両[編集]
初代車両(1934年 - 1968年)[編集]
1934年の開業時に登場した車両(汽車会社製 定員80人)[8]。1968年2代目車両登場に伴い引退。
2代目車両 (1968年 - 2008年)[編集]
初代車両老朽化に伴い1968年に日立製作所笠戸工場で製造。コ-1形「日出」とコ-2形「青空」が在籍する。
車内には他のケーブルカー車両と同様に運転席はなく、御岳山駅にて運転士が運転の操作をしている。車内には車掌席が設けられており、常時、非常のために車掌が乗車している。なお、車掌席には非常時にのみ利用ができる「非常ブレーキ」が設置されている。座席配置はクロスシート。モケットはコ-1形が茶色で、コ-2形が青色。
1991年のレール交換に伴う軌間改軌の際には車両も改造されている。
塗装は登場当初から2003年までが白色ベースで、コ-1形「日出」が下半分赤、コ-2形「青空」が下半分青であったが2003年4月に塗装変更、「日出」が橙色、「青空」が青色の塗装となった。また時期よってにはイラストなどが入れられていた。また、年末年始に限り「日出」が「希望」、「青空」が「開運」という愛称に変更される。
2代目車両は老朽化のため2008年3月11日で営業運転を終了した。同年2月1日からはありがとうヘットマークの取り付けが行われ、最終日の11日にはさよならセレモニーも行われた。
- コ-1形・コ-2形
- 車体全長 - 12,800mm
- 車体全高 - 3,680mm
- 車体全幅 - 2,896mm
- 運転整備重量 - 9.9t
- 車輪径 - 550mm
- 車体角度 - 22度
- 車両定員 - 135名
- うち座席 - 34席
- 運転最高速度 - 秒速3.2m
3代目車両(2008年 - 現行)[編集]
2008年3月12日から3月21日まで10日間営業運転を休止し車両を更新。3月22日より3代目「日出」号「青空」号が営業運転を開始した。
2014年10月16日から開業80周年を記念し、車両の名前・デザインを「武蔵(MUSASHI)」と「御嶽(MITAKE)」に変更した[9]。
路線データ[編集]
- 路線距離:1.107km(営業キロは1.0km)
- 軌間:1049mm
- 駅数:2駅(起終点駅含む)
- 高低差:423.6m
運行形態[編集]
営業時間7:30 - 18:30(夏期は延長あり)に、約20分おき(冬期は昼間時間帯約30分おき)に運行されている。多客期には増便されることもある。また、大晦日には終夜運行し、武蔵御嶽神社への初詣客輸送を行っている。
運賃[編集]
2014年4月1日改定[10]
- 大人
- 片道 590円、往復1110円
- 小児
- 片道 300円、往復 560円
その他団体割引あり。また、後述するリフトを含めた往復運賃も設定されている。詳しくはホームページを参照のこと。
駅一覧[編集]
利用状況[編集]
各駅の近年の1日平均乗車人員は次の通り。
年度 | 滝本駅 | 御岳山駅 | 出典 |
---|---|---|---|
1990年 | 1,164 | 1,016 | [11] |
1991年 | 1,046 | 910 | [12] |
1992年 | 1,175 | 1,014 | [13] |
1993年 | 1,112 | 964 | [14] |
1994年 | 1,066 | 918 | [15] |
1995年 | 1,038 | 885 | [16] |
1996年 | 1,047 | 814 | [17] |
1997年 | 1,260 | 447 | [18] |
1998年 | 7,077 | 2,520 | [19] |
1999年 | 1,443 | 1,311 | [20] |
2000年 | 803 | 601 | [21] |
2001年 | 778 | 671 | [22] |
2002年 | 737 | 636 | [23] |
2003年 | 699 | 604 | [24] |
2004年 | 658 | 567 | [25] |
2005年 | 723 | 562 | [26] |
2006年 | 679 | 537 | [27] |
2007年 | 675 | 536 | [28] |
2008年 | 663 | 532 | [29] |
2009年 | 699 | 562 | [30] |
2010年 | 693 | 554 | [31] |
交通[編集]
- 鉄道利用
- JR青梅線御嶽駅から、西東京バスを利用し、「ケーブル下」停留所下車。停留所から滝本駅までは、徒歩で5分程度である。
- 自動車利用
- 滝本駅前に、御岳登山鉄道が営業をしている「滝本駅駐車場」(有料)がある。また、駅から離れた多摩川の河川敷に「公営無料駐車場」(要バス、徒歩)もある。
御岳山駅発滝本行き最終便(18時30分)のケーブルカーは、平日に関しては当ケーブルカー、バス双方が臨時で時間延長運転している場合を除いて御嶽駅行きの最終バスに接続していない。この場合、滝本駅下車後タクシーを呼ぶか、都道の残りの道のりを徒歩で下山するしかない(ただし、夏季でもこの時刻では暗い夜道になる。特に冬季は路面凍結の危険もある)ので、平日にバスを利用して下山する場合は御岳山駅17時30分発に乗車する必要がある。
リフト[編集]
御岳平駅 - 大展望台駅間の98m、2分程度で結んでいる。リフトの椅子は、赤・青・黄の3色に塗り分けられ、雨避け・日よけの小さな屋根も設置されている。御岳平駅にて、ケーブルカーの御岳山駅に乗り換えができる。
リフトは、乗客がいない場合には営業時間中でも運行が停止されるが、乗客が来るとすぐに動き出すようになっている。運賃は、大人・小児に関係なく片道100円、往復190円である(前述のとおり、ケーブルカーとセットになった往復切符もある)。
駅一覧[編集]
その他[編集]
- 御岳山駅・御岳平駅・大展望台駅から、御岳ビジターセンターや武蔵御岳神社までは、舗装はされているが徒歩のみで少し距離がある。
- 途中で細い山道(都道)を上り下りする軽自動車などを見かけるが、山頂集落の居住者用車両等の特別に指定を受けたものであり、一般車両は進入・通行できない。
- PASMO・Suica(および、ICOCAなど相互利用のICカードの一部)も使用できる。ただし、以下のような制約がある。
- ケーブルカーのみ対応で、リフトはICカードでは利用できない
- オートチャージなどの機能はない
- 片道運賃のみの取扱(往復割引は有人窓口で乗車券への引き換えが必要)
脚注[編集]
- ↑ 『鉄道統計資料. 昭和元年』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『鉄道統計資料. 昭和2年』昭和3年度から御岳登山鉄道『鉄道統計資料. 昭和3年』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 会社概要 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ↑ 1939年時の筆頭株主青梅電気鉄道『日本全国銀行会社録. 第47回(昭和14年)』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1935年1月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 御岳登山鉄道エキスパート 歴史年表 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ↑ 御岳登山鉄道エキスパート レールと車輪の秘密 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ↑ 白土貞夫「戦前のケーブルカー小話」『鉄道ピクトリアル』No.421
- ↑ 御岳登山鉄道(2014年9月29日閲覧)
- ↑ 時刻表・運賃 - 御岳登山鉄道、2014年4月9日閲覧
- ↑ 東京都統計年鑑(平成2年)229ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成3年)235ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成10年)PDF
- ↑ 東京都統計年鑑(平成11年)PDF
- ↑ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ↑ () 東京都統計年鑑(平成21年) 4-13 私鉄の駅別乗降者人員 Excel [ arch. ] 2012-11-12
- ↑ () 東京都統計年鑑(平成22年) 4-13 私鉄の駅別乗降者人員 Excel [ arch. ] 2012-11-12