鎧伝サムライトルーパー
『鎧伝サムライトルーパー』(よろいでんサムライトルーパー)は、1988年(昭和63年)4月30日から1989年(平成元年)3月4日まで名古屋テレビ・テレビ朝日系で毎週土曜日17:30 - 18:00に全39話が放送された、サンライズ製作のテレビアニメ。
目次
ストーリー[編集]
遥かなる伝説の時代、この世に邪悪がはびこりし時、一人の武者が現れた。その武者、正しき心を力とし妖邪帝王・阿羅醐を討伐する。妖邪帝王の野望を打ち砕くも、残された鎧の怨念を浄化すること叶わず。その武者、正しき心『仁義礼智信忠孝悌忍』を鎧に刻み込み、九つの鎧へと分ける…。
時は現代(1988年・放映当時)再び妖邪界が人間界を支配せんと目論む。大東京・新宿上空に妖邪帝王の城『阿羅醐城』が出現、その妖邪の力に現代科学・兵器は全て沈黙した。その時、その妖邪帝王・阿羅醐の野望を打ち砕かんとする5人の少年らが立ち上がった!
その名を『サムライトルーパー』という。
概要[編集]
『聖闘士星矢』に端を発する、いわゆる「装着もの」「鎧もの」の流れを汲む作品。この時間帯のサンライズ制作アニメ番組では異色となる等身大ヒーローアニメといえる。
5人の少年たちが鎧擬亜(よろいギア)なるプロテクターを装着して妖邪と戦う物語である。同時期に放送されていた『聖闘士星矢』や『天空戦記シュラト』などと同系列の作品であり、また『南総里見八犬伝』からもモチーフを得ている。鎧擬亜を装着する際、背景に反物が乱れ飛び桜が舞い落ちるバンクシーンは、アニメアールの谷口守泰によるもので、当時の「装着もの」のブームを象徴するシーンとしていまだに有名。
しかし、シリーズ中盤の視聴率の低さやスポンサーが発売した玩具「超弾動」シリーズの売れ行きの不振は極めて深刻であり、終盤こそブームの端著が始まって視聴率は若干持ち直したものの、結局その作品人気とは逆に打ち切り同然で終了することとなった。
他方、塩山紀生のデザインした美形キャラたちは当時の女性アニメファンから絶大な支持を集め、それは声を担当していた声優たちへの人気にも波及してゆく。これを受けて草尾毅ら主演声優陣が「NG5」というユニットを組んで活動、キャラクター人気と相まって一大ブームとなり、サンライズにも当時『機動戦士ガンダム』以来という大きな版権収入をもたらす事となる。これらの熱狂振りはアニメ業界のみならず、多くの一般マスコミまでが取り上げるまでに至った。
なお、本作からは、事実上の前企画『機甲戦記ドラグナー』まで制作に関わった創通エージェンシー(現・創通)に代わる共同制作社として東急エージェンシーが、同じく『聖戦士ダンバイン』から『ドラグナー』まで関わったバンダイに代わるメインスポンサーとしてタカラ(現・タカラトミー)が参加、2年後の勇者シリーズへと連なる体制が出来上がった。
鎧擬亜とは[編集]
『真を智り、人を信じ、礼を尽くして正義を行なう、これぞ人の道なり。』
元々、妖邪帝王阿羅醐が纏っていた「人間の怨念で作られた」鎧を封印と浄化の為に作られた物。烈火・金剛・光輪・天空・水滸・夢幻・漆黒・貴力・薬師という名前がつけられ、身に纏えば超絶的な力を得ることができるが、それぞれ、仁・義・礼・智・信・忍・孝・忠・悌の心を持つものにしか纏えない。[1]
九体の鎧擬亜の内、夢幻・漆黒・貴力・薬師は後に再び阿羅醐の手に渡り、阿羅醐の力で形状が変化したため禍々しい外見になっている。この四体が本来どのような形状であったかは、明らかになっていない。
鎧擬亜は通常、異空間に存在し、アンダーギア(防着)を装備した上で「武装!○○!」のキーワードで出現する。纏っている間は体力の消耗が激しいので、トルーパーたちは体力を温存するため、ぎりぎりまで武装せず、アンダーギアだけで戦っていたようだ。
物語はこの鎧をめぐっての戦いが主軸となり、サムライトルーパーの時代(1988年)では同世代の若者たちが資質の持ち主として現われる。 普段は手の平に収まる光の玉となり、それぞれが所持。
登場人物[編集]
鎧擬亜を纏う者たちと、それを奪い世を支配せんとする者達との一千年の子々孫々にわたる戦い。 それゆえに、登場人物たちは戦いの中で鎧擬亜を手にした者の子孫という事になり、殆どがその祖先に戦国武将が存在する。 また主人公五人の額に浮かぶ文字が、(南総里見八犬伝がモチーフの一つとはいえ)儒教における主要な思想・五常と繫がっていることも興味深い。
サムライトルーパー[編集]
- 真田遼(さなだ りょう/烈火のリョウ)
- (声 - 草尾毅)
- 1973年8月15日生 O型 山梨県出身「仁」の鎧烈火を纏う戦士。のちに白き鎧輝煌帝(きこうてい)を纏うようになる。
- 武田の名将・真田幸村の子孫。
- カメラマンの父と二人暮らし。放任主義の下、自由奔放に育つ。幼少期に白炎(びゃくえん)と出会い、自ずと戦いの宿命を知ることとなる。田舎育ちで人とあまり接することなく育ったためか、人付き合いが苦手。また主人公にも関わらず、虚弱体質なようでもある。感情的な面があるものの、仲間意識は人一倍強い。趣味は山歩き、特技はサッカー、好きなものはモグラたたき。かき氷、氷の類は苦手。オシャレには無頓着だが、外伝ではタキシードを着こなしていた。しかもトレードマークの長髪の襟足がやや短くなっていた。
- 武器は双刀『烈火剣』→双刀『剛烈剣』(烈火剣は輝煌帝の鎧を着用した際の使用に耐え切れずに折れてしまうので剣舞卿から剛烈剣を譲り受けた。折れた烈火剣は富士山の火口のマグマで修復して烈火の鎧を着用時に引き続き使用した)。必殺技は『超弾動双炎斬』。後に、『超弾動閃光斬』
- 秀麗黄(しゅう れいふぁん/金剛のシュウ)
- (声 - 西村智博)
- 1973年9月1日生 O型 神奈川県出身 「義」の鎧金剛を纏う戦士。
- 隋の時代、日本に来た武術家の子孫(初期の公式設定では清の時代に大陸から渡ってきた華僑の名家の子孫)が、後期では大陸へ渡ってジンギスカンになった源義経の子孫になる。
- 横浜在住、華僑の家系で長男で四人の弟妹がいる。義の心に目覚めたシュウが自宅の蔵で鎧珠を見つける。子供の世話が好きで山野純のお兄ちゃん的存在。お調子者で大食漢、思うままに感情をみせるが、明るく素直である。敵の言葉に惑わされ武装できなくなることもあったほど純真な一面もある。趣味は食べること、ファミコン。特技は柔道、功夫。苦手な食べ物はコンニャクとツバメの巣。外伝では、リョウとケンカした腹いせにハンバーガーを食べまくり、同じ大食漢であるトウマがあきれるほどであった。
- 武器は三節棍『金剛杖』、必殺技は『超弾動岩鉄砕』
- 伊達征士(だて せいじ/光輪のセイジ)
- (声 - 中村大樹)
- 1973年6月9日生 B型 宮城県出身 「礼」の鎧光輪を纏う戦士。
- 仙台の名将・伊達政宗直系の子孫。
- 仙台の剣道道場の長男で姉妹がいる。先祖代々伝わる鎧が実は光輪の鎧であった。セイジが礼の心に目覚めたときに本来の鎧の姿が浮かび上がったらしい。父が婿養子で肩身狭く女が強い典型的な女系家族で育ったためか、神経質で潔癖性。悪や非道は決して許さない。女子供にも容赦ない。妖気を発する光輪の鎧を躊躇うことなく自ら一刀両断するほどである。この若さにして趣味は前衛盆栽、尺八という奇天烈な面も。かぼちゃ好き(鎧の色はカボチャ色、髪の色はカボチャの花の色)瞳の色はラベンダー色、金髪が生まれつきなのかどうかは定かではない。
- 武器は太刀『光輪剣』で、必殺技は『超弾動雷光斬』。光輪剣は刀身・鍔・柄の3つに分解でき、鍔は手裏剣、柄は小刀としても使用できるが劇中で使用されることは無かった。
- 羽柴当麻(はしば とうま/天空のトウマ)
- (声 - 竹村拓)
- 1973年10月10日生 AB型 大阪府出身 「智」の鎧天空を纏う戦士。
- 太閤関白家、つまり断絶された筈の豊臣秀吉の正式な血筋の子孫である[2]。(養子の子孫は史実でも生存)
- IQ250の天才児。天才ゆえ常に、周囲からは特別扱い、同級生からは異端児扱いされ孤独な少年期を過ごしてきた模様。トルーパーの中に於いても仲間としてなかなか馴染めずにいた。家族との会話も先進的な情報交換ばかりで、子供離れした環境で育ったのも知能が高い理由の一つ。父はマッドな科学者、母は国際ジャーナリストだが、両親は12歳の時に離婚。以後、父方に引き取られたものの、実質的には一人暮らし同然で育つ。自分の家系の謎を調べていく内に鎧にたどり着いたという智将ならではの鎧との出会い。母親曰く「じじくさい」。趣味は囲碁・将棋・パズル。特技はアーチェリーと弓道。苦手なものは巨人ファン。一番頭が良くて低血圧で早食いで甘党で諦めが悪い。第一部で天空帰還の際、寝たまま(無意識か?)必殺技を開眼、発動させ、しかも遼に助けられたことすら気付かず、「大ボケ」の称号も。
- 武器は弓『翔破弓』、必殺技は『超弾動真空波』
- 毛利伸(もうり しん/水滸のシン)
- (声 - 佐々木望)
- 1973年3月14日生 A型 山口県出身 「信」の鎧水滸を纏う戦士。
- 毛利水軍で有名な毛利元就の末裔。
- 萩で病弱な母と婚約中の姉と暮らす。実家は萩焼の窯元であるが、それは表向きの姿。実際は萩の海を守る使命を代々受け継いできた一族。毛利家に伝わる古文書を読んだシンは鎧の存在を知り自ら萩の海に潜り、水滸の鎧を見つけ出す。仲間の中では唯一の高校生(当時)でもあった。メンバーの中でもお兄さん的な存在。常に一歩下がっての仲間への心遣いがある。多少やんちゃな面もあり、秀とは大の仲良し。平和を愛し自然を愛する優しい性格の反面、戦うことを嫌い、輝煌帝伝説では戦うこと、鎧の存在そのものを否定した。趣味は料理。苦手な食べ物は、お頭付きの魚。特技は茶道、槍・棒術、バスケット、水泳。鳴門海峡でシャチと競争して勝った経験がある。普段は優しいシンもシュウの前では本音(毒)を吐く。
- 武器は三又状の槍『二条槍』で、必殺技は『超弾動超流破』。二条槍以外に水滸の鎧には背中に小刀、右手に手甲爪が装備されているが劇中で使用されることはなかった。
サムライトルーパーの関係者[編集]
- ナスティ柳生(-やぎゅう)
- (声 - 日下部かおり)
- 1970年5月28日生 AB型 神奈川県小田原市出身
- フランス帰りのお嬢様でトルーパー達のお姉さん的存在。祖父が千石大学の教授で伝奇学の権威。その研究で妖邪の存在を知ることとなった。必然的に戦いに巻き込まれたヒロイン。フランス人とのハーフで、父方に柳生十兵衛の流れを持つ。赤のパジェロに乗っている。人質になる確率が作品の中では著しく高い人物。
- 山野純(やまの じゅん)
- (声 - 渡辺久美子)
- 1979年6月30日生 O型 東京都町田市出身
- ナスティ柳生と共に戦いに巻き込まれた小学生。純粋な心を持つ、次代の鎧戦士。5人のトルーパー達を「お兄ちゃん」と呼び、慕っている。
- 白炎(びゃくえん)
- 人間の友達のいなかったリョウの友達である、何百年も生きてきた白い虎。第2部で剣舞卿のペットである黒炎王との剛烈剣の争奪戦の際命を落とすが、黒炎王の魂が白炎に宿り、武装能力を身に着けて甦った。
阿羅醐軍[編集]
鎧を持つ者達と一千年前より戦い続ける謎の集団。現代(1988年)では九つ(厳密には十)ある鎧のうち、半分を手に入れ、残りを奪うべくサムライトルーパーと戦う。阿羅醐の兵にとって「卑怯は褒め言葉」
阿羅醐[編集]
- 妖邪帝王・阿羅醐(あらご)
- (声 - 笹岡繁蔵、ゲーム『サンライズ英雄譚R』では銀河万丈)
- 妖邪界に君臨する妖邪の帝王。本来は名も知らぬ地方豪族。愛や仁を知らず、妖邪と化し、その頂点に君臨した。九つの鎧は約一千年もの昔、迦雄須が人間界を支配せんとする阿羅醐を征伐した際、人間の怨念で作られた鎧を浄化しきれぬため、九つに分け善の心で封じたことから、この物語は始まる。
- 鎧として作られる筈だった十体目の材料にあたる部分を取り戻す事が出来た為、現在の首だけの姿になっている。
四大魔将[編集]
阿羅醐によって取り戻された夢幻・漆黒・貴力・薬師の鎧に認められた若者達。ただしそれは肉体の事であり、正体は阿羅醐により取り込まれた戦国時代の武将達。
放映前から初期設定がかなり混雑しており、番組初期に発表された魔将の鎧の設定に、東南アジアの蛇神の意志が乗り移っただの、名前に古代エジプトの死神をつけたりと、およそ最終的なサムライトルーパーの設定とはかけ離れすぎた設定などが乱雑していたが、後に河原よしえによって現在のスタイルに統一したという裏話がある。[3]
劇中では、四魔将の鎧の内、最強の力を持つのは鬼魔将(=貴力)の鎧である、とされていた。
- 鬼魔将・朱天童子(おにましょう・しゅてんどうじ)
- (声 - 梁田清之)
- 天文20年(1551年)5月5日生 A型 山城の国(現在の京都府)出身
- 本名は狛俊忠
- 「忠」の戦士。真の鎧の名は貴力。真の力持ちとは、人を助ける力を持つ人を指す。
- 元は戦国期の地方領主。力なき我が身を憂い戦乱を平定する強い力を欲し、妖邪帝王阿羅醐配下の鬼魔将としてトルーパーたち(特にリョウとトウマ)を苦しめる。しかし度重なる作戦の失敗で地霊衆により洗脳されるが、迦雄須の手助けにより「忠」の戦士として覚醒。のちにその迦雄須の遺志を受け継ぎ、阿羅醐に反旗を翻す。最期は同じく洗脳された迦遊羅の呪縛を解き放ち、自身の鎧である「貴力」の鎧を託した。
- 武器は鎖鎌『邪鬼鎌』で、必殺技は『紅雷閃』
- 毒魔将・那唖挫(どくましょう・なあざ)
- (声 - 二又一成)
- 天文19年(1550年)10月8日生 AB型 薩摩の国(現在の鹿児島県)出身
- 本名は山之内直時
- 「悌」の戦士。真の鎧の名は薬師。薬も毒も表裏一体。人を癒す力を持つ。
- 水滸のシンと因縁があり、第2部ではニセの水滸を使ってシンや魚達を苦しめた。
- 武器は6本の剣『蛇牙剣』、必殺技は『蛇牙剣・六節大蛇』
- 闇魔将・悪奴弥守(やみましょう・あぬびす)
- (声 - 松本保典)
- 天文19年(1550年) O型 陸奥の国(現在の青森県)出身
- 本名は佐々木九十郎
- 「孝」の戦士。真の鎧の名は漆黒。真の闇とは恐ろしき物を包み隠し、闇夜は安眠を誘う。
- 光輪のセイジの因縁の好敵手。
- 武器は太刀『黒狼剣』、必殺技は『暗黒跳飛斬り』
- 幻魔将・螺呪羅(げんましょう・らじゅら)
- (声 - 小杉十郎太)
- 天文18年(1549年)9月19日生 B型 武蔵の国(現在の東京都)出身
- 本名は黒田次郎五郎
- 「忍」の戦士。真の鎧の名は夢幻。襲い掛かる恐怖や痛みを夢幻の中で取り除く。幸せな夢を与える。
- 金剛のシュウと因縁があり、第1部では「鎧は破壊の為に生み出されたもの」とシュウに告げて、シュウの心を惑わせた。
- 武器は変形長刀『六足長刀』、必殺技は『投蜘網』『六刀責め』
軍関係者[編集]
- 芭陀悶(ばだもん)
- (声 - 根本嘉也)
- 平安貴族のような幽霊の姿を持つ妖邪地霊衆の頭領で大師様の尊称をつけて呼ばれる。阿羅醐の忠実な僕。妖邪を取り纏める任務にあたる。
- 黒陽炎(こくようえん)
- 阿蘇山で気を失っていた妖邪の忍者。
- 堕羅(だら)
- 大きな体躯をした妖邪兵軍団の総大将。烈火と天空以外の鎧のパワーを吸収していたが、結局リョウたちに倒される。
- 餓執羅(がしゅら)
- 砂竜人(さりゅうと)
- 妖邪兵
- 鎧を着た一般的な兵士。中身は空洞。
最後の鎧[編集]
- 剣舞卿(けんぶきょう)
- (声 - 市川治)
- 妖邪の剣豪。本来は10体目の鎧と成るべき勇の力を持つ。黒炎王という白炎そっくりの虎を飼っていて、彼が使用する剛烈剣は黒炎王の両脇に装備されている。
はぐれ妖邪[編集]
- 沙嵐坊(さらんぼう)
- (声 - 郷里大輔)
- 阿羅醐との最初の戦いの後にあらわれたはぐれ妖邪(妖邪界の地方豪族的な存在)。
迦雄須一族[編集]
人間界を護る役目を担る一族。不定期な周期で一族の中から力を持つ者が生まれ、三種の神器を守っていた。 戦国時代、阿羅醐によって後継者である迦遊羅を除き滅ぼされる。
- 迦雄須(かおす)
- (声 - 若本規夫)
- 鎧擬亜を作り出した張本人。一千年前に阿羅醐を封じており、肉体は消滅していたが錫杖の力で実体のように見せ、今世まで鎧と、その心を説いてきた。
- 迦遊羅(かゆら)
- (声 - 勝生真沙子)
- 永禄2年(1559)12月12日生 A型 迦雄須一族の末裔。 8歳の時に妖邪界に拉致されて記憶を封じられ、洗脳されて12歳になるまで阿羅醐の元で女妖邪として育つ。 艶やかな武装解除シーンは必見。阿羅醐城内では十二単を纏っていた。朱天童子の戦死後、「忠」の鎧を受け継いだ。
- 武器は剣『星麗剣』:必殺技は『嵐星斬』「星屑よ、鳴け。星麗剣、吠えろ。我が必殺の嵐星斬!」
その他[編集]
- ナレーター
- (声 - 大林隆介)
- 前回のあらすじやトルーパーの歴史を説明。
妖邪界による時間の変化[編集]
元は煩悩京と呼ばれる魂を浄化する世界だっだが、阿羅醐が現れて以降は妖邪界と変貌した。 人間界とは時間の流れが違うため、1年を妖邪界で過ごすと人間界では144年の時が流れる。すなわち人間界の1年が妖邪界では約2日と半日程度という計算になる(365÷144≒2.5625。ただし人間界には四年に一度366日になる閏年があるので上記計算にはそのつど誤差が生じる[4])。
輝煌帝(きこうてい)[編集]
仁・義・礼・智・信の5つの力(正確には鎧の力が五つあれば組み合わせは関係ない。芭陀悶が輝煌帝を封じ込めるために強制的に出現させたときには仁・智・孝・悌・忍の5つを使用した)を1つにしたとき虚空より現れる鎧擬亜。トルーパーの鎧擬亜と異なり、阿羅醐の鎧から作られたのではなく、もともとは迦雄須一族に伝わる伝説の鎧。烈火のリョウが装着する。
武器は双刀『剛烈剣』(初期は『烈火剣』で代用)、必殺技は『烈火拳』『超弾動双炎斬』『超弾動閃煌斬』。なお、迦雄須一族に伝わる『輝煌帝』『剛烈剣』『命の勾玉』の三神具が揃った時、大いなる力が得られるという設定であったが、TV版ではその力を使うことなく阿羅醐を倒してしまった(別の解釈をすれば、リョウがラストで自分を犠牲にして阿羅醐を倒した行為を行った為、彼らの心に共鳴して勾玉が発動したとも考えられる)。
なお、OVA「輝煌帝伝説」にて輝煌帝は白と黒の一対の物であった事が明かされ、黒い輝煌帝はタンザニアの部族の戦士ムカラがアンダーギア無しの生身で装着した。たった一人で召喚できる点が異なるものの、威力はトルーパーの白い輝煌帝と同等であった。
スタッフ[編集]
- 企画:サンライズ
- 原作:矢立肇
- シリーズ構成:高橋良輔(TV版1部)
- キャラクターデザイン:塩山紀生(TV版、MESSAGE)、村瀬修功(外伝、輝煌帝伝説)
- デザイン協力:金山明博(TV版)
- 鎧デザイン:岡本英郎
- 作画監督チーフ:塩山紀生(TV版)
- 作画監督:塩山紀生(TV版、輝煌帝伝説、MESSAGE)、逢坂浩司(TV版)、黄瀬和哉(TV版)、山田きさらか(TV版)、村瀬修功(TV版、外伝、輝煌帝伝説)、進藤満夫(TV版)
- 美術監督:岡田有章
- 色彩設定:佐々木尚子
- 撮影監督:奥井敦
- 編集:鶴渕友彰
- 音楽:戸塚修
- 音響監督:千葉耕市⇒宇井考司
- 効果:佐々木純一(アニメサウンドプロダクション)
- 文芸設定:高橋哲子
- OPアニメーター:谷口守泰、毛利和昭(TV版1部)、塩山紀生(TV版2部)
- ENDアニメーター:村瀬修功(TV版1部)、塩山紀生(TV版2部)
- OP、ENDコーディネーター:高松信司(TV版2部)
- プロデューサー:今井慎(メ~テレ)、本名洋一(東急エージェンシー)、中川宏徳(SUNRISE)
- 監督:池田成(TV版1部、MESSAGE)、浜津守(TV版2部、外伝、輝煌帝伝説)
- 制作:メ~テレ(TV版)、東急エージェンシー(TV版)、アニプレックス(当時CBSソニー)(外伝、輝煌帝伝説、MESSAGE)、SUNRISE
- 著作権:©1988 SUNRISE INC.
作品リスト[編集]
TV版[編集]
鎧伝サムライトルーパー:全39話 1988年4月30日 - 1989年3月4日
- 19話までが1部、20話以降が2部
- 1部OP:「スターダストアイズ」(作詞:三浦徳子 作曲:茂村泰彦 編曲:加藤みちあき 歌:浦西真理子)
- 1部ED:「Far away」(作詞・作曲:辛島美登里 編曲:加藤みちあき 歌:浦西真理子)
- 2部OP:「サムライハート」(作詞:三浦徳子 作曲:茂村泰彦 編曲:戸塚修 歌:森口博子)
- 2部ED:「BE FREE」(作詞:三浦徳子 作曲:茂村泰彦 編曲:戸塚修 歌:森口博子)
- 挿入歌:「地図のない旅へ」(作詞:三浦徳子 作曲:瀬井広明 編曲:戸塚修 歌:SAMURAI BOYS & GIRLS(草尾毅、中村大樹、西村智博、佐々木望、日下部かおり、若本規夫、笹岡繁蔵)
- 挿入歌:「ミッドナイト・パーティ」(作詞:三浦徳子 作曲:瀬井広明 編曲:戸塚修 歌:SAMURAI BOYS & GIRLS(草尾毅、竹村拓、中村大樹、西村智博、佐々木望、 渡辺久美子、日下部かおり)
放映リスト[編集]
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | ストーリーボード | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1988/4/30 | 1 | ねらわれた大東京 | 鳥海尽三 大西由起 |
池田成 | 関田修 | 塩山紀生 |
1988/5/7 | 2 | 鬼魔将!失天の猛攻 | 鳥海尽三 岡雅徳 |
浜津守 | 山田きさらか | |
1988/5/14 | 3 | 鎧擬亜、烈火の秘密 | 海老沼三郎 | 米谷良知 | 金山明博 | |
1988/5/21 | 4 | 毒魔将 那唖挫の罠 | 渡邊由自 | 杉島邦久 | 森山ゆうじ | |
1988/5/28 | 5 | 復活!光の戦士 | 園田英樹 | 川瀬敏文 | 逢坂浩司 | |
1988/6/11 | 6 | 反撃、怒りの超流破 | 海老沼三郎 | 米谷良知 | 石崎すすむ | 笠原彰 |
1988/6/18 | 7 | 開眼!必殺の雷光斬 | 鳥海尽三 | 関田修 | 黄瀬和哉 | |
1988/6/25 | 8 | 幻魔将、螺呪羅の策略 | 大西由起 | 浜津守 | 塩山紀生 | |
1988/7/2 | 9 | 烈火、天空をすくえ | 岡雅徳 | 川瀬敏文 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1988/7/9 | 10 | 集結!5人の戦士 | 海老沼三郎 | 杉島邦久 | 山田きさらか | |
1988/7/16 | 11 | 妖邪門を打ち破れ | 園田英樹 | 高松信司 | 森山ゆうじ | |
1988/7/23 | 12 | セイジ!暗闇の死闘 | 渡邊由自 | 米谷良知 | 仙波隆網 | 三浦弘二 |
1988/7/30 | 13 | ヨロイギアの正体 | 海老沼三郎 | 川瀬敏文 | 黄瀬和哉 | |
1988/8/6 | 14 | シュテン、心なき戦い | 鳥海尽三 | 仙波隆網 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1988/8/13 | 15 | カオス、宿命の対決 | 大西由起 | 関田修 | 山田きさらか | |
1988/8/20 | 16 | 突入、アラゴ城 | 岡雅徳 | 米谷良知 | 箕ノ口克己 | 塩山紀生 |
1988/8/27 | 17 | 明かされた鎧伝説 | 鳥海尽三 | 浜津守 | 逢坂浩司 | |
1988/9/10 | 18 | 恐怖の妖邪帝王 | 海老沼三郎 | 杉島邦久 | 黄瀬和哉 | |
1988/9/17 | 19 | 決戦!烈火対アラゴ | 谷田部勝義 | 石崎すすむ | 進藤満尾 | |
1988/9/24 | 20 | 新たなる戦い | 鳥海尽三 | 関田修 | 山田きさらか | |
1988/10/1 | 21 | 輝け白き鎧! | 園田英樹 | 箕ノ口克己 | 上村栄司 | |
1988/10/15 | 22 | 剣舞卿の挑戦 | 岡雅徳 | 浜津守 | 浜津守 赤根和樹 |
塩山紀生 |
1988/10/22 | 23 | 白炎死をかけた戦い | 大西由起 | 杉島邦久 | 逢坂浩司 | |
1988/11/5 | 24 | 妖邪帝王の使者 | 鳥海尽三 岡雅徳 |
川瀬敏文 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1988/11/12 | 25 | 対決!二人の水滸 | 海老沼三郎 | 関田修 | 黄瀬和哉 | |
1988/11/19 | 26 | 光輪よ、光をとりもどせ | 渡辺由自 | 箕ノ口克己 | 川瀬敏文 | 関本哲子 |
1988/11/26 | 27 | 怒れ金剛、砂妖邪をくだけ | 園田英樹 | 浜津守 | 谷田部勝義 | 山田きさらか |
1988/12/3 | 28 | 謎の女妖邪カユラ出現 | 岡雅徳 | 杉島邦久 | 村瀬修功 | |
1988/12/10 | 29 | 行け!二人の戦士達よ… | 鳥海尽三 | 川瀬敏文 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1988/12/17 | 30 | ここは妖邪界か? | 大西由起 | 赤根和樹 | 逢坂浩司 | |
1988/12/24 | 31 | 伝説の鎧、輝煌帝 | 海老沼三郎 | 飛島京作 | 川瀬敏文 | 関本哲子 藤田正幸 |
1989/1/14 | 32 | 地霊衆、恐怖の作戦 | 岡雅徳 | 関田修 | 黄瀬和哉 | |
1989/1/21 | 33 | 謎の秘宝を求めて | 鳥海尽三 岡雅徳 |
谷田部勝義 | 杉島邦久 | 山田きさらか |
1989/1/28 | 34 | 天空、傷だらけの戦い | 大西由起 岡雅徳 |
飛鳥京作 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1989/2/4 | 35 | よみがえれ、鎧戦士達よ… | 海老沼三郎 | 赤根和樹 | 塩山紀生 | |
1989/2/11 | 36 | 決戦!カユラ対輝煌帝 | 飛鳥京作 | 川瀬敏文 | 藤田正幸 | |
1989/2/18 | 37 | 復活の紅雷閃 | 岡雅徳 中矢智子 |
杉島邦久 | 逢坂浩司 | |
1989/2/25 | 38 | カユラ!聖なる目覚め | 大西由起 | 飛鳥京作 | 石崎すすむ | 進藤満尾 |
1989/3/4 | 39 | 輝け!五人の戦士達 | 鳥海尽三 岩崎訓 |
浜津守 | 関田修 | 塩山紀生 |
OVA版[編集]
鎧伝サムライトルーパー 外伝[編集]
行方不明になったセイジを捜す為にアメリカに渡った、トルーパー達の活躍を描く。
鎧伝サムライトルーパー 輝煌帝伝説[編集]
黒い輝煌帝を装備する(操られる)アフリカの戦士・ムカラとの闘いをメインとして、彼らの部族に伝わる輝煌帝伝説とリョウたちのそれとの謎に深く関わっていく話。
鎧伝サムライトルーパー MESSAGE[編集]
迦雄須一族の血を引くという女・すずなぎの劇中劇によって翻弄されていくトルーパー達と、その真意を読み取るまでを描く。サムライトルーパー完結篇。
- 全5巻 1991年3月21日 - 1991年8月23日
- 解かっていた結末
- 知らされた未来
- 砕かれた自信
- さまよえる心
- 訪れた真実
- キャスト
- すずなぎ:弥生みつき
CD[編集]
- サウンドトラック
- TVシリーズ オリジナルサウンドトラック:「群狼編」「異神編」「青嵐編」
- 輝煌帝伝説 オリジナルサウンドトラック
- ヴォーカル集
- 「君を眠らせない」
- 「BEST FRIENDS」
- ドラマCD
- 天空伝サムライトルーパー
- 水滸伝サムライトルーパー
- 光輪伝サムライトルーパー
- MESSAGE CD
- MESSAGE オリジナルサウンドトラック:「花」
- MESSAGE ピアノ組曲:「鳥」
- MESSAGE ヴォーカル集:「風」
- MESSAGE ドラマCD:「月」
アナログカセット[編集]
- (カセット)アニメイトカセットコレクション01鎧伝サムライトルーパー それからの戦士たち 発売日1989/05/01
- (カセット)アニメイトカセットコレクション07鎧伝サムライトルーパー SPECIAL VERSION 発売日1989/09/01
- (カセット)アニメイトカセットコレクション10鎧伝サムライトルーパー そして、五人 発売日1990/03/01
- (カセット)アニメイトカセットコレクション15鎧伝サムライトルーパー 鬼哭-永遠の戦い- 発売日1991/07/01
ノベライズ版[編集]
- 鎧正伝サムライトルーパー(著・河原よしえ)
- 全4巻構成で、1・2巻はテレビ版の第1部・第2部に当たる部分で、第3巻は日本神話時代が舞台の河原版独自の「輝煌帝伝説」、そして第4巻は平安時代の迦雄須と阿羅醐の戦い、そして鎧の誕生を描いている。
- 乾坤篇
- 英魂篇
- 幸魂篇
- 晨昏篇
- 鎧外伝サムライトルーパー(著・河原よしえ)
- 5人の戦士たちの覚醒までを描いた、ラポートデラックスや月刊OUTに連載されたものに書下ろしを加えたもの。
- 輝煌帝伝説(著・浜津守)
- OVA「輝煌帝伝説」のノベライズ版
ゲーム[編集]
サンライズが制作したアニメのクロスオーバー作品。サンライズ英雄譚シリーズでは声付きで、他にはブレイブサーガに登場している。
- サンライズ英雄譚シリーズ/サンライズインタラクティブ
- 『サンライズ英雄譚R』 プレイステーション2 (2000年11月22日)
- 『サンライズ英雄譚2』プレイステーション2(2002年7月21日)
- 『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』プレイステーション2(2003年9月25日)
- 『ブレイブサーガ 新章 アスタリア』/ タカラ /ゲームボーイカラー(2001年1月26日)
脚注[編集]
- ↑ 本当は十体作られるはずだったが、十体目の材料にあたる部分(阿羅醐の兜)が妖邪に持ち去られたため九体になり、十体目に宿るはずの「勇」の心は妖邪「剣舞卿」になってしまった。
- ↑ 生存説のある豊臣秀頼・豊臣鶴松のうち、兄の鶴松の出というのが有力。
- ↑ その河原によるノベライズ『鎧正伝サムライトルーパー』では、テレビではラスト近くで描かれている、朱天以外の三魔将の鎧戦士への覚醒が、第1部にあたる部分から丁寧に描かれている。
- ↑ 429年前に妖邪界へ来た迦遊羅は約107回の閏年を向かえた事になる。また誘拐された時点で八歳と数ヶ月と数日だった為、生年月日は公式表記されているが、西暦何年に誘拐されたという正式な計算は出来ない
補足[編集]
- 原題
- この作品の企画初期のタイトルは『若騎伝ゴーユーV』であった。仮題とはいえ、東映のスーパー戦隊シリーズ的な要素も当初は構想の内にあった事が多分に伺われるものである。
- 鎧カラーリング
- 鎧のカラーリングについては、一部に漫画家のゆうきまさみが案に加わっているものもある。また、原題の『ゴーユーV』で提出された初期案の時点では金剛の鎧が紫色であるなど、放送時までに大幅にカラーリングが変更されたものも存在する。
- 二重放送事件
- TV版の18話が放送されるはずだった1988年9月3日、キー局である名古屋テレビ側の手違いで前回と同じ17話が放送されてしまった。これは、テレビドラマ『部長刑事』の関係で朝日放送では前日に名古屋テレビが裏送りして先行放送しており、その際のミスが原因となっている。詳しくは参考リンクの記述を参照。
- 参考リンク:『鎧伝サムライトルーパー』第17話の二重放映事件
- 登場観光地ブーム
- このアニメでは、日本各地の観光地(富士山、秋芳洞、天橋立、他)が登場する。そのため、登場地域に興味を持った女子中高生が各観光地に詰めかけ、一時期”トルーパー景気”といえる現象が巻き起こったという。要出典
- アニメ『ケロロ軍曹』
- 第59話にてケロロ軍曹(声優は純役の渡辺久美子)がガンプラ工場を守るために「武装・烈火」の掛け声と共に巻物と桜が舞う中、兜鎧を装着している。
- 第121話にてドロロ兵長(声優はリョウ役の草尾毅)が「武装」の掛け声で武装し、超弾動双炎斬を放つシーンがある。
- 漫画版
- 放送時、コミックボンボンでほしの竜一による漫画版が連載された。
- また、デラックスボンボン誌上で『新・鎧伝 サムライトルーパー』が連載された(作画:細井雄二)。セイジの道場の弟子が他の鎧戦士4人を探すところから始まったが、掲載誌の休刊により未完に終わっている。
関連項目[編集]
- 伊達泰宗
- 伊達家34代目当主。時期的にはセイジは彼のポジションとなっている。
外部リンク[編集]
名古屋テレビ 土曜夕方5時半枠 | ||
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