AKB48
AKB48(エーケービー フォーティエイト)は、日本の女性アイドルグループ。秋元康のプロデュースにより、2005年に誕生した。
概要
東京都千代田区・秋葉原(外神田)に専用劇場であるAKB48劇場を持ち、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、専用劇場でチームごとに日替わりでほぼ毎日公演を行っている。メディアを通した遠い存在だったアイドルを身近に感じ、その成長していく過程をファンに見てもらい、共に成長していくアイドル・プロジェクトとされている。人気の上昇に伴って本業以外でも個々で活動するメンバーが増えている。
2005年、専用劇場で初の公演を行い、2006年2月にシングル「桜の花びらたち」でインディーズデビュー。同年8月シングル「会いたかった」でメジャーデビュー。当初は全くの無名で、関係者からの期待も薄かった。しかし、口コミなどでアイドルファンを中心に話題となり、徐々に専用劇場が連日満員になっていく。2007年には「アキバ枠」で『第58回NHK紅白歌合戦』に出場するものの、当時は「秋葉原のオタク向けアイドル」というイメージが強かったこともあり、世間の関心は薄かった。しかし、2008年にシングル「大声ダイヤモンド」で本格的にブレイク。2000年代のCD不況の逆風の中ヒット曲を次々と生み出し、いわゆる地下アイドル出身で史上初めてミリオンセラーを記録し、メディアから「AKB現象」「国民的アイドル」と呼ばれるほどの人気を博した唯一の例となる。CD総売り上げは、2011年10月26日の23枚目シングル「風は吹いている」発売の時点で1034万枚となり、日本の女性グループとしては4組目の1000万枚突破を記録、21世紀にCDデビューした日本のアーティストでは最高売上を記録している。
バンダイが行った「バンダイこどもアンケートレポート」によると、3歳から12歳までの児童の保護者を対象に2011年2月(集計は前年12月に実施)に行われたアンケートで、「お子様の好きな芸能人は誰ですか?」の総合2位にランクインしている。集計を行ったバンダイは、この年代の女の子にとってAKB48は憧れの存在であると分析している。
略歴
2005年
- 7月、総合プロデューサーの秋元康が主導で「秋葉原48プロジェクト」第1期生メンバー募集を開始する。
- 10月30日、東京都港区の芝浦スタジオで最終審査を開催。全応募者7924人のうち、書類審査で絞られた45人の中から、最終的に24人の合格者(倍率約330倍)が発表される。このうち2012年1月現在も継続してAKB48に在籍するのは板野友美、小嶋陽菜、高橋みなみ、平嶋夏海、前田敦子、峯岸みなみの6名。
- 11月3日、都内スタジオで、夏まゆみ指導による合格者のシアターレッスン開始、約1か月間の集中特訓が行われる。その後、11月23日からは突貫工事中の秋葉原48劇場ステージに場所を移す。
- 当初劇場グランドオープンを12月1日としていたが、11月28日になり1週間の延期を発表、12月8日、秋葉原48劇場の杮落としとなる第1回公演を実施。しかし一般の観客は7人であった(72人中65人が関係者)。
2006年
- 2月1日、初のCDシングル「桜の花びらたち」をインディーズレーベルから発売。
- 2月4日、シアター公演初の満員御礼を記録。
- 2月19日、第2期オーディション開始。業界初のテレビ電話オーディションを実施。26日に19人の合格者発表、チームK誕生。このうち2012年1月現在も継続してAKB48に在籍するのは秋元才加、梅田彩佳、大島優子、河西智美、小林香菜、佐藤夏希、増田有華、松原夏海、宮澤佐江の9名。
- 3月1日、初写真集「密着!『AKB48』〜写真集 Vol.1 the・デビュー」発売。
- 4月1日、チームK劇場初公演。初日は満員であったが、3日目には観客数が半減する。
- 6月4日、同7日に発売される2ndシングル「スカート、ひらり」発売記念として、チームA、K初の合同ライブを秋葉原UDXで開催、約1500人を動員。
- 6月9日、「スカート、ひらり」で、『ミュージックステーション』『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』両番組に出演、歌でのテレビ初出演を果たす。
- 7月23日、「AKB48と行く花やしきツアー」開催。
- 8月22日、公式ファンクラブ「柱の会」結成。
- 10月25日、デフスターレコーズから1stシングル「会いたかった」をリリース、メジャーデビューを果たす。オリコンウィークリーチャート12位。
- 11月3 - 4日、日本青年館で、劇場外で初となるコンサート『AKB48 ファーストコンサート「会いたかった 〜柱はないぜ!〜」』を開催。
- 12月3日、3期生の合格者20名を発表、チームB誕生。但し、その後辞退者が相次ぎ、実際にデビューしたのは13名だったため、当時のチームAから「サポートメンバー」として3名をチームBに異動させることとなる。13名のうち2012年1月現在も継続してAKB48に在籍するのは多田愛佳、柏木由紀、片山陽加、田名部生来、仲川遥香、仲谷明香、米沢瑠美、渡辺麻友の8名。
2007年
- 1月31日、メジャー2ndシングル「制服が邪魔をする」リリース。発売日に渋谷でストリートライブ敢行。同曲はオリコンウィークリーチャートで7位となり初のトップ10入り。
- 3月10日 - 4月1日、初の全国ツアー「AKB48 春のちょっとだけ全国ツアー 〜まだまだだぜAKB48!〜」を東京、名古屋、福岡、大阪で開催。
- 4月8日、チームB劇場初公演。初日から千秋楽まで満員御礼となる。
- 7月20日、劇場公演500回目を記念し、紅白饅頭がメンバーから劇場入場者一人一人に手渡される。
- 8月18日 - 25日、映画「伝染歌」に出演したメンバー10名が、先行上映が行われていた東京都中央区築地の東京劇場で「ギネスに挑戦 怒涛の1週間・連続舞台挨拶」として30回連続で舞台挨拶を敢行。
- 9月22日、チームBが、中国・北京で行われた「中日文化人懇談会2007〜オープンカレッジ in 北京〜」に秋元康とともに参加、中国芸術研究院でAKB48初の日本国外公演となるライブを行い、6曲を披露。
- 12月31日、『第58回NHK紅白歌合戦』に、中川翔子、リア・ディゾンらとともにいわゆる「アキバ枠」で初出場。1グループでの紅白出場としては当時最多となる43人が出演。
2008年
- 1月1日、ファーストアルバム『SET LIST〜グレイテストソングス 2006-2007〜』発売。
- 1月24日、AKB48地上波初の冠番組『AKB1じ59ふん!』がスタート。その後『AKB0じ59ふん!』を経て2012年現在も『AKBINGO!』として放送中。
- 2月、9thシングル「桜の花びらたち2008」の販売方法を巡るトラブル(後述)が発生。デフスターレコーズとの契約が打ち切られてしまう。それ以後、メジャー・シングルが出せない状態となり次作シングルはネット配信のみとなる。デフスターレコーズはその後2010年7月14日にデフスター時代のミュージック・ビデオを収録したDVD「逃した魚たち〜シングル・ビデオコレクション〜」をリリースしている。
- 10月22日、キングレコード(You, Be Cool!)へのレコード会社移籍後初となるシングル「大声ダイヤモンド」リリース。
2009年
- 1月31日、品川ステラボールで開催された「アイドル選手権 Push★1」イベントにて、AKB48の7名(板野、大島麻、大島優、小野、河西、小嶋陽、前田敦)およびSKE48・松井珠理奈の8名と、アイドリング!!!の8名、計16名からなるグループ、AKBアイドリング!!!が、デビュー曲「チューしようぜ!」を初披露、同曲は4月1日にポニーキャニオンからシングルリリース。
- 6月 - 7月、『AKB48 13thシングル選抜総選挙「神様に誓ってガチです」』(第1回選抜総選挙)を実施、前田敦子が1位となり、13thシングル「言い訳Maybe」のセンターを獲得。
- 8月22日 - 23日、日本武道館2DAYSコンサート『AKB104選抜メンバー組閣祭り』を開催、組閣(チームシャッフル)を発表。一部メンバーのチーム異動と研究生の昇格、および4名のSDN48への完全移籍を発表。新チームにキャプテン制を導入、チームAは高橋みなみ、チームKは秋元才加、チームBは柏木由紀をそれぞれキャプテンに指名。
- 10月21日、14thシングル「RIVER」をリリースし、グループ初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得。
- 12月31日、『第60回NHK紅白歌合戦』に2年ぶり2度目の出場。
2010年
- 2月17日、15thシングル「桜の栞」を発売、女性グループとして7年ぶりの初動売上30万枚突破記録を記録。
- 2月21日 - 7月27日、組閣(チームシャッフル)の実施(後述)。
- 5月26日、16thシングル「ポニーテールとシュシュ」を発売し、女性グループとして9年5か月ぶりとなる初動50万枚超えを達成。
- 5月 - 6月、『AKB48 17thシングル選抜総選挙「母さんに誓って、ガチです」』(第2回選抜総選挙)を実施し、大島優子が初のセンターを獲得。
- 7月14日、デフスターレコーズよりDVD『逃した魚たち〜シングル・ビデオコレクション〜』、CD『SET LIST〜グレイテストソングス〜完全盤』をリリース。
- 8月18日、17thシングル「ヘビーローテーション」を発売し、女性グループとして初となる2作連続での初動50万枚超えを達成したほか、2010年8月25日発表のレコチョク週間ランキングで、着うた・着うたフル・ビデオクリップ・着信ムービー・着信メロディの各ウィークリーランキングで5冠を獲得。
- 8月31日、公式ファンクラブ「柱の会」を2011年9月をもって廃止することを発表
- 9月21日、日本武道館で『AKB48 19thシングル選抜じゃんけん大会』が開催され、内田眞由美が初のセンターを獲得。
- 9月30日、この日をもって「柱の会」の新規入会および更新受付を終了。
- 10月15日、『AKB48のオールナイトニッポン』に出演した秋元才加が、13日に発覚した広井王子との関係を巡る一連の騒動の責任を取り、チームKキャプテンを辞任することを表明、以後チームKはキャプテン不在となる。
- 10月24日、日本国外初となるAKB48 OFFICIAL SHOP HONG KONG(AKB48香港專門店)を、「香港の秋葉原」こと深水埗(サムスイポー)のショッピングモール『西九龍中心』内にオープン。12月1日にはコーズウェイベイのタイムズスクウェア前にAKB48 MUSEUM HONG KONG(AKB48香港資料館)がオープン。
- 10月27日、18thシングル「Beginner」を発売し、グループ初のミリオンセラーを達成。ならびに日本における女性アイドルグループ5作連続1位、シングル年間1位、および21世紀最大の初動売上を記録。
- 11月18日、『ギネス・ワールド・レコーズ』により「世界一人数の多いポップグループ("Largest Pop Group")」(正規メンバー48名)として認定される。
- 12月31日、『第61回NHK紅白歌合戦』に2年連続3回目の出場。研究生、SKE48、またまだ公演を行っていないNMB48メンバーも含めた、1グループ名義としては史上最多の130人で出演。