バイトテロ
バイトテロは、小売業や飲食業の店舗でアルバイトとして雇われている従業員が店の商品や備品を使用した悪ふざけの様子を撮影し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログで拡散する行為の総称である。
後述の通り、発生した店舗やフランチャイズ(FC)の本部に重大な損害を与えブランドイメージの低下にも繋がることからバイオテロ(テロリズムにおける生物兵器使用)になぞらえて[1]自然発生的にそう呼ばれるようになったとみられる。
またニュースサイト秒刊SUNDAYがブロンコビリーでの不祥事を取り上げた際これら問題を「アルバイトによるテロ行為」と表現[2]。その後「アルバイト」+「テロ」という単語を合成した「バイトテロ」を頻繁に使い出したのを発端とし、様々なメディアがそれを引用していくことで波及した。
概要
アルバイト従業員が冷蔵庫に入ったり食材で遊ぶ等の不適切な行為は「バイトテロ」の呼称が生まれるよりも以前から存在していたとみられるが、スマートフォンの普及でそうした場面を撮影してごく親しい友人に見せるつもりでTwitterやFacebookにアップロードして共有することが容易になったのがバイトテロの背景にある。結果、アップロードされた写真が本人の交友関係とは無関係な不特定多数の第三者の目に留まり、該当する店舗やFC本部に大量のクレームが寄せられるのが基本的なパターンとなっている。
こうした行為は日本に特有のものではなく、例えばアメリカではバーガーキングの店員がキッチンの流し台で入浴する場面の動画をYouTubeにアップロードする騒動や[3]、ウェンディーズの店員がアイスデザートのサーバーに口を付けて直食いしている場面の写真をアップロードして炎上する騒動が起きている[4]。こうしたバイトテロの多発についてUSAトゥデイでは「ファストフード企業はこのような行為を完全に防止することはできないだろう。従業員の大多数は携帯電話で武装した若者であり、最低限の賃金で働いている。これは獣の世界だ」と言うコンサルタントの論評を掲載している[4]。
問題が発生した際の対応
日本では2013年(平成25年)7月に高知県内のローソンでアルバイト従業員がアイスクリーム陳列用のケースに侵入した写真を撮影してFacebookにアップロードして炎上した事件が以降に相次いだ「バイトテロ」の発端とされている[5]。この事件では問題を起こした従業員の解雇のみならず、ローソン本部が監督不行き届きを理由に店舗のFC契約を解除する処分を発表している[6]。また、ステーキハウス・ブロンコビリーの東京都内にあった店舗でアルバイト従業員が冷蔵庫に侵入した様子を撮影してTwitterにアップロードした事件では、ブロンコビリー本部が問題の店舗を閉店すると共に元従業員に対する損害賠償請求を検討すると発表した[7]。
閉店やFC契約の解除にまでは至らないケースでも悪ふざけに使われた備品の清掃・洗浄や[1]、写真が撮影された前後の時間帯に販売された商品の返金などの対応で思わぬ損害が発生することが多く、経営上の重大なアクシデントとなっている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 (2013年8月26日) 「バイトテロ」という呼称も 今度はピザーラでアルバイト店員が悪ふざけ写真をアップし会社が謝罪 ガジェット通信 東京産業新聞社 [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ (2013年8月07日) 「バイトのテロ受けたブロンコビリー足立梅島店『ケータイ持ち込み禁止』全力で頑張る 秒刊SUNDAY 有限会社たまや [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ (2013年8月14日) 米バーガーキング従業員 職場で全裸「流し台」入浴 J-CAST [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ 4.0 4.1 (2013年8月20日) アルバイトの悪ふざけ 米国でも起こっていた 日刊ゲンダイ [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ (2013年8月30日) バイトテロ延焼中―ネットを炎上させる“けしからん”な人たち ダ・ヴィンチ電子ナビ メディアファクトリー [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ (2013年7月15日) 「コンビニのアイスケースに入ってみた」写真炎上でローソンが謝罪 問題の男性は解雇、当該店もFC契約解約へ ねとらぼ ITmedia [ arch. ] 2013年9月12日
- ↑ (2013年8月12日) ブロンコビリーがバイト撮影問題を起こした足立梅島店を閉店 バイト店員に損害賠償請求も 産経新聞社 MSN産経ニュース [ arch. ] 2013年9月12日