バトルタワー
バトルタワーとは、ポケットモンスターシリーズに登場する架空の施設である。その名が示す通り、戦闘を行うための塔である。
目次
概要[編集]
現在の所、『クリスタル』『ルビー・サファイア・エメラルド』『ダイヤモンド・パール』に登場している。いずれも、壁面全体にガラスをあしらった近代的な姿を見せる。
それぞれ細かいシステムや目的は異なるが、NPCを相手に、プレイヤー同士の通信対戦に近い雰囲気を持った戦闘を楽しむことができるという点では共通している。具体的には、通常のフィールド上で行われる戦闘とは異なりアイテムを使用することができない(持たせることは可能)、戦闘前に強制セーブ(敗北した状態のデータを上書き)され、リセットによるやり直しが通用しないといった部分であり、プレイヤーの緊張感をかき立てる。
共通ルール[編集]
異なる種類のポケモンを3体(エメラルド版で例外あり)用意する。ポケモンの種類やレベルの制限は場合によって異なる。ポケモンに道具を持たせる場合、それらは全て異なるものでなくてはならない。敵トレーナーと7連戦し、全勝するか敗北・リタイアするまで出ることはできない。
トレーナーは、ポケモンに対して道具を使用することができない。ポケモンへの行動指示とポケモンの入れ替え、ギブアップ(逃げる)のみが許される。
『ポケモンスタジアム』等と異なり、「ねむり」や「こおり」についての制限は無い。また、いかなる理由においても両トレーナーの最後のポケモン同士が同時に倒れた場合は、挑戦者であるプレイヤーの敗北と見なされる。
クリスタル版[編集]
施設のモデルは明治の森箕面国定公園と思われる。アサギシティの北に位置し、シナリオ中盤から利用することが可能である。モバイルアダプタGBによるオンライン専用コンテンツだった。現在では使用することができない(最後にダウンロードしたデータとの模擬対戦のみ可能)。プレイするごとに専用サーバから敵トレーナーのデータをダウンロードし、彼らとの戦闘結果を任意でアップロードする。月刊配信されるニュースに通算の勝利数ランキングが掲載され、ランクアップにしのぎを削る者もいた。
1度のプレイでは、手持ちポケモンが全滅するか、あるいは敵トレーナー達に7連勝するまで続けられる。1日当たり5回までしかプレイできなかったので、勝利数を増やすには高度なプレイングと継続したサービス利用が要求された(1日当たり35勝が最大)。最終的にトップになった者は、2年足らずの期間中で2万勝近くを挙げた。
最初期こそメーカーの用意したデータを相手に戦うことになったが、基本的に敵として現れるのは前日までに実際のプレイヤーが使っていたポケモン達のデータである。特に最後の7人目はバトルリーダーと呼ばれ、前日に最も少ないターン数で7人抜きを達成したプレイヤーがその座に就いた。リーダーに限らず、ポケモンにつけるニックネームや戦闘開始前後のセリフはプレイヤーが設定したものが反映され、個性をアピールする絶好の機会であった。
本作のバトルタワーでは、クリアしてもゲームを有利に進める手段(アイテム等)は一切手に入らない。純粋に戦闘を楽しみ、ランキング更新を目指すだけのストイックなシステムだった。
レギュレーション[編集]
上限のレベルが10から100までの10段階から選べた。それぞれ20部屋のバトルルームが用意されており、データが独立して記録されていた。レベル70以降は、いわゆる「伝説」「幻」を含む全種類のポケモンを使用することができたという点で、後の作品に登場するバトルタワーとは一線を画している。
ルビー・サファイア版[編集]
施設のモデルは不明。殿堂入り後に向かうことができる、ホウエン地方の南部にある孤島に存在する。対戦における基本ルールはクリスタル版に準ずるが、オフライン版になってしまった事が原因か多数の変更点がある。
- 勝利数のみならず「連勝数」が記録される。50連勝・100連勝することがゲーム上の目標である。
- 7人連勝を達成するごとにアイテムがもらえる。連勝数が増えるとレアアイテムをもらえる。
- 相手は基本的にゲーム内で設定されたノンプレイヤーキャラである。連勝数が多いほど強い者が現れる。
- 通信した(レコードを混ぜた)他プレイヤーも敵として出現することがあるが、ゲーム側で用意された敵と比較すると圧倒的に少数派である。
- 行動パターンは特殊なケースを除いてほぼ完全にランダムであるため戦略性に乏しい。
ポケモンのゲーム本編で遊べる対戦系のやり込みイベントはシリーズ初のものであったため、好評を博した。
本作では直接登場することのない「バトルリーダー」「バトルルーム」等の単語が「かんたん会話」に存在することや、タワー付近に「35連勝」を目指すトレーナーがいるのはクリスタル版の名残と言える。
レギュレーション[編集]
上限レベルが「レベル50」「レベル100」の2類のみ存在する。ゲーム側で用意された敵トレーナーは、全てレベルが上限に達したポケモンを繰り出してくる。どちらのレベルでも敵ポケモンの育成方針や技は変わらないが、レベル100でのみ出現するパターンが少数存在する。
いわゆる「伝説」「幻」であるミュウツー、ミュウ、ルギア、ホウオウ、セレビィ、カイオーガ、グラードン、レックウザ、ジラーチ、デオキシスはいずれのレベルでも参戦不可能。
エメラルド版[編集]
バトルフロンティアの一施設である。詳細はリンク先を参照。『ルビー・サファイア』ではほぼランダムだった思考ルーチンが大幅に改善されたり、戦闘形式として従来通りのシングルバトル以外も選択できるようになったなど、多数の改良点がある。
ダイヤモンド・パール版[編集]
殿堂入り後向かうことができる、シンオウ地方の北にあるバトルゾーンに存在する。『エメラルド』のようにコンピュータ相手のシングルバトル・ダブルバトル・マルチバトルを選べると同時に、シングルバトル専用だがニンテンドーWi-Fiコネクションを活用したオンライン仕様の「Wi-Fiルーム」でも選ぶことができる。
Wi-Fiルームではクリスタルの時と同じく前回のプレイで優秀な成績を収めたプレイヤーを相手に戦うことになる。
マルチバトルではゲーム中に登場したキャラクターのほか、近くのプレイヤーとワイヤレス通信を利用してタッグを組むこともできる。
7連勝達成ごとに連勝数に応じた得点「バトルポイント」が得られ、貴重なアイテムと交換することができる。一定の連勝数に達するごとに「タワータイクーン」と呼ばれる強力なトレーナーが出現し、彼に勝利することでより高いバトルポイントを得ることができる。これらはエメラルド版のバトルフロンティアのシステムと共通している。同時に難易度も大幅に上昇しており、クリスタル版やルビー・サファイア版の利用者からは批判の声が多い。
レギュレーション[編集]
唯一「レベル50」のみ存在する。それよりレベルの高いポケモンも参加できるが、一時的にレベル50の時の能力に換算される。
いわゆる「伝説」「幻」であるミュウツー、ミュウ、ルギア、ホウオウ、セレビィ、カイオーガ、グラードン、レックウザ、ジラーチ、デオキシス、パルキア、ディアルガ、ギラティナ、フィオネ、マナフィおよびダークライはいずれのルールでも使用できない。伝説系でもフリーザー、サンダー、ファイヤー、ライコウ、エンテイ、スイクン、レジロック、レジアイス、レジスチル、ラティアス、ラティオス、ユクシー、エムリット、アグノム、ヒードラン、レジギガス、クレセリアは使用できる。
Wi-Fiルームにおいてはプレイヤーごとにランクが設定される。7連勝を達成するごとにランクが上昇し、同じランクのプレイヤーが敵として出現するので、必然的に近い実力の対戦相手が選ばれることになる。
不正問題[編集]
Wi-Fiルームでは、バグ技や改造といったチート行為によって通常は覚えられない技を覚えたポケモンが初期にも見られた。 しかし対策を一度は行ったものの、未だにバトルルームのデータには正常ではないデータが存在する[1][2][3]。この点から、運営側は不正対策に対して積極的ではないようである。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注[編集]
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