大阪杯
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大阪杯(おおさかはい)は、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬の重賞レース(GI)である。
正賞は日本馬主連合会会長賞。
概要
本レースは、春の中距離路線の最強馬決定戦となっている。
1957年に5歳(現4歳)以上の馬による重賞レースとして創設された。レース名は1964年に「サンケイ大阪杯」と改称された後、1989年より「産経大阪杯」となった。
創設時は阪神競馬場の芝1800mで3月に行われていたが、距離や施行時期は幾度かの変遷を経て、1972年より2000mで定着。施行時期も1982年より桜花賞の前週に移され、現在に至る。
外国産馬は1984年から、地方競馬所属馬は1995年からそれぞれ出走可能になり、2003年からは外国馬も出走可能な国際レースとなった。2014年から2016年までは本レースの1着馬に天皇賞(春)の優先出走権が付与されていた。
2017年よりGIに昇格し、名称を「大阪杯」とすることが、2016年10月17日に日本中央競馬会から発表された。
レース条件
以下の内容は、2016年現在のもの。
- 出走資格:サラ系4歳以上
- JRA所属馬
- 地方競馬所属馬(2頭まで)
- 外国調教馬(8頭まで、優先出走)
- 負担重量:別定
- 56kg、牝馬2kg減
- 2015年4月4日以降のGIレース(牝馬限定レースを除く)1着馬2kg増、牝馬限定GIレースまたはGIIレース(牝馬限定レースを除く)1着馬1kg増
- 2015年4月3日以前のGIレース(牝馬限定レースを除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)
- 56kg、牝馬2kg減
2016年までは天皇賞(春)のステップレースに指定されており、地方競馬所属馬は天皇賞(春)の出走候補馬(2頭まで)に優先出走が認められていた。また、地方競馬所属馬は本レースで2着以内の成績を収めた馬に天皇賞(春)の優先出走権が与えられていた。
優先出走権
- 出馬投票を行っている外国調教馬
- レーティング順位の上位5頭
- 当該年に行われる以下のレースのいずれかで1着となった馬(中央・地方の所属は問わない)
- 当該年に行われる以下のレースのいずれかで2着以内に入着した地方競馬所属馬[1]
レース名 | 格付 | 施行競馬場 | 施行距離 |
---|---|---|---|
中山記念 | GII | 中山競馬場 | 芝1800m |
金鯱賞 | GII | 中京競馬場 | 芝2000m |
賞金
2016年の1着賞金は6700万円で、以下2着2700万円、3着1700万円、4着1000万円、5着670万円。
歴史
- 1957年
- 1960年 - 正賞が大阪新聞社賞、ラジオ大阪賞になる。
- 1962年 - 正賞が産経新聞社賞になる。
- 1964年 - 名称を「サンケイ大阪盃」に変更。
- 1965年 - 距離を1850mに変更。
- 1966年 - 距離を1900mに変更。
- 1969年 - 名称を「サンケイ大阪杯」に変更。
- 1972年 - 距離を2000mに変更。
- 1973年 - 負担重量を別定に変更。
- 1984年
- グレード制施行によりGII[注 1]に格付け。
- 混合レースに指定、外国産馬が出走可能になる。
- 1989年 - 名称を「産経大阪杯」に変更。
- 1991年 - 阪神競馬場改装のため、京都競馬場で施行。
- 1995年
- 阪神・淡路大震災により阪神競馬場が被災したため、京都競馬場で施行。
- 指定交流レースに指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更。
- 2003年 - 国際レースに変更され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる。
- 2004年 - 国際セリ名簿基準委員会により国際GIIに指定。
- 2005年 - 外国調教馬の出走枠が8頭に拡大。
- 2014年 - この年から1着馬に天皇賞(春)の優先出走権を付与。
- 2017年 - GIに昇格、名称を「大阪杯」に変更。負担重量を定量に変更。
歴代優勝馬
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1957年3月17日 | ホマレイチ | 牡4 | 1:50 4/5 | 大根田裕也 | 日迫清 | 工藤久子 |
第2回 | 1958年3月9日 | カツラホマレ | 牝4 | 1:52 2/5 | 大根田裕也 | 橋本正晴 | 牧市太郎 |
第3回 | 1959年3月8日 | キヨスガタ | 牡4 | 1:57 1/5 | 内藤繁春 | 日迫清 | 植中清 |
第4回 | 1960年3月6日 | ウイルデイール | 牡4 | 1:50.2 | 宇田明彦 | 星川泉士 | 浅野国次郎 |
第5回 | 1961年3月12日 | コダマ | 牡4 | 1:50.8 | 栗田勝 | 武田文吾 | 伊藤由五郎 |
第6回 | 1962年3月18日 | スギヒメ | 牝4 | 1:51.0 | 諏訪真 | 諏訪佐市 | 小杉咲枝 |
第7回 | 1963年3月17日 | リユウゼツト | 牡4 | 1:55.4 | 大石五十夫 | 元石正雄 | 田中彰治 |
第8回 | 1964年3月22日 | テツノオー | 牡4 | 1:54.2 | 大辻省二 | 尾形藤吉 | 永田玉枝 |
第9回 | 1965年3月21日 | ヤングヒーロー | 牡4 | 1:54.1 | 新井仁 | 福島角一 | エッチ・ワイ |
第10回 | 1966年3月20日 | バリモスニセイ | 牡5 | 1:56.4 | 諏訪真 | 諏訪佐市 | 小杉咲枝 |
第11回 | 1967年3月26日 | リユウフアーロス | 牡4 | 1:56.1 | 宮本悳 | 橋本正晴 | 三好諦三 |
第12回 | 1968年4月7日 | ヤマピツト | 牝4 | 1:56.6 | 池江泰郎 | 浅見国一 | 小林信夫 |
第13回 | 1969年4月6日 | ダテホーライ | 牡4 | 1:57.5 | 宇田明彦 | 星川泉士 | 伊達牧場 |
第14回 | 1970年3月29日 | シュンサクオー | 牡4 | 1:55.8 | 小野幸治 | 小林稔 | 岩佐俊策 |
第15回 | 1971年5月16日 | ケイタカシ | 牡6 | 1:54.7 | 池江泰郎 | 浅見国一 | 内田恵司 |
第16回 | 1972年3月5日 | フイドール | 牡4 | 2:06.6 | 武田博 | 武田文吾 | 小原菊枝 |
第17回 | 1973年3月11日 | ニホンピロムーテー | 牡5 | 2:02.5 | 武邦彦 | 服部正利 | 小林保 |
第18回 | 1974年3月10日 | キヨノサカエ | 牡4 | 2:07.8 | 福永洋一 | 武田文吾 | 植中清 |
第19回 | 1975年3月9日 | スカイリーダ | 牡5 | 2:00.9 | 高橋成忠 | 佐藤勇 | 武用安弘 |
第20回 | 1976年3月7日 | ロングホーク | 牡4 | 2:02.2 | 松田幸春 | 松田由太郎 | 中井長一 |
第21回 | 1977年3月13日 | ゴールドイーグル | 牡7 | 2:01.4 | 内田国夫 | 伊藤雄二 | 石坂達也 |
第22回 | 1978年3月12日 | キングラナーク | 牡5 | 2:03.5 | 岩元市三 | 布施正 | 小柴タマヲ |
第23回 | 1979年3月11日 | メトロジャンボ | 牡4 | 2:04.1 | 目黒正徳 | 玉谷敬治 | 太田美津子 |
第24回 | 1980年3月9日 | ハシクランツ | 牡4 | 2:04.4 | 柴田光陽 | 内藤繁春 | (株)シンザンクラブ |
第25回 | 1981年4月4日 | サンシードール | 牡4 | 2:05.5 | 栗田伸一 | 武田文吾 | 小原菊枝 |
第26回 | 1982年4月4日 | サンエイソロン | 牡4 | 2:03.6 | 小島太 | 古山良司 | 伊藤惣一 |
第27回 | 1983年4月3日 | ヒカリデユール | 牡6 | 2:03.3 | 河内洋 | 須貝彦三 | 橋本善吉 |
第28回 | 1984年4月1日 | カツラギエース | 牡4 | 2:00.6 | 西浦勝一 | 土門一美 | 野出一三 |
第29回 | 1985年3月31日 | ステートジャガー | 牡4 | 2:01.4 | 田原成貴 | 中村好夫 | (株)ホースメン |
第30回 | 1986年3月30日 | サクラユタカオー | 牡4 | 2:01.6 | 小島太 | 境勝太郎 | (株)さくらコマース |
第31回 | 1987年4月5日 | ニシノライデン | 牡6 | 2:01.0 | 田原成貴 | 伊藤修司 | 西山正行 |
第32回 | 1988年4月3日 | フレッシュボイス | 牡5 | 2:01.7 | 武豊 | 境直行 | 円城和男 |
第33回 | 1989年4月2日 | ヤエノムテキ | 牡4 | 2:01.4 | 西浦勝一 | 荻野光男 | (有)富士 |
第34回 | 1990年4月1日 | スーパークリーク | 牡5 | 2:02.9 | 武豊 | 伊藤修司 | 木倉誠 |
第35回 | 1991年3月31日 | ホワイトストーン | 牡4 | 2:01.5 | 田面木博公 | 高松邦男 | 安藤博 |
第36回 | 1992年4月5日 | トウカイテイオー | 牡4 | 2:06.3 | 岡部幸雄 | 松元省一 | 内村正則 |
第37回 | 1993年4月4日 | メジロマックイーン | 牡6 | 2:03.3 | 武豊 | 池江泰郎 | メジロ商事(株) |
第38回 | 1994年4月3日 | ネーハイシーザー | 牡4 | 2:01.2 | 塩村克己 | 布施正 | (株)大丸企業 |
第39回 | 1995年4月2日 | インターマイウェイ | 牡5 | 1:59.3 | 松永幹夫 | 中村均 | 松岡留枝 |
第40回 | 1996年3月31日 | タイキブリザード | 牡5 | 2:00.7 | 岡部幸雄 | 藤沢和雄 | (有)大樹ファーム |
第41回 | 1997年3月30日 | マーベラスサンデー | 牡5 | 2:02.0 | 武豊 | 大沢真 | 笹原貞生 |
第42回 | 1998年4月5日 | エアグルーヴ | 牝5 | 2:01.3 | 武豊 | 伊藤雄二 | (株)ラッキーフィールド |
第43回 | 1999年4月4日 | サイレントハンター | 牡6 | 1:59.9 | 吉田豊 | 大久保洋吉 | 臼田浩義 |
第44回 | 2000年4月2日 | メイショウオウドウ | 牡5 | 2:00.8 | 飯田祐史 | 飯田明弘 | 松本好雄 |
第45回 | 2001年4月1日 | トーホウドリーム | 牡4 | 1:58.4 | 安藤勝己 | 田島良保 | 東豊物産(株) |
第46回 | 2002年3月31日 | サンライズペガサス | 牡4 | 1:59.1 | 安藤勝己 | 石坂正 | (株)松岡 |
第47回 | 2003年4月6日 | タガノマイバッハ | 牡4 | 1:59.1 | 安藤勝己 | 松田博資 | 八木良司 |
第48回 | 2004年4月4日 | ネオユニヴァース | 牡4 | 1:59.6 | M.デムーロ | 瀬戸口勉 | (有)社台レースホース |
第49回 | 2005年4月3日 | サンライズペガサス | 牡7 | 1:59.0 | 幸英明 | 石坂正 | 松岡隆雄 |
第50回 | 2006年4月2日 | カンパニー | 牡5 | 2:04.5 | 福永祐一 | 音無秀孝 | 近藤英子 |
第51回 | 2007年4月1日 | メイショウサムソン | 牡4 | 2:01.4 | 石橋守 | 高橋成忠 | 松本好雄 |
第52回 | 2008年4月6日 | ダイワスカーレット | 牝4 | 1:58.7 | 安藤勝己 | 松田国英 | 大城敬三 |
第53回 | 2009年4月5日 | ドリームジャーニー | 牡5 | 1:59.7 | 池添謙一 | 池江泰寿 | (有)サンデーレーシング |
第54回 | 2010年4月4日 | テイエムアンコール | 牡6 | 1:59.5 | 浜中俊 | 柴田政見 | 竹園正繼 |
第55回 | 2011年4月3日 | ヒルノダムール | 牡4 | 1:57.8 | 藤田伸二 | 昆貢 | 蛭川正文 |
第56回 | 2012年4月1日 | ショウナンマイティ | 牡4 | 2:05.5 | 浜中俊 | 梅田智之 | 国本哲秀 |
第57回 | 2013年3月31日 | オルフェーヴル | 牡5 | 1:59.0 | 池添謙一 | 池江泰寿 | (有)サンデーレーシング |
第58回 | 2014年4月6日 | キズナ | 牡4 | 2:00.3 | 武豊 | 佐々木晶三 | 前田晋二 |
第59回 | 2015年4月5日 | ラキシス | 牝5 | 2:02.9 | C.ルメール | 角居勝彦 | 大島昌也 |
第60回 | 2016年4月3日 | アンビシャス | 牡4 | 1:59.3 | 横山典弘 | 音無秀孝 | 近藤英子 |
脚注・出典
注釈
- ↑ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
出典
- ↑ 地方馬が出走できるG1レース等とそのステップレースについて(平成29年度) 日本中央競馬会、2017年1月29日閲覧