成田空港駅
成田空港駅(なりたくうこうえき、Narita Airport Station)は、千葉県成田市三里塚御料牧場にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)と京成電鉄の駅である。
概要
成田国際空港(成田空港)へのアクセス駅の一つで、成田空港第1ターミナルに直結している。
当駅には、JR東日本の成田線(空港支線)と、京成電鉄の本線ならびに成田空港線(成田スカイアクセス線)が乗り入れており、いずれも当駅が終点となっている。ただし、JR・京成とも線路を保有しない第二種鉄道事業者であり、線路を保有している第三種鉄道事業者は成田空港高速鉄道である。京成本線・成田空港線(成田スカイアクセス線)の駅番号はいずれもにKS42である。
第2ターミナルへは無料連絡バスが運行されている。
駅構造
成田空港第1ターミナルの地下1階にある地下駅である。
空港建設時の経緯から、改札を出たところに「セキュリティエリア」と呼ばれる空港の検問所があり、パスポート(渡航目的でない下車の場合は何らかの身分証明書)の提示を求められ、手荷物検査(実際に荷物を開ける)が行われる。そのため、当駅の開業時には主要駅に新東京国際空港公団(当時)名でその旨と空港に用のない人は他の駅を使うよう求める旨が書かれた張り紙が掲示された。なお、成田新高速鉄道(京成成田空港線)の開業前をめどに、セキュリティエリアの廃止を検討していることが報じられていた[1]が、開通後も続けられている。ただし、2010年10月以降は再国際化した東京国際空港(羽田空港)との競争の激化を理由に、再び検問廃止を検討しているとも報じられている[2]。成田国際空港の項も参照されたい。
駅改札外のJRコンコースには、ジャパンレールパスの引き換えや訪日外国人向けの旅行サービスを提供するJR東日本訪日旅行センターが設置されている。(運営はJR東日本グループのびゅうトラベルサービス)また、京成コンコースには両替などのサービスを行う「たびるーむ」が設置されている。このほかスターバックスなどの飲食店、売店などが立地する。
ホームはJRは島式ホーム1面2線、京成は単式ホームから成田スカイアクセス開業時に改造し、島式ホーム1面4線を有する。改札内での両線ホーム間の行き来はできない。また、出口改札は前述の検問所に直結しているため、検問所を通過しないと再入場や両社間の乗り換えはできない。
のりば
JRホーム | |||
番線 | 路線 | 行先 | |
---|---|---|---|
1・2 | ■成田線・■総武線(快速) | 東京・新宿・渋谷・横浜方面 | |
京成ホーム | |||
番線 | 路線 | 行先 | |
4・5 | 成田スカイアクセス線 (「スカイライナー」) |
日暮里・上野方面 | |
2・3 | 京成本線 | 成田・船橋・日暮里・上野・押上・ 都営浅草線・ 京急線方面 | |
1 | 成田スカイアクセス線 (一般電車(アクセス特急)) |
北総線・日暮里・上野・押上・ 都営浅草線・ 京急線方面 |
- 上表の路線名は京成成田空港線(成田スカイアクセス線)開業後の旅客案内の名称に基づいている。
- JRの駅については、成田線のラインカラーである緑(■)は旅客案内ではほとんど使われず、代わりに直通先である総武快速線のラインカラーである青(■)が使用されている。
- 番線はJR側から、JR1・2番線、京成3・5、2・4、1番線となっており、京成3・5番線と2・4番線は同一線路上にある。
- JRについては原則として、1番線に「成田エクスプレス」、2番線に一般列車が発着する。
- 平日6時57分発のアクセス特急は4番線から発車する。
- 京成本線は中間改札がある。
京成線ホームの改修
2010年7月17日ダイヤ改正より成田空港線(成田スカイアクセス線)が乗り入れているが、それに伴い京成線の外側(北ウイング側)に新たに躯体を建設し、成田スカイアクセス線専用のホーム1面(新1番線)を設けた。これによって当駅は京成3線・JR2線の計5線となった。なお、改修工事完了後も京成線の駅前後の線路は単線のままである。
躯体工事は成田国際空港株式会社が担当し、その後成田高速鉄道アクセス株式会社が躯体の内部にレールを敷設し、信号機器やエスカレーターなどの諸施設を整備している。
成田スカイアクセス線の開業と同時に当駅 - 京成高砂駅間のルートは2通りとなっているが、2つのルートは運賃が異なるので、ルートの特定と運賃の算定を行うため、当駅のホームを京成本線専用ホーム(上野方、2・3番線)と成田スカイアクセス線専用ホーム(車止め側、4・5番線)に分け、京成本線コンコースに中間改札が設置されている。また京成本線ホームと成田スカイアクセス線ホームとの間に信号機が設けられており、縦列停車も可能である。
駅弁
NREの駅弁(新宿駅・いわき駅と全く同じ駅弁)を販売している。販売される主な駅弁は下記の通り。
利用状況
1992年12月6日の第2ターミナル開業時に多くの主要航空会社の便が第2ターミナル発着とされたため、第2ターミナルに併設される空港第2ビル駅の乗降人員は当駅の2倍近くになった。その後、2006年6月2日より第1ターミナルが拡張され、スカイチームやスターアライアンス加盟航空会社などが第2ターミナルから再び第1ターミナルへ配置換えしたため再度増加している。京成では2010年7月17日に成田スカイアクセス線が開業した後、増加傾向が続いている。
開業以降の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表のとおりである。
年度 | JR東日本 | 京成電鉄 | |
---|---|---|---|
乗車人員 | 乗降人員[5] | 乗車人員 | |
1990年(平成 | 2年)6,648 | 8,596 | |
1991年(平成 | 3年)6,496 | 10,094 | |
1992年(平成 | 4年)6,008 | 9,871 | |
1993年(平成 | 5年)3,885 | 6,145 | |
1994年(平成 | 6年)3,993 | 5,765 | |
1995年(平成 | 7年)4,141 | 5,927 | |
1996年(平成 | 8年)4,250 | 6,319 | |
1997年(平成 | 9年)4,144 | 6,204 | |
1998年(平成10年) | 3,969 | 5,947 | |
1999年(平成11年) | 3,623 | 5,983 | |
2000年(平成12年) | 3,668 | 6,118 | |
2001年(平成13年) | 3,236 | 5,761 | |
2002年(平成14年) | 3,342 | 5,849 | |
2003年(平成15年) | 3,094 | 11,970 | 5,647 |
2004年(平成16年) | 3,564 | 13,246 | 6,293 |
2005年(平成17年) | 3,699 | 13,564 | 6,426 |
2006年(平成18年) | 5,411 | 19,105 | 9,367 |
2007年(平成19年) | 5,734 | 19,772 | 9,729 |
2008年(平成20年) | 5,660 | 20,304 | 10,016 |
2009年(平成21年) | 5,546 | 20,386 | 10,051 |
2010年(平成22年) | 5,844 | 21,758 | |
2011年(平成23年) | 5,061 | 20,604 | |
2012年(平成24年) | 6,042 | 22,234 | |
2013年(平成25年) | 22,877 |
歴史
現在の京成成田駅 - 駒井野信号場 - 空港第2ビル駅 - 成田空港駅間は、空港開港前は京成・新空港線として京成電鉄の路線として計画された区間である[6]。現在の空港第2ビル駅と当駅の位置には、当初から京成電鉄の駅として第二ターミナル駅と第一ターミナル駅の建設がそれぞれ予定されていた。しかし、開港直前になり当時の政治的配慮からルートが変更され、当駅も当初予定されていた位置とは離れた場所に建設された。これが現在の東成田駅である。一旦白紙になった計画駅は、その後成田新幹線として建設されることになった。
現在の路線は、その成田新幹線用として準備された用地と建設された筐体が、同線が建設中止になったあと、JR・京成の乗り入れに転用されたものである。
- 1991年(平成3年)3月19日 - 開業。
- 2000年(平成12年) - 関東の駅百選に選定される。選定理由は、「世界の空の玄関口として、内外の多くの人々に利用される国際空港ターミナル駅。」
- 2001年(平成13年)11月18日 - JR東日本でICカードSuica供用開始。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 京成電鉄でICカードPASMO供用開始。
- 2010年(平成22年)7月17日 - 成田空港線(成田スカイアクセス線)が開業し、当駅の京成本線コンコースに中間改札が設置される。また、駅番号KS42が付される[7]。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生。京成本線経由の「シティライナー」の当駅への乗り入れはこの日を最後に休止(のちに正式に乗り入れ廃止)。以降、当駅に乗り入れる京成本線経由の有料列車は「モーニングライナー」と「イブニングライナー」のみとなる。
隣の駅
- 京成電鉄
- ●KS本線
- ■快速特急・■特急・■通勤特急・■快速・■普通
- 空港第2ビル駅 (KS41) - 成田空港駅 (KS42)
- ■快速特急・■特急・■通勤特急・■快速・■普通
- ●KS成田空港線(成田スカイアクセス線)
- ■アクセス特急
- 空港第2ビル駅 (KS41) - 成田空港駅 (KS42)
- ■アクセス特急
- ※京成の空港第2ビル駅 - 成田空港駅間は、本線と成田空港線の重複区間という扱いである。
脚注
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 東成田駅 - 当駅開業前に成田空港駅を名乗っていた。
- 成田空港高速鉄道
- 中山ゆかり - 鉄道むすめおよび同名のテレビドラマに登場したキャラクター。当駅の駅員という設定になっている。
- 関西空港駅